JP5398131B2 - 圧電体素子、圧電体の製造方法及び液体噴射ヘッド - Google Patents

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本発明は、多孔質領域を有する電圧/電歪体(圧電体」ともいう。)素子、電圧/電歪体の製造方法及びこれを用いた液体噴射ヘッドに関する。詳しくは、耐久性に優れ、高性能化により微細化を図ることができる電圧/電歪体素子や、その製造方法や、耐久性に優れ、高性能化を図ると共に大型化を図ることができる液体噴射ヘッドに関する。
電圧/電歪体素子は、圧電性、焦電性、強誘電性等の特性を有する薄膜を用いて構成され、圧電素子、超音波応用素子、電気光学素子、焦電素子、強誘電体素子等として利用されている。このような電圧/電歪体素子としては、具体的には、不揮発性メモリー等の半導体記憶装置、表面弾性波素子、バルク超音波素子、加速度センサ、圧電アクチュエーター、焦電型赤外線感知素子等を挙げることができる。また、移動体通信市場においてRF用やIF用フィルタに用いられる弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)デバイスを挙げることができる。更に、薄膜バルク波共振子(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)等を挙げることができる。このような情報通信機器、テレビ等のキーコンポーネントとして使用される薄膜振動子や圧電アクチュエーター等の圧電体素子は、圧電体とその上下に設けられる電極とによって構成され、電極間に印加される電荷を機械エネルギーに変換するものである。
圧電/電歪体素子は、圧電性、焦電性、強誘電性の単結晶材料又は多結晶焼結体材料を機械加工して得られる薄膜を基材に貼り付けて製造していた。近年、装置の小型化、高密度化、軽量化、高機能化の要請のため、高性能の単結晶材料を機械加工する製造法では高密度化等に限界があり、単結晶基体上にこれらの単結晶材料を成膜し、これをデバイス化して圧電/電歪体素子を製造する方法が種々開発されている。
また、近年パソコンなどの出力装置として使用されるインクジェットプリンタに、印字性能がよく取り扱いが簡単でかつ低コストである等の理由から、圧電体素子を利用した液体噴射ヘッドが用いられている。圧電体素子を用いた液体噴射ヘッドにおいては、例えば、インクを収納する共通液室に連通する複数の個別液室を設け、各個別液室に対応して設けられる圧電体素子の変位を振動板を介して伝達し、内部のインクを液噴射口から液滴として噴射する。
近年、液体噴射ヘッドにおいて、印字性能の向上、特に高解像度化及び高速印字の要請に加え、長尺化及び低コスト化が求められ、個別液室を微細化したマルチノズルヘッド構造により高解像度及び高速印字を実現することが試みられている。この液体噴射ヘッドの個別液室の微細化を図るためには、圧電体素子の小型化、高密度化、高性能化を図る必要があり、液体噴出ヘッドの長尺化、低コスト化を図るためには、液体噴射ヘッドを作製する基体を大面積化する必要がある。
このような液体噴射ヘッドの圧電体素子や、上記圧電/電歪体素子の製造方法としては、圧電/電歪体材料のエピタキシャル薄膜を形成し、これをパターニングする等、その微細化を可能とする方法が提案されている。エピタキシャル薄膜の成膜方法としてはCSD(Chemical Solution Deposition,Sol−Gel)法、スパッタリング法、MBE法、PLD法、CVD法等が用いられている。スパッタリング法やPLD法は、ターゲットにイオンビームやパルスレーザー光などを照射することにより放出される原子等を、加熱して昇温した単結晶等の基体上に堆積させ、エピタキシャル成長によって所望の結晶性薄膜を得る方法である。CVD法やMBE法は、ガス化した原料物質を、加熱して昇温した単結晶等の基体上に堆積させ、エピタキシャル成長によって所望の結晶性薄膜を得る方法である。ゾルゲル法や低温スパッタリング法等は所望の結晶膜の前駆体である非晶質膜を基体上に形成した後、これを焼成もしくは光照射等の外部からのエネルギーにより結晶化させ薄膜を得る方法である。
このような結晶性薄膜を同一方向に配向した単一配向や、面内の配向までしっかりと揃った単結晶として作製するためには、薄膜を堆積する基体あるいは下層が単結晶で、堆積する薄膜を構成する原子の結晶格子マッチングがよい必要がある。
例えば、PZT圧電/電歪体素子におけるPZT圧電/電歪体の下層として、PZT圧電/電歪体の原子の結晶と結晶格子マッチングがよい材料として、ZrO2、安定化ジルコニア薄膜、希土類元素酸化物(YSZ)等を含むバッファー層(特許文献1)がある。また、電極材料としても使用できるSROを用いたバッファー層(特許文献2)が報告されている。
一方、圧電/電歪体素子を形成する基体の大面積化を図るため、例えば、6インチウエハー等の大面積のシリコン単結晶基体を用いる方法が検討されている。シリコン単結晶基体上に、YSZのバッファー層、Pt(白金)の下部電極、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の圧電/電歪体を順次積層した場合、基体を含めた各層間の結晶格子定数の不整合により、各層の膜内及び界面において多大な応力が加わる。このため、誘電率、キュリー温度、抗電界、残留分極等が変化し、結晶性の低下、延いては各層や基体の反り、層の剥離が生じる場合がある。このような歪は、PZT配向膜の結晶性の向上に伴い増大する傾向があり、大面積化と結晶性向上による膜性能の向上とを両立させるのは非常に難しく量産化にも支障を来たしている。特に、液体噴射ヘッドにおいて、結晶性の高い圧電/電歪体を用いた場合、圧電/電歪体、電極、バッファー層、基体等各層の界面に剥離が生じ易く、液噴射の安定性、装置としての耐久性に問題が生じる。
特開2000−332569号公報 特開平6−280023号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い結晶性を有するにも拘わらず、基体と各層間の応力の発生を抑制し圧電/電歪特性の低下や各層間の剥離を抑制し優れた耐久性を有し、大面積の基体上に高密度で形成できる圧電体素子を提供することにある。また、その製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする課題は、強誘電特性の低下や各層間の剥離を抑制し、優れた耐久性を有し、高密度に形成された圧電体を有し、高解像度化、高速印字が可能な信頼性が高く、大面積の液体噴射ヘッドを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、圧電/電歪体素子において、圧電/電歪体に多孔質領域を形成することにより、基板、電極、圧電/電歪体、バッファー層間等の界面に生じる歪を吸収し、圧電/電歪特性の劣化を抑制できることの知見を得た。特に、圧電/電歪体層内の基体又は下部電極層の反対側に多孔質領域を有する圧電/電歪体を用いた圧電/電歪体素子は、結晶性の高い圧電/電歪体を用いる場合に生じる各層間の歪や、圧電/電歪特性の劣化に対し、優れた耐久性を有することを見い出した。このような圧電/電歪体素子を用いることにより、高解像度化、高速印字化を可能とし、耐久性に優れ、且つ大面積化の液体噴射ヘッドを得られることの知見を得た。
多孔質で結晶性の高い圧電/電歪体を製造するには、AOx結晶相及びABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相が共存する薄膜をエピタキシャル成膜法で形成した後、AOx結晶相をABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相へ変換すればよいことの知見を得た。AOx結晶相とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相が共存する薄膜を形成するには、基体を、AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶が共存する温度に加熱して、A元素及びB元素を含む酸化物を用いてエピタキシャル成膜法により成膜を行えばよい。その後、AOx結晶相とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相が共存する薄膜が形成された基体をAOx結晶存在可能の温度を超えるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶形成温度に加熱してAOx結晶をABO3ペロブスカイト型酸化物結晶へ変換する。この方法により形成されたABO3ペロブスカイト型酸化物結晶膜は、結晶性が高く、圧電/電歪体層内の基体又は下部電極層の反対側に多孔質領域を有することを見出した。得られた圧電/電歪体を液体噴射ヘッドの圧電/電歪体素子に用いた場合、圧電/電歪体の結晶性が高いにも拘わらず、各層間に生じる歪を吸収し、耐久性を有し、高解像度、高速印字化を可能とすることの知見を得た。かかる知見に基き、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基体上にエピタキシャル成長した式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜からなる圧電体と、該圧電体層を間に挟む一対の電極層とを有する圧電体素子であって、前記圧電体層は多孔質構造を有し、該多孔質構造は前記基体から遠い側の前記圧電体層の表面から前記圧電体層の厚さの1/2の領域に設けられており、且つ、少なくとも前記圧電体の表面に開口する凹部構造と前記圧電体内で閉口するセル状構造とで形成されていることを特徴とする圧電体素子に関する。
式(1) (Pb 1−x xm (Zr Ti 1−y )O
(式(1)中、MはLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W又はNbのいずれかの原子を示す。x、xm、y、zは、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たす数値を示す。)
また、本発明は、上記圧電体素子と、該圧電体素子が対応して設けられ液体を吐出する吐出口に連通する液室とを有することを特徴とする液体噴射ヘッドに関する。
また、本発明は、基体上にエピタキシャル成長した式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜を形成して圧電体を製造する圧電体の製造方法において、AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とが形成される温度のP℃に前記基体を加熱し、A元素及びB元素を含む酸化物を用いてAOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を形成する形成工程と、前記P℃より50℃以上高い温度に前記基体を加熱することにより、前記AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を、前記ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜に変える変換工程とによって圧電体を製造し、前記圧電体層は多孔質構造を有し、該多孔質構造は前記基体から遠い側の前記圧電体層の表面から前記圧電体層の厚さの1/2以下の領域に設けられており、且つ、少なくとも前記圧電体の表面に開口する凹部構造と前記圧電体内で閉口するセル状構造とで形成されていることを特徴とする圧電体の製造方法に関する。
式(1) (Pb 1−x xm (Zr Ti 1−y )O
(式(1)中、MはLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W又はNbのいずれかの原子を示す。x、xm、y、zは、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たす数値を示す。)
本発明の圧電体素子は、高い結晶性を有するにも拘わらず、基体と各層間の応力の発生を抑制し圧電/電歪特性の低下や各層間の剥離を抑制し優れた耐久性を有し、大面積の基体上に高密度で形成できる。
本発明の圧電体の製造方法は、基体や各層間において応力の発生を抑制し、圧電/電歪特性の低下や、各層間の剥離を抑制し、優れた耐久性を有し、大面積の基体上に微細化して形成する圧電体素子に好適な圧電体を製造することができる。
また、本発明の液体噴射ヘッドは、強誘電特性の低下や各層間の剥離を抑制し、優れた耐久性を有し、長尺でかつ高密度に形成された圧電体を有し、高解像度化、高速印字が可能で信頼性が高い。
本発明の圧電体素子は、基体上にエピタキシャル成長した式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜からなる圧電体と、該圧電体層を間に挟む一対の電極層とを有する圧電体素子である。この圧電体層は多孔質構造を有し、該多孔質構造は前記基体から遠い側の前記圧電体層の表面から前記圧電体層の厚さの1/2以下の領域に設けられており、且つ、少なくとも前記圧電体の表面に開口する凹部構造と前記圧電体内で閉口するセル状構造とで形成されていることを特徴とする。
式(1) (Pb 1−x xm (Zr Ti 1−y )O
(式(1)中、MはLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W又はNbのいずれかの原子を示す。x、xm、y、zは、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たす数値を示す。)
本発明の圧電体素子に用いる基体は、一対の電極層のうちの一方の電極層である下部電極層を介して又は直接圧電体である圧電/電歪体層を積層できるものが好ましい。上層をエピタキシャル堆積成膜法により設ける場合は、結晶性が高く、結晶格子定数が上層のそれと近似するものが好ましい。基体の材質としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。シリコン、マグネシア、チタン酸ストロンチウム、ジルコニア(イットリウム安定化ジルコニア)、サファイア(α−Al23)、窒化ガリウム、インジウム砒素、インジウムリン、ガリウム砒素、ガリウム燐、酸化亜鉛、アルミン酸ランタン、シリコンカーバイト。これらは後述するように、La、Zn、S等のドープ処理をして下部電極としての機能を有するものであってもよい(LaSTO)。また、シリコン単結晶の表面に数nm以下の酸化膜SiO2を有するSOI等、シリコン単結晶体の基体を用いることもできる。基体の厚さとしては、例えば、100μm〜1000μmを挙げることができる。
圧電体に設けられる一対の電極層は、圧電/電歪体層に電圧を印加する機能を有し、圧電/電歪体層の下部及び上部にそれぞれ設けられる下部電極層及び上部電極層からなる。下部電極層は、基体が導電性を有し、圧電/電歪体との結晶格子配向及び結晶格子定数の整合性のよい場合は、省略することができる。下部電極層を省略することができる場合として、具体的には、SrTiO3基体にLaをドープすることにより導電性を有するLaSrTiO3(La:3.73質量%)(100)の単結晶基体と、PZT圧電体を用いる場合等を挙げることができる。
下部電極層の材質としては、具体的には、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属や、SrRuO3、LaScCoO3、BaPbO3、RuO3等の白金族金属酸化物等の導電材料を好ましいものとして挙げることができる。
このような下部電極層は、その結晶配向方位がその上にエピタキシャル成膜法により形成する場合の圧電/電歪体層の結晶配向方位に影響を及ぼすため、基体に接触する面の優先配向結晶方位が(100)、(110)、(111)のいずれかであることが好ましい。下部電極層の基体に接触する面の優先配向結晶方位が(100)、(110)、(111)であれば、エピタキシャル成膜される圧電/電歪体層において、優先配向結晶方位が(100)/(001)として配向する。
このような下部電極層を構成する白金族金属又はその酸化物において結晶配向率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。下部電極層を構成する白金族金属又はその酸化物の結晶配向率が80%以上であれば、下部電極層が良好な電気特性を有し、その上に設けられる圧電/電歪体層が優れた結晶性を有するものとなる。
ここで、結晶配向率は、X線回折装置によるθ−2θ測定のピーク強度比として得られる割合とする。
また、下部電極層の膜厚としては100nmから1000nmが好ましい。膜厚が100nm以上であれば、白金族金属電極に比べて導電性が低いSrRuO3のような酸化物電極においても充分な導電性を得ることができる。また、膜厚が1000nm以下であれば、基板と電極界面での応力の増大を抑制し、剥離の発生を抑制することができる。
上部電極層としては、上記下部電極層と同様のものを挙げることができる。
本発明の圧電体素子における圧電/電歪体層は、基体から遠い側に多孔質領域を有する。多孔質領域は、図1の概略模式図に示すように、上部電極等の上層3との界面部分の圧電/電歪体層2に形成された凹部hや、界面下に形成された閉口のセル状構造を有し、例えば、凹部に、更に、凹部が形成された多段の多孔質構造j等の多孔質構造を有していてもよい。かかる多孔質領域としては、圧電/電歪体層の厚さの1/2以下の範囲に設けられ、1/3以下の範囲に設けられることが好ましい。具体的には、図2に示す本発明の圧電体素子の断面SEM(走査電子顕微鏡)撮像図において、多孔質領域は、圧電/電歪体層2の上部電極層3との界面及びその近傍Sに存在する(○囲い部分)。図2に示す断面SEM写真は、圧電/電歪体素子の上部電極層側からFIB(フォーカスド イオン ビーム)により垂直に切り出し、SEMにより切り出した断面に対して45°の角度から撮像したものである。
上記多孔質領域を有する圧電/電歪体層において、多孔質領域と上層との界面の形態は、図3に示すように、多孔質領域を有する部分の界面は屈曲性に富む部分Aとなり、多孔質領域が小さく若しくは形成されていない場合は、平坦部分Bとなる。このため、界面の形態は内部における多孔質領域の有無の判断の指標とすることができる。上記圧電/電歪体層において、多孔質領域は面方向において均一に分散して設けられることが好ましい。
このような多孔質領域を有する圧電/電歪体層は単一配向結晶又は単結晶からなることが好ましい。
ここで単一配向結晶とは、膜の厚さ方向に単一の結晶方位をもつ1軸配向結晶のことをいい、膜の面方向の方位はいずれのものであってもよい膜である。具体的には、圧電/電歪体層が<100>配向であるときは、厚さ方向の結晶軸が<100>方位のみの結晶により構成された膜である。
更に、上記圧電/電歪体層においては、単一配向結晶とは、圧電/電歪体層の面方向と平行に目的とする結晶面がそろっている結晶膜であることが好ましい。例えば、(001)単一配向膜は、膜面とほぼ平行に(001)面が存在することを意味し、具体的には、X線回折による測定を行ったとき、目的とする面以外の面での反射ピーク強度が目的とする面での最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。
一般に、[100]と[001]とは結晶系が立方晶の場合は同意となるが、単斜晶や正方晶や菱面体晶の場合は異なるものとなる。しかし、単斜晶、正方晶、菱面体晶が立方晶に近似した格子定数を有する場合、例えば、ABO3ペロブスカイト型酸化物等では、正方晶の[100]と[001]や菱面体晶の[111]と[−1−1−1]も<100>や<111>配向とすることができる。
また、<100>配向は結晶が厚さ方向と同一方向に<100>配向の単一の結晶軸を有することをいうが、<100>結晶軸が厚さ方向から例えば、5°程度傾斜した場合も、<100>配向とする。
上記圧電/電歪体層の結晶配向はX線回折装置を用いて確認することができる。例えば、圧電/電歪体層がPZTペロブスカイト型酸化物結晶の場合、X線回折の2θ−θ測定によれば、<100>配向の結晶に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1、2、3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。且つ、{110}非対称面の極点測定をした際に、図4のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置にリング状のパターンが得られる。ここで、{100}とは(100)や(010)や(001)で一般に表される6面を総称した表記であり、<100>は [100]、[010]、[001]で一般に表される6方位を総称した表記である。
また、単結晶とは、単一配向であって、圧電/電歪体層の面をX−Y面とし、圧電/電歪体層の厚さ方向をZ軸としたとき、結晶がX軸、Y軸及びZ軸方向に共に揃って配向している結晶である。単結晶の圧電/電歪体層においては、厚さ方向及び面方向に単一の結晶方位を有する。具体的には、圧電/電歪体層が<100>単結晶とは、厚さ方向と同一方向に<100>結晶軸のみを有し、かつ、面方向に<110>結晶軸のみを有する。
更に、単結晶の圧電/電歪体層においては、具体的には、X線回折による測定を行ったとき、目的とする面以外の面での反射のピーク強度が目的とする面での最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。更に、配向性が高い単結晶とは、X線回折により特定の結晶構造における特定の方位が50%以上であるものをいい、好ましくは80%以上、より好ましくは99%以上である。
上記圧電/電歪体層がPZTペロブスカイト型酸化物結晶の場合、X線回折の2θ−θ測定によれば、<100>単結晶に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1、2、3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。且つ、{110}非対称面の極点測定をした際に、図5のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に90°毎に4回対称のスポット状のパターンが得られる。
また、<100>配向の結晶の圧電/電歪体層において、{110}非対称面の極点測定をした際に、中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に8回対称や12回対称のパターンが得られる場合、広義の単結晶及び単一配向結晶とすることができる。また、パターンがスポットではなく楕円である結晶でも単結晶と単一配向結晶の中間の対称性を有する結晶であり、広義の単結晶及び単一配向結晶とすることができる。同様に、単斜晶と正方晶、単斜晶と菱面体晶、正方晶と菱面体晶、また複数結晶相が混在(混相)する場合、双晶等に起因する結晶が混在する場合、転位や欠陥等がある場合、格子定数が相互に近似する場合、単結晶及び単一配向結晶とすることができる。更に、厚さ方向に柱状に結晶転位が存在する場合や双晶分裂が確認できる場合も、広義の単結晶とすることができる。
上述のように圧電/電歪体層の結晶配向性はX線回折により容易に確認することができるが、上述のX線回折の他にも、例えば、TEMによる断面観察等によっても確認することができる。
上記圧電/電歪体層は、式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶からなり、上記単結晶、単一配向結晶として広義の範囲となる。ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶としては、Pb系酸化物結晶であり、AがPbを表し、BがZr及びTiを含む。ABO3ペロブスカイト型酸化物としては、式(1)
(Pb1-xxxm(ZryTi1-y)Oz (1)
で表される酸化物である。式(1)中、MはLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W又は Nbのいずれかの原子を示す。式(1)中、x、xm、y、zは、これらを用いて得られたABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の組成が、式(1)中、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たすような数値を示す
特に、ABO3ペロブスカイト型酸化物として、チタン酸ジルコン酸鉛結晶であることが好ましい。
本発明の圧電体素子の一例として、図6に示す圧電体素子を挙げることができる。図6に示す圧電体素子51は、基体41上に、振動板42、バッファー層43あるいは密着層を介して下部電極層44、圧電体層45及び上部電極層46を有する。圧電体素子51においては、下部電極層44を、バッファー層43あるいは密着層と圧電体層45間に設けているが、下部電極層は振動板とバッファー層間に設けられていてもよい。
振動板は圧電体の変位を伝達するために設けられ、基体に対して格子整合性が高く、圧電体の変移を増幅して伝達することができるように、ヤング率が充分に高いものが好ましい。振動板の材質としては、上記基体と同質のものを挙げることができる。基体を薄く、例えば、2μm〜10μm等の厚さとして振動板としての機能を有するものとすることもできる。あるいは、バッファー層の機能を兼備するものとし、バッファー層を省略することもできる。振動板の厚さとしては、例えば、2μm〜10μmを挙げることができる。
バッファー層は、基体と圧電体の結晶格子配向や結晶格子定数との整合性を調整するために設けられ、何層か複数層の積層構造によってその機能を達成するようにしてもよい。更に、バッファー層は圧電体の変位を圧縮応力として振動板を負荷可能な材料で形成されることが好ましい。バッファー層の材質としては、直下の層に対しても結晶格子整合性が高い材質であることが好ましく、基体の材質がSiの場合、例えば、安定化ジルコニアYSZ(Y23-ZrO2)、CeO2、SrTiO3等を挙げることができる。また、基体の材質がSrTiO3であり、圧電体層がABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の場合等、基体と圧電体相互間の格子整合性が高い場合は、バッファー層を省略することができる。
密着層はバッファー層を設けない場合、振動板への下部電極層の密着性を向上させる他、基体と圧電/電歪体層の結晶格子定数と結晶配向を調整し整合性を有するものとする役割を担う。密着層の材質としては、例えばTi、Cr、Ir等の金属や、これらの酸化物としてTiO2、IrO2等を挙げることができる。例えば、石英ガラスに(111)自然配向したPt等も用いることができる。密着層の膜厚としては5nmから300nmが好ましく、より好ましくは10〜70nmである。
また、上記圧電/電歪体層上には上部電極層46を有することが好ましい。下部電極層と相俟って、その間に挟持する圧電/電歪体層に電圧を印加して、圧電/電歪体において印加された電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、容易に変位を発生することができる。上部電極層としては、下部電極層と同じ材質、結晶配向、結晶格子定数を有し、同じ厚さを有するものを好ましいものとして例示することができる。
このような上記圧電/電歪体素子として、例えば、以下の(1)から(4)等の材質の構成を挙げることができる。以下の表示は、上部電極層/圧電/電歪体層/下部電極層/バッファー層/振動板/基体の材質を表示する。また、「/」は積層状態を示す。
(1)Pt/Ti(上部電極層)/PbZrTiO3(圧電/電歪体層)/Pt(下部電極層)/LaNiO3/CeO2/YSZ(Y2O3-ZrO2) (バッファー層)/Si/SiOx(振動板)/Si(基体)。
(2)SrRuO3(上部電極層)/PbZrTiO3(圧電/電歪体層)/SrRuO3(下部電極層)/LaNiO3/CeO2/YSZ(Y2O3-ZrO2(バッファー層))/Si/SiO2(振動板)/Si(基体)。
(3)Pt/Ti(上部電極層)/PbZrTiO3(圧電/電歪体層)/SrRuO3(下部電極層)/LaNiO3/CeO2/YSZ(Y2O3-ZrO2) (バッファー層)/Si/SiO2(振動板)/Si(基体)。
(4)Pt/Ti(上部電極層)/PbZrTiO3(圧電/電歪体層)/Pt/SrRuO3(下部電極層)/LaNiO3/CeO2/YSZ(Y2O3-ZrO2) (バッファー層)/Si/SiO2(振動板)/Si(基体)。
上記圧電/電歪体素子を製造するには、薄膜成膜技術を使用する方法を挙げることができる。基体上に下部電極層を作製する方法としては、スパッタリング法、CVD法、レーザーアブレーション法、MBE法等の薄膜作製方法を用いることができる。特に、スパッタリング法では、加熱中に充分成膜基体を加熱することによって、基体に対してエピタキシャル成長した酸化物薄膜を得ることができる。下部電極層は上記材質の材料を用い、基体に接触する面の優先配向結晶方位が(100)、(110)、(111)のいずれかとなるようにエピタキシャル成長させることが好ましい。
本発明の圧電体の製造方法は、基体上にエピタキシャル成長した式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜を形成して圧電体を製造する圧電値の製造方法であって、次の工程を含む。
(1)AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とが形成される温度P℃に前記基体を加熱し、A元素及びB元素を含む酸化物を用いてAOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を形成する形成工程。
(2)P℃より50℃以上高い温度に前記基体を加熱する。これにより、前記AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を、前記ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜に変える変換工程。
これらの工程によって、多孔質構造を有し、該多孔質構造は前記基体から遠い側の前記圧電体層の表面から前記圧電体層の厚さの1/2以下の領域に設けられており、且つ、少なくとも前記圧電体層の表面に開口する凹部構造と前記圧電体層内で閉口するセル状構造とで形成される圧電体層を製造する。
本発明の圧電体の製造方法における形成工程において、AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を形成する。AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜の形成にはエピタキシャル成膜法を使用する。かかるエピタキシャル成膜法としては、CSD(Sol−Gel)法、スパッタリング法、MBE法、PLD法、CVD法等を用いることができる。これらのうち、スパッタリング法を単一配向結晶又は単結晶を得ることが容易であるため、好ましい方法として挙げることができる。
このようなエピタキシャル成膜法において用いるA元素及びB元素を含む酸化物としては、代表的にはABO3ペロブスカイト型酸化物を挙げることができる。ABO3ペロブスカイト型酸化物として、式(1)
(Pb1-xxxm(ZryTi1-y)Oz (1)
で表される組成を有するものが好ましい。式中、MがLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W、 Nbから選択されるいずれか1種類以上の元素を示し、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たすようなx、y、zとするものを用いることができる。これらのうち、Pb系ペロブスカイト型酸化物が好ましく、特に、チタン酸ジルコン酸鉛であることが好ましい。このようなABO3ペロブスカイト型酸化物を用いてABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜を成膜することができる。
上記基体又は下部電極層上に圧電/電歪体であるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜を形成するには、Aで表される原子の酸化物である、AOx結晶及びABO3ペロブスカイト型酸化物結晶が共存する温度に基体を加熱する。そして、AOx結晶相及びABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相を基体上に形成する。AOx結晶相及びABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相が共存する温度としては、450℃以上600℃未満を挙げることができ、550℃前後が好ましい。
その後、基体をAOx結晶存在可能の温度を超えるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶形成温度に加熱する。この加熱はアフターアニールと称することができ、AOx結晶相を完全にABO3型ペロブスカイト型酸化物結晶相に変換する。かかるアフターアニール温度A℃としては、AOx結晶相及びABO3ペロブスカイト型酸化物結晶相が共存する温度で基体を加熱した温度をP℃としたとき、P+50≦Aで表される範囲であることが好ましい。具体的には、圧電体層がPb系ABO3型ペロブスカイト型酸化物結晶からなる場合は、600℃以上であることが好ましい。このような2段階の加熱処理によりABO3型ペロブスカイト酸化物膜において、上記単結晶又は単一配向結晶構造を有し、結晶化又は結晶配向が高く、多孔質領域を有するエピタキシャル酸化膜を得ることができる。
本発明に係る圧電体の製造方法における工程を図13の模式図に示す。図中「加熱成膜工程」は、AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とが形成される温度に基体を加熱し、A元素およびB元素を含む酸化物を用いてAOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を形成する工程である。また、「高温加熱工程」は、AOx結晶が存在可能な温度を超える温度であってABO3ペロブスカイト型酸化物結晶が形成される温度に基体を加熱する変換工程である。この工程において、AOx結晶を含む膜を、ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜に変える。
ABO3型ペロブスカイト酸化物としてPbZrTiO3を用いエピタキシャル成膜法により、LaSrTiO3基体をPbO2結晶とPbZrTiO3ペロブスカイト型酸化物結晶が共存する温度、550℃で加熱後の基体上の堆積膜構成を図7に示す。図7に示す堆積膜のX線回折によるθ−2θプロファイルにおいて、基体のLaSrTiO3と、PbO2結晶及びPbZrTiO3型ペロブスカイト酸化物結晶のピークが表れ、堆積膜中に、PbO2とPbZrTiO3が共存状態にあることを示している。このとき、PbO2の配向は(100)あるいは(110)等であってもよい。
その後に行うAOx結晶存在可能の温度を超えるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶形成温度の加熱後の基体上の堆積膜構成を図8に示す。図8に示す堆積膜のX線回折によるθ−2θプロファイルにおいて、PbO2(111)のピークは消失し、基体のLaSrTiO3と、PbZrTiO3型ペロブスカイト酸化物結晶のピークのみが表れ、堆積膜中にPbZrTiO3のみの存在が示されている。更に、堆積膜について{110}非対称面の極点測定をした際に、図4に示す中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置にリング状のパターンが得られ、PbZrTiO3が面内も揃ったエピタキシャル膜であることが示されている。
上記圧電/電歪体層上に積層する上部電極層は、上記下部電極層と同様のスパッタリング法等により作製することができ、また、蒸着法等の気相法、スクリーン印刷法等の塗布法、メッキ法等の液相法などの方法を用いて作製することができる。上部電極層は、下層の圧電/電歪体層をAOx結晶存在可能の温度を超えるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶形成温度に加熱するアフターアニール後に、作製することが好ましい。
上記圧電/電歪体素子における振動板、バッファー層等はスパッタ法、CVD法、PLD法、Sol−Gel法、MBE法、水熱合成法等の薄膜作製技術を用いて作製することができる。これらの方法を使用して作製することにより、圧電/電歪体素子の各層において特定の方向に配向したものを得ることができる。
[液体噴射ヘッド]
本発明の液体噴射ヘッドは、上記圧電体素子と、該圧電体素子が対応して設けられ液体を吐出する吐出口に連通する液室とを有することを特徴とする。本発明の液体噴射ヘッドの一例として、図9に示すように、圧電/電歪体素子51と、液噴射口53を備えたノズルプレート52とで構成されたもの挙げることができる。圧電/電歪体素子51の基体41には、並列して複数の凹部61が設けられ、この凹部を閉塞するようにノズルプレート52が固定されることにより、液噴射口53を有する複数の液室61を形成する。この液体噴射ヘッドにおいては液吐出口53は、凹部の下側に所定の間隔をもって形成されているが、側面側に設けられていてもよい。
上記圧電/電歪体素子51は、各液室61にそれぞれ対応して設けられ、図9における符号が示す構成は、図6における同一の符号が示す構成と同一のものを示す。
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記圧電/電歪体は多孔質領域を有するため、各層間に生じる歪を吸収し、応力による圧電/電歪特性の低下を抑制し、優れた耐久性を有する。特に、圧電/電歪体が単一配向結晶又は単一結晶からなり、ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶からなるものは、圧電/電歪特性の劣化を抑制することができ、圧電/電歪特性が高く、液噴射口を高密度に設けることができ、大型化を図ることができる。これにより、本発明の液体噴射ヘッドは高性能プリンターに適用することが可能である。
本発明の液体噴射ヘッドの製造には、薄膜成膜技術を使用することができる。本発明の液体噴射ヘッドを製造する方法として、上記構成の圧電/電歪体素子の基体41に圧力室61や、インク供給路を設ける方法を挙げることができる。また、図10に示すように、圧電/電歪体素子が設けられる基体41とは別の基板Mに液室、インク供給路を設け、これと圧電/電歪体素子を設けた基体41とを接合する方法等を挙げることができる。
前者の方法としては、圧電/電歪体素子を設けた基体41の裏面に、異方性エッチングを利用したウエットエッチング、ICP、リーガプロセス、ボッシュプロセス等のドライエッチングにより一定ピッチで液室61となる複数の凹部を形成する。液室の積層方向の断面形状としては、例えば、長方形、円形、楕円形等適宜選択することができる。また、サイドシューターの場合、液室の形状を液噴射口に向かってテーパー部を有する絞った形状にすることもできる。
凹部を形成した基体41に液噴射口53を穿孔したノズルプレート52を接合する。ノズルプレートの材質としては、圧電体素子の基体と同じで材質でも異なる材質であってもよく、例えば、SUS、Ni等を挙げることができる。この場合、接合する基体との熱膨張係数の差が1E−6/℃から1E−8/℃(1×10-6/℃から1×10-8/℃)である材料が好ましい。
上記基体41とノズルプレートの接合方法としては、有機接着剤を用いる方法でもよいが、無機材料による金属接合による方法が好ましい。金属接合に用いる材料としては、250℃以下の低温でこれらの基体を接合することができ、基体との熱膨張係数の差が小さいものが、長尺化された場合でも素子の反り等の問題が回避され、また、圧電体素子に対する損傷を抑制できる点から、好ましい。かかる金属接合に用いる材料として、具体的には、In、Au、Cu、Ni、Pb、Ti、Cr等を挙げることができる。
また、後者の方法としては、圧電体素子51が形成された基体41を、各液室(図示せず)を上記と同様の方法等により形成した基板Mの表面側の開口部(図示せず)を閉塞するように、圧電体素子を位置決めして接合する。一方、基板Mの裏面側の開口部(図示せず)を閉塞するように、液噴射口53を形成したノズルプレート52を位置決めして接合する。基体の接合は上記方法と同様の方法を挙げることができる。
このような液体噴射ヘッドは、高解像度化、高速印字のプリンター、ファクシミリや複合機、複写機等のインクジェット記録装置や、あるいは、各種液体を吐出するための産業用液吐出装置等に使用することができる。
[実施例1]
本発明の圧電体素子、圧電体の製造方法、液体噴射ヘッドについて、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
まず、スパッタリング装置を用い、Si基体の開口部上に安定化ジルコニアYSZ(Y23−ZrO2)を成膜し、振動板を作製した。このときSi基体を800℃に加熱し、イオン化するガスとして、Ar及びO2を用い、Si基体とターゲット間の印加電力は60W、装置内の圧力は1.0Paとして1時間スパッタリングを行い、結晶成長させ、単一配向の膜厚200nmの振動板を得た。
次に、振動板の作製方法と同様の方法で下部電極層を作製した。ターゲットとしてPtを用い、基体の温度600℃、イオン化するガスArを用い、振動板とターゲット間の印加電力は100W、装置内の圧力は0.5Paとして、スパッタリングを行い結晶成長させ、単一高配向の膜厚400nmのPt膜を得た。
その後、上記スパッタリング装置を用い、下記の組成のターゲットを用い、スパッタリングにより圧電体を作製した。基体の温度550℃、イオン化するガスAr及びO2を用い、電極とターゲット間の印加電力は100W、装置内の圧力は0.5Paとして、スパッタリングを行い結晶成長させ、膜厚3000nmの圧電体を得た。
ターゲット組成
PbZryTi1-yz 式中、y=0.52、z=3.0
その後、RTA(Rapid Thermal Annealing)を用いて、大気中で680℃5時間の加熱処理を行った。得られた圧電体の断面SEM像は図2に示すとおりである。
その後、上部電極層を下部電極層の作製方法と同様の方法により作製した。
次に、Si基体を、振動板が設けられた面と反対側の面からICPによるドライエッチング法を行って中央部を取り除き凹部を形成した。基体の温度は20℃、使用ガスはSF6、C48、高周波コイルの誘電はRFで1800W、装置内の圧力は4.0Paとした。液噴射口を備えたSi製のノズルプレートを上記凹部を形成したSi基体に、Si−Si接合法により貼り合わせた。各圧電体素子10の振動板は長さ5000μm、幅100μmとして、液体噴射ヘッドを作製した。
得られた液体噴射ヘッドについて、印可電圧20V、10kHz時の圧電体素子の変位量と、液体噴射ヘッドにインク(密度1.0×103kg/m3、粘度2cps、表面張力3.5×10-2N/m)を充填して液滴の噴射量、噴射速度を測定した。変位量の測定は、インクのない状態での空変位をレーザードップラー変位計で凹部の中心(幅70μmの中心、長さ3mmの中心)を測定した。また、吐出量の測定は、吐出液滴と入力信号と同期させてCCDにより液滴を観察しサイズを観察することにより吐出量を測定した。吐出速度の測定も、入力信号と同期させてCCDにより液滴を観察し算出した。結果を表1、表2に示す。
更に、液体噴射ヘッドの耐久試験を行なった。109回を越える液体噴射を行っても不吐出ノズルはなかった。
[比較例1]
圧電体作製において、スパッタリング時の基体の温度を600℃として結晶成長させ、その後の大気中における加熱処理を行なわずに圧電体を作製した他は、実施例1と同様にして圧電体を作製し、液体噴射ヘッドを作製した。
得られた圧電体について断面SEM像を実施例1と同様にして得た。結果を図11に示す。液体噴射ヘッドについて、実施例1と同様にして圧電体素子の変位量と、液体噴射ヘッドの液滴の吐出量、吐出時間を測定した。結果を表1、表2に示す。
また、耐久試験では106〜107回の液体噴射により剥離が生じ、不吐出のノズルが発生した。不吐出のノズルに対応する圧電体を解析したところ、下部電極層と圧電体層との界面で剥離が発生していた。
[比較例2]
圧電体作製において、CSD法を用いた。実施例1で用いたターゲット組成と同様の組成に相当する組成の酢酸鉛、ランタンイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、チタンイソプロポキシドをメトキシエタノール中で加熱溶解した。この溶液を希塩酸で加水分解しPb1.1La0.01Zr0.52Ti0.483の10質量%(酸化物換算濃度)の圧電体用塗布液ゾルを得た。
次に、スピンコーターを用いて上記のゾルを3000rpmで上記基板に塗布し、400℃で5分間乾燥し溶剤を除去し前駆体膜を形成した。この塗布、乾燥の操作を3回繰り返す毎に650℃で15分仮焼成を行った。7層の塗工、乾燥、仮焼成を行ってから最後に基板全体を700℃で1時間熱処理して結晶化させることにより各種圧電体の7回塗布膜を得た。圧電体の作製方法の他は、実施例1と同様にして、液体噴射ヘッドを作製した。
得られた圧電体について断面SEM像を実施例1と同様にして得た。結果を図12に示す。液体噴射ヘッドについて、実施例1と同様にして圧電体素子の変位量と、液体噴射ヘッドの液滴の吐出量、吐出時間を測定した。結果を表1、表2に示す。
また、耐久試験では106〜107回の液体噴射により剥離が生じ、不吐出のノズルが発生した。不吐出のノズルに対応する圧電体を解析したところ、下部電極層と圧電体層との界面で剥離が発生していた。
結果より、実施例1の圧電体素子の変位量は90nmであった。これに対し、600℃の基体におけるスパッタリングにより形成した圧電体を有する比較例1の圧電体素子の変位量は100nmであった。更に、CSD法による圧電体を有する比較例2の圧電体素子の変位量は90nmであった。
結果より、本発明の液体噴射ヘッドにおいて、液吐出量は多く、液吐出は高速であることが明らかである。
本発明の圧電体素子の一例の断面を示す模式図である。 本発明の圧電体素子の一例の断面SEM撮像を示す図である。 本発明の圧電体素子の一例の断面SEM撮像を示す図である。 本発明の圧電体素子の一例の圧電体の1軸配向結晶の{110}非対称面のX線回折による極点測定パターンを示す模式図である。 本発明の圧電体素子の一例の圧電体の単結晶の{110}非対称面のX線回折による極点測定パターンを示す模式図である。 本発明の圧電体素子の一例の構成を示す模式図である。 本発明の圧電体の製造方法の一工程における基体上の膜のX線回折によるθ−2θプロファイルを示す図である。 本発明の圧電体の製造方法により得られた圧電体のX線回折によるθ−2θプロファイルを示す図である。 本発明の液体噴射ヘッドの一例の構成を示す模式図である。 本発明の液体噴射ヘッドの他の例の構成を示す模式図である。 比較例1の圧電体素子の断面SEM撮像を示す図である。 比較例2の圧電体素子の断面SEM撮像を示す図である。 本発明の圧電体の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1、41 基体
2、45 圧電/電歪体層
3、46 上部電極層
42 振動板
43 バッファー層
44 下部電極層
51 圧電/電歪体素子
52 ノズルプレート
53 液噴出口
61 液室
M 基板

Claims (9)

  1. 基体上にエピタキシャル成長した式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜からなる圧電体と、該圧電体層を間に挟む一対の電極層とを有する圧電体素子であって、
    前記圧電体層は多孔質構造を有し、該多孔質構造は前記基体から遠い側の前記圧電体層の表面から前記圧電体層の厚さの1/2以下の領域に設けられており、且つ、少なくとも前記圧電体の表面に開口する凹部構造と前記圧電体内で閉口するセル状構造とで形成されていることを特徴とする圧電体素子。
    式(1) (Pb 1−x xm (Zr Ti 1−y )O
    (式(1)中、MはLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W又はNbのいずれかの原子を示す。x、xm、y、zは、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たす数値を示す。)
  2. 前記圧電体が、単結晶又は単一配向結晶からなることを特徴とする請求項1記載の圧電体素子。
  3. 前記ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶が、チタン酸ジルコン酸鉛の結晶であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電体素子。
  4. 請求項1から3のいずれか記載の圧電体素子と、該圧電体素子が対応して設けられ液体を吐出する吐出口に連通する液室とを有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 基体上にエピタキシャル成長した式(1)で表されるABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜を形成して圧電体を製造する圧電体の製造方法において、
    AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とが形成される温度のP℃に前記基体を加熱し、A元素及びB元素を含む酸化物を用いてAOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を形成する形成工程と、
    前記P℃より50℃以上高い温度に前記基体を加熱することにより、前記AOx結晶とABO3ペロブスカイト型酸化物結晶とを含む膜を、前記ABO3ペロブスカイト型酸化物結晶の膜に変える変換工程とによって圧電体を製造し、
    前記圧電体層は多孔質構造を有し、該多孔質構造は前記基体から遠い側の前記圧電体層の表面から前記圧電体層の厚さの1/2以下の領域に設けられており、且つ、少なくとも前記圧電体の表面に開口する凹部構造と前記圧電体内で閉口するセル状構造とで形成されていることを特徴とする圧電体の製造方法。
    式(1) (Pb 1−x xm (Zr Ti 1−y )O
    (式(1)中、MはLa、Ca、Ba、Sr、Bi、Sb、W又はNbのいずれかの原子を示す。x、xm、y、zは、0≦x<0.2、1.0≦xm≦1.3、0.40≦y<0.65、2.5≦z≦3.0を満たす数値を示す。)
  6. 前記温度P℃が、450℃以上600℃未満であることを特徴とする請求項5記載の圧電体の製造方法。
  7. 前記ABO3ペロブスカイト型酸化物が、チタン酸ジルコン酸鉛であることを特徴とする請求項5又は6記載の圧電体の製造方法。
  8. 前記形成工程が、スパッタリング法によってなされることを特徴とする請求項5から7のいずれか記載の圧電体の製造方法。
  9. 前記変換工程における加熱処理を、酸素を有する大気中で行う請求項5から8のいずれか記載の圧電体の製造方法。
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