JP4764046B2 - 軟質共重合ポリエステル - Google Patents
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(a)テレフタル酸成分に対するエチレングリコール成分のモル比が1.05〜1.25、酸価が200〜550mmol/kgの連続的に製造されたポリエチレンテレフタレートオリゴマー成分、
(b)テレフタル酸以外のジカルボン酸成分:20〜80モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)、
(c)エチレングリコール成分:24〜200モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)。
(a)テレフタル酸成分に対するエチレングリコール成分のモル比が1.05〜1.25、酸価が200〜550mmol/kgの連続的に製造されたポリエチレンテレフタレートオリゴマー成分、
(d)エチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオール成分:20〜70モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)。
(a)成分は、連続的に製造されたポリエチレンテレフタレートオリゴマー(以下、「PETオリゴマー」と略す)成分である。
(b)成分は、テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分である。
(b)成分の使用量は、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して、20〜80モル部である。(b)成分をこの範囲で使用することによって、ガラス転移温度を大きく下げることなく共重合ポリエステルの結晶性を十分に落とす事が出来ると共に、共重合ポリエステルのロール剥離性が向上する傾向にある。
(c)成分は、エチレングリコール成分であり、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して、24〜200モル部の範囲で使用する。(c)成分をこの範囲で使用することによって、ガラス転移温度を大きく下げることなく共重合ポリエステルの結晶性を十分に落とす事が出来ると共に、共重合ポリエステルのロール剥離性が向上する傾向にある。
(d)成分は、エチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオール成分である。
(d)成分の使用量は、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して、20〜70モル部である。(d)成分をこの範囲で使用することによって、ガラス転移温度を大きく下げることなく共重合ポリエステルの結晶性を十分に落とす事が出来ると共に、共重合ポリエステルのロール剥離性が向上する傾向にある。
(e)成分は、数平均分子量が500〜2500のポリテトラメチレングリコール成分であり、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して、1〜15モル部の範囲で使用する。(e)成分をこの範囲で使用することによって、共重合性を損なうことなく、柔軟性及び透明性の優れた軟質共重合ポリエステルが得られる傾向にある。(e)成分の使用量の下限値は5モル部以上が好ましく、また、この使用量の上限値は11モル部以下が好ましい。
本発明の軟質共重合ポリエステルは、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分、又は(a)成分及び(d)成分を使用しているので、部分的にPETの繰り返し単位がブロック的に組み込まれた共重合ポリエステルとなり、ロール剥離性が向上するものと考えられる。
(f)成分は、他の成分と同様に(e)成分を添加する前に、エステル化及びエステル交換反応を十分に行っておくのが好ましい。これにより、(e)成分のテトラヒドロフランへの分解を抑え、効果的に共重合ポリエステルのガラス転移温度を下げることができる傾向にある。
(f)成分としては、特に限定されないが、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)などが挙げられる。
三官能以上のモノマーの使用量は、特に制限されないが、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して、3モル部以下であることが好ましい。
本発明においては、PETオリゴマーを原料として使用しているため、PETの繰り返し単位がブロック的に組み込まれた共重合ポリエステルとなっており、重縮合触媒としてスズ化合物、チタン化合物及びアンチモン化合物から選ばれる少なくとも一種を使用すると、これらの金属化合物のエステル交換反応触媒能により、共重合ポリエステルのPETブロック部分及びオリゴマー部分のランダム化がある程度進み、ロール剥離性が向上すると共に、オリゴマーの結晶化が抑制されるものと考えられる。
また、重縮合触媒は、金属安定剤としてのリン酸化合物やキレート類などと共に用いることができるが、重縮合触媒の種類によってはエステル交換反応触媒能が低下し、軟質共重合ポリエステルのロール剥離性向上や光沢保持の効果が薄れる場合がある。
これらの金属化合物の添加量は、特に制限されないが、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して、金属原子として0.01〜0.4モル部が好ましい。金属化合物の添加量の下限値は0.02モル部以上がより好ましく、また、上限値は0.2モル部以下がより好ましい。
また、本発明の軟質共重合ポリエステルの固有粘度〔η〕は0.80〜1.20dl/gである。固有粘度がこの範囲である場合に、軟質共重合ポリエステルが十分な樹脂強度を持ち、またカレンダーロールなどでの溶融成形に問題のない溶融粘度となる傾向にある。固有粘度の下限値は0.85dl/g以上が好ましく、また、上限値は1.15dl/g以下が好ましい。
これに対して、本発明の軟質共重合ポリエステルは、PETオリゴマーを使用しているので、PETの繰り返し単位がブロック的に組み込まれた共重合ポリエステルとなっているため、ロール剥離性が向上するものと考えられる。
使用される添加剤としては、ペレット同士の融着を防止するものであれば特に制限されないが、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、ポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の樹脂の粉末、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、耐光剤等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、シリカ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート樹脂等の粉末が好ましい。
(1)酸価(mmol/kg)
ベンジルアルコール中1/20NのNaOH・ベンジルアルコール溶液にて滴定した。
(2)組成分析
PETオリゴマー中のエチレングリコール成分及びテレフタル酸成分量については、水酸化テトラメチルアンモニウムのメタノール溶液を加えて熱分解し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
25℃のフェノール/テトラクロロエタン等質量混合溶媒中で測定した。
(4)ガラス転移温度 Tg(℃)
JIS K−7121に準じて、示差走査熱量計(DSC)にて10℃/分の昇温速度で測定したショルダー値をガラス転移温度(℃)とした。
共重合ポリエステル100gに対して0.5gの離型剤(アライドシグナル社製AC−316A)をドライブレンドした後、6インチロール試験機で、回転数8.2−10.2rpm(前−後)、160℃で5分間混練した後、ロールから剥離させて0.8mm厚のシートとし、透明性を下記の基準で5段階評価し、4以上を透明性良好とした。
「5」:ほぼ透明で、シートを透かして向こう側の文字や図柄が鮮明に識別できる。
「4」:ほぼ透明だが、評価「5」より劣る。
「3」:濁りがある。
「2」:やや白濁し、シートを透かして向こう側の文字や図柄は辛うじて識別できるものの、透明性を要する用途には不適である。
「1」:白濁し、シートを透かして向こう側の文字や図柄の識別はできない。
このシートを再び、同一条件のロール試験機で混練を行い、通算混練時間が30分になるまで5分毎にロールから剥離させ、ある一点でもロールから剥がれなくなった部分が生じた時間を粘着時間(分)とし、15分後もロールから全面問題なく剥離する場合をロール剥離性良好、20分後もロールから全面問題なく剥離する場合をロール剥離性非常に良好とした。
共重合ポリエステルペレットを鏡面仕上げした型枠に入れ、温度制御が出来るプレス機で、150℃、5.0MPaで15分間プレスし、3.0mm×150mm×150mmの樹脂板を作製した。樹脂板は60℃にて10日間オーブン内で加温し、熱処理前後の75°光沢度をハンディ型光沢計(日本電色工業製PG−1)で測定した。熱処理後の光沢保持率(熱処理後光沢/熱処理前光沢×100)が50%以上のものを光沢性保持良好とした。
PETオリゴマーが存在するエステル化反応器に、テレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.20のスラリーを連続的に供給し、温度260℃で発生する水とエチレングリコールの一部を反応系外に留去しつつ反応させ、テレフタル酸成分に対するエチレングリコール成分のモル比が1.15、酸価が350mmol/kgのPETオリゴマーを連続的に得た。このPETオリゴマー160kg(テレフタル酸成分789mol、エチレングリコール成分907mol)を別のエステル化反応器に移液し、255℃にてイソフタル酸59.0kg(355mol)、エチレングリコール44.1kg(710mol)及びトリメチロールプロパン0.212kg(1.58mol)のスラリーを70分かけて添加した。15分後、数平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール78.9kg(78.9mol)及び安定剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン5.92kgを255℃で25分かけて添加した。5分後、重縮合触媒として三酸化アンチモン180g(0.617mol)及びトリエチルフォスフェート12.0g(0.066mol)を添加し、15分後260℃にて、反応混合物を重縮合反応器に移液した。5分後に減圧を開始し、最終的には0.09kPaで、エチレングリコールを反応系外に留去しながら260℃で重縮合を行い、120分後所定の軸トルクに達したので、減圧をといて重縮合反応を停止した。0.2MPaの窒素圧力をかけ、反応器より樹脂をストランド状にして取り出し、13℃の冷却水中で切断し、共重合ポリエステル1のペレットを得た。
なお、表1には、PETオリゴマー中のテレフタル酸成分を100モル部に換算した場合の仕込みのモル部を示す。ただし、安定剤については、ポリオキシテトラメチレングリコール成分を100質量部に換算した場合の仕込みの質量部を示す。
6インチロール試験機で共重合ポリエステル1の透明性とロール剥離性の評価を行った。また、プレス機にて作製した樹脂板で熱処理前後の光沢保持性を評価した。これらの結果を表1に示した。共重合ポリエステル1は柔軟性に富み、透明性、ロール剥離性及び光沢保持率が良好であった。
仕込み組成を表1のように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステルのペレットを得た。評価結果を表1に示す。
テレフタル酸131kg(789mol)、イソフタル酸59.0kg(355mol)、エチレングリコール100kg(1617mol)、トリメチロールプロパン0.212kg(1.58mol)、数平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール78.9kg(78.9mol)及び安定剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン5.92kgをエステル化反応器に仕込み、300kPaの窒素圧をかけ、発生する水を反応系外に留去しつつ、温度を260℃まで引き上げ、150分エステル化反応を行った。反応器に窒素を導入して大気圧に戻し、重縮合触媒として三酸化アンチモン180g(0.617mol)及びトリエチルフォスフェート12.0g(0.066mol)を添加した。15分後260℃にて、反応混合物を重縮合反応器に移液した。5分後に減圧を開始し、最終的には0.08kPaで、エチレングリコールを反応系外に留去しながら260℃で重縮合を行い、120分後所定の軸トルクに達したので、減圧をといて重縮合反応を停止した。0.2MPaの窒素圧力をかけ、反応器より樹脂をストランド状にして取り出し、13℃の冷却水中で切断し、共重合ポリエステル9のペレットを得た。得られた共重合ポリエステル9の固有粘度[η]は0.92dl/g、Tgは−5℃であった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル12のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル12は柔軟性に富み、光沢保持率は良好であったが、透明性とロール剥離性に問題があった。共重合ポリエステル12は、原料として分子量の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用し、重縮合触媒として二酸化ゲルマニウムを使用したため、透明性が不良となった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル13のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル13は柔軟性がなく、ロール剥離性と光沢保持率は良好であったが、透明性に問題があった。共重合ポリエステル13は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が少なく、Tgが高いため、ロール剥離性はよいものの加工時の混練状態が悪く、透明性が不良となった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル14のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル14は柔軟性があり、透明性と光沢保持率は良好であったが、ロール剥離性が劣っていた。共重合ポリエステル14は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が多く、触媒として二酸化ゲルマニウムを使用したため、ロール剥離性が不良となった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、比較例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル15のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル樹脂15は、柔軟で、透明性及び光沢保持率は良好であったが、ロール剥離性は悪かった。共重合ポリエステル15は、組成的には実施例6の共重合ポリエステル5と同じであるが、PETオリゴマーを使用せず、原料を一括仕込みして反応を行ったため、ロール剥離性が不良となった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル16のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル16は、柔軟性はあったが、透明性、ロール剥離性及び光沢保持率が劣っていた。共重合ポリエステル16は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が多く、原料として分子量の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用し、重縮合触媒として二酸化ゲルマニウムを使用したため、透明性、ロール剥離性及び光沢保持率が不良となった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル17のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル17は、柔軟性がなく、ロール剥離性及び光沢保持率は良いものの、透明性が劣っていた。共重合ポリエステル17は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が少なく、Tgの高い樹脂となったので、ロール剥離性はよいが、加工時の混練状態が悪く、透明性が不良となった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル18のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル18は、柔軟性に富み、透明性及び光沢保持率は良かったものの、ロール剥離性が劣っていた。共重合ポリエステル18は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が多すぎるため、ロール剥離性が不良となった。
実施例1と同じ手法で得たPETオリゴマー158kg(テレフタル酸成分780mol、エチレングリコール成分897mol)をエステル化反応器に移液し、255℃にて5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル3.46kg(11.7mol)を添加し、次いでイソフタル酸58.3kg(351mol)、エチレングリコール43.6kg(702mol)及びトリメチロールプロパン0.209kg(1.56mol)のスラリーを70分かけて添加した。15分後、数平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール78.0kg(78.0mol)及び安定剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン5.86kgを255℃で25分かけて添加した。5分後、重縮合触媒として三酸化アンチモン180g(0.617mol)及びトリエチルフォスフェート12.0g(0.066mol)を添加し、15分後260℃にて、反応混合物を重縮合反応器に移液した。5分後に減圧を開始し、最終的には0.12kPaで、エチレングリコールを反応系外に留去しながら260℃で重縮合を行い、120分後所定の軸トルクに達したので、減圧をといて重縮合反応を停止した。0.2MPaの窒素圧力をかけ、反応器より樹脂をストランド状にして取り出し、13℃の冷却水中で切断し、共重合ポリエステル19のペレットを得た。得られた共重合ポリエステル19の固有粘度[η]は0.97dl/g、Tgは0℃であった。
仕込み組成を表3に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル20のペレットを得た。評価結果を表3に示す。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、比較例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル31のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル樹脂31は、柔軟で、透明性及び光沢保持率は良好であったが、ロール剥離性は悪かった。共重合ポリエステル31は、組成的には実施例11の共重合ポリエステル19と同じであるが、PETオリゴマーを使用せず、原料を一括仕込みして反応を行ったため、ロール剥離性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル32のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル32は、柔軟で、ロール剥離性及び光沢保持率が良好であったが、透明性が悪かった。共重合ポリエステル32は、原料として分子量の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用したため、透明性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル33のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル33は、柔軟性がなく、ロール剥離性及び光沢保持率が良好であったが、透明性が悪かった。共重合ポリエステル33は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が少なく、Tgが高いため、ロール剥離性はよいものの加工時の混練状態が悪く、透明性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル34のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル34は、柔軟で、透明性及び光沢保持率が良好であったが、ロール剥離性が悪かった。共重合ポリエステル34は、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が多すぎ、ロール剥離性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、比較例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル35のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル35は、組成的には実施例17の共重合ポリエステル25と同じであるが、PETオリゴマーを使用せず、原料を一括仕込みして反応を行ったため、ロール剥離性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル36のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル36は、柔軟で、ロール剥離性及び光沢保持率が良好であったが、透明性が劣っていた。共重合ポリエステル36は、分子量の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用したため、透明性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル37のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル37は、柔軟性がなく、ロール剥離性及び光沢保持率が良好であったが、透明性が劣っていた。共重合ポリエステル37は、ポリオキシテトラメチレングリコールを使用量が少なく、透明性が不良となった。
仕込み組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例11と同様の操作を行い、共重合ポリエステル38のペレットを得た。評価結果を表4に示す。
共重合ポリエステル38は、ネオペンチルグリコールの使用量が多く、また固有粘度が低いため、ロール剥離性が不良となった。
安定剤1:テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
安定剤2:3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン
安定剤3:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
Claims (4)
- 少なくとも下記の(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び(e)成分をエステル化及びエステル交換反応させた後、重縮合して得られる、ガラス転移温度が−10〜25℃、固有粘度〔η〕が0.80〜1.20dl/gである軟質共重合ポリエステル。
(a)テレフタル酸成分に対するエチレングリコール成分のモル比が1.05〜1.25、酸価が200〜550mmol/kgの連続的に製造されたポリエチレンテレフタレートオリゴマー成分、
(b)テレフタル酸以外のジカルボン酸成分:20〜80モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)、
(c)エチレングリコール成分:24〜200モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)。 - 少なくとも下記の(a)成分、(d)成分、及び(e)成分をエステル化及びエステル交換反応させた後、重縮合して得られる、ガラス転移温度が−10〜25℃、固有粘度〔η〕が0.80〜1.20dl/gである軟質共重合ポリエステル。
(a)テレフタル酸成分に対するエチレングリコール成分のモル比が1.05〜1.25、酸価が200〜550mmol/kgの連続的に製造されたポリエチレンテレフタレートオリゴマー成分、
(d)エチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオール成分:20〜70モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)。 - さらに(f)5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジエステル誘導体成分:0.3〜2.5モル部(ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のテレフタル酸成分100モル部に対して)をエステル化及びエステル交換反応させて得られる請求項1又は2記載の軟質共重合ポリエステル。
- (e)成分以外の成分をエステル化及び/又はエステル交換反応させた後、(e)成分を加えて重縮合して得られる請求項1又は2記載の軟質共重合ポリエステル。
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