JPH06136620A - 芯鞘型中空複合繊維の製造方法 - Google Patents

芯鞘型中空複合繊維の製造方法

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JPH06136620A
JPH06136620A JP28718592A JP28718592A JPH06136620A JP H06136620 A JPH06136620 A JP H06136620A JP 28718592 A JP28718592 A JP 28718592A JP 28718592 A JP28718592 A JP 28718592A JP H06136620 A JPH06136620 A JP H06136620A
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sheath
fiber
acid
hollow
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Michinori Higuchi
徹憲 樋口
Haruo Sato
春夫 佐藤
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】熱可塑性樹脂を芯部とし繊維形成性ポリエステ
ル樹脂を鞘部とする芯鞘型複合繊維であって、該芯部を
形成する熱可塑性樹脂がポリエーテルエステルアミドと
ポリエステルの混合物であり、かつ芯部の比率が複合繊
維全重量の10〜50重量%である芯鞘型複合繊維を9
5〜150℃で熱水処理し、2〜12%の中空部を芯部
中に形成させる。 【効果】吸湿性が高いため、織編物等として裏地、下
着、スポ―ツウェア等の快適素材として用いることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた吸湿性を有するポ
リエステル繊維の製造方法に関するものであり、更に詳
しくはインナー、中衣、スポーツ衣料などの衣料用素材
に特に好適に使用することができる吸湿性に優れた芯鞘
型のポリエステル系中空複合繊維の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートあるいはポ
リブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊
維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性などに優れるため、
衣料用途や産業用途などを主体に広く使用されている。
しかしながら、これらのポリエステル繊維は極めて吸湿
性が低いため、インナー、中衣、スポーツ衣料などのよ
うに直接的に肌に触れて、あるいは肌側に近い状態で着
用される分野に使用する場合には、肌からの発汗による
ムレ、ベタツキなどを生じ、天然繊維に比較して快適性
の点で劣るため、これらの分野への進出は限定されてい
るのが実状である。このため、たとえば特公昭60−4
75号公報、実公昭60−40612号公報、あるいは
特開昭60−215835号公報に記載されているよう
に、平衡水分率(吸湿率)の高い繊維との各種の混繊、
混撚、引揃えなどにより布帛として快適性を得んとする
試みが提案されている。これらの方法を用いることによ
り確かに快適性は向上するもののその効果は十分とはい
えず、逆に染色時にポリエステル繊維を染色する分散染
料による汚染を生じたり、同色性に劣ったり、ポリエス
テル繊維本来の物理的特性が失われるという問題点があ
った。
【0003】また、ポリエステル繊維にアクリル酸やメ
タアクリル酸をグラフト重合すること、更にグラフト重
合後にそれらのカルボキシル基をアルカリ金属で置換す
ることにより吸湿性を付与する方法が知られているが、
ポリエステル繊維がグラフト重合しにくい素材であるこ
と、および染色堅牢性や耐光性や繊維物理特性や風合い
などの低下を潜在的に有していることから、実用化にい
たっていない。このように後加工段階で吸湿性を付与す
る方法では染色時、あるいは得られた布帛の特性の面か
ら種々の問題があることから、ポリエステル繊維製造段
階で吸湿性を付与し、かつ前記問題点を解消するため、
吸湿率が10%以上の吸湿性樹脂を芯部とし、それを鞘
部であるポリエステルで覆った芯鞘型複合繊維が特開平
2−99612号公報で提案されている。しかしながら
この方法では、染色などの熱水処理時に芯部の吸湿率が
高いが故に吸湿・吸水に起因した芯部と鞘部との水膨潤
差により鞘部に歪みがかかり繊維表面にひびや割れが生
じ、商品価値が低下するばかりでなく工程トラブルを生
じる等の問題がある。また、芯部および鞘部の熱可塑性
樹脂間の相溶性が乏しため、界面での剥離が生じ商品価
値を損なうという問題があった。
【0004】さらに、特開平4−108113号公報は
吸湿性を有する特定の芯部とポリエステルを鞘部とする
芯鞘型複合繊維であって、芯部が繊維内部の中空部と接
する技術が開示されているが、例えば特定の芯成分とし
てポリエーテルエステルアミドを用いて溶融紡糸にて中
空繊維とした場合、染色等の熱水処理工程などで中空構
造が破壊されやすく、安定した中空構造の繊維となりに
くいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、商品価値の高い吸湿性ポリ
エステル中空繊維を安定に製造する方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的は
ポリエーテルエステルアミドとポリエステルとの重量比
が60:40〜98:2の混合物からなる熱可塑性樹脂
を芯部とし、繊維形成性ポリエステル樹脂を鞘部とする
芯鞘型複合繊維であって、該芯部の比率が複合繊維全重
量の10〜50重量%である該芯鞘型複合繊維を、95
〜150℃の熱水で処理し、2〜12%の中空部を芯部
に形成させることを特徴とする吸湿性に優れた芯鞘型中
空複合繊維の製造方法によって達成できる。
【0007】ポリエーテルエステルアミド(以下、PE
EAという)とポリエステルの混合物を主たる成分とす
る芯部の比率は芯鞘型複合繊維に対して、10〜50重
量%とする必要がある。好ましくは12〜40重量%、
さらに好ましくは15〜35重量%である。芯部が10
重量%より少ないと十分な吸湿性が得られない。一方、
50重量%より多いと繊維強度が低下するため実用上好
ましくない。本発明において図1、図2に示すように芯
鞘型中空複合繊維の形状は、同心円状でも偏心円状でも
多島状でも良く、繊維断面形状は丸型ばかりでなく、多
角型、H型、Π型などの異形断面でも良い。図1は同心
円状、丸型であり、図2 (a) は多島状、丸型で、図2
(b) は同心円状、多角型である。また、該芯鞘型中空
複合繊維の糸条形態は、フィラメント、ステープルのど
ちらでも良く、常法によって得ることができる。布帛形
態としては、織物、編物、不織布など目的に応じて適宜
選択できる。
【0008】PEEAは、本発明の製造方法で得られる
芯鞘型中空複合繊維の主要な吸湿成分であり、芯鞘型中
空複合繊維の芯部においてPEEAとポリエステル、例
えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETとい
う)、スルホネート化合物を共重合した変性PET等と
の混合物として配置される。芯部中のPEEAとポリエ
ステルの比率(重量比)は60:40〜98:2である
ことが必要である。好ましくは70:30〜95:5、
さらに好ましくは80:20〜93:7である。PEE
Aの比率が60重量%より少ないと十分な吸湿性が得ら
れず、また、紡糸性が不安定になりやすく、一方、98
重量%より多いと熱水処理工程で安定した中空部を形成
させることができない。本発明においてPEEAとは同
一分子鎖内にエーテル結合、エステル結合およびアミド
結合を有するブロック共重合体である。より具体的には
ラクタム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸
の塩から選ばれた1種もしくは2種以上のポリアミド形
成性成分(A)およびジカルボン酸とポリ(アルキレン
オキシド)グリコールからなるポリエーテルエステル形
成性成分(B)を重縮合反応させて得られるブロック共
重合体ポリマである。本発明においてPEEAのポリア
ミド形成性成分(A)としては、カプロラクタム、エナ
ントラクタム、ドデカノラクタム、ウンデカノラクタム
等のラクタム類、アミノカプロン酸,11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸などのω−アミノカ
ルボン酸、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12等の前駆体であるジアミン−ジカルボン酸のナイロ
ン塩類があり、これらを1種または2種以上混合して用
いることができる。好ましいポリアミド形成性成分はε
−カプロラクタム、ナイロン66塩である。一方PEE
Aのソフトセグメントを構成するポリエーテルエステル
形成性成分(B)としては、炭素数4〜20のジカルボ
ン酸とポリ(アルキレンオキシド)グリコールとからな
る。炭素数4〜20のジカルボン酸としてはコハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セ
バシン酸、ドデカジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂環式ジカルボン酸をあげることがで
き、1種または2種以上混合して用いることができる。
好ましいジカルボン酸はアジピン酸、セバシン酸、ドデ
カジ酸、テレフタル酸、イソフタル酸である。またポリ
(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリエチ
レングリコール、ポリ(1,2−および1,3−プロピ
レンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グ
リコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドまた
はテトラヒドロフランとのランダムまたはブロック共重
合体等があげられ、特にポリエチレングリコールが好ま
しい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均
分子量は好ましくは 300〜10000 、より好ましくは 500
〜4000である。 300より低い分子量であると重縮合反応
中に系外に飛散しやすく、一方 10000より高い分子量で
あると共重合しにくく安定したブロック共重合体となり
得ない。
【0009】PEEAブロック共重合体は上記したポリ
アミド形成性成分(A)とポリエーテルエステル形成性
成分(B)を重縮合することによって得られる。工業的
に好ましい方法としては(A)および(B)を減圧下、
加熱重縮合する方法があげられるが、その際、高重合度
で着色の少ないポリマを得るためには例えば酸化アンチ
モン、チタン酸エステル等を重縮合触媒として、またリ
ン酸、リン酸エステル等を着色防止剤として添加するこ
とが好ましい。PEEA中の(A)と(B)の重量比は
90:10〜10:90、好ましくは80:20〜2
0:80、さらにましくは70:30〜30:70で有
効に利用することができる。(A)の比率が多くても、
逆に少なくても吸湿性が低下する。
【0010】このほか芯部を形成する熱可塑性樹脂に
は、ポリアクリル酸ソーダ、ポリNビニルピロリドン、
ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタアクリル
酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびそ
の共重合体、ポリアクリルアミドおよびその共重合体、
架橋ポリエチレンオキサイド系ポリマなどの吸湿・吸水
物質と汎用熱可塑性樹脂が本発明の目的を阻害しない程
度含有されていてもよい。また芯部を形成する熱可塑性
樹脂および鞘部を形成する繊維形成性ポリエステル樹脂
には、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか従
来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等
が添加されていても良い。
【0011】本発明において鞘部を形成する繊維形成性
ポリエステル樹脂は特に限定はされないが、例えばテレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、あるいは
それらのエステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチ
レングリコールもしくはテトラメチレングリコールを主
たるグリコール成分とするPET、ポリブチレンテレフ
タレート、あるいはポリエチレン2,6−ナフタレート
などの線状ポリエステルが好ましく、特にPETが好ま
しい。該線状ポリエステルのジカルボン酸成分の一部
を、例えばアジピン酸、イソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等のジカルボン酸またはそのエステ
ル、p−オキシ安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息
香酸等のオキシカルボン酸またはそのエステルで置き換
えても良く、また脂肪族グリコールの一部を、例えば
1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ビスフ
ェノールAのビスグリコールエーテル、ポリアルキレン
グリコール等のグリコールで置き換えてもよい。更にペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
リット酸、トリメシン酸等の鎖分岐剤を少割合使用した
ものであっても良い。また、鞘部を形成する繊維形成性
ポリエステル樹脂中に本発明におけるPEEAを少量混
合してもよいが、10重量%以下が好ましい。
【0012】本発明において芯鞘型中空複合繊維の芯部
に中空部を設けるには以下のように熱水で処理すること
が必要である。例えば、通常の芯鞘複合紡糸機を用いて
中空化していない状態(中実)で、紡糸・延伸して一旦
巻取り、該繊維を織編物とする。該織編物を熱水で処理
して芯成分を吸水膨潤せしめた後、乾燥工程によって水
分を除去して中空化する方法である。この際、熱水処理
温度は95〜150℃が必要であり、より好ましくは1
05〜140℃、特に好ましくは110〜135℃であ
る。熱水処理温度が95℃より低い温度では十分な中空
繊維とすることができず、一方150℃より高いと芯成
分の吸水量が増大するため鞘割れが起き繊維構造が破壊
されやすくなる。これらの熱水処理は単独工程で行って
もよく、また精練工程や染色工程を兼ねて行ってもよ
い。また、乾燥は自然乾燥、熱風乾燥など適宜選択する
ことができる。ここで中空率とは、繊維の外形から求め
られる繊維断面積に対する中空部分の面積比率(中空
率)であり、2〜12%とする必要がある。好ましくは
3〜11%、さらに好ましくは4〜10%である。中空
率が2%より少ないと吸湿性の向上効果が小さく、12
%より多いと織物の引き裂き強力低下となるため好まし
くない。本発明における芯鞘型中空複合繊維に芯部に接
した中空部を設けることにより、吸湿性が一層向上す
る。また芯部に接した中空部を設けることにより、芯部
に吸湿された水分の繊維軸方向への移動が促進されるた
めか、着用時の快適性が更に向上するという効果もあ
る。
【0013】本発明における芯鞘型中空複合繊維は、鞘
部に繊維形成性ポリエステル樹脂を配し、芯部に吸湿性
のPEEAとポリエステルの混合物を配したものであ
る。鞘部に配した繊維形成性ポリエステル樹脂は疎水性
であるため、吸湿性が極めて小さい。従って高湿度の環
境下においても繊維表面は常にサラッとし、ベトツキに
よる不快感の少ないものとなり、着用快適性が良好であ
る。また、芯成分として吸湿率が比較的大きなPEEA
を用い、合わせてポリエステルを混合しているため、鞘
部のポリエステルとの接着性が高まり、芯鞘界面が剥離
しにくいという効果を持つ。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。 A.ポリエステルの極限粘度 [η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0015】B.繊維の吸湿率差 ΔM 吸湿率は繊維を筒編み地として、絶乾時の重量と20℃
×65%RHあるいは30℃×90%RHの雰囲気下、
恒温恒湿器(タバイ製PR−2G)中に24時間放置後
の重量との重量変化から、次式で求めた。 吸湿率(%)=(吸湿後の重量 − 絶乾時の重量)×
100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれM1およびM2とす
る)から、吸湿率差ΔM(%)=M2−M1を求める。
ここで吸湿率差ΔMは衣服着用時の衣服内の湿気を外気
に放出することにより快適性を得るためのドライビング
フォースであり、軽〜中作業あるいは軽〜中運動を行っ
た際の30℃×90%RHに代表される衣服内温度と2
0℃×65%RHに代表される外気温湿度との吸湿率差
である。本発明では吸湿性評価の尺度としてこのΔMを
パラメーターとして用いるが、ΔMは大きければ大きい
ほど吸湿性が高く着用時の快適性が良好であることに対
応する。実用上として着用快適性を得るためには少なく
とも1.2%は必要である。
【0016】C.中空率 繊維を5μmの切片とし、写真で観察して内層部の横断
面積と中空部の横断面積を測定して、内層部の横断面積
と中空部の横断面積の和に対する中空部の横断面積の百
分率で表した。 中空率(%)=中空部横断面積/(内層部+中空部横断
面積)×100
【0017】参考例1(ポリエーテルエステルアミドブ
ロック共重合体の合成) ε−カプロラクタム340部、テレフタル酸18部、数
平均分子量が1000のポリエチレングリコール100
部、さらに“イルガノックス1330”(チバガイギー
社製)0.1部およびトリメチルフォスフェート0.0
1部とともに重合反応容器に仕込み、窒素気流下に24
0℃で1時間加熱撹拌した後、三酸化アンチモン0.1
部を添加し、昇温減圧プログラム下250℃、0.5m
mHg以下の条件で4時間重合反応を行うことにより、
ナイロン6成分の割合が45重量%であるポリエーテル
エステルアミドブロック共重合体を得た。この共重合体
のオルトクロロフェノール溶液(濃度:0.5g/10
0ml)の25℃での相対粘度ηrは2.05であっ
た。またポリマ単独のM1は6.2%、M2は15.2
%でΔMは9.0%であった。
【0018】参考例2(PETの合成) ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを、酢酸
マンガンをエステル交換触媒として、三酸化アンチモン
を重合触媒として、リン酸トリメチルを着色防止剤とし
て用いて、常法によりエステル交換反応、続いて重合反
応を行うことにより、PETを得た。このポリマの
[η]は0.62であった。また、このポリマ単独の吸
湿率は、M1が0.4%、M2が0.5%でΔMは0.
1%であった。
【0019】実施例1および比較実施例1 参考例1で合成したポリエーテルエステルアミドブロッ
ク共重合体80重量部と参考例2で合成したPET20
重量部をチップ状態でブレンドしたものを芯成分とし、
同じく参考例2で合成したPETを鞘成分とし、同心円
芯鞘複合用口金から芯/鞘比率(重量比)=20/80
になるように吐出して未延伸糸を得て、次いで延伸、熱
処理することにより、75デニール24フィラメントの
同心円芯鞘複合繊維を得た。この繊維を比較実施例1と
する。90℃で熱水したところ、吸湿率差ΔMは1.8
%であった。さらに筒編地2gを耐圧性ポット中に水2
00mlを入れ、130℃に昇温し40分間そのまま保
持したのち冷却し、筒編み地を取り出し風乾した。この
繊維を実施例1とする。筒編み地を構成する複合糸の断
面を薄片状にサンプリングし、走査型電子顕微鏡により
観察したところ、中空率4%の図1に示すような形状の
芯鞘型中空複合繊維となった。この筒編み地のΔMを測
定したところ、2.6%と上昇してした。
【0020】実施例2〜9および比較実施例2〜6 実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエステルア
ミドブロック共重合体とPETの重量比または芯鞘複合
比について表1に示すように変更した各種の図1に示す
ような形状の同心円芯鞘型複合繊維を得た。さらにこれ
らの筒編み地を実施例1と同様に熱水処理した。実施例
2〜9の芯鞘型中空複合繊維は吸湿特性が全て良好であ
る。比較実施例2のように芯部がPEEAのみでは熱水
処理で中空とならない。比較実施例3のように芯部がP
EEAとPETの重量比が50:50では紡糸時巻取が
不可能であり、比較実施例4のように芯比率が少ないと
十分な吸湿率が得られず、比較実施例5のように芯比率
が高いと非常に吸湿性が高いものの、繊維強度が低く実
用上用いることができない。また、比較実施例6のよう
に中空率が高すぎると繊維構造が破壊されるため好まし
くない。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られた芯鞘
型中空複合繊維は着用快適性に十分な吸湿性を有し、ま
た鞘部にポリエステルを配しているため、ドライタッチ
な風合いと高い染色堅牢性と耐光性を有しているので広
い衣料用途に展開できる。本発明の芯鞘型複合繊維は、
下着、シャツ・ブラウス類、中衣、スポーツウェア、ス
ラックス類、外衣、裏地、さらには、シーツ、フトンカ
バー等の寝装用などにも適した極めて実用性の高いもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって得られた芯鞘型中空複合繊維の
断面形状の図である。
【図2】本発明によって得られた他の芯鞘型中空複合繊
維の断面形状の例を示した図である。
【符号の説明】
1.繊維形成性ポリエステル樹脂 2.ポリエーテルエステルアミドとポリエステルの混合
物からなる熱可塑性樹脂 3.中空部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエーテルエステルアミドとポリエス
    テルとの重量比が60:40〜98:2の混合物からな
    る熱可塑性樹脂を芯部とし、繊維形成性ポリエステル樹
    脂を鞘部とする芯鞘型複合繊維であって、該芯部の比率
    が複合繊維全重量の10〜50重量%である該芯鞘型複
    合繊維を、95〜150℃の熱水で処理し、2〜12%
    の中空部を芯部に形成させることを特徴とする吸湿性に
    優れた芯鞘型中空複合繊維の製造方法。
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