JP2000073232A - 吸湿性ポリエステル繊維 - Google Patents

吸湿性ポリエステル繊維

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JP2000073232A
JP2000073232A JP23984498A JP23984498A JP2000073232A JP 2000073232 A JP2000073232 A JP 2000073232A JP 23984498 A JP23984498 A JP 23984498A JP 23984498 A JP23984498 A JP 23984498A JP 2000073232 A JP2000073232 A JP 2000073232A
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Masahito Tokutake
政仁 徳竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維のアルカリ減量速度を実用上問題ない範
囲とし、均一な減量加工を施すことによってソフトな風
合いを発現させることが可能であり、かつ、優れた吸湿
性を有するポリエステル繊維を提供する。 【解決手段】 20℃の水に対する溶解率が30重量%以下
であるポリエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導
体を3〜50重量%含有し、スルホン酸塩基含有化合物が
全酸成分に対して 0.5〜5モル%、ダイマージオールが
アルキレンテレフタレート成分に対して1〜10重量%そ
れぞれ共重合されているポリアルキレンテレフタレート
からなる繊維である。そして、アルカリ減量速度が 1.5
重量%/分以下であり、かつ、温度34℃、湿度90%RH
の雰囲気下における吸湿率が4重量%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトな風合いを
発現させることが可能で、かつ、吸湿性に優れたポリエ
ステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、優れた機械的特性と化学的特性を有
しており、広範な分野において使用され、特に合成繊維
として極めて広い用途を有している。
【0003】しかしながら、ポリエステル繊維は疎水性
であるために極めて吸湿性が低く、インナー、中衣、ス
ポーツ衣料等のように直接的に肌に触れて、あるいは肌
側に近い状態で着用される分野に使用する場合は、肌か
らの発汗によるムレやベタツキ等を生じ、快適性の点で
天然繊維と比較して著しく劣り、このような衣料分野で
の利用が大きく制限されている。
【0004】従来、ポリエステル繊維に親水性や吸湿性
を付与しようとする試みが種々なされてきた。例えば、
特開昭62−267352号公報には、ポリアルキレングリコー
ル類を50〜70重量%配合したポリエステル組成物が開示
されている。しかし、このような組成物からなる繊維
は、耐薬品性に劣るものであり、特にアルカリによる減
量速度が著しく速くなるという欠点がある。ポリエステ
ル繊維は、アルカリ減量加工を施すことによりソフトな
風合いを発現させることが一般的に行われているが、こ
のようなアルカリによる減量速度が速い繊維では、減量
率をコントロールして減量加工を均一に行うことができ
ず、ソフトな風合いを有する繊維を得ることができない
という問題があった。
【0005】このような問題点を解決する方法として、
例えば、特開平2-99612号公報には、常温下で吸湿率が
10重量%以上の吸湿性ポリマーを芯部とし、芯部を鞘部
のポリエステルで覆った芯鞘型複合繊維が提案されてい
る。しかしながら、本発明者の検討によると、このよう
な方法においても、アルカリ減量加工を行うことは実質
上不可能であった。すなわち、アルカリ減量加工時の熱
水により、芯部の吸湿性ポリマーが大きく膨潤し、複合
繊維の表面にひび割れを生じせしめ、水に対する溶解性
が高い芯部のポリマーが外部に流出するという問題があ
った。
【0006】また、特開平9-228157号公報には、ポリエ
ステルからなる外層と内層の間に、ポリエーテル化合物
を含む吸湿性ポリマーの中間層が複合されており、か
つ、中空部を有する中空状三層複合繊維が提案されてい
る。このような繊維は、アルカリ減量加工時の熱水によ
り、中間層の吸湿性ポリマーが膨潤しても中空部が変形
することによって複合繊維の表面はひび割れを起こさ
ず、水に対する溶解性が高い中間層のポリマーが外部に
流出することがないようにしたものである。このような
繊維形態をとることにより、ある程度のアルカリ減量加
工は可能となるが、繊維の断面形状が複雑であるために
製糸の安定性に劣り、操業性が極めて悪いという問題が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、繊維のアルカリ減量速度を実用上問題ない範
囲とし、均一な減量加工を施すことによってソフトな風
合いを発現させることが可能であり、かつ、優れた吸湿
性を有するポリエステル繊維を提供しようとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するもので、その要旨は、20℃の水に対する溶解率が
30重量%以下であるポリエーテル化合物又はポリエーテ
ル化合物誘導体を3〜50重量%含有し、スルホン酸塩基
含有化合物が全酸成分に対して 0.5〜5モル%、ダイマ
ージオールがアルキレンテレフタレート成分に対して1
〜10重量%それぞれ共重合されているポリアルキレンテ
レフタレートからなる繊維であって、アルカリ減量速度
が 1.5重量%/分以下であり、かつ、温度34℃、湿度90
%RHの雰囲気下における吸湿率が4重量%以上である
ことを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明の繊維を形成するポリアルキレンテ
レフタレートは、20℃の水に対する溶解率が30重量%以
下であるポリエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘
導体を3〜50重量%含有していることが必要である。ポ
リエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導体の水に
対する溶解率が30重量%を超えると、この成分がアルカ
リ減量加工時に溶出しやすくなり、結果として、これを
含有するポリエステル繊維のアルカリ減量速度が速くな
る。
【0011】本発明で採用できるポリエーテル化合物又
はポリエーテル化合物誘導体の例としては、次のような
ものが挙げられる。通常のポリアルキレンオキシドであ
れば、平均分子量 18000以上の高分子量ポリエチレング
リコールが好適である。ポリアルキレンオキシドの末端
の一部又は全部がイソシアネート化合物等と反応して架
橋されているものも好適であり、市販品としては、住友
精化社製「アクアコーク」等が挙げられる。ポリエーテ
ル成分とポリアミド成分からなるポリエーテルエステル
アミドも好適であり、市販品としては三洋化成社製「ペ
レスタット」等が挙げられる。また、プロピレンオキシ
ドとエチレンオキシドの共重合体で平均分子量が9000以
上のものも水に対する溶解性は低く、本発明で使用する
ことが可能であるが、吸湿性を損なわないためにはプロ
ピレンオキシドの共重合割合が20〜80モル%のものが好
適である。なお、このポリエーテル化合物又はポリエー
テル化合物誘導体の含有量が3重量%未満では十分な吸
湿性が発現せず、逆に50重量%を超えると、操業性が著
しく低下するため好ましくない。
【0012】次に、本発明の繊維を形成するポリアルキ
レンテレフタレートは、具体的にはポリエチレンテレフ
タレート(以下、PETと略す。)、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート等が好適で
ある。そして、ポリアルキレンテレフタレートは、スル
ホン酸塩基含有化合物が全酸成分に対して0.5〜5モル
%、ダイマージオールがアルキレンテレフタレート成分
に対して1〜10重量%、それぞれ共重合されていること
が必要である。
【0013】スルホン酸塩基含有化合物は、ポリアルキ
レンテレフタレートを親水化する効果があり、具体的に
は5-ナトリウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸塩基
を有するイソフタル酸が好適である。スルホン酸塩基含
有化合物の共重合割合は、全酸成分に対して0.5〜5.0
モル%とすることが必要であり、特に0.5〜3.0モル%
とすることが好ましい。この共重合割合が0.5モル%未
満になると、繊維の吸湿性を向上させる効果が不十分と
なることがあり、一方、5.0モル%を超えるとポリエス
テルの重合度が上がり難く、糸質特性が低下したり、ア
ルカリ減量速度が速くなることがあるため好ましくな
い。
【0014】また、ダイマージオールとは、不飽和脂肪
酸の低重合体から、分離及び水素添加によってトリマー
酸、モノマー酸等の副生成物を除去した後に得られるダ
イマー酸を水素化して得られる脂肪族両末端ジオールで
ある。具体的には、ダイマージオールは、下記一般式
および/又はで表される化合物である。
【0015】
【化1】 上記一般式及びで表されるダイマージオールは、そ
れぞれ単独でも、また両者の混合物のいずれであっても
よい。このダイマージオールは、精製されたもので、95
重量%以上の純度を有するものが有利に使用され、市販
品としては、東亞合成社製「ペスポールHP-1000 」(炭
素数36で、脂環族タイプ/直鎖脂肪族タイプ=75/25モル
%の水素添加ダイマージオール)等が挙げられる。この
ダイマージオールは、アルカリによる減量速度を低減す
る効果があるが、共重合割合がアルキレンテレフタレー
ト成分に対して1重量%未満ではその効果が不十分とな
り、一方、10重量%を超えると、ポリエステル繊維の物
性が低下するので好ましくない。
【0016】なお、ポリアルキレンテレフタレートは、
本質的な特性を損なわない限り、他の共重合成分を少量
含有していてもよく、これらの共重合成分としては、イ
ソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシン酸等
の脂肪族ジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、1、
4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分、4-
ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキ
シカルボン酸成分が挙げられる。
【0017】本発明の繊維は、アルカリ減量速度が1.5
重量%/分以下であることが必要である。アルカリ減量
速度が1.5重量%/分を超えると、減量の進行が速すぎ
るために減量率のコントロールが難しくなり、均一な減
量加工ができなくなる。なお、アルカリ減量速度の値
は、次の方法で測定したものである。繊維を筒編し、5
重量%の水酸化ナトリウム水溶液で70℃×40分、浴比
1:50で処理したときの減量重量から、次式により求め
る。 減量速度(重量%/分)=〔(A−B)/A〕×100
/40 ただし、Aは減量前重量、Bは減量後重量である。
【0018】また、本発明の繊維は、温度34℃、湿度90
%RHの雰囲気下における吸湿率が4重量%以上である
ことが必要である。吸湿率が4重量%未満では、綿等の
天然繊維と比較して十分な吸湿性が得られず、衣類とし
た場合の着用時に不快感を生じやすいので好ましくな
い。
【0019】なお、吸湿率の値は、次の方法で測定した
ものである。繊維を筒編し、これを25℃、60%RHで調
湿して重量W0 を測定する。次いで、この筒編地を、2h
Paの減圧下、80℃で6時間乾燥し、34℃、90%RHに設
定した恒温恒湿槽に6時間放置した後、重量W1 を測定
する。そして、次式により吸湿率を求める。 吸湿率(重量%)=〔(W1 −W0 )/W0 〕×100 本発明の繊維は、例えば、次のような方法により製造す
ることができる。テレフタル酸とジオールを直接エステ
ル化させて、ポリエステルオリゴマーを合成し、これに
ポリエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導体とス
ルホン酸塩基含有化合物、ダイマージオール等を添加
し、重縮合反応を行う。重縮合反応は、通常アンチモ
ン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウ
ム、コバルト等の金属化合物の存在下で、0.12〜12hPa
程度の減圧下、220〜290 ℃の温度で、極限粘度が0.5
以上となるまで行うことが好ましい。また、本発明の効
果を阻害しない範囲であれば、ヒンダードフェノール系
化合物のような抗酸化剤、コバルト化合物、蛍光剤、染
料のような色調改良剤、二酸化チタンのような顔料等の
添加物を含有させてもよい。
【0020】次に、得られたポリエステルを常法により
乾燥し、通常の溶融紡糸機に供給してポリエステルの融
点より20℃以上高い温度で溶融紡糸し、糸条を冷却後に
未延伸糸又は半未延伸糸としていったん捲き取るか、あ
るいは、捲き取ることなしに引き続いて延伸、熱処理等
を行って本発明の繊維を得る。なお、本発明の効果が損
なわれない限り、本発明を満足するポリアルキレンテレ
フタレート成分と他の成分との複合繊維としてもよい。
さらに、ポリエステル繊維の形態は長繊維、短繊維のい
ずれでもよく、必要に応じて、捲縮加工、仮撚加工、薬
液による処理等の後加工を施して用いることもできる。
【0021】
【作用】本発明のポリエステル繊維は、アルカリ減量加
工を均一に施すことが可能であり、かつ、優れた吸湿性
を備えているが、その理由としては、次のことが考えら
れる。
【0022】ポリエステルに吸湿性を付与するために
は、ある程度のセグメント長を有するポリエーテル化合
物又はポリエーテル化合物誘導体を含有させることが必
要であり、例えば、ポリエチレングリコールの場合、平
均分子量が約4000以上でないと良好な吸湿性は得られな
い。しかし、このような高分子量のポリエーテル化合物
は、一般にポリエステルに対する相溶性が劣るために、
全てがポリエステルに共重合されず、ある程度の量はポ
リエステル中に分散した状態となっている。このような
ポリエステルからなる繊維にアルカリ減量加工を行う
と、まず、水によって共重合されていないポリエーテル
化合物又はポリエーテル化合物誘導体が溶出して繊維の
表面積を増大させ、その結果、アルカリによるポリエス
テルの加水分解が急激に進行する。
【0023】一方、本発明のポリエステル繊維は、ポリ
エーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導体として、
20℃の水に対する溶解率が30重量%以下である、実質的
に水に難溶性のものを含有しているため、この成分がポ
リエステル中に分散した状態となっていても、アルカリ
減量加工時にこの成分が溶出してしまうことが抑制され
る。また、ポリエステルに共重合されているダイマージ
オールは嵩高な分子であるため、立体障害によってアル
カリによる加水分解を阻害する効果がある。これらの結
果として、繊維のアルカリ減量速度が1.5重量%/分以
下と、実用上問題ない範囲にすることが可能であると推
定される。
【0024】また、上記のような水に対して難溶性のポ
リエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導体は、実
質的に、ある程度の長いセグメントを有しているため、
吸湿性自体は高く、また、ポリエステル自体もスルホン
酸塩基含有化合物が共重合されているために疎水性が緩
和されている。これらの結果として、繊維の吸湿性も優
れたものになると推定される。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、測定法や評価は次のとおりに行った。 (a)溶解率 20℃に調節した水100gに、ポリエーテル化合物又はポリ
エーテル化合物誘導体を1g添加して5分間撹拌する。
完全に溶解した場合は、さらにポリエーテル化合物又は
ポリエーテル化合物誘導体を1g添加して5分間撹拌す
る操作を繰り返し、完全に溶解しなくなった時点での添
加量から、次式により求めた。 溶解率(重量%)=〔全添加量/(全添加量+100)〕×
100 (b)極限粘度(〔η〕) フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒とし、温度20℃で測定した。 (c)強伸度 オリエンティック社製テンシロンRTC-1210型を用い、50
cmの試料を50cm/分の速度にて引張試験を行い、そのス
トレスーストレイン曲線から求めた。 (d)アルカリ減量速度 前記したアルカリ減量速度の測定方法に準じて評価し
た。 (e)吸湿率 前記した吸湿率の測定方法に準じて評価した。 (f)風合い 繊維を筒編し、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液で70
℃、浴比1:50で減量重量が20重量%となるように処理
し、処理前後の風合いを10人のパネラーによる官能試験
により、次の三段階で評価した。 ○:10人中7人以上が軟らかいと感じた。 △:10人中4〜6人が軟らかいと感じた。 ×:軟らかいと感じた人が10人中3人以下。
【0026】実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にテレフ
タル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6のスラ
リーを連続的に供給し、温度250 ℃、圧力0.1MPaG 、滞
留時間8時間の条件でエステル化反応を行い、反応率95
%のPETオリゴマーを連続的に得た。このPETオリ
ゴマー48.0kgを重縮合反応缶に移送し、平均分子量2000
0 のポリエチレングリコール(以下、PEGと略す。)
を8.7kg と、ダイマージオールを2.5kg 、抗酸化剤とし
て「イルガノックス245 」(日本チバガイギー社製、ヒ
ンダードフェノール系抗酸化剤)を120g添加し、30分間
撹拌混合した。その後、全酸成分1モルに対して3×10
-4モルの三酸化アンチモン、全酸成分の0.5 モル%の5-
ナトリウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエ
ステル(以下、SIPGと略す。)をそれぞれ添加し、
重縮合反応缶内の温度を30分間で270 ℃に昇温し、圧力
を徐々に減じて60分後に1.2hPa以下とした。この条件
で、撹拌しながら4時間重縮合反応を行い、常法により
払い出してペレット化した。
【0027】次に、このペレットを常法により乾燥した
後、通常の溶融紡糸装置を用いて紡糸温度290 ℃で溶融
紡糸し、1400m/分の速度で未延伸糸を捲き取った。この
未延伸糸を延伸機に供給し、80℃で予熱した後、温度15
0 ℃のヒートプレートに接触させながら3.5 倍に延伸、
熱処理して捲き取り、75d/36f のフィラメントヤーンを
得た。
【0028】実施例2〜5、比較例1〜7 ポリエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導体の種
類及び含有量、SIPG及びダイマージオールの共重合
割合を表1に示すように種々変更した以外は、実施例1
と同様に行った。実施例及び比較例で得られたポリエス
テルの〔η〕と、フィラメントヤーンの物性、評価を表
1にまとめて示す。
【0029】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜5は、製糸、操業
性が良好で、得られた繊維は、アルカリ減量速度が1.5
重量%/分以下と減量加工を行う上で実用上問題ない範
囲であり、減量加工を行うことによりソフトな風合いを
発現させることができた。また、吸湿率も4重量%以上
と吸湿性にも優れたものであった。
【0030】一方、比較例1は、ポリエーテル化合物の
水に対する溶解率が高すぎるため、比較例6は、ダイマ
ージオールの共重合割合が少なすぎたため、ともに得ら
れた繊維はアルカリ減量速度が速く、均一な減量加工を
行うことができず、減量加工後の風合いを評価すること
ができなかった。また、比較例2は、ポリエーテル化合
物の添加量が少なすぎるため、比較例4は、SIPGの
共重合割合が少なすぎるため、ともに得られた繊維は吸
湿率が不十分なものであった。
【0031】次に、比較例3は、ポリエーテル化合物の
添加量が多すぎたため、比較例7ではダイマージオール
の共重合割合が多すぎるため、ともに紡糸時に糸切れが
多発し、繊維を得ることができなかった。さらに、比較
例5は、SIPGの共重合割合が多すぎるため、得られ
た繊維は強度が低く、また、アルカリ減量速度も速いた
めに均一な減量加工を行うことができず、減量加工後の
風合いを評価することができなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の吸湿性ポリエステル繊維は、減
量加工を施すことによりソフトな風合いを発現させるこ
とができ、かつ、吸湿性能にも優れているため、快適な
着用感を得られる衣料が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃の水に対する溶解率が30重量%以下
    であるポリエーテル化合物又はポリエーテル化合物誘導
    体を3〜50重量%含有し、スルホン酸塩基含有化合物が
    全酸成分に対して 0.5〜5モル%、ダイマージオールが
    アルキレンテレフタレート成分に対して1〜10重量%そ
    れぞれ共重合されているポリアルキレンテレフタレート
    からなる繊維であって、アルカリ減量速度が 1.5重量%
    /分以下であり、かつ、温度34℃、湿度90%RHの雰囲
    気下における吸湿率が4重量%以上であることを特徴と
    する吸湿性ポリエステル繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004113599A1 (ja) * 2003-06-20 2004-12-29 Teijin Fibers Limited ポリエーテルエステル弾性繊維及びこれを用いた布帛、衣料
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