JP2020077882A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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【課題】構造が簡単で高い応答性を有したプラズマ処理装置を提供する。【解決手段】真空容器内部に配置され内側を減圧可能な処理室内に配置され処理対象の試料が載せられて保持される試料台と、前記処理用ガスを用いてプラズマを形成するプラズマ形成手段とを備え、前記試料を前記プラズマを用いて処理するプラズマ処理装置であって、前記試料台を構成し接地された金属製の基材と、前記基材内で前記処理室内部より大きな所定の圧力にされた空間の内部で前記基材に連結された温度調節用のアレイであって各々が供給された電力に応じて発熱及び冷却する機能を有して直列に接続された複数の素子を含む少なくとも1つの温度調節アレイと、この温度調節アレイに供給する電力の極性を切り替えて前記複数の素子の発熱および冷却の機能を切り替える切り替え器とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、真空容器内部に配置され内側が減圧される処理室内に配置された試料台上に処理対象の半導体ウエハ等の基板状の試料を載置して保持し処理室内に形成したプラズマを用いて試料上面に予め配置されたマスクを含む複数の膜層を有する膜構造の処理対象の膜層を処理するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に係り、特に、試料台上に載せられた試料と試料台との間で熱伝達して試料の温度を調節しつつ処理するプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスを製造する工程では、一般にプラズマを用いて半導体ウエハ等の基板の上面の膜層を所望の形状となるように処理する、例えば、レジストマスク層がその上方に形成されたポリシリコン等の処理対象の膜層をマスクで覆われていない箇所をエッチングして当該マスク層に沿った形状に加工するプラズマ処理が行われている。
このようなプラズマ処理装置は、典型的には、内部に処理室を有する真空容器と、これに接続され処理室内にプラズマを形成して試料を処理するための処理用ガスを供給するガス供給装置と、処理室内のガスや粒子を排気してその内部を所定の真空度まで減圧させるターボ分子ポンプや粗引き用ロータリーポンプ等の真空ポンプを含む真空排気装置と、試料であるウエハが誘電体膜が配置された上面に載置される試料台、処理室内に供給された処理用ガスを励起してプラズマを発生させるための電界または磁界を処理室内に供給するプラズマ発生装置を含んで構成される。試料台上面を構成する誘電体膜上に載せられた試料を試料台内部の吸着用電極に供給された電力によって形成した静電気力を用いて誘電体膜上に吸着して保持した状態で、プラズマ発生装置により形成された電界または磁界を用いて処理室の天井面を構成して上部に配置されたシャワープレートの導入孔から処理室内に供給された処理ガスの原子または分子を励起してプラズマを形成した上で、試料台内に配置した金属製の電極に供給される高周波電力によって形成したバイアス電位によってプラズマの電位との電位差を形成しこれに応じてプラズマ中の荷電粒子を試料上面の処理対象の膜層表面に誘引して衝突させてプラズマ内の反応性粒子との相互作用を促進して当該膜層のエッチング処理が行われる。
近年の半導体デバイスの集積度をさらに向上する要求に応じて、微細加工つまり加工精度をさらに向上することが要求されるとともに、半導体デバイスの回路の線幅が微細化することに対応し加工後の線幅等の寸法に大きく影響を与える処理中の試料の表面の温度をより高い精度で調節し実現することが求められている。一方、近年では、半導体デバイス素子の製造単価の増大を抑えるために、より径を大きくした半導体ウエハ等の試料を用いることが求められており、このような試料の温度をその基板の面内で高い精度で調節するには、その面内で分割された領域毎に試料表面の温度と共に面内での温度の値の分布を高い精度で所期のものに実現する必要がある。この課題の達成のためには、試料台の試料載置面の領域を複数に分割して各々で温度を可変に調節することが考えられる。
このような技術の例としては、特開2014−150160(特許文献1)に開示されるものが従来から知られていた。特許文献1では、試料台の半導体ウエハが載せられる載置面を構成する誘電体膜内に当該載置面を複数に分割した領域に対応した位置に配置された複数のヒータを備え、載置面の外周側部分にリング状に配置されたヒータを複数の円弧状の領域に分割して、ヒータの円弧状の部分各々にこれと並列に接続された電流制御素子を配置してヒータに流れる電流をバイパスさせて当該円弧状の部分に流れる電流量を調整して、リング状の外周側の部分の周方向についての載置面の温度ひいては試料の外周側部分の温度を所望のものにする技術が開示されている。さらに、本従来技術では、ヒータ用電源の電力が一定となるよう電力をバイパス側でも消費させヒータの下方に位置する試料台の内部に配置された温度センサを用いてヒータ上方の試料の温度をオブザーバにより予測した結果に基づいてヒータに供給する電力あるいはその発熱の量と試料の温度とを調節することが開示されている。
さらに、特開2014−112672(特許文献2)には、試料を静電吸着するための電極が内部に配置されたセラミクス製の膜内部にヒータアレイ(ペルチェ含む)を複数配置し、時間平均制御により制御された電力を個々のアレイに供給することにより、膜の上面での面内方向について温度の値とその分布を処理に適したものに調節する技術が開示されている。
特開2014−150160号公報 特開2014−112672号公報
上記の従来技術は、次の点について考慮が不十分であったため問題が生じていた。
すなわち、発明者らによれば、これら従来技術は、いずれもウエハの表面を面内方向について分割された各々の領域について温度を調節することができるものの、限定された用途にしか使えないことや得られる性能に限界があることが分かった。
例えば、特許文献1は、試料台の内部の金属製の部材から構成された電極である基材の上に配置された誘電体膜内に配置されたヒータの上方に位置する当該ヒータの加熱により増減する誘電体膜の上面の温度を、ヒータ下方の基材内に配置した温度センサからの出力を用いて予測して検出してヒータの加熱の度合いを調節するものである。このような構成では、温度センサの素子の数が増大するにつれて温度の検出に時間を要し温度の制御の応答性が低下してしまうという問題が生じてしまう。
また、特許文献2では、試料台内部の基材に高周波電力を印加するため、セラミクス製の膜内部に配置されるヒータアレイに高周波電力が重畳されるのを防ぐためのシールド構造を有している。このため、ヒータアレイの一次側に配置されるフィルタが複雑化してしまい、製造やメンテナンスのコストが大きくなってしまうという問題が生じていた。
本発明の目的は、構造が簡単で高い応答性を有したプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的は、真空容器内部に配置され内側を減圧可能な処理室と、この処理室内に配置され処理対象の試料が載せられて保持される試料台と、前記処理用ガスを用いてプラズマを形成するプラズマ形成手段とを備え、前記試料を前記プラズマを用いて処理するプラズマ処理装置であって、前記試料台を構成し接地された金属製の基材の上方に配置され内側に高周波電力が供給される膜状の電極を備えた誘電体の膜と、前記基材内の空間に配置され発熱または冷却する機能を備えた複数の素子と、これら複数の素子に電力を供給する給電経路とを備え、この給電経路上に前記高周波を抑制するフィルタを有していないことにより達成される。
本発明によれば、高周波電力と試料台の温度調節用の素子とが隔絶され、素子への給電の構成が簡潔にされる。また、試料台内外を気密に封止する構成を簡潔な構成にできる。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の試料台の温調アレイの配置を拡大して模式的に示す横断面図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を拡大して模式的に示す断面図である。 図1に示す実施例の変形例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を拡大して模式的に示す断面図である。 図2に示す実施例の試料台において温調アレイの配置を模式的に示した横断面図である。 図2に示す実施例の試料台の温調アレイの動作を模式的に示す図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置において制御装置が各温調アレイが目標とする温度を検出する工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
本発明は、高周波カットフィルタのない複数の温調アレイを有し、シンプルな給電構造を有する。
以下、本発明の実施例を、図1および図3により説明する。図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。特に、本実施例のプラズマ処理装置では、特定の周波数のマイクロ波の電界とこれに適合した強度の磁界とを用いてECR(Electron Cyclotron Resonance)を生起してプラズマを形成して処理対象の半導体ウエハ等の基板状の試料をエッチング処理するプラズマ処理装置を説明する。
本実施例のプラズマ処理装置100は、円筒形状を有してその上部が開放された真空容器101の当該円筒形状の側壁上端上方に、マイクロ波が透過する石英等の誘電体製の誘電体窓103の外周縁部を載せて内外を気密に封止することにより、内部に減圧されてプラズマが形成される円筒形状を有した空間である処理室104を構成する。また、真空容器101の下部は、処理室104と連通し真空排気口110が配置され、真空容器101の下方に当該真空排気口110を介して配置された真空ポンプを含む真空排気装置(図示省略)と連結される。
さらに、真空容器101上部を構成する誘電体窓103の下方であって処理室104の天井面を構成する箇所には、処理室104内にエッチング用のガスが導入される複数の貫通孔が中央部に配置され円形を有した石英製のシャワープレート102が配置されている。
真空容器101の上方には、処理室104内にプラズマを生成するための電界を処理室104に伝送するため、誘電体窓103の上方には電界を伝送する円筒形の空洞とこの上部中央に接続された断面が円形を有した導波管105が配置されている。導波管105はその中心軸が上下方向に延在する円筒形の部分と円筒形部分の上端とその一端部が接続されて軸が水平方向に延在する断面が矩形を有した方形部分とを備えている。内部を伝播する電界は、方形部分の他端部に配置された電源106により発振され方形部分内に供給される。
本実施例において、プラズマ形成用の電界の周波数は特に限定されないが、本実施例では2.45GHzのマイクロ波が用いられる。さらに、導波管105の円筒形部分の下端に接続されその径が導波管105より大きくされ処理室104と等しくされた空洞部の上方及び当該空洞と処理室104の側方の外周側には、磁界を形成するためのコイル107が空洞と処理室104を囲んで配置され、電源106において形成され導波管105を伝播して空洞部を通して誘電体窓103を透過し処理室104内に供給された電界は、コイル107により形成されて処理室104内に供給された磁界と相互に作用して処理室104内に導入された処理用ガスの原子または分子を励起する。励起された処理用ガスの粒子によって処理室104に高密度のプラズマ116が発生する。
本発明の実施例に係る試料台の構成を図1乃至3を用いて説明する。図2は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の試料台の温調アレイの配置を拡大して模式的に示す横断面図である。図3は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を拡大して模式的に示す断面図である。図3(a)は縦断面を、図3(b)は横断面を示す図である。
図1に示す処理室104内の下部には、誘電体窓103またはシャワープレート102の下面にその上面を対向させて配置され、試料であるウエハ109が当該上面に載置される試料台115が配置されている。試料台115は円筒形を有し、ウエハ109が載せられる上面を構成する上部表面が誘電体膜111で被覆されている。
誘電体膜111の内部には、直流電力が供給されて誘電体膜111とウエハ109との間の電荷による静電気力を形成する静電吸着用の導電膜220が配置されている。本実施例の導電膜220は、各々が複数本の歯を有した櫛型を有したものが各々の歯を相互に噛み合うように歯間に挿入して配置されている。
図1上左側の導電膜220が高周波フィルタ125を介して負極性を持つ直流電源132に電気的に接続されている。また、図上右側の導電膜220が高周波フィルタ125を介して正極性を持つ直流電源126に電気的に接続されている。
また、誘電体膜111内部の導電膜220の下方に導電膜221が配置され、これと高周波電源124とが整合回路129を介して電気的に接続され、ウエハ109の中心下方からバイアス電位形成用の高周波電力が供給される。高周波電力が供給される導電膜221及び静電チャック用の導電膜220は、誘電体膜111を構成するアルミナ或いはイットリアといったセラミクス等の誘電体の材料に囲まれており所定の真空度に減圧された処理室104のガス内に配置される。
本例の2つの導電膜220は、円板形またはこれと見做せる程度に近似した形状を有したウエハ109の中心またはこれを通る軸に対して対称と見做せる位置に配置されている。これは、導電膜221に供給された当該高周波電力が上方の導電膜220の給電位置を通って流れると導電膜220に高周波電界が生じてしまう可能性を考慮したものである。すなわち、導電膜220に高周波電力による電界が生じても、2つの膜がウエハ109中心について対称に配置されていることで、左右で吸着の強度や性能の差異が低減されるためである。
本実施例において、高周波電力をウエハ109の中心から印加するのは以下の理由による。プラズマ処理装置100の処理室104内のガスは試料台115の円筒形の軸と合致したと見做せる位置にその軸が配置された真空排気口110から排出される。
ウエハ109は試料台109上部の誘電体膜111の円形を有したウエハ載置面の中心にその中心を合致させたと見做せる位置に配置され、ウエハ109上面上方では処理用ガスあるいは反応生成物やプラズマ中の粒子の圧力(分圧)の分布は中心軸周りで同心円状のものとなり、エッチング処理の結果としての加工形状やエッチングの特性等の性能も同心円状の分布となる。そのため、高周波電力の電界の分布も中心から同心円状に分布することで処理用ガス等の粒子の圧力分布を同心円状を補正して、ウエハ109の加工形状の分布も周方向についてバラつきを低減させて均等に近付けるようにしている。
また、本実施例の試料台115は、直流電源126,132、高周波電源124から供給される高周波電力、或いは基材114内に配置された温調アレイ220による発熱を冷却する必要があるため、基材114の内部に冷媒が内部を流れる冷媒流路219が配置されている。この基材114にはウエハ109の裏面とその先端を接触させてこれを保持した状態でウエハ109を誘電体膜111上方で上昇或いは降下させるピン用の上下センサ(図示省略)等が設置される。これらのセンサは電気的ノイズがある状態では誤動作する虞がある。
また、上記冷媒流路を流れる冷媒も電界内で静電気を帯びる虞がある。そこで、本実施例では、図示のように基材114は接地電極112に電気的に接続される。この構成により、フロン系の冷媒等の絶縁性冷媒を用いなくとも、例えば水やエチレングリコール等を使用して冷媒を供給して循環させる管路の構成を簡潔にすることができ、また環境への負荷を低くすることができる。
本実施例では、基材114の内部に配置された温調アレイ200も接地電位にされた部材に囲まれた空間内に配置されており、温調アレイ200に電力を供給する一次側の電源にバイアス形成用の高周波電力が流れることを抑制するための高周波カットフィルタを省くことができ、温調アレイ200を含む試料台115の構成が簡潔になる。
処理室104内に搬送されたウエハ109は、直流電源126および132から印加される直流電圧により誘電体膜111とウエハ109との間に形成された静電気力により誘電体膜111上面に吸着されて保持される。この状態で、エッチング用のガスが、マスフローコントロ−ラ(図示省略)を介して誘電体窓103とシャワープレート102の間の隙間に導入されて当該隙間内で拡散して充満し、シャワープレート102の中央部に配置された貫通孔であるガス導入孔と通り上方から試料台115に向けて処理室104内に導入される。
上記の通り、導波管105及びコイル107から電界及び磁界が供給されて処理用ガスが励起され処理室104内にプラズマ116が生成される。試料台115の誘電体膜111内に配置された導電膜221に接続された高周波電源124から高周波電力が供給されてウエハ109上面上方に形成されるバイアス電位とプラズマ116との電位差に応じて、プラズマ116中の荷電粒子がウエハ109表面に予め形成されたマスクを含む複数の膜層から構成されたデバイス回路用の膜構造の処理対象の膜表面に誘引されて衝突し当該膜層のエッチング処理が進行する。エッチングガスやエッチングにより発生した反応生成物の粒子は処理室104内の流れに沿って下方に流れ処理室104下部と連通した真空排気口110と通り、真空ポンプ(図示せず)入り口に流入して排気される。
本実施例において、試料台115は処理に適した真空度に減圧された処理室104内に配置されている一方で、温調アレイ200は金属製の基材114内部に配置され内側が大気圧に保持された空間の内部に配置されている。このような空間は、基材114を構成する上下の部材である金属製のキャップ型構造体216と金属製の円板状の冷却板217とにより挟まれて形成される。
キャップ型構造体216は円板形状の外周壁の内側に下面に開口を有して形成された少なくとも1つの凹みを有し当該凹みの内部に複数の温調アレイ200が収納された状態で冷却板217の平面状の上面とOリング等のシール部材を挟んで当接して接続される。また、接地電極112に接続されているため常時アース電位にされて一定の電位を有しており内部の凹み内の空間への高周波の電界の伝達を防止する。そのため、本実施例では、温調アレイ200の給電経路上に複雑な高周波カットフィルタを用いておらず、複数の温調アレイ200が配置された本実施例の試料台115を含むプラズマ処理装置100の構成が簡潔にできる。
また、キャップ型構造体216の凹み内は大気圧に保持されると共に、ウエハ109上面の温度を所期の値となるように複数の温調アレイ200各々とウエハ109との間の熱伝達を高い精度で実現するため、ウエハ109と温調アレイ200との間の肉厚は、構造的な強度を保持できた上で出来るだけ小さい方が好ましい。これらの相反する要求を満たすため、本実施例ではキャップ型構造体216の凹みの内側に複数の突起を配置している。これら突起の先端は下方に接続される冷却板217の当該キャップ型構造体216との当接面に配置された貫通孔の開口に対応した位置に配置されている。
キャップ型構造体216と冷却板217とが当接した状態で冷却板217の下方から貫通孔を通してキャップ型構造体216の凹み内の突起部先端に配置された雌螺子の孔にネジあるいはボルト212が挿入されて両者が締結される。なお、円筒形状あるいは円板形状を有したキャップ型構造体216の円筒径側壁の下面外周側部分には内外を気密に封止するためのOリングが挟まれて保持される構成であるため、キャップ型構造体216の凹み部内の突起部先端及び下面外周側部分表面とは、冷却板217上面と均等な圧力で当接されるように同じ平面213上に位置するように構成される。
キャップ型構造体216と冷却板217とが接続され締結された状態で、キャップ側構造体216の凹み部内壁と冷却板217上面とにより囲まれた空間内で各温調アレイ200と各々の下方に配置され弾性を有して絶縁性の材料から構成され断熱性配置台201とは、キャップ側構造体216の凹み部の内壁上面と冷却板217上面とに挟まれてその位置が固定される。この状態で、断熱性配置台201が上下方向に圧縮されて変形した結果としての反発力は上方に載せられた温調アレイ200をキャップ型構造体216内壁の上面に向けて押し付けてこれを接触させ、温調アレイ200とキャップ型構造体216との間に温調アレイ200によるキャップ型構造体216上面あるいは試料台115上面の温度を高い精度で調節できるだけ十分な熱伝達の量が得られる接触の圧力を形成する。
このような構成を実現するため、本実施例のキャップ型構造体216の下面は、凹み及び複数の突起を形成した後に、外周側部分のシール面を含み同時に研磨加工して形成される。ボルト212により両者が締結された状態で接続面の平坦度が維持されると共に、誘電体膜111がその上に配置されるキャップ型構造体216上面も平坦にされることで、各々が温度センサ218を備えた温調アレイ200と各温調アレイ200上方のウエハ109との距離のバラつきが低減される。このことにより、温調アレイ200各々の温度と上方に位置するウエハ109の対応する箇所の温度との勾配のバラつきが抑制され、ウエハ109の面内方向についての熱伝導や吸着性能の偏りが抑制されてその温度を高い精度で調節することができる。また、凹み内が大気圧と見做せる圧力にされているため、各温調アレイ200の給電部のシール構造が不要または簡略化され、装置のコストが低減する。
さらに、温度または発熱量を調節される温調アレイ200は接地電位にされた部材内部の空間に配置されているため、高周波電力が漏れることを抑制するため絶縁系の冷媒であるフロン系冷媒を用いる必要がなく冷媒として導電性の水やエチレングリコールが使用でき、装置が配置される環境への負荷が低減されるとともに冷媒の循環装置の配管部材を簡潔にできるメリットもある。
また、図3に示すようにキャップ型構造体216の下面外周側に配置されるOリング215を挟んで冷却板217と当接するシール部222は凹み部とその内部の複数の温調アレイ200を囲んで一周にわたり存在する。このシール部222を介してキャップ型構造体216の熱が冷却板217の冷媒流路219の冷媒に伝達されてしまい、キャップ型構造体216外周部の温度が所期のものからズレてしまう虞がある。本実施例では、キャップ型構造体216の凹み部内の温調アレイ200外側に内部に断熱性の高い材料を有する断熱層214をリング状に配置して当該外周部での熱の伝達を抑制しウエハ109上の温度の所期のものからのズレを抑制する。このような断熱層214によってもウエハ109外周側部分で所期の値からの温度のズレが不十分に抑制されない場合には、断熱層214に換えて或いはその内部にヒータ等の加熱手段を配置して積極的にウエハ109の外周側の領域での温度を調節しても良い。
また、図2に示すように、本実施例において複数の温調アレイ200は、円筒形のキャップ型構造体216の図上紙面に垂直な方向の中心軸の周りに複数の半径位置で多重の同心状に配置され、各半径位置の複数の温調アレイ200は相互に電気的に接続されている。本図に示すように、本実施例の試料台115の中心には、誘電体膜111内の円形の導電膜221の中心にバイアス形成用の高周波電力を供給するために、給電経路が配置されていることから、キャップ型構造体216の凹み部の中心部には温調アレイ200が配置されていない。
本実施例の温調アレイ200の各々はペルチェ素子を有して当該素子に給電されることで素子に2面の間に温度差が形成されることで、一方の面に接続された部材の温度を増減することができる。そして、本実施例での複数個の温調アレイ200は、各々が電流バイパスリレー206が存在する(図上1つのみを図示している)ことで各々の温度を個別に所望の値に調節することを可能にしている。さらに、本実施例の各半径位置の周方向に配置された温調アレイ200の集合は周方向について隣接する2つが電気的に接続され、直列に接続されたこれらの温調アレイ200の集合の両端の2つが、ペルチェモードとヒータモードとでモードを切り替える信号を発信する極性切り替え器208の正負の端子電極を介して定電流電源207と接続されている。
本図では、最外周の半径位置の温調アレイ200の集合のみについて定電流電源207及び極性切り替え器208との接続を示しているが、内周側の半径位置においても、当該位置に配置された少なくとも1つの集合はこれら定電流電源207及び極性切り替え器208の対と接続されている。本実施例では、各半径位置で周方向について上方のウエハ109の所定の円弧状の領域に対応して配置されたこれら温調アレイ200の集合毎に、接続された定電流電源207及び極性切り替え器208の対の動作により、その集合の冷却と加熱との運転の切り替えとこれによる発熱または冷却の量との調節が行われる。
このように本実施例では、複数の半径位置に対応した領域に周方向に配置された温調アレイ200集合の複数のものでは、隣接するもの同士が電気的に直列に接続されている。このことにより、ウエハ109上方の処理室104でのガスの粒子やラジカルの密度は同心円状に分布していることに対応して、当該分布に応じてウエハ109または誘電体膜111上面の温度の分布を半径方向に異ならせるとともに周方向に変化を抑制するように補正することができる。このような作用の奏効のため、温調アレイ200のペルチェ素子の極性も集合毎に周方向については共通にし、異なる半径位置での集合では異なるものにすることができる。
本実施例において、基材114を構成した状態でキャップ型構造体216の凹み及び冷却板217により囲まれて区画された空間内は大気圧と見做せる圧力にされた空間で空気が封止されており水分を含んでいるため、図3において温調アレイ200をペルチェモードで駆動して冷却運転で用いた場合に空間の内部に結露が生じる可能性があり、水滴が温調アレイのペルチェ素子を短絡させて誤動作あるいは障害を生起する虞がある。結露を抑制するため、本実施例の上記凹みには所定の温度に加熱されて相対湿度を低減させた空気や希ガス等のガスを導入口210から導入し空間から排出口211を通して排気して循環させている。
また、本実施例の各温調アレイ200は温度センサ218を有しており、温調アレイ200各々に配置された温度センサから出力される信号が図示しない制御装置に送信される。当該制御装置において信号から検出された温度を示す値に基づいて算出された指令信号が先の温調アレイ200各々または他の温調アレイ200を含む複数に送信されてそのペルチェ素子あるいはヒータ素子の駆動が調節される。
このような温調アレイ200の調節は、各温調アレイ200に接続された無極性のバイパスリレー206で電流をバイパスさせることによっても行われる。本実施例のバイパスリレー206が無極性である理由は、温調アレイ200が電流の方向(極性)の切り替えによってペルチェモードとヒータモードとに切り替えられるため、何れの場合でも電流をバイパスさせるようにするためである。
また、当該バイパスリレー206のバイパス性能を向上させるためには温調アレイ200の抵抗より十分低い抵抗値を有していることが必要である。発明者らの検討によれば、このような抵抗値としては温調アレイ200のおよそ1/5以下とすることで実用的に使用可能であることが分かった。
本発明の実施例の電極構造の変形例を図4を用いて説明する。図4は、図1に示す実施例の変形例に係るプラズマ処理装置の試料台の構成の概略を拡大して模式的に示す断面図である。図4(a)は縦断面を、図4(b)は横断面を示す図である。
本図に示すように、本例では各温調アレイ300と温度センサ318とが対として上下に配置され、キャップ型構造体216と冷却板217とが接続されて締結され基材114が構成された状態で、温度センサ318が下方の温調アレイ300と上方のキャップ型構造体216の凹み部の内壁上面とに挟まれて両者に接している。このような構成において、図示しない制御装置が各々の温度センサ318からの出力される信号に基づいて温度を検出し対応する温調アレイ300各々または複数の温調アレイ300の素子の駆動を、無極性のバイパスリレー306を用いて電流をバイパスさせることで調節する。
本例においては、温度センサ318と温調アレイ300とは膜状の部材で構成されている。温度センサ318は、温度を検知する素子の周りに配置された素子と同じ厚さの膜状構造体301を有し、キャップ型構造体216の凹み内壁と温調アレイ300との間で挟まれる温度センサ318に伝達される熱が有する膜の面内方向について偏りやバラつきを低減するように構成されている。
本例の温調アレイ300はヒータモードのみで運転される。このため、プラズマ処理装置100の運転中で各々の素子に流れる電流の方向は変化しないため、バイパスリレーとしての極性を有したものを使用できる。また、発明者らの検討により、このような抵抗値としては温調アレイ200のおよそ1/5以下とすることで実用的に使用可能であることが分かった。
さらに、温調アレイ300をキャップ型構造体216の凹み部内壁の上面に十分な圧力で接触させ所望の精度で温度の調節が実現できるだけ十分な相互の熱の伝導を得るために、凹み部の空間内において温調アレイ300と冷却板217上面との間に弾性を有した部材から構成された断熱性構造体311が配置されている。この構成において、キャップ型構造体216と冷却板217とが接続され締結された状態で、温調アレイ300及びその上方の温度センサ318と断熱性構造体311とは、キャップ型構造体216と冷却板217との間で挟まれて相互に接触していると共に、温調アレイ300及びその上方の温度センサ318は弾性を有する断熱性構造体311が圧縮され変形することで発生する反発力或いは冷却板217から伝達される押圧力によって断熱性構造体311からキャップ型構造体216の凹み部の内壁上面に押し付けられ、温度センサ318とキャップ型構造体216との間に上記十分な接触の圧力が形成される。
断熱性構造体311は、図上直方体と見做せる形状を有しているが形状はこれに限られない、また、断熱性を有していることで、温調アレイ300のヒータが生起する熱が冷却板217へ伝達されることを抑制しキャップ構造体216の上面の温度を効率的に高い精度で調節することができる。このような熱の伝達あるいは温度の調節を実現するため、本例の断熱性構造体311の熱伝導率は5W/mK以下にされることが望ましい。
上記実施例における温調アレイの動作の制御を図5を用いて説明する。図5は、図2に示す実施例の試料台において温調アレイの配置を模式的に示した横断面図である。本図において、円形の断面を有する試料台115のキャップ型構造体216の内部に配置された温調アレイ200は、3つの半径位置の各々で周方向に同じと見做せる角度の間隔で中心から半径方向に放射状に配置されて相互に直列に電気的に接続された3つの集合を構成している。
最も内側の周の温調アレイ200の集合で接続されたアレイの列の一端を1番目として他端に向けて順に番号を付けている。そして、最内周のもの全て(本例では1から4まで)に番号が付けられると、1つ外周側の周の列の一端に次の番号を付けて他端に向けて温調アレイ200の全て(本例では5から12まで)に順に番号を付けることを最外周の温調アレイ200の集合の全てアレイに番号を付けるまで繰り返して、試料台115の全ての温調アレイ200に番号を付けている。
このようにして1からhまで番号が付けられた温調アレイ200の各々の動作を調節して、基材115または誘電体膜111上面の温度を調節するための工程を以下に説明する。このような構成において、調節の目標となる温度を設定すると、各温調アレイ200の動作は温度センサ218から出力される信号を受信した図示しない制御装置が発信する指令信号に応じて調節されるPID制御等フィードバック制御によって実施される。
以下、任意の番号n(番目)の素子の目標とする温度(センサフィードバック温度)Tnを検出を説明する。n番目の温調アレイ200の素子上方に位置するウエハ109上面の箇所での温度Twnは、例えばウエハ109の形状を代表するCD(Critical Dimension)の値を示すデータから下記のように求められる。
CDの値と温度との相関関係が1:1であることが分かっており、その相関の係数とCDの値とから目標となる温度が求められ設定される。すなわち、n番目の素子がk番目の素子に与える影響定数λknは温調アレイ間の距離と位置で決まるため、例えば、事前の実験でn番目の温調アレイの温度を1℃あげたときにk番目の温調アレイ200での温度が所定の時間の経過後に10%の上昇した場合には、影響定数λknを0.1と判定する。このような定数が一意に定まる場合には、n番目の温調アレイ200の温度とその周囲の温調アレイ200の温度とは比例関係にあると考えられる。
また、ウエハ109の温度はプラズマ116からの入熱により上昇する。このプラズマ116からの入熱の量は、バイアス形成用の高周波電力の大きさと所定の相関関係があることが分かっており、バイアス形成用の高周波電力の大きさに対して相関係数Kをかけたものが当該プラズマ116からの入熱として求める。このことは、バイアス形成用の高周波電力値が相対的に大きい場合には、ウエハ109の温度を所定の値にするためにはペルチェモードあるいはヒータモードの何れで駆動される任意の温調アレイ200の上面の温度は相対的に低下させることが必要となることから、当該温調アレイ200の目標とする温度と入熱の量あるいは高周波電力の大きさとは反比例の関係にある。
また、このような相関の関係の度合いを示す係数は、処理用ガスの種類や処理室104内の圧力、試料台115を構成する部材の材料等によっても変化する。これらの影響を係数Zとして代表させることで、本実施例の制御装置においては、k番目の温調アレイ200の目標となる温度は以下の式に基づいて検出される。
Figure 2020077882
本例では、この式(1)の各係数が予め実験等により検出され制御装置内のRAMやROM等の記憶装置に記憶されて設定され、制御装置においてウエハ109の処理中にこれらの値を用いて1からhまでの温調アレイ200各々の目標の温度が検出される。このような構成では、ウエハ109の温度はオブザーバ等におり予測されるものではなく、本例のように多数の箇所での温度をこれらの箇所各々に配置された同数の温調アレイ200の動作を調節するものであっても、その調節の応答性を十分に高くして現実的なものすることができる。
図6を用いて、本実施例の温調アレイの動作の例を説明する。図6は、図2に示す実施例の試料台の温調アレイの動作を模式的に示す図である。
本図において、温調アレイ400,401は、図2に示す温調アレイ200と同じ構成のものである。温調アレイ400,401は極性切り替え器208の正負の端子電極を介して定電流電源207と電気的に直列に接続され、また各温調アレイはこれと並列に電力を供給する経路と接続されたバイパスリレー206を有し、各アレイの素子はヒータモードで動作される場合を示している。
図5に示した手段により検出された目標の温度に対して、温調アレイ401の温度センサが検知した信号から検出された温度の値が大きい場合には、温調アレイ400に供給する電流を低下させる、或いは停止させて発生する熱量を低下させる必要があることから、制御装置からの指令信号に応じて温調アレイ400への電流をバイパスするためにこれに並列に接続されたバイパスリレー206がONにされる。また、温調アレイ401のモニタ温度が下の場合には、温調アレイ400に電流を流すためにバイパスリレー206はOFFにされる。バイパスリレー206のONまたはOFFの期間は、制御装置が温度センサ218からの出力を受信して検出した温度の値と目標の温度との差を用いて、この差と比例させる、差の積分値に比例させる、差の微分値に比例させるように設定する。
図7を用いて検出されたCD値の分布から目標の温度を検出する工程を説明する。図7は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置において制御装置が各温調アレイが目標とする温度を検出する工程を示すフローチャートである。
本図において、製品としての半導体デバイスを製造するためにウエハ109を処理する前に、予め当該ウエハ109と同じと見做せる構成で同じと見做せる膜構造を上面に有したテスト用のウエハ109を、全温調アレイ200での温度が所定の第1の温度となるように調節して、製品用のウエハ109の処理と同じ処理室104の圧力、処理用ガスの組成や流量等の処理の条件(所謂レシピ)で処理した後、テスト用のウエハ109の表面の形状を測定しCD平均値1を検出する(ステップ701)。次に、温調アレイ200を第1の温度と異なる値の第2の温度となるように調節して別のテスト用のウエハ109を処理した後、当該別のテスト用のウエハ109の表面の形状を測定しCD平均値2を検出する(ステップ702)。
次に、CD平均値1及びCD平均値2の差と第1、第2の温度の差との相関を検出してCD値の温度相関係数を検出する(ステップ703)。当該温度相関係数を用いて測定された或いは加工形状の仕様としてのCD値に対応する各温調アレイ200の目標の温度を算出する(ステップ704)。算出された温度値を目標の温度として設定し製品用のウエハ109の処理を実施する(ステップ705)。
例えば、プラズマ処理装置100に接続されたCRTや液晶モニタ等の表示装置の表示部上にGUI(Graphical User Interface)を用いてCD測定値1と第1の温度およびCD測定値2と第2の温度を装置の使用者に入力させるように表示を行い、入力された値に基づきプラズマ処理装置100が制御装置により運転されるようにしても良い。制御装置は、図示しない通信手段と接続された通信インターフェースを通して受信した目標となる温度の値に基づいてバイパスリレー206をPWM制御する。また、制御装置内の半導体製のマイクロプロセッサ等の演算器は、受信した目標の温度の値及び温度センサ218からの信号から検出した温度の値に応じて各温調アレイ200の動作を調節するアルゴリズムが記載されたソフトウエアをこれらが予め記憶されたRAMやROM、ハードディスク等記憶装置から読み出して、制御のための指令信号を算出する。
複数の温度センサ218のキャリブレーション方法を示す。温度センサ218も経年劣化するため、例えば冷媒温度220℃でほぼ温度モニタが配置された位置に近い試料台115の表面の温度を検出して、温度センサ218から検出される温度の値を校正してもよい。この校正に用いられる基準とする温度センサはウエハ型のセンサでも接触式温度計でもよく、測定時にすでに校正された温度測定器であれば何でも良い。また、本実施例では、温度センサをサーミスタとしたが、PTセンサ、熱電対、蛍光温度計等でも良い。
また、本実施例では、被エッチング材料をシリコン酸化膜とし、エッチングガス及びクリーニングガスとして例えば、前述の四フッ化メタンガス、酸素ガス、トリフルオロメタンガスを用いたが、被エッチング材料としては、シリコン酸化膜だけでなく、ポリシリコン膜、フォトレジスト膜、反射防止有機膜、反射防止無機膜、有機系材料、無機系材料、シリコン酸化膜、窒化シリコン酸化膜、窒化シリコン膜、Low-k 材料、High-k 材料、アモルファスカーボン膜、Si 基板、メタル材料等においても同等の効果が得られる。またエッチングを実施するガスとしては、例えば、例えば、塩素ガス、臭化水素ガス、四フッ化メタンガス、三フッ化メタン、二フッ化メタン、アルゴンガス、ヘリウムガス、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア、八フッ化プロパン、三フッ化窒素、六フッ化硫黄ガス、メタンガス、四フッ化シリコンガス、四塩化シリコンガス、塩素ガス、臭化水素ガス、四フッ化メタンガス、三フッ化メタン、二フッ化メタン、アルゴンガス、ヘリウムガス、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア、八フッ化プロパン、三フッ化窒素、六フッ化硫黄ガス、メタンガス、四フッ化シリコンガス、四塩化シリコンガスヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガス等が使用できる。
以上の実施例ではマイクロ波ECR放電を利用したエッチング装置を例に説明したが、他の放電(有磁場UHF放電、容量結合型放電、誘導結合型放電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファー・カップルド放電)を利用したドライエッチング装置においても同様の作用効果がある。また上記各実施例では、エッチング装置について述べたが、プラズマ処理を行うその他のプラズマ処理装置、例えばプラズマCVD装置、アッシング装置、表面改質装置等についても同様の作用効果がある。
101…真空容器、
102…シャワープレート、
103…誘電体窓、
104…処理室、
105…導波管、
106…電源、
107…コイル、
109…ウエハ、
110…真空排気口、
111…誘電体膜、
112…接地電極、
113…サセプタカバー、
114…基材、
115…試料台、
116…プラズマ、
124…高周波電源、
125…高周波カットフィルタ、
126,132…直流電源、
129…整合器、
200…温調アレイ、
201…断熱性配置台、
202…断熱層、
203…大気給電部、
204…大気ステーション、
206…バイパスリレー、
207…定電流電源、
208…極性切り替え器、
210…ドライエア導入口、
211…ドライエア排出口、
212…大気圧保持ボルト、
213…平坦度保持面、
214…熱の流れ、
215…Oリング、
216…キャップ型構造体、
217…冷却板、
218…温度センサ、
220…導電膜、
221…導電膜、
300…温調アレイ、
301…膜状構造体、
318…温度センサ、
400,401…温調アレイ。

Claims (6)

  1. 真空容器内部に配置され内側を減圧可能な処理室と、この処理室内に配置され処理対象の試料が載せられて保持される試料台と、前記処理用ガスを用いてプラズマを形成するプラズマ形成手段とを備え、前記試料を前記プラズマを用いて処理するプラズマ処理装置であって、
    前記試料台を構成し接地された金属製の基材の上方に配置され内側に高周波電力が供給される膜状の電極を備えた誘電体の膜と、前記基材内で前記処理室内部より大きな所定の圧力にされた空間の内部で前記基材に連結された温度調節用のアレイであって各々が供給された電力に応じて発熱及び冷却する機能を有して直列に接続された複数の素子を含む少なくとも1つの温度調節アレイと、この温度調節アレイに供給する電力の極性を切り替えて前記複数の素子の発熱および冷却の機能を切り替える切り替え器とを備えたプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記温度調節用のアレイは前記複数の素子が前記試料の周方向に配置されたプラズマ処理装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記試料台の内部に複数の前記温度調節用のアレイが配置され、これら温度調節用のアレイの各々が前記試料の異なる複数の半径位置においてその周方向に円弧状に配置された前記複数の素子を備えたプラズマ処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
    前記給電経路上に前記高周波電力が流れることを抑制するフィルタを備えないプラズマ処理装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
    前記基材内の前記複数の温度調節用のアレイの下方に配置され当該基材の温度を調節する冷媒が通流する冷媒流路を備えたプラズマ処理装置。
  6. 請求項5に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記冷媒が、水またはエチレングリコールまたは絶縁性の冷媒であるプラズマ処理装置。
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