JP2000256845A - 薄膜作成方法および薄膜作成装置 - Google Patents

薄膜作成方法および薄膜作成装置

Info

Publication number
JP2000256845A
JP2000256845A JP11066067A JP6606799A JP2000256845A JP 2000256845 A JP2000256845 A JP 2000256845A JP 11066067 A JP11066067 A JP 11066067A JP 6606799 A JP6606799 A JP 6606799A JP 2000256845 A JP2000256845 A JP 2000256845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
substrate
thin film
plasma
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11066067A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4351755B2 (ja
JP2000256845A5 (ja
Inventor
Shigeru Mizuno
茂 水野
Makoto Sato
佐藤  誠
Manabu Tagami
学 田上
Hideki Sato
英樹 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP06606799A priority Critical patent/JP4351755B2/ja
Priority to US09/453,883 priority patent/US6348238B1/en
Priority to KR10-2000-0007829A priority patent/KR100372385B1/ko
Priority to TW089102929A priority patent/TW477824B/zh
Publication of JP2000256845A publication Critical patent/JP2000256845A/ja
Priority to US09/799,609 priority patent/US6872289B2/en
Publication of JP2000256845A5 publication Critical patent/JP2000256845A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4351755B2 publication Critical patent/JP4351755B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/20Deposition of semiconductor materials on a substrate, e.g. epitaxial growth solid phase epitaxy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32431Constructional details of the reactor
    • H01J37/32697Electrostatic control
    • H01J37/32706Polarising the substrate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • C23C14/35Sputtering by application of a magnetic field, e.g. magnetron sputtering
    • C23C14/354Introduction of auxiliary energy into the plasma
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/34Gas-filled discharge tubes operating with cathodic sputtering
    • H01J37/3402Gas-filled discharge tubes operating with cathodic sputtering using supplementary magnetic fields
    • H01J37/3405Magnetron sputtering

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細なホールの内面への被覆性を向上させつ
つ成膜速度の低下を抑制し、作成される薄膜の品質や製
造されるデバイスの特性等を損なうことのないようにす
る。 【解決手段】 プラズマPの空間電位Vpに対して基板
9の表面に所定の電位を与えることでバイアスしてプラ
ズマP中のイオンを入射させながら薄膜が作成される。
バイアス機構6は、誘電体ブロック22内のバイアス電
極23にパルス状の電極印加電圧Veを印加し、基板表
面電位Vsをパルス状に変化させる。パルスの周波数は
プラズマP中のイオンの振動周波数以下であり、パルス
周期T、パルス幅t、パルス高さhはイオン入射が最適
化されるよう制御部62で制御される。基板表面電位V
sがパルス周期Tの終わりには浮遊電位Vfに回復し、
イオンの入射エネルギーが薄膜のスパッタリングしきい
値をパルス周期Tにおいて一時的に越えるよう、印加パ
ルスが制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、スパッタリン
グやプラズマ化学蒸着(プラズマCVD)のような、基
板の表面に所定の薄膜を作成する方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スパッタリングやCVDのような薄膜作
成プロセスは、LSIを始めとする各種電子デバイスや
液晶ディスプレイ等の表示装置の製造で多く行われてい
る。このうち、半導体デバイスの分野では、デバイスの
集積化と微細化はますます進んでいる。デバイスの微細
化は、製造工程に新しい技術を要求する。即ち、微細な
ホール内への充分な量の膜の埋込や、デバイス構造にお
ける段差を軽減する工夫、及び、高電流密度を原因とし
た発熱やエレクトロマイグレーションによる断線の予防
などである。とりわけ、アスペクト比(ホールの開口の
直径又は幅に対するホールの深さの比)が高い微細なホ
ールの底部に被覆性良く十分な厚さのバリア膜を形成す
る技術は、これからの半導体デバイス製造の鍵を握る技
術である。
【0003】バリア膜は、下地材料と配線材料との相互
浸食や拡散防止(バリア性の確保)のほか、導電性の確
保、密着性の確保のために使用される。バリア膜には、
チタン膜と窒化チタン膜との積層膜、タンタル膜、窒化
タンタル膜、又は、タンタル膜と窒化タンタル膜の積層
膜などが用いられる。高アスペクト比の微細なホールの
内面へのバリア膜の成膜方法として、現在、基板をバイ
アスしながら成膜するイオン化スパッタ法やプラズマC
VD法などが注目されている。従来の方法の一例とし
て、イオン化スパッタ法について図9を使用して説明す
る。図9は、従来の薄膜作成装置の一例であるイオン化
スパッタ装置の概略構成を示す正面図である。
【0004】図9に示す装置は、排気系11によって内
部が排気される処理チャンバー1と、処理チャンバー1
内の所定位置に基板9を保持する基板ホルダー2と、処
理チャンバー1内に所定のプロセスガスを導入するガス
導入系3と、処理チャンバー1内にプラズマを発生させ
るプラズマ発生手段とを備えている。プラズマ発生手段
は、処理チャンバー1内に被スパッタ面が露出するよう
にして設けられたターゲット41を有するカソード4
と、ターゲット41に所定の電圧を印加してスパッタ放
電を生じさせることによりプラズマを発生させるスパッ
タ電源5とから主に構成されている。
【0005】スパッタ電源5には、13.56MHz程
度の周波数の高周波電圧をターゲット41に印加するも
のが採用されている。ガス導入系3によって処理チャン
バー1内に所定のプロセスガスを導入し、スパッタ電源
5によってターゲット41に高周波電圧を印加すると、
プロセスガスに高周波放電が生じてプラズマが発生す
る。スパッタ電源5とターゲット41の被スパッタ面と
の間には、不図示の整合器等によるキャパシタンスが存
在している。キャパシタンスを介して高周波電圧を印加
すると、キャパシタンスの充放電にプラズマ中の電子及
びイオンが作用し、電子とイオンの移動度の違いから、
自己バイアス電圧がターゲット41に生ずる。自己バイ
アス電圧は、高周波電圧に重畳した負の直流分の電圧で
あり、この自己バイアス電圧によりイオンがプラズマか
ら引き出されてターゲット41に入射する。この結果、
ターゲット41がスパッタされる。
【0006】スパッタによってターゲット41から放出
された粒子(通常は原子の状態、以下、スパッタ粒子又
はスパッタ原子と呼ぶ)は、処理チャンバー1内を飛行
して基板9の表面に達する。スパッタ粒子の到達が重な
ると、薄膜に成長する。そして、所定時間スパッタリン
グを行うことで所定の厚さの薄膜が基板9の表面に作成
される。また、上記スパッタ電源5は、スパッタによっ
てターゲット41から放出されるスパッタ粒子をイオン
化させるイオン化手段に兼用されている。スパッタ電源
5として上述のような高周波電源を用いると、プラズマ
中の電子がスパッタ粒子に衝突してスパッタ粒子をイオ
ン化させる効率が増す。尚、イオン化手段としては、ス
パッタ粒子の飛行経路の途中に設けた高周波電極に高周
波電圧を印加する構成が採用されることがある。
【0007】また一方、プラズマ中のイオンが基板9に
入射するよう基板9をバイアスするバイアス機構6が設
けられている。「バイアス」とは、プラズマの空間電位
に対して基板9の表面に所定の電位を与え、プラズマ中
のイオンを基板9に入射させるようにすることである。
基板ホルダー2は、接地電位に維持される金属製のホル
ダー本体21と、ホルダー本体21に固定した誘電体ブ
ロック22等から構成されている。誘電体ブロック22
内には、バイアス電極23が設けられている。従来の装
置におけるバイアス機構6は、バイアス電極23に接続
されたバイアス電源61等から主に構成されている。
【0008】バイアス機構6を使用しながらスパッタリ
ングを行うと、イオン化したスパッタ粒子(以下、イオ
ン化スパッタ粒子)の作用によってホール内への被覆性
が向上する効果がある。以下、この点を図10を使用し
て説明する。図10は、従来の方法及び装置における基
板9の表面電位について説明する図であり、(1)はバ
イアス電極23に印加される電圧、(2)は基板9の表
面電位を示している。
【0009】まず、基板9は、基板ホルダー2の一部で
ある誘電体ブロック22の上に載置される。従って、プ
ラズマに晒された基板9の表面電位(以下、基板表面電
位Vs)は、まず浮遊電位となる。浮遊電位(図10
(2)にVfとして示す)は、数ボルト程度の負の電位
である。尚、浮遊電位Vfによるシース電界の強度は、
プラズマ密度に依存する。そして、プラズマ密度は、ス
パッタ電源5として用いた高周波電源の出力に依存す
る。一方、プラズマの空間電位は(図10(2)にVp
として示す)0Vないし数十ボルト程度までの正の電位
である。プラズマ空間電位Vpが多少正にシフトするの
は、電子が基板ホルダー2などの表面に移動した結果、
バランスを取ろうとするためであると考えられている。
このような空間電位Vpであるプラズマと、浮遊電位Vf
が与えられた基板9との間には、基板9に向かって徐々
に電位が下がるシース電界が生ずる。シース電界の向き
は基板9に垂直であり、イオン化スパッタ粒子はこのシ
ース電界によって加速され、基板9にほぼ垂直に入射す
る。この結果、ホールの底面まで達するイオン化スパッ
タ粒子が多くなり、ホールの底面への成膜速度が増す。
【0010】しかしながら、ターゲット41から放出さ
れるスパッタ粒子のすべてがイオン化される訳ではな
く、中性スパッタ粒子も基板9に相当量到達する。この
中性スパッタ粒子は、シース電界によって影響を受け
ず、様々な角度で基板9に入射する。この結果、ホール
の開口の縁の部分は、このようなスパッタ粒子によって
堆積量が多くなり、オーバーハングと呼ばれる隆起が形
成され易い。オーバーハングが形成されると、ホールの
開口が小さくなり、アスペクト比が見かけ上高くなって
しまう。アスペクト比が高くなると、ホール内に進入で
きるスパッタ粒子の量が減るため、ホールの底面の被覆
性が低下してしまう。
【0011】一方、バイアス電源61には、スパッタ電
源5と同様に13.56MHz程度の周波数の高周波電
源が使用されている。従って、プラズマが発生している
状態で、バイアス電源61を動作させると、図10
(2)に示すように、電子とイオンの移動度の違いから
基板9に自己バイアス電圧Vdcが与えられる。この結
果、自己バイアス電圧Vdcによる電界が浮遊電位Vfに
よる電界に重畳された状態となる。自己バイアス電圧は
前述した通り負の直流分の電圧であるから、シース電界
がさらに高くなり、イオンの入射エネルギーが増す。
【0012】尚、実際には、バイアス電極23に印加さ
れる電圧(以下、電極印加電圧)Veは高周波電圧であ
り、この高周波電圧による電界があるため、基板表面電
位Vsは、図10(2)中に点線で示すように正弦波状
に変化している。そして、浮遊電位Vfと基板表面電位
Vsとの差が自己バイアス電圧Vdcになっている。しか
しながら、基板表面電位Vsの変化の周波数は13.5
6MHzであり、プラズマのイオン振動数(1010個/
cm3程度の密度のArプラズマの場合は約3.3MH
z)よりも充分に高い。従って、イオンの挙動を問題に
する場合には高周波成分は無視してよい。つまり、高周
波電界に追随してイオンが移動する前に電界の向きが変
わってしまうので、高周波電界は全体としてイオンの移
動には影響を与えない。従って、イオンを移動させる主
たる電界は、自己バイアス電圧Vdcによる電界と浮遊電
位Vfによる電界である。尚、浮遊電位Vfも電子とイ
オンの移動度の差によって生ずるものであるから、「自
己バイアス電圧」の一種と考えることも可能である。こ
の場合は、図10(2)に示す基板表面電位Vsの直流
分全体が自己バイアス電圧ということになる。
【0013】上記のように、入射イオンのエネルギーが
高くなると、プロセスガスのイオンの入射エネルギー
が、堆積した膜をスパッタする際のスパッタリングしき
い値を越えるようになり、オーバーハングの部分の堆積
膜を再スパッタすることが可能となる。オーバーハング
の再スパッタにより、ホールの開口が減少するのが防止
され、また、再スパッタにより放出されたスパッタ粒子
がホール内に落下するため、ホールの内面(底面又は側
面)の被覆性が向上する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法及び装置では、以下のような問題があった。即ち、
上述したように自己バイアス電圧の印加によってシース
電界の強度を高くする結果、プロセスガスのイオンによ
ってオーバーハングの部分が再スパッタされ、ホールの
内面の被覆性を高くできる。しかし、イオンはオーバー
ハングの部分以外のところにも高いエネルギーで入射
し、堆積した又は堆積しつつある薄膜をスパッタしてし
まう。このため、全体の成膜速度が遅くなり、生産性を
低下させてしまう。
【0015】また、プロセスガスのイオンが高エネルギ
ーで入射する結果、プロセスガスのイオンが薄膜中に混
入し、作成された薄膜の品質を低下させる問題がある。
特に、膜厚が薄くなり易いホールの底面では、入射イオ
ンが薄膜を突き抜けて下地層中にまで達してしまう場合
もある。さらに、イオンの入射量が多くなると、電荷が
過剰に蓄積されることになり、デバイスの電気的ダメー
ジの問題も生ずる。
【0016】本願の発明は、このような課題を解決する
ために成されたものであり、微細なホールの内面への被
覆性を向上させつつ成膜速度の低下を抑制し、また、作
成される薄膜の品質や製造されるデバイスの特性等を損
なうことのない薄膜作成方法及び薄膜作成装置を提供す
る技術的意義を有する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、基板の表面を臨む空
間にプラズマを形成するととともに、プラズマの空間電
位に対して基板の表面に所定の電位を与えることで基板
の表面をバイアスし、バイアスによってプラズマ中のイ
オンを基板の表面に入射させながら基板の表面に所定の
薄膜を作成する薄膜作成方法であって、前記バイアス
は、前記基板にパルス状の電圧を印加することで行われ
るものであり、このパルス状の電圧の周波数は、前記プ
ラズマにおける前記イオンの振動周波数以下であり、さ
らに、パルス周期、パルス幅及びパルス高さを、前記基
板への前記イオンの入射量及びエネルギーが最適となる
ように制御しながら行うという構成を有する。上記課題
を解決するため、請求項2記載の発明は、上記請求項1
の構成において、前記パルス状の電圧の波形は、イオン
入射用のパルスと、このイオン入射用のパルスとは極性
の異なる緩和用のパルスとを含んでいるという構成を有
する。上記課題を解決するため、請求項3記載の発明
は、上記請求項2の構成において、前記緩和用のパルス
の幅は、前記パルス周期から前記イオン入射用のパルス
の幅を引いた時間よりも短く、イオン入射用のパルスも
緩和用のパルスも印加されない時間帯があるという構成
を有する。上記課題を解決するため、請求項4記載の発
明は、上記請求項1、2又は3の構成において、前記イ
オンの入射エネルギーが、前記基板の表面に作成する薄
膜をスパッタリングするのに必要な最低限のエネルギー
の値であるスパッタリングしきい値を一つのパルス周期
において一時的に越えるよう、前記パルス周期、パルス
幅及びパルス高さが制御されるという構成を有する。上
記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、上記請
求項1、2、3又は4の構成において、前記パルス状の
電圧は、誘電体を介在させながら基板に対して間接的に
印加されるという構成を有する。上記課題を解決するた
め、本願の請求項6記載の発明は、排気系によって内部
が排気される処理チャンバーと、処理チャンバー内の所
定位置に基板を保持する基板ホルダーと、処理チャンバ
ー内に所定のプロセスガスを導入するガス導入系と、処
理チャンバー内にプラズマを発生させるプラズマ発生手
段とを備え、基板ホルダーに保持された基板の表面に所
定の薄膜を作成する薄膜作成装置であって、前記プラズ
マ空間電位に対して基板の表面に所定の電位を与えるこ
とで基板の表面をバイアスしてプラズマ中のイオンを基
板の表面に入射させるバイアス機構が設けられており、
このバイアス機構は、パルス状の電圧を基板に印加する
ものであって、このパルスの周波数は、前記プラズマ中
における前記イオンの振動周波数以下であり、さらに、
パルス周期、パルス幅及びパルス高さを、前記基板への
前記イオンの入射量及びエネルギーが最適となるように
制御する制御部を備えているという構成を有する。上記
課題を解決するため、請求項7記載の発明は、上記請求
項6の構成において、前記制御部は、イオン入射用のパ
ルスと、イオン入射用のパルスとは極性の異なる緩和用
のパルスとを含んだ波形のパルス状の電圧が基板に印加
されるよう制御するものであるという構成を有する。上
記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、上記請
求項7の構成において、前記制御部は、前記緩和用のパ
ルスの幅は、前記パルス周期から前記イオン入射用のパ
ルスの幅を引いた時間よりも短く、イオン入射用のパル
スも緩和用のパルスも印加されない時間帯があるように
制御するものであるという構成を有する。上記課題を解
決するため、請求項9記載の発明は、上記請求項6、7
又は8の構成において、前記制御部は、前記イオンの入
射エネルギーが、前記基板の表面に作成する薄膜をスパ
ッタリングするのに最低限必要なエネルギーの値である
スパッタリングしきい値を一つのパルス周期において一
時的に越えるよう、パルス周期、パルス高さ及びパルス
幅を制御するものであるという構成を有する。上記課題
を解決するため、請求項10記載の発明は、上記請求項
6、7、8又は9構成において、誘電体を介在させなが
ら基板に対してバイアス電極が設けられており、前記バ
イアス機構は、このバイアス電極に前記パルス状の電圧
を印加するものであるという構成を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。以下の説明では、従来と同様に、イオン
化スパッタを例にして説明する。図1は、本願発明の第
一の実施形態の薄膜作成装置の概略構成を示す正面図で
ある。図1に示す装置は、排気系11によって内部が排
気される処理チャンバー1と、処理チャンバー1内の所
定位置に基板9を保持する基板ホルダー2と、処理チャ
ンバー1内に所定のプロセスガスを導入するガス導入系
3と、処理チャンバー1内にプラズマPを発生させるプ
ラズマ発生手段とを備えている。プラズマ発生手段は、
処理チャンバー1内に被スパッタ面が露出するようにし
て設けられたターゲット41を有するカソード4と、タ
ーゲット41に所定の電圧を印加してスパッタ放電を生
じさせることによりプラズマPを発生させるスパッタ電
源5とから構成されている。
【0019】本実施形態の装置においても、スパッタ電
源5は、13.56MHz程度の周波数の高周波電源で
あり、イオン化手段に兼用されている。そして、プラズ
マ中のイオンが基板9に入射するよう基板9の表面をバ
イアスするバイアス機構6が設けられている。本実施形
態の装置の大きな特徴点は、バイアス機構6が、パルス
状の電圧をバイアス電極23に印加することでバイアス
を行うものであり、このパルス状の電圧印加を制御する
制御部62が設けられている点である。以下、この点を
具体的に説明する。
【0020】本実施形態におけるバイアス機構6は、図
1に示すように、商用交流入力を所定の直流に変換する
直流電源回路63と、直流電源回路63の出力をパルス
状に変換してパルス状の電圧を発生させるパルス発生回
路64と、直流電源回路63やパルス発生回路64の動
作を制御する制御部62と、制御部62に制御信号を入
力する入力部65とから主に構成されている。そして、
基板ホルダー2の一部を成す誘電体ブロック22内に
は、同様にバイアス電極23が設けられており、パルス
発生回路64の出力電圧は、バイアス電極23に印加さ
れるようになっている。
【0021】直流電源回路63は、スイッチングレギュ
レータ方式等を採用した回路であり、所定の大きさの負
の直流電圧を出力するものである。パルス発生回路64
は、トランジスタを使用して後述するような方形波パル
スをスイッチングによって発生させるようになってい
る。
【0022】制御部62は、直流電源回路63に制御信
号を送るパルス高さ制御回路621と、パルス発生回路
64に制御信号を送るパルス発生制御回路622とを有
している。制御部62の構成について、図2を使用して
説明する。図2は、図1に示すバイアス機構6によって
バイアス電極23に与えられる電圧(電極印加電圧)及
びプラズマの作用によって生ずる基板表面電位の変化に
ついて説明した図であり、(1)が電極印加電圧Ve、
(2)が基板表面電位Vsの変化を示している。電極印
加電圧Veは、パルス発生回路64の出力電圧である。
この電圧は、図2に示すように、周期T、パルス幅t、
パルス高さhの極性が負である方形波パルスである。
【0023】図1に示すパルス高さ制御回路621は、
入力部65から入力された値に従い、直流電源回路63
の出力電圧を制御し、このパルス高さhを所定の値にす
るようになっている。例えば、直流電源回路63内の不
図示の基準電圧発生回路に制御信号を送り、基準電圧を
所定の値に変更するよう構成される。また、パルス発生
制御回路622は、入力部65から入力された値に従
い、パルス発生回路64にトリガー信号等の所定の制御
信号を送り、トランジスタのスイッチング動作を制御す
る。この結果、前述したような方形波パルスが出力され
るようになっている。入力部65からは、周期T、パル
ス幅t、パルス高さhのデータが入力される。これらの
データは、基板9の表面への成膜が最適となるよう予め
定められる。この点について、以下に説明する。
【0024】上記データの選定で重要な第一の点は、パ
ルスの周波数がプラズマ中のイオンの振動周波数より低
くなるようにパルス周期Tが定められている点である。
イオン振動数は例えば密度1010個/cm-3のArプラ
ズマの場合は前述した通り3.3MHzである。図2
(1)に示す電極印加電圧Veの周波数は、これより低
い例えば5kHz〜3MHz程度とされる。周期で言う
と、0.3μ秒〜200μ秒程度である。
【0025】従来は、電極印加電圧Veの周波数がイオ
ン振動数より充分に高かったため、それがプラズマ中の
イオンの挙動に影響を与えることがないとして無視した
が、本実施形態では、イオン振動数より低いために無視
できない。つまり、パルス状の電極印加電圧Veによる
イオンの移動が基板表面電位Vsに影響を与える。さら
に詳しく説明すると、電極印加電圧Veのパルスがオン
になり、バイアス電極23の電位が負になると、誘電体
ブロック22のキャパシタンスを介して図2(2)に示
すように基板9の表面に負の電位が誘起される。そし
て、この電位によってプラズマ中のイオンが基板9の表
面に引き寄せられて入射する。従って、入射イオンによ
って基板表面電位Vsは図2(2)に示すように徐々に
上昇する。
【0026】そして、電極印加電圧Veのパルスがオフ
になると、その時点でVsの上昇は停止する。しかしな
がら、その時点での基板表面電位Vsは、バックグラウ
ンドとして存在する浮遊電位Vfよりもさらに低いた
め、パルスがオフになった以降も上昇を続け、浮遊電位
Vfに達すると上昇が止まる。つまり、浮遊電位Vfは、
表面へのイオンと電子の入射が平衡に達する電位であ
り、電子の高い移動度のため数ボルト程度の負の電位で
ある。パルスがオフなった時点では基板表面電位Vsは
浮遊電位Vfよりも低く、イオンと電子の入射が平衡に
達するまで基板表面電位Vsは上昇する。その後、次の
パルスがオンされると、基板表面電位Vsは同様の変化
を繰り返す。
【0027】パルス周期T、パルス幅t及びパルス高さ
hの選定で重要な二番目の点は、一つのパルス周期Tが
終わるまでに基板表面電位Vsが浮遊電位Vfまで上昇す
るよう定められることである。この点について、図3を
使用して説明する。図3は、基板表面電位Vsの上昇パ
ターンについて説明した図である。
【0028】図3には、三つの基板表面電位Vsの上昇
パターンが描かれている。パターンaは、パルス幅tの
時間経過後、周期Tの終わりまでにVsがVfに達するも
のであり、上述した上昇パターンである。また、パター
ンbは、パルス幅tの時間内にVfに達する上昇パター
ンである。さらに、パターンcは、周期Tの終わりまで
にはVfに達しない上昇パターンである。パターンcの
場合、浮遊電位Vfにまで上昇する前に次のパルスがバ
イアス電極23に印加されるため、基板9や誘電体ブロ
ック22の表面の残留電荷量が経時的に多くなってしま
う問題がある。つまり、パルスの印加のたびに基板9の
表面や誘電体ブロック22の表面の残留電荷量が多くな
っていく。
【0029】残留電荷量がある程度以上に多くなると、
処理チャンバー1等の接地電位である部材表面との間で
アーク放電を生じたり、誘電体ブロック22に絶縁破壊
を生じさせてホルダー本体21にリーク電流を流したり
することがある。アーク放電は、処理チャンバー1内の
部材を損傷したり、基板9を汚損する材料を放出させた
りする原因となる。また、誘電体ブロック22の絶縁破
壊は、誘電体ブロック22の破損につながったり寿命を
早めたりする原因となる。さらに深刻なのは、基板9の
表面の残留電荷量が多くなると、基板9の表面又は内部
に形成されている絶縁層を絶縁破壊し、重大な回路欠陥
を招いてしまうことである。
【0030】このようなことから、基板表面電位Vsの
上昇は、パターンa又はパターンbによることが好まし
い。基板表面電位Vsの上昇は、イオン入射による表面
電荷の緩和によって生ずるから、どのような上昇パター
ンになるかは、プラズマ密度にも依存する。プラズマ密
度は、処理チャンバー1内の圧力及びスパッタ電源5の
出力等の条件により決まる。これらの条件は、必要な成
膜速度との関連で決まってしまうので、そのような条件
下においてパターンa又はパターンbとなるように、パ
ルス周期T、パルス幅t及びパルス高さhを定める。具
体的には、ダミーの基板を使用しながら実際の成膜条件
と同じ条件でスパッタリングを行い、基板表面電位Vs
の変化を測定する。そして、パルス周期Tの終わりに基
板表面電位Vsが浮遊電位Vfと同程度まで上昇する範囲
を調査し、その範囲でパルス周期T、パルス幅t及びパ
ルス高さhを定めるようにする。
【0031】パルス周期T、パルス幅t及びパルス高さ
hの選定で重要な三番目の点は、これらが、作成される
薄膜のスパッタリングしきい値との関係で定められてい
る点である。この点について、図2及び図4を使用して
説明する。図4は、スパッタリングしきい値について説
明する図である。
【0032】図4は、ある固体表面に対して入射するイ
オンのエネルギーに対するスパッタ率の比を表したもの
であり、横軸はイオンの入射エネルギー(eV)、縦軸
はスパッタ率(1個の入射イオンに対して放出されるス
パッタ原子の数の比)を示している。図4に示すよう
に、イオンの入射エネルギーがある値以上でないと、ス
パッタ原子が放出されず、スパッタリングが起きない。
この値が、スパッタリングしきい値である。例えば、チ
タンの場合は20eV程度である。尚、イオンの入射エ
ネルギーがある限度以上に高くなると、スパッタ率は下
がるが、これは、イオンが固体の内部に侵入してしまう
現象(イオンインプランテーション)を示している。
【0033】前述した通り、基板9へのイオンの入射
は、プラズマPと基板9との間のシース電界によって行
われる。プラズマ空間電位Vpは、0ないし数十ボルト
程度までの正の電位である。図2(2)中、プラズマ空
間電位Vpを点線で示す。尚、プラズマ空間電位Vpや、
基板表面電位Vsは、スパッタ電源5によって設定され
る高周波電界の影響を受け、高周波成分が実際には乗っ
ている。しかし、この高周波の周波数は13.56MH
zであり、イオン振動数より充分に高いので同様に無視
する。
【0034】図2(2)に示すように電位が変化する基
板9の表面に対しては、プラズマ空間電位Vpと基板表
面電位Vsとの差によって生ずるシース電界によりイオ
ンが加速されて入射する。シース電界が低いうちは、イ
オンの入射エネルギーは弱く、基板9の表面をスパッタ
するには至らない。しかし、入射エネルギーが高くな
り、スパッタリングしきい値以上になると、基板9の表
面がスパッタされるようになる。この際のスパッタリン
グしきい値のエネルギーで入射させるシース電界をしき
い値電界Ethとする。
【0035】図2(2)において、プラズマ空間電位V
pはほぼ一定とみて良いから、シース電界の強度は基板
表面電位Vsによって決められることになる。この際、
しきい値電界Ethになる際の基板表面電位を、しきい値
電位Vsthとする。電極印加電圧Veのパルス周期T、パ
ルス幅h、パルス高さhは、電極印加電圧Veの一つの
パルス周期Tの時間中、一時的に基板表面電位Vsがし
きい値電位Vsthを越えて低くなるように定められてい
る。
【0036】このような基板表面電位Vsの変化がもた
らす結果について、従来の場合と比較しながら説明す
る。図10(2)には、図2(2)と同様に、しきい値
電位Vsthが書き入れられている。図10(2)から分
かるように、従来の場合、基板表面電位Vsは、しきい
値電位Vsthを常に越えて低くなっている。従って、基
板9の表面には、スパッタリングしきい値以上のエネル
ギーを持つイオンが常に入射しており、薄膜の再スパッ
タが時間的に連続して常に起きている。このため、基板
表面電位Vsがしきい値電位Vsthを僅かに越えただけで
も、時間積分した再スパッタ量は多くなってしまう。こ
の結果、どうしても過剰な再スパッタによる成膜速度の
低下の問題や薄膜中へのイオンの混入等の問題が起きや
すい。
【0037】従来の場合でも、バイアス電源61として
設けられた設けられた高周波電源やスパッタ電源5の出
力を調整したり、圧力を調整したりすることで、自己バ
イアス電圧Vdcの大きさを調整し、これによって再スパ
ッタの量を制御することはある程度可能である。しかし
ながら、図10(2)から容易に理解されるように、従
来の技術では、本質的に再スパッタが時間的に連続して
常時生ずるか、又は、全く生じないかの二つの選択しか
できない。このため、最適な再スパッタ量(又は再スパ
ッタ速度)になるようにする制御は極めて困難である。
【0038】一方、図2(2)では、基板表面電位Vs
がしきい値電位Vsthより低くなるのは、一つのパルス
周期Tのうちの一時的な時間帯に限られている。これ
は、しきい値電位Vsthが浮遊電位Vfより低いものであ
り、Vsは上述した通りパルス周期Tの終わりにはVfま
で回復することから、当然の結果である。Vsがパルス
周期Tにおいて一時的にVsthより低くなるということ
は、入射イオンによる基板9のスパッタリングは、断続
的に起こることになる。この点が、従来の技術との大き
な相違である。
【0039】一つのパルスTにおいてスパッタリングが
起こる時間帯、即ち、基板表面電位Vsがしきい値電位
Vsthより低くなる時間帯(図2(2)にtsで示す)
は、パルスがオンになった当初に基板表面電位Vsが到
達する値(以下、パルス初期電位Vso)、イオンの入射
によって基板表面電位Vsが緩和されて上昇する速度、
及び、パルス幅tに依存する。基板表面電位Vsが上昇
する速度はプラズマ密度に依存し、プラズマ密度は圧力
やスパッタ電源5の出力等に依存する。それらが一定で
あるとすると、時間帯tsは、パルス初期電位Vsoの大
きさとパルス幅tにより決まる。パルス初期電位Vso
は、電極印加電圧Veのパルス高さhと、誘電体ブロッ
ク22の誘電率ε及び形状寸法とによって決まる。誘電
体ブロック22の誘電率εや形状寸法は一定であるか
ら、結局、時間帯tsの長さは、パルス高さh及びパル
ス幅tにより制御できることになる。
【0040】パルス高さh及びパルス幅tは、前述した
のと同じように実際の成膜と同じ条件で成膜実験を行
い、成膜速度やボトムカバレッジ率などの成膜特性が所
定の値になるようなパルス高さh及びパルス幅tを求め
て定める。高アスペクト比のホールの内面への被覆率を
高めるには、前述したようにオーバーハングが再スパッ
タされる量を多くしてやればよい。このためには、図2
(2)に示すtsを長くすればよい。tsを長くすれ
ば、基板表面電位Vsがしきい値電位Vsthより低くなっ
ている時間が長くなり、時間積分した再スパッタ量が多
くなる。
【0041】しかしながら、再スパッタ量が多くなる
と、前述したように全体の成膜速度が低下してしまう。
この点を勘案して、ホール内面の被覆率と成膜速度が両
立した最適な結果をもたらすパルス高さh及びパルス幅
tを実験的に求めて定める。いずれにしても、従来のよ
うな再スパッタが常時生ずるか全く生じないかという二
者択一的な制御ではなく、再スパッタが断続的に生じ、
各周期の再スパッタの時間幅を調整することができるの
で、最適な結果が得られる値が容易に選定可能である。
【0042】以上のパルス周期T、パルス幅t及びパル
ス高さhの選定について、以下にまとめて記載する。 (1)パルス周期Tは、パルスの周波数がイオン振動数
よりも低くなるように選定する。 (2)パルス周期T、パルス幅t及びパルス高さhは、
パルス周期Tの終わりまでには基板表面電位Vsが浮遊
電位Vfと同程度まで回復するよう選定する。 (3)パルス幅t及びパルス高さhは、ホールの被覆率
と成膜速度が両立した最適な結果をもたらすよう選定す
る。
【0043】以上のように選定したパルス周期T、パル
ス幅t及びパルス高さhは、入力部65から制御部62
に入力され、制御部62内の不図示のメモリに記憶され
るようになっている。そして、パルス高さhのデータ
は、パルス高さ制御回路621から直流電源回路63に
送られ、直流電源回路63の出力電圧がそのデータに一
致するよう制御される。また、パルス周期T及びパルス
幅tのデータは、パルス発生制御回路622からパルス
発生回路64に送られ、パルス発生回路64の出力パル
ス周期及び幅がそれらのデータに一致するよう制御され
る。
【0044】次に、本実施形態の薄膜作成装置の他の構
成について説明する。本実施形態の装置は、バリア膜を
作成する装置として構成されている。従って、ターゲッ
ト41は、チタン製又はタンタル製等である。ガス導入
系3としては、アルゴンの他、窒素を導入するよう構成
される場合もある。窒素を導入しながらスパッタリング
を行うと、窒素とターゲット41の材料との反応が生
じ、窒化チタン膜や窒化タンタル膜等がバリア膜として
作成できる。
【0045】また、ターゲット41の背後(被スパッタ
面とは逆側)には、磁石ユニット42が設けられてい
る。磁石ユニット42は、ターゲット41とともにカソ
ード4を構成する部材である。磁石ユニット42は、マ
グネトロンスパッタリングを可能にするため設けられて
いる。マグネトロンスパッタリングは、ターゲット41
を介して設定される電界に直交する磁界を設定し、電子
をマグネトロン運動させることにより高効率の放電を達
成するものである。高効率の放電により、比較的低い圧
力でも高い成膜速度で成膜ができ、高品質の薄膜を高い
生産性で作成できるというメリットがある。
【0046】磁石ユニット42は、中央に設けられた中
心磁石421と、中心磁石421を取り囲むリング状の
周辺磁石422と、中心磁石421と周辺磁石422と
を繋ぐヨーク423とから構成されている。中心磁石4
21と周辺磁石422との間には、図1に示すようにタ
ーゲット41を貫いて膨らむ磁力線424が設定され
る。この磁力線424は、その膨らんだ頂点の付近等で
電界(電気力線)に直交し、マグネトロンスパッタリン
グが達成される。
【0047】また、基板ホルダー2のホルダー本体21
内には、基板9を所定温度に加熱する加熱機構24が設
けられている。加熱機構24は、基板9を100〜50
0℃程度に加熱し、成膜速度を高くするようにしてい
る。加熱機構24には、ジュール発熱方式のものが例え
ば使用できる。尚、基板ホルダー2と基板9との間の接
触性を向上させて加熱効率を良くするなどのため、基板
9は基板ホルダー2に静電吸着されることが好ましい。
本実施形態の装置では、前述した電極印加電圧Veによ
り誘電体ブロック22の表面に静電気が誘起され、この
静電気によって基板9を静電吸着することが可能であ
る。
【0048】また、ターゲット41と基板9との間の空
間には、防着シールド71が設けられている。防着シー
ルド71は、処理チャンバー1の内面へのスパッタ粒子
の付着を防止するためのものである。さらに、基板ホル
ダー2に保持された基板9の周囲に位置するようにして
リングシールド72が設けられている。リングシールド
72は、プラズマの不必要な場所への拡散やスパッタ粒
子の不必要な場所への付着を防止するためのものであ
る。
【0049】次に、実施形態の方法の説明も兼ねて、上
記構成に係る本実施形態の装置の動作について説明す
る。まず、基板9は、不図示の搬送ロボットにより不図
示のゲートバルブを通して処理チャンバー1内に搬入さ
れ、基板ホルダー2の表面(即ち、誘電体ブロック22
の表面)の所定位置に保持される。そして、不図示のゲ
ートバルブが閉じ、排気系11によって処理チャンバー
1内が所定の圧力に排気されているのが確認されると、
ガス導入系3が動作して処理チャンバー1内に所定のプ
ロセスガスが所定の流量で導入される。基板ホルダー2
内の加熱機構24は、基板9を所定の温度まで予め加熱
する。
【0050】この状態でスパッタ電源5が動作し、スパ
ッタ放電が生じてターゲット41がスパッタされ、プラ
ズマPが生成される。同時に、バイアス機構6が動作
し、バイアス電極23に前述したようなパルス状の電極
印加電圧Veが印加される。スパッタ放電によってター
ゲット41から放出されたスパッタ粒子が基板9に達
し、薄膜を堆積させる。
【0051】この際、スパッタ放電によりターゲット4
1から放出されたスパッタ粒子は、プラズマP中でイオ
ン化してイオン化スパッタ粒子となる。イオン化スパッ
タ粒子は、シース電界によって加速されて基板9により
垂直に多く入射する。この結果、微細なホールの内面へ
の被覆性が高まる。そして、バイアス電極23に与えら
れる電極印加電圧Veのパルス周期T、パルス幅t、パ
ルス高さhが前述したように制御される。このようにし
て所定時間成膜を行った後、スパッタ電源5、バイアス
機構6、加熱機構24の動作を止める。その後、処理チ
ャンバー1内を再度排気した後、不図示の搬送ロボット
によって基板9を処理チャンバー1から取り出す。
【0052】以上の構成及び動作に係る本実施形態の方
法及び装置では、バイアス電極23にパルス状の電圧を
印加することで基板9の表面がバイアスされる上、パル
ス周期T、パルス幅t、パルス高さhが前述したように
制御されるので、過度の再スパッタによる成膜速度の低
下や基板9の表面の蓄積電荷量の増大等の問題が抑制さ
れる。
【0053】また、従来のように高周波電圧ではなくパ
ルス状の電圧を印加して基板9をバイアスする構成は、
プラズマの状態を乱すことなく制御や調整が行えるとい
う意味で好適となっている。従来のような13.56M
Hz程度の高い周波数の高周波電圧を印加して基板9を
バイアスすると、高周波がプラズマを励起し、基板9の
表面付近のプラズマ密度を高くするよう作用する。この
場合、基板表面電位Vsの調整のため高周波の周波数や
出力を調整したりすると、基板9の表面付近でプラズマ
密度が大きく変わってしまい、再現性が低下する問題が
ある。一方、本実施形態のように、パルス状の電圧でし
かもその周波数がイオン振動数よりも低いものを印加す
る場合、基板9の表面付近のプラズマを励起する作用は
少ないので、前述のようにパルス幅等を調整しても再現
性が低下する問題はない。
【0054】次に、本願発明の方法及び装置の第二の実
施形態について説明する。図5は、本願発明の第二の実
施形態の薄膜作成装置の概略構成を示す正面図である。
この第二の実施形態の装置は、バイアス機構6の構成が
第一の実施形態と異なるのみである。第二の実施形態に
おけるバイアス機構6は、イオン入射用のパルスに加え
て緩和用のパルスを含む波形のパルス状の電圧をバイア
ス電極23に印加するよう構成されている。
【0055】具体的には、バイアス機構6は、商用交流
入力から所定の周期及び幅の方形波を発生させる方形波
発生回路661と、方形波発生回路661の出力のうち
の−側の出力電圧を調整する−側電圧調整回路662
と、方形波発生回路661の出力のうちの+側の出力電
圧を調整する+側電圧調整回路663と、+側のパルス
幅を調整する+側パルス幅調整回路664と、方形波発
生回路661、−側電圧調整回路662、+側電圧調整
回路663及び+側パルス幅調整回路664の動作を制
御する制御部62と、制御部62に制御信号を入力する
入力部65とから主に構成されている。そして、同様
に、基板ホルダー2の一部を成す誘電体ブロック22内
には、同様にバイアス電極23が設けられており、バイ
アス機構6の出力電圧は、バイアス電極23に印加され
るようになっている。
【0056】方形波発生回路661には、例えば、商用
交流入力を所定の周波数の交流に変換し、この交流から
シュミットトリガ回路によって所定の周期及び幅の方形
波を発生させる構成を採用することができる。制御部6
2は、交流の周波数を制御して方形波の周期を制御し、
その交流の直流分の電圧を制御することで方形波の幅を
制御することができる。
【0057】+側電圧調整回路663や−側電圧調整回
路662は、ツェナーダイオードを用いたリミット回路
等により構成でき、それぞれ独立して制御部62によっ
て制御される。+側パルス幅調整回路664には、スイ
ッチング回路によって+側パルスの幅を遮断する回路が
使用できる。制御部62は、スイッチング回路にトリガ
信号を送るトリガ回路を制御し、+側パルスの幅を任意
のものに制御できる。
【0058】図5に示す制御部62の構成について、図
6を使用して説明する。図6は、図5に示すバイアス機
構6によってバイアス電極23に与えられる電極印加電
圧及びプラズマの作用によって生ずる基板表面電位の変
化について説明した図であり、(1)が電極印加電圧V
e、(2)が基板表面電位Vsの変化を示している。
【0059】図6(1)に示すように、電極印加電圧V
eは、接地電位から正負に振れる方形波パルスである。
このパルス周期をT、−側のパルス幅をt1、+側のパ
ルス幅をt2、−側のパルス高さをh1、+側のパルス
高さをh2とする。図1に示す入力部65からは、これ
らT,t1,t2,h1,h2のデータを入力できるよ
うになっている。制御部62は、入力部65から入力さ
れた値に従い、方形波発生回路661、−側電圧調整回
路662、+側電圧調整回路663及び+側パルス幅調
整回路664に制御信号を送り、パルス周期T、−側パ
ルス幅t1、+側パルス幅t2、−側パルス高さh1、
+側パルス高さh2が、入力された値に一致するよう制
御する。
【0060】入力部65に入力されるT,t1,t2,
h1,h2のデータは、同様に基板9の表面への成膜が
最適となるよう予め定められる。まず、パルス周期T
は、同様にイオン振動数よりもパルスの周波数が低くな
るように定められる。また、T,t1,t2,h1,h
2のデータは、パルス周期Tの終わりには基板表面電位
Vsが浮遊電位Vfに回復するよう定められる。この構成
は、本実施形態では、緩和用パルスとして+側パルスが
印加されるため、第一の実施形態とは異なっている。以
下、この点を説明する。
【0061】図6(1)に形状の方形波パルスがバイア
ス電極23に印加されると、基板表面電位Vsは、図6
(2)に示すように変化する。即ち、−側パルスの印加
開始によって基板表面電位Vsは瞬時に低下する。そし
て、プラズマ中のイオンの入射によって基板9の表面の
電荷が緩和され、Vsは徐々に上昇する。そして、−側
パルス幅t1の時間が経過して+側パルスが印加される
と、基板表面電位Vsは図6(2)に示すように瞬時に
上昇する。基板表面電位Vsが正になると、プラズマ中
の電子が基板9の表面にすぐさま集まる。電子はイオン
よりも移動度が遙かに高いので、基板9の表面電荷は短
時間に緩和され、基板表面電位Vsは短時間に浮遊電位
Vfに落ち着く。そしてその後、パルス周期Tの時間が
経過すると、Vsは同様の変化を繰り返す。
【0062】本実施形態においても、図6(2)に示す
ように、電極印加電圧Veは、一つのパルス周期Tの時
間中、一時的に基板表面電位Vsがしきい値電位Vsthを
越えて低くなるように定められている。そして、基板表
面電位Vsがしきい値電位Vsthを越える時間帯tsの長
さが最適となるように制御される。この際、この第二の
実施形態では、上記説明から分かるように、−側パルス
の印加終了時に+側パルスを印加することにより、基板
表面電位Vsを短時間に浮遊電位Vfに落ち着かせること
が可能である。従って、t1やh1のデータは、「パル
ス周期Tの終わりには浮遊電位Vfに回復している」と
いう条件(1)とはほぼ無関係に定めることができ、自
由度が高い。尚、緩和用パルスとしての+側パルスは、
−側パルスの印加終了後直ちに与えられる必要はなく、
ある程度時間をおいてから与えてもよい。
【0063】この第二の実施形態の装置でも、過度の再
スパッタによる成膜速度の低下や基板9の表面の蓄積電
荷量の増大等の問題が抑制される。尚、+側パルス幅t
2は、−側パルスが印加されない時間帯(T−t1)の
うちの一部となっており、+側パルスも−側パルスも印
加されない時間帯がある。これは、もし、緩和用パルス
しての+側パルスが、T−t1の時間帯中ずっと印加さ
れると、緩和されすぎてしまい、逆極性の電荷(電子)
が過剰に溜まってしまうという問題を防止する技術的意
義がある。
【0064】次に、本願発明の第三の実施形態について
説明する。図7は、第三の実施形態の薄膜作成装置の概
略構成を示す正面図である。この第三の実施形態の装置
も、バイアス機構6の構成が第一の実施形態と異なるの
みである。第三の実施形態におけるバイアス機構6は、
所定の周波数の交流をチョッピングして得られるせん断
パルスをバイアス電極23に印加するよう構成されてい
る。本実施形態で使用される交流は、プラズマのイオン
振動数よりも低い周波数の高周波である。
【0065】具体的には、バイアス機構6は、出力周波
数が可変である高周波電源671と、高周波電源671
の出力を所定のパターンでチョッピングするチョッパー
回路672と、変調回路及びチョッパー回路672を制
御する制御部62と、制御部62に制御信号を入力する
入力部65とから主に構成されている。チョッパー回路
672は、サイリスタ等の制御素子を使用したものが使
用できる。尚、高周波電源671とバイアス電極23の
間には、不図示の整合器が設けられている。
【0066】図7に示す制御部62の構成について、図
8を使用して説明する。図8は、図7に示すバイアス機
構6によってバイアス電極23に与えられる電極印加電
圧及びプラズマの作用によって生ずる基板表面電位の変
化について説明した図であり、(1)が電極印加電圧V
e、(2)が基板表面電位Vsの変化を示している。
【0067】制御部62は、入力部65から入力された
データに従い、高周波電源671及びチョッパー回路6
72を制御し、図8(1)に示すようなせん断パルスが
バイアス電極23に印加されるよう構成されている。ま
た、せん断パルスの元になった高周波電圧の実効値A
(又は振幅)、−側パルス幅t1、+側パルス幅t2の
データは、前述したのと同様に、パルス周期Tの終わり
には基板表面電位Vsが浮遊電位Vfに回復するよう定め
られる。以下、この点を説明する。
【0068】図8(1)に示す形状のせん断パルスがバ
イアス電極23に印加されると、基板表面電位Vsは、
図8(2)に示すように変化する。即ち、−側パルスの
印加が開始されると、基板表面電位Vsは電極印加電圧
Veの波形と同様に電位が下がる。そして、−側パルス
の印加が終了し、電極印加電圧Veが0Vになると、イ
オン入射により電荷が緩和されてVsは徐々に上昇す
る。そして、半周期が経過して+側パルスの印加が開始
されると、Vsも同様にアース電位を越えて+側にシフ
トするが、移動度の高い電子がすぐさま集まってきてし
まうので、Vsは短時間のうちに浮遊電位Vfに落ち着
く。その後、一つのパルス周期Tの時間が経過して次の
周期のせん断パルスが印加されると、同様の変化を繰り
返す。
【0069】本実施形態においても、図8(2)に示す
ように、電極印加電圧Veは、一つのパルス周期Tの時
間中、一時的に基板表面電位Vsがしきい値電位Vsthよ
り低くなるように定められている。そして、基板表面電
位Vsがしきい値電位Vsthより低くなる時間帯tsの長
さが最適となるように制御される。この際、第三の実施
形態でも、−側パルスの印加終了後に+側パルスが印加
されるので、基板表面電位Vsを短時間に浮遊電位Vfに
落ち着かせることが可能である。従って、−側パルス幅
t1や実効値Aのデータは、パルス周期Tの終わりには
浮遊電位Vfに回復しているという条件(1)とはほぼ
無関係に定めることができ、自由度が高い。また、せん
断パルスの周波数が低い結果、前述した実施形態と同様
に、基板9の表面付近のプラズマを励起する作用が少な
く、調整等による再現性の低下の問題は生じない。尚、
+側パルス幅t2を長くすると、前述したのと同様に、
逆極性の電荷(電子)が過剰に溜まってしまうので注意
を要する。
【0070】
【実施例】次に、上記各実施形態に属する実施例とし
て、以下のものを挙げることが可能である。まず、第一
の実施形態に属する実施例としては、以下のような電極
印加電圧Veを印加するよう構成できる。 パルス周波数:5kHz〜3MHz パルス周期T:0.3μ秒〜200μ秒 パルス幅t:パルス周期Tの10〜90% パルス高さh:10V〜500V
【0071】また、第二の実施形態に属する実施例とし
てしては、、以下のような電極印加電圧Veを印加する
よう構成できる。 パルス周波数:5kHz〜3MHz パルス周期T:0.3μ秒〜200μ秒 −側パルス幅t1:パルス周期Tの20〜90% −側パルス高さh1:10V〜500V +側パルス幅t2:パルス周期Tの5〜10% +側パルス高さh2:10V〜100V
【0072】さらに、第三の実施形態に属する実施例と
してしては、、以下のような電極印加電圧Veを印加す
るよう構成できる。 パルス周波数:5kHz〜3MHz パルス周期T:0.3μ秒〜200μ秒 −側パルス幅t1:半周期の10〜100% +側パルス幅t2:半周期の5〜10% 高周波電源671の電圧実効値A:10V〜500V
【0073】上記各実施例に共通した成膜条件として
は、以下のような条件が挙げられる。 圧力:数mTorr〜100mTorr プロセスガス及び流量:Ar,10〜100cc/分 スパッタ電源5:13.56MHz出力1kW〜20k
W ターゲット41:チタン このような条件で成膜を行うと、アスペクト比6程度の
ホールに対するボトムカバレッジ率(ホール以外の面に
対するホールの底面の成膜速度の比)は30%〜40
%、全体の成膜速度は300〜500オングストローム
/分程度となり、実用的な優れた結果が得られる。
【0074】上述した各実施形態及び実施例では、電極
印加電圧Veは、パルス周期Tの時間中に基板表面電位
Vsが一時的にしきい値電圧Vsthを越えるよう印加され
るとして説明したが、これは必須条件ではなく、Vsが
Vsthを越えない範囲でVeを印加するようにしてもよ
い。この場合は、プロセスガスのイオンによる薄膜の再
スパッタは本質的に生じないが、イオン衝撃による成膜
速度の向上という別の効果が得られるからである。例え
ば、ホールの開口の縁へのオーバーハングの形成が見ら
れず、再スパッタの必要性がない場合には、再スパッタ
が生じない範囲で最適なエネルギーでイオンを入射させ
る。これにより、入射イオンのエネルギーを膜成長に利
用して高い成膜速度で成膜を行い、高い生産性を得るこ
とが可能である。
【0075】また、バイアス機構6は、パルス状の電圧
をバイアス電極23に印加し、誘電体ブロック22を介
して間接的にパルス状の電圧を与えるものであったが、
パルス状の電圧を直接基板9に印加するようにしてもよ
い。この場合、基板9の表面に誘電膜(例えば酸化シリ
コン膜)が予め形成されており、その上にチタン等の導
電性の膜を堆積させる場合、基板表面電位の変化は、図
2(2)、図6(2)又は図8(2)に示すのとほぼ等
価となる。
【0076】但し、基板9に直接電圧を印加すると、プ
ラズマから電子又はイオンがバイアス機構6側に連続的
に流れるので、あまり好ましくない。基板9に誘電膜が
形成されている場合には遮断される場合もあるが、大き
な電流により誘電膜の絶縁破壊が生じると、回路欠陥に
つながるおそれが高いので、やはり好ましくない。この
意味では、誘電体を介して間接的にパルス状の電圧を基
板9に印加する構成が好適である。
【0077】尚、電極印加電圧Veの各パラメータは、
前述したように予め実験的に定められ、成膜中その値に
なるように制御されるが、成膜処理の内容が異なる場
合、これらのデータは、適宜変更され、入力部65から
入力される。また尚、前述した各実施形態及び実施例で
は、陽イオンを入射させることが前提になっているた
め、イオン入射用のパルスは負電圧パルスであり、緩和
用のパルスが正電圧パルスであったが、例外的に逆の場
合があり得る。即ち、プラズマ中に陰イオンが存在し、
陰イオンを基板9の表面に入射させる場合が、これに該
当する。
【0078】また、以上の説明では、イオン化スパッタ
の場合を採り上げたが、本願発明の構成は、イオン入射
のために基板9をバイアスしながら行うすべての成膜技
術に有効であり、例えば、CVD等にも応用することが
できる。例えば、反応性ガスを処理チャンバー内に導入
してプラズマCVDにより成膜を行う場合、プリカーサ
(最終的に薄膜となる反応の前駆体)のガスがイオン化
しており、このイオン化プリカーサをシース電界で加速
して入射させることで成膜速度の向上等の改善を得る
際、本願発明の構成は非常に効果的である。
【0079】尚、プラズマ発生手段としては、高周波放
電や直流二極放電等によりプラズマを発生させるものが
採用されることがある。さらに、基板9としては、半導
体ウェーハに限らず、液晶ディスプレイを製造する際の
液晶基板等にも応用することができる。液晶基板の場
合、基板自体が誘電体製であるので、パルス状の電圧を
直接印加しても問題がない場合がある。
【0080】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1の方
法又は請求項6の装置によれば、基板にパルス状の電圧
を印加することで基板の表面がバイアスされる上、パル
ス周期、パルス幅、パルス高さが制御されるので、最適
なイオンの入射エネルギー及び入射量になるよう基板の
バイアスを最適化することができる。また、プラズマ密
度の変化による再現性の低下の問題も生じない。また、
請求項2の方法又は請求項7の装置によれば、上記効果
に加え、緩和用のパルスが基板に印加されるので、基板
の残留電荷量の増大が抑制され、また、他のパラメータ
を選定する際の自由度が増すという効果が得られる。ま
た、請求項3の方法又は請求項8の装置によれば、上記
効果加え、イオン入射用のパルスも緩和用のパルスも印
加されない時間帯があるので、過度の緩和による逆極性
の蓄積電荷量の増大の問題が抑制されるという効果が得
られる。また、請求項4の方法又は請求項9の装置によ
れば、上記効果加え、イオンの入射エネルギーがスパッ
タリングしきい値を一つのパルス周期において一時的に
越えるよう制御されるので、過度の再スパッタによる成
膜速度の低下、薄膜中へのイオン混入、基板の表面の蓄
積電荷量の増大等の問題が抑制される。このため、微細
なホールの内面への被覆性を向上させつつ生産性の低下
を防止することができる。さらに、作成される薄膜の品
質や製造させるデバイスの特性等を損なうことのない良
質なプロセスが提供される。また、請求項5の方法又は
請求項10の装置によれば、上記効果に加え、誘電体を
介在させながら基板に対して間接的にパルス状の電圧が
印加されるので、プラズマから基板を通して大きな電流
が流れることによる基板の損傷等の問題が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施形態の薄膜作成装置の概
略構成を示す正面図である。
【図2】図1に示すバイアス機構6によってバイアス電
極23に与えられる電極印加電圧及びプラズマの作用に
よって生ずる基板表面電位の変化について説明した図で
あり、(1)が電極印加電圧Ve、(2)が基板表面電
位Vsの変化を示している。
【図3】基板表面電位Vsの上昇パターンについて説明
した図である。
【図4】スパッタリングしきい値について説明する図で
ある。
【図5】本願発明の第二の実施形態の薄膜作成装置の概
略構成を示す正面図である。
【図6】図5に示すバイアス機構6によってバイアス電
極23に与えられる電極印加電圧及びプラズマの作用に
よって生ずる基板表面電位の変化について説明した図で
あり、(1)が電極印加電圧Ve、(2)が基板表面電
位Vsの変化を示している。
【図7】第三の実施形態の薄膜作成装置の概略構成を示
す正面図である。
【図8】図7に示すバイアス機構6によってバイアス電
極23に与えられる電極印加電圧及びプラズマの作用に
よって生ずる基板表面電位の変化について説明した図で
あり、(1)が電極印加電圧Ve、(2)が基板表面電
位Vsの変化を示している。
【図9】従来の薄膜作成装置の一例であるイオン化スパ
ッタ装置の概略構成を示す正面図である。
【図10】従来の方法及び装置における基板9の表面電
位について説明する図である。
【符号の説明】
1 処理チャンバー 11 排気系 2 基板ホルダー 22 誘電体ブロック 23 バイアス電極 3 ガス導入系 4 カソード 41 ターゲット 42 磁石ユニット 5 スパッタ電源 6 バイアス機構 62 制御部 65 入力部 9 基板 P プラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田上 学 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 佐藤 英樹 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA17 CA05 CA13 DA02 DA04 DA08 DC03 DC35 DC41 EA00 JA01 4K030 BA18 EA03 EA11 FA01 HA13 KA20 KA23 KA30 KA41 LA00 4M104 BB14 BB17 DD39 DD44 HH11 HH13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面を臨む空間にプラズマを形成
    するととともに、プラズマの空間電位に対して基板の表
    面に所定の電位を与えることで基板の表面をバイアス
    し、バイアスによってプラズマ中のイオンを基板の表面
    に入射させながら基板の表面に所定の薄膜を作成する薄
    膜作成方法であって、 前記バイアスは、前記基板にパルス状の電圧を印加する
    ことで行われるものであり、このパルス状の電圧の周波
    数は、前記プラズマにおける前記イオンの振動周波数以
    下であり、さらに、パルス周期、パルス幅及びパルス高
    さを、前記基板への前記イオンの入射量及びエネルギー
    が最適となるように制御しながら行うことを特徴とする
    薄膜作成方法。
  2. 【請求項2】 前記パルス状の電圧の波形は、イオン入
    射用のパルスと、このイオン入射用のパルスとは極性の
    異なる緩和用のパルスとを含んでいることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜作成方法。
  3. 【請求項3】 前記緩和用のパルスの幅は、前記パルス
    周期から前記イオン入射用のパルスの幅を引いた時間よ
    りも短く、イオン入射用のパルスも緩和用のパルスも印
    加されない時間帯があることを特徴とする請求項2記載
    の薄膜作成方法。
  4. 【請求項4】 前記イオンの入射エネルギーが、前記基
    板の表面に作成する薄膜をスパッタリングするのに必要
    な最低限のエネルギーの値であるスパッタリングしきい
    値を一つのパルス周期において一時的に越えるよう、前
    記パルス周期、パルス幅及びパルス高さが制御されるこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3記載の薄膜作成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記パルス状の電圧は、誘電体を介在さ
    せながら基板に対して間接的に印加されることを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載の薄膜作成方法。
  6. 【請求項6】 排気系によって内部が排気される処理チ
    ャンバーと、処理チャンバー内の所定位置に基板を保持
    する基板ホルダーと、処理チャンバー内に所定のプロセ
    スガスを導入するガス導入系と、処理チャンバー内にプ
    ラズマを発生させるプラズマ発生手段とを備え、基板ホ
    ルダーに保持された基板の表面に所定の薄膜を作成する
    薄膜作成装置であって、 前記プラズマの空間電位に対して基板の表面に所定の電
    位を与えることで基板の表面をバイアスしてプラズマ中
    のイオンを基板の表面に入射させるバイアス機構が設け
    られており、このバイアス機構は、パルス状の電圧を基
    板に印加するものであって、このパルスの周波数は、前
    記プラズマ中における前記イオンの振動周波数以下であ
    り、さらに、パルス周期、パルス幅及びパルス高さを、
    前記基板への前記イオンの入射量及びエネルギーが最適
    となるように制御する制御部を備えていることを特徴と
    する薄膜作成装置。
  7. 【請求項7】 前記制御部は、イオン入射用のパルス
    と、イオン入射用のパルスとは極性の異なる緩和用のパ
    ルスとを含んだ波形のパルス状の電圧が基板に印加され
    るよう制御するものであることを特徴とする請求項6記
    載の薄膜作成装置。
  8. 【請求項8】 前記制御部は、前記緩和用のパルスの幅
    は、前記パルス周期から前記イオン入射用のパルスの幅
    を引いた時間よりも短く、イオン入射用のパルスも緩和
    用のパルスも印加されない時間帯があるように制御する
    ものであることを特徴とする請求項7記載の薄膜作成装
    置。
  9. 【請求項9】 前記制御部は、前記イオンの入射エネル
    ギーが、前記基板の表面に作成する薄膜をスパッタリン
    グするのに最低限必要なエネルギーの値であるスパッタ
    リングしきい値を一つのパルス周期において一時的に越
    えるよう、パルス周期、パルス高さ及びパルス幅を制御
    するものであることを特徴とする請求項6、7又は8記
    載の薄膜作成装置。
  10. 【請求項10】 誘電体を介在させながら基板に対して
    バイアス電極が設けられており、前記バイアス機構は、
    このバイアス電極に前記パルス状の電圧を印加するもの
    であることを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の
    薄膜作成装置。
JP06606799A 1999-03-12 1999-03-12 薄膜作成方法および薄膜作成装置 Expired - Lifetime JP4351755B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06606799A JP4351755B2 (ja) 1999-03-12 1999-03-12 薄膜作成方法および薄膜作成装置
US09/453,883 US6348238B1 (en) 1999-03-12 2000-02-15 Thin film fabrication method and thin film fabrication apparatus
KR10-2000-0007829A KR100372385B1 (ko) 1999-03-12 2000-02-18 박막형성방법 및 박막형성장치
TW089102929A TW477824B (en) 1999-03-12 2000-02-21 Thin film fabrication method and thin film fabrication apparatus
US09/799,609 US6872289B2 (en) 1999-03-12 2001-03-07 Thin film fabrication method and thin film fabrication apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06606799A JP4351755B2 (ja) 1999-03-12 1999-03-12 薄膜作成方法および薄膜作成装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000256845A true JP2000256845A (ja) 2000-09-19
JP2000256845A5 JP2000256845A5 (ja) 2006-05-11
JP4351755B2 JP4351755B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=13305146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06606799A Expired - Lifetime JP4351755B2 (ja) 1999-03-12 1999-03-12 薄膜作成方法および薄膜作成装置

Country Status (4)

Country Link
US (2) US6348238B1 (ja)
JP (1) JP4351755B2 (ja)
KR (1) KR100372385B1 (ja)
TW (1) TW477824B (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002115051A (ja) * 2000-10-05 2002-04-19 Anelva Corp バイアススパッタリング装置
JP2002129320A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Ulvac Japan Ltd スパッタ方法及びスパッタ装置
WO2007080696A1 (ja) * 2006-01-16 2007-07-19 Advanced Design Corp. 高周波電源装置
WO2007080697A1 (ja) * 2006-01-16 2007-07-19 Advanced Design Corp. 高周波電源回路
JP2007291439A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Tokyo Electron Ltd 成膜方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体
JP2008095205A (ja) * 2003-01-10 2008-04-24 Nanofilm Technologies Internatl Pte Ltd 導電性領域形成方法、導電性領域形成装置、導電性金属領域堆積制御装置及びバイアス機構
JP2010229428A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Tsuru Gakuen マグネトロンスパッタ装置及び電子部品の製造方法
JP2014070275A (ja) * 2012-10-02 2014-04-21 Ulvac Japan Ltd プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
JPWO2013027584A1 (ja) * 2011-08-19 2015-03-19 株式会社アルバック 真空処理装置及び真空処理方法
JP2017022216A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置
JP2020077882A (ja) * 2020-01-31 2020-05-21 株式会社日立ハイテク プラズマ処理装置

Families Citing this family (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6379383B1 (en) 1999-11-19 2002-04-30 Advanced Bio Prosthetic Surfaces, Ltd. Endoluminal device exhibiting improved endothelialization and method of manufacture thereof
US6551471B1 (en) * 1999-11-30 2003-04-22 Canon Kabushiki Kaisha Ionization film-forming method and apparatus
CN1158403C (zh) * 1999-12-23 2004-07-21 西南交通大学 一种人工器官表面改性方法
JP4557400B2 (ja) 2000-09-14 2010-10-06 キヤノン株式会社 堆積膜形成方法
US6806201B2 (en) * 2000-09-29 2004-10-19 Hitachi, Ltd. Plasma processing apparatus and method using active matching
JP4364420B2 (ja) * 2000-10-31 2009-11-18 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 垂直エッジのサブミクロン貫通孔を形成する方法
WO2002038080A2 (en) 2000-11-07 2002-05-16 Advanced Bio Prosthetic Surfaces, Ltd. Endoluminal stent, self-fupporting endoluminal graft and methods of making same
WO2004028340A2 (en) 2002-09-26 2004-04-08 Advanced Bio Prosthetic Surfaces, Ltd. High strength vacuum deposited nitionol alloy films, medical thin film graft materials and method of making same
US7147759B2 (en) * 2002-09-30 2006-12-12 Zond, Inc. High-power pulsed magnetron sputtering
US6896773B2 (en) * 2002-11-14 2005-05-24 Zond, Inc. High deposition rate sputtering
JP2004281232A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Ebara Corp ビーム源及びビーム処理装置
US9771648B2 (en) * 2004-08-13 2017-09-26 Zond, Inc. Method of ionized physical vapor deposition sputter coating high aspect-ratio structures
US20050103620A1 (en) * 2003-11-19 2005-05-19 Zond, Inc. Plasma source with segmented magnetron cathode
US9123508B2 (en) * 2004-02-22 2015-09-01 Zond, Llc Apparatus and method for sputtering hard coatings
US7095179B2 (en) * 2004-02-22 2006-08-22 Zond, Inc. Methods and apparatus for generating strongly-ionized plasmas with ionizational instabilities
GB2437080B (en) * 2006-04-11 2011-10-12 Hauzer Techno Coating Bv A vacuum treatment apparatus, a bias power supply and a method of operating a vacuum treatment apparatus
JP5123930B2 (ja) * 2007-03-27 2013-01-23 昭和電工株式会社 記録媒体の製造方法
JP4607930B2 (ja) * 2007-09-14 2011-01-05 株式会社東芝 プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
US9039871B2 (en) 2007-11-16 2015-05-26 Advanced Energy Industries, Inc. Methods and apparatus for applying periodic voltage using direct current
US8133359B2 (en) 2007-11-16 2012-03-13 Advanced Energy Industries, Inc. Methods and apparatus for sputtering deposition using direct current
US20100258169A1 (en) * 2009-04-13 2010-10-14 Applied Materials , Inc. Pulsed plasma deposition for forming microcrystalline silicon layer for solar applications
US9767988B2 (en) 2010-08-29 2017-09-19 Advanced Energy Industries, Inc. Method of controlling the switched mode ion energy distribution system
US9435029B2 (en) 2010-08-29 2016-09-06 Advanced Energy Industries, Inc. Wafer chucking system for advanced plasma ion energy processing systems
US9287086B2 (en) 2010-04-26 2016-03-15 Advanced Energy Industries, Inc. System, method and apparatus for controlling ion energy distribution
US9287092B2 (en) * 2009-05-01 2016-03-15 Advanced Energy Industries, Inc. Method and apparatus for controlling ion energy distribution
US11615941B2 (en) 2009-05-01 2023-03-28 Advanced Energy Industries, Inc. System, method, and apparatus for controlling ion energy distribution in plasma processing systems
JP2011211168A (ja) * 2010-03-09 2011-10-20 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法及び半導体製造装置
US9309594B2 (en) 2010-04-26 2016-04-12 Advanced Energy Industries, Inc. System, method and apparatus for controlling ion energy distribution of a projected plasma
US9362089B2 (en) 2010-08-29 2016-06-07 Advanced Energy Industries, Inc. Method of controlling the switched mode ion energy distribution system
US9685297B2 (en) 2012-08-28 2017-06-20 Advanced Energy Industries, Inc. Systems and methods for monitoring faults, anomalies, and other characteristics of a switched mode ion energy distribution system
KR102025540B1 (ko) 2012-08-28 2019-09-26 에이이에스 글로벌 홀딩스 피티이 리미티드 넓은 다이내믹 레인지 이온 에너지 바이어스 제어; 고속 이온 에너지 스위칭; 이온 에너지 제어와 펄스동작 바이어스 서플라이; 및 가상 전면 패널
US9210790B2 (en) * 2012-08-28 2015-12-08 Advanced Energy Industries, Inc. Systems and methods for calibrating a switched mode ion energy distribution system
WO2019099937A1 (en) 2017-11-17 2019-05-23 Advanced Energy Industries, Inc. Improved application of modulating supplies in a plasma processing system
US10607813B2 (en) 2017-11-17 2020-03-31 Advanced Energy Industries, Inc. Synchronized pulsing of plasma processing source and substrate bias
JP7289313B2 (ja) 2017-11-17 2023-06-09 エーイーエス グローバル ホールディングス, プライベート リミテッド プラズマ処理のためのイオンバイアス電圧の空間的および時間的制御
WO2021011450A1 (en) 2019-07-12 2021-01-21 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply with a single controlled switch
US11670487B1 (en) 2022-01-26 2023-06-06 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply control and data processing
US11942309B2 (en) 2022-01-26 2024-03-26 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply with resonant switching
US11978613B2 (en) 2022-09-01 2024-05-07 Advanced Energy Industries, Inc. Transition control in a bias supply

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01195271A (ja) * 1988-01-29 1989-08-07 Hitachi Ltd 基板バイアス方式のマグネトロンスパッタリング方法及びその装置
JPH02141572A (ja) * 1988-11-24 1990-05-30 Hitachi Ltd バイアススパツタリング法および装置
JPH05263227A (ja) * 1992-03-17 1993-10-12 Hitachi Ltd 薄膜形成法及びその装置
JPH0855821A (ja) * 1994-08-16 1996-02-27 Nec Corp 薄膜形成装置および薄膜形成方法
JPH10330938A (ja) * 1997-05-28 1998-12-15 Anelva Corp イオン化スッパタ装置及びイオン化スパッタ方法

Family Cites Families (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5918625A (ja) 1982-07-23 1984-01-31 Hitachi Ltd 薄膜製造方法
JPS59177919A (ja) * 1983-03-28 1984-10-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 薄膜の選択成長法
KR890004881B1 (ko) * 1983-10-19 1989-11-30 가부시기가이샤 히다찌세이사꾸쇼 플라즈마 처리 방법 및 그 장치
JPS61238958A (ja) * 1985-04-15 1986-10-24 Hitachi Ltd 複合薄膜形成法及び装置
US4588490A (en) * 1985-05-22 1986-05-13 International Business Machines Corporation Hollow cathode enhanced magnetron sputter device
JP2602276B2 (ja) 1987-06-30 1997-04-23 株式会社日立製作所 スパツタリング方法とその装置
DE3733135C1 (de) * 1987-10-01 1988-09-22 Leybold Ag Vorrichtung zum Beschichten oder AEtzen mittels eines Plasmas
JP2607582B2 (ja) 1988-01-20 1997-05-07 株式会社日立製作所 スパッタによる成膜方法及びその装置
JP2641725B2 (ja) 1988-01-29 1997-08-20 株式会社日立製作所 基板バイアス方式のスパッタリング方法及びその装置
JPH01195272A (ja) 1988-01-29 1989-08-07 Hitachi Ltd スパッタリング装置
US4963239A (en) 1988-01-29 1990-10-16 Hitachi, Ltd. Sputtering process and an apparatus for carrying out the same
US4911814A (en) * 1988-02-08 1990-03-27 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Thin film forming apparatus and ion source utilizing sputtering with microwave plasma
DE69017744T2 (de) * 1989-04-27 1995-09-14 Fujitsu Ltd Gerät und Verfahren zur Bearbeitung einer Halbleitervorrichtung unter Verwendung eines durch Mikrowellen erzeugten Plasmas.
JPH0747820B2 (ja) * 1989-09-22 1995-05-24 株式会社日立製作所 成膜装置
US6068784A (en) * 1989-10-03 2000-05-30 Applied Materials, Inc. Process used in an RF coupled plasma reactor
US5178739A (en) 1990-10-31 1993-01-12 International Business Machines Corporation Apparatus for depositing material into high aspect ratio holes
JPH04187764A (ja) * 1990-11-21 1992-07-06 Seiko Epson Corp スパッタ装置
US5212118A (en) * 1991-08-09 1993-05-18 Saxena Arjun N Method for selective chemical vapor deposition of dielectric, semiconductor and conductive films on semiconductor and metallic substrates
DE4127317C2 (de) * 1991-08-17 1999-09-02 Leybold Ag Einrichtung zum Behandeln von Substraten
JP2973058B2 (ja) 1992-07-27 1999-11-08 日本真空技術株式会社 高真空・高速イオン処理装置
JP3231900B2 (ja) 1992-10-28 2001-11-26 株式会社アルバック 成膜装置
US5651865A (en) 1994-06-17 1997-07-29 Eni Preferential sputtering of insulators from conductive targets
US5545978A (en) 1994-06-27 1996-08-13 International Business Machines Corporation Bandgap reference generator having regulation and kick-start circuits
US5614060A (en) * 1995-03-23 1997-03-25 Applied Materials, Inc. Process and apparatus for etching metal in integrated circuit structure with high selectivity to photoresist and good metal etch residue removal
DE19518781C1 (de) * 1995-05-22 1996-09-05 Fraunhofer Ges Forschung Vakuumbeschichteter Verbundkörper und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2783276B2 (ja) * 1995-07-04 1998-08-06 日本電気株式会社 半導体装置の製造方法
US5983828A (en) * 1995-10-13 1999-11-16 Mattson Technology, Inc. Apparatus and method for pulsed plasma processing of a semiconductor substrate
US5770023A (en) * 1996-02-12 1998-06-23 Eni A Division Of Astec America, Inc. Etch process employing asymmetric bipolar pulsed DC
JPH1079372A (ja) * 1996-09-03 1998-03-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
US5948215A (en) * 1997-04-21 1999-09-07 Tokyo Electron Limited Method and apparatus for ionized sputtering
JP4531145B2 (ja) 1997-05-27 2010-08-25 株式会社アルバック 極薄絶縁膜形成方法
US6051114A (en) * 1997-06-23 2000-04-18 Applied Materials, Inc. Use of pulsed-DC wafer bias for filling vias/trenches with metal in HDP physical vapor deposition
US6051321A (en) * 1997-10-24 2000-04-18 Quester Technology, Inc. Low dielectric constant materials and method
US6093332A (en) * 1998-02-04 2000-07-25 Lam Research Corporation Methods for reducing mask erosion during plasma etching
US6117279A (en) * 1998-11-12 2000-09-12 Tokyo Electron Limited Method and apparatus for increasing the metal ion fraction in ionized physical vapor deposition

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01195271A (ja) * 1988-01-29 1989-08-07 Hitachi Ltd 基板バイアス方式のマグネトロンスパッタリング方法及びその装置
JPH02141572A (ja) * 1988-11-24 1990-05-30 Hitachi Ltd バイアススパツタリング法および装置
JPH05263227A (ja) * 1992-03-17 1993-10-12 Hitachi Ltd 薄膜形成法及びその装置
JPH0855821A (ja) * 1994-08-16 1996-02-27 Nec Corp 薄膜形成装置および薄膜形成方法
JPH10330938A (ja) * 1997-05-28 1998-12-15 Anelva Corp イオン化スッパタ装置及びイオン化スパッタ方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002115051A (ja) * 2000-10-05 2002-04-19 Anelva Corp バイアススパッタリング装置
JP4673478B2 (ja) * 2000-10-05 2011-04-20 キヤノンアネルバ株式会社 バイアススパッタリング装置及びバイアススパッタリング方法
JP2002129320A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Ulvac Japan Ltd スパッタ方法及びスパッタ装置
JP2008095205A (ja) * 2003-01-10 2008-04-24 Nanofilm Technologies Internatl Pte Ltd 導電性領域形成方法、導電性領域形成装置、導電性金属領域堆積制御装置及びバイアス機構
US7808224B2 (en) 2006-01-16 2010-10-05 Advanced Design Corp. High-frequency power supply circuit
WO2007080696A1 (ja) * 2006-01-16 2007-07-19 Advanced Design Corp. 高周波電源装置
WO2007080697A1 (ja) * 2006-01-16 2007-07-19 Advanced Design Corp. 高周波電源回路
JP2007291439A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Tokyo Electron Ltd 成膜方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体
US20090087583A1 (en) * 2006-04-24 2009-04-02 Takashi Sakuma Film Deposition Method, Film Deposition Apparatus, and Storage Medium
WO2007125748A1 (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Tokyo Electron Limited 成膜方法、成膜装置及び記憶媒体
KR101031677B1 (ko) * 2006-04-24 2011-04-29 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 성막 방법, 성막 장치 및 기억 매체
JP2010229428A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Tsuru Gakuen マグネトロンスパッタ装置及び電子部品の製造方法
JPWO2013027584A1 (ja) * 2011-08-19 2015-03-19 株式会社アルバック 真空処理装置及び真空処理方法
JP2014070275A (ja) * 2012-10-02 2014-04-21 Ulvac Japan Ltd プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
JP2017022216A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置
JP2020077882A (ja) * 2020-01-31 2020-05-21 株式会社日立ハイテク プラズマ処理装置
JP7018978B2 (ja) 2020-01-31 2022-02-14 株式会社日立ハイテク プラズマ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
US6348238B1 (en) 2002-02-19
US20010009220A1 (en) 2001-07-26
US6872289B2 (en) 2005-03-29
KR100372385B1 (ko) 2003-02-19
TW477824B (en) 2002-03-01
JP4351755B2 (ja) 2009-10-28
KR20000062570A (ko) 2000-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4351755B2 (ja) 薄膜作成方法および薄膜作成装置
US11257685B2 (en) Apparatus and process for electron beam mediated plasma etch and deposition processes
US6709553B2 (en) Multiple-step sputter deposition
KR101376671B1 (ko) 물리 기상 증착 반응기
US5460689A (en) High pressure plasma treatment method and apparatus
US6344419B1 (en) Pulsed-mode RF bias for sidewall coverage improvement
KR101579742B1 (ko) 웨이퍼 표면에서 등방성 이온 속도 분포의 소스를 이용한 물리적 기상 증착 방법
US10784092B2 (en) Reactive sputtering with HIPIMs
JP4344019B2 (ja) イオン化スパッタ方法
US20010050220A1 (en) Method and apparatus for physical vapor deposition using modulated power
JP2004526868A5 (ja)
EP2102889A2 (en) Rf substrate bias with high power impulse magnetron sputtering (hipims)
EP1018139A1 (en) Adjustment of deposition uniformity in an inductively coupled plasma source
TW202306442A (zh) 用於在電漿處理腔室中減少特徵充電的方法及設備
EP1101834A2 (en) Method of depositing materials on substrates
JP2000068227A (ja) 表面処理方法および装置
JP2007197840A (ja) イオン化スパッタ装置
KR101239776B1 (ko) 타깃에 인가되는 rf 소스 파워에 의한 물리 기상 증착플라즈마 반응기
US20230343554A1 (en) Methods To Provide Anisotropic Etching Of Metal Hard Masks Using A Radio Frequency Modulated Pulsed Plasma Scheme
US20220285129A1 (en) Pulsed DC Power For Deposition Of Film
JPH10154699A (ja) リモートプラズマ型プラズマ処理装置
JP2004131839A (ja) パルス化された電力によるスパッタリング堆積
JPH10130832A (ja) 低圧遠隔スパッタ装置
JPH02148722A (ja) 半導体集積回路装置の製造方法
JPH07263413A (ja) プラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090727

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term