JP2008153674A - インクジェット式記録ヘッド及び圧電体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電圧で駆動する圧電体素子を提供する。
【解決手段】この圧電体素子は、ペロブスカイト結晶構造を持つ圧電体層と当該圧電体層を挟んで配置される上電極および下電極とを備える。そして圧電体層(41)における(001)方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が下部電極(32)面の法線方向と所定角(5度から20度)をなすように設定されている。このような構造の圧電体素子は、低電圧において従来品並みの圧電特性を示しそれ以上の電圧で従来品より高い圧電特性を示す。低電圧駆動をさせる圧電体素子として最適である。
【選択図】図1
【解決手段】この圧電体素子は、ペロブスカイト結晶構造を持つ圧電体層と当該圧電体層を挟んで配置される上電極および下電極とを備える。そして圧電体層(41)における(001)方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が下部電極(32)面の法線方向と所定角(5度から20度)をなすように設定されている。このような構造の圧電体素子は、低電圧において従来品並みの圧電特性を示しそれ以上の電圧で従来品より高い圧電特性を示す。低電圧駆動をさせる圧電体素子として最適である。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気機械変換機能を示す圧電体素子に係り、特に、圧電体素子の特定配向の結晶における結晶軸方向を特定の条件に設定することにより圧電特性を向上させた圧電体素子に関する。
圧電体素子は、二つの電極の間に圧電体層を備えている。圧電体層にはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電性セラミックスが用いられる。これら化学式ABO3で表される物質はペロブスカイト(perovskite)結晶構造を示すことが知られており、この結晶構造は電気機械変換作用を有する。
図6に上記組成の圧電性セラミックスにおいて見られるペロブスカイト結晶構造の単位結晶構造図を示す。この構造図は前記したようにABO3という化学式で表される。例えば圧電性セラミックスがPZTである場合、AはPb2+、BはZr4+またはTi4+、OはO2-が配置される。圧電性セラミックスがPZT−PMNで構成される場合には、PZTにおけるBに相当する原子としてMg2+またはNb5+が置換される。結晶の配向は面方位によって特定する場合が多い。
結晶はいくつかの晶系に分けられるが、いずれの晶系であっても基準となる結晶軸によって晶系の頂点を含む面が特定される。結晶はその結晶に設定可能な面のうちいずれかの面の法線方向に配向する。この法線ベクトルをこの法線に対応する面を特定するための結晶軸の数値によって特定する。この方向性を面方位という。結晶内の平面や方位はミラー指数(Miller index)によって示せる。ミラー指数では図6のa,bおよびcのように基本ベクトルを規定すると、斜線で示した面に配向する結晶が(001)面方位(<001>配向)および(111)面方位(<111>配向)である。正方晶系のPZTなどの圧電性セラミックス結晶体における分極軸方向は(001)面方位であり、菱形晶系のPZTなどの圧電体セラミックス結晶体における分極軸方向は(111)面方位である。
このような結晶構造を備えた圧電体素子の例は、特開平3−69512号公報、Applied Physics Letters, 1991, Vol. 58, No. 11, pp1161-1163に開示されている。上記圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッドの従来例としては、例えば米国出願5,265,315号明細書が存在する。
しかしながら、従来品の圧電体素子は特に低電圧において電気機械変換効率が悪かった。特に携帯用プリンタなどに使用するためには、圧電体素子に低電圧で高い電気機械変換効率を示すことが求められていた。
この電気機械変換効率は、圧電率という圧電気による誘電分極と応力との関係により評価される。圧電率は圧電d定数という圧電g定数と誘電率との積から得られる値により定量化することができる。ここで圧電d定数とは、変位と電場間の比例係数のことをいい、圧電g定数とは、電場と応力間の比例係数のことをいう。誘電率とは電場と面電荷密度との間の比例係数をいう。従来品では、印加電圧が低い場合に圧電d定数が低かった。
本願発明の発明者はこの結晶軸の傾きが低電圧における圧電率に影響を与えることに気が付いた。そこで、本願発明者はこの結晶軸を積極的に傾けた圧電性セラミックスの結晶体を製造し、低電圧における電気機械変換効率を向上させることに想到した。
本発明の第1の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整することにより、低い電圧で良好な圧電特性を示す圧電体素子を提供することである。
本発明の第2の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整した圧電体素子を備えることにより、低電圧において良好にインクを吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを提供することである。
本発明の第3の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整することができる圧電体素子の製造方法を提供することである。
本発明の第4の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整した圧電体素子を備えたインクジェット式記録ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整した圧電体素子を備えることにより、低電圧において良好にインクを吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを提供することである。
本発明の第3の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整することができる圧電体素子の製造方法を提供することである。
本発明の第4の課題は、(001)面方位の結晶軸方向を調整した圧電体素子を備えたインクジェット式記録ヘッドの製造方法を提供することである。
上記第1の課題を解決する発明は、下部電極および上部電極の間に結晶化された圧電体層を備える圧電体素子において、圧電体層を構成する結晶のうち(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が下部電極面の法線方向から所定角傾いていることを特徴とする圧電体素子である。
例えば(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向と下部電極面の法線方向とのなす角度が5度以上であって20度以下傾いている。(001)面方位の柱状結晶粒は、下部電極の近傍に5nm以下の厚みの低誘電層を備えている。
または(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が、下部電極と当該結晶粒との界面から所定距離の範囲において下部電極面の法線方向と平行になっている。このとき結晶軸方向が下部電極の法線方向と平行になる所定距離は、当該結晶粒と下部電極との界面から15nm以下の範囲である。
または(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が、下部電極と当該結晶粒との界面から所定距離の範囲において下部電極面の法線方向と平行になっている。このとき結晶軸方向が下部電極の法線方向と平行になる所定距離は、当該結晶粒と下部電極との界面から15nm以下の範囲である。
一方圧電体層を構成する結晶のうち(111)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が、下部電極面の法線方向と略平行になっている。また(001)面方位の柱状結晶粒が(111)面方位の柱状結晶粒より平均の粒径が大きな結晶粒を備えている。
具体的には、圧電体層は、ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O3:PZT)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La)TiO3)、ジルコニウム酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3:PLZT)またはマグネシウムニオブ酸ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr、Ti)(Mg、Nb)O3:PZT−PMN)のうちいずれかの圧電性セラミックスを含むことが好ましい。
上記第2の課題を解決する発明は、圧力室基板に設けられた圧力室に体積変化を生じさせることによって圧力室に設けられたノズルからインクを吐出可能に構成されたインクジェット式記録ヘッドにおいて、圧力室に体積変化を生じさせる駆動手段として本発明の圧電体素子を備えたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドである。
上記第3の課題を解決する発明は、電気機械変換作用を示す圧電体素子を製造するための圧電体素子の製造方法であって、圧電性セラミックスのモル濃度が0.7mol/l乃至1.5mol/lになるように調整したゾルを使用して下部電極および上部電極の間に挟持するための圧電体層を形成する工程を備えることを特徴とする圧電体素子の製造方法である。
例えばゾルは、圧電性セラミックス1molに対してポリエチレングリコールを0.15mol以上で0.5mol以下含有させて生成したものである。
また圧電体層を形成する工程では、所定の厚みにゾルを塗布する塗布工程と、塗布されたゾル体を乾燥させ脱脂する乾燥・脱脂工程と、により各薄膜層を形成し、さらに当該薄膜層を一定総数積層するたびにこれら一定数積層された薄膜層に高速高温熱処理を施して結晶化させる。
上記第4の課題を解決する発明は、圧力室基板に設けられた圧力室に体積変化を生じさせることによって圧力室に設けられたノズルからインクを吐出可能に構成されたインクジェット式記録ヘッドにおいて、圧力室基板に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜に本発明の圧電体素子の製造方法により圧電体素子を形成する工程と、圧電体素子を圧力室に体積変化を生じさせることが可能な形状に整形する工程と、圧力室基板に圧力室を形成する工程と、を備えたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法である。
次に本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は特定の結晶構造を備えた圧電体素子、それを使用したインクジェット式記録ヘッドおよびそれらの製造方法に関する。特にPZTなどの圧電性セラミックスを用いる。
(構成)
図1に本実施形態の圧電体素子の積層構造を説明するための断面図を示す。本圧電体素子40は、図1に示すように、下部電極32と上部電極42との間に複数の薄膜層411〜41n(nは任意の自然数、例えば8とする)が積層された圧電体層41を備えている。
図1に本実施形態の圧電体素子の積層構造を説明するための断面図を示す。本圧電体素子40は、図1に示すように、下部電極32と上部電極42との間に複数の薄膜層411〜41n(nは任意の自然数、例えば8とする)が積層された圧電体層41を備えている。
下部電極32は、圧電体層41に電圧を印加するための上部電極42と対になる電極であり、導電性を有する材料、例えば、チタン(Ti)層、白金(Pt)層、チタン(Ti)層を積層して構成されている。このように複数の層を積層して下部電極を構成するのは、白金層と圧電体層、白金層と絶縁膜との密着性を高めるためである。上部電極膜42は、圧電体層41に電圧を印加するための一方の電極となり、導電性を有する材料、例えば膜厚0.1μmの白金(Pt)で構成されている。導電性があれば素材に限定されるものではない。
圧電体層41は、圧電性セラミックスにより構成されている。この圧電性セラミックスの組成としては、ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O3:PZT)、ジルコニウム酸チタン酸ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3:PLZT)またはマグネシウムニオブ酸ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr、Ti)(Mg、Nb)O3:PZT−PMN)のうちいずれかであることが好ましい。これら圧電性セラミックスは圧電d定数、つまり電気機械変換効率が高く、圧電体素子の材料として適する特性を備えているからである。例えば、マグネシウムニオブ酸ジルコニウム酸チタン酸鉛であれば、Pb(Zr0.56Ti0.44)0.9(Mg1/3Nb2/3)0.1O3という組成が好適である。ただしこの圧電体層の組成としては電気機械変換作用を示せば十分であり他の組成であってもよい。
特に本実施形態では当該圧電体層41の結晶構造のうち、(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が下部電極の法線方向(電場の方向に等しい)から一定角度傾いている。具体的には、5度乃至20度傾いているものが多数を占める。(001)面方位の柱状結晶粒は、その下部電極と接する界面において、垂直層または低誘電層が発達している。垂直層は界面から5nm乃至15nmの範囲に分布している。低誘電層は界面から5nmの範囲に分布している。垂直層は結晶軸方向が下部電極の法線方向と平行となっている層であり、低誘電層は格子欠陥が生じ結晶格子が乱れて低誘電率を示すようになっている層である。
本来であれば結晶の形成時において、下部電極であるPtから電極面に垂直な方向に結晶が成長するはずである。しかし(001)面方位の柱状結晶粒ではこの垂直な成長の名残を垂直層に残すのみで結晶軸が傾くのである。また応力の作用により格子欠陥を生じて低誘電層を生ずるのである。
このような(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸の傾きは、おそらく本発明の製造方法により製造されることにより結晶成長過程で応力が作用し、結晶軸方向が曲げられたものと想像される。(111)面方位の柱状結晶粒では、この現象は生じることなくその結晶軸方向は下部電極の面に対して垂直になる。
なおこれら結晶構造は圧電体層の断面TEM(Transmission Electron Microscopy)写真等を撮影することにより確認できる。
なおこれら結晶構造は圧電体層の断面TEM(Transmission Electron Microscopy)写真等を撮影することにより確認できる。
上記圧電体層41を構成する各薄膜層411〜41nの各層の厚みは、100nm以上であって250nm以下に形成されている。余りに薄くすると、積層に要する処理の回数が多くなり過ぎてスループットが得られないからである。また余りに厚くすると、脱脂や高速熱処理時にクラックが発生し易くなるからである。
薄膜層の積層数は2層乃至8層が好ましい。この積層数は上記薄膜層との関係で定められる。すなわち圧電体素子に必要とされる変位を確保できる程度に積層する必要がある一方、余りに多く積層すると製造工程中に圧電体層にクラックを生じたり駆動電圧が高くなりすぎたりするからである。圧電体層41全体の厚みは500nm〜2000nm程度が好ましい。
なお、下部電極32と上部電極42は必ずしも平面を成している必要はなく、また平行である必要もない。ただし下部電極と上部電極が平面でなく平行でもない場合に、圧電体層の(001)面方位の結晶方向が両電極間に生ずる電場の方向に対し上記傾きを備えるように形成できればよい。
図2に上記圧電体素子40を使用したインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図を示す。図3にインクジェット式記録ヘッドの主要部一部断面図を示す。図2に示すように、本インクジェット式記録ヘッド1は、ノズル板10、圧力室基板20、振動板30および筐体25を備えて構成されている。
圧力室基板20はシリコンや石英の単結晶基板をエッチングすることにより構成され、図3に示すようにキャビティ21、側壁22、リザーバ23および供給口24を備えている。キャビティ21は、インクに圧力を印加するための圧力室として作用可能に形成されている。側壁(隔壁)22はキャビティ21間を仕切るよう構成され、リザーバ23は各キャビティ21にインクを供給可能に構成されている。供給口24は各キャビティ21にインクを導入可能に構成されている。全体でオンデマンド型のピエゾジェット方式を採用したインクジェット式記録ヘッドを構成している。
振動板30は圧力室基板20の一方の面に貼り合わせ可能に構成されている。
振動板30には本発明の圧電体素子40が設けられている。圧電体素子40は、ペロブスカイト構造を持つ圧電体の結晶体であり、振動板30上に所定の形状で形成されて構成されている。なお本実施形態では振動板30を絶縁膜31と下部電極32とが積層された構造にしてあるが、下部電極32を圧電体層41の形状と同様に成形し、絶縁膜31でのみ振動板30を形成するようにしてもよい。
振動板30には本発明の圧電体素子40が設けられている。圧電体素子40は、ペロブスカイト構造を持つ圧電体の結晶体であり、振動板30上に所定の形状で形成されて構成されている。なお本実施形態では振動板30を絶縁膜31と下部電極32とが積層された構造にしてあるが、下部電極32を圧電体層41の形状と同様に成形し、絶縁膜31でのみ振動板30を形成するようにしてもよい。
ノズル板10は、圧力室基板20に複数設けられたキャビティ21の各々に対応する位置にそのノズル穴11が配置されるよう、圧力室基板20に貼り合わせられている。ノズル板10を貼り合わせた圧力室基板20は、さらに図2に示すように筐体25に填められてインクジェット式記録ヘッド1を構成される。
絶縁膜31は、導電性のない材料、例えばシリコン単結晶基板を熱酸化等して形成された二酸化珪素により構成され、圧電体層の体積変化により変形し、キャビティ21の内部の圧力を瞬間的に高めることが可能に構成されている。
(作用)
上記構成において、本発明における圧電体層の(001)面方位の柱状結晶粒は、図1に示すように、(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸のほとんどが電場の方向と一定角度を呈している。このような結晶構造を備えた圧電体素子では、特に低電圧を電極間に加えた場合に高い圧電d定数を示す(図12参照)。従来品で8V〜12Vを加えたときの変位が、本実施形態の圧電体素子では5〜7V程度で達成でき、4V〜17Vの範囲で従来品より高い変位を生ずる。
したがって低電圧で従来品より大きな変位を生じ多くのインクを吐出可能である。また従来と同様の電圧を印加した場合には、従来品より変位の大きな圧電特性のよいインクジェット式記録ヘッドを提供できる。
上記構成において、本発明における圧電体層の(001)面方位の柱状結晶粒は、図1に示すように、(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸のほとんどが電場の方向と一定角度を呈している。このような結晶構造を備えた圧電体素子では、特に低電圧を電極間に加えた場合に高い圧電d定数を示す(図12参照)。従来品で8V〜12Vを加えたときの変位が、本実施形態の圧電体素子では5〜7V程度で達成でき、4V〜17Vの範囲で従来品より高い変位を生ずる。
したがって低電圧で従来品より大きな変位を生じ多くのインクを吐出可能である。また従来と同様の電圧を印加した場合には、従来品より変位の大きな圧電特性のよいインクジェット式記録ヘッドを提供できる。
圧電体素子40の下部電極32および上部電極42間に低電圧(4V〜15V程度)を印加すると大きな変位が圧電体素子40に生ずる。この変位が振動板30を変形させると、キャビティ21内の圧力が高まる。キャビティ内にはインクが充填されているので、瞬間的な圧力増加によってノズル穴11からインクが押し出され、液滴として吐出される。
一方電圧が印加されていない圧電体素子40では変位を生ずることがなくその圧電体素子に設けられているキャビティ21の圧力も変化しないため、インクの液滴が吐出されることはない。
(製造方法)
上記条件を満たす圧電体素子およびインクジェット式記録ヘッドの製造方法について図4および図5を参照して説明する。
上記条件を満たす圧電体素子およびインクジェット式記録ヘッドの製造方法について図4および図5を参照して説明する。
ゲル製造工程: この工程は圧電体層のゲルである金属アルコキシド溶液を製造する工程である。圧電性セラミックスを含んだゲルとしては、酢酸系溶液やアルコールアミン系溶液が挙げられる。それらの製造工程は種々に考えることができるが以下に例示する。
酢酸系溶液を作るための工程の概略を説明する。まず酢酸鉛・三水和物(Pb(CH3COO)2・3H2O)、ジルコニウムアセチルアセトナート(Zr(CH3COCHCOCH3)4)および酢酸マグネシウム・三水和物(Mg(CH3COO)2・3H2O)を、酢酸を溶媒として攪拌する。初期は室温で攪拌し、次いで100℃程度の雰囲気下で10分から20分間程度攪拌し、室温下で冷却する。次いでチタニウムテトライソプロポキシド(Ti(O−i−C3H7)4)およびペンタエトキシニオブ(Nb(OC2H5)5)を加えて攪拌する。さらにブトキシエタノール(C4H9OC2H4OH)を加えて室温下で5分間程度攪拌する。次いで3%塩酸アルコールを加えて室温下で5分間程度攪拌する。さらにアセチルアセトン(CH3COCH2COCH3)を加えて室温にて60分間程度攪拌する。最後にポリエチレングリコール(HO(C2H4)nH)を加えて室温下で5分間程度攪拌する。
上記過程において、圧電性セラミックス材料(溶媒)のモル濃度を0.7mol/l乃至1.5mol/lになるように調整してゾルを製造することが重要である。この範囲より低いモル濃度で製造すると(001)面方位の柱状結晶粒において結晶軸の傾きが十分に得られない。またこの範囲より高いモル濃度で製造するとクラック等が発生しやすい。溶媒として使用するポリエチレングリコールは圧電性セラミックス1molに対して0.15mol以上で0.5mol以下程度含有させる。0.15molより低いモル濃度であるとクラックが発生し易く、0.5molより高いモル濃度であると(001)面方位の柱状結晶粒において結晶軸の傾きが十分に得られないからである。
アルコールアミン系溶液を作る工程の概略を説明する。まずチタニウムテトライソプロポキシド(Ti(O−i−C3H7)4)およびペンタエトキシニオブ(Nb(OC2H5)5)を溶媒としてブトキシエタノール(C4H9OC2H4OH)を加えて室温下で10分間程度攪拌する。さらにジエタノールアミンを加えて室温で10分間程度攪拌する。次いで酢酸鉛・三水和物(Pb(CH3COO)2・3H2O)、ジルコニウムアセチルアセトナート(Zr(CH3COCHCOCH3)4)および酢酸マグネシウム・三水和物(Mg(CH3COO)2・3H2O)を加えて攪拌する。前半は75℃程度の温度で30分間程度攪拌し、後半は室温にて30分程度冷却する。最後に、ポリエチレングリコール(HO(C2H4)nH)を加えて室温下で10分間程度攪拌する。圧電性セラミックス材料のモル濃度とポリエチレングリコールのモル濃度については上記酢酸系溶液と同様である。以上の工程によってアルコールアミン系溶液が完成する。
絶縁膜形成工程(図4(a)): 本絶縁膜形成工程は、圧力室基板の基礎となるシリコン基板20に絶縁膜31を形成する工程である。シリコン基板20は、例えば200μm程度の厚みで、絶縁膜31は酸化シリコンを1μm程度の厚みで形成する。絶縁膜の製造には、公知の熱酸化法等を用いる。
下部電極形成工程(図4(b)): 下部電極形成工程では絶縁膜31の上に下部電極32を形成する工程である。下部電極32は、例えば、チタン層、酸化チタン層、チタン層、白金層、チタン層を0.01μm、0.01μm、0.005μm,0.5μm、0.005μmの厚みで積層する。これら層の製造は、公知の直流スパッタ法等を用いる。
圧電体層形成工程(図4(c)(d)): 圧電体層形成工程は、前記ゾルを用いて上部電極32上に本発明の圧電体層41を形成する工程である。薄膜層の形成を繰り返して薄膜層を所定層数積層し圧電体層41にする。
各薄膜層の形成工程を説明する。上記のようにして作成したゲルを一定の厚みに塗布する。塗布する厚みは100nm以上であって250nm以下程度にすることが好ましい。ある程度以上の厚みに塗布しなければ積層に要する処理の回数が多くなり過ぎてスループットが得られないからである。また余りに厚く塗布するとできあがった圧電体層が厚くなりすぎ、製造時にクラック等を発生してしまうからである。
例えば、公知のスピンコート法を用いる場合には、毎分500回転で10秒、毎分1500回転で30秒、最後に毎分500回転で10秒間塗布する。塗布後、一定温度(例えば180度)で一定時間(例えば10分程度)乾燥させる。乾燥により水分や分子量の小さい有機物が蒸発する。乾燥後、さらに大気雰囲気下において所定の高温(例えば400度)で一定時間(30分間)脱脂する。脱脂により金属に配位している有機の配位子が熱分解され、金属が酸化されて金属酸化物の薄膜層411となる(図4(c))。この塗布→乾燥→脱脂の各工程をさらに所定回数、例えば4回繰り返して4層の薄膜層411〜414を積層する(図4(d))。
アルコールアミン系溶液を4層重ねた後には、さらに圧電体層の結晶化を促進し圧電体としての特性を向上させるために、所定の雰囲気下で高速熱処理(RTA)する。例えば4層積層後、酸素雰囲気下において650℃で5分間、さらに900℃で1分間加熱する。この高速熱処理によりペロブスカイト結晶構造が形成されるが、そのときに発生する応力によって(001)面方位の結晶軸方向が下部電極の法線方向に対して若干傾くことになる。
さらにこれら薄膜層の積層と高速熱処理を繰り返していく。高速熱処理は、例えば8層薄膜層を積層する場合には、4層目と8層目の薄膜層を形成後に行う。
8層目の高速熱処理では温度条件を変え、650度で5分間、さらに900度で1分間熱処理する。
8層目の高速熱処理では温度条件を変え、650度で5分間、さらに900度で1分間熱処理する。
上部電極形成工程(図4(e)): 上部電極形成工程は圧電体層41の上にさらに上部電極42を形成する工程である。上部電極の材料は、白金(Pt)等を用い、形成方法には電子ビーム蒸着法、スパッタ法等の技術を用いる。厚みは100nm程度にする。
エッチング工程(図5(a)): エッチング工程は、振動板膜30(31,32)上の積層構造(411〜41n)を、各キャビティ21に合わせた形状になるようマスクし、その周囲をエッチングする工程である。エッチングの前準備として、まずスピンナー法、スプレー法等の方法を用いて均一な厚さのレジスト材料を上部電極42上に塗布する。次いでマスクを圧電体素子の形状に形成してから露光し現像し、レジストを圧電体素子の形状に残す。エッチング法としては、通常用いるウェットエッチングやドライエッチング法を適用する。レジストが残された上部電極上からエッチングすることにより、圧電体素子とする領域以外の上部電極および圧電体層を除去し、圧電体素子40を形成する。
圧力室形成工程(図5(b)): 圧力室形成工程は、圧力室基板にキャビティを形成する工程である。エッチングしてキャビティ21を形成する。例えば、異方性エッチング、平行平板型反応性イオンエッチング等の活性気体を用いた異方性エッチングを用いて、圧電体素子40が形成された圧力室基板20の他方の面をエッチングする。エッチングされて基板材料が除去された部分がキャビティ21になり、エッチングされずに残された部分が側壁22になる。
ノズル板貼り合わせ工程(図5(c)): ノズル板貼り合わせ工程はノズル板を圧力室基板20に貼り合わせる工程である。ノズル板10を貼り合わせる接着剤としては樹脂等を用いる。貼り合わせのときに各ノズル穴11がキャビティ21各々の空間に対応して配置されるよう位置合せする。ノズル板10の貼り合わせられた圧力室基板20を筐体25に取り付け(図2参照)、インクジェット式記録ヘッド1を完成させる。なお、ノズル板10を貼り合わせる代わりに、圧力室基板とノズル板とを一体的に形成してもよい。すなわち単一のシリコン基板をキャビティ形状にエッチングしてノズル板に相当する部材と圧力室基板としての形状を同時に形成する。そしてエッチング後にノズル板に相当する部分にノズル穴を穴開けする。これらの工程により、ノズル板を貼り合わせることなくインクジェット式記録ヘッドを製造できる。
上記したように本実施形態によれば、(001)面方位を有する柱状結晶粒の結晶軸方向が下部電極面の法線方向から一定角傾いている構造を備えているので、この圧電体層により構成された圧電体素子は低い駆動電圧において従来品より高い圧電特性を示し高い電気機械変換作用を示す。
(その他の変形例)
本発明は、上記各実施形態によらず種々に変形して適応することが可能である。例えば、本発明の圧電体素子は、上記同一の結晶方位の条件を満たすものであれば、他の製造方法によって製造されるものであってもよい。(001)面方位の結晶粒の大部分が電場と一定方向をなしていれば、低電圧において高い圧電特性を示す圧電体素子およびインクジェット式記録ヘッドを提供できる。
本発明は、上記各実施形態によらず種々に変形して適応することが可能である。例えば、本発明の圧電体素子は、上記同一の結晶方位の条件を満たすものであれば、他の製造方法によって製造されるものであってもよい。(001)面方位の結晶粒の大部分が電場と一定方向をなしていれば、低電圧において高い圧電特性を示す圧電体素子およびインクジェット式記録ヘッドを提供できる。
また本発明の圧電体素子は、上記インクジェット式記録ヘッドのみならず、不揮発性半導体記憶装置、薄膜コンデンサ、パイロ電気検出器、センサ、表面弾性波光学導波管、光学記憶装置、空間光変調器、ダイオードレーザ用周波数二倍器等のような強誘電体装置、誘電体装置、パイロ電気装置、圧電装置、および電気光学装置の製造に適応することができる。すなわち本発明の圧電体素子は低電圧において高い圧電特性を示すために、高い変位が必要な装置や電源電圧が低い携帯用の装置等に適するからである。
アルコールアミン系溶液を用いて上記製造方法により本発明のPZT素子を製造したので、その特性を以下に説明する。従来例として、同じアルコールアミン系溶液において、圧電性セラミックス溶媒のモル濃度を0.7mol%にして製造したPZTを示す。
図7は、X線回折法(広角法)により測定した本発明の圧電体素子のX線スペクトルである。図7から判るように、圧電体層41は(111)面方位と(001)面方位の結晶が大部分を占めている。これらの面方位を有する柱状結晶粒の挙動が圧電体素子の電圧依存性を決定する。
図8は本発明の圧電体素子における(111)面方位の柱状結晶粒の結晶軸方向を下部電極面の法線方向となす角度で示したものであり、図9は本発明の圧電体素子における(001)面方位の柱状結晶粒の結晶軸方向を下部電極面の法線方向となす角度で示したものである。両図とも正極点図測定法で測定したものである。横軸は下部電極面の法線方向と結晶軸方向のなす角度を示し、縦軸は反射X線のカウント数、つまり結晶構造の存在率に対応している。図8から判るように(111)面方位の柱状結晶粒では結晶軸がほぼ下部電極面の法線方向と平行、すなわち電場の方向に平行になっているものがほとんどである。これは従来の圧電体素子における(111)面方位の結晶軸方向と同じである。(111)面方位の結晶粒では結晶軸方向が変化しないことが判る。一方図9から判るように(001)面方位の柱状結晶粒では結晶軸が下部電極面の法線方向から5度乃至20度程度傾いているものが多数を占める。すなわち分極軸が電場の方向から所定角傾いていることが確認された。
図10および図11に本発明の圧電体素子における下部電極と圧電体層との界面付近の高分解能断面TEM写真から模写した図を示す。図10では下部電極であるPtとの界面近傍において結晶軸(分極軸)が垂直の部分があるが、その上部から傾いている様子が判る。垂直層の存在が確認された。図11では下部電極であるPtとの界面付近に格子欠陥が存在し結晶構造が判然としない。この部分では多くの格子欠陥の存在によって整った結晶構造となることが妨げられて低誘電率を示す層になっている。低誘電層の存在が確認された。
表1に、本発明の圧電体素子における(001)面方位の柱状結晶粒について、平面TEMにおける電子回折の暗視野写真に基づいて測定した結晶軸の傾きと確認できた結晶粒の数Nおよびその平均粒径Dとの関係を示す。
表1から判るように、(001)面方位の柱状結晶粒中に存在する結晶粒は5度から15度の範囲において多く見られる。またその範囲において結晶粒の平均粒径が、(111)面方位の柱状結晶粒中に存在する結晶粒の平均粒径120nmに比べ大きくなっていることが判る。これは図9における分析結果を裏付けるものである。
図12は圧電体素子の電気機械変換特性を示すバロメータになる圧電d定数の電圧依存性を測定したものである。つまり圧電体素子に印加する電圧を増加させながら圧電体素子の圧電d定数を測定したものである。図12から判るように、本発明の圧電体素子では5V〜7V程度の印加電圧において、従来品の圧電体素子の最高値に達し、4V〜17Vの広い範囲で従来品より高い圧電d定数を示している。すなわち従来品より低い駆動電圧で従来品と同程度の圧電特性を示し、従来品よりも広い駆動電圧範囲で従来品より高い圧電特性を示している。このことから本発明の圧電体素子が低電圧駆動に適し、しかも上記範囲に駆動電圧を設定する限り高い変位を生ずることが確認できる。よってこのような圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッドは従来品より低い駆動電圧で従来品と同等のインク量を吐出でき、さらに一定の駆動電圧範囲で従来品より多量のインクを吐出できることになる。
本発明によれば、(001)面方位の結晶粒における結晶軸方向を下部電極面の法線方向から所定角傾けるように形成したので、従来品より低い電圧で良好な圧電特性を示す圧電体素子を提供することができる。また一定の電圧範囲で従来品より高い圧電特性を示す圧電体素子を提供することができる。
本発明によれば、(001)面方位の結晶粒における結晶軸方向を下部電極面の法線方向から所定角傾けるように形成した圧電体素子を備えたので、低電圧において良好にインクを吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを提供することができる。また一定の電圧範囲で従来品より高い吐出性能を示すインクジェット式記録ヘッドを提供することができる。
本発明の圧電体素子の製造方法によれば、溶媒のモル濃度を調整することにより、(001)面方位の結晶粒における結晶軸方向を調整することができる。
本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造方法によれば、溶媒のモル濃度を調整することにより、(001)面方位の結晶粒おける結晶軸方向を調整した高性能の圧電体素子を含んだインクジェット式記録ヘッドを製造できる。
1…インクジェット式記録ヘッド、10…ノズル板、20…圧力室基板、21…圧力室(キャビティ)、30…振動板、32…下部電極、40…圧電体素子、41…圧電体層、411〜41n…薄膜層、42…上部電極。
Claims (13)
- 下部電極および上部電極の間に結晶化された圧電体層を備える圧電体素子において、
前記圧電体層を構成する結晶のうち(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が前記下部電極面の法線方向から所定角傾いていることを特徴とする圧電体素子。 - 前記結晶軸方向と前記下部電極面の法線方向とのなす角度が5度以上であって20度以下傾いている請求項1に記載の圧電体素子。
- 前記(001)面方位の柱状結晶粒は、前記下部電極の近傍に5nm以下の厚みの低誘電層を備えている請求項1に記載の圧電体素子。
- 前記(001)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が、前記下部電極と当該結晶粒との界面から所定距離の範囲において前記下部電極面の法線方向と平行になっている請求項1に記載の圧電体素子。
- 前記結晶軸方向が前記下部電極面の法線方向と平行になる所定距離は、当該結晶粒と前記下部電極との界面から15nm以下の範囲である請求項4に記載の圧電体素子。
- 前記圧電体層を構成する結晶のうち(111)面方位の柱状結晶粒における結晶軸方向が、前記下部電極面の法線方向と略平行になっている請求項1に記載の圧電体素子。
- 前記(001)面方位の柱状結晶粒が(111)面方位の柱状結晶粒より平均の粒径が大きな結晶粒を備えている請求項1に記載の圧電体素子。
- 前記圧電体層は、ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O3:PZT)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La)TiO3)、ジルコニウム酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr、Ti)O3:PLZT)またはマグネシウムニオブ酸ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr、Ti)(Mg、Nb)O3:PZT−PMN)のうちいずれかの圧電性セラミックスを含む請求項1に記載の圧電体素子。
- 圧力室基板に設けられた圧力室に体積変化を生じさせることによって前記圧力室に設けられたノズルからインクを吐出可能に構成されたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記圧力室に体積変化を生じさせる駆動手段として請求項1乃至請求項8に記載された圧電体素子を備えたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 電気機械変換作用を示す圧電体素子を製造するための圧電体素子の製造方法であって、
圧電性セラミックスのモル濃度が0.7mol/l乃至1.5mol/lになるように調整したゾルを使用して下部電極および上部電極の間に挟持するための圧電体層を形成する工程を備えることを特徴とする圧電体素子の製造方法。 - 前記ゾルは、圧電性セラミックス1molに対してポリエチレングリコールを0.15mol以上で0.5mol以下含有させて生成したものである請求項10に記載の圧電体素子の製造方法。
- 前記圧電体層を形成する工程では、所定の厚みに前記ゾルを塗布する塗布工程と、塗布された前記ゾル体を乾燥させ脱脂する乾燥・脱脂工程と、により各前記薄膜層を形成し、さらに当該薄膜層を一定総数積層するたびにこれら一定数積層された薄膜層に高速高温熱処理を施して結晶化させる請求項10に記載の圧電体素子の製造方法。
- 圧力室基板に設けられた圧力室に体積変化を生じさせることによって前記圧力室に設けられたノズルからインクを吐出可能に構成されたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記圧力室基板に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の圧電体素子の製造方法により圧電体素子を形成する工程と、
前記圧電体素子を前記圧力室に体積変化を生じさせることが可能な形状に整形する工程と、
前記圧力室基板に前記圧力室を形成する工程と、を備えたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
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