JP2000148208A - 弾性支持装置、車両用弾性支持装置及び車両用サスペンション装置のための制御装置 - Google Patents

弾性支持装置、車両用弾性支持装置及び車両用サスペンション装置のための制御装置

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JP2000148208A
JP2000148208A JP11080203A JP8020399A JP2000148208A JP 2000148208 A JP2000148208 A JP 2000148208A JP 11080203 A JP11080203 A JP 11080203A JP 8020399 A JP8020399 A JP 8020399A JP 2000148208 A JP2000148208 A JP 2000148208A
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damper
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    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements
    • B60G17/018Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by the use of a specific signal treatment or control method
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2600/00Indexing codes relating to particular elements, systems or processes used on suspension systems or suspension control systems
    • B60G2600/18Automatic control means
    • B60G2600/184Semi-Active control means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用サスペンション装置などの減衰力を変
更可能とするダンパを組み込んで物体を弾性支持する装
置に対して、制御仕様を満たし、かつ制御入力が連続と
なる良好な制御を行う。 【解決手段】 ダンパの減衰係数を予め定めた線形部分
と非線形部分に分け、同非線形部分を制御入力uとする
とともに、ばね上速度、相対速度及びばね上加速度を評
価出力zpとし、かつ制御入力uに周波数重みWu(s)を
付与するとともに、評価出力zpに周波数重みWs(s)を
付与した一般化プラントを想定する。この一般化プラン
トを用いて非線形H∞制御理論に基づいて求めた正定対
称解Pと、ばね上部材の速度、ばね下部材に対するばね
上部材の相対変位量などからなる状態量とにより目標減
衰力を計算して、ダンパの減衰力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を構成する部
材を弾性的に支持する車両用弾性支持装置、具体的には
車両のばね上部材とばね下部材との間に設けられたサス
ペンション装置など、物体を弾性的に支持する弾性支持
装置に組み込まれたダンパの減衰力(又は減衰係数)を
制御する弾性支持装置のための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の弾性支持装置、例え
ば車両のサスペンション装置においては、車両のばね上
部材、ばね下部材などの運動状態量を検出するととも
に、同検出した運動状態量に基づいて目標減衰力又は目
標減衰係数を決定して、サスペンション装置に組み込ん
だダンパの減衰力又は減衰係数を前記決定した目標減衰
力又は目標減衰係数に設定することはよく知られてい
る。例えば特開平10−119528号公報に示されて
いる装置においては、スカイフック理論に基づいて、ば
ね上部材の上下加速度と、ばね下部材に対するばね上部
材の相対速度とにより目標減衰係数を決定し、同決定し
た目標減衰係数を用いてサスペンション装置の減衰力を
制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記サ
スペンション装置のような弾性支持装置においては、ダ
ンパの減衰力は、ダンパの両側の部材間の相対速度(例
えばばね下部材に対するばね上部材の相対速度)と減衰
係数との積により与えられるものであるとともに、減衰
係数は前記相対速度に応じて非線形に変化するものであ
るので、制御系の設計が非常に困難である。例えば、こ
のような弾性支持装置(例えはサスペンション装置)に
対して状態空間表現されるプラントを想定して、制御系
の設計を試みることが考えられる。しかし、この場合で
も、プラントが双線形であるので、このような双線形シ
ステムに線形理論をそのまま適用しても、制御入力を弾
性支持装置(例えばサスペンション装置)にて実現でき
ない領域については近似則を用いることになり、理論的
には設計時に与えた制御仕様(ノルム条件)を満たす保
証がなくなり、また制御入力が不連続になるために制御
に違和感が出てしまうという問題があり、現在までの制
御は妥協の上に成立したものであって充分に満足できる
ものではなかった。
【0004】
【発明の大略】本発明は上記課題に対処するためになさ
れたもので、その目的は、減衰力又は減衰係数を変更可
能なダンパを備えて上記のように双線形システムとなる
弾性支持装置(例えば、車両用支持装置、車両用サスペ
ンション装置など)に対して従来にない良好な制御を行
えるようにしたことにある。
【0005】上記目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、物体を弾性的に支持するとともに減衰力
(又は減衰係数)を変更可能なダンパを組み込んだ弾性
支持装置に適用され、ダンパの減衰力(又は減衰係数)
を、非線形なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を
与えることができる制御理論に基づいて計算した目標減
衰力(又は目標減衰係数)に設定することにある。この
場合、弾性支持装置は、例えば、車体、エンジンなどの
車両を構成する部材を弾性的に支持する車両用弾性支持
装置である。より具体的には、例えば車両のサスペンシ
ョン装置である。また、前記制御理論として、非線形H
∞制御理論を採用できる。さらに、非線形H∞制御理論
として、非線形H∞状態フィードバック制御、非線形H
∞出力フィードバック制御及びカルマンフィルタを用い
た非線形H∞制御のうちのいずれか一つを採用すること
ができる。
【0006】これによれば、双線形システムとなる弾性
支持装置(例えば、車両用支持装置、車両用サスペンシ
ョン装置など)においても、設計時に与えた制御仕様
(ノルム条件)を満たし、かつ制御入力が連続的に変化
して、制御に違和感を与えない良好な制御装置が弾性支
持装置(車両用弾性支持装置、車両用サスペンション装
置)のダンパに対して実現される。
【0007】また、前記本発明を車両用サスペンション
装置のための制御装置に適用した場合、制御装置は、ば
ね上部材及びばね下部材の上下方向の運動に関係した状
態量を検出する状態量検出手段と、非線形なプラントを
扱えて周波数領域で設計仕様を与えることができる制御
理論(例えば、非線形H∞制御理論)に基づいて求めた
正定対称解を記憶しておき、同記憶しておいた正定対称
解及び前記検出された状態量を用いて前記目標減衰力
(又は前記目標減衰係数)を計算する目標減衰力計算手
段(又は目標減衰係数計算手段)とにより構成するとよ
い。
【0008】また、一方では、前記制御装置は、ばね上
部材及びばね下部材の上下方向の運動に関係した複数の
状態量のうちの一部の状態量を検出する状態量検出手段
と、複数の状態量のうちの他の状態量をオブザーバ(観
測器)を用いて推定する状態量推定手段と、前記制御理
論に基づいて求めた正定対称解を記憶しておき、同記憶
しておいた正定対称解、前記検出された状態量及び前記
推定された状態量を用いて目標減衰力(又は目標減衰係
数)を計算する目標減衰力計算手段(又は目標減衰係数
計算手段)とにより構成するとよい。
【0009】この場合、前記状態量としては、ばね上部
材、ばね下部材の上下方向の運動に関する種々の物理量
を利用できるが、タイヤの上下方向の変位量、ばね下部
材に対するばね上部材の上下方向の相対変位量、ばね下
部材の上下方向速度及びばね上部材の上下方向速度を状
態量とすることが好ましい。
【0010】これによれば、ばね下部材に対するばね上
部材の相対速度と、同相対速度に応じて変化する減衰係
数との積により与えられる減衰力を扱う双線形制御シス
テムにおいても、設計時に与えた制御仕様(ノルム条
件)を満たし、かつ制御入力が連続的に変化して、制御
に違和感を与えない良好なサスペンション装置の制御装
置が実現される。その結果、車両の走行安定性が良好に
なったり、車両の乗り心地が良好となる。
【0011】また、本発明の他の構成上の特徴は、弾性
支持装置(車両用弾性支持装置又は車両用サスペンショ
ン装置)のための制御装置が、ダンパの減衰係数を予め
定めた線形部分と非線形部分との2つに分けて扱うもの
であり、同制御装置が、前記非線形部分を前記制御理論
(例えば非線形H∞制御理論)に基づいて計算する非線
形部分計算手段と、前記予め定めた線形部分と前記計算
した非線形部分とを合成して前記目標減衰係数を計算す
る目標減衰係数計算手段とにより構成されていることに
ある。さらに、車両用サスペンション装置のための制御
装置において、目標減衰力を計算する場合には、ばね下
部材に対するばね上部材の相対速度を検出又は推定し
て、この相対速度に前記計算された目標減衰係数を乗じ
て同目標減衰力を計算するようにすればよい。このよう
に、サスペンション装置の減衰係数を予め定めた線形部
分と非線形部分との2つに分けて扱うことにより、プラ
ントを安定にし、所望の特性が得られるように制御する
ことが可能となる。
【0012】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
制御装置が、ダンパの減衰係数を線形部分と非線形部分
との2つに分けて扱うものであって、前記計算した目標
減衰力がダンパにより発生可能な減衰力の範囲内にほぼ
納まるように、前記線形部分と前記非線形部分のゲイン
を規定したものである。また、目標減衰係数を計算する
場合には、線形部分と非線形部分を合成した目標減衰係
数による減衰力がダンパにより発生可能な減衰の範囲内
にほぼ納まるように、前記線形部分と前記非線形部分の
ゲインを規定する。より具体的に、前記線形部分と非線
形部分とを合成した減衰係数が前記線形部分を挟んで変
化するように、前記非線形部分を変化させるものであ
る。
【0013】このように、目標減衰力がダンパにより発
生可能な減衰力の範囲内にほぼ納まるようしたので、す
なわち図5(A)に示すように、目標減衰力をサスペンシ
ョン装置にて実現し得る最小減衰力と最大減衰力との間
にほぼ納まるようにしたので、設計時に与えた制御仕様
(ノルム条件)を満たし、かつ制御入力が連続的に変化
して、制御に違和感を与えない良好な弾性支持装置の制
御が確実に行えるようになる。また、この場合、前記線
形部分と前記非線形部分のゲインとを規定したり、前記
線形部分と非線形部分とを合成した減衰係数が前記線形
部分を挟んで変化するようにようにしたので、簡単に上
記制御仕様を満たすことが実現される。
【0014】また、本発明の他の構成上の特徴は、ダン
パが、その減衰力(又は減衰係数)を複数段のいずれか
の段に切り換えるように構成されてなり、前記制御装置
が、ダンパの減衰係数を線形部分と非線形部分との2つ
に分けて扱うものであって、前記線形部分により決定さ
れる減衰力が、同減衰力の小さな範囲でダンパの複数段
のうちの所定の1つの段により発生される減衰力にほぼ
等しくなるように、前記線形部分を設定したことにあ
る。減衰力の小さな範囲では減衰力の相対速度に対する
線形性は強く、同相対速度に対して非線形に変化する非
線形部分をほぼ「0」とすることができる。したがっ
て、前記構成によれば、ダンパにおいては前記所定の1
つの段に維持される可能性が高くなり、すなわちダンパ
の減衰力(減衰係数)の切り換え頻度を低く抑えること
ができるので、ダンパにおける減衰力切り換え機構の耐
久性が高く保たれる。
【0015】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
制御装置が、ダンパの減衰係数を線形部分と非線形部分
との2つに分けて扱うとともに、前記非線形部分を制御
入力とする一般化プラントを想定して前記目標減衰力
(又は目標減衰係数)を計算するものであって、前記制
御入力に対して所定の周波数重みを付与するものであ
る。この種の制御装置にあっては、プラントのモデル化
誤差、減衰係数切り換え機構内のアクチュエータの応答
速度、同機構における減衰力の立ち遅れ、状態量を検出
するためのセンサノイズなどの理由により、制御周波数
帯域が高くなればなるほど制御効果が薄れる。しかし、
前記構成によれば、前記各種原因によって制御効果の薄
れる周波数帯域で制御入力を追従させないようにできる
ので、より良好な制御を実現できる。また、前記アクチ
ュエータの無駄な動きも減少するので、同アクチュエー
タの耐久性が向上するとともに、前記減衰係数切り換え
機構から発生する異音を抑制できる。
【0016】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
車両用サスペンションを制御するための制御装置が、ば
ね上部材及びばね下部材の上下方向の運動に関する物理
量を評価出力とする一般化プラントを想定して前記目標
減衰力(又は前記目標減衰係数)を計算するものであっ
て、前記物理量に対して所定の周波数重みを付与するも
のである。この場合、前記物理量としては、ばね上部材
の共振に影響するばね上部材の上下加速度、ばね上部材
の上下速度、ばね上部材の上下変位量などの物理量、ば
ね下部材の共振に影響するばね下部材の上下速度、ばね
上部材に対するばね下部材の相対速度、タイヤ変位量な
どの物理量、乗員の乗り心地(ゴツゴツ感)に影響する
ばね上部材の上下加速度などの物理量を利用できる。そ
して、好ましくは、ばね上部材の共振に影響する物理量
としてばね上部材の上下方向速度を利用し、ばね下部材
の共振に影響する物理量としてばね下部材に対するばね
上部材の相対速度を利用し、乗員の乗り心地の悪化(ゴ
ツゴツ感)に影響する物理量としてばね上部材の上下方
向加速度を利用するようにするとよい。これによれば、
評価出力として前記各種物理量を採用することにより、
周波数帯域に応じて前記各種物理量が与える車両への悪
影響をより良好に抑制することができる。
【0017】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
物理量は複数種類であり、同複数種類の物理量に対する
各周波数重みの最大領域が互いに干渉しないようにした
ことにある。これによれば、各種物理量が車両用サスペ
ンション装置に与える各悪影響を同悪影響毎に独立して
抑制することができ、他の物理量の周波数重みによる抑
制効果に影響を与えないので、前記各悪影響を良好に抑
制することができる。
【0018】そして、好ましくは、前記物理量は、ばね
上部材の上下方向速度、ばね下部材に対するばね上部材
の相対速度、ばね上部材の上下方向加速度のうちの少な
くとも2つ以上にするとよい。これによれば、ばね上部
材の共振、ばね下部材の共振及び乗員の乗り心地の悪化
(ゴツゴツ感)のうちの少なくとも2つが解消される。
【0019】また、本発明の他の構成上の特徴は、車両
のばね上部材とばね下部材との間に設けられて減衰力を
変更可能なダンパを組み込んだサスペンション装置に適
用され、前記ダンパの減衰係数を線形部分と非線形部分
との2つに分けて扱い、前記ダンパの減衰力を、非線形
なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を与えること
ができる制御理論に基づいて計算した目標減衰力に設定
する車両用サスペンション装置のための制御装置であっ
て、車速又はばね上質量を検出し、前記検出した車速又
はばね上質量に応じて前記減衰係数の線形部分を変更制
御するようにしたことにある。
【0020】これによれば、ダンパの減衰係数の線形部
分が、車速又はばね上質量に応じて変更されるので、車
速又はばね上質量の変化によって生じる車両要求性能の
変化に対応することができ、官能上の評価が良好にな
る。
【0021】また、本発明の他の構成上の特徴は、車両
のばね上部材とばね下部材との間に設けられて減衰力を
変更可能なダンパを組み込んだサスペンション装置に適
用され、非線形なプラントを扱えて周波数領域で設計仕
様を与えることができる制御理論に基づいて、一般化プ
ラントを想定して前記ダンパの目標減衰力を計算すると
ともに、前記ダンパの減衰力を前記計算した目標減衰力
に設定する車両用サスペンション装置のための制御装置
であって、車速又はばね上質量を検出し、前記検出した
車速又はばね上質量に応じて前記一般化プラントにおけ
る周波数重みを変更制御するようにしたことにある。
【0022】これによれば、想定した一般化プラントに
おける周波数重みが車速又はばね上質量に応じて変更さ
れるので、車速又はばね上質量の変化によって生じる車
両要求性能の変化に対応することができ、官能上の評価
が良好になる。
【0023】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
のように、ダンパの減衰係数の線形部分が、車速、ばね
上質量などの車両の状態に応じて変更されたり、一般化
プラントにおける周波数重みが、車速、ばね上質量など
の車両の状態に応じて変更されたりする場合、前記変更
に伴って計算された目標減衰力が所定値よりも大きく変
化したとき、前記ダンパの減衰係数の線形部分及び一般
化プラントにおける周波数重みの変更を禁止するように
したことにある。
【0024】これにより、ダンパの減衰係数の線形部分
又は一般化プラントにおける周波数重みの変更により、
ダンパにて設定される目標減衰力が急激に大きく変化す
ること、すなわち目標減衰力の不連続を解消することが
できるので、減衰力制御の違和感をなくすことができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】a.モデル及び制御系設計の問題
点 まず、サスペンション装置のモデルを考えて、同装置の
状態空間表現を図る。図1は、車両の車輪一輪当たりの
サスペンション装置の機能図である。Mbは車体すなわ
ちばね上部材10の質量であり、Mwはロアアーム、車
輪などのばね下部材11の質量であり、Ktはタイヤ1
2のばね定数である。Ksはばね上部材10とばね下部
材11との間に介装されたサスペンション装置内に設け
たばね13のばね定数であり、Csは同サスペンション
装置内に設けたダンパの減衰係数Cのうちの線形部分
(以下、線形減衰係数といい、後述する第1〜第3実施
例では定数部分として扱われ、第1〜第4変形例におい
ては車両の状態に応じて変更される)であり、Cvは同
減衰係数Cのうちの非線形部分(以下、非線形減衰係数
といい、後述する第1〜第3実施例では可変部分として
扱われる)である。これらの線形減衰係数Csと可変減
衰係数Cvとの合計が、ダンパ14の総合的な減衰係数
である(C=Cs+Cv)。15は路面であり、ばね上部
材10、ばね下部材11及び路面15の各変位量を
pb,xpw,xprとすれば、下記数1,2の運動方程式
が成立する。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】なお、上記数1,2及び後述する各数式に
おける記号「'」は1回微分を表し、記号「''」は2回
微分を表している。
【0029】このサスペンション装置における制御入力
uは可変減衰係数Cvである。そこで、路面外乱w1を路
面速度xpr'とするとともに、可変減衰係数Cvを制御入
力uとしてサスペンション装置を状態空間表現すると、
下記数3のようになる。
【0030】
【数3】xp'=App+Bp11+Bp2(xp)u ただし、上記数3中、xp,Ap,Bp1,Bp2(xp)は下
記数4〜7のとおりである。
【0031】
【数4】
【0032】
【数5】
【0033】
【数6】
【0034】
【数7】
【0035】この発明におけるサスペンション装置の特
性向上の目標は、ばね上部材の振動に大きく影響するば
ね上部材10の上下速度xpb'(以下、ばね上速度xpb'
という)、車両の乗り心地に大きく影響するばね上部材
10の上下加速度xpb''(以下、ばね上加速度xpb''と
いう)及びばね下部材11の振動に大きく影響するばね
上部材10に対するばね下部材11の上下相対速度
pw'−xpb'(以下、相対速度xpw'−xpb'という)を
同時に抑制することである。したがって、評価出力zp
として、ばね上速度xpb'、ばね上加速度xpb''及び相
対速度xpw'−xpb'を用いる。また、サスペンション装
置においては、ばね上加速度xpb''と、ばね上部材10
に対するばね下部材11の相対変位量xpw−xpb(以
下、単に相対変位量xpw−xpbという)とを検出し易い
ので、基本的には観測出力ypをばね上加速度xpb''及
び相対変位量xpw−xpbとする。また、観測出力yp
は観測ノイズw2が含まれているとし、これを状態空間
表現すると、下記数8,9のようになる。
【0036】
【数8】zp=Cp1p+Dp12(xp)u
【0037】
【数9】yp=Cp2p+Dp212+Dp22(xp)u ただし、上記数8,9中のzp,yp,Cp1,,Dp12(x
p),Cp2,Dp21,Dp22(xp)は、それぞれ下記数10
〜16のとおりである。
【0038】
【数10】
【0039】
【数11】
【0040】
【数12】
【0041】
【数13】
【0042】
【数14】
【0043】
【数15】
【0044】
【数16】
【0045】しかし、上記サスペンション装置の状態空
間表現は、前記数3に示すように係数Bp2(xp)に状態
量xpが含まれているので、双線形システムとなる。双
線形システムでは、原点x=oでは制御入力uを変えて
もBp2(o)=oとなるため、原点付近では不可制御であ
る。したがって、線形制御理論では前記サスペンション
装置の制御系の設計はできず、同制御系の設計を非線形
H∞制御理論を用いて、所望の制御性能が得られるよう
に、すなわちばね上速度xpb'、ばね上加速度xp b''及
び相対速度xpw'−xpb'を抑える制御系を設計すること
を試みる。以下、本発明に係る非線形H∞制御系の各種
設計及びその車両搭載例について説明する。
【0046】b.第1実施例 b1.非線形H∞状態フィードバック制御系の設計 まず、非線形H∞状態フィードバック制御系の設計につ
いて試みるために、評価出力zpと制御入力uに周波数
重みを加えた図2に示すような状態フィードバック制御
系の一般化プラントを想定する。この場合、周波数重み
とは、重みの大きさが周波数に応じて変化する重みであ
り、伝達関数で与えられる動的な重みのことである。こ
の周波数重みを用いることにより、制御性能を上げたい
周波数帯域の重みを大きくし、制御性能を無視してよい
周波数帯域に関しては重みを小さくすることが可能とな
る。さらに、評価出力zp及び制御入力uに周波数重み
s(s),Wu(s)をかけた後、非線形な重み関数として
状態量xの関数a1(x),a 2(x)をかける。非線形重み
1(x),a2(x)は、リカッチ方程式に帰結して解を得
るために、下記数17,18により規定される特性を有
する。
【0047】
【数17】a1(x)>0,a2(x)>0
【0048】
【数18】a1(o)=a2(o)=1 この非線形重みによって、より積極的にL2ゲインを抑
えるような制御系の設計が可能となる。このシステムの
状態空間表現は、下記数19のようになる。
【0049】
【数19】xp'=App+Bp11+Bp2(xp)u ここで、評価出力zpにかかる周波数重みWs(s)の状態
空間表現を下記数20,21のように表す。
【0050】
【数20】xw'=Aww+Bwp
【0051】
【数21】zw=Cww+Dwp なお、xwは周波数重みWs(s)の状態量を表し、zw
周波数重みWs(s)の出力を表しており、Aw,Bw
w,Dwは制御仕様により定まる定数行列である。これ
らの定数行列Aw,Bw,Cw,Dwは、乗員の乗り心地
(ゴツゴツ感)を良好にするためにばね上加速度xb''
に対するゲインを3〜8Hz程度の周波数領域で下げ
(図3(A))、ばね上部材10の共振を抑制するために
ばね上速度xb'に対するゲインを0.5〜1.5Hz程
度の周波数領域で下げ(図3(B))、ばね下部材11の
共振を避けるために相対速度xw'−xb'に対するゲイン
を10〜14Hz程度の周波数領域で下げるように決定
される(図3(C))。そして、これらの各ゲインを下げ
る周波数領域が重ならない、すなわち互いに干渉しない
ようにして、評価出力zpを構成するばね上加速度
b''、ばね上速度xb'及び相対速度xw'−xb'の各要
素が独立して制御されるようにしている。
【0052】また、制御入力uにかかる周波数重みW
u(s)の状態空間表現を下記数22,23のように表
す。
【0053】
【数22】xu'=Auu+Bu
【0054】
【数23】zu=Cuu+Duu なお、xuは周波数重みWu(s)の状態量を表し、zu
周波数重みWu(s)の出力を表しており、Au,Bu
u,Duは制御仕様による定数行列である。これらの定
数行列Au,Bu,Cu,Duは、減衰係数を制御する電気
アクチュエータの応答性を考慮するために、制御入力u
に対するゲインが同アクチュエータの周波数特性に合わ
せて高周波数領域で抑えられるように決定される(図3
(D))。
【0055】このとき、非線形H∞状態フィードバック
制御系における一般化プラントの状態空間表現は下記数
24〜26のようになる。
【0056】
【数24】x'=Ax+B11+B2(x)u
【0057】
【数25】z1=a1(x)(C11x+D121(x)u)
【0058】
【数26】z2=a2(x)(C12x+D122u) ただし、前記数24〜26中のx,A,B1,B2(x),
11,D121(x),C12,D122は、下記数27〜34の
とおりである。
【0059】
【数27】
【0060】
【数28】
【0061】
【数29】
【0062】
【数30】
【0063】
【数31】C11=[Dwp1w o]
【0064】
【数32】D121(x)=[Dwp12(xp)]
【0065】
【数33】C12=[o o Cu
【0066】
【数34】D122=Du 次に、リカッチ方程式に基づいて解を求めるために、下
記数35により規定される条件のもとで、前記数24〜
26により表された一般化プラントの状態空間表現を書
き換えると下記数36〜38のようになる。
【0067】
【数35】Dwp12(x)=0
【0068】
【数36】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0069】
【数37】z1=a1(x)C11
【0070】
【数38】z2=a2(x)C12x+a2(x)D122u ここで、Aは減衰力制御系を表す安定な行列であるか
ら、前記一般化プラントに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」、かつ「路面外乱wから評価出力
zまでのL2ゲインがある正定数γ以下である」を満た
す非線形H∞状態フィードバック制御則u=k(x)を設
計することを試みる。
【0071】前記非線形H∞状態フィードバック制御則
u=k(x)は、次の条件が成立するならば求まる。すな
わち、 D122 -1が存在し、ある正定数γが与えられるとき、
この正定数γに対して下記数39のリカッチ方程式を満
たす正定対称解Pが存在し、かつ 非線形重みa1(x),a2(x)が下記数40の制約条件
を満たすならば、閉ループシステムを内部安定にし、か
つL2ゲインをγ以下とする制御則u=k(x)の一つは
下記数41で与えられる。
【0072】
【数39】
【0073】
【数40】
【0074】
【数41】
【0075】ここで、前記数41の制約条件を満たす非
線形重みa1(x),a2(x)を下記数42,43に例示し
ておく。
【0076】
【数42】
【0077】
【数43】
【0078】なお、前記数42,43中のm1(x)は任
意の正定関数である。そして、コンピュータによる演算
の結果、前記のような正定対称解Pを求めることができ
た。そして、前記数43を用いると前記数41は下記数
44のように変形される。
【0079】
【数44】
【0080】これらのことは、非線形H∞制御理論を用
いて制御系を設計するためには、一般的にハミルトン・
ヤコビ不等式とよばれる偏微分不等式を解かなければな
らないが、前記のように非線形重みa1(x),a2(x)に
前記数40の制約条件を与えることにより、ハミルトン
・ヤコビ不等式を解く代わりにリカッチ不等式を解くこ
とによって制御則が設計できることを示している。リカ
ッチ不等式は、マトラブ(Matlab)等の公知のソフトウ
ェアを用いることにより簡単に解を求めることができる
ので、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つけ
ることができるとともに、制御則u=k(x)も導出する
ことができる。
【0081】また、前記D122はリカッチ不等式には現
れず、非線形重みに対する制約条件及び制御則のみに関
係している。このことは、D122を用いた制御則の調整
が、リカッチ不等式を解き直すことなくある程度可能で
あることを示している。すなわち、前記制御則の調整は
制御入力uに対するスケーリングを行うことを意味し、
制御入力uのスケーリングを10倍にするとD122が1
/10倍になり、前記数41のB2(x)項は100倍、
12の項は10倍になる。
【0082】次に、非線形重みの役割について確認する
ために、双線形システムの非線形重みを用いない一般化
プラントを想定して、上述した非線形重みを用いた一般
化プラントとの比較をしておく。すなわち、前記非線形
重みa1(x),a2(x)をそれぞれa1(x)=1,a2(x)
=1とし、また簡単化のために直交条件を満たすとして
12=o,D122=Iとする。前記数36〜38により
表される状態空間表現は下記数45〜47のようにな
る。
【0083】
【数45】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0084】
【数46】z1=C11
【0085】
【数47】z2=u これにより、一般化プラントの制御則u=k(x)は下記
数48のように表される。
【数48】u=B2 T(x)Px ただし、Pは下記数49のリカッチ方程式を満たす正定
対称解である。
【0086】
【数49】
【0087】一方、前記数45〜47で表される一般化
プラントの原点近傍における線形近似システムは、下記
数50〜52のようになる。
【0088】
【数50】x'=Ax+B1
【0089】
【数51】z1=C11
【0090】
【数52】z2=u 前記数49のリカッチ方程式は、この一般化プラントに
対して閉ループシステムが内部安定であり、L2ゲイン
がγ以下であることを意味している。すなわち、双線形
システムのL2ゲインは図4に示す原点(x=o)での
値によって決まってしまうのである。これは、原点では
双線形システムがB2(o)=oであるので、制御入力u
が働かず原点近傍ではL2ゲインを改善できないからで
ある。また、制御入力uをu=oとした一般化プラント
(数45〜47)も線形近似した一般化プラント(数5
0〜52)と一致するので、数49のリカッチ不等式
は、一般化プラント(数45〜47)に対して制御入力
uがu=oの場合も、閉ループシステムが内部安定であ
り、L2ゲインがγ以下であることを意味している。す
なわち、状態量xが大きくなって制御入力uが効果を発
揮するようになっても、制御出力を下記数53,54と
する一般化プラント(数45〜47)に対して制御系を
設計した場合、制御入力uをかけてもL2ゲインがg0
り大きくならないことを保証しているだけである。
【0091】
【数53】z1=C11
【0092】
【数54】z2=u すなわち、制御出力が前記数53,54のように表され
る場合、制御性能が制御入力uを用いることによって向
上しているかもしれないが、u=oの場合と変わらない
かもしれないのである。そこで、制御出力z1,z2に非
線形重みa1(x),a2(x)を用いて下記数55,56と
することによって原点よりも離れたところでは、非線形
重みによって図4のg1の線に表されるように、プラン
トのL2ゲインを原点よりも小さくなるように抑え込む
制御系が設計可能となる。
【0093】
【数55】z1=a1(x)C11
【0094】
【数56】z2=a2(x)u また、この制御では、ダンパ14の減衰係数Cを線形減
衰係数Csと非線形な可変減衰係数Cvとに分けて、同
可変減衰係数Cvを制御入力uとして制御系を設計し
た。そして、図5(A)に示すように、線形減衰係数Cs
をダンパ14の最小減衰力特性線(最大オリフィス開度
に対応)と、最大減衰力特性線(最小オリフィス開度に
対応)とのほぼ中央付近に設定するとともに、制御入力
uのゲインを周波数に応じて制御するようにして、減衰
係数Cが線形減衰係数Csを挟んだ両側で変化するとと
もに、同減衰係数による減衰力が前記最小減衰力特性線
と最大減衰力特性線との間に納まるようにした。したが
って、ダンパ14の設計仕様に合わせて可変減衰係数C
vを簡単に決定できるとともに、実際のダンパ14によ
り実現可能な範囲内で減衰力制御を行うことができ、意
図した減衰力制御を行うことができる。なお、比較のた
めに、図5(B)にスカイフック理論に基づいてダンパ1
4の減衰係数を制御した場合のリサージュ波形図を示し
てあるが、この場合には、実際のダンパ14により実現
可能な範囲内で制御を行うことができず、意図した減衰
力の制御が不能である。
【0095】また、ダンパ14の減衰力(減衰係数)が
複数段のいずれかに段階的に切り換えるように構成され
ている場合には、線形減衰係数Csの設定において、同
線形減衰係数Csにより決定される減衰力が、同減衰力
の小さい範囲で前記ダンパ14の複数段のうちの所定の
1つの段により発生される減衰力にほぼ等しくなるよう
に、前記線形減衰係数Csを設定する。この種のサスペ
ンション装置においては、減衰力の小さい範囲では減衰
力の相対速度に対する線形性は強く、すなわち計算され
る可変減衰係数Cvが「0」である可能性が高い。した
がって、ダンパ14においては前記所定の1つの段に維
持される可能性が高くて減衰係数の切り換え頻度が低く
なるので、ダンパ14の耐久性が高く保たれる。
【0096】b2.車両搭載例 次に、上記非線形H∞状態フィードバック制御則を用い
た減衰力制御装置の車両への搭載例について説明する。
【0097】図6はこの減衰力制御装置をブロック図に
より示しており、同装置はダンパ14のオリフィス14
aの開度OPを複数段階(N段階)に切換え制御するた
めのステップモータ、超音波モータなどの電気アクチュ
エータ21を備えている。なお、前述のように減衰力の
小さい部分でオリフィス14aの開度が頻繁に切り換え
られないようにするために、ダンパ14の所定の一つの
段(複数の段のうちのほぼ中央付近の段)により発生さ
れる減衰力が、後述するプログラム処理により計算され
る線形減衰係数Csにより決定される減衰力にほぼ等し
くなるようになっている。
【0098】この電気アクチュエータ21は、駆動回路
22を介してマイクロコンピュータ20により制御され
るようになっている。マイクロコンピュータ20には、
タイヤ変位量センサ23、ストロークセンサ24、ばね
上加速度センサ25及びばね下加速度センサ26が接続
されている。タイヤ変位量センサ23は、路面変位x pr
とばね下変位xpwとの相対変位量であるタイヤ12の変
位量xpr−xpwを検出するもので、例えばタイヤの変形
度を検出する歪センサ、タイヤの空気圧を検出する圧力
センサなどの出力に基づいて前記タイヤ変位量xpr−x
pwを検出する。ストロークセンサ24は、ばね上部材1
0とばね下部材11との間に介装されて両部材10,1
1間の上下方向の相対変位量である相対変位量xpw−x
pbを検出する。ばね上加速度センサ25は、ばね上部材
10に固定され、同部材10の上下方向の加速度である
ばね上加速度xpb''を検出する。ばね下加速度センサ2
6は、ばね下部材11に固定され、同部材11の上下方
向の加速度であるばね下加速度xpw''を検出する。
【0099】マイクロコンピュータ20は、内蔵のタイ
マにより所定の短時間毎に図7のプログラムを実行する
ことにより、オリフィス14aのN段階の開度OPを表
す制御信号を駆動回路22に出力する。また、マイクロ
コンピュータ20には、図8に示すような相対速度
pw'−xpb'に対するダンパ14の減衰力Fの変化特性
を開度OP毎に表すデータを記憶した相対速度−減衰力
テーブルも内蔵されている。
【0100】次に、この具体的な実施形態の動作を説明
する。車両のイグニッションスイッチ(図示しない)が
投入されると、マイクロコンピュータ20は、図7に示
すプログラムを短時間毎に繰り返し実行して、ダンパ1
4の減衰力を切換え制御する。このプログラムの実行は
ステップ100にて開始され、ステップ102にて、タ
イヤ変位量センサ23、ストロークセンサ24、ばね上
加速度センサ25及びばね下加速度センサ26から、タ
イヤ変位量xpr−xpw、相対変位量xpw−xpb、ばね上
加速度xpb''及びばね下加速度xpw''を表す各検出信号
を入力する。そして、ステップ104にて、ばね上加速
度xpb''及びばね下加速度xpw''をそれぞれ時間積分す
ることによりばね上速度xpb'及びばね下速度xpw'を計
算するとともに、相対変位量xpw−xpbを時間微分する
ことにより相対速度xpw'−xpb'を計算する。
【0101】次に、ステップ106にて、相対速度
pw'−xpb'を用いた上記数7,13と同じ下記数5
7,58の演算によりBp2(xp),Dp12(xp)を計算す
るとともに、これらのBp2(xp),Dp12(xp)を用いた
上記数30と同じ下記数59の演算によりB2(x)を計
算する。
【0102】
【数57】
【0103】
【数58】
【0104】
【数59】
【0105】なお、前記数57,58中のMw,Mbは、
本減衰力制御装置を搭載した車両のばね下質量とばね上
質量である。また、前記数59中のBw,Buは、上記数
20,22にて設定した周波数重みWs(s),Wu(s)に
関する係数行列であって、予めマイクロコンピュータ2
0内に記憶されている定数行列である。
【0106】前記ステップ106の処理後、ステップ1
08にて、ステップ102の処理により入力され又はス
テップ104の処理により計算された本減衰力制御装置
の制御目標であり、上記数10により規定される評価出
力zp(ばね上速度xpb'、ばね上加速度xpb''及び相対
速度xpw'−xpb')を用いて上記数20と同じ下記数6
0の演算式に基づいて周波数重みの状態変数xwを計算
する。
【0107】
【数60】xw'=Aww+Bwp なお、前記数60中のAw,Bwは、上記数20にて設定
した周波数重みWs(s)に関する係数行列であって、予
めマイクロコンピュータ20内に記憶されている定数行
列である。
【0108】次に、ステップ110にて、上記数22,
27,44と同じ数61〜63を用いて、制御入力uに
関する周波数重みの状態変数xu、拡張した状態量x及
び制御入力uを計算する。
【0109】
【数61】xu'=Auu+Bu
【0110】
【数62】
【0111】
【数63】
【0112】前記数61中のAu,Buは、上記数22に
て設定した周波数重みWu(s)に関する係数行列であっ
て、予めマイクロコンピュータ20内に記憶されている
定数行列である。また、前記63中のD122は、上記数
34で定義され、かつ上記数23にて設定した周波数重
みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコ
ンピュータ20内に記憶されている定数行列である。m
1(x)は、任意の正定数関数であり、同関数に関するア
ルゴリズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶されて
いるものである。なお、この正定数関数m1(x)を正の
定数、例えば「1.0」に設定しておいてもよい。C11
は、上記数12,31により定義され、すなわち本減衰
力制御装置を搭載した車両のばね下質量Mw及びばね上
質量Mbと、スプリング13のばね定数Ksと、ダンパ1
4の線形減衰係数Csと、上記数21にて設定した周波
数重みWs(s)に関する係数行列Cw,Dwとにより規定
され、予めマイクロコンピュータ20内に記憶されてい
る定数行列である。B2(x)は、前記ステップ106に
て計算された行列である。Pは、上記数39,40を満
たす正定対称解であり、予めマイクロコンピュータ20
内に記憶されている定数行列である。C12は、上記数3
3により規定され、上記数23にて設定した周波数重み
u(s)に関する係数行列Cuを含む予めマイクロコンピ
ュータ20内に記憶されている定数行列である。
【0113】また、このステップ110の制御入力uに
関する周波数重みに関する状態変数xu、拡張した状態
量x及び制御入力uの計算においては、各値に初期値を
与えて、各値xu,x,uが収束するまで上記数60〜
63からなる演算を繰り返し行って、各値xu,x,u
を決定する。
【0114】前記ステップ110の処理後、ステップ1
12にて、制御入力uは非線形減衰係数Cvに等しいの
で、線形減衰係数Csと制御入力uとを加算する下記数
64の演算によりダンパ14の総合的な目標減衰係数C
を計算する。
【0115】
【数64】C=Cs+Cv=Cs+u 次に、ステップ114にて、前記計算した目標減衰係数
Cに前記ステップ104の処理により計算した相対速度
pw'−xpb'を乗算する下記数65の演算により目標減
衰力Fを計算する。
【0116】
【数65】F=C(xpw'−xpb') 前記ステップ114の処理後、ステップ116にて、図
8に示す相対速度−減衰力テーブルを参照することによ
り、前記計算した目標減衰力F及び相対速度x pw'−x
pb'に対応したダンパ14のオリフィス14aの開度O
Pを決定する。この決定にあたっては、図8のグラフ上
において減衰力Fと相対速度xpw'−xpb'とで決まる点
が最も近いカーブが検索され、同検索されたカーブに対
応した開度OPが選定される。そして、ステップ118
にて前記選定した開度OPを表す制御信号を駆動回路2
2に出力する。駆動回路22は電気アクチュエータ21
を駆動制御し、同アクチュエータ21がダンパ14のオ
リフィス14aを前記選定した開度OPに設定する。そ
の結果、ダンパ14は前記計算した目標減衰力Fを発生
することになり、ばね上部材10及びばね下部材11の
共振、並び乗員に対するゴツゴツ感抑制されるので、車
両の走行安定性が良好になるとともに、車両の乗り心地
も良好に保たれる。
【0117】c.第2実施例 c1.非線形H∞出力フィードバック制御系の設計 次に、上記非線形H∞状態フィードバック制御系の設計
を一歩進めて、状態量xp(タイヤ変位xpr−xpw、相
対変位量xpw−xpb、ばね下速度xpw'、ばね上加速度
pb'')の一部(例えば、タイヤ変位xpr−xpw及びば
ね下速度xpw'、又はタイヤ変位xpr−xpw、相対変位
量xpw−xpb及びばね下速度xpw')を制御系内に含ん
だ形のオブザーバで推定し、同推定値を用いて制御系と
して非線形H∞出力フィードバック制御系の設計を試み
る。この場合、評価出力zpと制御入力uに周波数重み
を加えた図9に示すような出力フィードバック制御系の
一般化プラントを想定する。この場合、評価出力zp
周波数重みWs(s)をかけた後、非線形な重み関数とし
てa1(x,x^)をかけるとともに、制御入力uに周波数
重みWu(s)をかけた後、非線形な重み関数としてa
2(x,x^)をかける。この非線形な重み関数a1(x,x
^),a2(x,x^)は、下記数66,67に示す特性を有
する。これにより、より積極的にL2ゲインを抑えるよ
うな制御系の設計が可能となる。なお、x^は前記のよ
うに一部に推定値を含む状態量を表す。
【0118】
【数66】a1(x,x^)>0,a2(x,x^)>0
【0119】
【数67】a1(o,o)=a2(o,o)=1 このシステムの状態空間表現も、評価出力zpにかかる
周波数重みWs(s)の状態空間表現も、制御入力uにか
かる周波数重みWu(s)の状態空間表現も、上述した状
態フィードバック制御系の場合と同様に、下記数68〜
72のように表される。
【0120】
【数68】xp'=App+Bp11+Bp2(xp)u
【0121】
【数69】xw'=Aww+Bwp
【0122】
【数70】zw=Cww+Dwp
【0123】
【数71】xu'=Auu+Bu
【0124】
【数72】zu=Cuu+Duu なお、状態変数xw、評価関数zw、定数行列Aw,Bw
w,Dwも上記状態フィードバック制御系の場合と同じ
である。
【0125】しかし、この非線形H∞出力フィードバッ
ク制御系における一般化プラントの状態空間表現は下記
数73〜76のようになる。
【0126】
【数73】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0127】
【数74】z1=a1(x,x^)(C11x+D121(x)u)
【0128】
【数75】z2=a2(x,x^)(C12x+D122u)
【0129】
【数76】y=C2x+D21w+D22(x)u ただし、前記数73〜76中のx,w,A,B1,B
2(x),C11,D121(x),C12,D122,C2,D21,D
22(x)は、下記数77〜88のとおりである。
【0130】
【数77】
【0131】
【数78】
【0132】
【数79】
【0133】
【数80】
【0134】
【数81】
【0135】
【数82】C11=[Dwp1w o]
【0136】
【数83】D121(x)=[Dwp12(xp)]
【0137】
【数84】C12=[o o Cu
【0138】
【数85】D122=Du
【0139】
【数86】C2=[Cp2 o o]
【0140】
【数87】D21=[o Dp21
【0141】
【数88】D22(x)=Dp22(xp) 次に、リカッチ方程式に基づいて解を求めるために、下
記数89により規定される条件のもとで、前記数73〜
76により表された一般化プラントの状態空間表現を書
き換えると下記数90〜93のようになる。
【0142】
【数89】Dwp12(x)=o
【0143】
【数90】x'=Ax+B1w+B2(x)u
【0144】
【数91】z1=a1(x,x^)C11
【0145】
【数92】 z2=a2(x,x^)C12x+a2(x,x^)D122
【0146】
【数93】y=C2x+D21w+D22(x)u ここで、上記状態フィードバック制御系の場合と同様
に、前記一般化プラントに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」、かつ「wからzまでのL 2ゲイ
ンがある正定数γ以下である」を満たす非線形H∞出力
フィードバック制御則u=k(y)を設計することを試み
る。さらに、この非線形H∞出力フィードバック制御に
おいては、下記第1〜第3タイプに分けてそれぞれ説明
する。
【0147】c1−1)第1タイプの制御系の設計 この第1タイプは、上記数81のB2(x)及び数88の
22(x)が既知関数すなわち少なくとも相対速度xpw'
−xpb'が観測可能であり、オブザーバゲインLは定数
行列である場合である。
【0148】前記非線形H∞出力フィードバック制御則
u=k(y)は、次の条件が成立するならば求まる。すな
わち、 D122 -1が存在し、γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>o
を満たす正定数であり、かつγ2は>1であり、下記数
94のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記95のコントローラ(制御
器)を設計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称
行列P,Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数96,
97の制約条件を満たすならば、下記数98とする制御
則の一つは下記数99,100で与えられる。
【0149】
【数94】
【0150】
【数95】
【0151】
【数96】 γ2 2−a1(x,x^)2>0,γ2 2−a2(x,x^)2>0
【0152】
【数97】
【0153】
【数98】
【0154】
【数99】x'^=(A+LC2)x^+(B2(x)+LD
22(x))u−Ly
【0155】
【数100】
【0156】ただし、オブザーバゲインLは下記数10
1のように表される。
【0157】
【数101】L=−QC2 TΘTΘ また、「‖ ‖」はユークリッド・ノルムを表し、「‖
2」は2乗可積分関数空間L2上のノルムを表してい
て、f(t)∈L2に対して、下記数102で定義される
ものである。
【0158】
【数102】
【0159】また、ΘはΘ-1が存在する正定行列であ
り、このΘを用いてオブザーバゲインLを調整すること
が可能である。また、上記状態フィードバック制御則の
場合と同様に、コントローラのゲインLはD122を用い
て調整することが可能である。さらに、γ1はオブザー
バのL2ゲインであり、γ2はコントローラのL2ゲイン
であり、閉ループシステムのL2ゲインはγ1とγ2の積
として決まる。したがって、オブザーバとコントローラ
をうまく調整してシステムのL2ゲインを決定しなけれ
ばならない。
【0160】ここで、前記数96,97の制約条件を満
たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数10
3,104に例示しておく。
【0161】
【数103】
【0162】
【数104】
【0163】なお、前記数103,104中のm1(x,
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pが求めることがで
きた。そして、前記数103,104を用いると前記数
99,100は下記数105,106のように変形され
る。
【0164】
【数105】x'^=(A+LC2)x^+(B2(x)+LD22
(x))u−Ly
【0165】
【数106】
【0166】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。
【0167】c1−2)第1タイプの車両搭載例 次に、前記タイプ1の制御則を用いた減衰力制御装置の
車両への搭載例について説明する。この場合の減衰力制
御装置は、図6のブロック図においてタイヤ変位量セン
サ23及びばね下加速度センサ26が省略されており、
マイクロコンピュータ20は図7のプログラムに変えて
図10のプログラムを実行する。他の部分に関しては上
記第1実施例と同じである。
【0168】この場合も、マイクロコンピュータ20
は、内蔵のタイマにより図10に示すプログラムを短時
間毎に繰り返し実行し、ステップ100の開始後、ステ
ップ102aにて、ストロークセンサ24及びばね上加
速度センサ25から相対変位量xpw−xpb及びばね上加
速度xpb''を表す各検出信号を入力し、ステップ104
aにて上記第1実施例の場合と同様に相対速度xpw'−
pb'及びばね上速度xpb'を計算する。
【0169】次に、ステップ106aにて、相対速度x
pw'−xpb'を用いた上記数7,13と同じ下記数10
7,108の演算によりBp2(xp),Dp12(xp)を計算
するとともに、これらのBp2(xp),Dp12(xp)を用い
た上記数81と同じ下記数109の演算によりB2(x)
を計算し、かつ相対速度xpw'−xpb'を用いた上記数1
6,88と同じ下記数110,111の演算によりD22
(x)を計算する。
【0170】
【数107】
【0171】
【数108】
【0172】
【数109】
【0173】
【数110】
【0174】
【数111】D22(x)=Dp22(xp) なお、前記数107〜110中のMw,Mb,Bw,B
uは、上記第1実施形態と同じ値又は定数行列である。
【0175】前記ステップ106aの処理後、ステップ
110aにて、上記数105,106と同じ数112,
113を用い、上記第1実施例の場合と同様にして推定
状態量x^及び制御入力uを計算する。
【0176】
【数112】x'^=(A+LC2)x^+(B2(x)+LD22
(x))u−Ly
【0177】
【数113】
【0178】前記数112中のAは、マイクロコンピュ
ータ20内に予め記憶されていて前記数79,5,12
により決定される定数行列である。Lは、マイクロコン
ピュータ20内に予め記憶されていて前記数101によ
り定義された定数行列であって、正定対称行列Q、前記
数14,86により定まる定数行列C2、及び正定行列
Θにより決まるオブザーバのゲインである。C2も、マ
イクロコンピュータ20内に予め記憶されている前記定
数行列である。B2(x)及びD22(x)は前記ステップ1
06aにて計算した行列である。また、yは観測値であ
って、この第1タイプでは前記ステップ102aの処理
により入力した相対変位量xpw−xpb及び前記ステップ
104aの処理により計算したばね上速度xpb'であ
る。
【0179】また、前記数113中のD122は、上記数
85で定義され、かつ上記数23にて設定した周波数重
みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコ
ンピュータ20内に記憶されている定数行列である。γ
2は、前述したγ2>1なる正定数である。m1(x,x^)
は、任意の正定数関数であり、同関数に関するアルゴリ
ズム予めマイクロコンピュータ内に記憶されているもの
である。なお、この正定数関数m1(x)を正の定数、例
えば「1.0」に設定しておいてもよい。C11は、上記
数12,82により定義され、すなわち本減衰力制御装
置を搭載した車両のばね下質量Mw及びばね上質量M
bと、スプリング13のばね定数Ksと、ダンパ14の線
形減衰係数Csと、上記数21にて設定した周波数重み
s(s)に関する係数行列Cw,Dwとにより規定され、
予めマイクロコンピュータ20内に記憶されている定数
行列である。B2(x)は、前記ステップ106aにて計
算された行列である。Pは、上記数94,95を満たす
正定対称解であり、予めマイクロコンピュータ20内に
記憶されている定数行列である。C12は、上記数84に
より規定され、上記数23にて設定した周波数重みW
u(s)に関する係数行列Cuを含む予めマイクロコンピュ
ータ20内に記憶されている定数行列である。
【0180】前記ステップ110aの処理後、上記第1
実施例と同様なステップ112〜118の処理により、
ダンパ14の総合的な目標減衰係数Cを計算するととも
に目標減衰力Fを計算し、前記計算した目標減衰力Fに
対応したダンパ14のオリフィス14aの開度OPを決
定し、同オリフィス14aを開度OPに設定して、ダン
パ14に目標減衰力Fを発生させる。その結果、この第
2実施例の第1タイプの制御装置によれば、ばね下速度
pw'及びタイヤ変位量xpr−xpwを検出しなくても、
ダンパ14は前記計算した目標減衰力Fを発生すること
になり、簡単な構成で上記第1実施例の場合と同様な効
果が期待される。
【0181】c2−1)第2タイプの制御系の設計 この第2タイプは、上記数81のB2(x)及び数88の
22(x)が未知関数すなわち相対速度xpw'−xpb'が未
知であり、オブザーバゲインLは定数行列である場合で
ある。
【0182】この種の双線形システムではB2(x),D
22(x)はxの1次関数であり、これを考慮して前記数9
0〜93により表された一般化プラントを書き換える
と、下記数114〜117のようになる。ただし、
20,D220,d122は定数行列である。
【0183】
【数114】x'=Ax+B1w+B20xu
【0184】
【数115】z1=a1(x^)C11
【0185】
【数116】z2=a2(x^)C12x+a2(x)d122
【0186】
【数117】y=C2x+D21w+D220xu この一般化プラントに対して、非線形H∞出力フィード
バック制御則を設計することを試みる。オブザーバゲイ
ンLを定数行列とする場合、次の定理により出力フィー
ドバック制御則が設計できる。すなわち、 γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>oを満たす正定数で
あり、かつγ2はγ2>1である正定数であり、かつε1 2
−u2>0を満たす正定数εが存在するとき、下記数1
18のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記119のコントローラを設
計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称行列P,
Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数12
0,121の制約条件を満たすならば、下記数122と
する制御則の一つは下記数123,124で与えられ
る。
【0187】
【数118】
【0188】
【数119】
【0189】
【数120】 γ2 2−a1(x,x^)2>0,γ2 2−a2(x,x^)2>0
【0190】
【数121】
【0191】
【数122】‖[z1 T 2 T]T2≦γ1γ2‖w‖2
【0192】
【数123】x'^=(A+L(u)C2)x^+(B20+L
(u)D220)x^u−L(u)y
【0193】
【数124】
【0194】ただし、オブザーバゲインL(u)は下記数
125のように表される。
【0195】
【数125】L(u)=−QC2 TΘTΘ また、ΘはΘ-1が存在する正定行列であり、このΘを用
いてオブザーバゲインL(u)を調整することが可能であ
る。また、上記状態フィードバック制御則の場合と同様
に、コントローラのゲインLはd122を用いて調整する
ことが可能である。
【0196】ここで、前記数120,121の制約条件
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
126,127に例示しておく。
【0197】
【数126】
【0198】
【数127】
【0199】なお、前記数126,127中のm1(x,
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pが求めることがで
きた。そして、前記数126,127を用いると前記数
123,124は下記数128,129のように変形さ
れる。
【0200】
【数128】x'^=(A+L(u)C2)x^+(B20+L
(u)D220)x^u−L(u)y
【0201】
【数129】
【0202】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。
【0203】c2−2)第2タイプの車両搭載例 次に、この第2タイプの制御則を用いた減衰力制御装置
の車両への搭載例について説明する。この場合の減衰力
制御装置は、上記第1タイプの場合の図6のストローク
センサ24を省略するとともに、図10のステップ10
2a,104aによるストロークセンサ24からの相対
変位量xpw−xpbの入力及び相対速度x pw'−xpb'の計
算、並びにステップ106aの演算処理を省略して、前
記第2タイプの制御則にしたがった演算を実行するもの
である。
【0204】この場合も、マイクロコンピュータ20
は、内蔵のタイマにより図10に示すプログラムを短時
間毎に繰り返し実行し、ステップ102aにてばね上加
速度x pb''を入力し、ステップ104aにてばね上速度
pb'を計算し、ステップ110aにて上記数128,
129と同じ数130,131を用い、相対速度xpw'
−xpb'の推定を含む推定状態量x'^及び制御入力uを
計算する。
【0205】
【数130】x'^=(A+L(u)C2)x^+(B2+L(u)
220)x^u−L(u)y
【0206】
【数131】
【0207】前記数130,131中のA,L,C2
γ2,m1(x,x^),C11,P,C12に関しては前記第
1タイプの場合と同じである。また、B20,D220,d
122は、マイクロコンピュータ20内に予め記憶されて
いて前述した適当な定数行列である。また、この場合、
yは観測値であって前記ステップ104aの処理により
計算したばね上速度xpb'である。
【0208】前記ステップ110aの処理後、上記第1
タイプと同様なステップ112,114の処理により、
ダンパ14の総合的な目標減衰係数Cを計算するととも
に目標減衰力Fを計算する。ただし、この場合、ステッ
プ114の目標減衰力Fの計算では、ステップ110a
にて計算した推定相対速度xpw'^−xpb'^を利用する。
そして、上記第1タイプと同様なステップ116,11
8の処理により、前記計算した目標減衰力Fに対応した
ダンパ14のオリフィス14aの開度OPを決定し、同
オリフィス14aを開度OPに設定して、ダンパ14に
目標減衰力Fを発生させる。その結果、この第2タイプ
によれば、相対変位量xpw−xpbの検出を省略しても、
上記第1タイプの場合と同様な効果を期待できる。 c3−1)第3タイプの制御系の設計 この第3タイプも、上記数81のB2(x)及び数88の
22(x)が未知関数すなわち相対速度xpw'−xpb'が未
知であり、オブザーバゲインLは関数行列である場合で
ある。
【0209】この第3タイプにおいても、上記第2タイ
プの数114〜117により表された一般化プラントに
対して、非線形H∞出力フィードバック制御則を設計す
ることを試みる。オブザーバゲインLを制御入力uの関
数とする場合、次の定理により出力フィードバック制御
則が設計できる。すなわち、 γ1はγ1 2I−D21 TΘTΘD12>oを満たす正定数で
あり、かつγ2はγ2>1である正定数であり、かつε1 2
−u2>0を満たす正定数εが存在するとき、下記数1
32のオブザーバ(オブザーバゲイン)を設計するため
のリカッチ不等式、及び下記133のコントローラを設
計するためのリカッチ不等式を満たす正定対称行列P,
Q及び正定行列Θが存在し、さらに 非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)が下記数13
4,135の制約条件を満たすならば、下記数136と
する制御則の一つは下記数137,138で与えられ
る。
【0210】
【数132】
【0211】
【数133】
【0212】
【数134】 γ2 2−a1(x,x^)2>0,γ2 2−a2(x,x^)2>0
【0213】
【数135】
【0214】
【数136】‖[z1 T 2 T]T2≦γ1γ2‖w‖2
【0215】
【数137】x'^=(A+L12)x^+(B20+L
2220)x^u−(L1+L2u)y
【0216】
【数138】
【0217】ただし、オブザーバゲインL(u)は下記数
139のように表される。
【0218】
【数139】L(u)=−QC2 TΘTΘ−uQD220 TΘTΘ
=L1+uL2 また、前記数139中のL1,L2は下記数140,14
1のように表される。
【0219】
【数140】L1=−QC2 TΘTΘ
【0220】
【数141】L2=−QD220 TΘTΘ また、ΘはΘ-1が存在する正定行列であり、このΘを用
いてオブザーバゲインL(u)を調整することが可能であ
る。また、上記状態フィードバック制御則の場合と同様
に、コントローラのゲインLはd122を用いて調整する
ことが可能である。
【0221】ここで、前記数134,135の制約条件
を満たす非線形重みa1(x,x^),a2(x,x^)を下記数
142,143に例示しておく。
【0222】
【数142】
【0223】
【数143】
【0224】なお、前記数142,143中のm1(x,
x^)は任意の正定関数であり、εはε<1かつεγ2 2
1である正定数である。そして、コンピュータによる演
算の結果、前記のような正定対称解Pを求めることがで
きた。そして、前記数142,143を用いると前記数
137,138は下記数144,145のように変形さ
れる。
【0225】
【数144】x'^=(A+L12)x^+(B2x^+L2
22x^)u−L(u)y
【0226】
【数145】
【0227】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、推定状態量x'^及び制御則u=
k(y)も導出することができる。 c3−2)第3タイプの車両搭載例 次に、この第3タイプの制御則を用いた減衰力制御装置
の車両への搭載例について説明する。この場合の減衰力
制御装置の構成は、上記第2タイプの場合と同じであ
る。
【0228】この場合も、マイクロコンピュータ20
は、内蔵のタイマにより図10に示すプログラムを短時
間毎に繰り返し実行し、前記第1タイプと同様なステッ
プ102a,104aの処理後、ステップ110aにて
上記数144,145と同じ数146,147を用い、
上記第2タイプの場合と同様にして推定状態量x'^及び
制御入力uを計算する。
【0229】
【数146】x'^=(A+L12)x^+(B2x^+L2
22x^)u−L(u)y
【0230】
【数147】
【0231】前記数146,147中のA,C2
20,,D220,γ2,m1(x,x^),C1 1,d122
P,C12に関しては前記第2タイプの場合と同じであ
る。また、L,L1,L2は、前記数139〜141によ
り規定されるゲインである。さらに、この場合も、yは
観測値であって前記ステップ104aの処理により計算
したばね上速度xpb'である。
【0232】前記ステップ110aの処理後、上記第2
タイプと同様なステップ112〜118の処理により、
ダンパ14の総合的な目標減衰係数Cを計算するととも
に目標減衰力Fを計算し、前記計算した目標減衰力Fに
対応したダンパ14のオリフィス14aの開度OPを決
定し、同オリフィス14aを開度OPに設定して、ダン
パ14に目標減衰力Fを発生させる。したがって、この
第3タイプによっても、上記第2タイプと同様な効果を
期待できる。
【0233】d.第3実施例 d1.カルマンフィルタベースの非線形H∞制御系の設
計 上記aのモデルに対して、双線形項Bp2(xp),Dp2(x
p)が既知すなわち相対速度xpw'−xpb'を観測可能とす
ることを条件に、オブザーバにカルマンフィルタを用い
た場合の出力フィードバック系の設計を試みる。
【0234】なお、この第3実施例における符号も上記
第2実施例の場合と同じであり、プラントに関する係数
及び変数にはサフィックスpが付けられている。サスペ
ンション装置の状態空間表現は、下記数148,149
により表される。
【0235】
【数148】xp'=App+Bp11+Bp2(xp)u
【0236】
【数149】yp=Cpp+Dp12+Dp2(xp)u t→∞の場合のカルマンフィルタは、Dp1=Iの場合、
下記数150のように表される。
【0237】
【数150】 xo'=Apo+Bp2u+K(Cpo+Dp2(xp)u−y) ただし、xo,xo'はカルマンフィルタにおける推定状
態量であり、フィルタゲインKは下記数151のとおり
である。
【0238】
【数151】K=−ΣCp T-1 また、推定誤差共分散Σは、下記数152のリカッチ方
程式の正定対称解である。
【0239】
【数152】 ApΣ+ΣAp T+Bp1VBp1 T−ΣCp T-1pΣ=o ただし、Vはw1の共分散行列であり、Wはw2の共分散
行列である。
【0240】このシステムの一般化プラントのブロック
線図は図11に示すとおりであり、この場合に、オブザ
ーバの出力である「推定状態量xoに周波数重みW(s)
をかけたもの」と、「制御入力uに周波数重みWu(s)
をかけたもの」とを評価出力zに用いている。すなわ
ち、ここでは、カルマンフィルタを検出器として使っ
て、そのカルマンフィルタの出力を小さくするように制
御系を設計している。この点が、上記第1及び第2実施
例とは異なるが、状態推定がうまく行われれば同第1及
び第2実施例と同等な性能が得られると考えられる。図
11のブロック線図で与えられるシステムの状態空間表
現は、下記数153〜159の通りである。
【0241】
【数153】xp'=App+Bp11+Bp2(xp)u
【0242】
【数154】xo'=Apo+Bp2(xp)u+L(C2o
p2(xp)u−y)
【0243】
【数155】y=Cpp+Dp12+Dp2(xp)u
【0244】
【数156】xw'=Aww+Bwso
【0245】
【数157】 z1=a1(xp,xo,xw,xu)(Cww+Dwso)
【0246】
【数158】xu'=Auu+Bu
【0247】
【数159】 z2=a2(xp,xo,xw,xu)(Cuu+Duu) ただし、xpはシステムの状態量、数153はシステム
の状態空間表現、xoは推定状態量、数154はオブザ
ーバの状態空間表現、yは観測出力、xwは周波数重み
の状態を表す。評価出力z1,z2には、後に設計する非
線形重みがかけられている。
【0248】このシステムに対して、「閉ループシステ
ムが内部指数安定」かつ「wからzまでのL2ゲインが
ある正定数γ以下」を満たすオブザーバの状態をフィー
ドバック制御する制御則u=k(xo)を設計する。そし
て、このシステムでは下記数160に示すように、周波
数重みWs(s)に対する入力がxoとなっていることが特
徴である。
【0249】
【数160】
【0250】はじめに、誤差変数を下記数161のよう
に定義すると、誤差システムは下記数162,163の
ようになる。
【0251】
【数161】xe=xp−xo
【0252】
【数162】 xe'=(Ap+LCp)xe+Bp11+LDp2
【0253】
【数163】
【0254】さらに、yeに対して逆行列が存在する定
数行列Θ(スケーリング行列)をかけて前記数162,
163により表された誤差システムを変形すると、同変
形されたシステムは下記数164,165のようにな
る。
【0255】
【数164】 xpe'=(Ap+LCp)xpe+Bp11+LDp2
【0256】
【数165】ye~=ΘCpe+ΘDp12 この変形した誤差システムに対して、ある正定数γ1
存在して外乱入力w=[w1 T 2 T]からye~までのL2
ゲインがγ1以下(‖ye~‖2≦γ1‖w‖2)となるよう
にオブザーバゲインLを設計することを考える。
【0257】ここで、γ1はγ1I−Dp1 TΘTΘDp1>o
を満たす正定数とすれば、‖ye~‖ 2≦γ1‖w‖2とな
るLは下記数166で与えられる。
【0258】
【数166】L=−QCp TΘTΘ ただし、Qは下記数167のリカッチ方程式を満たす正
定対称行列である。
【0259】
【数167】
【0260】なお、ここで解く前記数167のリカッチ
方程式はプラントの次数であり、上記第1及び第2実施
例の一般化プラントの次数より小さいことに注意を要す
る。
【0261】次に、オブザーバに関する上記数154を
書き換えると、下記数168のようになる。
【0262】
【数168】
【0263】この数168により表されたオブザーバを
用いてある正定数γ2が存在してオブザーバ誤差ye^か
ら評価出力zまでのL2ゲインがγ2以下(‖z‖2≦γ2
‖y e~‖2)となるようにコントローラを設計すること
を考える。ここで、前記数168により表されたオブザ
ーバを用いて周波数重みに関する状態変数xw,xuを合
わせた一般化プラントを構成すると、同プラントの状態
空間表現は下記数169〜171のようになる。
【0264】
【数169】xk'=Axk+B2(xp)u+L1Θ-1e~
【0265】
【数170】z1=a1(xp,xk)C11k
【0266】
【数171】 z2=a2(xp,xk)C12k+a2(xp,xk)D12u ただし、前記数169〜171における各変数行列及び
定数行列は、下記数172〜179のおりである。
【0267】
【数172】
【0268】
【数173】
【0269】
【数174】
【0270】
【数175】
【0271】
【数176】
【0272】
【数177】C11=[Dws w o]
【0273】
【数178】C12=[o o Cu
【0274】
【数179】D12=Du なお、ここで定義した状態量xkには状態量xpが含まれ
ていない。
【0275】このとき、D12 -1が存在するとすれば、下
記数180のリカッチ不等式の正定対称解Pが存在し、
さらに非線形重みa1(xp,xk),a2(xp,xk)が下記数
181を満たせば、ある正定数γ2が存在して‖z‖2
γ2‖ye2となるコントローラは下記数182で与え
られる。
【0276】
【数180】
【0277】
【数181】
【0278】
【数182】
【0279】よって、下記数183,184を満足する
オブザーバ及びコントローラが設計できる。
【0280】
【数183】‖ye~‖2≦γ1‖w‖2
【0281】
【数184】‖z‖2≦γ2‖ye~‖2 これらのことから、下記数185,186のリカッチ方
程式を満たす正定対称行列Q,Pが存在することがわか
る。
【0282】
【数185】
【0283】
【数186】
【0284】そして、非線形重みa1(xp,xk),a2(x
p,xk)が下記数187の制約条件を満たすとすれば、下
記数188となる制御則は下記数189,190で与え
られる。
【0285】
【数187】
【0286】
【数188】‖z‖2≦γ1γ2‖w‖2
【0287】
【数189】xk'=(A+L12)xk+(B2(xp)+L1
p2(xp))u−L1
【0288】
【数190】
【0289】ここで、カルマンフィルタを設計すために
用いた前記数152のリカッチ方程式と、前記数167
のリカッチ方程式とを比較すると、共分散行列V,Wを
下記数191,192のように規定すれば、両リカッチ
方程式の正定対称解ΣとQは一致する。
【0290】
【数191】W-1=ΘTΘ
【0291】
【数192】
【0292】すなわち、カルマンフィルタを設計した時
に用いた共分散行列V,Wを用いて、前記数191,1
92を満たすΘ,γ1を選べば、ここで設計し下記数1
93により表されたオブザーバはカルマンフィルタと一
致する。
【0293】
【数193】xo'=Axo+B2(xp)u+L(C2xo+D
p2(xp)u−y) ここで、前記数187の制約条件を満たす非線形重みa
1(xp,xk),a2(xp,xk)を下記数194,195に例
示しておく。
【0294】
【数194】
【0295】
【数195】
【0296】なお、前記数194,195中のm1(x,
x^)は任意の正定関数である。そして、コンピュータに
よる演算の結果、前記のような正定対称解Pを求めるこ
とができた。そして、前記数194,195を用いると
前記数189,190は下記数196,197のように
変形される。
【0297】
【数196】xk'=(A+L12)xk+(B2(xp)+L1
p2(xp))u−L1
【0298】
【数197】
【0299】その結果、この場合も、上記状態フィード
バック制御系の場合と同様にして、公知のソフトウェア
を用いることにより簡単に解を求めることができるの
で、この方法によれば、簡単に正定対称解Pを見つける
ことができるとともに、状態量x'及び制御則u=k
(y)も導出することができる。
【0300】d2.車両搭載例 次に、カルマンフィルタベースの制御則を用いた減衰力
制御装置の車両への搭載例について説明する。この場合
の減衰力制御装置の構成は、上記第2実施例の第1タイ
プの場合と同じである。
【0301】この場合も、マイクロコンピュータ20
は、内蔵のタイマにより図10に示すプログラムを短時
間毎に繰り返し実行し、前記第2実施例の第1タイプと
同様なステップ102a,104a,110aの処理を
実行する。ただし、この場合には、ステップ110aに
て上記数196,197と同じ下記数198,199を
用い、上記第2実施例の第1タイプの場合と同様にして
状態量xk'及び制御入力uを計算する。
【0302】
【数198】xk'=(A+L12)xk+(B2(xp)+L1
p2(xp))u−L1
【0303】
【数199】
【0304】前記数198中のAは、マイクロコンピュ
ータ20内に予め記憶されていて前記数173,16
0,5,22により決定される定数行列である。L
1は、マイクロコンピュータ20内に予め記憶されてい
て前記数175,166,167により定義された定数
行列であって、正定対称行列Q、定数行列Cp、前記数
14,86により定まる定数行列C2、及び正定行列Θ
により決まるオブザーバのゲインである。C2も、マイ
クロコンピュータ20内に予め記憶されていて前記定数
行列である。B2(xp)は前記数174,7,22により
決定される定数行列である。Dp2(xp)は前記数13に
より決定される定数行列である。また、yは観測値であ
って、前記ステップ102aの処理により入力した相対
変位量xpw−x pb及び前記ステップ104aの処理によ
り計算したばね上速度xpb'である。
【0305】また、前記数199中のD12は、上記数1
79で定義され、かつ上記数23にて設定した周波数重
みWu(s)に関する係数行列であって、予めマイクロコ
ンピュータ20内に記憶されている定数行列である。m
1(xp,xk)は、任意の正定数関数であり、同関数に関
するアルゴリズムが予めマイクロコンピュータ内に記憶
されているものである。なお、この正定数関数m
1(xp,xk)を正の定数、例えば「1.0」に設定して
おいてもよい。C11は、上記数177により定義され
て、前記数160にて設定した周波数重みWs(s)に関
する係数行列Cw,Dwsにより規定され、予めマイク
ロコンピュータ20内に記憶されている定数行列であ
る。B2(xp)は前記数174,7,22により決定され
る定数行列である。Pは、上記数186を満たす正定対
称解であり、予めマイクロコンピュータ20内に記憶さ
れている定数行列である。C12は、上記数178により
規定され、上記数23にて設定した周波数重みWu(s)
に関する係数行列Cuを含む予めマイクロコンピュータ
20内に記憶されている定数行列である。
【0306】前記ステップ110aの処理後、上記第1
実施例及び第2実施例の第1タイプと同様なステップ1
12〜118の処理により、ダンパ14の総合的な目標
減衰係数Cを計算するとともに目標減衰力Fを計算し、
前記計算した目標減衰力Fに対応したダンパ14のオリ
フィス14aの開度OPを決定し、同オリフィス14a
を開度OPに設定して、ダンパ14に目標減衰力Fを発
生させる。その結果、この第3実施例においても、上記
第2実施例の第1タイプと同様な効果が期待される。
【0307】e.変形例 上記第1〜第3実施例のコントローラにおいては線形減
衰係数及び周波数重みは固定されていたが、車速又はば
ね上質量に応じてコントローラの線形減衰係数又は周波
数重みを変化させて、車速又はばね上質量の変化によっ
て生じる車両要求性能を満足させるようにした第1〜第
3実施例の各種変形例について説明する。
【0308】e1.第1変形例 まず、上記第1実施例におけるコントローラの線形減衰
係数を車速に応じて変化させるようにした第1変形例に
ついて説明する。この場合、図6に破線で示すように、
マイクロコンピュータ20には、上述したタイヤ変位量
センサ23、ストロークセンサ24、ばね上加速度セン
サ25及びばね下加速度センサ26に加えて、車速Vを
検出する車速センサ27が接続されている。また、マイ
クロコンピュータ20は、図7のステップ112,11
4の処理を図12のフローチャートに対応した処理に代
えたプログラムを所定の短時間毎に実行する。
【0309】マイクロコンピュータ20は、ステップ1
10における制御入力uに関する周波数重みの状態変数
u、拡張した状態量x及び制御入力uの計算後、ステ
ップ202にて車速センサ27から車速Vを表す検出信
号を入力し、ステップ204にて旧線形減衰係数Cso
新線形減衰係数Csnに更新しておく。これらの新旧線形
減衰係数Cso,Csnは上記第1実施例の線形減衰係数C
sに対応するものであるが、両線形減衰係数Cso,Csn
は車速Vに応じて変化するものであるとともに、新線形
減衰係数Csnは今回のプログラム処理により新たに決定
されるもので、旧線形減衰係数Csoは前回のプログラム
処理により決定されたものである。なお、両線形減衰係
数Cso,Csnは初期においては初期設定処理により適当
な値に設定される。
【0310】前記ステップ204の処理後、ステップ2
06にて、車速−線形減衰係数テーブルから車速Vに対
応した線形減衰係数Csを読み出して新線形減衰係数C
snとして設定する。この車速−線形減衰係数テーブルは
マイクロコンピュータ20に内蔵されていて、複数の車
速領域(例えば、0Km/h以上から40Km/h未満までの低
速領域、40Km/h以上から80Km/h未満までの中速領
域、80Km/h以上の高速領域からなる3領域)毎に車速
Vの増加にしたがって増加する線形減衰係数Csを記憶
している。
【0311】次に、ステップ208にて、前記ステップ
206の処理により新たに決定された新線形減衰係数C
snと、前記ステップ204の処理により更新された旧線
形減衰係数Csoとを比較して、両線形減衰係数Cso,C
snが一致しているか否か(車速Vが属する車速領域が前
回と一致しているか否か)を判定する。両線形減衰係数
so,Csnが一致していれば、ステップ208にて「Y
ES」と判定して、プログラムをステップ112a,1
14に進める。ステップ112aにおいては、上記第1
実施例のステップ112における線形減衰係数Csを前
記新線形減衰係数Csnに代えた下記数200の演算によ
りダンパ14の総合的な目標減衰係数Cを計算する。
【0312】
【数200】C=Csn+Cv=Csn+u ステップ114の処理は、上記第1実施例の場合と同じ
処理であり、上記と同様な下記数201の演算により目
標減衰力Fが計算される。
【0313】
【数201】F=C(xpw'−xpb') 前記ステップ114の処理後、プログラムは上記第1実
施例のステップ116(図7)以降に進められて、前記
計算した目標減衰力Fに基づいてダンパ14のオリフィ
ス14aの開度OPが決定されるとともに、ダンパ14
のオリフィス14aが前記決定した開度OPに設定され
る。
【0314】一方、両線形減衰係数Cso,Csnが一致し
ていなければ、ステップ208にて「NO」と判定し
て、プログラムをステップ210〜222に進める。ス
テップ210,212においては、前記ステップ112
a,114の処理と同様な前記数200,201の演算
の実行により、新線形減衰係数Csnを用いて新目標減衰
力Fnが計算される。ステップ214においては、前記
ステップ210における新線形減衰係数Csnを旧線形減
衰係数Csoに代えた下記数202の演算によりダンパ1
4の総合的な目標減衰係数Cが計算される。
【0315】
【数202】C=Cso+Cv=Cso+u ステップ216においては、前記ステップ114及びス
テップ212の処理と同様な前記数201の演算の実行
により、旧線形減衰係数Csoを用いて旧目標減衰力Fo
が計算される。
【0316】次に、ステップ218にて、前記ステップ
212,216の処理により計算した新目標減衰力Fn
と旧目標減衰力Foとの差の絶対値|Fn−Fo|が小さ
な所定値ΔF以下であるか否かを判定する。そして、前
記絶対値|Fn−Fo|が所定値ΔF以下であれば、ステ
ップ218にて「YES」と判定し、ステップ220に
て目標減衰力Fを新目標減衰力Fnに設定する。また、
前記絶対値|Fn−Fo|が所定値ΔFよりも大きけれ
ば、ステップ218にて「NO」と判定し、ステップ2
22にて目標減衰力Fを旧目標減衰力Foに設定する。
これらのステップ220,222の処理後、前述の場合
と同様に、プログラムは上記第1実施例のステップ11
6(図7)以降に進められて、前記設定した目標減衰力
Fに基づいてダンパ14のオリフィス14aの開度OP
が決定されるとともに、ダンパ14のオリフィス14a
が前記決定した開度OPに設定される。
【0317】上記説明からも理解できるとおり、この第
1変形例によれば、前記ステップ202,206,21
0,212,220の処理により、ダンパ14の線形減
衰係数が車速Vに応じて切り換えられ、すなわち上記第
1実施例のコントローラが車速Vに応じて切り換えられ
るので、車速変化によって生じる車両要求性能の変化に
対応することができ、官能上の評価が良好になる。
【0318】また、前記ステップ202〜222の処理
により、車速変化によってダンパ14の線形減衰係数す
なわちコントローラが切り換えられた場合であっても、
目標減衰力Fが大きく変化してしまうときには、線形減
衰係数(コントローラ)を切り換えずに前回の線形減衰
係数(コントローラ)を用いて目標減衰力Fを計算する
ようにした。これにより、線形減衰係数(コントロー
ラ)の切り換えにより、目標減衰力Fが急激に大きく変
化すること、すなわち目標減衰力Fの不連続を解消する
ことができ、減衰力制御の違和感をなくすことができ
る。
【0319】e2.第2変形例 次に、上記第1実施例におけるコントローラの周波数重
みを車速に応じて変化させるようにした第2変形例につ
いて説明する。この場合も、図6に破線で示すように、
マイクロコンピュータ20には、上述したタイヤ変位量
センサ23、ストロークセンサ24、ばね上加速度セン
サ25及びばね下加速度センサ26に加えて、車速Vを
検出する車速センサ27が接続されている。また、マイ
クロコンピュータ20は、図7のステップ106〜11
4の処理を図13のフローチャートに対応した処理に代
えたプログラムを所定の短時間毎に実行する。
【0320】マイクロコンピュータ20は、上記第1実
施例のステップ108(図7)の処理後、ステップ23
0にて車速センサ27から車速Vを表す検出信号を入力
し、ステップ232にて周波数重みWs(s),Wu(s)に
関する旧係数行列Awo,Bwo,Cwo,Dwo,Auo
uo,Cuo,Duoを、同周波数重みWs(s),Wu(s)に
関する新係数行列Awn,Bwn,Cwn,Dwn,Aun
un,Cun,Dunに更新しておく。これらの新旧係数行
列は、上記第1実施例の周波数重みWs(s),Wu(s)に
関する係数行列Aw,Bw,Cw,Dw,Au,Bu,Cu
uに対応するものであるが、新旧係数行列は車速Vに
応じて変化するものであるとともに、新係数行列は今回
のプログラム処理により新たに決定されるもので、旧係
数行列は前回のプログラム処理により決定されたもので
ある。なお、新旧係数行列は初期においては初期設定処
理により適当な値に設定される。
【0321】前記ステップ232の処理後、ステップ2
34にて、車速−係数行列テーブルから車速Vに対応し
た係数行列Aw,Bw,Cw,Dw,Au,Bu,Cu,Du
読み出して新係数行列Awn,Bwn,Cwn,Dwn,Aun
un,Cun,Dunとして設定する。この車速−係数行列
テーブルはマイクロコンピュータ20に内蔵されてい
て、前記第1変形例と同様に複数の車速領域毎に、図3
(A)〜(D)のグラフに示す周波数重みの各特性が車速V
に応じて変化、特に各ゲインが車速Vの増加にしたがっ
て増加するように定められた前記領域数分の係数行列A
w,Bw,Cw,Dw,Au,Bu,Cu,Duを記憶してい
る。
【0322】次に、ステップ236にて、車速Vが属す
る車速領域が前回に対して変化したか否か(前記ステッ
プ234の処理により新たに決定された新係数行列と、
前記ステップ232の処理により更新された旧係数行列
とが異なっているか否か)を判定する。車速Vが属する
車速領域が前回と同じであれば、ステップ236にて
「NO」と判定して、プログラムをステップ238に進
める。ステップ238においては、前記新たに決定した
新係数行列Awn,Bwn,Cwn,Dwn,Aun,Bun
un,Dunを用いて、上記第1実施例のステップ106
〜114と同様な演算処理を実行し、目標減衰力Fを計
算する。
【0323】前記ステップ238の処理後、プログラム
は上記第1実施例のステップ116(図7)以降に進め
られて、前記計算した目標減衰力Fに基づいてダンパ1
4のオリフィス14aの開度OPが決定されるととも
に、ダンパ14のオリフィス14aが前記決定した開度
OPに設定される。
【0324】一方、車速Vが属する車速領域が前回に対
して変化していれば、ステップ236にて「YES」と
判定して、プログラムをステップ240〜248に進め
る。ステップ240においては、前記ステップ238の
処理と同様な処理により、新係数行列Awn,Bwn
wn,Dwn,Aun,Bun,Cun,Dunを用いて目標減衰
力Fを計算して新目標減衰力Fnとして設定する。ステ
ップ242においては、前記更新された旧係数行列
wo,Bwo,Cwo,Dwo,Auo,Buo,Cuo,Duoを用
いて、上記第1実施例のステップ106〜114と同様
な演算処理を実行し、目標減衰力Fを計算して旧目標減
衰力Fnとして設定する。
【0325】次に、上記第1変形例における図12のス
テップ218〜222と同様なステップ244〜248
の処理により、前記設定した新目標減衰力Fnと旧目標
減衰力Foとの差の絶対値|Fn−Fo|が小さな所定値
ΔF以下であれば、目標減衰力Fを新目標減衰力Fn
設定する。また、前記絶対値|Fn−Fo|が所定値ΔF
よりも大きければ、目標減衰力Fを旧目標減衰力Fo
設定する。これらのステップ244〜248の処理後、
前述の場合と同様に、プログラムは上記第1実施例のス
テップ116(図7)以降に進められて、ダンパ14の
オリフィス14aの開度OPが決定されるとともに、ダ
ンパ14のオリフィス14aが前記決定した開度OPに
設定される。
【0326】上記説明からも理解できるとおり、この第
2変形例によれば、前記ステップ230,234,24
2の処理により、周波数重みWs(s),Wu(s)に関する
係数行列Aw,Bw,Cw,Dw,Au,Bu,Cu,Duが車
速Vに応じて切り換えられ、すなわち上記第1実施例の
コントローラが車速Vに応じて切り換えられるので、車
速変化によって生じる車両要求性能の変化に対応するこ
とができ、官能上の評価が良好になる。
【0327】また、前記ステップ230〜248の処理
により、車速変化によって周波数重みWs(s),Wu(s)
に関する係数行列Aw,Bw,Cw,Dw,Au,Bu
u,Duすなわちコントローラが切り換えられた場合で
あっても、目標減衰力Fが大きく変化してしまうときに
は、係数行列(コントローラ)を切り換えずに前回の係
数行列(コントローラ)を用いて目標減衰力Fを計算す
るようにした。これにより、コントローラの周波数重み
の切り換えにより、目標減衰力Fが急激に大きく変化す
ること、すなわち目標減衰力Fの不連続を解消すること
ができ、減衰力制御の違和感をなくすことができる。
【0328】なお、前記第1及び第2変形例において
は、線形減衰係数及び周波数重みのいずれか一方を車速
に応じて変化させるようにしたが、車速に応じて線形減
衰係数及び周波数重みの両方を変化させるようにしても
よい。この場合、図12,13のプログラムにおいて、
車速Vに応じて線形減衰係数及び周波数重みの両者を変
更制御するようにすればよい。
【0329】また、上記第1及び第2変形例において
は、車速又はばね上質量の変化によって線形減衰係数又
は周波数重みすなわちコントローラを切り換えるように
したが、車両のピッチ、ロールなどの車両の状態量の変
化によってコントローラを切り換えるようにしてもよ
い。この場合、マイクロコンピュータ20に車両のピッ
チ、ロールなどの車両状態量を検出するセンサを接続し
て、同センサによって検出された状態量に応じて線形減
衰係数、周波数重みなど、すなわちコントローラを切り
換えるようにすればよい。そして、この場合にも、コン
トローラの切り換えによって計算した目標減衰力が大き
く変化してしまう場合には、その変化幅を規制するよう
にするとよい。
【0330】e3.第3変形例 次に、上記第1実施例におけるコントローラの線形減衰
係数又は周波数重みをばね上質量に応じて変化させる第
3変形例について説明する。
【0331】この場合、図6に破線で示すように、マイ
クロコンピュータ20には、上述した車速センサ27に
代えて、ぱね上質量センサ28が接続される。このばね
上質量センサ28は、ばね上部材10とばね下部材11
との間に設けられた荷重センサにより構成されて、ばね
上部材10(車体)の質量Mbを検出して、同質量Mb
表す検出信号をマイクロコンピュータ20に供給する。
【0332】そして、ばね上質量に応じてコントローラ
の線形減衰係数を変更制御する場合には、上記第1変形
例の場合と同様に、プログラムの一部を図12の処理に
変形した図7のプログラムを実行する。この場合、図1
2のステップ202にて、車速Vに代えて、ばね上質量
センサ28によって検出されたばね上部材10の質量M
bを入力する。また、ステップ206において、ばね上
質量−線形減衰係数テーブルからばね上質量Mbに対応
した線形減衰係数Csを読み出して新線形減衰係数Csn
として設定する。このばね上質量−線形減衰係数テーブ
ルもマイクロコンピュータ20に内蔵されていて、ばね
上質量Mbが順に大きくなる複数段階に分けた各領域毎
に同質量Mbの増加にしたがって増加する線形減衰係数
sを記憶している。さらに、この場合には、上記各実
施例及び各変形例の説明で定数として扱ってきたばね上
部材10の質量Mbをこの検出されたばね上質量Mbに置
き換えて、同検出されたばね上質量Mbを変数B2(x),
uなどの計算に利用するとよい。
【0333】これによれば、前記ステップ202,20
6,210,212,220の処理により、ダンパ14
の線形減衰係数がばね上質量Mbに応じて切り換えら
れ、すなわち上記第1実施例のコントローラがばね上質
量Mbに応じて切り換えられるので、ばね上質量の変化
によって生じる車両要求性能の変化に対応することがで
き、官能上の評価が良好になる。
【0334】また、前記ステップ202〜222の処理
により、ばね上質量の変化によってダンパ14の線形減
衰係数すなわちコントローラが切り換えられた場合であ
っても、目標減衰力Fが大きく変化してしまうときに
は、線形減衰係数(コントローラ)を切り換えずに前回
の線形減衰係数(コントローラ)を用いて目標減衰力F
を計算するようにした。これにより、線形減衰係数(コ
ントローラ)の切り換えにより、目標減衰力Fが急激に
大きく変化すること、すなわち目標減衰力Fの不連続を
解消することができ、減衰力制御の違和感をなくすこと
ができる。
【0335】一方、ばね上質量に応じてコントローラの
周波数重みを変更制御する場合には、上記第2変形例の
場合と同様に、プログラムの一部を図13の処理に変更
した図7のプログラムを実行する。この場合、図13の
ステップ230にて、車速Vに代えて、ばね上質量セン
サ28によって検出されたばね上部材10の質量Mb
入力する。また、ステップ234において、ばね上質量
−係数行列テーブルからばね上質量Mbに対応した係数
行列Aw,Bw,Cw,Dw,Au,Bu,Cu,Duを読み出
して新係数行列Awn,Bwn,Cwn,Dwn,Aun,Bun
un,Dunとして設定する。このばね上質量−係数行列
テーブルはマイクロコンピュータ20に内蔵されてい
て、前記変形例と同様なばね上質量の各領域毎に、図3
(A)〜(D)のグラフに示す各特性がばね上質量Mbに応
じて変化、特に各ゲインがばね上質量Mbの増加にした
がって増加するように定められた前記領域数分の係数行
列Aw,Bw,Cw,Dw,Au,Bu,Cu,Duを記憶して
いる。さらに、この場合にも、上記各実施例及び各変形
例の説明で定数として扱ってきたばね上部材10の質量
bをこの検出されたばね上質量Mbに置き換えて、同検
出されたばね上質量M bを変数B2(x),uなどの計算に
利用するとよい。
【0336】これによれば、前記ステップ230,23
4,240,246の処理により、周波数重みW
s(s),Wu(s)に関する係数行列Aw,Bw,Cw,Dw
u,Bu,Cu,Duがばね上質量Mbに応じて切り換え
られ、すなわち上記第1実施例のコントローラがばね上
質量Mbに応じて切り換えられるので、ばね上質量の変
化によって生じる車両要求性能の変化に対応することが
でき、官能上の評価が良好になる。
【0337】また、前記ステップ230〜248の処理
により、ばね上質量の変化によって周波数重みW
s(s),Wu(s)に関する係数行列Aw,Bw,Cw,Dw
u,Bu,Cu,Duすなわちコントローラが切り換えら
れた場合であっても、目標減衰力Fが大きく変化してし
まうときには、係数行列(コントローラ)を切り換えず
に前回の係数行列(コントローラ)を用いて目標減衰力
Fを計算するようにした。これにより、周波数重みに関
するコントローラの係数行列の切り換えにより、目標減
衰力Fが急激に大きく変化すること、すなわち目標減衰
力Fの不連続を解消することができ、減衰力制御の違和
感をなくすことができる。
【0338】なお、この第3変形例においては、線形減
衰係数及び周波数重みのいずれか一方をばね上質量に応
じて変化させるようにしたが、ばね上質量に応じて線形
減衰係数及び周波数重みの両方を変化させるようにして
もよい。この場合も、図12,13のプログラムにおい
て、ばね上質量Mbに応じて線形減衰係数及び周波数重
みの両者を変更制御するようにすればよい。
【0339】また、エアばね機構をサスペンション装置
内に組み込んだ車両においては、前記ばね上質量センサ
28に代えて、マイクロコンピュータ20のプログラム
処理によりばね上質量Mbを推定するばね上質量推定装
置をばね上質量検出手段として利用できる。
【0340】まず、ばね上質量の推定方法について説明
しておく。ばね上質量をMbとし、ある瞬間におけるば
ね上部材10の上下加速度をa(k)=Xpb”とし、同瞬
間におけるサスペンション装置内のエアばね機構のばね
定数をKs(k)とし、同瞬間におけるばね下部材11に
対するばね上部材10の相対変位量をs(k)=Xpw−X
pbとし、同瞬間における同サスペンション装置のダンパ
による減衰力をF(k)とすると、同瞬間におけるばね上
部材10の運動方程式は下記数203のように表され
る。ただし、kは正の整数である。
【0341】
【数203】Mb・a(k)=Ks(k)・s(k)+F(k) ここで、ばね上質量Mbに対するばね定数Ks(k)の比を
β(k)(=Ks(k)/Mb)とすれば、前記数203は下
記数204のように変形される。
【0342】
【数204】Mb・[a(k)−β(k)・s(k)]=F(k) 一方、エアばね機構を用いた車両用サスペンション装置
においては、ばね上質量Mbに対するばね定数Ksの比β
(k)が静的にほぼ一定となるように設計されている。し
たがって、前記比β(k)が一定値β(平均値)と扱える
程度に充分長い時間(ばね上部材10の共振周期の10
倍程度以上)、すなわち下記数205が成立する程度の
時間に渡る上下加速度a(k)、ばね定数Ks(k)、相対
変位量s(k)及び減衰力F(k)に対しては上記数204
を下記数206のように変形することができる。
【0343】
【数205】
【0344】
【数206】Mb・[a(k)−β・s(k)]=F(k) そして、例えば最小二乗法による下記数207を用いれ
ば、ばね上質量Mbを正確に推定できる。
【0345】
【数207】
【0346】次に、上記理論を用いたマイクロコンピュ
ータ20によるばね上質量推定装置を具体的に説明する
と、同コンピュータ20は、図14のフローチャートに
対応したプログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行す
る。このプログラムの実行は、ステップ260にて開始
され、ステップ262にてばね加速度センサ25からば
ね上加速度Xpb”を入力してばね上加速度aとして記憶
しておくとともに、ストロークセンサ24から相対変位
量Xpw−Xpbを入力して相対変位量sとして記憶してお
く。なお、これらのばね上加速度a及び相対変位量sを
表す値に関しては、後述する微分処理及びバンドパス処
理に利用するために、今回入力された値と共に適宜数だ
け過去に溯った値も記憶されている。次に、ステップ2
64にて今回及び前回記憶した相対変位量sを用いて相
対変位量sを微分処理して、ばね下部材11に対するば
ね上部材10の相対速度ds/dtを計算する。
【0347】次に、ステップ266にて、マイクロコン
ピュータ20のメモリ内に予め用意されている相対速度
−減衰力テーブル(図8)を参照し、オリフィス14a
の開度OP(OPは1〜Nのうちのいずれか)及び前記
計算した相対速度ds/dtに対応した減衰力Fを導出して
記憶しておく。この場合、オリフィス14aの開度OP
としては、前述した図7のプログラムのステップ116
にて決定した値が利用される。なお、この減衰力Fに関
しても、後述するバンドパス処理に利用するために、今
回導出された値と共に適宜数だけ過去に溯った値も記憶
されている。
【0348】次に、ステップ268にて、前記ステップ
266の処理により今回及び過去に導出された減衰力F
を用いて、同減衰力Fに含まれる直流成分及びノイズ成
分を除去するために同減衰力Fにバンドパスフィルタ処
理を施す。そして、ステップ270にて、時間経過に従
って減衰力Fを表すQ個のデータ列F(k)(k=1,2
…Q)を更新する。このデータ列F(k)は、値kが1か
ら順にQに向かうに従って新しいデータを表しており、
前記データ列F(k)の更新においては、データF(1)を
消去するとともにデータF(1),F(2)…F(Q−1)を
データF(2),F(3)…F(Q)にそれぞれ更新し、前記
バンドパスフィルタ処理により得た新たな減衰力Fをデ
ータF(Q)として記憶する。なお、このデータ列F(k)
は、後述する他のデータ列x(k)と共に、各車輪位置に
おけるばね上質量Mbに対するエアチャンバ11a〜1
1dのばね定数Ksの比Ks/Mbを一定と扱える程度に充
分に長い時間(ばね上部材の共振周期0.5〜1.0秒
の10倍程度以上)に渡るデータセットを構成するもの
であり、本実施例ではサンプリング周期(データセット
の更新周期)は5〜20ミリ秒程度に設定されていると
ともに、値Qは3000程度の値に設定されている。
【0349】前記ステップ270の処理後、ステップ2
72にて、前記ステップ262の処理により今回及び過
去に記憶されたばね上加速度aを用いて、ばね上加速度
センサ25により検出されたばね上加速度Xpb”(=
a)に含まれる直流成分及びノイズ成分を除去するため
に、同ばね上加速度aにバンドパスフィルタ処理を施
す。次に、ステップ274にて、前記ステップ262の
処理により今回及び過去に記憶された相対変位量sを用
いて、ストロークセンサ24により検出された相対変位
量Xpw−Xpb(=s)に含まれる直流成分及びノイズ成
分を除去するために、同相対変位量sにバンドパスフィ
ルタ処理を施す。そして、ステップ276にて下記数2
08の演算の実行により値xを計算し、ステップ278
にて、前記データ列F(k)(k=1,2…Q)と同様
に、時間経過に従って値xを表すQ個のデータ列x(k)
(k=1,2…Q)を更新する。なお、下記数208中
の値βは、ばね上質量Mbに対するばね定数Ksの比Ks/
bが一定値として扱える程度に充分に長い時間に渡る
同比Ks/Mbの平均値に相当する予め与えられた定数値
である。
【0350】
【数208】x=a−β・s そして、ステップ280にて、最小二乗法を用いた下記
数209の演算の実行によりばね上質量Mbを計算し
て、ステップ282にてこのプログラムの実行を終了す
る。
【0351】
【数209】
【0352】これによれば、荷重センサで構成したばね
上質量センサ28のような格別なセンサを用いることな
く、マイクロコンピュータ20によるソフト的な処理を
工夫するだけでばね上質量Mbを計算でき、簡単な構成
でばね上質量Mbを推定できるようになる。
【0353】また、前記ステップ280の演算に代え
て、減衰力F、ばね上加速度a及び相対変位量sをそれ
ぞれ表すデータ列F(k),a(k),s(k)(k=1,2
…Q)及び予め決められた比β(定数)を用いた下記数
210の演算に従ってばね上質量Mbを計算することも
できる。
【0354】
【数210】
【0355】この場合、上記実施例のステップ276,
278の処理を省略して、ステップ272,274の処
理により計算したばね上加速度a及び相対変位量sに基
づいて前記比βを定数と見なせる時間に渡るデータ列a
(k),s(k)(k=1,2…Q)を作成し、同作成した
データ列a(k),s(k)を上記減衰力Fを表すデータ列
F(k)と共に前記数210の演算に利用するようにすれ
ばよい。
【0356】また、上記例では、ステップ280の1回
の演算処理による結果をばね上質量Mbとして決定する
ようにしたが、前記1回の演算処理結果だけではなく、
複数回のステップ280の演算処理結果を平均してばね
上質量Mbとして決定するようにしてもよい。
【0357】さらに、上記例では、最小二乗法を用いて
ばね上質量Mbを推定するようにしたが、同最小二乗法
以外の例えば、一般化最小二乗法、最尤法、補助変数法
などによってもばね上質量を計算することができる。補
助変数法によれば、センサ観測ノイズe(k)を考慮して
上記数206は下記数211のように書き換えられる。
【0358】
【数211】Mb・[a(k)−β・s(k)]=F(k)+e
(k) そして、補助変数として、センサ観測ノイズe(k)と相
関を持たず、真の出力であるデータ列F(k)と相関の強
い制御指令値fcr(k)を用いる。この制御指令値f
cr(k)は、減衰力F(k)がダンパ14の実際の減衰力で
あるのに対して、図13のステップ238,240,2
42にて計算される目標減衰力であり、同ステップ23
8,240,242にて計算された目標減衰力を時系列
的に記憶しておいて用いることができる。これによれ
ば、ばね上質量Mbは下記数212により計算できる。
【0359】
【数212】
【0360】e4.第4変形例 また、上記第2実施例の各タイプ及び第3実施例におけ
る各コントローラの線形減衰係数を車速に応じてそれぞ
れ変化させるようにしてもよい。この場合も、上記第1
変形例の場合と同様に、図6に破線で示すように、マイ
クロコンピュータ20に、上述したタイヤ変位量センサ
23、ストロークセンサ24、ばね上加速度センサ25
及びばね下加速度センサ26に加えて、車速Vを検出す
る車速センサ27を接続する。そして、マイクロコンピ
ュータ20は、図10のステップ112,114の処理
を図12のフローチャートに対応した処理に代えたプロ
グラムを所定の短時間毎に実行する。
【0361】また、上記第2実施例の各タイプ及び第3
実施例における各コントローラの周波数重みを車速に応
じて変化させるようにしてもよい。この場合にも、前記
車速センサ27を用いるとともに、図10のプログラム
のステップ106a〜114の処理を上記第2変形例と
同様な図13のステップ230〜248の処理で置換し
たプログラムを実行する。ただし、図13のステップ2
38,240,242の処理においては、図10のステ
ップ106a〜114の処理をそれぞれ実行して、目標
減衰力Fを計算する。
【0362】さらに、上記第2実施例の各タイプ及び第
3実施例における各コントローラの線形減衰係数又は周
波数重みを、前記車速に代えて、上記第3変形例と同様
にばね上質量に応じてそれぞれ変化させるようにしても
よい。
【0363】その結果、第2実施例の各タイプ及び第3
実施例を前記のように変形した各変形例によっても、車
速変化又はばね上質量によって生じる車両要求性能の変
化に対応することができ、官能上の評価が良好になる。
これにより、線形減衰係数又は周波数重み(コントロー
ラ)の切り換えにより、目標減衰力Fが急激に大きく変
化すること、すなわち目標減衰力Fの不連続を解消する
ことができ、減衰力制御の違和感をなくすことができ
る。
【0364】f.その他の変形例 上記第1〜第3実施例及び各種変形例においては、オリ
フィス開度OP毎に相対速度xpw'−xpb'と減衰力Fと
の関係を表す相対速度−減衰力テーブルを用いてオリフ
ィス開度OPを決定するようにしたが、この相対速度−
減衰力テーブルに代えて、図15に示すようなオリフィ
ス開度OP毎に相対速度xw'−xb'と減衰係数Cとの関
係を表す相対速度−減衰係数テーブルをマイクロコンピ
ュータ20内に設けておき、同相対速度−減衰係数テー
ブルを用いてオリフィス開度OPを決定するようにして
もよい。この場合、上記第1〜第3実施例及び各種変形
例にて実行されたプログラム(図7,10)のステップ
114を省略するとともにステップ116の処理を変更
して、図16に示すプログラムを実行するようにすれば
よい。
【0365】この変更されたプログラムによれば、マイ
クロコンピュータ20は、上記第1〜第3実施例及び各
種変形例と同様にしてステップ112にて減衰係数Cを
計算した後、ステップ116aにて前記相対速度−減衰
係数テーブルを参照して、相対速度xpw'−xpb'又は推
定相対速度xpw'^−xpb'^と前記計算した減衰係数Cに
対応したオリフィス開度OPを決定する。このようにし
ても、上記第1〜第3実施例及び各種変形例と同様な目
標減衰力が得られ、上記第1〜第3実施例及び各種変形
例と同等な効果が期待される。
【0366】また、上記第1〜第3実施例及び各種変形
例においては、ダンパ14のオリフィス開度OPをN段
に切り換えるようにしたが、同オリフィス開度OPをよ
り多くの段階又は連続的に切り換え可能なダンパ14を
用いるようにすれば、さらに精度のよい減衰力及び減衰
係数の制御が可能となる。この場合、前記ステップ11
6,116aにてオリフィス開度OPを決定する際、テ
ーブル参照結果を補間してオリフィス開度OPを決定す
るようにするとよい。
【0367】また、上記第1〜第3実施例及び各種変形
例においては、一般化プラントの状態空間表現における
状態量として、タイヤ変位量pr−xpw、相対変位量x
pw−xpb、ばね下速度xpw'及びばね上速度xpb'を用い
るようにしたが、前記状態空間表現が可能であれば、ば
ね上部材10及びばね下部材11の上下方向の運動に関
する他の物理量を利用することもできる。また、上記第
2実施例の第1タイプ及び第3実施例においてはタイヤ
変位量xr−xw及びばね下速度xw'の検出を省略して推
定するようにし、上記第2実施例の第2及び第3タイプ
においてはさらに相対変位量xpw−xpb(相対速度
pw'−xpb')の検出をも省略して推定するようにした
が、制御則の多少の変更により他の状態変数の検出を省
略して推定することも可能である。
【0368】また、上記第1〜第3実施例及び各種変形
例の評価出力zpにおいては、3種類の物理量、すなわ
ちばね上部材10の共振に影響するものとしてばね上速
度x b'を、ばね下部材11の共振に影響するものとして
相対速度xw'−xb'を、車両の乗り心地の悪化(ゴツゴ
ツ感)に影響するものとしてばね上加速度xb''を用い
るようにしたが、これらのいずれか1種類又は2種類を
評価出力zpとして用いるようにしてもよい。さらに、
前記ばね上部材10の共振に影響するものとして、ばね
上速度xb'に代えて、ばね上加速度xb''、ばね上変位
量xbなどのばね上部材10の運動に関係の深い物理量
を用いるようにしてもよい。ばね下部材11の共振に影
響するものとして、相対速度xw'−xb'に代えて、ばね
下速度xw'、タイヤ変位量xr−xwなどのばね下部材1
1の運動に関係の深い物理量を用いるようにしてもよ
い。
【0369】また、上記各種実施例及びそれらの各種変
形例においては、非線形なプラントを扱えて周波数領域
で設計仕様を与えることができる制御理論として非線形
H∞制御理論を適用するようにしたが、前記制御理論と
して線形マトリクス不等式(Linear Matrix Inequalit
y)制御理論を拡張した双線形マトリクス不等式(Bilin
ear Matrix Inequality)制御理論を用いるようにして
もよい。
【0370】また、上記各種実施例及びそれらの各種変
形例においては、本発明を車両用サスペンション装置に
適用した例について説明したが、本発明は、車両を構成
する部材をゴム、スプリングなどの弾性部材を介して弾
性的に支持するとともに同車両を構成する部材の振動を
減衰させるための減衰力(減衰係数)を変更可能なダン
パを組み込んだ車両用弾性支持装置、例えば車両用エン
ジンを弾性部材を介して弾性的に支持するとともに減衰
力(減衰係数)を変更可能なダンパを組み込んだエンジ
ン支持装置にも適用できる。さらに、本発明の適用を広
げて、本発明に係る制御装置は、車両に限らず、物体を
ゴム、スプリングなどの弾性部材を介して弾性的に支持
するとともに同物体の振動を減衰させるための減衰力
(減衰係数)を変更可能なダンパを組み込んだ弾性支持
装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両の車輪一輪当たりのサスペンション装置
の機能図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係り、非線形H∞状態
フィードバック制御系の一般化プラントのブロック図で
ある。
【図3】 (A)〜(C)は評価出力としてのばね上加速
度、ばね上速度及び相対速度に対する周波数重みをそれ
ぞれ表すグラフであり、(D)は制御入力としての可変減
衰係数に対する周波数重みを表すグラフである。
【図4】 非線形H∞制御理論に基づく制御の作用効果
を表すイメージ図である。
【図5】 (A)は本発明に係る減衰力制御における減衰
力−相対速度(F−V)特性を表すリサージュ波形図で
あり、(B)は従来のスカイフック制御における減衰力−
相対速度(F−V)特性を表すリサージュ波形図であ
る。
【図6】 本発明の第1〜第3実施例に係り、車両に搭
載された減衰力制御装置のブロック図である。
【図7】 本発明の第1実施例に係り、図6のマイクロ
コンピュータにて実行されるプログラムのフローチャー
トである。
【図8】 本発明の第1〜第3実施例に係り、図6のマ
イクロコンピュータ内に設けられた相対速度−減衰力テ
ーブル内のデータ特性を示すグラフである。
【図9】 本発明の第2実施例に係り、非線形H∞出力
フィードバック制御系の一般化プラントのブロック図で
ある。
【図10】 本発明の第2,3実施例に係り、図6のマ
イクロコンピュータにて実行されるプログラムのフロー
チャートである。
【図11】 本発明の第3実施例に係り、カルマンフィ
ルタベースの非線形H∞制御系の一般化プラントのブロ
ック図である。
【図12】 上記第1実施例〜第3実施例の変形例に係
り、図7,10のプログラムの一部を変更したプログラ
ムのフローチャートである。
【図13】 上記第1実施例〜第3実施例の変形例に係
り、図7,10のプログラムの一部を変更したプログラ
ムのフローチャートである。
【図14】 上記第1実施例〜第3実施例の変形例に係
り、ばね上質量を推定するためのばね上質量推定プログ
ラムのフローチャートである。
【図15】 前記第1〜第3実施例の変形例に係り、相
対速度−減衰係数テーブル内のデータ特性を示すグラフ
である。
【図16】 同変形例に係り、図7,10のプログラム
の変形部分のみを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…ばね上部材(車体)、11…ばね下部材、12…
タイヤ、13…スプリング、14…ダンパ、14a…オ
リフィス、15…路面、20…マイクロコンピュータ、
21…電気アクチュエータ、23…タイヤ変位量セン
サ、24…ストロークセンサ、25…ばね上加速度セン
サ、26…ばね下加速度センサ、27…車速センサ、2
8…ばね上質量センサ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 13/04 G05B 13/04 Fターム(参考) 3D001 AA01 BA01 DA17 EA01 EA02 EA22 EA24 EA34 EA41 EB32 EC06 ED09 ED13 3J048 AA02 AD05 BE01 CB21 EA15 5H004 GA14 GA26 GB12 HA10 HB07 HB08 HB09 HB11 JA03 JB23 JB24 KA05 KC12 KC18 KC39 KC54 LA05 LA12 LA13 LA20 9A001 BB06 GG03 GZ10 HH34 KK29 KK37 LL08

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体を弾性的に支持するとともに減衰力を
    変更可能なダンパを組み込んだ弾性支持装置に適用さ
    れ、前記ダンパの減衰力を、非線形なプラントを扱えて
    周波数領域で設計仕様を与えることができる制御理論に
    基づいて計算した目標減衰力に設定する弾性支持装置の
    ための制御装置。
  2. 【請求項2】車両を構成する部材を弾性的に支持すると
    ともに減衰力を変更可能なダンパを組み込んだ車両用弾
    性支持装置に適用され、前記ダンパの減衰力を、非線形
    なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を与えること
    ができる制御理論に基づいて計算した目標減衰力に設定
    する車両用弾性支持装置のための制御装置。
  3. 【請求項3】車両のばね上部材とばね下部材との間に設
    けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサスペ
    ンション装置に適用され、前記ダンパの減衰力を、非線
    形なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を与えるこ
    とができる制御理論に基づいて計算した目標減衰力に設
    定する車両用サスペンション装置のための制御装置。
  4. 【請求項4】前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載
    した制御装置における前記制御理論は、非線形H∞制御
    理論である。
  5. 【請求項5】前記請求項4に記載した制御装置は、非線
    形H∞制御理論として、非線形H∞状態フィードバック
    制御、非線形H∞出力フィードバック制御及びカルマン
    フィルタを用いた非線形H∞制御のうちのいずれか一つ
    を採用したものである。
  6. 【請求項6】前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載
    した制御装置は、前記ダンパの減衰係数を線形部分と非
    線形部分との2つに分けて扱うものであって、前記計算
    した目標減衰力が前記ダンパにより発生可能な減衰力の
    範囲内にほぼ納まるように、前記線形部分と前記非線形
    部分のゲインを規定したものである。
  7. 【請求項7】前記請求項6に記載した制御装置は、前記
    線形部分と非線形部分とを合成した減衰係数が前記線形
    部分を挟んで変化するように、前記非線形部分を変化さ
    せるものである。
  8. 【請求項8】前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載
    したダンパは、その減衰力を複数段のいずれかの段に切
    り換えるように構成されてなり、 同請求項1乃至5のいずれか一つに記載した制御装置
    は、前記ダンパの減衰係数を線形部分と非線形部分との
    2つに分けて扱うものであって、 前記線形部分により決定される減衰力が、同減衰力の小
    さな範囲で前記ダンパの複数段のうちの所定の1つの段
    により発生される減衰力にほぼ等しくなるように、前記
    線形部分を設定したものである。
  9. 【請求項9】前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載
    した制御装置は、前記ダンパの減衰係数を線形部分と非
    線形部分との2つに分けて扱うとともに、前記非線形部
    分を制御入力とする一般化プラントを想定して前記目標
    減衰力を計算するものであって、前記制御入力に対して
    所定の周波数重みを付与するものである。
  10. 【請求項10】前記請求項3に記載した車両用サスペン
    ション装置のための制御装置は、 前記ばね上部材及び前記ばね下部材の上下方向の運動に
    関係した状態量を検出する状態量検出手段と、 前記制御理論に基づいて求めた正定対称解を記憶してお
    き、同記憶しておいた正定対称解及び前記検出された状
    態量を用いて前記目標減衰力を計算する目標減衰力計算
    手段とにより構成されている。
  11. 【請求項11】前記請求項3に記載した車両用サスペン
    ション装置のための制御装置は、 前記ばね上部材及び前記ばね下部材の上下方向の運動に
    関係した複数の状態量のうちの一部の状態量を検出する
    状態量検出手段と、 前記複数の状態量のうちの他の状態量をオブザーバを用
    いて推定する状態量推定手段と、 前記制御理論に基づいて求めた正定対称解を記憶してお
    き、同記憶しておいた正定対称解、前記検出された状態
    量及び前記推定された状態量を用いて前記目標減衰力を
    計算する目標減衰力計算手段とにより構成されている。
  12. 【請求項12】前記請求項3に記載した制御装置は、前
    記ダンパの減衰係数を予め定めた線形部分と非線形部分
    との2つに分けて扱うものであり、同制御装置は、 前記非線形部分を前記制御理論に基づいて計算する非線
    形部分計算手段と、 前記予め定めた線形部分と前記計算した非線形部分とを
    合成して前記減衰係数を計算する減衰係数計算手段と、 前記ばね下部材に対する前記ばね上部材の相対速度を検
    出又は推定する相対速度検知手段と、 前記計算された減衰係数を前記検出又は推定された相対
    速度に乗じて前記目標減衰力を計算する目標減衰力計算
    手段とにより構成されている。
  13. 【請求項13】前記請求項3に記載した制御装置は、前
    記ばね上部材及び前記ばね下部材の上下方向の運動に関
    する物理量を評価出力とする一般化プラントを想定して
    前記目標減衰力を計算するものであって、前記物理量に
    対して所定の周波数重みを付与するものである。
  14. 【請求項14】前記請求項13に記載した制御装置にお
    いて、前記物理量は複数種類であり、同複数種類の物理
    量に対する各周波数重みの最大領域が互いに干渉しない
    ようにされている。
  15. 【請求項15】前記請求項14に記載した制御装置にお
    いて、前記物理量は、前記ばね上部材の上下方向速度、
    前記ばね下部材に対する前記ばね上部材の相対速度、及
    び前記ばね上部材の上下方向加速度のうちの少なくとも
    2つ以上である。
  16. 【請求項16】上記請求項3に記載した制御理論は、タ
    イヤの上下方向の変位量、前記ばね下部材に対する前記
    ばね上部材の上下方向の相対変位量、前記ばね下部材の
    上下方向速度及び前記ばね上部材の上下方向速度を状態
    量とする状態空間表現された車両用サスペンション装置
    に適用したものである車両用サスペンション装置のため
    の制御装置。
  17. 【請求項17】物体を弾性的に支持するとともに減衰係
    数を変更可能なダンパを組み込んだ弾性支持装置に適用
    され、前記ダンパの減衰係数を、非線形なプラントを扱
    えて周波数領域で設計仕様を与えることができる制御理
    論に基づいて計算した目標減衰係数に設定する弾性支持
    装置のための制御装置。
  18. 【請求項18】車両を構成する部材を弾性的に支持する
    とともに減衰係数を変更可能なダンパを組み込んだ車両
    用弾性支持装置に適用され、前記ダンパの減衰係数を、
    非線形なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を与え
    ることができる制御理論に基づいて計算した目標減衰係
    数に設定する車両用弾性支持装置のための制御装置。
  19. 【請求項19】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰係数を変更可能なダンパを組み込んだサ
    スペンション装置に適用され、前記ダンパの減衰係数
    を、非線形なプラントを扱えて周波数領域で設計仕様を
    与えることができる制御理論に基づいて計算した目標減
    衰係数に設定する車両用サスペンション装置のための制
    御装置。
  20. 【請求項20】前記請求項17乃至19に記載した制御
    装置における前記制御理論は、非線形H∞制御理論であ
    る。
  21. 【請求項21】上記請求項17乃至20のいずれか一つ
    に記載した制御装置は、非線形H∞制御理論として、非
    線形H∞状態フィードバック制御、非線形H∞出力フィ
    ードバック制御及びカルマンフィルタを用いた非線形H
    ∞制御のうちのいずれか一つを採用したものである。
  22. 【請求項22】前記請求項17乃至21のいずれか一つ
    に記載した制御装置は、前記ダンパの減衰係数を線形部
    分と非線形部分との2つに分けて扱うものであって、前
    記線形部分と非線形部分を合成した目標減衰係数による
    減衰力が前記ダンパにより発生可能な減衰力の範囲内に
    ほぼ納まるように、前記線形部分と前記非線形部分のゲ
    インを規定したものである。
  23. 【請求項23】前記請求項22に記載した制御装置は、
    前記線形部分と非線形部分とを合成した減衰係数が前記
    線形部分を挟んで変化するように、前記非線形部分を変
    化させるものである。
  24. 【請求項24】前記請求項17乃至21のいずれか一つ
    に記載したダンパは、その減衰係数を複数段のいずれか
    の段に切り換えるように構成されてなり、 同請求項17乃至21のいずれか一つに記載した制御装
    置は、前記ダンパの減衰係数を線形部分と非線形部分と
    の2つに分けて扱うものであって、前記線形部分により
    決定される減衰力が、同減衰力の小さな範囲でダンパの
    複数段のうちの所定の1つの段により発生される減衰力
    にほぼ等しくなるように、前記線形部分を設定したもの
    である。
  25. 【請求項25】前記請求項17乃至21のいずれか一つ
    に記載した制御装置は、前記ダンパの減衰係数を線形部
    分と非線形部分との2つに分けて扱うとともに、前記非
    線形部分を制御入力とする一般化プラントを想定して前
    記目標減衰係数を計算するものであって、前記制御入力
    に対して所定の周波数重みを付与するものである。
  26. 【請求項26】前記請求項17乃至21のいずれか一つ
    に記載した制御装置は、前記ダンパの減衰係数を予め定
    めた線形部分と非線形部分との2つに分けて扱うもので
    あり、同制御装置は、 前記非線形部分を前記制御理論に基づいて計算する非線
    形部分計算手段と、 前記予め定めた線形部分と前記計算した非線形部分とを
    合成して前記目標減衰係数を計算する減衰係数計算手段
    とにより構成されている。
  27. 【請求項27】前記請求項19に記載した車両用サスペ
    ンション装置のための制御装置は、 前記ばね上部材及び前記ばね下部材の上下方向の運動に
    関係した状態量を検出する状態量検出手段と、 前記制御理論に基づいて求めた正定対称解を記憶してお
    き、同記憶しておいた正定対称解及び前記検出された状
    態量を用いて前記目標減衰係数を計算する目標減衰係数
    計算手段とにより構成されている。
  28. 【請求項28】前記請求項19に記載した車両用サスペ
    ンション装置のための制御装置は、 前記ばね上部材及び前記ばね下部材の上下方向の運動に
    関係した複数の状態量のうちの一部の状態量を検出する
    状態量検出手段と、 前記複数の状態量のうちの他の状態量をオブザーバを用
    いて推定する状態量推定手段と、 前記制御理論に基づいて求めた正定対称解を記憶してお
    き、同記憶しておいた正定対称解、前記検出された状態
    量及び前記推定された状態量を用いて前記目標減衰係数
    を計算する目標減衰係数計算手段とにより構成されてい
    る。
  29. 【請求項29】前記請求項19に記載した車両用サスペ
    ンション装置のための制御装置は、 前記ばね上部材及び前記ばね下部材の上下方向の運動に
    関する物理量を評価出力とする一般化プラントを想定し
    て前記目標減衰係数を計算するものであって、前記物理
    量に対して所定の周波数重みを付与するものである。
  30. 【請求項30】前記請求項29に記載した車両用サスペ
    ンション装置の制御装置において、前記物理量は複数種
    類であり、同複数種類の物理量に対する各周波数重みの
    最大領域が互いに干渉しないようにされている。
  31. 【請求項31】前記請求項30に記載した車両用サスペ
    ンション装置の制御装置において、前記物理量は、前記
    ばね上部材の上下方向速度、前記ばね下部材に対する前
    記ばね上部材の相対速度、及び前記ばね上部材の上下方
    向加速度のうちの少なくとも2つ以上である。
  32. 【請求項32】前記請求項19に記載した制御理論は、
    タイヤの上下方向の変位量、前記ばね下部材に対する前
    記ばね上部材の上下方向の相対変位量、前記ばね下部材
    の上下方向速度及び前記ばね上部材の上下方向速度を状
    態量とする状態空間表現された車両用サスペンション装
    置に適用したものである車両用サスペンション装置のた
    めの制御装置。
  33. 【請求項33】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサス
    ペンション装置に適用され、前記ダンパの減衰係数を線
    形部分と非線形部分との2つに分けて扱い、前記ダンパ
    の減衰力を、非線形なプラントを扱えて周波数領域で設
    計仕様を与えることができる制御理論に基づいて計算し
    た目標減衰力に設定する車両用サスペンション装置のた
    めの制御装置であって、 車速を検出する車速検出手段と、 前記検出された車速に応じて前記減衰係数の線形部分を
    変更制御する変更制御手段とを備えたことを特徴とする
    車両用サスペンション装置のための制御装置。
  34. 【請求項34】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサス
    ペンション装置に適用され、前記ダンパの減衰係数を線
    形部分と非線形部分との2つに分けて扱い、前記ダンパ
    の減衰力を、非線形なプラントを扱えて周波数領域で設
    計仕様を与えることができる制御理論に基づいて計算し
    た目標減衰力に設定する車両用サスペンション装置のた
    めの制御装置であって、 ばね上部材の質量を検出するばね上質量検出手段と、 前記検出されたばね上質量に応じて前記減衰係数の線形
    部分を変更制御する変更制御手段とを備えたことを特徴
    とする車両用サスペンション装置のための制御装置。
  35. 【請求項35】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサス
    ペンション装置に適用され、非線形なプラントを扱えて
    周波数領域で設計仕様を与えることができる制御理論に
    基づいて、一般化プラントを想定して前記ダンパの目標
    減衰力を計算するとともに、前記ダンパの減衰力を前記
    計算した目標減衰力に設定する車両用サスペンション装
    置のための制御装置であって、 車速を検出する車速検出手段と、 前記検出された車速に応じて前記一般化プラントにおけ
    る周波数重みを変更制御する変更制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする車両用サスペンション装置のための制御
    装置。
  36. 【請求項36】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサス
    ペンション装置に適用され、非線形なプラントを扱えて
    周波数領域で設計仕様を与えることができる制御理論に
    基づいて、一般化プラントを想定して前記ダンパの目標
    減衰力を計算するとともに、前記ダンパの減衰力を前記
    計算した目標減衰力に設定する車両用サスペンション装
    置のための制御装置であって、 ばね上部材の質量を検出するばね上質量検出手段と、 前記検出されたばね上質量に応じて前記一般化プラント
    における周波数重みを変更制御する変更制御手段とを備
    えたことを特徴とする車両用サスペンション装置のため
    の制御装置。
  37. 【請求項37】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサス
    ペンション装置に適用され、前記ダンパの減衰係数を線
    形部分と非線形部分との2つに分けて扱い、前記ダンパ
    の減衰力を、非線形なプラントを扱えて周波数領域で設
    計仕様を与えることができる制御理論に基づいて計算し
    た目標減衰力に設定する車両用サスペンション装置のた
    めの制御装置であって、 車両の状態に応じて前記ダンパの減衰係数の線形部分を
    変更制御する変更制御手段と、 前記ダンパの減衰係数の線形部分の変更に伴って前記計
    算された目標減衰力が所定値よりも大きく変化したと
    き、前記変更制御手段によるダンパの減衰係数の線形部
    分の変更を禁止する禁止手段とを備えたことを特徴とす
    る車両用サスペンション装置のための制御装置。
  38. 【請求項38】車両のばね上部材とばね下部材との間に
    設けられて減衰力を変更可能なダンパを組み込んだサス
    ペンション装置に適用され、非線形なプラントを扱えて
    周波数領域で設計仕様を与えることができる制御理論に
    基づいて、一般化プラントを想定して前記ダンパの目標
    減衰力を計算するとともに、前記ダンパの減衰力を前記
    計算した目標減衰力に設定する車両用サスペンション装
    置のための制御装置であって、 車両の状態に応じて前記一般化プラントにおける周波数
    重みを変更制御する変更制御手段と、 前記周波数重みの変更に伴って前記計算された目標減衰
    力が所定値よりも大きく変化したとき、前記変更制御手
    段による周波数重みの変更を禁止する禁止手段とを備え
    たことを特徴とする車両用サスペンション装置のための
    制御装置。
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