JP4433214B2 - 圧電素子の製造方法、および圧電素子 - Google Patents

圧電素子の製造方法、および圧電素子 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子の製造方法、および圧電素子に関する。
従来、インクジェット式記録ヘッドなどに用いられる圧電材料としては、圧電特性に優れているという観点からジルコン酸チタン酸鉛(以下、「PZT」という。)が最も広く利用されてきた(例えば、特許文献1または2参照)。しかしながら、最近、鉛系廃棄物が酸性雨などに曝されると鉛が溶出し、環境に悪影響を与えることから、PZTに代わる鉛を含まない圧電材料が望まれている。
近年、鉛を含有せず、かつ圧電特性に優れた圧電材料として、ビスマスを含む層状強誘電体が報告されている(例えば、特許文献3参照)。この強誘電体は、酸化ビスマス層とペロブスカイト層が交互に積層した構造を有しており、ペロブスカイト層を形成するTiO八面体層の数が1〜5までの強誘電体が公知となっている。
しかしながら、これらの強誘電体の圧電特性を最大限に引き出すためには、該強誘電体の結晶配向を一定方向に制御することが必要である。
特開2004−296679 特開2005−159309 特開2005−255424
本発明の目的は、鉛を含有せず、キュリー温度が高く、かつ優れた圧電特性を備えた圧電素子の製造方法、および圧電素子を提供することにある。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、基体の上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極の上に層状ペロブスカイト構造を有するシード層を形成する工程と、前記シード層の上にBiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層の上に上部電極を形成する工程と、を含む。
本発明によれば、層状ペロブスカイト構造を有するシード層の上に、BiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層を形成することにより、圧電体層の結晶配向をa/b軸またはa軸に配向させることができる。これにより、BiTi12−BaBiTi15からなる圧電特性に優れた圧電素子を製造することができる。
本発明に係る圧電素子の製造方法において、前記シード層の基本構造は、一般式Bi1−xPrTi12(式中のxは0.1〜0.7の数である。)で表すことができる。
本発明に係る圧電素子の製造方法において、前記圧電体層は、ゾル・ゲル液をスピンコート法または浸漬法を用いることにより形成することができる。
本発明に係る圧電素子の製造方法において、前記ゾル・ゲル液は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、およびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種の高分子ポリマーを含むことができる。
本発明に係る圧電素子の製造方法において、前記高分子ポリマーの重量平均分子量は、300,000〜1,500,000であることができる。
本発明に係る圧電素子の製造方法において、前記ゾル・ゲル液は、前記高分子ポリマーを0.5〜5重量%含有することができる。
本発明に係る圧電素子は、下部電極層と、前記下部電極層の上に形成され、基本構造が一般式Bi1−xPrTi12(式中のxは0.1〜0.7の数である。)で表されるシード層と、前記シード層の上に形成されたBiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層と、前記圧電体層の上に形成された上部電極層と、を備えている。
本発明に係る圧電素子において、前記下部電極層は、イリジウムからなることができる。
本発明に係る圧電素子において、前記上部電極層は、白金からなることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る圧電体層は、ゾル・ゲル液をスピンコート法または浸漬法を用いて形成することができる。まず、ゾル・ゲル液の調製方法について説明する。
1.ゾル・ゲル液の調製
ゾル・ゲル液は、複合金属化合物となる材料の構成金属をそれぞれ含んでなる有機金属化合物、あるいはその部分加水分解物および/または重縮合物を各金属が所望のモル比となるように混合され、さらにアルコールなどの有機溶媒を用いてこれらを溶解または分散させることにより調製することができる。有機金属化合物は、溶液状態で安定なものを用いることが好ましい。
本実施形態において、使用可能な有機金属化合物としては、加水分解または酸化されることにより、その有機金属化合物に由来する金属酸化物を生成し得るものであり、各金属のアルコキシド、有機金属錯体、および有機酸塩などから選ばれる。
以下、BiTi12−BaBiTi15(以下、「BiTBBTi」ともいう。)のゾル・ゲル液の調製方法について具体的に説明する。
(1)Baを含む有機金属化合物、Biを含む有機金属化合物、Tiを含む有機金属化合物を各金属が所望のモル比となるように混合し、さらにアルコールなどの有機溶媒を用いてこれらを溶解または分散させたアルコキシド溶液を調製する。
Baを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Baエトキシドなど)、炭酸バリウムなどが挙げられる。
Biを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Biトリメトキシド、Biトリエトキシド、Biトリプロポキシドなど)、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、塩化ビスマス、水酸化ビスマスなどが挙げられる。
Tiを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Tiテトライソプロポキシドなど)、酢酸塩、オクチル塩などが挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、シクロヘキサン、シクロヘキサノール等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、カルボン酸、エステル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。溶媒として、アルコール類を用いると、金属アルコキシドを良好に溶解することができる。
(2)加水分解・重縮合を起こさせる場合には、上記アルコキシド溶液に適当な量の水を添加するとともに、触媒として酸あるいは塩基を添加することにより、BiTBBTiのゾル・ゲル液を調製することができる。
(3)本実施形態に係るBiTBBTiのゾル・ゲル液は、上記の添加剤のほかに、さらにポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、およびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種の高分子ポリマーを添加することができる。BiTBBTiからなる圧電体層を形成する際に、マイクロクラックと呼ばれる欠陥が発生することがある。そこで、上記高分子ポリマーをゾル・ゲル液に添加すると、マイクロクラックの発生を抑制することができるようになる。
上記高分子ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは300,000〜1,500,000であり、より好ましくは500,000〜1,000,000である。高分子ポリマーの重量平均分子量が上記範囲内にあると、マイクロクラックの発生を有効に抑制することができる。高分子ポリマーの重量平均分子量が1,500,000を超えると、ゾル・ゲル液の粘度が高くなりすぎてしまい、シード層の上にゾル・ゲル液を塗布しづらくなる。一方、高分子ポリマーの重量平均分子量が300,000未満であると、マイクロクラックの発生を抑制する効果が小さくなる。
上記高分子ポリマーの添加量は、ゾル・ゲル液の重量に対し、好ましくは0.5〜5重量%である。高分子ポリマーの添加量が上記範囲内にあると、マイクロクラックの発生を有効に抑制することができる。高分子ポリマーの添加量が5重量%を超えると、ゾル・ゲル液の粘度が高くなりすぎてしまい、シード層の上にゾル・ゲル液を塗布しづらくなる。一方、高分子ポリマーの添加量が0.5重量%未満であると、マイクロクラックの発生を抑制することができなくなる。
2.圧電素子の製造方法
本発明に係る圧電素子の製造方法は、基体の上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極の上に層状ペロブスカイト構造を有するシード層を形成する工程と、前記シード層の上にBiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層の上に上部電極を形成する工程と、を含む。
以下に、本実施形態に係る圧電素子の製造方法について具体的に説明する。図1〜図6は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図である。
(1)まず、圧力室基板10を用意する。圧力室基板10として、例えば、厚さ200μmのシリコン単結晶基板を用いる。
次に、図1に示すように、圧力室基板10の上に、振動板20を形成する。振動板20の形成方法として、熱酸化によって二酸化ケイ素の酸化膜を形成する方法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの公知の方法を適用することができる。
振動板20の材料として、例えば、二酸化ケイ素や酸化ジルコニウムが挙げられる。振動板20は、例えば、二酸化ケイ素を厚さ約1000nm、チタンを約400nmに成膜した二層構造とすることができる。もちろん、二酸化ケイ素またはチタンの単層構造とすることもできる。
本実施形態において、圧力室基板10および振動板20を含めた部材を基体とする。
(2)図2に示すように、振動板20の上に下部電極層32を形成する。下部電極層32の形成方法として、例えば、ゾル・ゲル法、レーザーアブレーション法、スパッタ法、MOCVD法などの公知の方法を適用することができる。下部電極層32の材料として、例えば、導電性を有する白金、イリジウム、チタンなどを用いることができる。下部電極層32は、例えば、白金層とイリジウム層の二層構造とし、その二層構造の厚みを約200nmに成膜することができる。もちろん、白金層またはイリジウム層の単層構造とすることもできる。
(3)図3に示すように、下部電極層32の上に、シード層34を形成する。シード層34は、層状ペロブスカイト構造を有する化合物からなり、その結晶配向がa/b軸に配向していることが好ましく、a軸に配向していることがより好ましい。これにより、シード層34の上に形成される圧電体層36の結晶配向をa/b軸またはa軸に配向させることができる。
シード層34の形成方法として、ゾル・ゲル法、スピンコート法などの公知の方法を適用することができる。スピンコート法を適用した場合、その回転数は、例えば、初期では500rpmとし、続いて塗布ムラが起こらないように1000〜2000rpmに上げることができる。
シード層34の材料として、具体的には、一般式Bi1−xPrTi12で表される化合物が挙げられる。ここで、xの値は、0.1以上0.7以下であることが好ましく、0.1以上0.5以下であることがより好ましい。xの値が上記範囲内にあると、シード層の上に形成される圧電体層の結晶配向をa/b軸またはa軸に配向させやすくすることができる。xの値が0.7を超えると、圧電体層の結晶配向をa/b軸またはa軸に配向させにくくしてしまうことがある。
シード層の厚さは、例えば、50〜200nmとすることができる。シード層は、その上に形成される圧電体層の結晶配向を制御するための層であるから、できる限り薄く形成することが望ましく、上記範囲内の厚さで形成することが好ましい。
(4)図4に示すように、シード層34の上に、圧電体層36を形成する。
圧電体層36の材料は、上記のBiTBBTiのゾル・ゲル液を用いる。
圧電体層36の塗布方法として、上記ゾル・ゲル液をスピンコート法または浸漬法を用いて塗布することができる。スピンコート法および浸漬法は、一般的に行われている公知の方法を適用することができる。スピンコート法を適用した場合、その回転数は、例えば、初期では500rpmとし、続いて塗布ムラが起こらないように1000〜2000rpmに上げることができる(ゾル・ゲル液塗布工程)。
上記ゾル・ゲル液をシード層34の上に塗布した後、大気雰囲気下でホットプレートなどを用い、ゾル・ゲル液に用いた溶媒の沸点よりも、例えば10℃高い温度(例えば、150℃)で熱処理を行う(乾燥熱処理工程)。
次に、上記ゾル・ゲル液に用いた有機金属の配位子を分解、除去するべく、大気雰囲気下でホットプレート等を用い、例えば400〜600℃程度で熱処理を行う(脱脂熱処理工程)。
なお、上記のゾル・ゲル液塗布工程、乾燥熱処理工程、脱脂熱処理工程の一連の工程を所望の膜厚に応じて適宜繰り返すことができる。
次に、結晶化アニール、すなわち結晶化のための焼成工程を行うことにより、圧電体層36を形成することができる。結晶化アニールは、例えば、RTA(Rapid Thermal Annealing)等により、酸素雰囲気中にて650〜800℃程度で行うことができる。
圧電体層の厚さは、例えば、800〜1500nmとすることができる。圧電体層の厚さが上記範囲内であれば、十分な圧電特性を有する圧電体層を形成することができる。
こうして得られた圧電体層36は、シード層34の上に形成することにより、その結晶配向をa/b軸またはa軸に配向することができる。圧電体層36の結晶構造は、ペロブスカイト層におけるTiO八面体の数が3つのBiTi12層と4つのBaBiTi15層とが交互に積層した超格子構造となる。このように面内の格子定数が異なる二種類のペロブスカイト層が交互に積層すると、層間に構造的ストレスが発生する。この超格子構造に特有な構造的ストレスにより、大きな変位量が発生すると考えられている。
また、BiTBBTiのキュリー温度は、BiTi12のキュリー温度675℃とBaBiTi15のキュリー温度410℃との間、約460℃付近にあり、実用的な観点から問題はない。
(5)図5に示すように、圧電体層36の上に、上部電極層38を形成する。上部電極膜38は、例えば、白金等を直流スパッタ法で形成する。
(6)図6に示すように、シード層34、圧電体層36および上部電極層38を所定の形状に加工して、圧電素子30を形成する。具体的には、上部電極層38上にレジストをスピンコートした後、圧力室が形成されるべき位置に合わせて露光および現像してパターニングする。残ったレジストをマスクとしてシード層34、圧電体層36および上部電極層38をイオンミリングまたはドライエッチング法等により不要な部分を除去する。以上の工程により、圧電素子30が形成される。
一方、圧力室基板10の圧力室12が形成されるべき部分をイオンミリングまたはドライエッチング法等により除去し、圧力室12を形成する。
このようにして、本実施形態に係る圧電素子を備えたインクジェット式記録ヘッドを形成することができる。
3.圧電素子
本実施形態に係る圧電素子は、下部電極層と、前記下部電極層の上に形成され、基本構造が一般式Bi1−xPrTi12(式中のxは0.1〜0.7の数である。)で表されるシード層と、前記シード層の上に形成されたBiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層と、前記圧電体層の上に形成された上部電極層と、を備えている。
上記の圧電素子は、非鉛であるBiTBBTiの圧電体層を備えており、上述したようにBiTBBTiの結晶配向がa/b軸またはa軸に配向されているため、PZTに対抗可能な大きな圧電特性を有する。また、BiTBBTiのキュリー温度は約460℃と高く実用的である。
なお、下部電極層および上部電極層の材質や形成方法は、上述したとおりである。
ここで、結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiの物性を測定したので以下に示す。
図7に、結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiの分極ヒステリシスの測定波形を示す。図7より、結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiは、良好なヒステリシス特性を有しており、強誘電性(圧電特性)を備えていることがわかる。
図8に、結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiの歪み特性を測定した結果を示す。なお、この圧電歪みの測定は、ダブルビーム方式のレーザー変位計を用いた。図8より、結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiは、かなり大きな変位量を有することがわかる。
上記の圧電素子は、上述したようなインクジェット式記録ヘッドに限定されず、圧電アクチュエータ、圧電センサ、圧電共振子等に応用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子の製造工程を示す断面図。 結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiの分極ヒステリシスの測定波形。 結晶配向がa/b軸に制御されたBiTBBTiの歪み特性の測定結果。
符号の説明
10…圧力室基板、12…圧力室、20…振動板、30…圧電素子、32…下部電極層、34…シード層、36…圧電体層、38…上部電極層

Claims (8)

  1. 基体の上に下部電極層を形成する工程と、
    前記下部電極層の上に、a/b軸またはa軸に配向させた一般式Bi 1−x Pr Ti 12 (式中のxは0.1〜0.7の数である。)で表される層状ペロブスカイト構造を有するシード層を形成する工程と、
    前記シード層の上にBiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層の上に上部電極層を形成する工程と、
    を含む、圧電素子の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記圧電体層は、ゾル・ゲル液をスピンコート法または浸漬法を用いることにより形成された、圧電素子の製造方法。
  3. 請求項において、
    前記ゾル・ゲル液は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、およびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種の高分子ポリマーを含む、圧電素子の製造方法。
  4. 請求項において、
    前記高分子ポリマーの重量平均分子量は、300,000〜1,500,000である、圧電素子の製造方法。
  5. 請求項またはにおいて、
    前記ゾル・ゲル液は、前記高分子ポリマーを0.5〜5重量%含有する、圧電素子の製造方法。
  6. 下部電極層と、
    前記下部電極層の上に形成され、a/b軸またはa軸に配向させた一般式Bi1−xPrTi12(式中のxは0.1〜0.7の数である。)で表されるシード層と、
    前記シード層の上に形成されたBiTi12−BaBiTi15からなる圧電体層と、
    前記圧電体層の上に形成された上部電極層と、
    を備えた、圧電素子。
  7. 請求項において、
    前記下部電極層は、イリジウムからなる、圧電素子。
  8. 請求項またはにおいて、
    前記上部電極層は、白金からなる、圧電素子。
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