JP2000141571A - 多層ボトル及びその製造方法 - Google Patents
多層ボトル及びその製造方法Info
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Abstract
明性、耐熱性、成形性に優れた多層ボトル及びその製造
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、最内層、中間層及び最外層か
らなる多層ボトルであり、最内層及び最外層を形成する
ポリエステル(A)と中間層を形成するポリエステル
(B)が各々ナフタレンジカルボン酸単位を主たる酸成
分とし、エチレングリコール単位を主たるグリコール成
分とするポリエステルからなり、かつ、式(1)及び
(2)の条件を満たす多層ボトルである。 0.85≧IV(A)≧0.40 かつ 0.85≧IV(B)≧0.40・・ ・(1) Tg(A)≧100℃ かつTg(B)≧100℃・・・(2) (但し、Tg(A)はポリエステル(A)のガラス転位
温度、 Tg(B)はポリエステル(B)のガラス転位
温度、IV(A)はポリエステル(A)の固有粘度、
Tg(B)はポリエステル(B)の固有粘度である。)
Description
レンジカルボキシレート(以下ポリエチレンナフタレー
ト又はPENと略記する。)ポリマーからなる多層ボト
ルであって、更に詳しくは衛生性、フレーバー性、強
度、透明性、耐熱性、成形性が良好な多層ボトル及びそ
のボトルの製法に関する。
(以下PETと略記する。)比べ耐熱性、ガスバリア−
性、耐薬品性、強度、吸着性等の基本物性が優れている
ことからボトル(容器)やシート材等の包装材料用、
又、フィルム用として有用であり、特開平8−9236
2号公報、特開平8−309833号公報に記載されて
いるようにPETとのブレンド使用又は単独使用による
数多くの提案が行われている。
させることによって得ることができ、ナフタレンジカル
ボン酸エステル形成性誘導体とエチレングリコールまた
はそのエステル形成性誘導体とをエステル化触媒の存在
下でエステル交換反応をさせた後、重合触媒として、二
酸化ゲルマニウムまたは三酸化アンチモンを用いて重縮
合し、次いで固相重合して得る事が出来る。又、射出成
形機などの成形機にPENを供給してプリフォームを成
形し、このプリフォームを延伸ブロー成形しボトル化さ
れる。
合品であり原料コスト、生産コストの点で高価でありコ
スト面での不利があった。又、リサイクルボトルのリジ
ェクト品の回収品をブレンド成形する場合も衛生性、フ
レーバー性、成形性の点で困難であった。
ーバー性、強度、透明性、耐熱性、成形性に優れた多層
ボトル及びそのボトルの製法を提供することを目的とす
る。
層、中間層及び最外層からなる多層ボトルであり、最内
層及び最外層を形成するポリエステル(A)と中間層を
形成するポリエステル(B)が各々ナフタレンジカルボ
ン酸単位を主たる酸成分とし、エチレングリコール単位
を主たるグリコール成分とするポリエステルからなり、
かつ、式(1)及び(2)の条件を満たす多層ボトルで
ある。 0.85≧IV(A)≧0.40 かつ 0.85≧IV(B)≧0.40 ・・・(1) Tg(A)≧100℃ かつTg(B)≧100℃・・・(2) (但し、Tg(A)はポリエステル(A)のガラス転位
温度、 Tg(B)はポリエステル(B)のガラス転位
温度、IV(A)はポリエステル(A)の固有粘度、
Tg(B)はポリエステル(B)の固有粘度である。)
リエステル(B)を、剪断速度100sec-1、温度2
80〜330℃で、かつ、溶融粘度比が式(3)の範囲
を満足する条件で成形することを特徴とする請求項1記
載の多層ボトルの製造方法を包含する。 −0.5≦log(ηA/ηB)≦1.25・・・(3) (ただし、ηAは最内層及び最外層を構成するポリエス
テル(A)の溶融粘度(kg/m・sec)、ηBは中間層を構成
するポリエステル(B)の溶融粘度(kg/m・sec)を示
す。)
は、ナフタレンジカルボン酸単位を主たる酸成分とし、
エチレングリコール単位を主たるグリコール成分とする
ポリエステルからなる。ここで「主たる」とは80モル
%を超え、好ましくは85モル%を超えることを言う。
合又は混合体として含有されてもよい。例えば2,6−
ナフタレンジカルボン酸成分の一部(20モル%未満)
を2,7−、1,5−、1,7−その他のナフタレンジカ
ルボン酸の異性体或はテレフタル酸或はイソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等のごと
き他の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環属族ジカル
ボン酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の如
き脂肪族ジカルボン酸、p−βーヒドロキシエトキシ安
息香酸、εーオキシカプロン酸等の如きオキシ酸等の他
の二官能性カルボン酸で置き換えても良い。
えばトリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
1,1ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘ
キサンジメタノール、2,2ービス(4‘ーβーヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビス(4’ーβーヒドロキシ
エトキシフェニル)スルホン酸等の他の多官能化合物の
1種以上で置換して20モル%未満の範囲で共重合せし
めたコポリマーであってもよい。
に同様な方法にてエステル化又はエステル交換反応を行
う。この際のエステル交換反応触媒は、コバルト・マン
ガン・カルシウム・マグネシウム化合物等を用いるのが
好ましい。引き続き、ゲルマニウム又はアンチモン触
媒、リン化合物の存在下にて重縮合反応を行いプレポリ
マーを得る。リン化合物としては正リン酸、次亜リン
酸、亜リン酸等の無機リン酸およびトリメチルホスフェ
ートなどの有機リン酸が選ばれる。引き続き、常法に従
って固相重合しても良い。
い、射出成形を行いプリフォームを成形する。
(A)の固有粘度は0.40〜0.85であることが好
ましく、さらには0.60〜0.85であることが好ま
しい。0.40を下回るとであるとブロー成形でドロー
ダウンによる偏肉を起こしやすく更に、強度低下があり
好ましくない。また0.85を超えると射出成形による
プリフォーム成形において流動性低下の為、ゲート白化
等の外観不良を起こしやすく好ましくない。
ことが好ましい。リサイクルボトルの回収工程でのリジ
ェクト品を最内層及び最外層に使用すると衛生性及びフ
レーバー性の点で好ましくない。
(B)の固有粘度は0.40〜0.85であることが好
ましく、さらには0.40〜0.75であることが好ま
しい。0.40を下回ると強度低下があり好ましくな
い。また0.75を超えると射出成形によるプリフォー
ム成形において流動性低下の為、均一な中間層を形成で
きず好ましくない。
程、成形工程において品質不良によってリジェクトされ
たプリフォーム、ボトルを溶融押出しチップ状にカット
し、更に結晶化又は固相重合処理したものを示す。
回収工程、成形工程において品質不良のためリジェクト
されたプリフォームを粉砕機にて粉砕したものを示す。
程、成形工程において品質不良のためリジェクトされた
ボトルを粉砕機にて粉砕したものを示す。
再利用プリフォーム、再利用ボトル、再利用チップまた
はこれらの混合物であることが製造コスト低減の点で好
ましい。
テル(B)のガラス転位温度は100℃以上であること
が好ましい。100℃を下回ると、耐熱性が不足し一般
に行われている内容物の殺菌のための熱処理で熱収縮が
大きく好ましくない。
ル(B)を、剪断速度50〜300sec-1、温度28
0〜330℃で、かつ、溶融粘度比が式(3)の範囲を
満足する条件で成形することが好ましい。 −0.5≦log(ηA/ηB)≦1.25・・・(3) (ただし、ηAは最内層及び最外層を構成するポリエス
テル(A)の溶融粘度(kg/m・sec)、ηBは中間層を構成
するポリエステル(B)の溶融粘度(kg/m・sec)を示
す。) 式(3)に記載の溶融粘度比範囲を超えると成形時の流
動性が悪く均一な層構造を形成することが困難であり好
ましくない。
好ましく、さらには290〜320℃の範囲が好まし
い。成形温度が280℃より低すぎると成形時の流動性
が低下し好ましくない。また、成形温度が330℃より
高いと熱劣化による色相、極限粘度低下を引き起こし好
ましくない。
テージ配向ブロー成形にて実施される。1ステーズ配向
ブロー成形の場合、まず、射出成形にてプリフォームを
成形する。ボトル表面にあたる最内層及び最外層を射出
した後、中間層を射出し、3層成形する。あるいは最内
層及び最外層、中間層の射出を繰り返し、5,7層等の
成形体としても良い。ひき続き、プリフォームを十分に
冷却しないままブローゾーンにて配向ブローし、ボトル
とする。但し、プリフォームからボトルにブローするま
でに加熱工程を含んでも良い。
0:50〜98:2の範囲であることが好ましい。中間
層の重量比が50重量部より高い場合、アセトアルデヒ
ドのボトル内部への拡散速度が速く、また吸着匂い物質
の溶出が顕著であり好ましくない。また中間層の重量比
が2重量部低いと再利用チップ、プリフォーム、ボトル
の使用量が低くコストダウン効果が低く好ましくない。
ルデヒド量が35ppm以下であり、ポリエステル
(B)中のアセトアルデヒド量が70ppm以下である
ことが好ましい。ポリエステル(A)中のアセトアルデ
ヒド量が35ppmを超え、ポリエステル(B)中のア
セトアルデヒド量が70ppmを超えると多層ボトル中
に拡散してくるアセトアルデヒド量が多くなりフレーバ
ー性の点で好ましくない。
アセトアルデヒド量は4μg/L・day以下であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは3μg/L・day以
下である。アセトアルデヒド量が4μg/L・dayを
超えると内容物への臭気移りがあり、フレーバー性の点
で好ましくない。
下であることが好ましく、更に好ましくは3%以下であ
る。ヘーズが5%を超えるとボトルの透明性が低下し、
外観上好ましくない。
説明するが本実施例に限定されるものではない。
タン:フェノ−ル=4:6の混合溶媒として35℃で測
定した。
製RHEOMETER NR-1100Sにて測定した。
エステル側に青色着色マスターチップを添加し中間層の
分布にて判断した。
てくるアセトアルデヒド量:フレーバー性は上記成形ボ
トルに純水を充填し、7週間後に充填水の臭気を確認し
た。またボトルを成形後、窒素によりボトル内をパージ
した後、キャッピングし、2日後にボトル中に拡散して
くるアセトアルデヒド量をガスクロにて測定した。
ポリエステル中のアセトアルデヒド量:プリフォームの
最内層及び最外層及び中間層を分離し、凍結粉砕した
後、ヘッドスペースガスクロによって各々に含有するア
セトアルデヒド量を測定した。
in.にてDSCで測定した。
酸ガスを含む炭酸水を充填し、0.5mの高さから落下
させ、割れ本数をカウントした。
填し、3分放置し、その後冷水にて冷却した。処理前後
の内容積変化を測定した。
m)を切り出し、測定サンプルとし、濁度計にて測定し
た。
ン酸ジメチルエステル100部(以下、重量部を部と略
記する)とエチレングリコール(EGと略記する)51
部とを酢酸コバルト四水塩0.003部、酢酸カルシウ
ム一水塩0.014部及び酢酸マグネシウム四水塩0.
044部をエステル交換触媒として用い、常法に従って
エステル交換反応させ、非晶性二酸化ゲルマニウムのE
G1%溶液1.58部添加したのち、トリメチルフォス
フェート0.047部を添加し、エステル交換反応を終
了せしめた。
合反応を行い、その後ストランド型のチップとした。得
られたポリマーの固有粘度は0.50で有り、重合時間
は60分であった。更に、常法によりこのプレポリマー
を固相重合した。得られたポリマー(参考例1)の固有
粘度は0.71、ガラス転位温度は118℃、アセトア
ルデヒド含有量は2ppmであった。
ン酸ジメチルエステル100部(以下、重量部を部と略
記する)とエチレングリコール(EGと略記する)51
部とを酢酸コバルト四水塩0.01部、酢酸マンガン四
水塩0.03部をエステル交換触媒として用い、常法に
従ってエステル交換反応させ、三酸化アンチモンのEG
2.74%溶液1.0部添加したのち、正リン酸0.0
2部を添加し、エステル交換反応を終了せしめた。
合反応を行い、その後ストランド型のチップとした。得
られたポリマーの固有粘度は0.47で有り、重合時間
は60分であった。更に、常法によりこのプレポリマー
を固相重合した。得られたポリマー(参考例2)の固有
粘度は0.65、ガラス転位温度は118℃、アセトア
ルデヒド含有量は3ppmであった。
ン酸ジメチルエステル92重量部およびジメチルテレフ
タレート6.4部ならびにエチレングリコール(以下、
EGと略記することがある)51部を、酢酸コバルト四
水塩0.01部および酢酸マンガン四水塩0.03部を
エステル交換触媒として用いて、常法に従ってエステル
交換反応させ、三酸化アンチモンのEG2.74%溶液
1.0部添加したのち、トリメチルホスフェートの4.
3%エチレングリコール溶液0.54部を添加し、エス
テル交換反応を終了せしめた。
応を60分関行い、その後ストランド型のチップとし
た。得られたチップ状のポリマーの固有粘度は0.56
であった。
重合した。得られたポリマー(参考例3)の固有粘度は
0.71、ガラス転位温度は112℃、アセトアルデヒ
ド含有量は2ppmであった。
ン酸ジメチルエステル92重量部およびジメチルイソフ
タレート6.4部ならびにエチレングリコール(以下、
EGと略記することがある)51部を、酢酸コバルト四
水塩0.01部および酢酸マンガン四水塩0.03部を
エステル交換触媒として用いて、常法に従ってエステル
交換反応させ、三酸化アンチモンのEG2.74%溶液
1.0部添加したのち、トリメチルホスフェートの4.
3%エチレングリコール溶液0.54部を添加し、エス
テル交換反応を終了せしめた。
応を60分関行い、その後ストランド型のチップとし
た。得られたチップ状のポリマーの固有粘度は0.52
であった。
重合した。得られたポリマー(参考例4)の固有粘度は
0.74、ガラス転位温度は111℃、アセトアルデヒ
ド含有量は3ppmであった。
1のプレポリマーを結晶化したものを使用した。
のポリマーをボトル成形したものを2軸(ベント付き)
押し出し機にて溶融押し出しの後、チップ上に切断した
ものを結晶化したもの、参考例7は参考例1のポリマー
をボトル成形したものを粉砕機にて粉砕し、結晶化した
ものを使用した。
は、参考例3のプレポリマーを結晶化したものを使用
し、参考例9のポリマーは参考例4のプレポリマーを結
晶化したものを使用した。以上のポリエステルを用い、
日精ASB社製ASB−50TH2色成形機にて680
ml耐熱タイプ形状で目付けは32gのボトル成形を行
った。
最外層(スキン層)、中間層(コア層)で構成される多
層ボトルを、日精ASB社製ASB−50TH2色成形
機にて、剪断速度100sec-1、温度300℃で成形
した。ボトルは、680ml耐熱タイプ形状で目付けは
32gであった。多層ボトルの品質を表2及び3に示し
た。
Claims (8)
- 【請求項1】 最内層、中間層及び最外層からなる多層
ボトルであり、最内層及び最外層を形成するポリエステ
ル(A)と中間層を形成するポリエステル(B)が各々
ナフタレンジカルボン酸単位を主たる酸成分とし、エチ
レングリコール単位を主たるグリコール成分とするポリ
エステルからなり、かつ、式(1)及び(2)の条件を
満たす多層ボトル。 0.85≧IV(A)≧0.40 かつ 0.85≧IV(B)≧0.40 ・・・(1) Tg(A)≧100℃ かつTg(B)≧100℃・・・(2) (但し、Tg(A)はポリエステル(A)のガラス転位
温度、 Tg(B)はポリエステル(B)のガラス転位
温度、IV(A)はポリエステル(A)の固有粘度、
Tg(B)はポリエステル(B)の固有粘度である。) - 【請求項2】 最内層及び最外層と、中間層との重量比
が50:50〜98:2の範囲にある請求項1に記載の
多層ボトル。 - 【請求項3】 最内層及び最外層中のアセトアルデヒド
量が35ppm以下であり、中間層中のアセトアルデヒ
ド量が70ppm以下であり、ボトル中に拡散してくる
アセトアルデヒド量が4μg/L・day以下である請
求項1に記載の多層ボトル。 - 【請求項4】 中間層を形成するポリエステルが再利用
チップである請求項1又は2に記載の多層ボトル。 - 【請求項5】 中間層を形成するポリエステルが、再利
用プリフォーム及び/又は再利用ボトルである請求項1
又は2に記載の多層ボトル。 - 【請求項6】 胴部ヘーズが5%以下である請求項1又
は2に記載の多層ボトル。 - 【請求項7】 ポリエステル(A)のナフタレンジカル
ボン酸単位の含有量が80モル%以上である請求項1に
記載の多層ボトル。 - 【請求項8】 ポリエステル(A)及びポリエステル
(B)を、剪断速度50〜300sec-1、温度280
〜330℃で、かつ、溶融粘度比が式(3)の範囲を満
足する条件で成形することを特徴とする請求項1記載の
多層ボトルの製造方法。 −0.5≦log(ηA/ηB)≦1.25・・・(3) (ただし、ηAは最内層及び最外層を構成するポリエス
テル(A)の溶融粘度(kg/m・sec)、ηBは中間層を構成
するポリエステル(B)の溶融粘度(kg/m・sec)を示
す。)
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