JP2000184548A - 同軸線端末の外部導体の反転方法とその装置 - Google Patents

同軸線端末の外部導体の反転方法とその装置

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JP2000184548A
JP2000184548A JP10353191A JP35319198A JP2000184548A JP 2000184548 A JP2000184548 A JP 2000184548A JP 10353191 A JP10353191 A JP 10353191A JP 35319198 A JP35319198 A JP 35319198A JP 2000184548 A JP2000184548 A JP 2000184548A
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wire
circular brush
braid
outer conductor
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JP10353191A
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Teiji Sakuma
悌二 佐久間
Nobuaki Kojima
伸昭 小島
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness System Technologies Research Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同軸線端末の外部導体の反転作業の自動化を
簡易な形で実現することにある。 【解決手段】 同軸線10のチャック機構20と、正逆
両方向に回転可能で周面がブラシ面を成す円形ブラシ1
と、その円形ブラシ1を同軸線10の軸回りに相対的に
回転させる回転機構40を有する装置により、前記円形
ブラシ1を、その周方向を同軸線10の軸方向に沿わせ
て編組部に押圧させつつ素線の延伸方向に回転させて編
組をほぐし、ほぐした後、ほぐす時とは反対の向きに回
転させて素線を反転させる。ほぐす時と反転させる時の
両方について、前記回転機構40により、各状態の円形
ブラシ1を同軸線10の軸回りに相対的に回転させる。
「ほぐし」と「反転」の終了は、予め、同軸線10の種
類毎に試験を行い、それぞれのデータに基づいて作用時
間を決定しておき、タイマで制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外部導体の編組
が露出した同軸線端末の、その外部導体の反転方法とそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】同軸線が装着される端子は、一般的に同
軸線の外部導体の部分を圧着するワイヤーバレルと被覆
部を圧着する樹脂バレルがこの順で連なった構造になっ
ているが、同軸線の外部導体の部分をその延伸方向とは
逆向きに反転させて被覆部に被せて、その外部導体を反
転させた部分を被覆部ごと一つのバレルで圧着するよう
にすれば、前記したワイヤーバレルと樹脂バレルの二つ
のバレルを必要としないので、その分、端子の長さ方向
での小型化を図ることができる。
【0003】その場合、上記外部導体を折り返すのに、
外部導体は被覆部から剥きだされた状態では網目状の編
組になっているので、先ず、その編組の各素線を同軸線
の軸に平行な方向にほぐして、その後、それを反転させ
るようにしている。
【0004】その作業は、一般的には人手によってブラ
シを用いて行ったり、反転させる場合には圧縮空気を吹
きつけて行うようにしたりもしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外部導
体をほぐして反転させるのに、上記したように、人手に
よって、ブラシでほぐして反転させる方法は大量生産に
は不向きであり、また、人手によってできた製品には仕
上がり具合にバラツキが生じる。
【0006】そこで、自動化が要請されるが、この発明
は、その自動化を簡易な形で実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、前記同軸線をチャックする電線チャッ
ク機構と、チャックされた同軸線の前記編組部に作用し
て、編組部のほぐしと反転を行う正逆両方向に回転可能
で周面がブラシ面を成す円形ブラシと、その円形ブラシ
を同軸線の軸回りに相対的に回転させる回転機構を有す
る装置によって、先ず、編組をほぐすのに、前記円形ブ
ラシを、その周方向を同軸線の軸方向に沿わせて編組部
に押圧させつつ素線の延伸方向に回転(円形ブラシの自
転)させ、次いで、ほぐした編組を反転させるのに、前
記円形ブラシを、ほぐす時とは反対の向きに回転させて
行い、ほぐす時と反転させる時の両方について、前記回
転機構により、各状態の円形ブラシを同軸線の軸回りに
相対的に回転(同軸線回りの公転)させるようにしたの
である。ここで、素線(外部導体)の「延伸方向」と
は、剥き出しになった素線が同軸線の被覆部から外方に
向かう向きをいう。
【0008】このようにしたことにより、装置の動作
が、主として円形ブラシの自転と公転だけの簡易なもの
となり、それを実現する具体的構成の一例として、例え
ば、実施形態の図1に示されるように、円形ブラシの自
転はモータの出力軸に取りつけて、そのモータで直接駆
動し、公転は、そのモータを回転円板に取り付けて、通
常の簡易な回転軸の回転機構で円板を回転させて実現す
ることができる。他は、それらに、同軸線のチャック機
構20を付設する程度のものとなる。こうして、円形ブ
ラシの自転により、ほぐしと反転を行うとともに、同軸
線の軸回りに公転させるので、ほぐしと反転作用を同軸
線の軸回り全体に施すことができる。
【0009】「ほぐし」および「反転」の操作の終了
は、予め、同軸線の種類(例えば、外径寸法の違いや素
線の太さの違い等)毎にこの装置で試験を行い、それぞ
れの編組のほぐされた状態や反転の状態が良好であった
場合のデータに基づいて作用時間を決定しておき、タイ
マで制御するようにする。
【0010】そのようにすれば、その「ほぐし」や「反
転」の終了を検知するのに、例えば、大がかりでコスト
高にもなるような画像処理装置等を必要とすることもな
く、この発明の課題とするところの「簡易な形での自動
化」に繋がる。また、ブラシの自転、公転速度も事前の
試験で決定しておくようにする。
【0011】上記構成において、前記チャック機構と円
形ブラシとを、チャックした同軸線の軸方向に沿って相
対的にスライド可能として、上記工程中の素線を反転さ
せる際に、前記円形ブラシと同軸線とが接近する向きに
相対移動させれば、円形ブラシと編組との接触を、反転
作用が効率的に行えるような形に調整することができ
る。
【0012】また、前記円形ブラシの円形中心がチャッ
クされた状態の同軸線の軸方向に直交する方向に相対的
にスライド可能となるようにすれば、同軸線を円形ブラ
シに押しつける押圧力を同軸線の径並びに素線の径に応
じて調整できるので、同軸線の種類が変わっても、その
調節によって、各同軸線毎に押圧力を調整すれば、常に
品質(ほぐし具合と反転具合)を一定に保つことができ
る。
【0013】以上のような装置とその反転動作におい
て、ほぐした後の素線を反転させるのに、前記円形ブラ
シの使用に代えて、同軸線の内部誘電体の被覆部を円筒
に挿通し、その挿通の際に、円筒の端面で素線を押圧し
て行なうことができ、そのようにすれば、素線の反転が
一挙に行われるので、公転させる場合より作業時間を短
縮することができる。
【0014】その際、その円筒をコレット型円筒にし
て、その内径が拡縮可能となったものにすれば、一台の
装置で種々の径の寸法の同軸線に対応できる。
【0015】また、前記円筒からエアーの吹き出しを行
うようにして、編組をほぐす前に、その編組に対して同
軸線の軸方向に沿ってエアーを吹きつけて粗ほぐしを行
うようにすれば、本ほぐしも短時間で済み、ほぐし作用
全体の短縮を図ることもできる。
【0016】さらにまた、前記円筒の内部に、その円筒
と同軸上に、端面内径の周縁が切刃になったコレット型
円筒を配設する構成とすることができ、その構成の下
で、その内側の円筒に絶縁体の部分を挿入して縮径すれ
ば、前記切刃によって絶縁体の部分をカットできて、内
部誘電体を剥き出すこともできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図を参照してこの発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1乃至図3に、この発明の同軸線
の端末の外部導体の反転装置(以下、単に反転装置とい
う)の第1の実施形態を示す。この装置は、図に示すよ
うに、ベース板50の上に、主として、同軸線10をチ
ャッキングするチャック機構20と、そのチャック機構
20でチャッキングされた同軸線10の外部導体の編組
に作用してそれをほぐし、かつ、反転させる円形ブラシ
1と、その円形ブラシ1を同軸線10の軸の回りに回転
させる回転機構40を備えている。
【0018】前記同軸線10のチャック機構20は、同
軸線10の載置台21と、その載置台21に載置された
同軸線10を押圧してこれをチャッキングする押圧部か
ら成る。載置台21は長手の角材で前記ベース板50上
の取り付け台51上のブラケット29の上面に脚を介し
て取り付けられている。載置台21上面の幅方向中央に
は長手方向に沿ってV溝21aが刻まれており、このV
溝21aに同軸線10がゆるやかにはめ込まれ、V溝2
1aから僅かに上方に覗いた部分が以下に述べる押圧部
で押圧されてチャッキングされる。
【0019】その押圧部は、同軸線10に当接する押圧
板22と、その押圧板22の保持具から成る。この保持
具は前記ブラケット29に固定された垂直フレーム28
の上部に設けられたガイド部材23と、そのガイド部材
23に挿嵌され、それにガイドされて前記垂直フレーム
28に沿ってスライドするスライド棒24から成る。押
圧板22は、このスライド棒24の下端に取り付けられ
ており、スライド棒24の上端には、そのスライド棒2
4を操作するための把手25が設けられている。また、
このスライド棒24の押圧板22の上面とガイド部材2
3の下面の間にはバネ26が嵌められており、このバネ
26によって押圧板22は常に下方に付勢されている。
従って、スライド棒24上端の把手25を解放すると、
その下端の押圧板22が載置台21上に載置された同軸
線10を押圧して載置台21上に固定するようになって
いる。以上が同軸線10のチャック機構20であるが、
このチャック機構20は、それに付設されたスライド手
段によって同軸線10をチャックした状態で、その同軸
線10の軸方向に沿って移動可能となっている。
【0020】このスライド手段は、その駆動がエアシリ
ンダ27によるものであり、エアシリンダ27のロッド
27aが前記チャック機構20の垂直フレーム28が固
定されたブラケット29に接続されている。このロッド
27aが水平方向に進退して垂直フレーム28を押し引
きすることにより、チャック機構20がスライドする。
エアシリンダ27は前記取り付け台の上に固定されてい
る。以上のようなチャック機構20とそのスライド手段
の図の右隣に、同軸線10の外部導体13に作用して編
組11のほぐしと反転を行う円形ブラシ1が配設されて
いる。
【0021】この円形ブラシ1は厚形円盤の周面の全周
にわたってブラシ繊維1aが施されたものであり、円盤
の中心がモータ2の出力軸に取り付けられていて、モー
タ2の駆動によって正逆両方向に回転するようになって
いる。このモータ2は板面が垂直に配設された回転円板
3の板面に固定されており、この回転円板3の回転によ
って円形ブラシ1が同軸線10の軸回りに回転する。い
わば、円形ブラシ1は前記モータ2により自転し、この
回転円板3の回転により同軸線10の軸回りに公転す
る。この円形ブラシ1の自転と公転については、後に、
装置全体の作用の説明の際に詳述する。次に、その円板
3の回転機構40について説明する。
【0022】この回転機構40は前記円板3が取り付け
られた回転軸31とそれを駆動するモータ32から成
る。回転軸31はベース板50の上に立設された軸受台
上の二つの軸受33、33で水平方向に軸支されてお
り、その図の左端に円板3が取り付けられている。右端
寄りにはプーリ34が装着されており、このプーリ34
の対のもの35が回転軸31を駆動するモータ32の出
力軸32aに取り付けられている。両プーリ34、35
にはタイミングベルト36が掛け回されており、回転軸
31はこのタイミングベルト36のベルト伝動により回
転する。回転軸31の右端にはスリップリング38があ
り、外部から回転機構40の前記モータ32に電流を供
給している。スリップリング38と回転軸31はカップ
リング37で連結されている。この回転軸31およびモ
ータ32はケース39内に収納されており、図中、32
bはモータ32のブラケットであり、ケース39の内壁
に取り付けられている。以上で同軸線10のチャック機
構20と、円形ブラシ1と、その円形ブラシ1を同軸線
10の軸回りに回転(公転)させる回転機構40の構成
を述べたが、同軸線10をチャック機構20で位置決め
した際のこれらの配置関係は、同軸線10と回転円板3
の回転軸31が同軸上に並び、円形ブラシ1の周面(ブ
ラシ面)の回転方向が同軸線10の軸方向に沿うととも
に、円形ブラシ1の回転(自転)中心と同軸線10との
距離がブラシ繊維1aが程良く編組11に当接するよう
な形になっている。
【0023】この実施形態ではさらに、円形ブラシ1の
ブラシ繊維1aに同軸線10の編組11を押しつけるた
めの押圧手段が設けられている。この押圧手段は、図3
に示すように、前記円形ブラシ1が取り付けられた回転
円板3上に同軸線10を挟んで円形ブラシ1に対向する
位置に設けられており、円板3の半径方向に移動可能と
なった押圧体4と、その移動をガイドするガイドブロッ
ク5から成る。ガイドブロック5は厚板を組み合わせて
断面がコ字状に形成された矩形体を成しており、円板3
上にねじで固定されている。なお、9は、ガイドブロッ
ク5を最初に固定する際の位置決め板である。
【0024】そのガイドブロック5のコ字の内側の空間
に厚手板状の前記押圧体4が挿嵌されており、そのコ字
内をスライド可能になっている。この押圧体4のブラシ
1に面するのとは反対側の面からは後方に向かって寸き
りボルト6が配設されており、この寸きりボルト6はガ
イドブロック5のコ字の直立辺の部分を貫通してその背
後に突出し、その突出した部分にナット7が螺合されて
いる。その寸きりボルト6の押圧体4の後面とコ字の内
側の面の間にはバネ8が組み込まれており、押圧体4
は、そのバネ圧によって常にブラシ1側に付勢されてい
る。しかしながら、寸きりボルト6のガイドブロック5
から突出した部分に前記ナット7が螺合しているので、
移動は阻止される。押圧体4の位置の調整は、そのナッ
ト7を回動させて行う。
【0025】他方、押圧体4のブラシ1に面する側の面
には、幅方向中央、長さ方向に沿って断面半円形の溝4
aが切ってある。この溝4aは、その部分に同軸線10
の編組11の部分を嵌め込んで、同軸線10を溝4aの
幅方向に拘束するためのものである。以上が、この実施
形態の反転装置の構成である。次に、その作用を説明す
る。
【0026】この装置による同軸線10の編組11の反
転は以下のように行われる。先ず、図示しないスタート
ボタンを押して、円形ブラシ1が設けられた回転円板3
を回転させる。この円板3の回転は所定の処理本数の同
軸線10の反転処理が終わるまで続く。
【0027】同軸線10は前記チャック機構20で位置
決めした状態で反転させるが、そのチャッキングは、先
ず、一方の手で押圧板の保持具の把手25を操作して押
圧板22を載置台21の上方に退去させておき、他方の
手で同軸線10の編組11の露出した部分を円形ブラシ
1側に突出させる形で被覆部14を載置台21の溝に嵌
め込む。その後、保持具の把手25を解放して押圧板2
2を下降させて同軸線10を押圧する。
【0028】同軸線10をチャッキングすると、載置台
21から突出した編組11の部分は円形ブラシ1と押圧
板22に挟まれた形になるので、モータ2の図示しない
スタートボタンを押して、図4(a)に示すように円形
ブラシ1を回転(自転)させる。前記したように、ブラ
シ1の公転は既に始まっている。
【0029】ほぐし作用は円形ブラシ1の自転と同軸線
10の軸回りの公転(図4の符号Rの矢印で示す)によ
って行われるが、円形ブラシ1が公転することにより、
自転によるほぐし作用が同軸線10の軸回り全体に行き
渡る。円形ブラシ1の自転、公転速度は、予め、同軸線
10の種類(例えば、外径寸法の違いや素線12の太さ
の違い等)毎にこの装置で試験を行い、それぞれの編組
11のほぐされた状態が良好であったもののデータに基
づいて決定する。また、ほぐされたかどうかの判断につ
いては、これも、同軸線10の種類毎に事前に試験を行
って所望の状態にほぐされるまでの時間を見いだしてお
き、その時間に従ってモータ2の動作をタイマで制御す
る。
【0030】図4(b)に示すように、編組11のほぐ
しが終わると、続いて、図4(c)、(d)に示すよう
に、円形ブラシ1が逆転して、ほぐされた各素線12を
反転させる。この反転の際、同軸線10は、その軸方向
に沿って図の左向きに力を受けるので、チャック機構2
0でチャックはされているものの、後退して反転作用に
ロスが生じる。従って、反転作用が効率良く行われるよ
うに、円形ブラシ1が逆転するのと同じタイミングで前
記図1、2で示したエアシリン27ダを作動させ、図の
白抜き矢で示すように、チャック機構20をブラシ1側
(図の右側)に移動させて素線12がブラシ繊維1aに
程よく当接するようにする。
【0031】この反転作用についても、ほぐし作用の場
合と同様に、事前に試験を行って反転終了に要する時間
を割り出して、そのデータに基づいてモータ2をタイマ
で制御する。
【0032】反転の終了は、図示しないランプの点滅や
ブザー等の警報手段によって作業者に知らされる。作業
者はそれに従って、図示しない停止ボタンを操作して円
形ブラシ自転用のモータ2を停止させるが、それと同じ
タイミングでエアシリンダ27が作動してチャック機構
20が後退し、編組11のほぐし作用の時の位置に復帰
する。続いて、作業者はチャック機構20の把手25を
操作して押圧板22を引き上げて同軸線10のチャック
を解除する。以上で、一本の同軸線10の反転作業が終
了するが、前述したように、以降も反転作業を続ける場
合、全ての同軸線10の処理が終了するまで円形ブラシ
公転用の回転円板3は回り続けている。
【0033】(第2の実施形態)第2の実施形態では、
ほぐされた素線12の反転を第1の実施形態とは異なる
方法で行い、また、編組11のほぐし工程の前に「粗ほ
ぐし」を行うのが特徴である。
【0034】その粗ほぐしを行うために、同軸線10に
対し、同軸線10の軸方向に沿ってエアーを噴射させる
機構を有している。その粗ほぐしの後、本ほぐしを行
う。反転の機構については後述する。先ず、この実施形
態の装置構成を図5を参照して説明する。
【0035】本ほぐしは、この第2の実施形態でも、円
形ブラシ1を用いた自転と、同軸線10に対する公転動
作によって行うが、そのため、図5に示すように、第1
の実施形態のように、円形ブラシ1を自転させるモータ
62と、そのモータ62が取りつけられ、円形ブラシ1
を同軸線10の軸回りに公転させる回転テーブル63を
擁するが、この回転テーブル63の部分に、前記粗ほぐ
しのためにエアーを噴射するノズル65が組み込まれて
いる。
【0036】図に示すように、回転テーブル63は周面
に歯が形成された大歯車で小径の歯車73が噛み合わさ
れており、その小径の歯車73をモータ72で駆動し
て、歯車伝動によって回転するものである。その回転テ
ーブル63の板面に円形ブラシ1を自転させるモータ6
2が取りつけられているが、第1の実施形態のように、
モータ62は回転テーブル63に固定されているのでは
なく、モータ62のブラケット62aに図示しないエア
シリンダのロッドが接続されており、そのエアシリンダ
の駆動によって同軸線10の軸心に直交する方向に進退
可能となっている。
【0037】また、その回転テーブル63の回転中心に
ある軸受64の中に前記したエアーの噴射ノズル65が
組み込まれている。そのノズル65は、図5に示すよう
に、前面側(図5(a)の左側)から後方にかけて外径
が連続的に減少する円錐面になっているとともに、前面
から後方に至る所定の区間の周面に複数の切り込みが設
けられたコレット型の円筒となっている。円筒にはリン
グ66が嵌め込まれており、このリング66を前後に移
動させることにより径が変化するようになっている。リ
ング66の移動は図示しないシリンダやボールネジ等の
スライド手段によって行われる。
【0038】このノズル65は、その軸心を回転テーブ
ル63の回転中心に合わせる形で組み込まれており、チ
ャック機構20によってチャックされた状態の同軸線1
0の軸心と同心になるようになっている。また、このノ
ズル65自体も図示しないシリンダやボールネジ等のス
ライド手段により前後(図の左右方向)に進退可能にな
っている。
【0039】以上のような構成の装置により、編組11
のほぐしと、そのほぐされた素線12の反転は以下のよ
うに行われ、図6を参照して説明するが、図では煩雑さ
をさけるため、前記回転テーブル63は省略して模式的
に示している。なお、同軸線10のチャック機構20は
第1の実施形態と同じ構成のものである。
【0040】先ず、装置の初期状態として、ノズル65
はリング66が前方に移動していて径が絞り込まれてい
るとともに、前端部は回転テーブルの軸受内に退去して
いる。円形ブラシ1も、そのブラシ繊維1aが同軸線1
0には当接しないような上方の位置に退去している。
【0041】そのような初期状態の下、初めにチャック
機構20に同軸線10をチャックして位置決めし、図示
しないスタートボタンを押して、先ず、図6(a)、
(b)に示すように、前記ノズル65から同軸線10に
向かってエアーAを噴射して編組11の粗ほぐしを行
う。この粗ほぐしについても、事前に試験を行ってエア
ーAの噴射時間を決めておき、タイマで制御する。
【0042】粗ほぐしが終了するのと同時にチャック機
構20をスライドさせるエアシリンダ(前記図1、2の
符号27参照)が作動してチャック機構20がブラシ1
側に移動し、図6(c)に示すように、粗ほぐしによっ
て露出した絶縁体15の端部がノズル65内に入り込む
ようになる。また、円形ブラシ1自転用のモータに、そ
の移動用のエアシリンダが作用して、円形ブラシ1が同
軸線10側に移動し、ブラシ繊維1aが編組11の部分
に程よく当接するようになる。
【0043】ここで、円形ブラシ自転用のスタートボタ
ンを押して円形ブラシ1を自転させ、編組11の本ほぐ
しを行う。第1の実施形態と同様、公転用の回転テーブ
ル63は既に回転している。この本ほぐしは、第1の実
施形態の場合と同じ態様であり、ブラシ1の作用時間は
事前の試験で決めておき、タイマで制御する。
【0044】本ほぐしが終わると、図6(d)に示すよ
うに、円形ブラシ1自転用のモータに、その移動用のエ
アシリンダが作用して、円形ブラシ1が回転テーブルの
外周側へ移動して同軸線10から遠ざかる。この移動
中、もしくは移動が終わった時点で、ノズル65が回転
テーブル63の軸受64内から外方へ移動しつつ、ノズ
ル65の後部に嵌め込まれたリング66が後退して前端
側が拡開する。ノズル65の前進およびリング66の後
退とも、前記した図示しないシリンダやボールネジの駆
動によって行う。そうすると、図6(e)、(f)に示
すように、ノズル65の肉厚部の前面が素線12に当接
して反転が始まり、さらにノズル65が前進すると、素
線12がノズル65の内面に沿って倒されてゆき、所定
量進んだところで図6(g)に示すように、完全に反転
する。図6(h)はその状態のノズル65と同軸線10
および素線12の状態を断面で示したものである。
【0045】ノズル65の移動が終わると、回転テーブ
ル63の回転以外の動作が自動的に停止する。この停止
はブザーやランプ等の警報手段によって作業者に知らさ
れ、作業者はそれに従って同軸線10のチャックを解除
する。
【0046】(第3の実施形態)第3の実施形態は、前
記第2の実施形態の装置を基にして、編組11の反転に
加えて、その編組11が反転された状態の同軸線10端
部の絶縁体15の一部をカットして、その部分の内部誘
電体16が剥き出しになった状態の同軸線10を製作す
るものである。
【0047】そのための装置構成として、図7(a)に
示すように、第2の実施形態のコレット型ノズル65の
内部に、小型のコレット状円筒67が、そのノズル65
と軸心を一にして挿嵌されている。この小型コレット6
7が絶縁体15をカットする切断刃を有しており、その
前端面の内径周縁が切断刃67aとなっている。以下、
この小型コレット67をカット用コレット67と称し、
その絶縁体15のカットに至る動作の流れについて説明
する。編組11の本ほぐしが終了して円形ブラシ1自転
用のモータ62が回転テーブル63の外周側へ移動して
同軸線10から遠ざかるまでは第2の実施形態の場合と
同様である。
【0048】先ず、図7(b)、(c)に示すように、
その円形ブラシ1の移動中、もしくは移動が終わった時
点で、ノズル65が回転テーブル63の軸受内から外方
へ移動しつつ、ノズル65の後部に嵌め込まれたリング
66が後退して前端側が拡開してゆくが、その際、その
噴射ノズル65内の前記カット用コレット67も拡開し
てゆく。
【0049】そうすると、素線12の端部がノズル65
の肉厚部の前面に当接して反転が始まるとともに同軸線
10の絶縁体15の最端部もカット用コレット67の前
端部からその内部に進入してゆく。
【0050】さらにノズル65とカット用コレット67
が前進すると、図7(d)に示すように、素線12がノ
ズル65の内面に沿って倒されてゆき、所定量進んだと
ころで素線12が完全に反転する。その間、カット用コ
レット67もノズル65の縮径により、その内壁によっ
て押圧されて縮径するので、前端の内径周縁の切断刃6
7aが中心に向かい絶縁体15を切断する。
【0051】絶縁体15の切断が終わると、図7(e)
に示すように、カット用コレット67が後退し、図示は
しないが、一端、ノズル65の外に移動して、その絶縁
体15の切断片をノズル65外へ廃棄する。その動作が
終了すると、カット用コレット67がそれに設けられた
リング68で縮径され、再びノズル65内に移動し、そ
の後、リング68による縮径も解かれて外径の大きさお
よびその存在位置について初期状態に復帰する。その復
帰が終わると、回転テーブル63以外の動作が自動的に
停止する。この停止はブザーやランプ等の警報手段によ
って作業者に知らされ、作業者はそれに従って同軸線1
0のチャッキングを解除する。図7(f)は素線12が
反転を受け、剥きだした絶縁体15の端部がカットさ
れ、内部誘電体16が剥き出しになった同軸線の図であ
る。
【0052】なお、ノズル65とカット用コレット67
およびそれぞれのリング66、68の進退とも、図示し
ないシリンダやボールネジの駆動によって行う。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、同軸
線の外導体の編組のほぐしと反転を行うのに、その編組
に円形ブラシを当接して回転(自転)させるのと同時
に、その状態の円形ブラシを同軸線の軸回りに回転(公
転)させるようにしたので、簡易な形での自動化が図
れ、均一な品質の製品が大量生産可能であるという効果
がある。
【0054】ほぐしと反転の各操作の終了を、予め行っ
た試験のデータに基づいて作用時間を決定して、タイマ
で制御するようにすれば、大がかりでコスト高にもなる
ような画像処理装置等を必要とすることもない。
【0055】その装置のチャック機構と円形ブラシと
を、チャックした同軸線の軸方向に沿って相対的にスラ
イド可能なものとして、素線を反転させる際に、円形ブ
ラシと同軸線とが接近する向きに相対移動させれば、円
形ブラシと編組との接触を、反転作用が効率的に行える
ような形に調整することができる。
【0056】その装置の前記円形ブラシの円形中心がチ
ャックされた状態の同軸線の軸方向に直交する方向に相
対的にスライド可能となるようにすれば、同軸線を円形
ブラシに押しつける押圧力を同軸線の径並びに素線の径
に応じて調整できるので、同軸線の種類が変わっても、
その調節によって、各同軸線毎に押圧力を調整すれば、
常にほぐし具合と反転具合を一定に保つことができる。
【0057】ほぐした後の素線を反転させるのに、円形
ブラシの使用に代えて、同軸線の内部誘電体の被覆部を
円筒に挿通し、その挿通の際に、円筒の端面で素線を押
圧して行なうことができ、そのようにすれば、素線の反
転が一挙に行われるので、公転させる場合より作業時間
を短縮することができる。
【0058】その際、その円筒をコレット型円筒にし
て、その内径が拡縮可能となったものにすれば、一台の
装置で種々の径の寸法の同軸線に対応できる。
【0059】また、前記円筒からエアーの吹き出しを行
うようにして、編組をほぐす前に、その編組に対して同
軸線の軸方向に沿ってエアーを吹きつけて粗ほぐしを行
うようにすれば、本ほぐしも短時間で済み、ほぐし作用
全体の短縮を図ることもできる。
【0060】さらにまた、前記円筒の内部に、その円筒
と同軸上に、端面内径の周縁が切刃になったコレット型
円筒を配設するようにすれば、その内側の円筒に絶縁体
の部分を挿入して縮径すれば、反転作用と併せて、前記
切刃によって絶縁体の部分をカットして、内部誘電体を
剥き出すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部断面を含む第1の実施形態を示す正面図
【図2】実施形態の要部斜視図
【図3】図1の矢視III −III による要部側面図
【図4】同軸線の編組のほぐしと反転作用の流れを示す
模式図
【図5】(a)に装置の要部を一部断面を含む側面で示
し、(b)にノズルを斜視で示した第2の実施形態の図
【図6】第2の実施形態の作業工程の流れを示す模式図
【図7】(a)にノズルを斜視で示し、(b)に作業工
程の流れを示した第3の実施形態を示す図
【符号の説明】
1 円形ブラシ 2、62 モータ 3 回転円板 4 押圧体 10 同軸線 11 編組 12 素線 13 外部導体 14 被覆部 15 絶縁体 16 内部誘電体 20 チャック機構 21 載置台 22 押圧板 27 エアシリンダ 31 回転軸 40 回転機構 63 回転テーブル 65 ノズル 67 カット用コレット 66、68 リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 悌二 名古屋市南区菊住一丁目7番10号 株式会 社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 小島 伸昭 名古屋市南区菊住一丁目7番10号 株式会 社ハーネス総合技術研究所内 Fターム(参考) 5G355 AA05 BA04 CA02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部導体の編組が露出した同軸線の端末
    の編組をほぐし、ほぐした編組を反転させる同軸線端末
    の外部導体の反転方法であって、 前記編組をほぐすのに、周面がブラシ面を成す円形ブラ
    シを、その周方向を同軸線の軸方向沿わせて編組部に押
    圧させつつ素線の延伸方向に回転させ、ほぐした編組を
    反転させるのに、前記円形ブラシを、ほぐす時とは反対
    の向きに回転させて行い、ほぐす時と反転させる時の両
    方について、各状態の円形ブラシを同軸線の軸回りに相
    対的に回転させるようにしたことを特徴とする同軸線端
    末の外部導体の反転方法。
  2. 【請求項2】 前記素線を反転させる際に、同軸線と前
    記円形ブラシとを、その円形ブラシの回転方向と逆向き
    に相対的にスライドさせるようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の同軸線端末の外部導体の反転方法。
  3. 【請求項3】 前記円形ブラシの回転を所定の時間だけ
    行うようタイマーで制御するようにしたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の同軸線端末の外部導体の反転
    方法。
  4. 【請求項4】 前記同軸線を円形ブラシに押しつける押
    圧力を、同軸線の径並びに素線の径に応じて調整するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかの
    項に記載の同軸線端末の外部導体の反転方法。
  5. 【請求項5】 ほぐした後の前記素線を反転させるの
    に、前記円形ブラシの使用に替えて、前記同軸線の内部
    誘電体の被覆部を円筒に挿通し、その円筒の端面で前記
    素線を押圧して行なうようにしたことを特徴とする請求
    項1から4のいずれかの項に記載の同軸線端末の外部導
    体の反転方法。
  6. 【請求項6】 前記円筒がコレット型円筒でその径が拡
    縮可能となっていることを特徴とする請求項5に記載の
    同軸線端末の外部導体の反転方法。
  7. 【請求項7】 前記編組をほぐす前に、その編組に対し
    て同軸線の軸方向に沿ってエアーを吹きつけて粗ほぐし
    を行うようにしたことを特徴とする請求項5又は6のい
    ずれかに記載の同軸線端末の外部導体の反転方法。
  8. 【請求項8】 外部導体の編組が露出した同軸線の端末
    の編組をほぐし、ほぐした素線を反転させる同軸線端末
    の外部導体の反転装置であって、 前記同軸線をチャックする電線チャック機構と、チャッ
    クされた同軸線の前記編組部に作用して、編組部のほぐ
    しと反転を行う正逆両方向に回転可能となった円形ブラ
    シと、その円形ブラシを前記同軸線の軸回りに相対的に
    回転させる回転機構を有することを特徴とする同軸線端
    末の外部導体の反転装置。
  9. 【請求項9】 前記チャック機構と円形ブラシとが、チ
    ャックした同軸線の軸方向に相対的にスライド可能とな
    っていることを特徴とする請求項8に記載の同軸線端末
    の外部導体の反転装置。
  10. 【請求項10】 前記円形ブラシの円形中心が、チャッ
    クされた同軸線の軸方向に直交する方向に相対的にスラ
    イド可能となっていることを特徴とする請求項8又は9
    に記載の同軸線端末の外部導体の反転装置。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至10のいずれかの項に記
    載の装置の構成に加え、径が拡縮可能となったコレット
    型の円筒が、チャックされた同軸線と同心上に配設され
    ていることを特徴とする同軸線端末の外部導体の反転装
    置。
  12. 【請求項12】 前記円筒からエアーの吹き出しが可能
    となっていることを特徴とする請求項11に記載の同軸
    線端末の外部導体の反転装置。
  13. 【請求項13】 前記円筒内に、その円筒と同軸上に、
    端面内径の周縁が切刃になったコレット型円筒を有して
    いることを特徴とする請求項11又は12に記載の同軸
    線端末の外部導体の反転装置。
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