JP5865410B2 - 圧電素子、圧電アクチュエータおよびインクジェット式記録ヘッド - Google Patents

圧電素子、圧電アクチュエータおよびインクジェット式記録ヘッド Download PDF

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Description

本発明は圧電素子、圧電素子の製造方法、前記圧電素子を用いた圧電アクチュエータおよびインクジェット式記録ヘッドに関する。
圧電素子は、通常、下部および上部電極とこれらの電極によって挟持された強誘電性あるいは常誘電性の結晶化した圧電性セラミックスにより構成されている。圧電性セラミックスは、チタン酸ジルコニウム酸鉛(以下「PZT」という)のような鉛系の圧電セラミックスが一般的である。例えば、PZTを用いた強誘電体が、非特許文献1に記載されている。
薄膜状の圧電体を用いた圧電素子の用途例として、インクジェット式記録ヘッドがある。この用途に用いられる圧電薄膜が充分な電気機械変換機能(変位を促す圧力)を発現するためには1μm乃至25μm程度の膜厚が必要である。
これら圧電薄膜の製法としては、スパッタリング法、有機金属気相成長法(MOCVD法)、ゾルゲル法などが挙げられる。ゾルゲル法は、薄膜の前駆体となる各金属成分を含有する溶液または分散液を基板に塗布し、その塗膜を加熱して金属酸化物の膜を形成し、さらにその金属酸化物を結晶化温度以上で焼成して結晶化させることにより成膜する方法である。
一般に、塗布溶液に含有される金属成分が加水分解性の金属化合物であるとゾルゲル法と呼ばれ、熱分解性の金属化合物であると有機金属分解法(MOD法)と呼ばれる。本発明においてはゾルゲル法、MOD法、およびこれらが混合された方法も含めて「ゾルゲル法」と称する。ゾルゲル法は安価、簡便に圧電薄膜を成膜できる利点がある。
ゾルゲル法により成膜されたPZT圧電素子を用いたインクジェット式記録ヘッドが開示されている。たとえば、特許文献1および特許文献2では、ゾルゲル法により下部電極上に2μm乃至10μmの膜厚のPZT圧電薄膜を積層し、所望の工程を行うことでインクジェット式記録ヘッドを形成する方法が開示されている。
一方、環境配慮の観点から組成中に鉛成分を含まない圧電性セラミックスの開発が進められている。例えば、特許文献3では巨大圧電性を示すニオブ酸系の金属酸化物が開示されている。しかし、インクジェット式記録ヘッドに適用できるような薄膜系の非鉛圧電材料の報告はいまだ乏しい。例えば非特許文献2には、ゾルゲル法により単結晶基板上にエピタキシャル成長させたニオブ酸カリウム薄膜が開示されている。
その他には、アモルファス基板上に成膜した透明ニオブ酸カリウム薄膜(特許文献4)やゾルゲル法によるニオブ酸誘電体被膜の製造方法(特許文献5)が開示されている。これらの開示例は圧電用途ではなく光導波路などへの応用を意図した極薄膜であるので、圧電アクチュエータに応用するためには、成膜と結晶化を繰り返して膜厚を少なくとも1μm以上にする必要がある。
しかしながら、薄膜セラミックスは比表面積が大きいため、結晶化工程において蒸気圧の大きい成分、例えばアルカリ金属成分、が蒸発してしまう。すなわち、結晶化を繰り返すことで膜中の組成が所望の値と異なってくるという問題があった。この問題のため、アルカリ金属成分を含む非鉛系の薄膜では大きな圧電性の材料が得られていなかった。
米国特許第5,265,315号 特表平5−504740号公報 特開2003−012373号公報 特開平9−100125号公報 特開平10−297908号公報
"Applied Physics Letters"、1991年、第58巻、第11号、p.1161から1163 "Journal of the American Ceramic Society"、1994年、第77巻,第3号、p.820から828
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、アルカリ金属を含有する非鉛系の金属酸化物からなり、変位が大きく、連続駆動に対して変位量の劣化が少ない圧電特性に優れた圧電素子及びその製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の圧電素子を用いた圧電アクチュエータおよびインクジェット式記録ヘッドを提供するものである。
上記の課題を解決するための圧電素子は、一般式ABO(但し、Aは少なくともアルカリ金属を含む金属、Bは遷移金属を表す。)で表現されるペロブスカイト構造を持ちAサイトにアルカリ金属を含む非鉛系の圧電体と、該圧電体を挟持する一対の金属酸化物電極と、を有する圧電素子において、
前記金属酸化物電極がSrRuOおよびLaNiOの少なくとも一方とアルカリ金属を含有し、前記圧電体および金属酸化物電極を形成する金属酸化物の結晶が同一の方向に配向しており、
前記圧電体の劈開断面における圧電体部分の平均の(Na+K)/Nb比は1.08以上1.11以下であり、
前記圧電体の上部電極近傍および前記圧電体の下部電極近傍でのカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の中央部と比べて相対的に高いことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための圧電アクチュエータは、上記の圧電素子と振動板を有することを特徴とする。
また、上記の課題を解決するためのインクジェット式記録ヘッドは、インク吐出口と、該インク吐出口に連通する圧力室と、前記圧力室の外部に設けられた上記の圧電アクチュエータを有し、前記圧電アクチュエータの振動板の振動により、前記圧力室の内部の体積が変化して前記インク吐出口からインクを吐出することを特徴とする。
本発明によれば、アルカリ金属などの製造過程で蒸発しやすい成分を含んだ金属酸化物を用いた、変位が大きく、連続駆動に対して変位量の劣化が少ない圧電特性に優れた圧電素子を提供することができる。
また、本発明によれば、変位量制御の容易な圧電アクチュエータを提供することができる。
さらに、本発明によれば、長時間駆動に適したインクジェット式記録ヘッドを提供することができる。
本発明の圧電素子の実施形態の1例を示す縦断面模式図である。 本発明の圧電素子を用いた圧電アクチュエータの実施形態の1例を示す縦断面模式図である。 本発明による圧電素子をアクチュエータに用いたインクジェット式記録ヘッドの一部を拡大して示した縦断面模式図である。 本発明の実施例で作製した圧電アクチュエータの1例の一部を拡大して模式的に示した斜視図である。 本発明の実施例で作製した圧電アクチュエータの1例の一部を拡大して模式的に示した縦断面図である。 本発明の実施例7で作製したインクジェット式記録ヘッドの1例の一部を拡大して模式的に示した縦断面図である。 本発明の実施例7で作製したインクジェット式記録ヘッドの1例の一部を拡大して模式的に示した斜視図である。 本発明の実施例1における圧電素子の製造方法を示す工程図である。 本発明の実施例2における圧電素子の製造方法を示す工程図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明に係る圧電素子は、一般式ABO(但し、Aは少なくともアルカリ金属を含む金属、Bは遷移金属を表す。)で表現されるペロブスカイト構造を持ちAサイトにアルカリ金属を含む圧電体と、該圧電体を挟持する一対の金属酸化物電極と、を有する圧電素子において、該金属酸化物電極がアルカリ金属を含有していることを特徴とする。
図1は、本発明に係る圧電素子の実施形態の1例を示す縦断面模式図である。図中の1は基板、2は下部電極、3は圧電体、4は上部電極を示している。
基板1の材質は特に限定されないが、下部電極2、圧電体3、上部電極4を設置する際の加熱工程において変形、溶融しない材質が好ましい。加熱工程は通常850℃以下で行われる。
また、本発明の圧電素子を用いてインクジェット式記録ヘッドを製造する際には、基板1が圧力室を形成するための圧力室基板を兼ねていてもよい。また、本発明の圧電素子を用いて超音波モータのような本発明の圧電アクチュエータを製造する際には、基板1が振動板を兼ねていても良い。例えば、このような目的ではシリコン(Si)やタングステン(W)などからなる半導体基板や耐熱ステンレス(SUS)基板が好ましく用いられるが、ジルコニアやアルミナ、シリカなどのセラミックを用いても構わない。また、これらの材料を複数種類組み合わせてもよいし、積層して多層構成として用いてもよい。下部電極2への電子の注入や取出を補助する目的で、白金、パラジウムなどの金属層と組み合わせて積層して用いてもよい。
本発明において圧電体3は、アルカリ金属を含有する圧電性の金属酸化物よりなる。本発明における「アルカリ金属」とはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムを指す。前記アルカリ金属がカリウムおよびナトリウムの少なくとも一方を含むことことが好ましい。
アルカリ金属は、金属単体の形態で含有されていても良いし、金属酸化物に固溶された形態で含有されていても良い。
圧電性を示す金属酸化物としては、ペロブスカイト型、タングステンブロンズ型、ビスマス層状構造型などの結晶構造を有する金属酸化物が挙げられる。このうち、より大きな圧電性を期待できる結晶構造として好ましいのは、ペロブスカイト型の金属酸化物である。なお、本発明でのペロブスカイト型酸化物とは、理化学辞典(岩波書店発行)に記載されているように理想的には立方晶構造であるペロブスカイト型構造を持つ酸化物である。ペロブスカイト型構造を持つ金属酸化物は一般式ABOで表され、本発明における圧電体3は、圧電結晶の主成分としてAサイトにアルカリ金属を含有していることが好ましい。加えて、ドーピング成分としてアルカリ金属を含有していても良い。
圧電結晶の主成分としてAサイトにアルカリ金属を含有する圧電性の金属酸化物の例としては、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸リチウムといったニオブ酸塩系金属酸化物およびこれらの固溶体、チタン酸ビスマスナトリウムに代表されるBNT系金属酸化物などがある。ニオブ酸塩系およびBNT系金属酸化物は、ペロブスカイト型の結晶構造を有する。
前記圧電体3のAサイトに含まれるアルカリ金属としてはKおよびNaの1種または2種が好ましい。Bは遷移金属を表し、遷移金属としてはNbやTiなどの金属原子が好ましいが、特に制限は無い。
また、本発明において圧電体3は、一般式(K1−xNa)NbO(但し、xは0≦x<1である。)で表される金属酸化物(以下、KNN金属酸化物)を主成分とすることが好ましい。上記一般式に記載されたxは0≦x<1の組成範囲の値であり、更にxが0.2≦x≦0.7の範囲の値であると、より高い圧電性を有するペロブスカイト結晶が得られる。KNN金属酸化物は、強誘電体であるニオブ酸カリウムと反強誘電体であるニオブ酸ナトリウムの固溶体でありPZTと類似した構造であるため高い圧電性を示す。
また、KNN金属酸化物よりなる圧電体3はNbの一部がTaとSbの少なくとも一方で置換されていても良い。その場合の一般式は(K1−xNa)(Nb1−y−zTaSb)Oで表される。上記一般式に記載されたxの値は0≦x<1の範囲の値を、yは0≦y≦0.4の範囲の値を、zは0≦z≦0.2の範囲の値を取る。より好ましくは、xは0.2≦x≦0.7の範囲の値を、yは0≦y≦0.3の範囲の値を、zは0≦z≦0.1の範囲の値を取る。上記NbとTaの組成におけるTaの組成yの値、NbとSbの組成におけるSbの組成zの値を上記の範囲にすることで、より高い圧電性を有するペロブスカイト結晶が得られる。
また、圧電体3はK、Na、Nb、Ta、Sb以外の微量の元素でドーピングを行っても良い。圧電性を高めるために好ましいドーピングを行う場合にドーパントとして用いることのできる元素の具体的な例としてはAg、Al、Au、B、Ba、Bi、Ca、Ce、Co、Cs、Cu、Dy、Er、Eu、Fe、Ga、Gd、Ge、Hf、Ho、In、Ir、La、Li、Lu、Mg、Mn、Nd、Ni、Pb、Pd、Pr、Pt、Rb、Re、Ru、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Tb、Ti、Tm、V、Y、Yb、Zn、Zrなどの元素を挙げることができる。そのドープ量は、一般式(K1−xNa)(Nb1−y−zTaSb)O(式中、0≦x<1、0≦y≦0.4、0≦z≦0.2)における金属原子の総原子数を2としたときの原子分率で0.001以上0.1以下であることが好ましい。
また、本発明において、圧電体3は膜状であり、その膜厚は1μm以上5μm以下、好ましくは1μm以上3μm以下の範囲内であることが望ましい。圧電体3の膜厚を1μm以上とすることで圧電素子として充分な電気機械変換機能を得られるとともに、5μm以下とすることで圧電素子の高密度化を期待できる。但し、微細な圧電素子の用途、例えばナノ電気機械システム(NEMS)におけるアクチュエータ、であれば、圧電体3の膜厚は0.05μm以上1μm以下であってもよい。
本発明において下部電極2と上部電極4の少なくとも一方は、導電性の金属酸化物よりなる。下部電極2と上部電極4のいずれも導電性の金属酸化物よりなるのが好ましい。導電性の金属酸化物の種類は特に制限されず、酸化錫、酸化バナジウム、酸化インジウム錫などを例示できるが、導電性のペロブスカイト型酸化物であるとより好ましい。更に、電極材料がSrRuO(以下、SRO)およびLaNiO(以下LNO)の少なくとも一方と、アルカリ金属を含有することが、より好ましい。
導電性の酸化物よりなる電極と圧電体3がいずれもペロブスカイト型酸化物であると、接触界面における結晶格子の整合性が高まり、圧電性および駆動耐久性の向上を期待できる。また、電極材料をSROまたはLNOとすることで結晶格子の整合性のみならず電極の導電性も高まる。
また、金属酸化物電極は圧電体3との接触界面近傍に、アルカリ金属成分を含有している。アルカリ金属成分の種類は、圧電体3に含まれるアルカリ金属成分と異なっていても良いが、共通成分が多いほど好ましい。酸化物電極が圧電体3との接触界面近傍にアルカリ金属成分を含有していると、圧電体3に含まれるアルカリ金属の消失防止効果がある。そうすることによって、本発明の圧電素子を駆動させた時の耐久性向上が期待できる。
なお、本発明での接触界面近傍とはある構成部材における別の部材との接触面に近い領域を意図している。領域の範囲は特に定めないが、平坦な膜状の部材である場合、接触面側の部材厚みにして5%程度の領域を接触界面近傍と呼ぶ。ただし、本発明の酸化物電極が接触界面近傍でない領域にもアルカリ金属成分を含んでいても何ら不都合はない。
本発明の導電性酸化物よりなる電極に含まれるアルカリ金属成分は、カリウムおよびナトリウムの少なくとも一方を含んでいると、より好ましい。カリウムおよびナトリウムはアルカリ金属の中でも圧電体3の圧電性に寄与する効果の高い元素でありながら、蒸発温度が比較的低い。よって、電極がカリウムおよびナトリウムの少なくとも一方を含んでいると、より効果的に圧電体3の圧電性の低下を抑えることができる。
本発明の導電性酸化物よりなる電極に含まれるアルカリ金属成分の含有量は特に制限されないが、例えば導電酸化物における酸素原子の総原子数を3としたときの原子分率で0.001以上0.15以下であることが好ましい。アルカリ金属成分の含有量が原子分率で0.001未満であると本発明の効果である蒸発防止効果が弱まるおそれがある。一方、アルカリ金属成分の含有量が原子分率で0.15を越えると電極としての機能が低下するおそれがある。
本発明の導電性酸化物にアルカリ金属が含まれていることを確認する手法は任意である。例えば、圧電素子の表面からドライエッチングなどの手法で構成部材を除去しながら組成分析を行っても良いし、圧電素子の劈開断面において組成分析の二次元マッピングを行っても良い。固体試料に対する組成分析の手法としては、X線光電子分光分析(ESCAまたはXPS)、電子顕微鏡観察におけるエネルギー分散型X線検出(EDX)、オージェ電子分光分析(AES)、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)などが挙げられる。
本発明において、圧電体および電極を構成する金属酸化物の結晶は同一の方向に配向しているのが好ましい。いずれも酸化物よりなる電極と圧電体3が同一方向に配向していることで、両部材の接触界面における結晶格子の整合性が高まり、圧電性および駆動耐久性の向上を期待できる。なお、配向とは特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態を表す。
また下部電極2、上部電極4のいずれか一方が導電性の酸化物でない場合、その材料は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであればよい。例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Niなどの金属や導電性カーボンを挙げることができる。電極は、これらのうちの1種からなるものであっても、あるいはこれらの2種以上を混合または積層してなるものであってもよい。
本発明の圧電素子における下部電極2、上部電極4の層厚は特に制限されないが、例えば10nm乃至5000nm程度の層厚であれば電極としての機能を満足する。アルカリ金属の蒸発防止の効果を満足に得るためには、50nm乃至5000nm程度の層厚があると、より好ましい。
また下部電極2、上部電極4とも所望の形状にパターニングして用いても良い。
また、本発明の圧電体3は、少なくともいずれか一方の電極との接触界面近傍において、圧電体3の平均組成より多くアルカリ金属成分を有していると、より好ましい。圧電体3が電極との接触界面近傍で平均値より高いアルカリ金属濃度を有していると、本発明の圧電素子を駆動させた時にアルカリ金属成分の欠乏を抑止できるので、圧電素子の耐久性向上が期待できる。
次に、本発明の圧電素子の製造方法について説明する。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、アルカリ金属を含む圧電体前駆体と該圧電体前駆体を挟持する一対の電極前駆体との積層体を圧電体の結晶化温度以上で焼成して圧電素子を得る圧電素子の製造方法であって、圧電体前駆体に対して、少なくとも1つの金属酸化物電極前駆体をゾルゲル法により圧電体の結晶化温度以下で積層して積層体を得て、該積層体を焼成することを特徴とする。
前記積層体を加熱して圧電体前駆体を結晶化させることが好ましい。
前記金属酸化物電極前駆体がアルカリ金属を含有していることが好ましい。
前記圧電体が一般式(K1−xNa)NbO(但し、xは0≦x<1である。)で表される金属酸化物であることが好ましい。
本発明の圧電素子は、まず基板上にアルカリ金属を含有した圧電体前駆体と金属酸化物電極の前駆体を積層して積層体を得る工程を圧電体の結晶化温度以下で行い、積層後に積層体の圧電体前駆体を結晶化させる工程を有する手法により製造される。
圧電体前駆体を結晶化する前に上部電極を形成するための電極前駆体で覆うことで、後の加熱工程におけるアルカリ金属の蒸発を防止できる。ゆえに、所望の組成比に近い圧電体を得られるので、圧電体の圧電性向上を期待できる。また、圧電体前駆体と電極前駆体を同時に結晶化することで、両部材の界面整合性が高まり、圧電性および駆動耐久性の向上を期待できる。
また、電極前駆体はアルカリ金属を含有していると、より好ましい。電極前駆体がアルカリ金属を含有していることで、加熱工程におけるアルカリ金属の蒸発防止効果が高まる。加えて、圧電体のアルカリ金属が不足している部位にアルカリ金属を補填する効果も期待できる。その結果として、圧電体と電極の接触界面近傍でアルカリ金属が局所的に高濃度になりえるが、この状態は圧電素子の駆動耐久性向上に効果がある。
圧電体前駆体の積層および結晶化の方法は特に制限されないが、積層と結晶化を分離して行える成膜法が好ましい。積層方法は、例えば、ゾルゲル法(CSD法とも言う)、スパッタリング法、パルスレーザデポジション法(PLD法)、水熱合成法、エアロゾルデポジション法(AD法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)などが挙げられる。このうち、もっとも好ましい積層方法はゾルゲル法である。一方、電極前駆体の積層はゾルゲル法による。結晶化すると上部電極となる電極前駆体を、ゾルゲル法により圧電体前駆体と接するように積層すると、ゲルの状態で圧電体前駆体を覆うため、結晶化工程におけるアルカリ金属の蒸発防止効果が高まる。電極前駆体がアルカリ金属を含んでいた場合は、結晶化工程におけるアルカリ金属の補填効果が高まる。
一方、圧電体をゾルゲル法により製造すると、ゲル状態を経て結晶化するため他の手法と比べてアルカリ金属の損失量が少なくなる。また、圧電体と電極の両方をゾルゲル法で製造すると、アルカリ金属の損失量が更に少なくなる上に結晶格子の界面整合性も高まるので圧電素子の圧電性向上を期待できる。
本発明の圧電素子の製造方法において、ゾルゲル法の具体的な手法は特に限定されず、通常用いられる公知の手法でよい。KNN系金属酸化物の場合を例に取ると、K、Na、Nbの各金属成分を含む化合物、所望の場合は、Ta、Sb、その他各種ドーパントを含む化合物等の添加物を溶剤に溶解し、水を加え加水分解して塗布溶液とする。この塗布溶液を基板に塗布し、乾燥してゲル状の圧電体前駆体膜とし、電極と積層した後に圧電体の結晶化温度以上で焼成することにより、圧電性を有するKNN系金属酸化物膜を得ることができる。SrRuOまたはLaNiOといった電極材料の場合も、原料金属が変わるだけで手法は同様である。焼成は酸素を含む雰囲気中で通常のマッフル炉や赤外線加熱炉やマイクロ波加熱炉により行う。
次に、本発明の圧電アクチュエータについて説明する。本発明の圧電アクチュエータは上記の圧電素子と振動板を有することを特徴とする。
図2は、本発明の圧電素子を用いた圧電アクチュエータの実施形態の1例を示す縦断面模式図である。図中の1は基板、2は下部電極、3は圧電体、4は上部電極、5は振動板を示している。図2の構造において、振動板5は圧電素子のうち下部電極2と密着している。振動板5を形成する材料は特に限定されず、種々の金属材料や金属酸化物材料などが用いられる。
下部電極2と上部電極4の間に電圧を印加すると、圧電効果により圧電体3が変形する。この変形は、圧電素子に密着した振動板5の効果により増幅される。その結果、この圧電アクチュエータは基板1のくり抜かれた部分で大きく変動する。
次に、本発明のインクジェット式記録ヘッドについて説明する。
本発明のインクジェット式記録ヘッドは、インク吐出口と、該インク吐出口に連通する圧力室と、前記圧力室の外部に設けられた請求項12記載の圧電アクチュエータを有し、前記圧電アクチュエータの振動板の振動により、前記圧力室の内部の体積が変化して前記インク吐出口からインクを吐出することを特徴とする。
図3は、本発明の圧電素子をアクチュエータに用いたインクジェット式記録ヘッドの一部を拡大して示した縦断面模式図である。このインクジェット式記録ヘッドの構成は従来と同様であり、ヘッド基台7と、振動板5および圧電素子6と電源9からなるアクチュエータとから構成されている。圧電素子6は、圧電体3が下部電極2と上部電極4に挟持された構造を有する。
ヘッド基台7には、インクを吐出する多数のインク吐出口(ノズル)(図示せず)、それぞれのインクノズルに個別に連通する多数のインク経路(図示せず)、およびそれぞれのインク経路に個別に連通する多数の圧力室としてのインク室8が形成されている。ヘッド基台7の上面全体を覆うように振動板5が取り付けられ、この振動板5によってヘッド基台7の全てのインク室8の上面開口が閉塞されている。振動板5上には、それぞれのインク室8と個別に対応した位置に、振動板5に振動駆動力を付与するための圧電素子6が形成されている。そして、アクチュエータの電源9により、所望の選択された圧電素子6に電圧を印加することにより、圧電素子6を変形させて、その部分の振動板5を振動させる。これにより、振動板5の振動に対応した部分のインク室8の内部の体積が変化して、インク経路を通ってインクノズルからインクが押し出されて印刷が行われる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
前述の電極前駆体として、SrRuO(SRO)とLaNiO(LNO)の組成の電極作成用塗布液を作製した。電極前駆体を形成する塗布液については、A1液、B1液はアルカリ金属成分がドープされておらず、A2液、B2液はそれぞれアルカリ金属成分がドープされている。以下に溶液の組成を詳述する。
製造例1
(SrRuO塗布液の製造例)――A1液
SrRuOに相当する組成のストロンチウム−2,4−ペンタンジオナートとルテニウム−2,4−ペンタンジオナートを2−メトキシエタノール中で加熱溶解した。この溶液を希塩酸で加水分解して10質量%(酸化物換算濃度)のSRO電極前駆体塗布液(A1)を得た。
製造例2
(K、NaドープSrRuO塗布液の製造例)――A2液
前記A1液にSr/K/Na=1/0.1/0.04の金属組成となるようにカリウムエトキシドとナトリウムエトキシドを加え、常温で2時間撹拌してK、NaドープSRO電極前駆体溶液(A2)を得た。
製造例3
(LaNiO塗布液の製造例)――B1液
LaNiOに相当する組成の硝酸ランタン六水和物と硝酸ニッケル四水和物を2−メトキシエタノールと2−アミノエタノールの等重量混合溶媒中で加熱溶解した。この溶液を110℃で30分間還流して10質量%(酸化物換算濃度)のLNO電極前駆体塗布液(B1)を得た。
製造例4
(K、NaドープLaNiO塗布液の製造例)――B2液
前記B1液にLa/K/Na=1/0.1/0.04の金属組成となるようにカリウムエトキシドとナトリウムエトキシドを加え、常温で2時間撹拌してK、NaドープLNO電極前駆体溶液(B2)を得た。
製造例5
(K0.5Na0.5NbO塗布液の製造例)――C液
K/Na/Nb=0.55/0.55/1の金属組成に相当するカリウムエトキシドとナトリウムエトキシドとペンタエトキシニオブをエタノールと2−メトキシエタノールの等重量混合溶媒中で混合した。塗布液に含有するKとNaは、所望する圧電体組成に対して10%過剰となるよう調整した。この溶液を125℃で6時間還流して、K0.5Na0.5NbO(KNN)圧電体前駆体溶液(C)を得た。
以下に圧電素子の製造例を詳述する。本実施例においては以下の実施例1及び実施例2において説明される2つの製造例を挙げて説明する。
実施例1
(圧電素子の製造例)
図8は本実施例における圧電素子の製造方法を示す工程図である。図中の前駆体形成とは、前駆体の結晶化温度以下で前駆体膜を積層することを指している。
前記製造例の前駆体塗布液を用いて、SiO/Si型で構成される酸化膜付きシリコン基板のSiO層(約3μm厚)の表面に、一対の電極と圧電体を積層してなる圧電素子を形成した。
まず電極前駆体塗布液A1をスピンコータ(2000rpm)により上記のシリコン基板上に塗布した。この塗布層を420℃のホットプレートで10分間加熱して乾燥させて電極前駆体膜とした。更にこの電極前駆体膜を650℃の電気炉で10分間焼成してSRO下部電極を形成した。
このSRO下部電極の表面に、圧電体前駆体溶液Cをスピンコータ(2000rpm)により塗布した。この塗布層を420℃のホットプレートで10分間加熱して乾燥させて圧電体前駆体層とした。さらにC液の塗布、乾燥を19回繰り返して計20層よりなる圧電体前駆体層を得た。
この圧電体前駆体層の表面に、電極前駆体塗布液A1をスピンコータ(2000rpm)により塗布した。この塗布層を420℃のホットプレートで10分間加熱して乾燥させて電極前駆体膜とした。このようにして得た基板、下部電極、圧電体前駆体、上部電極前駆体の積層物を同時に650℃の電気炉で20分間焼成して本発明の圧電素子D1を得た。
X線回折装置RINT2100(理学電機社製;商品名)を用いて、圧電素子D1のX線回折測定を実施したところ、SRO酸化物のペロブスカイト型結晶およびKNN酸化物のペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。また、SRO電極、KNN圧電体ともに(110)配向を示していた。
この圧電素子D1の劈開断面について、走査型電子顕微鏡を用いて膜厚の測定を実施した。劈開断面の観察より求めた圧電体の膜厚は1.6μm(1層あたり80nm)であった。また、劈開断面においてX線組成分析を実施したところ、圧電体部分の(Na+K)/Nb比は平均1.08程度であり、塗布液に近い組成であることが確認できた。
また、圧電素子D1の断面をイオンミリング法により薄片化して、飛行時間型二次イオン質量分析装置TOF−SIMS IV(ION−TOF社製;商品名)を用いて断面各部位の組成分析を実施した。その結果、圧電体部分と上部電極の圧電体側部分においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。
また、ヒステリシス測定装置HVS−6000(Radiant社製;商品名)を用いて圧電素子D1の分極測定を行った。その結果、外部電場の大きさを正負に変化させることにより自発分極が反転するという強誘電体に特有の履歴曲線が観測された。この残留分極値+Prは20Vの電圧印加後で13μC/cmを示した。
このようなヒステリシス特性は記憶ユニットとして活用可能で、これらの圧電素子を複数併設し個別に電圧を印加できるようにすればメモリを構成することが可能である。本実施例ではホットプレートや電気炉を用いた乾燥や、焼成して結晶化させたが、もちろん乾燥や焼成する手段はこの限りではないことは言うまでも無い。
実施例2
(圧電素子の製造例)
図9は本実施例における圧電素子の製造方法を示す工程図である。
実施例1と同様にシリコン基板上にA1液をスピンコートにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて電極前駆体膜とした。実施例1と異なり、この時点で下部電極の結晶化は行わない。続いて、この電極前駆体膜の表面にC液をスピンコートにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて圧電体前駆体層とした。さらにC液の塗布、乾燥を24回繰り返して計25層よりなる圧電体前駆体層を得た。
この圧電体前駆体層の表面に、A1液をスピンコータにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて電極前駆体膜とした。このようにして得た基板、下部電極前駆体、圧電体前駆体、上部電極前駆体の積層物を同時に650℃の電気炉で30分間焼成して本発明の圧電素子D2を得た。実施例1と実施例2において説明した製造方法の違いは、下部電極を積層した時点で結晶化を行うかどうかである。なお上記の2つの実施例は、圧電体及び上部電極の積層を圧電体の結晶化温度以下で行い、積層後に結晶化する点は共通している。
圧電素子D2のX線回折測定を実施したところ、SRO酸化物のペロブスカイト型結晶およびKNN酸化物のペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。また、SRO電極、KNN圧電体ともに(110)配向を示していた。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は2.1μm(1層あたり84nm)であった。
また、圧電素子D2の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、圧電体部分および下部電極と上部電極の圧電体側部分においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。
実施例3
(圧電素子の製造例)
電極前駆体溶液を全てB1液に変更したことを除いては、実施例1と同様にして本発明の圧電素子D3を得た。
圧電素子D3のX線回折測定を実施したところ、LNO酸化物のペロブスカイト型結晶およびKNN酸化物のペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。また、LNO電極、KNN圧電体ともに(100)配向を示していた。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は1.6μm(1層あたり80nm)であった。
また、圧電素子D3の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、圧電体部分および上部電極の圧電体側部分においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。
実施例4
(圧電素子の製造例)
電極前駆体溶液を全てB1液に変更したことを除いては、実施例2と同様にして本発明の圧電素子D4を得た。
圧電素子D4のX線回折測定を実施したところ、LNO酸化物のペロブスカイト型結晶およびKNN酸化物のペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。また、LNO電極、KNN圧電体ともに(100)配向を示していた。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体薄膜D4の膜厚は2.1μm(1層あたり84nm)であった。
また、圧電素子D4の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、圧電体部分および下部電極と上部電極の圧電体側部分においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。
実施例5
(圧電素子の製造例)
下部電極用の電極前駆体溶液をA1、上部電極用の電極前駆体溶液をA2に変更したことを除いては、実施例1と同様にして本発明の圧電素子D5を得た。
圧電素子D5のX線回折測定を実施したところ、SRO酸化物のペロブスカイト型結晶およびKNN酸化物のペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。また、SRO電極、KNN圧電体ともに(110)配向を示していた。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は1.6μm(1層あたり80nm)であった。
また、圧電素子D3の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、圧電体部分および上部電極の圧電体側部分においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。また、圧電体の上部電極近傍でのカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の他の部分と比べて相対的に高いことも確認された。
実施例6
(圧電素子の製造例)
電極前駆体溶液を全てB2液に変更したことを除いては、実施例2と同様にして本発明の圧電素子D6を得た。
圧電素子D6のX線回折測定を実施したところ、LNO酸化物のペロブスカイト型結晶およびKNN酸化物のペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。また、LNO電極、KNN圧電体ともに(100)配向を示していた。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は2.2μm(1層あたり88nm)であった。また、劈開断面においてX線組成分析を実施したところ、圧電体部分の(Na+K)/Nb比は平均1.11程度であり、塗布液に近い組成であることが確認できた。
また、圧電素子D6の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、圧電体部分および下部電極と上部電極の圧電体側部分においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。また、圧電体の上部電極近傍および下部電極近傍でのカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の中央部と比べて相対的に高いことも確認された。
(圧電アクチュエータの製造例)
上記実施例1で得られた圧電素子D1のSiの一部を裏面よりエッチングすることで、図2に示すような構造の圧電アクチュエータE1を作製した(図4および図5参照)。Si層のエッチングは加熱撹拌したテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの22%水溶液中で行った。エッチングによってSi層がくり抜かれた箇所は、SiO/下部電極/圧電体/上部電極の層から構成されており、約3μmの膜厚を有するSiO層が振動板としての役割を担う。
得られた圧電アクチュエータE1の電極に交流10Vの電圧を印加し、レーザ・ドップラー速度測定器により検出した速度変化を積分して圧電アクチュエータの振動板の振幅を求めた。その結果、1〜10kHzの周波数域において0.8〜1.1μmの振幅を有する振動が振動板に与えられることが確認された。同様に、上記実施例2、3、4、5、6で得られた圧電素子D2、D3、D4、D5、D6を用いて、圧電アクチュエータE2、E3、E4、E5、E6をそれぞれ作製した。いずれの圧電アクチュエータも電圧印加により振動板が変位することが確認された。
比較例1
(比較用圧電アクチュエータの製造例)
本発明による圧電アクチュエータの変位量と耐久性能を従来の圧電アクチュエータと比較するために、実施例1と同様の酸化膜付きシリコン基板のSiO層(約3μm厚)の表面に、一対の電極と圧電体を積層してなる圧電素子を形成した。
まずシリコン基板上にA1液をスピンコートにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて電極前駆体膜とした。更にこの電極前駆体膜を650℃の電気炉で10分間焼成してSRO下部電極を形成した。
このSRO下部電極の表面に、C液をスピンコータにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて圧電体前駆体層とした。さらにC液の塗布、乾燥を19回繰り返して計20層よりなる圧電体前駆体層を得た。このようにして得た基板、下部電極、圧電体前駆体の積層物を同時に650℃の電気炉で20分間焼成して、圧電体部分の結晶化を行った。圧電体部分を上部電極を積層する前に結晶化する点が本発明の実施例と異なる。
この圧電体層の表面に、A1液をスピンコータにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて電極前駆体膜とした。このようにして得た基板、下部電極、圧電体、上部電極前駆体の積層物を同時に650℃の電気炉で10分間焼成して圧電素子Q1を得た。
この圧電素子のX線回折測定によると、SRO電極もKNN圧電体もペロブスカイト化していた。また、SRO下部電極は(110)配向していたが、KNN圧電体とSRO上部電極はランダム配向であった。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は1.5μm(1層あたり75nm)であった。また、劈開断面においてX線組成分析を実施したところ、圧電体部分の(Na+K)/Nb比は平均0.89程度であり、アルカリ金属成分の欠損が見られた。
また、この圧電素子の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、下部電極と上部電極においてはカリウムとナトリウムの存在が確認できなかった。また、圧電体の上部電極近傍におけるカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の中央部と比べて相対的に低いことも確認された。
比較例2
(比較用圧電アクチュエータの製造例)
電極前駆体溶液をB1液に変更したことを除いては、比較例1と同様にして比較用の圧電素子Q2を形成した。
この圧電素子のX線回折測定によると、LNO電極もKNN圧電体もペロブスカイト化していた。また、LNO下部電極とKNN圧電体は(100)配向していたが、LNO上部電極はランダム配向であった。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は1.5μm(1層あたり75nm)であった。
また、この圧電素子の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、下部電極と上部電極においてはカリウムとナトリウムの存在が確認できなかった。また、圧電体の上部電極近傍におけるカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の中央部と比べて相対的に低いことも確認された。
比較例3
(比較用圧電アクチュエータの製造例)
参照用に金属電極を用いた従来の圧電素子を作製した。
下部電極としての白金をあらかじめ備えたPt/Ti/SiO/Si型で構成される多層基板のプラチナ層の表面にC液をスピンコータにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて圧電体前駆体層とした。さらにC液の塗布、乾燥を19回繰り返して計20層よりなる圧電体前駆体層を得た。この圧電体前駆体層の表面に、白金薄膜層をスパッタ法により形成し、上部電極とした。このようにして得た基板、下部電極、圧電体前駆体、上部電極の積層物を同時に650℃の電気炉で30分間焼成して、圧電体部分の結晶化を行い、比較用の圧電素子Q3を得た。
この圧電素子のX線回折測定によると、KNN圧電体のペロブスカイト構造に起因するピークが観測されたが、同時に酸化ニオブの結晶ピークも多く見られた。これより、圧電体部ではアルカリ金属の欠損が起きていることがわかる。
また、この圧電素子の上部電極部のTOF−SIMSによる組成分析の結果、上部電極部においてカリウムとナトリウムの存在が確認された。但し、アルカリ金属成分の析出に伴って、上部電極、下部電極とも表面が乱れており、本圧電素子は電気測定に不適であった。
比較例4
(比較用圧電アクチュエータの製造例)
別の製法で参照用に金属電極を用いた従来の圧電素子を作製した。
比較例3と同様に下部電極としての白金層を設けたシリコン基板を使用した。この表面に、アルカリ金属成分の析出を防止する目的で酸化ニオブ薄膜層を設けた。すなわち、白金層の表面にペンタエトキシニオブの2−メトキシエタノール溶液(5重量%)をスピンコータにより1層塗布し、650℃で10分焼成して、酸化ニオブ層とした。
この酸化ニオブ薄膜層の表面に、C液をスピンコータにより塗布し、420℃のホットプレートで10分間乾燥させて圧電体前駆体層とした。さらにC液の塗布、乾燥を19回繰り返して計20層よりなる圧電体前駆体層を得た。この積層物を同時に650℃の電気炉で20分間焼成して、圧電体部分の結晶化を行った。この圧電体層の表面に、スパッタ法により白金電極を設けて比較用の圧電素子Q4を得た。
この圧電素子のX線回折測定によると、KNN圧電体のペロブスカイト構造に起因するピークが観測されたが、同時に酸化ニオブの結晶ピークも多く見られた。また、KNN圧電体はランダム配向、Pt電極は(111)自然配向であった。
劈開断面の走査型電子顕微鏡観察によると圧電体の膜厚は1.5μm(1層あたり75nm)であった。また、劈開断面においてX線組成分析を実施したところ、圧電体部分の(Na+K)/Nb比は平均0.90程度であり、酸化ニオブ薄膜を意図的に挿入したことを勘案してもアルカリ金属成分が欠損していることがわかった。
また、この圧電素子の薄片化試料のTOF−SIMSによる組成分析の結果、下部電極と上部電極においてはカリウムとナトリウムの存在が確認できなかった。また、圧電体の上部電極近傍におけるカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の中央部と比べて相対的に低いことも確認された。
[圧電素子の評価方法]
実施例1から実施例6、比較例1、2、4により得られた圧電素子の比較評価を行った。各圧電素子の上部電極をφ100μmパターンに加工し、上下電極に電圧を印加した際の微小変位を走査型プローブ顕微鏡(SPM)により測定するd33モードの圧電定数を初期値と10回動作後について測定した。圧電定数とは本来、圧電体に固有の圧電性能を定量化する値であるが、本実施例においては電極や界面も含めた圧電素子全体の性能を表すパラメータとしている。測定結果を表1に示す。表1よりわかるように本発明による圧電素子は圧電定数が大きく、10回の耐久試験後も良好に動作している。一方、圧電素子Q1、Q2、Q4は、当初の圧電定数が相対的に小さく、連続動作後の性能劣化も大きい。
Figure 0005865410
実施例7
(インクジェット式記録ヘッドの作製例)
上記実施例5、6で得られた圧電アクチュエータE5、E6に図6および7で示す構成を有するノズル10を取り付け、さらにインクを導入するための導入管11、ヘッド基台7を取り付けてインクジェット式記録ヘッドF5、F6を作製した。このインクジェット式記録ヘッドを用いて吐出実験を行った。
上記インクジェット式記録ヘッドF5、F6に導入管11よりインクジェット用インクを導入し圧力室8を満たした。次に上部電極と下部電極間に1kHzから20kHz、10Vの交流電圧を印加してインクの吐出の様子を顕微鏡で観察した。これにより、いずれのインクジェット式記録ヘッドも各周波数に追随しインク滴を吐出することが確認された。また、同様にして、複数個のインク吐出口を設けたインクジェット式記録ヘッドG5、G6を作製したところ、同様にインクが吐出されることを確認することができた。これにより、実施例5および実施例6の圧電アクチュエータを用いたインクジェット式記録ヘッドがインクジェット式記録ヘッドとして充分な機能を有することを確認することができた。
本発明の圧電素子は、アルカリ金属を含有する非鉛系の金属酸化物からなり、変位が大きく、連続駆動に対して変位量の劣化が少ない圧電特性に優れているので、圧電アクチュエータおよびインクジェット式記録ヘッドに利用することができる。
1 基板
2 下部電極
3 圧電体
4 上部電極
5 振動板
6 圧電素子
7 ヘッド基台
8 インク室
9 電源
10 ノズル
11 インク導入管
12 アクチュエータ

Claims (8)

  1. 一般式ABO(但し、Aは少なくともアルカリ金属を含む金属、Bは遷移金属を表す。)で表現されるペロブスカイト構造を持ち、Aサイトにアルカリ金属を含む非鉛系の圧電体と、該圧電体を挟持する一対の金属酸化物電極とを有する圧電素子において、
    前記金属酸化物電極がSrRuOおよびLaNiOの少なくとも一方とアルカリ金属を含有し、前記圧電体および金属酸化物電極を形成する金属酸化物の結晶が同一の方向に配向しており、
    前記圧電体の劈開断面における圧電体部分の平均の(Na+K)/Nb比は1.08以上1.11以下であり、
    前記圧電体の上部電極近傍および前記圧電体の下部電極近傍でのカリウムおよびナトリウム濃度が圧電体の中央部と比べて相対的に高いことを特徴とする圧電素子。
  2. 前記アルカリ金属はカリウムまたはナトリウムである請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記圧電体が一般式(K1−xNa)NbO(但し、xは0≦x<1である。)で表される金属酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子。
  4. 前記金属酸化物電極がSrRuOおよびLaNiOの少なくとも一方とアルカリ金属を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の圧電素子。
  5. 前記圧電体および金属酸化物電極を形成する金属酸化物の結晶が同一の方向に配向していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の圧電素子。
  6. 前記圧電体が膜状であり、かつ膜厚が1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の圧電素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の圧電素子と振動板を有することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  8. インク吐出口と、該インク吐出口に連通する圧力室と、前記圧力室の外部に設けられた請求項7記載の圧電アクチュエータを有し、前記圧電アクチュエータの振動板の振動により、前記圧力室の内部の体積が変化して前記インク吐出口からインクを吐出することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
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