JP2000095850A - アルカリ水易溶出性共重合ポリエステルとその製造方法 - Google Patents

アルカリ水易溶出性共重合ポリエステルとその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なアルカリ水易溶出性を有しながら、良
好な紡糸性、耐熱性、空気酸化性を有し、しかも溶融紡
糸時の粘度低下や着色の少ない、紡糸操業性に優れた共
重合ポリエステルを提供する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レート単位であり、共重合成分として、金属スルホネー
ト基含有イソフタル酸及び平均分子量が1000〜10
000であるポリアルキレングリコールを含有する共重
合ポリエステルの末端カルボキシル基の量を25当量/
トン以下の値とする。この共重合ポリエステルは、テレ
フタル酸とエチレングリコールとを直接反応させ、エス
テル化率が特定範囲のオリゴマーとなった時点で、金属
スルホネート基含有イソフタル酸のメチルエステルを特
定量添加し、重合反応させることによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ水によって、
極めて溶出し易い繊維形成能ある共重合ポリエステルに
関するものである。更に詳しくは、本発明は通常のポリ
エチレンテレフタレートに比べて、極めて早いアルカリ
による加水分解速度を有し、かつ合成繊維糸条として安
定な紡糸生産性及び熱安定性を有する共重合ポリエステ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ水によって溶出し易い繊維形成
能がある共重合ポリエステルは、主に下記1)2)の用途に
広く使用されている。特公昭63−20939号公報や
特公平8−14042号公報に示されるように、一方の
成分Aが他方の成分Bを複数個に分割する形態を有する
分割型複合糸の構成成分。かかる複合糸は、アルカリ処
理により分割成分の少なくとも一部を溶出し、分割糸と
し、極めて細デニール、特に1デニール以下の極細糸を
得る目的で製造される。通常の紡糸、延伸法によって
は、糸切れや毛羽発生という問題を発生し易く、また、
後工程でも扱い難いため、かかる極細糸を得ることはで
きないが、上記複合糸は、紡糸等を、太いデニールで実
施し、分割後、極細糸とするように設計できるので、極
細糸によるスウエード調高密度織編物あるいは優雅な光
沢と柔軟な風合を持った絹様織編物を安定して生産可能
とする。いわゆるオパール加工を適用するポリエステル
系布帛─例えば、特開平4−91894号公報に記載さ
れているような、アルカリ水易溶出共重合ポリエステル
糸と通常のポリエステル糸(即ち、ポリエチレンテレフ
タレート糸)を組み合わせてなる布帛─の構成成分。か
かる布帛は、アルカリ抜染糊を模様状に印捺して、アル
カリ水易溶出糸のみを実質的に抜食することにより、透
かし模様が形成される。
【0003】このような用途に使用されるアルカリ水易
溶出性ポリエステルは、次のような要求を満足する必要
がある。 A.アルカリ性溶媒に対する溶出速度が早い。 B.アルカリ性溶媒として、特殊なものでなく、安全か
つ安価なものを使用できる。 C.通常のポリエチレンテレフタレートに近い条件で紡
糸、延伸及び後処理できる。
【0004】そこで、従来から、アルカリ水易溶出性、
熱安定性及び強度を有する共重合ポリエステルについて
種々検討されており、この種の共重合ポリエステルとし
て、例えば、特公昭47−47532号公報には、ポリ
アルキレングリコール(以下PAGと称する)類を5〜
16重量%添加したポリエチレンテレフタレートが、ま
た、特公昭63−20939号公報には、5−ソジウム
スルホイソフタレートを3モル%以上共重合したポリエ
チレンテレフタレートが提案されている。
【0005】しかし、前者の場合、PAG類の含有率が
多くなると、ポリマーの耐熱性、空気酸化性が悪くな
り、溶融紡糸時の粘度低下、着色又は延伸、仮撚工程で
の糸表面の削れによる白粉発生等の問題を生じ、また、
オパール加工布のように、布帛製品として該共重合ポリ
エステルが残留する場合には、耐候堅牢度の不足が問題
となる。また、後者の場合、5−ソジウムスルホイソフ
タレートの共重合量が多くなると、5−ソジウムスルホ
イソフタレートの持つ電荷による凝集、ゲル化増粘によ
り紡糸が困難となり、かつ微細なゲルの発生によって、
紡糸濾過性も悪くなるという欠点があった。
【0006】そこで、特公昭61−1551号公報や特
開平1−162825号公報のように、両成分を適宜調
整して用いる提案もなされているが、上述のような問題
は、完全には解決できていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消し、十分なアルカリ水易溶出性を有し
ながら、良好な紡糸性、耐熱性、空気酸化性を有し、し
かも溶融紡糸時の粘度低下や着色の少ない、紡糸操業性
に優れた共重合ポリエステルを提供することを課題とす
る。
【0008】
〔但し、M(S)は金属スルホネート基含有イソフタル酸成分のポリマー中共重合量(モル%)であり、W(P)はポリアルキレングリコールのポリマー中含有量(重量%)である。〕
【0009】即ち、本発明者は、金属スルホネート基含
有イソフタル酸(以下SIPと称する)及びPAGを共
重合してなる共重合ポリエチレンテレフタレートの物
性、特に熱安定性及び耐酸化性は、そのポリマー中の末
端カルボキシル基の濃度と大いに関係があることを見い
出し、本発明を完成したのである。
【0010】ポリマーとしての特性がカルボキシル基濃
度と大きく関係する理由は明らかでないが、一般的にエ
ステル結合の熱及び酸化分解反応性はカルボキシル末端
により、大きく影響を受けると考えられる。
【0011】かかる本発明の共重合ポリエステルは、例
えば、下記のような方法で製造するのが好ましい。ま
ず、テレフタル酸とエチレングリコールを通常のエステ
ル反応法(直接法)にて反応させ、エステル化率が80
%〜96%のオリゴマーとなった時点で、SIPのメチ
ルエステルをポリマー中酸成分に対して2モル%〜3モ
ル%の範囲の量を添加した後、PAGを、ポリマーに対
して10重量%〜13重量%で、両者の積が26〜30
の範囲になるような量を添加し、その後、常法に従っ
て、真空ポンプ等にて減圧下に保持して規定の溶融粘度
まで重合反応を行う。
【0012】SIPのメチルエステルはエチレングリコ
ールとの反応性が高く、また一般にPAGは減圧下でも
系外に飛散することがないので、特にそれぞれの投入後
に、反応のための時間を設定する必要はない。
【0013】その結果、SIPのメチルエステルとエチ
レングリコールが直ちにエステル交換反応されたメタノ
ールが生成し、そのメタノールの一部が系内の末端カル
ボキシル基と反応して、末端基を封鎖するので、その結
果、25当量/トン以下の低い末端カルボキシル基濃度
のポリマーを得ることが可能となる。
【0014】これに対して、SIPを使用する従来法で
は、一般にジメチルテレフタレートを使用したDMT法
が主流であり、DMT法では、末端基がジメチルエステ
ルであるため、十分にエステル交換を行わないと重合反
応が進まないため、過剰のエチレングリコール(モル比
1.6以上)を使用する必要があり、そのため、本発明の
ように極めて少量の末端基をメチル末端で封鎖するよう
な制御は不可能であった。従って、DMT法では、重合
反応開始時点で、ほぼ100%末端基がエチレングリコ
ールエステルとなっており、重合反応と共に同時進行す
る熱分解反応により末端カルボキシル基が生成され、そ
の結果、末端カルボキシル基の量が30当量/トン以下
の製品は得られていない。
【0015】しかし、本発明の上記製法では、ジメチル
テレフタレートを使用せず、テレフタル酸とエチレング
リコールを直接法で反応させ、また、SIPをメチルエ
ステルで使用し、その投入を、テレフタル酸とエチレン
グリコールの反応がエステル化率80%〜96%、好ま
しくは85%〜90%となった時点で、実施することに
より、所望の範囲にメチル末端基の形成を制御できるも
のである。上記エステル化率が80%未満では、系内に
エチレングリコールのモノマーが多数残存するため、生
成したメチル末端基が再度エステル交換されて系内に残
留しなくなり、また、96%より進んだ段階では、既に
系内にカルボキシル末端基がほとんどなく、メチル末端
基が生成しないという欠点がある。
【0016】なお、上記製法におけるSIPのメチルエ
ステルの投入量は、ポリマー中の酸成分に対して2モル
%〜3モル%であるのがよいが、これは、2モル%未満
では、十分なアルカリ水に対する易溶出性ある製品を得
られず、また、3モル%を越えると、反応生成するメタ
ノールが多くなり、末端メチル基が多くなり過ぎ、重合
反応を阻害する問題が生じるからである。
【0017】次に、本発明において使用されるSIPの
メチルエステルは、次式で示されるジメチル(5−ソジ
ウムスルホ)イソフタレート等である。
【0018】
【化1】
【0019】また、PAGは、一般式 HO(Cn
2nmn2nOH〔但し、n、mは正の整数〕で表
されるもので、n=2のポリエチレングリコールが、汎
用的で最も好ましい。
【0020】PAGの分子量は、1000〜10000
が好ましく、2000〜8000であるのが特に好まし
い。分子量が1000未満のものは、同じ重量%で共重
合した場合に、エステル化反応数が多くなるために、加
水分解反応が起こり易く、ポリエステルの耐熱分解性が
悪化するので好ましくない。また、分子量が10000
を越えると、PAGのエステル化反応性が極端に低下
し、ほとんど重合反応をしなくなるため、ポリエステル
中に混練された状態となり、PAG自体の酸化分解性の
影響が発現してしまい、ポリエステル自体の耐酸化分解
性も悪化するので好ましくない。
【0021】PAGの共重合量は、ポリマーに対して1
0重量%〜13重量%で、かつSIPの共重合量(ポリ
マー中酸成分に対するモル%)との積が、26〜30の
範囲になるようにするのがよい。PAGの共重合量が1
0重量%より少なかったり、SIPの共重合量との積が
26より少ない場合には、十分なアルカリ水に対する溶
出速度を得ることができない。後の表2に示されるよう
に、一般的に、アルカリ水に対する溶出速度が、通常の
レギュラーポリエチレンテレフタレートと比較して、約
50倍以上でないと実用的ではない。
【0022】また、逆に13重量%より多かったり、積
が30を越える場合には、ポリマーの耐熱性、耐酸化分
解性が悪くなり、後工程の仮撚工程等で糸表面削れによ
る白粉発生等の問題が生じるため、好ましくない。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例により、更
に詳しく説明する。 実施例1 テレフタル酸とエチレングリコールをモル比1:1に
て、加圧エステル化反応器に投入し、270℃×0.7k
の加圧反応条件にて、2.5時間エステル化反応を行い、
エステル化率84%のオリゴマーを得た。次いで、エチ
レングリコールに溶解した酢酸ナトリウム・三水和物を
ポリマーに対して600ppm 、酢酸マンガン・四水和物
を100ppm 添加し、直ちにジメチル(5−ソジウムス
ルホ)イソフタレートを2.3m%、平均分子量3000
のポリエチレングリコールを12重量%、抗酸化剤であ
るイルガノックス1010(チバガイギー社製)を0.2
重量%添加してエステル化反応を終了した。その後、ト
リメチルホスフェート45ppm とエチレングリコールに
溶解した三酸化アンチモン400ppm 添加し、合計の酸
成分とエチレングリコールとのモル比を1:1.2とした
後、重合反応器に移送した。反応温度を280℃に昇温
しながら、1時間かけて760mmHgから1mmHg以下の減
圧に保持したまま、280℃にて2.5時間重縮合反応を
行い、固有粘度0.690のポリエステルポリマーを得
た。
【0024】比較例1 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールをモル比
1:1.9にて、エステル化反応器に投入し、エステル交
換反応触媒として酢酸マンガン・4水和物をポリマーに
対して175ppm 添加し、常法に従い窒素気流下、常圧
にて140℃から235℃まで攪拌しながら4時間かけ
て昇温し、エステル交換反応を終了した。次いで、エチ
レングリコールに溶解した酢酸ナトリウム・三水和物を
ポリマーに対して600ppm 添加し、続いて5−ソジウ
ムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエステル
(SIPEと称する)の35重量%エチレングリコール
溶液を2.3モル%、平均分子量3000のポリエチレン
グリコールを12重量%、抗酸化剤であるイルガノック
ス1010(チバガイギー社製)を0.2重量%、トリメ
チルホスフェートを350ppm 、エチレングリコールに
溶解した三酸化アンチモンを400ppm 添加し、攪拌混
合した後に、重合反応器に移送した。その後、実施例1
と同様に重合反応を行い、固有粘度0.693のポリエス
テルポリマーを得た。
【0025】比較例2 テレフタル酸とエチレングリコールをモル比1:1に
て、加圧エステル化反応器に投入し、270℃×0.7k
の加圧反応条件にて、2.5時間エステル化反応を行い、
次いで、エチレングリコールを追加し、テレフタル酸と
エチレングリコールのモル比を1:1.2とした後、窒素
気流下、常圧にて260℃で2.5時間反応を行い、エス
テル化率98%のオリゴマーを得た。次いで、オリゴマ
ーに対して10重量%のエチレングリコールと、ポリマ
ーに対して300ppm の酢酸ナトリウム・三水和物を同
時に(前者に後者を溶解した状態で)添加し、1時間攪
拌還流して解重合した。その後、エチレングリコールに
溶解した酢酸ナトリウム・三水和物300ppm を添加
し、続いてSIPEの35重量%エチレングリコール溶
液を2.3モル%、平均分子量3000のポリエチレング
リコールを12重量%、抗酸化剤であるイルガノックス
1010(チバガイギー社製)を0.2重量%、トリメチ
ルホスフェートを45ppm 、エチレングリコールに溶解
した三酸化アンチモンを400ppm 添加し、攪拌混合し
た後に、重合反応器に移送した。その後、実施例1と同
様に重合反応を行い、固有粘度0.688のポリエステル
ポリマーを得た。
【0026】比較例3 SIPEを4.25モル%とし、平均分子量3000のポ
リエチレングリコールを8.0重量%とした以外は、比較
例1と同様の方法を実施して、固有粘度0.585のポリ
エステルポリマーを得た。
【0027】比較例4 ポリエチレングリコールとして平均分子量8000のポ
リエチレングリコールを使用した以外は、比較例2と同
様の方法を実施して、固有粘度0.840のポリエステル
ポリマーを得た。
【0028】比較例5 5−ソジウムスルホイソフタル酸のメチルエステル(S
IPM)を2.7モル%、ジメチルテレフタレートとエチ
レングリコールをモル比1:1.9の割合でエステル化反
応器に投入し、酢酸ナトリウム・三水和物をポリマーに
対して600ppmと酢酸マンガン・四水和物175ppm
をエチレングリコールに溶解して添加し、常法に従い窒
素気流下、常圧にて140℃から235℃まで攪拌しな
がら4時間かけて昇温し、エステル交換反応を終了し
た。次いで、平均分子量3000のポリエチレングリコ
ールを9.5重量%、抗酸化剤であるイルガノックス10
10(チバガイギー社製)を0.2重量%、トリメチルホ
スフェートを350ppm 、エチレングリコールに溶解し
た三酸化アンチモンを400ppm 添加し、攪拌混合した
後に、重合反応器に移送した。その後、実施例1と同様
に重合反応を行い、固有粘度0.697のポリエステルポ
リマーを得た。
【0029】実施例1の結果を、比較例1〜5の結果と
比較して表1に示す。表中の5%熱分解温度とは、窒素
気流下で、10mgのポリマーサンプルを10℃/分の昇
温速度で加熱し、5.0%の重量がガス化分解した時の温
度を示す。また、得られたポリマーは、公知の紡糸法に
従って、290℃の紡糸温度で、1500m/分で紡糸
捲取を行い、得られた未延伸糸を、速度800m/分、
70℃のローラーヒーター、150℃のプレートヒータ
ーにて、熱処理しつつ、延伸糸の破断伸度が30%前後
となるような延伸倍率にて、延伸して、75デニール2
4フィラメントの延伸糸とした。この紡糸時の放流糸粘
度、延伸糸の破断強度及び破断伸度も表1に示す。表1
の結果から明らかな如く、本発明に従った実施例1のポ
リマーは5%熱分解温度が高く、紡糸時の粘度低下も小
さく、アルカリ溶解性に優れた破断強度の高い延伸糸を
得ることができた。これに対して、比較例5では、高強
度の延伸糸が得られているが、ポリマーの改質量が少な
く、十分なアルカリ溶解性を得ることはできなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のアルカリ水易溶出性共重合ポリ
エステルは、アルカリ性溶媒に対する溶出速度が速く、
しかも、通常のポリエチレンテレフタレートに近い条件
で容易に紡糸、延伸及び後処理できるので、極細糸製造
用複合繊維やオパール加工用布帛の製造等に非常に効率
良く使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 伸治 福井県鯖江市水落町47字三反田35番1 カ ネボウ合繊株式会社内 (72)発明者 渡辺 隆彦 福井県鯖江市水落町47字三反田35番1 カ ネボウ合繊株式会社内 (72)発明者 成瀬 勉 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB02 AB05 AC02 AD01 AD02 AD10 AE02 BA03 BF25 CB06A CH06 HA01 HB01 JE182 KB02 KB16 KB22 KC04 KD07 KE03 KE05 4L035 EE04 GG01 HH01 HH10 4L041 CA16 DD11 EE06 EE15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レート単位であり、共重合成分として、金属スルホネー
    ト基含有イソフタル酸及び平均分子量が1000〜10
    000であるポリアルキレングリコールを、下記式I、
    II、III を同時に満足する状態で含有する共重合ポリエ
    ステルであって、末端カルボキシル基の量が25当量/
    トン以下の値であることを特徴とする分割型複合糸また
    は透かし柄形成用の糸として有用なアルカリ水易溶出性
    共重合ポリエステル。 式I : 2.0≦M(S)≦3.0 式II :10.0≦W(P)≦13.0 式III:26.0≦M(S)×W(P)≦30.0 〔但し、M(S)は金属スルホネート基含有イソフタル
    酸成分の共重合ポリエステル中の共重合量(モル%)で
    あり、W(P)はポリアルキレングリコールのポリエス
    テル中の含有量(重量%)である。〕
  2. 【請求項2】 テレフタル酸とエチレングリコールとを
    直接反応させ、エステル化率が80%〜96%のオリゴ
    マーとなった時点で、金属スルホネート基含有イソフタ
    ル酸のメチルエステルを、前記オリゴマー中の酸成分に
    対して2モル%〜3モル%の範囲の量を添加した後、ポ
    リアルキレングリコールをポリマーに対して10重量%
    〜13重量%で、両者の積が26〜30の範囲になるよ
    うな量を添加し、その後、常法に従って、減圧下で重合
    反応させることを特徴とする請求項1のアルカリ水易溶
    出性共重合ポリエステルの製造方法。
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