JP4764054B2 - 軟質共重合ポリエステル - Google Patents
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(a)テレフタル酸成分、
(b)テレフタル酸以外のジカルボン酸成分:20〜80モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(c)エチレングリコール成分:145〜300モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(f)5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジエステル誘導体成分:0.3〜2.5モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)。
(a)テレフタル酸成分、
(c)エチレングリコール成分:50〜100モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(d)エチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオール成分:20〜70モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(f)5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジエステル誘導体成分:0.3〜2.5モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)。
(b)成分は、テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分である。
(b)成分の使用量は、(a)テレフタル酸成分100モル部に対して、20〜80モル部である。(b)成分をこの範囲で使用することによって、ガラス転移温度を大きく下げることなく共重合ポリエステルの結晶性を十分に落とすことができ、非晶性を付与することができる傾向にある。
(c)成分は、前述した(a)成分及び(b)成分と後述する(e)成分及び(f)成分とともに組み合わせて用いる場合には、(a)テレフタル酸成分100モル部に対して、145〜300モル部の範囲で使用し、また、前述した(a)成分と後述する(d)成分、(e)成分及び(f)成分とともに組み合わせて用いる場合には、(a)テレフタル酸成分100モル部に対して、50〜100モル部の範囲で使用する。(c)成分をこの範囲で使用することによって、エステル化反応及び重縮合反応が問題なく進行する傾向にある。
(d)成分は、エチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオール成分である。
(d)成分の使用量は、(a)テレフタル酸成分100モル部に対して、20〜70モル部である。(d)成分をこの範囲で使用することによって、ガラス転移温度を大きく下げることなく共重合ポリエステルの結晶性を十分に落とすことができ、透明性が向上する傾向にある。
(e)成分は、数平均分子量が500〜2500のポリテトラメチレングリコール成分であり、(a)テレフタル酸成分100モル部に対して、1〜15モル部の範囲で使用する。(e)成分をこの範囲で使用することによって、共重合性を損なうことなく、柔軟性及び透明性の優れた軟質共重合ポリエステルが得られる傾向にある。(e)成分の使用量の下限値は5モル部以上が好ましく、また、この使用量の上限値は11モル部以下が好ましい。
(f)成分は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジエステル誘導体である。(f)成分を使用することにより、オリゴマーのブリードアウトを抑制することができ、成形物表面の経時的な光沢低下を抑制することができる傾向にある。
(f)成分としては、特に限定されないが、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)などが挙げられる。
三官能以上のモノマーの使用量は、特に制限されないが、(a)テレフタル酸成分100モル部に対して、3モル部以下であることが好ましい。
(1)固有粘度[η](dl/g)
25℃のフェノール/テトラクロロエタン等質量混合溶媒中で測定した。
(2)ガラス転移温度 Tg(℃)
JIS K−7121に準じて、示差走査熱量計(DSC)にて10℃/分の昇温速度で測定したショルダー値をガラス転移温度(℃)とした。
共重合ポリエステルを押出製膜機(サーモプラスチック工業(株)、40mm単軸押出機)で、樹脂温度が250℃、チルロール温度が5℃となるように製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得て、シートの透明性を下記の基準で5段階評価し、評価5を透明性良好とした。
「5」:ほぼ透明で、シートを透かして向こう側の文字や図柄が鮮明に識別できる。
「4」:ほぼ透明だが、評価「5」より劣る。
「3」:濁りがある。
「2」:やや白濁し、シートを透かして向こう側の文字や図柄は辛うじて識別できるものの、透明性を要する用途には不適である。
「1」:白濁し、シートを透かして向こう側の文字や図柄の識別はできない。
透明性試験で作製したポリエステルシートより一辺15cmの正方形を切り出し、この試験片を60℃にて10日間オーブン内で加温し、熱処理前後の75°光沢度をハンディ型光沢計(日本電色工業製PG−1)で測定した。熱処理後の光沢保持率(熱処理後光沢/熱処理前光沢×100%)は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
エステル化反応器に、テレフタル酸129kg(779mol)、イソフタル酸58.3kg(351mol)、エチレングリコール106kg(1715mol)、トリメチロールプロパン0.209kg(1.56mol)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル3.46kg(11.7mol)、数平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール78.2kg(78.2mol)、及び安定剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン5.86kgを仕込み、300kPaの窒素圧をかけ、発生する水を反応系外に留去しつつ、温度を260℃まで引き上げ、180分エステル化反応を行った。反応器を大気圧に戻し、重縮合触媒として二酸化ゲルマニウム90.0g(0.860mol)及びトリエチルフォスフェート12.0g(0.066mol)を添加し、15分後反応混合物を重縮合反応器に移液した。5分後に減圧を開始し、最終的には0.10kPaで、エチレングリコールを反応系外に留去しながら260℃で重縮合を行い、120分後所定の軸トルクに達したので、減圧をといて重縮合反応を停止した。5分後、0.2MPaの窒素圧力をかけ、反応器より樹脂をストランド状にして取り出し、13℃の冷却水中で切断し、共重合ポリエステル1のペレットを得た。
得られた共重合ポリエステル1の固有粘度[η]は0.95dl/g、Tgは−4℃であった。
共重合ポリエステル1のシートを作製し、透明性と熱処理前後の光沢保持性を評価した。これらの結果を表1に示した。共重合ポリエステル1は柔軟性に富み、透明性及び光沢保持率が良好であった。
仕込み組成を表1のように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステルのペレット2〜8を得た。評価結果を表1に示す。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル9のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル9のペレットから作製したシートは、柔軟ではあったが、分子量の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用したため、透明性が不良であった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル10のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル10のペレットから得られたシートは、光沢保持率は良好であったが、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が少ないため、Tgが高く柔軟性がなかった。また、透明性も劣っていた。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル11のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル11のペレットから得られたシートは、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が多い上に、固有粘度[η]が1.25と高くて製膜状態が悪いため、透明性が不良であった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル12のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル12のペレットから得られたシートは柔軟ではあったが、分子量の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用したため、透明性が不良で、光沢保持率も悪かった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、比較例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル13のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル樹脂13のペレットから得られたシートは、ポリオキシテトラメチレングリコールの使用量が少ないため、Tgが高くて柔軟性がなかった。また、透明性に劣っていた。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル14のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル14のペレットから得られたシートは、固有粘度[η]が大きくて製膜状態が悪いため、透明性に劣っていた。また、Tgが低い上に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸誘導体の使用量が少ないため、固体オリゴマーのブリードアウトが発生し、光沢保持率が極めて悪かった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル15のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル15のペレットから得られたシートは、5−ナトリウムスルホイソフタル酸誘導体の使用量が多いため、固体オリゴマーのブリードアウトが発生し、光沢保持率が極めて悪かった。
仕込み組成を表2に示すように変更すること以外は、実施例1と同様の操作を行い、共重合ポリエステル16のペレットを得た。評価結果を表2に示す。
共重合ポリエステル16のペレットから得られたシートは、(d)成分の使用量が多いため、固有粘度とTgが低下し、固体オリゴマーのブリードアウトが発生して、光沢保持率が悪かった。
安定剤1:テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
安定剤2:3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン
安定剤3:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
Claims (2)
- 少なくとも下記の(a)、(b)、(c)、(e)、及び(f)成分をエステル化反応させた後、重縮合して得られる、ガラス転移温度が−10〜25℃、固有粘度〔η〕が0.80〜1.20dl/gである軟質共重合ポリエステル。
(a)テレフタル酸成分、
(b)テレフタル酸以外のジカルボン酸成分:20〜80モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(c)エチレングリコール成分:145〜300モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(f)5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジエステル誘導体成分:0.3〜2.5モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)。 - 少なくとも下記の(a)、(c)、(d)、(e)、及び(f)成分をエステル化反応させた後、重縮合して得られる、ガラス転移温度が−10〜25℃、固有粘度〔η〕が0.80〜1.20dl/gである軟質共重合ポリエステル。
(a)テレフタル酸成分、
(c)エチレングリコール成分:50〜100モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(d)エチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオール成分:20〜70モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(e)数平均分子量500〜2500のポリオキシテトラメチレングリコール成分:1〜15モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)、
(f)5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジエステル誘導体成分:0.3〜2.5モル部(テレフタル酸成分100モル部に対して)。
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