JP3363301B2 - 強誘電体薄膜被覆基板及びその製造方法及び強誘電体薄膜被覆基板によって構成された不揮発性メモリ - Google Patents

強誘電体薄膜被覆基板及びその製造方法及び強誘電体薄膜被覆基板によって構成された不揮発性メモリ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体メモリ素
子、焦電センサ素子、圧電素子等に用いられる強誘電体
薄膜被覆基板及びその製造方法及び強誘電体薄膜被覆基
板によって構成された不揮発性メモリに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】強誘電体は、自発分極、高誘電率、電気
光学効果、圧電効果及び焦電効果等の多くの機能をもつ
ことから、コンデンサ、発振器、光変調器あるいは赤外
線センサ等の広範なデバイス開発に応用されている。従
来、これらの応用は、強誘電体材料である硫酸グリシン
(TGS)、LiNbO3 、LiTaO3 等の単結晶や
BaTiO3 、PbTiO3 、Pb(Zr1-X TiX
3 (PZT)、PLZT等の焼結体セラミックスを切
断、研磨により50μm程度の厚さまで加工して用いて
いた。しかし、大型の単結晶は作製が困難で高価であ
り、また劈開性のために加工が困難である。また、セラ
ミックスは、一般に脆く、加工工程でのひび割れ等によ
り50μm以下の厚さまで加工することは困難であるた
め、多くの手間を要し、生産コストも高くなる。
【0003】一方、薄膜形成技術の進展に伴って、現在
これらの強誘電体薄膜の応用分野が広がっている。その
一つとして、高誘電率特性をDRAM等の各種半導体素
子のキャパシタに適用することにより、キャパシタ面積
の縮小化による素子高集積化や、信頼性の向上が図られ
ている。また、特に最近では、DRAM等の半導体メモ
リ素子との組み合わせにより、高密度でかつ高速に動作
する強誘電体不揮発性メモリ(FRAM)の開発が盛ん
に行われている。強誘電体不揮発性メモリは、強誘電体
の強誘電特性(ヒステリシス効果)を利用してバックア
ップ電源不要とするものである。このようなデバイス開
発には、残留自発分極(Pr)が大きくかつ抗電場(E
c)が小さく、低リーク電流であり、分極反転の繰り返
し耐性が大きい等の特性をもつ材料が必要である。さら
には、動作電圧の低減と半導体微細加工プロセスに適合
するために、薄膜200nm以下の薄膜で上記の特性を
実現することが望まれる。
【0004】現在、FRAM等への応用を目的として、
PbTiO3 、PZT、PLZT等の酸化物強誘電体の
薄膜化が、スパッタリング法、蒸着法、ゾル−ゲル法、
MOCVD法等の薄膜形成方法により試みられている。
【0005】上述の強誘電体材料のうち、Pb(Zr
1-X TiX )O3 (PZT)は、最近最も集中的に研究
されているものであり、スパッタリング法やゾル−ゲル
法により強誘電特性の良好な薄膜が得られており、例え
ば、残留自発分極Prが10μC/cm2 から26μC
/cm2 と大きな値をもつものも得られている。しかし
ながら、PZTの強誘電特性は、組成xに大きく依存す
るにも拘わらず、蒸気圧の高いPbを含むため、成膜時
や熱処理時等での膜組成変化が起こり易いことや、ピン
ホールの発生、下地電極PtとPbの反応による低誘電
率層の発生等の結果、薄膜の低減(薄膜化)に伴い、リ
ーク電流や分極反転耐性の劣化が起こるという問題点が
ある。この為、強誘電特性、分極反転耐性に優れた他の
材料の開発が望まれている。
【0006】強誘電特性が良好であり、また、分極反転
耐性に優れている材料としてY1という材料が注目を浴
びている。Y1とは、化学式SrBi2 Ta29 で示
されるBi系の層状酸化物材料であり、MOD法によっ
て製造される。ここで、MOD法とは、以下の工程を含
む成膜方法である。すなわち、ゾル−ゲル法と同様に有
機金属原料を所定の膜組成になるように混合し、濃度及
び粘度を調製した塗布用の原料溶液を作製する。これを
基盤上にスピンコートし乾燥し、さらに有機成分の除去
のために仮焼結を行う。これを所定の膜厚になるまで繰
り返し、最後に本焼結による結晶化を行う。したがっ
て、膜厚の制御は、1回の塗布膜の厚さに制限される。
(1994年秋期応用物理学会予稿集20p−M−19
参照)強誘電体材料としてのY1の最も大きい問題は、
焼結温度が750℃から800℃と極めて高く、更に1
時間以上という長い焼結時間が必要なことである。それ
は、このように製造工程において、650℃以上の温度
で長時間の成膜や熱処理等の工程が行われると、下地の
白金電極と強誘電体間の相互拡散反応や更には下地電極
の下のシリコンや酸化シリコンと電極や強誘電体との反
応が起こり、また強誘電体薄膜からの構成元素の揮発に
よる膜組成の変化が発生し、実際のデバイス作製プロセ
スへの適用は困難となるからである。また、現在のとこ
ろ、表面モフォロジーが0.3μm程度の粒子径の大き
い膜しか得られていないことから、高集積デバイスの開
発に必要なサブミクロンの微細加工に適用できない。さ
らに、塗布成膜であるため、段差部特性劣化、配線断線
等の問題がある。したがって、Y1は強誘電特性及び分
極反転耐性には優れているものの、強誘電体薄膜材料と
しては、なお大きな問題をもっている。
【0007】また、現在、強誘電体不揮発メモリの高集
積化を実現するために、MOSトランジスタと強誘電体
キャパシタとの間の配線に多結晶シリコンを用いること
が検討されているが、上記Y1のような長時間の高温プ
ロセスで強誘電体薄膜を作製するものでは、配線用の多
結晶シリコンと強誘電体薄膜の間での相互拡散による特
性劣化が起こるという問題がある。このような問題を解
消するために各種の拡散バリア層を挿入した構造が検討
されているが、それでも、強誘電体薄膜の成膜温度は6
50℃までが許容範囲であり、他の熱処理工程において
も短時間であれば700℃程度が限界と考えられる。し
かしながら、現状では、上記のY1や他の強誘電体薄膜
では、一般的に成膜温度が高いほど、結晶性と共に強誘
電特性も向上するので、成膜温度を下げると、結晶性や
強誘電特性が劣化してしまい、強誘電体薄膜における強
誘電特性の向上と低温成膜を両立させることは困難であ
る。
【0008】他方、リーク電流や分極反転耐性に悪影響
を及ぼすPbを含まない酸化物強誘電体として、次のよ
うな一般式で表される層状結晶構造を有する一群のビス
マス系酸化物強誘電体がある。
【0009】 Bi2m-1m3m+3 ここで、AはNa1+、K1+、Pb2+、Ca2+、Sr2+
Ba2+、Bi3+等から選択され、BはFe3+、Ti4+
Nb5+、Ta5+、W6+、Mo6+から選択されるものであ
り、mは1以上の自然数である。その結晶構造の基本
は、(m−1)個のABO3 から成るペロブスカイト格
子が連なった層状ペロブスカイト層の上下を(Bi2
22+層が挟み込んだ構造をなす。これらの材料の中で
も、AがSr、Ba、Biで、BがTi、Ta、Nbの
組み合わせに強誘電性を示すものが多い。上記Y1は、
このビスマス系酸化物強誘電体の一種である。
【0010】上記の化学式で示される強誘電体の中で
も、Bi4 Ti3 O12(チタン酸ビスマス)は、異方性
の強い層状ペロブスカイト構造(斜方晶系/格子定数:
a=5.411オングストローム、b=5.448オン
グストローム、c=32.83オングストローム)をも
つ強誘電体であり、その単結晶の強誘電性はa軸方向に
Pr=50μC/cm2 、Ec=50kV/cmと、上
記のビスマス系酸化物強誘電体の中でも最も大きい自発
分極をもち、優れた特性を示すものである。したがっ
て、このBi4 Ti312のもつ大きな自発分極を強誘
電体不揮発性メモリ等に応用するためには、基板に垂直
方向に結晶のa軸成分を多くもつようにすることが望ま
しい。
【0011】Bi4 Ti312の薄膜化は、これまでに
も、MOCVD法やゾル−ゲル法により試みられている
が、それらのほとんどが、a軸配向膜よりも自発分極が
小さいc軸配向膜である。また、従来のゾル−ゲル法で
は、良好な強誘電特性を得るために650℃以上の熱処
理が必要であり、更に膜表面モフォロジーは0.5μm
程度の結晶粒からなるので、微細加工を必要とする高集
積デバイスには適用するのは困難である。一方、MOC
VD法により、c軸配向のBi4 Ti312薄膜が基板
温度600℃以上で、Pt/SiO2 /Si基板やPt
基板上に作製されているが、これらの基板は、そのまま
実際のデバイス構造に適用できるものではない。すなわ
ち、Pt/Ti/SiO2 /Si基板のように、Pt電
極層とその下のSiO2 との接着強度を確保するための
Ti膜等の接着層が必要である。ところが、このような
接着層を設けたPt電極基板上に、Bi4 Ti312
膜をMOCVD法により作製した場合、その膜表面モフ
ォロジーは、粗大結晶粒からなると共に、パイロクロア
相(Bi2 Ti27 )が発生し易くなることが報告さ
れている(Jpn.J.Appl.Phys.,32,
1993,pp.4086、及びJ.Ceramic
Soc.Japan,102,1994,pp.512
参照)。膜表面モフォロジーが粗大結晶粒からなると、
微細加工を必要とする高集積デバイスには適用できない
ばかりか、薄い膜厚ではピンホールの原因となり、リー
ク電流の発生をもたらすことになり、また、パイロクロ
ア相は強誘電性を示さないので、パイロクロア相の混入
により薄膜全体の強誘電特性が劣化してしまう。したが
って、このような従来技術では、200nm以下の薄い
膜厚で良好な強誘電特性を有する強誘電体薄膜を実現す
ることは困難な状況である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記従
来技術では、強誘電体薄膜を高集積デバイスに適用する
のに、微細加工や低リーク電流のために必要な薄膜表面
の緻密性や平坦性、大きな残留自発分極、低温成膜プロ
セス等の様々な条件を十分に満たすものが得られていな
いという課題を有している。
【0013】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、強誘電体薄膜の表面が緻密
で平坦であり、かつ大きな残留自発分極を示す強誘電体
薄膜を低温プロセスで作製可能な強誘電薄膜被覆基板及
びその製造方法及び強誘電体薄膜被覆基板によって構成
された不揮発性メモリ及び強誘電体薄膜被覆基板によっ
て構成された不揮発性メモリを提供することを目的とし
ている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、強誘電体薄膜被覆基板を、基板上に、
酸化チタンから成るバッファ層と、Bi Ti 12
から成る強誘電体薄膜を成長させるための成長層と、層
状結晶構造を有するBi Ti 12 から成る強誘電
体薄膜とが順次形成された構成としている。
【0015】また、本発明では、基板上にバッファ層と
強誘電体薄膜とをMOCVD法により形成する強誘電体
薄膜被覆基板の製造方法において、基板上にバッファ層
として酸化チタンを成膜した後、そのバッファ層上に強
誘電体薄膜を成長させるための成長層としてBi Ti
12 薄膜を400℃から650℃の成膜温度で成膜
し、その成長層上に該強誘電体薄膜としてBi Ti
12 薄膜を300℃から400℃の成膜温度で成膜
るようにしている。
【0016】そして、本発明では、上記の強誘電体薄膜
被覆基板の製造方法において、成長層であるBi4 Ti
312薄膜の成膜温度を400℃から470℃としてい
る。
【0017】また、本発明では、基板上にバッファ層と
強誘電体薄膜とをMOCVD法により形成する強誘電体
薄膜被覆基板の製造方法において、基板上にバッファ層
として酸化チタン薄膜を成膜した後、そのバッファ層上
に強誘電体薄膜を成長させるための成長層としてBi
Ti 12 薄膜を400℃から650℃の成膜温度で
成膜し、その強誘電体薄膜成長層上に強誘電体薄膜とし
てBi Ti 12 薄膜を300℃から400℃の成
膜温度で成膜し、500℃から700℃の熱処理を施す
ようにしている。
【0018】そして、本発明では、上記の強誘電体薄膜
被覆基板の製造方法において、成長層であるBi4 Ti
312薄膜の成膜温度を400℃から470℃としてい
る。
【0019】また、本発明では、キャパシタ構造の不揮
発性メモリを上記の強誘電体薄膜被覆基板によって構成
している。
【0020】さらに、本発明では、MFMIS−FET
構造の不揮発性メモリを上記の強誘電体薄膜被覆基板に
よって構成している。
【0021】
【作用】 詳細は実施の形態にて後述するが、このような
本発明の作用について、強誘電体材料としてBiTi
12から強誘電体薄膜を構成し、また、成長層とし
てBiTi12薄膜を、バッファ層として酸化チ
タン薄膜をそれぞれ用いて検討を行った。その結果、第
1に、強誘電体薄膜がランダム配向膜になっていること
がわかった。このランダム配向膜によれば、従来報告さ
れているBiTi12強誘電体薄膜のc軸配向膜
とは異なり、大きな自発分極を示すBiTi12
のa軸配向成分を利用することができるので、強誘電体
薄膜の残留自発分極大きく向上させることができるの
である。
【0022】また、第2に、本発明によれば、Bi4
312強誘電体薄膜は、その膜表面において、従来の
Bi4 Ti312強誘電体薄膜のようなc面板状粗大結
晶粒が見受けられず、非常に微細な結晶粒が観察され、
非常に緻密で表面平滑な膜表面モフォロジーが得られる
ことがわかった。したがって、本発明による強誘電体薄
膜では、従来の強誘電体薄膜のように粗大結晶粒から成
ることに起因するピンホールによってリーク電流を発生
することがないので、非常に優れた低いリーク電流特性
を湿し、さらに、疲労耐性も大きく向上させることがで
きるのである。また、このように優れた膜表面モフォロ
ジーを示すので、微細加工が可能であり、高集積デバイ
スに応用することができる。
【0023】このように本発明により、非常に良好なビ
スマス系酸化物強誘電体薄膜が得られるのは、バッファ
層と成長層によるものである。それは、酸化チタンバッ
ファ層上に形成した成長層(Bi4 Ti312薄膜)の
膜表面及び結晶性の観察によれば、強誘電体薄膜の表面
モフォロジー及び結晶性が成長層のそれらを継承するよ
うにほぼ同等のものになるからと考えられる。
【0024】一方、本発明の強誘電体薄膜被覆基板の製
造方法では、上記のような強誘電体薄膜被覆基板をMO
CVD法を用いて製造するのに、特に、強誘電体薄膜を
成長させるための成長層上に強誘電体薄膜を形成すると
きに、強誘電体薄膜成長層の成膜温度よりも低い成膜温
度で強誘電体薄膜を成膜することにより、上記本発明の
誘電体薄膜被覆基板を実現している。
【0025】詳細は実施の形態にて後述するが、この本
発明の強誘電体薄膜被覆基板の製造方法について、上記
の強誘電体材料の代表的なものであるBi4 Ti312
を強誘電体薄膜の材料としてもちいて、また、成長層と
してBi4 Ti312薄膜を、バッファ層して酸化チタ
ン薄膜をそれぞれ形成して検討を行った。
【0026】その結果、成長層(Bi4 Ti312
膜)を400℃から650℃の成膜温度で成膜し、その
成膜温度より低い300℃から400℃の成膜温度で、
Bi4Ti312強誘電体薄膜を成膜することにより、
ランダム配向膜であるBi4 Ti312強誘電体薄膜を
形成できることがわかった。さらに、成長層(Bi4
312薄膜)の成膜温度を、400℃から650℃の
範囲で温度を制御することにより、Bi4 Ti312
誘電体薄膜の結晶性(配向性)を制御することができる
ことがわかった。これは、ランダム配向膜であるBi4
Ti312強誘電体薄膜の配向成分において、ランダム
配向成分とc軸配向成分とのいずれかを強めることによ
り、強誘電体薄膜の残留自発分極を大きくしたり、抗電
場を小さくしたりできるものである。したがって、実際
の応用するデバイスに応じて、強誘電体薄膜の適切な特
性を自由に選択することができ、デバイス設計の自由度
を大きく向上できるものである。
【0027】さらに、本発明の製造方法では、Bi4
312強誘電体薄膜の成膜において、300℃から4
00℃という従来よりも極めて低い温度で成膜できるの
で、結晶粒子の成長を抑制することができ、非常に緻密
で表面平滑な薄膜を実現できるものである。また、上記
の成膜プロセスが、650℃以下という低温プロセス可
能であるので、高集積デバイスに応用するのに、非常に
有効なものである。
【0028】また、上記の成長層(Bi4 Ti312
膜)の成膜温度を、400℃から470℃の範囲とする
ことにより、Bi4 Ti312強誘電体薄膜のランダム
配向成分を強めることができ、Bi4 Ti312のa軸
配向成分を有効に利用して、強誘電体薄膜の残留自発分
極を、従来のものと比較して非常に大きくできる。
【0029】さらに、上記のような成膜工程の後、熱処
理工程を施すことにより、更に強誘電体薄膜の結晶性を
向上させることができ、残留自発分極を大きくでき、リ
ーク電流特性を顕著に改善することができる。Bi4
312強誘電体薄膜の場合には、この熱処理温度が、
500℃から700℃の範囲で有効であり、700℃程
度の温度でも、短時間の処理で効果が得られるので、高
集積デバイスに応用した場合でも、悪影響を及ぼすこと
はない。
【0030】本発明のキャパシタ構造の不揮発性メモリ
では、上記の強誘電体薄膜被覆基板によって構成したの
で、不揮発性メモリとして十分な特性が得られる。
【0031】本発明のMFMIS−FET構造の不揮発
性メモリでは、上記の強誘電体薄膜被覆基板によって構
成したので、不揮発性メモリとして十分な特性が得られ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0033】図1は、本発明の第1の実施形態である強
誘電体薄膜被覆基板の構造を示す図である。図1に示す
ように、この強誘電体薄膜被覆基板は、シリコン(S
i)基板1上に、酸化シリコン(SiO2 )層2、接着
層3、下部電極層4、バッファ層5、強誘電体薄膜を成
長させるための成長層6、強誘電体薄膜7、上部電極層
8が、それぞれ順次形成されているものである。
【0034】第1の実施形態では、シリコン基板1とし
てはシリコン単結晶ウエハを用い、SiO2 層2として
はシリコン単結晶ウエハ表面を熱酸化して得られる酸化
シリコン薄膜を用いていた。また、接着層3としてはタ
ンタル(Ta)薄膜を、下部電極層としては白金(P
t)薄膜を、バッファ層5としては酸化チタン薄膜を、
成長層6としてはBi4 Ti312薄膜を、強誘電体薄
膜7としてはBi4 Ti312薄膜を、上部電極層8と
しては白金(Pt)薄膜をそれぞれ用いた。
【0035】次に、図1に示した第1の実施形態の強誘
電体薄膜被覆基板の製造方法について説明する。
【0036】まず、Pt/Ta/SiO2 /Si基板の
作製について説明する。シリコン基板1であるシリコン
単結晶ウエハ(100)面の表面を熱酸化することによ
り、膜厚200nmのSiO2 層2を形成する。そし
て、接着層3であるTa薄膜を膜厚30nmで、そし
て、下部電極層4であるPt薄膜を膜厚200nmで、
それぞれスパッタ法により形成した。
【0037】なお、ここで、これらの材料や膜厚は、本
実施形態に限定されるものではなく、シリコン単結晶基
板の代わりに多結晶シリコン基板やGaAs基板等を用
いても良い。また、接着層は、成膜中に基板と下部電極
層との熱膨張率が異なることに起因する膜の剥離を防止
するものであり、膜厚は膜の剥離を防止できる程度であ
れば良く、材料についてもTa以外にチタン(Ti)等
を用いることができるが、本実施形態の場合、TiとP
tとの合金が形成されるのでTaを用いるのが好まし
い。また、絶縁層に用いたSiO2 層は、熱酸化により
作製されたものでなくても良く、スパッタ法や真空蒸着
法等により形成されたSiO2 膜や窒化シリコン膜等を
用いることができ、材料も膜厚も充分に絶縁性を有する
ものであれば良い。
【0038】また、下部電極層についても、膜厚は充分
に電極層として機能できる程度あれば良く、材料はPt
に限定されるものでなく、通常の電極材料に用いられる
金属材料で良いが、他の薄膜との関連で適宜選択でき得
るものである。また、成膜方法も、ここまでは、シリコ
ン熱酸化やスパッタ法に限定されるものでなく、真空蒸
着法等の通常の薄膜形成技術を用いて行っても良い。ま
た、基板構造も上記のものに限定されるものではない。
【0039】次いで、このようにして作製したPt/T
a/SiO2 /Si基板の上に、バッファ層である酸化
チタン薄膜と成長層であるBi4 Ti312薄膜とMO
CVD法により形成して、成長層の成膜温度条件を変化
させたときの表面モフォロジーと配向性の観察を行っ
た。
【0040】バッファ層である酸化チタン薄膜の成膜
は、チタン原料としてチタンイソプロポキサイド(Ti
(i−OC374 )を用いて、これを50℃に加熱
気化して、キャリアガスであるアルゴン(Ar)ガスと
共に成膜室内に供給した。ここで、Arガス供給時の流
量は100sccmとした。そして、成膜室内には、上
述のように作製したPt/Ta/SiO2 /Si基板を
一定の温度に加熱保持して、この基板上に膜厚が5nm
の酸化チタン薄膜を形成した。このときの酸化チタン薄
膜の成膜工程に要した時間は、30秒程度であった。
【0041】その後、この酸化チタン薄膜上に、連続し
て同じ基板温度で、成長層であるBi4 Ti312薄膜
を膜厚45nmで形成した。このときのMOCVD法に
よる成膜における原料の供給条件を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】Bi4 Ti312薄膜の成膜は、表1に示
すようにビスマス原料としてトリオルトトリルビリルビ
スマス(Bi(o−OC773 )を、チタン原料と
してチタンイソプロポキサイド(Ti(i−OC3
74 )をそれぞれ用いて、これらの原料を表1に示す
原料温度にそれぞれ加熱気化して(ビスマス原料160
℃、チタン原料50℃)、キャリアガスであるアルゴン
(Ar)ガスと反応ガスである酵素(O2 )ガスと共に
成膜室内に供給した。ここで、Arガス供給時の流量は
Bi原料に対して200sccm、Ti原料に対して1
00sccmとし、O2 ガス供給時の流量は1000s
ccmとした。なお、これらの成膜工程において、成膜
室内の真空度は、10Torr以上であると気相反応が
起こりやすくなるので、5Torrとした。
【0044】ここで、成膜温度即ち基板温度を450℃
にしたものと500℃にしたものと、酸化チタンバッフ
ァ層及びBi4 Ti312薄膜(成長層)の合計膜厚が
いずれも50nmの2種類の試料を作製した。なお、こ
こでのBi4 Ti312薄膜(成長層)の膜厚を45n
mとしたが、これはあくまでも表面モフォロジーと結晶
性の観察を行うために、厚くしたものである。
【0045】また、比較のため、酸化チタンバッファ層
を形成しないで、Pt/Ta/SiO2 /Si基板上に
直接Bi4 Ti312薄膜を膜厚150nmで形成した
比較試料も作製した。この比較試料の成膜条件は、酸化
チタンバッファ層を形成せず、成膜温度を500℃にし
た以外は、上述の試料と全く同一なものである。
【0046】このようにして作製した酸化チタンバッフ
ァ層を有する2種類の試料と比較試料とについて、SE
M(走査型電子顕微鏡)による表面モフォロジーの観察
と、X線回折による結晶性の観察を行った。このときの
SEMによる観察結果を図2及び図3に、X線回折によ
る観察結果を図4及び図5に示す。なお、図2及び図4
において、(a)は成膜温度(基板温度)が450℃の
試料、(b)は成膜温度(基板温度)が500℃の試
料、また、図3及び図5は酸化チタンバッファ層なしの
比較試料それぞれの観察結果を示すものである。
【0047】図2のSEM写真によれば、酸化チタンバ
ッファ層を形成した試料について、(a)では結晶粒が
nmオーダ、(b)では結晶粒が10nmオーダの非常
に緻密で表面平滑な膜表面モフォロジーであることがわ
かる。これは、酸化チタンバッファ層が形成されていな
い比較試料の図3において、板状の粗大結晶粒(μmオ
ーダ)が形成された粗雑な凹凸がある表面モフォロジー
になっているのと比較すると明らかである。なお、図2
(a)において、一部円形に黒ずんだ部分があるが、こ
れはSEM観察中に電子照射のために生じる焼けであ
り、薄膜表面の欠陥等を表すものではない。
【0048】図4及び図5において、Pt(111)ピ
ーク以外の回折ピークは全てBi4Ti312薄膜によ
るものであり、また、(00n)(nは整数)はc軸配
向を示すものであり、(n00)はa軸配向を示すもの
であり、それ以外の(117)等はランダムな配向を示
すものである。したがって、図4によると、(a)で
は、(117)の大きな回折ピークや、(006)及び
(008)の小さなc軸配向成分の回折ピークや、(2
00)の小さなa軸配向成分の回折ピークがあり、ラン
ダム配向であることがわかる。一方、(b)では、
(a)と比較すると、(117)の回折ピークが小さく
なり、(006)及び(008)のc軸配向成分の回折
ピークが大きくなっており、(a)よりもc軸配向性が
強くなっていることがわかる。また、図5においては、
(00n)(nは整数)のc軸配向成分の回折ピークし
か示さず、ランダム配向成分を含まないc軸配向であ
る。
【0049】以上のように、これらSEM及びX線回折
による観察結果から、酸化チタンバッファ層を形成した
試料は、非常に緻密で表面平滑な良好な膜表面モフォロ
ジーを示し、c軸配向だけでない、ランダム配向膜とな
っていることがわかった。さらに、酸化チタンバッファ
層及びBi4 Ti312薄膜の成膜温度(基板温度)が
450℃のものは、500℃のものよりも、より緻密で
表面平滑な表面モフォロジーを示し、結晶性はランダム
配向性が強いことがわかった。
【0050】次いで、Pt/Ta/SiO2 /Si基板
上に、酸化チタンバッファ層と、成長層であるBi4
312薄膜と、強誘電体薄膜であるBi4 Ti312
薄膜とを順次形成した構造の作製について説明する。
【0051】成長層であるBi4 Ti312薄膜までの
成膜については、成長層であるBi4 Ti312薄膜の
膜厚を5nmとした以外は、上述のものと全く同様にし
て形成した。ただし、ここでもBi4 Ti312薄膜
(成長層)の成膜温度(基板温度)について、450℃
のものと500℃のものとの2種類の試料の作製を行っ
た。このときのBi4 Ti312薄膜成長層の成膜工程
に要した時間は、いずれの試料についても、30秒程度
であった。
【0052】Bi4 Ti312薄膜(成長層)までの形
成を、上述したのと同様にして行った後、一旦原料供給
を停止する。そして、基板温度を400℃にした後、再
度Bi原料、Ti原料、キャリアガス(Ar)、及び反
応ガス(O2 )を成膜室内に供給して、強誘電体薄膜で
あるBi4 Ti312薄膜の成膜を、膜厚90nmで、
MOCVD法により成膜室内の真空度を5Torrとし
て行った。なお、ここで、強誘電体薄膜であるBi4
312薄膜の成膜条件は、基板温度(成膜温度)及び
膜厚以外は、表1を用いて説明した成長層であるBi4
Ti312薄膜の成膜条件と全く同様のものである。こ
のときのBi4 Ti312強誘電体薄膜の成膜工程に要
した時間は、いずれも試料でも30分程度であり、従っ
て、バッファ層、成長層、及び強誘電体薄膜の成膜工程
に要した時間は、いずれの試料についても、全体でほぼ
30分程度ということになる。
【0053】ここで、このようにして、Pt/Ta/S
iO2 /Si基板上に、酸化チタンバッファ層及び成長
層であるBi4 Ti312薄膜を介して、形成した強誘
電体薄膜であるBi4 Ti312薄膜のSEM(走査型
電子顕微鏡)による表面モフォロジーの観察と、X線回
折による結晶性の観察を行った結果について説明する。
【0054】SEMによる観察結果を図6に、X線回折
による観察結果を図7に示す。なお、図6及び図7にお
いて、(a)は成長層の成膜温度(基板温度)が450
℃の試料、(b)は成長層の成膜温度(基板温度)が5
00℃の試料それぞれの観察結果を示すものである。
【0055】図6のSEM写真によれば、(a)では結
晶粒がnmオーダ、(b)では結晶粒が10nmオーダ
の非常に緻密で表面平滑な膜表面モフォロジーであるこ
とがわかる。これは、ここに示されなが、酸化チタンバ
ッファ層が形成されていない試料が、板状の粗大結晶粒
(μmオーダ)が形成された粗雑な凹凸がある表面モフ
ォロジーになり、これと比較して明らかなものである。
これらの膜表面モフォロジーの観察結果から、強誘電体
薄膜であるBi4 Ti312薄膜の表面モフォロジー
は、明らかに、成長層であるBi4 Ti312薄膜の表
面モフォロジーに強く影響を受けており、ほとんど同等
の膜表面モフォロジーになっていることがわかる。
【0056】また、結晶性についても、図7のX線回折
の結果から、膜表面モフォロジーと同様、強誘電体薄膜
であるBi4 Ti312薄膜の結晶性は、明らかに、成
長層であるBi4 Ti312薄膜の結晶性に強く影響を
受けており、ほとんど同等の配向性を示していることは
明らかである。
【0057】なお、本実施形態では、成長層の成膜温度
が450℃と500℃の結果のみを示したが、400℃
から650℃の範囲であれば、十分に表面平滑で緻密な
結晶性の成長層(Bi4 Ti312薄膜)が得られるこ
とが確認できた。また、650℃以上の成膜温度では、
結晶性は高いが、結晶粒の成長が著しく、表面平滑な成
長層(Bi4 Ti312薄膜)は得られなかった。
【0058】以上のように、これらSEM及びX線回折
による観察結果から、本実施形態の強誘電体薄膜である
Bi4 Ti312薄膜は、非常に緻密で表面平滑な良好
な表面モフォロジーを示し、c軸配向だけでない、ラン
ダム配向膜となっていることがわかった。さらに、Bi
4 Ti312薄膜の成膜温度(基板温度)が450℃の
ものは、500℃のものよりも、より緻密で表面平滑な
表面モフォロジーを示し、結晶性はランダム配向性が強
いことがわかった。
【0059】次いで、上記のようにして作製した2種類
の試料の強誘電体薄膜(Bi4 Ti312薄膜)の上
に、上部電極層を形成し、図1に示すようなキャパシタ
構造を構成して、この膜の電気特性の評価を行った。な
お、この電極としては、100μmφのPt電極膜を真
空蒸着法により形成した。図1に示した下部電極層1と
上部電極層8との間に電圧を印加して強誘電特性を評価
した結果、成長層(Bi4 Ti312薄膜)を450℃
で成膜した試料については図8のような強誘電性ヒステ
リシス曲線を示した。すなわち、成長層(Bi4 Ti3
12薄膜)を450℃で成膜した試料では、5V印加に
おいて残留自発分極Pr=16μC/cm2 、抗電場E
c=135kV/cmとなった。このPrの値は、Bi
4 Ti312単結晶で報告されているc軸方向における
Pr=4μC/cm2 と比較して、はるかに大きい値が
得られている。
【0060】これは、Bi4 Ti312のa軸方向のP
rの値がc軸方向のものより大きいことが知られてお
り、また本実施形態の結晶性がランダム配向を示したこ
とから、この16μC/cm2 という大きな本実施形態
のPrは、Bi4 Ti312薄膜のa軸配向成分が大き
く寄与しているためと考えられる。
【0061】また、この試料において、リーク電流I1
を測定した結果、印加電圧依存性は図9に示すようにな
り、印加電圧5VでI1=7×10-9A/cm2 と小さ
な良好な値が得られた。これは、上述のように、酸化チ
タンバッファ層を形成しなかった比較試料の膜表面観察
において、図3に示したようなμmサイズの板状粗大結
晶粒(c面結晶粒)が、従来のBi4 Ti312強誘電
体薄膜には存在していたため、ピンホールによるリーク
電流が発生しやすかった。しかしながら、本実施形態の
ものは、低温成膜により、結晶粒の成長が抑制され、図
2に示したような微細な結晶粒からなる膜構造であるの
で、このような従来のピンホールの発生を抑え、低いリ
ーク電流値が得られたものと考えられる。
【0062】なお、もう一つの本実施形態の試料、即ち
成長層(Bi4 Ti312薄膜)を500℃で成膜した
試料の強誘電性ヒステリシス曲線を図10に示す。図1
0のように、この試料では、残留自発分極Pr=2μC
/cm2 、抗電場Ec=50kV/cmとなった。この
Prは図8に示したものより小さいが、Ecが図8に示
したものより小さくなっている。これは、この試料の結
晶性がランダム配向であるがc軸配向成分が強いためと
考えられるが、このようにEcが小さいと、低い電圧で
動作可能なデバイスに応用可能なことを示している。ま
た、この試料においても、リーク電流は、I1=1×1
-8A/cm2 と小さな良好な値が得られた。
【0063】以上のように、本実施形態によれば、成長
層であるBi4 Ti312薄膜を450℃及び500℃
の成膜温度で成膜した試料は、いずれも、強誘電体薄膜
であるBi4 Ti312薄膜において、非常に緻密で表
面平滑な良好な膜表面モフォロジーを示し、c軸配向だ
けでないランダム配向膜となっていることがわかった。
さらに、いずれの試料においても、良好な強誘電特性を
示し、特に、成長層であるBi4 Ti312薄膜を45
0℃の成膜温度で成膜した試料において、残留自発分極
PrがPr=16μC/cm2 と非常に大きな値が得ら
れた。
【0064】なお、本実施形態では、強誘電体薄膜の成
膜温度が400℃の結果のみを示したが、300℃以上
であれば、結晶性及び表面モフォロジー共に、下部の成
長層の結晶性及び表面モフォロジーを十分に継承できる
ことが確認できた。ただし、強誘電特性は、成膜温度4
00℃の場合が優れていた。
【0065】次に、第2の実施形態として、強誘電体薄
膜であるBi4 Ti312薄膜の膜厚を上記第1の実施
形態よりも薄くしたものについて説明する。本実施形態
では、成長層であるBi4 Ti312薄膜の成膜温度を
450℃とし、強誘電体薄膜であるBi4 Ti312
膜の膜厚を40nmとし、酸化チタンバッファ層と成長
層と強誘電体薄膜との合計膜厚が50nmの一つの試料
を作製した。なお、作製方法は、強誘電体薄膜であるB
4 Ti312薄膜の膜厚を40nm以外は、全く上記
第1の実施形態と同様にして作製した。このときのBi
4 Ti312強誘電体薄膜の成膜工程に要した時間は1
5分程度であり、従って、バッファ層、成長層、及び強
誘電体薄膜の成膜工程に要した時間は、全体でほぼ15
分程度ということになる。
【0066】本実施形態の試料の強誘電ヒステリス曲線
を第1の実施形態と同様にして測定すると、図11に示
すようになった。図11から、本実施形態の試料は、強
誘電体薄膜が40nmという薄い膜厚であるにもかかわ
らず、3Vという低電圧の印加で、残留自発分極Pr=
4.5μC、抗電場Ec=139kVという、非常に良
好な強誘電特性が得られた。また、リーク電流I1を測
定すると、強誘電体薄膜が40nmという薄い膜厚であ
るにもかわらず、I1=5×10-6という低い値が得ら
れた。
【0067】さらに、本実施形態の試料について、分極
反転の繰り返し疲労特性の測定を行った。その条件は、
印加電圧3V、パルス幅100nsのバイポール2連パ
ルスを繰り返し印加したときの、スイッチング電荷量
(分極の反転電荷量と非反転電荷量との差)の変化率を
測定するというものであり、その結果は、図12のよう
になった。図12に示すように、繰り返し回数1×10
12回でスイッチング電荷量の減少が約13パーセント
と、従来のPZT材料が疲労耐性がせいぜい108回程
度であるのと比較すると、はるかに本実施形態の疲労耐
性が優れているかが明らかである。
【0068】また、図13に、本実施形態のSEMによ
る膜表面モフォロジーの観察結果を示すが、膜厚が薄い
ので、nmオーダーの微細な結晶粒子から成り、非常に
緻密で表面平滑な良好な特性が得られていることがわか
る。
【0069】第3の実施形態として、第2の実施形態で
作製した試料に熱処理を施したものについて説明する。
熱処理の条件としては、酸素気流中において、熱処理温
度650℃で、赤外線照射による高速熱処理であるRT
A(Rpid Thermal Annealing)
により施すものであり、処理時間を2分、10分、30
分と変化させたものについて、強誘電特性を調べた。そ
の結果、残留自発分極Prは、2分の処理時間のもので
Pr=4.8μC/cm、10分の処理時間のものでP
r=5.9μC/cm、30分の処理時間のものでPr
=7.1μC/cmと、RTA処理時間が長くなると、
Prが大きく向上した。
【0070】また、リーク電流I1については、その印
加電圧依存性を示した図14のようになり、3Vの印加
電圧で、2分の処理時間のものでI1=8×10-8A/
cm2 、10分の処理時間のものでI1=2×10-8
/cm2 、30分の処理時間のものでI1=2×10-9
A/cm2 と、RTA処理時間が長くなると、I1が顕
著に改善された。これらは、本実施形態における熱処理
によって、強誘電体薄膜であるBi4 Ti312薄膜の
結晶性が向上することに起因するものであると考えられ
る。
【0071】第4の実施形態として、Bi4 Ti312
強誘電体薄膜の膜厚を190nmとし、酸化チタンバッ
ファ層と成長層(Bi4 Ti312薄膜)とのトータル
の膜厚を200nmの試料を作製した。作製方法につい
ては、上記第1及び第2の実施形態と全く同様にした
が、ただし、成長層(Bi4 Ti312薄膜)の成膜温
度を450℃とした。このときのBi4 Ti312強誘
電体薄膜の成膜工程に要した時間は60分程度であり、
従って、バッファ層、成長層、及び強誘電体薄膜の成膜
工程に要した時間は、全体でほぼ1時間程度ということ
になる。
【0072】本実施形態についてのSEMによる膜表面
モフォロジーの観察結果を、図15に示す。図15のS
EM写真から明らかのように、10nmオーダーの非常
に緻密で表面平滑な良好な膜表面モフォロジーを示して
いる。これによれば、第1の実施形態と比較して、膜厚
がほぼ2倍になっているのに、Bi4 Ti312強誘電
体薄膜の表面モフォロジーが、成長層(Bi4 Ti3
12薄膜)の影響を強く受けていることがわかる。
【0073】また、本実施形態の試料の強誘電ヒステリ
ス曲線を上記実施形態と同様にして測定すると、図16
に示すようになった。図16のように、この試料では、
残留自発分極Pr=14μC/cm2 、抗電場Ec=1
80kV/cmとなった。やはりこの実施形態において
も、Bi4 Ti312強誘電薄膜がランダム配向膜とな
り、a軸配向成分が大きく寄与しているため、Bi4
312単結晶で報告されているc軸方向におけるPr
=4μC/cm2 と比較して、はるかに大きい値を示し
ているものと考えられる。また、この試料においても、
リーク電流は、I1=3×10-9A/cm2 と小さな良
好な値が得られた。このように、本実施形態によれば、
強誘電体薄膜が200nm程度の膜厚であっても、本発
明が有効なことが確認できた。
【0074】なお、上記実施形態において、酸化チタン
バッファ層の膜厚と、成長層(Bi4 Ti312薄膜)
の膜厚は、いずれも5nmとしたが、これらの膜厚は、
いずれも3nmから10nmの範囲で用いれば、本発明
の効果が顕著に得られている。また、上記実施形態で
は、基板として、Pt下部電極層/Ta接着層/SiO
2 絶縁層/Si基板を用いたが、従来同様の基板でMO
CVD法を用いた低温成膜によりBi4 Ti312薄膜
を形成しようとすると、パイロクロア相のBi2Ti2
7 が発生しやすくなるとの報告に対して、本実施形態
では、パイロクロア相のBi2 Ti27 が発生してい
ないことを示すものであり、本発明がこのような基板構
造に限定されるものではない。
【0075】第5の実施形態について以下に説明する。
まず、基板温度を400℃とし、Ti原料のみを供給し
酸化チタン第一バッファ層5nmを形成した後に、引き
続き基板温度を650℃としBi原料とTi原料および
2 ガスを同時に供給しBi4 Ti312成長層3nm
を形成した。ここで基板温度を400℃に設定し直した
後、再度、Bi原料とTi原料およびO2 ガスを同時に
Bi4 Ti312成長層形成時と同条件で同量供給し、
全膜厚100nmのBi4 Ti312薄膜を作製した。
図17にBi4 Ti312薄膜の斜視SEM写真による
表面モフォロジーと断面形状を、また図18に本Bi4
Ti312薄膜のX線回折パターンを示した。
【0076】図17及び図18より本第5の実施形態に
よる薄膜は、結晶性の良好なc軸(00n)と(11
7)のいわゆるランダム配向Bi4 Ti312薄膜であ
り、緻密かつ表面平滑な薄膜であることが分かる。そし
て、図18のc軸(00n)と(117)との回折ピー
クの比率を、第1の実施形態の図7(a)、(b)のも
のと比較すると、本実施形態のものでは、ちょうど図7
(a)と図7(b)との間の比率となっている。このこ
とから、本実施形態のBi4 Ti312薄膜の配向状態
は、第1の実施形態の図7(a)と図7(b)とに示さ
れたものの中間程度になっているものと考えられる。
【0077】上記Bi4 Ti312薄膜の上に100μ
mφのPt電極を蒸着しキャパシタを形成し、このキャ
パシタについて強誘電特性の測定を行ったところ、図1
9の様な明確なヒステリシス曲線が得られた。3Vの電
圧印加により残留自発分極Pr=11μC/cm2 、抗
電場Ec=90kV/cm、5Vの電圧印加により残留
自発分極Pr=15.5μC/cm2 、抗電場Ec=1
20kV/cmの値が得られている。また図20に示し
たリーク電流特性から3Vのバイアス電圧を印加した際
のリーク電流は、Il=7×10-9kV/cm2 、5V
印加した際のリーク電流は、Il=4×10-8kV/c
2 と非常に低い値であった。
【0078】加えて、本Bi4 Ti312薄膜の疲労特
性測定結果は図21のようになった。電圧4V、パルス
幅500nsのバイポール2連パルスを繰り返して印加
した場合の残留分極値の変化は、繰り返し回数1×10
12回で約3.2%のPrの現象が認められる程度であ
り、従来のPZT材料(疲労耐性は108 回以下)と比
較して、本発明で得られる強誘電体膜の疲労特性は極め
て優れていることがわかる。
【0079】第6の実施形態について以下に説明する。
第5の実施形態と酸化チタン第一バッファ層、Bi4
312成長層を同条件で作製し、続けて、基板温度を
400℃に設定し直した後にBi4 Ti312強誘電体
薄膜を形成して、成長層と強誘電体薄膜即ちBi4 Ti
312薄膜の全膜厚を50nmとした。この時の膜の斜
視SEM写真による表面モフォロジーと断面形状を図2
2に示す。上記第5の実施形態と同様、緻密かつ表面平
滑で結晶性良好なランダム配向Bi4 Ti312膜であ
った。このBi4 Ti312薄膜の上に100μmφの
Pt電極を蒸着しキャパシタを形成し、このキャパシタ
について強誘電特性の測定を行ったところ、図23の様
な明確なヒステリシス曲線を示した。3Vの電圧印加に
より残留自発分極Pr=9μC/cm2 、抗電場Ec=
120kV/cm、5Vの電圧印加により残留自発分極
Pr=14μC/cm2 、抗電場Ec=180kV/c
mの値が得られた。
【0080】本発明によると50nmという非常に薄い
薄膜で、十分な強誘電特性を有効に引き出すことがで
き、このことは、大容量FRAM等への応用の際にも最
も重要なメリットである。
【0081】第7の実施形態について以下に説明する。
まず、基板温度を400℃とし、Ti原料のみを供給し
酸化チタン第一バッファ層5nmを形成した後に、引き
続き基板温度を450℃としBi原料とTi原料および
2 ガスを同時に供給しBi4 Ti312成長層5nm
を形成した。ここで基板温度を300℃に設定し直した
後、再度、Bi原料とTi原料およびO2 ガスを同時に
Bi4 Ti312成長層形成時と同条件で同量供給し、
全膜厚100nmのBi4 Ti312薄膜を作製した。
図24に本Bi4 Ti312薄膜のSEM写真による表
面モフォロジーを、また図25に本Bi4 Ti312
膜のX線回折パターンを示した。
【0082】図24および25より本実施形態による薄
膜は、c軸(00n)と(117)のいわゆるランダム
配向Bi4 Ti312薄膜であることが分かる。結晶性
は余り良好ではないものの、本発明を用いることで30
0℃と極めて低い基板温度の場合でもBi4 Ti312
を成長させることができる。
【0083】なお、本発明の製造方法において、酸化チ
タンバッファ層及び成長層(Bi4Ti312薄膜)の
MOCVD法での成膜温度は、400℃から650℃の
温度域で、良好な強誘電特性を示す強誘電体薄膜(Bi
4 Ti312薄膜)が得られた。特に、400℃から4
70℃の温度域では、ランダム配向性が強く、大きな残
留自発分極Prを示す強誘電体薄膜(Bi4 Ti312
薄膜)が得られた。また、強誘電体薄膜(Bi4 Ti3
12薄膜)のMOCVD法での成膜温度は、300℃か
ら400℃の温度域で、良好な強誘電特性を示した。ま
た、本発明の製造方法での熱処理温度は、500℃から
700℃の温度域で顕著な効果を示しており、700℃
程度の温度でも短時間で十分に効果が得られるので、高
集積デバイスへの応用も十分に可能なものである。
【0084】なお、MOCVD法による成膜条件におい
て、成膜温度(基板温度)以外の原料や供給ガス等の条
件は、上記実施形態に限定されるものではなく、成膜装
置や原料等により適宜設定されるものである。
【0085】上記第1乃至第4の実施形態では、酸化チ
タンバッファ層の成膜温度を、成長層であるBi4 Ti
312薄膜の成膜温度と同一とした。これは実際の製造
工程において、基板温度を変化させることはデバイス作
製時間を冗長させるものであるので生産性を考慮して、
同一の成膜温度としたものである。他方、第5乃至第7
の実施形態に示すように、酸化チタンバッファ層の成膜
温度を、成長層であるBi4 Ti312薄膜の成膜温度
と異なる温度としても良い。
【0086】以下に、前記Bi4 Ti312強誘電体薄
膜を種々の電子素子に利用した実施形態について説明す
る。まず、キャパシタ構造の不揮発性メモリに、前記B
4Ti312強誘電体薄膜を利用した場合の実施形態
を図26(a)に、その等価回路を図26(b)に示
す。
【0087】本実施形態に示す強誘電体薄膜を利用した
キャパシタ構造の不揮発性メモリは、一つのメモリセル
が、一つのキャパシタ108と、一つのトランジスタ1
07とで構成される。ここで、キャパシタ108は第3
の実施形態に示す〈117〉配向性Bi4 Ti312
膜5とこれを挟む一対の導体(電極)110、110’
とからなり、トランジスタ107はビット線112とワ
ード線111とAI電極109に接続された信号ライン
113とからなる。尚、AI電極109はキャパシタ1
08の電極110’にも接続されている。
【0088】上記のキャパシタ構造の不揮発性メモリの
製造方法について説明する。まず、n型Si基板上10
1にSiO2、Si34を形成し、フォトエッチングに
よって後にトランジスタを形成する部分にSi34を残
して、フィールド酸化を行い、フィールドSiO2を形
成する。次に、先に形成したSi34膜及び直下のSi
2膜を除去し、ゲート酸化膜によってゲートSiO2
形成した後、Poly−Siゲート111を形成する。
次に、このゲート111をマスクにして、イオン打ち込
みを行いソース112、ドレイン113を形成した後、
層間絶縁膜としてPSG(珪燐酸ガラス)で覆い、リフ
ローして平坦化する。
【0089】その上に、電極110を形成した後、〈1
17〉配向性Bi4 Ti312薄膜105、電極11
0’を順次形成する。その後、またPSGで覆い、リフ
ローした後、110’、113上にコンタクトホールを
エッチングにより形成して、最後に配線用AI電極10
9を設ける。
【0090】なお、ここで〈117〉配向性Bi4 Ti
312薄膜105とは、前述の第1の実施形態において
酸化チタンバッファ層及び成長層の成膜温度を450℃
としたものである。そして、〈117〉配向性Bi4
312薄膜105は、実際には、その実施形態と同様
の条件で、図26には示さない酸化チタンバッファ層及
び成長層を、電極110上に成膜した後に形成したもの
である。また、強誘電体薄膜として、〈117〉配向性
Bi4 Ti312薄膜を用いたのは、本実施形態のよう
なキャパシタ構造の素子ではより大きな残留自発分極を
示すものが好ましいからである。
【0091】以下、上記キャパシタ構造の不揮発性メモ
リの動作を説明する。情報”1”を書き込む場合には、
ビット線112よりトランジスタ107を経由して、強
誘電体薄膜105に抗電界以上の負のパルスを印加する
と、強誘電体薄膜105が分極して、負の残留分極電荷
がキャパシタ108の電極110側に蓄積される。ま
た、情報”0”を書き込む場合には、ビット線112よ
りトランジスタ107を経由して、強誘電体薄膜105
に抗電界以上の正パルスを印加すると、強誘電体薄膜1
05が分極して、正の残留分極電荷がキャパシタ108
の電極110側に蓄積される。
【0092】情報”1”を読み出す場合には、正のパル
スを印加すると、負の残留分極が今度は分極反転を起こ
し、正の残留分極が、キャパシタ108の電極110側
に蓄積されることになる。従ってパルスの印加前後で、
正の残留分極電荷と負の残留分極電荷との差の電荷量の
変化が生じる。一方、情報”0”を読み出す場合には、
正のパルスを印加しても分極反転が起こらないため、パ
ルスを印可前後で電荷量の変化がほとんど生じない。こ
の電荷量の差をビット線に接続されたセンスアンプを用
いることにより、ビット情報が同定される。強誘電体薄
膜105は残留分極を持つため、電源をOFFにして
も”1”あるいは”0”の状態が保持され、不揮発性記
憶動作が実現される。尚、同様の構造で普段は強誘電体
の高誘電率性のみを利用してDRAM動作させて、電源
OFF時のみ不揮発性メモリとして動作させることも可
能である。
【0093】よって、キャパシタ構造の不揮発性メモリ
の強誘電体薄膜に対し、本発明を適用したところ、不揮
発性メモリとして十分な特性が得られた。
【0094】以下に、MFMIS−FET(Metal
Ferroelectric Metal Insu
lator Semiconductor−Field
Efect Transistor)に前記Bi4
312強誘電体薄膜を利用した場合について図27を
用いて説明する。図27に本実施形態の断面構造概略図
を示す。先ず、n型Si基板上101に熱酸化法により
ゲートSiO2114を形成し、その上にフローティン
グゲート115をPtで形成後、イオン打ち込みによっ
てドレイン119とソース120を形成した後、PSG
(珪燐酸ガラス)で覆い、リフローして平坦化する。
【0095】次に,PPtゲート115上のPSGをエ
ッチングで除去し、その上にc軸配向性Bi4 Ti3
12強誘電体薄膜116を成膜し、さらにその上にコント
ロールゲート117をPtで形成する。その後、また、
PSGで覆いリフローした後、コントロールゲート11
7、ドレイン119、ソース120上にコンタクトホー
ルをエッチングにより形成して、最後に配線用AI電極
118、121、122を設ける。
【0096】なお、ここでc軸配向性Bi4 Ti312
強誘電体薄膜116とは、前述の第1の実施形態におい
て酸化チタンバッファ層及び成長層の成膜温度を500
℃としたものである。そしてc軸配向性Bi4 Ti3
12薄膜116は、実際には、その実施形態と同様の条件
で、図27には示さない酸化チタンバッファ層及び成長
層を成膜した後に形成したものである。また、本実施形
態のようなMFMIS−FET構造の素子では低電圧で
駆動可能なものが望ましいので、強誘電体薄膜としてc
軸配向性Bi4 Ti312薄膜を用いたものである。
【0097】MFMIS−FETでは、コントロールゲ
ート117に電圧を印加し、上記強誘電体薄膜分極方向
を変えると、その静電誘導によりフローティングゲート
115を介してゲート絶縁膜であるSiO2114も誘
電分極し、分極方向が変化する。この分極の向きによっ
て、ゲート直下の半導体表面のチャネルの形成が制御で
きるので、ドレーン電流のON−OFFのより”
0”、”1”を定義できる。例えば、ゲート電極がゼロ
バイアス状態において、半導体基板方向に強誘電体薄膜
116がフローティングゲート115側が負極性となる
ように分極しているとする。この場合にはSiO211
4が誘電分極し、Si基板101に接する面が負極性と
なり、Si基板1のSiO2114に接する表面は正極
性となりドレイン119とソース120が接続されない
(OFF状態)。
【0098】次に、ゲート電極117に強誘電体薄膜1
16の抗電界よりも大きな正電圧を印加すると、強誘電
体薄膜116の分極方向が反転し、フローティングゲー
ト115側が正極性となるように分極する。この場合に
はSiO2114が誘電分極し、Si基板101に接す
る面が正極となる。Si基板101のSiO2114に
接する表面は負極性となり、ドレイン119とソース1
20が接続された状態になる(ON状態)。この状態で
ゲート電圧をゼロバイアス状態にしても、残留分極によ
り、この状態は保持される。
【0099】このSiO2114の誘電分極は強誘電体
薄膜116の分極が保持される限り保たれるので、非破
壊読みだし可能な不揮発性メモリとして動作させること
が可能となる。
【0100】上記のように、MFMIS−FET構造の
不揮発性メモリの強誘電体薄膜に対し、本発明を適用し
たところ、不揮発性メモリとして十分な特性が得られ
た。
【0101】
【発明の効果】以上のように、本発明の強誘電体薄膜被
覆基板によれば、残留自発分極の値が大きな非常に優れ
た強誘電特性が得られ、かつ、リーク電流特性及び疲労
耐性に優れた高信頼性を実現することができる。特に、
残留自発分極が16μC/cm2 という非常に大きな値
が得ることができ、また、約50nmという薄膜でも十
分な強誘電特性を得ることができる。このことは、微小
なキャパシタを形成しても、十分な分極電荷を確保でき
るので、高集積テバイスに応用するのに極めて有効であ
る。また、非常に緻密で表面平滑な膜表面モフォロジー
が得られるので、様々な微細加工プロセスに対応でき、
これもまた高集積デバイスに応用するのに有効なもので
ある。
【0102】また、本発明の強誘電体薄膜被覆基板の製
造方法によれば、ランダム配向膜の強誘電体薄膜を得る
ことができ、その配向性(結晶性)の制御が可能である
ので、応用するデバイスに応じて、残留自発分極や抗電
場を制御でき、様々なデバイスへの応用ができ、かつ、
デバイス設計の自由度を大きく向上させることができ
る。そして、製造工程が低温で行えるので、従来の高温
プロセスが問題となっていた高集積デバイス等の様々な
デバイスに対応することが可能となる。さらに、従来の
MOD法やゾルーゲル法等の塗布成膜でなく、MOCV
D法を用いているので、大面積の薄膜を膜厚制御性良
く、高速に製造することができるので、生産性を著しく
向上させることができる。
【0103】さらに、本発明の強誘電体薄膜被覆基板の
製造方法によれば、強誘電体薄膜の成膜工程の後に、熱
処理を施すことにより、50nm以下という極薄い強誘
電体薄膜であっても残留自発分極Pr=7.1μC/c
mという強誘電特性を得ることができるなど、強誘電体
薄膜の特性向上や、信頼性の改善等に非常に有効であ
る。
【0104】本発明のキャパシタ構造の不揮発性メモリ
では、上記の強誘電体薄膜被覆基板によって構成したの
で、不揮発性メモリとして十分な特性が得られる。
【0105】本発明のMFMIS−FET構造の不揮発
性メモリでは、上記の強誘電体薄膜被覆基板によって構
成したので、不揮発性メモリとして十分な特性が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電体薄膜被覆基板の構造を示す断
面概略図である。
【図2】第1の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12薄膜(成長層)表面の観察結果を示す写真である。
【図3】比較試料のSEMによるBi4 Ti312薄膜
表面の観察結果を示す写真である。
【図4】第1の実施形態のX線回折によるBi4 Ti3
12薄膜(成長層)の結晶性の観察結果を示す図であ
る。
【図5】比較試料のX線回折によるBi4 Ti312
膜の結晶性の観察結果を示す図である。
【図6】第1の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜表面の観察結果を示す写真である。
【図7】第1の実施形態のX線回折によるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜の結晶性の観察結果を示す図である。
【図8】第1の実施形態の強誘電ヒステリシス曲線を示
す図である。
【図9】第1の実施形態のリーク電流(Il)の印加電
圧依存性を示す図である。
【図10】第1の実施形態の強誘電ヒステリシス曲線を
示す図である。
【図11】第2の実施形態の強誘電ヒステリシス曲線を
示す図である。
【図12】第2の実施形態のスイッチング電荷量の繰り
返し回数依存性を示す図である。
【図13】第2の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜表面の観察結果を示す写真である。
【図14】第3の実施形態のリーク電流(Il)の印加
電圧依存性を示す図である。
【図15】第4の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜表面の観察結果を示す写真である。
【図16】第4の実施形態の強誘電ヒステリシス曲線を
示す図である。
【図17】第5の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜の斜視観察を示す写真である。
【図18】第5の実施形態のX線回折によるBi4 Ti
3 12強誘電体薄膜の結晶性の観察結果を示す図であ
る。
【図19】第5の実施形態の強誘電ヒステリシス曲線を
示す図である。
【図20】第5の実施形態のリーク電流(Il)の印加
電圧依存性を示す図である。
【図21】第5の実施形態のスイッチング電荷量の繰り
返し回数依存性及び繰り返し前後(1012サイクル)の
強誘電ヒステリシス曲線の比較である。
【図22】第6の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜の斜視観察を示す写真である。
【図23】第6の実施形態の強誘電ヒステリシス曲線を
示す図である。
【図24】第7の実施形態のSEMによるBi4 Ti3
12強誘電体薄膜の斜視観察を示す写真である。
【図25】第7の実施形態のX線回折によるBi4 Ti
312強誘電体薄膜の結晶性の観察結果を示す図であ
る。
【図26】(a)は本発明によるBi4 Ti312強誘
電体薄膜を用いたキャパシタ構造の不揮発性メモリの断
面構造の概略図であり、(b)は(a)の等価回路を示
す図である。
【図27】本発明によるBi4 Ti312強誘電体薄膜
を用いたMFMIS−FETの断面構造の概略図であ
る。
【符号の説明】
1、101 シリコン基板 2 酸化シリコン層 3 接着層 4 下部電極層 5 バッファ層 6 成長層 7 強誘電体薄膜 8 上部電極層 107 トランジスタ 108 キャパシタ 109 配線用電極 110 下部電極 110’上部電極 111 ワード線 112 ビット線 113 ドレイン 114 ゲートSiO2 115 フローティングゲート 116 強誘電体薄膜 117 コントロールゲート 118、121、122 配線用電極 119 ドレイン 120 ソース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/8247 H01L 49/02 27/10 451 27/10 651 27/108 29/78 371 29/788 29/792 49/02 (72)発明者 木場 正義 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−202295(JP,A) 特開 平8−12494(JP,A) 特開 平8−161933(JP,A) 特開 平8−339715(JP,A) 特開 平5−218303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 17/60 H01B 3/12 304 G11C 11/22 H01L 21/316 H01L 21/8242 H01L 21/8247 H01L 27/10 451 H01L 27/108 H01L 29/788 H01L 29/792 H01L 49/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、酸化チタンから成るバッファ
    層と、Bi Ti 12 から成る強誘電体薄膜を成長
    させるための成長層と、層状結晶構造を有するBi
    12 から成る強誘電体薄膜とが順次形成されたこ
    とを特徴とする強誘電体薄膜被覆基板。
  2. 【請求項2】 基板上にバッファ層と強誘電体薄膜とを
    MOCVD法により形成する強誘電体薄膜被覆基板の製
    造方法において、 基板上にバッファ層として酸化チタンを成膜した後、該
    バッファ層上に強誘電体薄膜を成長させるための成長層
    としてBi Ti 12 薄膜を400℃から650℃
    の成膜温度で成膜し、該成長層上に前記強誘電体薄膜と
    してBi Ti 12 薄膜を300℃から400℃の
    成膜温度で成膜することを特徴とする強誘電体薄膜被覆
    基板の製造方法
  3. 【請求項3】 前記成長層であるBi Ti 12
    膜の成長温度を400℃から470℃とすることを特徴
    とする請求項2に記載の強誘電体薄膜被覆基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 基板上にバッファ層と強誘電体薄膜とを
    MOCVD法により形成する強誘電体薄膜被覆基板の製
    造方法において、 基板上にバッファ層として酸化チタン薄膜を成膜した
    後、該バッファ層上に強誘電体薄膜を成長させるための
    成長層としてBi Ti 12 薄膜を400℃から6
    50℃の成膜温度で成膜し、該強誘電体薄膜成長層上に
    前記強誘電体薄膜としてBi Ti 12 薄膜を30
    0℃から400℃の成膜温度で成膜し、500℃から7
    00℃の熱処理を施すことを特徴とする強誘電体薄膜被
    覆基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成長層であるBi Ti 12
    膜の成膜温度を400℃から470℃とすることを特徴
    とする請求項4に記載の強誘電体薄膜被覆基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の強誘電体薄膜被覆基板
    によって構成された、キャパシタ構造の不揮発性メモ
    リ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の強誘電体薄膜被覆基板
    によって構成された、MFMIS−FET構造の不揮発
    性メモリ。
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