JP2000169297A - 酸化物強誘電体薄膜の製造方法、酸化物強誘電体薄膜及び酸化物強誘電体薄膜素子 - Google Patents

酸化物強誘電体薄膜の製造方法、酸化物強誘電体薄膜及び酸化物強誘電体薄膜素子

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JP2000169297A
JP2000169297A JP11272587A JP27258799A JP2000169297A JP 2000169297 A JP2000169297 A JP 2000169297A JP 11272587 A JP11272587 A JP 11272587A JP 27258799 A JP27258799 A JP 27258799A JP 2000169297 A JP2000169297 A JP 2000169297A
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oxide ferroelectric
oxide
oxide film
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Takeshi Kijima
健 木島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の配向方位および任意の配向方位を有す
る強誘電結晶量を制御することにより、任意の強誘電特
性を引き出すことを目的とする。 【解決手段】 電極が形成された基板上にBi、Ti及びO
からなる酸化物強誘電体薄膜をMOCVD法により製造する
に際して、酸化物強誘電体薄膜を形成しうる原料ガスの
総ガス供給量に占める酸素ガスの供給量を、所定の配向
性及び/又は抗電界を有する酸化物強誘電体薄膜を形成
するために必要な値に制御するとともに、前記酸化物強
誘電体薄膜を構成する酸素以外の構成元素の組成比を前
記酸化物強誘電体薄膜が所定の残留分極及び/又は比誘
電率を得るために必要な値になるように前記酸化物強誘
電体薄膜を構成する酸素以外の構成元素を含む原料ガス
の少なくとも1つの供給量を制御して、基板上に原料ガ
スを供給することからなる酸化物強誘電体薄膜の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物強誘電体薄
膜の製造方法、酸化物強誘電体薄膜及び酸化物強誘電体
薄膜素子に関し、より詳細には、メモリ素子、焦電素
子、圧電素子、光デバイス等に好適に使用することがで
きる酸化物強誘電体薄膜の製造方法、酸化物強誘電体薄
膜及び酸化物強誘電体薄膜素子に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの酸化物材料の中には、強誘電性、
高誘電性、圧電性、焦電性、電気光学効果等の様々な機
能を持つものがあり、一般に酸化物強誘電体材料と総称
されている。それらの酸化物強誘電体材料の優れた機能
を利用して、コンデンサ、圧力センサ、赤外線センサ、
発振器、周波数フィルタ、光スイッチ等の多くのデバイ
ス開発が行われてきた。
【0003】特に最近、薄膜形成技術の進展に伴って、
酸化物強誘電体材料の高誘電率特性をDRAM等の半導
体デバイスのキャパシタに適用することにより、デバイ
スの小型化、プロセスの簡略化が図られ、また、強誘電
体特性をDRAM等の半導体デバイスのメモリ部に適用
することにより、高密度で高速に動作する不揮発性メモ
リ(強誘電体不揮発性メモリ)等の新規機能デバイスの
開発が行われている。
【0004】強誘電体不揮発性メモリは、強誘電体の強
誘電体特性(ヒステリシス効果)を利用してバックアッ
プ電源の不要なメモリを実現するものであり、このよう
なデバイス開発には、残留自発分極が大きく、かつ、抗
電界が小さい材料が必要である。また、良好な電気特性
を得るためには、低リーク電流であり、分極反転の繰り
返し耐性が大きい等の特性を持つ材料が必要である。そ
のためには、成膜後の表面モフォロジーの制御も重要な
課題である。さらに、動作電圧の低減と半導体微細加工
プロセスへの適合のために、膜厚が数百nm以下の薄膜
で上記の特性を実現することが望まれる。
【0005】酸化物強誘電体には、化学式ABO3で示
されるペロブスカイト構造をもち、古くから研究されて
きたもののほかに、最近では、Bi2m-1m3m+3
示されるBi系酸化物強誘電体材料が分極反転の繰り返
しに強いとして注目されている。ここで、AはLi+、N
a+、K+、Pb2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Bi3+から選択され
るものであり、BはFe3+、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+、Mo
6+から選択されるものであり、mは1以上の自然数であ
る。
【0006】Bi2m-1m3m+3で示される酸化物強
誘電体の結晶構造は、(m−1)個のABO3から成る
ペロブスカイト層の上下を、(Bi222+層が挟み込
んだ構造をなすものである。その強誘電性が発現するメ
カニズムは、ABO3で示される酸化物強誘電体の場合
のメカニズムと変わりない。ABO3で示される酸化物
強誘電体には、Pb(Zr1-XTiX)O3(以下、PZ
Tという)、BaTiO3、SrTiO3、LiNbO3
などがあるが、PZTが古くから最も集中的に研究され
ている。
【0007】PZTは、PbZrO3とPbTiO3の固
溶体で、Zr/Ti比は1〜1.5である。PbTiO
3は、正方晶系に属するペロブスカイト構造を持つ強誘
電体であり、c軸方向に自発分極をもっている。PbZ
rO3は、斜方晶系に属するペロブスカイト構造をもつ
反強誘電体であるが、PbTiO3と固溶してTi量が
増加するとともに強誘電体に移行する。薄膜作製には、
スパッタリング法やゾル−ゲル法などが用いられてい
る。
【0008】Bi2m-1m3m+3で示される酸化物強
誘電体には、SrBi2Ta29、Bi4Ti312など
がある。特に、最近、Bi4Ti312の研究が盛んであ
る。Bi4Ti312は斜方晶系に属し、前述の通り層状
ペロプスカイト構造をもつ強誘電体である。自発分極
は、a軸及びc軸の2方向に成分をもち、a軸方向の自
発分極は約50μC/cm2、抗電界は約50kV/c
m、c軸方向の自発分極は約4μC/cm2、抗電界は約
4kV/cmである。したがって、その配向性を制御す
ることによって、a軸方向の大きな自発分極やc軸方向
の小さな抗電界を用途に応じて提供できる材料となる。
【0009】上記強誘電体材料の薄膜化技術としては、
これまでスパッタリング法、ゾル-ゲル法、レーザーア
ブレイジョン法、MOCVD法等により行われている。
これらの成膜方法を用いて上記の酸化物強誘電体材料を
形成する基板としては、通常、Pt(111)、Ir
(111)あるいは酸化物導電材料等からなる電極を具
備した基板が用いられる。このような方法で成膜される
強誘電体材料を不揮発性メモリ等の各種デバイスに応用
するためには、その配向性や結晶性を制御することが重
要である。
【0010】PZTの場合には、その強誘電特性が組成
xに大きく依存するにもかかわらず、蒸気圧の高いPb
を含むため、成膜時や熱処理時等での膜組成変化が起こ
りやすく、配向性や結晶性(モフォロジー)を支配する
因子の解明が難しい状況である。そのため、ピンホール
の発生、下地電極PtとPbとの反応による低誘電率層
の発生等の結果、膜厚の低減に伴い、リーク電流や分極
反転耐性の劣化が起こるという問題点を有している。
【0011】一方、Bi4Ti312の場合には、従来の
ゾル−ゲル法での成膜では、良好な強誘電特性を得るた
めに650℃以上での熱処理が必要であるため、得られ
る面方位は限られており、配向性の制御は困難であっ
た。また、MOCVD法での成膜においては、成膜温度
600℃以上で、Pt電極とSiO2/Si基板との間
にTi接着層を設けたPt電極上に成膜した場合、その
膜表面モフォロジーは、粗大結晶粒からなるとともに、
強誘電性を持たないパイロクロア相(Bi2Ti27
の発生しやすくなることが報告されている(Jan. J. Ap
pl. Phys., 32, 1993, pp.4086及びJ. Ceramic. Soc. J
apan, 102, 1994, pp.512)。したがって、配向性や結
晶性を制御して、所望の自発分極や抗電界を得ることも
容易ではなかった。
【0012】最近になり、本発明者らは、MOCVD法
を用いたBi4Ti312強誘電体薄膜の形成における各
種配向制御方法を提案してきた。例えば、特開平9−1
86376では、Bi/Ti組成比を化学量論組成から
ずらすことによって、Bi4Ti312強誘電体薄膜の配
向性を制御しているが、制御可能になっているのはa軸
方向成分を含む(117)成分の大きさの制御のみであ
って、c軸成分の制御は得られなかった。このため、常
に抗電界が90kV/cmと大きく、低電圧で駆動する
素子には適用が困難であった。
【0013】また、特開平10−182291におい
て、原料ガス内の酸素濃度を変化させることによって、
c軸優先配向、c軸成分と(117)成分が混合したラ
ンダム配向、(117)優先配向と、優先配向の方向を
制御できることを示した。しかし、ここでは強誘電体薄
膜はTiO2からなるバッファ層の上に形成されている
ため、優先配向の方向を制御できるといっても、c軸の
完全な配向を制御することはできなかった。しかも、そ
れぞれの配向成分の大きさを制御することはできず、し
たがって、同一抗電界で種々の飽和分極値をもつ素子を
得るということができず、強誘電特性の自由度の少ない
ものであった。
【0014】さらに、通常、Pt(下部電極)電極上に
はBi4Ti312強誘電体薄膜は核発生密度が低く、巨
大粒子として成長する。しかし、TiO2は、Ptと相
性がよいため、Pt上に緻密に形成される。このような
ことから、上記の2種の従来技術では、TiO2等によ
るバッファ層なしで上記特性を有する強誘電体膜は得て
いない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記従
来技術では、ソル−ゲル法やスパッタ法あるいはMOC
VD法等の成膜技術を用いて、Pt、Ir等の金属電極
上にPZTやBi4Ti312等の酸化物強誘電体薄膜を
形成する場合、成膜時や熱処理時に長い時間に渡って高
温にさらす必要があり、その配向性や結晶性を制御する
ことが困難であった。そのため、得られる酸化物強誘電
体薄膜に発生するリーク電流や分極反転耐性の劣化を抑
制することが困難な状況にあり、また、所望の自発分極
や抗電界を得ることも容易ではなかった。
【0016】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、強誘電体薄膜を形成する際に、結晶
性を含めた配向性(方向・大きさ)を完全制御して、任
意に目的の強誘電特性を有する強誘電体薄膜形成を可能
とするものである。また、それらの制御条件を明確にす
ることによって、酸化物強誘電体薄膜に発生するリーク
電流や分極反転耐性の劣化を抑制し、また、所望の自発
分極や抗電界を得ることも容易にする製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電極が
形成された基板上にBi、Ti及びOからなる酸化物強誘電
体薄膜をMOCVD法により製造するに際して、酸化物強誘
電体薄膜を形成しうる原料ガスの総ガス供給量に占める
酸素ガスの供給量を、所定の配向性及び/又は抗電界を
有する酸化物強誘電体薄膜を形成するために必要な値に
制御するとともに、前記酸化物強誘電体薄膜を構成する
酸素以外の構成元素の組成比を前記酸化物強誘電体薄膜
が所定の残留分極及び/又は比誘電率を得るために必要
な値になるように前記酸化物強誘電体薄膜を構成する酸
素以外の構成元素を含む原料ガスの少なくとも1つの供
給量を制御して、基板上に原料ガスを供給することから
なる酸化物強誘電体薄膜の製造方法が提供される。
【0018】また、本発明によれば、電極が形成された
基板上にBi、Ti及びOからなる酸化物強誘電体薄膜をMOC
VD法により製造するに際して、前記酸化物強誘電体薄膜
を構成する酸素以外の構成元素を含む原料ガスの少なく
とも1つの供給量を変化させてBi/Ti組成比を制御し
て、酸化物強誘電体薄膜の結晶核発生密度を制御するこ
とからなる酸化物強誘電体薄膜の製造方法が提供され
る。
【0019】さらに、本発明によれば、基板上に形成さ
れた下部電極直上に形成されてなる酸化物強誘電体薄膜
が、柱状構造である酸化物強誘電体薄膜、あるいは基板
上に形成された下部電極直上に形成されてなる酸化物強
誘電体薄膜の配向性が、c軸優先配向、c軸配向と(1
17)配向とが主として優先するランダム配向又は(1
17)優先配向のいずれか1つであり、Bi/Ti組成比が
0.4〜1.5である酸化物強誘電体薄膜が提供され
る。また、本発明によれば、上記方法により形成された
酸化物強誘電体薄膜又は上記酸化物強誘電体薄膜を有
し、該酸化物強誘電体薄膜上に電極を備えてなる酸化物
強誘電体薄膜素子が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の酸化物強誘電体薄膜の製
造方法において使用することができる基板は、シリコ
ン、ゲルマニウム等の元素半導体、GaAs、ZnSe等の化合
物半導体等の半導体基板;Pt等の金属基板;サファイア
基板、MgO基板、SrTiO3,BaTiO3、ガラス基板等の絶縁
性基板等が挙げられる。なかでもシリコン基板が好まし
く、さらに、シリコン単結晶基板が好ましい。また、基
板上には、電極が形成されている。電極は、導電性の材
料であれば特に限定されるものではなく、Pt、Ir、Au、
Al、Ru等の金属、IrO2、RuO2等の酸化物導電体等により
形成することができる。電極は、例えば、スパッタ法、
真空蒸着法、EB法等種々の方法により形成することがで
きる。電極の膜厚は、例えば、100〜200nm程度
が挙げられる。
【0021】電極と基板との間には、絶縁層及び/又は
接着層等の中間層を形成してもよい。絶縁層は、例え
ば、SiO2、SiN等により形成することができる。また、
接着層としては、基板と電極又は絶縁層と電極との接着
強度を確保することができるものであれば、その材料は
特に限定されるものではなく、例えば、タンタル、チタ
ン等の高融点金属が挙げられる。これらの中間層は、熱
酸化法、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法、MOCVD法等、
種々の方法で形成することができる。
【0022】本発明の製造方法においては、まず、基板
を酸化物強誘電体薄膜を形成するための成膜チャンバ内
に設置する。この場合の成膜チャンバとしては、チャン
バ内の圧力を制御することができ、原料ガス、酸素ガ
ス、キャリアガス等を供給することができる成膜チャン
バであれば、どのようなものでも使用することができ
る。なかでもMOCVD法による成膜ができる成膜装置の成
膜チャンバであることが好ましい。次いで、基板上に、
酸素ガスとともに、酸化物強誘電体を構成する酸素以外
の元素を含有する2種以上の原料ガスを供給する。この
際、これらのガスとともに、アルゴン、ヘリウム等のキ
ャリアガス、バランスガス等を一緒に供給してもよい。
【0023】酸素ガスは、希釈されたガスを用いてもよ
いが、ほぼ100%の純粋なガスを用いることが好まし
い。酸素ガスを成膜チャンバーに導入する場合、総ガス
流量に占める酸素ガスの流量を、所定の配向性及び/又
は抗電界を有する酸化物強誘電体薄膜を形成するために
必要な値に制御することが必要である。例えば、酸素ガ
スの流量としては、総ガス流量の33〜80体積%程度
の範囲が挙げられる。ここで、所定の配向性とは、結晶
性を含めた配向性(方向および大きさ)を意味し、c軸
優先配向、c軸配向と(117)配向とが主として優先
するランダム配向又は(117)優先配向等が挙げられ
る。
【0024】また、酸化物強誘電体薄膜を構成する酸素
以外の構成元素の組成比を酸化物強誘電体薄膜が所定の
残留分極及び/又は比誘電率を得るために必要な値にな
るように、酸化物強誘電体薄膜を構成する酸素以外の構
成元素を含む原料ガスの少なくとも1つの供給量を制御
することが必要である。例えば、所定の残留分極及び/
又は比誘電率を得るために、Bi/Ti組成比が0.4
〜1.5となるようにBi又はTiを含む原料ガスの少
なくとも1つの供給量を制御する。ここで、所定の残留
分極とは、残留分極値Prが大きいこと及び/又はヒス
テリシスの角型が良好であることを意味する。さらに、
Bi/Ti組成比を制御することにより、酸化物強誘電
体薄膜の結晶核発生密度を制御することができる。
【0025】本発明の方法により得られる酸化物強誘電
体薄膜は、Bi2Xm-1YmO3m+3(XはLi+、Na+、K+、Pb2+
Ca2+、Sr2+、Ba2+及びBi3+からなる群から選択される1
種、YはFe3+、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びMo6+からなる
群から選択される1種、mは1以上の自然数である)で
示されるものであれば特に限定されるものではなく、そ
の強誘電性の発現の源である結晶構造が同じであるSr
Bi2Ta2 9等のBi2m-1m3m+3で示される酸化
物強誘電体でもよい。また、Bi2m -1m3m+3で示
される酸化物強誘電体材料は、その結晶構造の中にAB
3構造を含み、その強誘電性の源がABO3構造部分に
あることを考えると、PZT、BaTiO3、SrTi
3等のABO3で示される酸化物強誘電体であってもよ
い。なかでも、Bi4Ti3O12であることが好ましく、さら
に、層状ペロブスカイト結晶構造であることがより好ま
しい。
【0026】本発明の酸化物強誘電体薄膜素子は、本発
明の酸化物強誘電体薄膜を絶縁膜として用いた素子であ
れば特に限定されるものではなく、例えば、一対の電極
間に酸化物強誘電体薄膜が挟持されてなる構造等が挙げ
られる。以下に、本発明の酸化物強誘電体薄膜の製造方
法、酸化物強誘電体薄膜及び酸化物強誘電体薄膜素子の
実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】実施の形態1 この実施の形態における強誘電体薄膜被覆基板を図1に
示す。強誘電体薄膜被覆基板は、シリコン単結晶基板1
上に、酸化シリコン(SiO2)層2、接着層であるタ
ンタル層3、Pt下部電極4、Bi4Ti312強誘電体
初期核層5(以下、Bi4Ti312初期核層5と記
す)、Bi4Ti312強誘電体成長層6(以下、Bi4
Ti312成長層6と記す)がこの順で積層されて構成
される。この強誘電体薄膜被覆基板は、以下のように形
成することができる。
【0028】まず、シリコン単結晶基板1上に、基板表
面を熱酸化することにより膜厚200nm程度の酸化シ
リコン層2を形成する。酸化シリコン層2上に、タンタ
ル層3及びPt下部電極4を、スパッタリング法によ
り、膜厚30nm程度及び200nm程度で順次形成す
る。次に、Bi4Ti312成長層6/Bi4Ti312
期核層5をMOCVD法により形成した。
【0029】この時の共通の成膜条件は、Ti原料を含
むArキャリアガス、反応ガスとしての酸素ガス、バラ
ンスガスとしてのArガス、さらに、Bi4Ti312
長層6/Bi4Ti312初期核層5の成膜の際にはBi
原料を含むArキャリアガスを成膜チャンバー内に導入
した。成膜チャンバー内の圧力は5Torr、Ti原料
を含むArキャリアガス流量は50sccmに固定し
た。また、導入ガス(BiおよびTi原料を含むArキ
ャリアガス、酸素ガスおよびArバランスガス)の総流
量を2500sccmに固定した。
【0030】Pt下部電極4上に、基板温度を550℃
として、Bi4Ti312初期核層5を厚さ5nm形成
し、次に、基板温度を400℃に設定し直し、連続して
Bi4Ti312成長層6を厚さ190nm成長させ、総
膜厚200nmとした。この時のBi4Ti312初期核
層5ならびにBi4Ti312成長層6の成膜条件を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】Bi4Ti312初期核層5ならびにBi4
Ti312成長層6のいずれの成膜においても、Ti原
料を含むArキャリアガス流量を50sccm供給し、
Bi原料を含むArキャリアガス流量を50〜350s
ccm、酸素ガス流量を825〜2000sccm(総
ガス流量に対して酸素濃度:33〜80%)の範囲で変
化させて、数種類のBi4Ti312成長層6/Bi4
312初期核層5を成膜した。Bi原料を含むArキ
ャリアガス流量および酸素ガス流量は、Bi4Ti312
初期核層5形成前に設定したら、それに続くBi4Ti3
12成長層6は同一成膜条件とした。
【0033】このようにして得られたBi4Ti312
長層6のBi含有量(Bi/Ti組成比)を、EPMA
によってそれぞれ測定した。その結果を図2に示す。図
2では、Bi原料を含んだArキャリアガス流量とBi
/Ti組成比の関係を、酸素ガス濃度(酸素ガス流量/
総ガス流量;2500sccm)をパラメーターにして
示す。
【0034】図2から明らかなように、酸素ガス濃度に
かかわらず、Bi/Ti組成比は1.5よりも小さい範
囲で変化し、化学量論組成(Bi/Ti=1.33)以
下ではBi原料を含んだArキャリアガス流量に比例し
てBi/Ti組成比も増加するが、Bi/Ti組成比が
化学量論組成を越えるとBi/Ti=1.5付近で飽和
する傾向があった。
【0035】また、作製した種々のBi4Ti312成長
層のXRD(X線回折)パターンを測定した。その結果
を図3(a)〜(c)及び図4に示す。図3(a)〜
(c)及び図4においては、酸素ガス濃度を横軸に、B
i/Ti組成比を縦軸に取り、一覧して示した。図3
(a)〜(c)及び図4から明らかなように、酸素ガス
濃度が33%以上では、Bi/Ti≧0.65で、全て
強誘電体である層状ペロブスカイト相を示した。
【0036】また、酸素ガス濃度が33%においては、
ほとんどc軸単一配向である。酸素ガス濃度を増大させ
ていくと、c軸成分が徐々に減少し、a軸成分を含んだ
(117)成分が現われ、酸素ガス濃度の増大につれ
て、c軸成分と(117)成分とが混在したランダム配
向になることが分った。例えば、酸素濃度50%の場合
には、XRDピーク強度比が(008):(117)≒
1:4程度である。さらに、酸素濃度を大きくしていく
と、酸素濃度が80%において、ほぼ(117)単一配
向となった。
【0037】次に、縦軸のBi/Ti組成比が変化した
場合のXRDパターンについて説明する。酸素ガス濃度
が33%の時、つまりほぼ完全c軸配向Bi4Ti312
薄膜の場合、Bi/Ti組成比が化学量論組成(Bi/
Ti=1.33)以下の場合、Bi/Ti組成比が増加
するのに比例して、c軸配向成分のXRDピーク強度
(特に(006)および(008))が増加した。さら
に、Bi/Ti組成比が化学量論組成よりも増加した場
合も同様にc軸配向成分のXRDピーク強度は増加する
が、Bi/Ti=1.5付近でc軸配向成分のXRDピ
ーク強度も飽和傾向を示した。
【0038】酸素ガス濃度が50%の時は、ランダム配
向であり、Bi/Ti組成比の増加とともに、c軸配向
成分のうちの(008)配向成分と(117)配向成分
とのXRDピーク強度比をほぼ1:4の比率に保持した
まま、c軸配向成分ならびに(117)配向成分のいず
れのXRDピーク強度も、酸素ガス濃度が33%の場合
と同様に増加する。Bi/Ti組成比が1.5付近にな
ると、c軸配向成分のうちの(008)配向成分と(1
17)配向成分とのXRDピーク強度比はほぼ1:4の
比率に保持したままで、飽和する傾向を示した。
【0039】酸素ガス濃度が80%の場合、すなわちほ
ぼ(117)単一配向の場合も、Bi/Ti組成比の増
加とともにXRDパターンにおいて(117)ピーク強
度が増加し、Bi/Ti組成比が1.5付近で(11
7)ピーク強度が飽和傾向を示した。なお、図4に示さ
れるように、配向方向に拘らず、Bi/Ti≒0.4
(Bi流量:50sccm)で形成したBi4Ti312
薄膜は、全て常誘電体パイロクロア(Bi2Ti27
相を示した。
【0040】次に、酸素濃度別に、Bi/Ti組成比
(Bi原料を含んだArキャリアガス流量)とXRDピ
ーク強度の関係を図5(a)〜図5(c)に示す。図5
(a)〜図5(c)から、酸素濃度がBi4Ti312
膜の配向方位を決めており、その時の配向性の強さは、
Bi/Ti組成比よって決まることが分った。即ち、酸
素濃度によってBi4Ti312強誘電体薄膜の成長しや
すい面方向が定まり、その面方向に並んだBi4Ti3
12結晶の量はBi/Ti組成比によって決まることが分
った。
【0041】実施の形態2 実施の形態1で形成したBi4Ti312強誘電体薄膜上
に、蒸着により直径100μmφ、厚さ100nmのP
t上部電極8を形成することにより、図6に示した強誘
電体キャパシタを作製し、そのヒステリシス特性を評価
した。なお、この評価においては、配向方位にかかわら
ず、Bi原料を含むArキャリアガス流量が50scc
m(Bi/Ti≒0.4)で形成した薄膜は、図4に示
すように常誘電体パイロクロア(Bi2Ti27)相で
あったため、ヒステリシス特性評価からは予め除外し
た。また、配向方位にかかわらず、Bi原料を含むAr
キャリアガス流量が350sccm(Bi/Ti≒1.
5)で形成した薄膜は、図4に示すようにBi4Ti3
12強誘電体単一相であるものの、リーク電流密度が大き
く、ヒステリシス特性を観察することができなかった。
【0042】酸素濃度別に、最大印加電圧5Vの交番電
圧を印加した時のヒステリシス特性を、図7(a)〜図
7(c)に示す。図7(a)〜図7(c)で、(00
1)BIT、(001)+(117)BIT、(11
7)BITは、それぞれ、酸素濃度33%、50%、8
0%で作製した試料を表しており、これ以降の図におい
ても同様である。図7(a)〜図7(c)から明らかな
ように、Bi原料を含むArキャリアガス流量が10
0、150、200、250および300sccm
(0.65<Bi/Ti<1.45)で形成したBi4
Ti312強誘電体薄膜においては、全てヒステリシス
特性を得ることができた。
【0043】また、Bi/Ti組成比をパラメーターと
して、酸素濃度別に、最大印加電圧1、2、3、4およ
び5Vの交番電圧を印加した時の残留分極Prおよび抗
電界Ecの値をプロットした飽和特性を図8(a)〜図
8(c)及び図9(a)〜図9(c)にそれぞれ示す。
図8(a)〜図8(c)及び図9(a)〜図9(c)か
ら明らかなように、それぞれ良好な飽和特性を示してお
り、特に、酸素濃度33%((001)BIT)で作製
したc軸配向Bi4Ti312薄膜は、最大印加電圧2V
の交番電圧印加においても、残留分極Prおよび抗電界
Ecのいずれもが飽和している。
【0044】また、酸素濃度(配向方位)をパラメータ
ーとして、最大印加電圧5Vの交番電圧を印加した時の
残留自発分極Prおよび抗電界EcとBi/Ti組成比
の関係を図10(a)及び図10(b)に示す。特に、
これらの中から化学量論組成(Bi/Ti=1.33)
のBi4Ti3 12薄膜に対し、酸素濃度(配向方位)別
に、最大印加電圧1、2、3、4および5Vの交番電圧
を印加した時のヒステリシス特性を重ね合わせて示した
のが図11(a)〜図11(c)である。また、図12
は、最大印加電圧5Vの交番電圧を印加した時の3つの
酸素濃度(配向方位)におけるヒステリシス特性を重ね
合わせたものである。
【0045】図7(a)〜図7(c)、図8(a)〜図
8(c)、図9(a)〜図9(c)、特に図10(a)
及び図10(c)から、酸素濃度が一定であればBi/
Ti組成比の大きさによらず抗電界Ecは殆ど一定で、
残留自発分極Prのみが変化し、この変化の仕方は、図
5のXRDピーク強度の変化同様、Bi/Ti<1.3
3ではBi/Ti組成比の変化に比例して増大し、Bi
/Ti≧1.33では、飽和する傾向を見せた。即ち、
抗電界が同じでありながら、残留分極値を任意に、しか
も十分飽和した状態で得ることができた。
【0046】また、図11(a)〜図11(c)および
図12に示したように、酸素濃度を変えることで、同じ
化学量論組成であっても、Bi4Ti312薄膜の配向方
位に応じた強誘電特性を引き出すことができる。このこ
とは、図13に示した断面SEM像から分かるように、B
4Ti312薄膜において、柱状構造(ピラーシェイプ
トストラクチャー)((001)配向、O2:33%)
が確認できたことで説明できる。なお、この実施の形態
においてはPt電極上に、TiO2層等のバッファ層を
積層することなく強誘電体薄膜を直接形成したため、P
t電極上のBIT層の発生密度が低いことを利用するこ
とができ、これによって、表面積を制御し、柱状構造が
得られた。
【0047】図14(a)に示したように、強誘電体薄
膜のBi/Ti組成が化学量論組成からずれ、アモルフ
ァス層12とBIT層13とが直列構造となった場合、
印加電圧はアモルファス層に印加され、図14(b)に
示したように、ほとんどヒステリシスは開かないと考え
られる。ところが、図13及び図15に示したように、
Bi4Ti312薄膜11がアモルファス層12中に柱状
構造のBIT層13を有することにより、比誘電率が大
きな、BIT層12に印加電圧が印加されることとな
り、図7に示したように、良好なヒステリシス形状を得
ることができた。また、アモルファス層11中のBIT
層12の占める割合が変化するにつれて、図16に示し
たように、比誘電率にも変化が見られた。すなわち酸素
濃度が配向性(BIT層の柱の向き)を決めて、Bi/
Ti組成比がBIT層の面積を決めていることが分か
る。
【0048】本発明においては、残留自発分極Prと抗
電界Ecとの値は、酸素濃度33、50および80%に
応じて、それぞれ、Pr≒1〜3μC/cm2とEc≒
40kV/cm、Pr≒2〜12μC/cm2とEc≒
100kV/cmおよびPr≒7〜30μC/cm2
Ec≒85kV/cmという値をそれぞれ得ることがで
きた。
【0049】本来、Pt上にはBITは核発生密度が低
く、巨大粒子として成長しやすいことが知られている。
本発明は、Pt上のBITの核発生密度が低いことを利
用して、その核を膜厚方向に成長させると同時に、Bi
/Ti組成を変化させることで、BIT柱の太さを制御
することにより、一定面積におけるBIT柱が占める面
積の割合を制御することができ、結果として、BIT層
において、所望の柱状構造を得ることができた。これに
より、これまでに実現することができなかった低い比誘
電率を実現することができた。また、BITは、その成
長速度の異方性より、Pt上ではc軸配向しやすいこと
が知られている。一方、BIT格子中の酸素八面体はP
t(111)とマッチングが良好であり、このことはB
IT層が(117)配向しやすい特性を有していること
を意味する。そこで、酸素濃度が高いと(117)配向
し、酸素濃度が低くなるとc軸配向すると考えられる。
【0050】このことは、成膜時の酸素濃度33、50
および80%に対応して得られるものではなく、例え
ば、酸素濃度40%あるいは65%などでも有効であ
る。即ち、酸素濃度33%でc軸単一配向Bi4Ti3
12薄膜となり、酸素濃度が33%よりも高くなると、c
軸成分が徐々に減少し、それと同時に(117)配向成
分が徐々に増加し、酸素濃度80%で(117)単一配
向Bi4Ti312薄膜となることを意味している。
【0051】さらに、Bi4Ti312薄膜の疲労特性を
最大印加電圧3Vの交番電圧で評価した。その結果を図
17(a)〜図17(c)に示す。それぞれ5×1010
回(化学量論組成薄膜に関しては1×1011回)の繰り
返しをしたところ、スイッチング電荷量の減少率は大き
くても10%未満、ほとんどが5%未満と、非常に良好
な結果が得られた。このことは、それぞれの薄膜におい
て、印加電圧3Vでほぼ強誘電特性が飽和を示している
ためであると思われる。
【0052】
【発明の効果】本発明の酸化物強誘電体薄膜の製造方法
によれば、MOCVD法により基板上に酸化物強誘電体薄膜
を製造するに際して、総ガス流量に占める酸素ガス流量
の流量比を制御して配向方位を制御するとともに、酸素
ガス以外の構成成分の原料ガスの少なくとも1つの供給
量を制御して酸素以外の構成成分の組成比を制御するこ
とにより、結晶性を含めた配向性(方向、大きさ)を完
全に制御して、結晶核発生密度を制御し、任意の残留自
発分極Pr、任意の抗電界Ec及び/又は比誘電率εr
の値をもつ酸化物強誘電体薄膜を製造することが可能に
なる。また、これらの制御条件を明確にすることによ
り、酸化物強誘電体薄膜に発生するリーク電流や分極反
転耐性の劣化を抑制することができるとともに、酸化物
強誘電体薄膜に印加される電圧をも制御することができ
る。したがって、本発明を用いれば、残留自発分極P
r、抗電界Ec、比誘電率εrを任意に制御することに
より、強誘電体応用デバイス実現に際し、デバイスに必
要とされる設計値を満足させる強誘電特性を有した強誘
電体薄膜を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物強誘電体薄膜であるBi4Ti3
12薄膜を形成した基板の構造を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態1で形成したBi4Ti3
12薄膜の酸素濃度別のBi流量とBi/Ti組成比との
関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1で酸素濃度およびBi/
Ti組成比を変化させた時のBi4Ti312薄膜のXR
Dパターンを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1で酸素濃度およびBi/
Ti組成比を変化させた時のBi4Ti312薄膜のXR
Dパターンを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1で形成したBi4Ti3
12薄膜のXRDピーク強度の相関図である。
【図6】本発明の実施の形態2で形成したBi4Ti3
12強誘電体薄膜キャパシタを示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2で形成したBi4Ti3
12強誘電体薄膜キャパシタにおける最大印加電圧5Vの
交番電圧を印加した時のヒステリシス特性図である。
【図8】本発明の実施の形態2で形成したBi4Ti3
12強誘電体薄膜キャパシタにおける残留自発分極Prの
飽和特性図を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2で形成したBi4Ti3
12強誘電体薄膜キャパシタにおける抗電界Ecの飽和特
性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2で形成したBi4Ti3
12強誘電体薄膜キャパシタにおける最大印加電圧5V
の交番電圧を印加した時の(a)Bi/Ti組成比と残
留自発分極Prとの関係図、(b)Bi/Ti組成比と
抗電界Ecとの関係図である。
【図11】本発明の実施の形態2で形成した化学量論組
成(Bi/Ti=1.33)のBi4Ti312強誘電体
薄膜キャパシタにおけるヒステリシス特性を示す図であ
る。
【図12】本発明の実施の形態2で形成した化学量論組
成のBi4Ti312強誘電体薄膜キャパシタにおける最
大印加電圧5Vの交番電圧を印加した時のヒステリシス
特性を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態2で形成した化学量論組
成のBi4Ti312強誘電体薄膜のSEM像である。
【図14】Bi4Ti312強誘電体薄膜がアモルファス
層とBIT層との直列構造となった状態を説明するため
の概略断面図及びヒステリシス特性を示す図である。
【図15】本発明のBi4Ti312強誘電体薄膜の柱状
構造を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態2で形成したBi4Ti3
12強誘電体薄膜の比誘電率を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態2で作製したBi4Ti3
12強誘電体薄膜キャパシタの疲労特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコン単結晶基板 2 酸化シリコン層 3 タンタル層 4 Pt下部電極 5 Bi4Ti312強誘電体初期核層 6 Bi4Ti312強誘電体成長層 7 Pt上部電極 11 Bi4Ti312薄膜 12 アモルファス層 13 柱状構造のBIT層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/00 H01B 3/00 D H01G 4/33 H01G 4/12 358 4/12 358 H01L 49/02 H01L 27/108 C23C 16/40 21/8242 H01L 37/02 21/8247 H01G 4/06 102 29/788 H01L 27/10 651 29/792 29/78 371 41/09 41/08 C 41/18 41/18 101Z 49/02 // C23C 16/40 H01L 37/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極が形成された基板上にBi、Ti及びO
    からなる酸化物強誘電体薄膜をMOCVD法により製造する
    に際して、酸化物強誘電体薄膜を形成しうる原料ガスの
    総ガス供給量に占める酸素ガスの供給量を、所定の配向
    性及び/又は抗電界を有する酸化物強誘電体薄膜を形成
    するために必要な値に制御するとともに、前記酸化物強
    誘電体薄膜を構成する酸素以外の構成元素の組成比を前
    記酸化物強誘電体薄膜が所定の残留分極及び/又は比誘
    電率を得るために必要な値になるように前記酸化物強誘
    電体薄膜を構成する酸素以外の構成元素を含む原料ガス
    の少なくとも1つの供給量を制御して、基板上に原料ガ
    スを供給することからなる酸化物強誘電体薄膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 電極が形成された基板上にBi、Ti及びO
    からなる酸化物強誘電体薄膜をMOCVD法により製造する
    に際して、前記酸化物強誘電体薄膜を構成する酸素以外
    の構成元素を含む原料ガスの少なくとも1つの供給量を
    変化させてBi/Ti組成比を制御して、酸化物強誘電体薄
    膜の結晶核発生密度を制御することからなる酸化物強誘
    電体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に形成された下部電極直上に形成
    されてなる酸化物強誘電体薄膜が、柱状構造である酸化
    物強誘電体薄膜。
  4. 【請求項4】 基板上に形成された下部電極直上に形成
    されてなる酸化物強誘電体薄膜の配向性が、c軸優先配
    向、c軸配向と(117)配向とが主として優先するラ
    ンダム配向又は(117)優先配向のいずれか1つであ
    り、Bi/Ti組成比が0.4〜1.5である酸化物強誘電
    体薄膜。
  5. 【請求項5】 電極が形成された基板の直上に、請求項
    1又は2の方法によって形成された酸化物強誘電体薄膜
    を有し、該酸化物強誘電体薄膜上に上部電極を備えてな
    る酸化物強誘電体薄膜素子。
  6. 【請求項6】 電極が形成された基板の直上に、請求項
    3又は4の酸化物強誘電体薄膜を有し、さらに、該酸化
    物強誘電体薄膜上に上部電極を備えてなる酸化物強誘電
    体薄膜素子。
  7. 【請求項7】 酸化物強誘電体薄膜が、電極及び上部電
    極と、直列に接続されてなる請求項6に記載の酸化物強
    誘電体薄膜素子。
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