JPH05209316A - 吸湿性に優れた芯鞘型複合繊維 - Google Patents

吸湿性に優れた芯鞘型複合繊維

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JPH05209316A
JPH05209316A JP4014477A JP1447792A JPH05209316A JP H05209316 A JPH05209316 A JP H05209316A JP 4014477 A JP4014477 A JP 4014477A JP 1447792 A JP1447792 A JP 1447792A JP H05209316 A JPH05209316 A JP H05209316A
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JP
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fiber
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glycol
acid
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JP4014477A
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Michinori Higuchi
徹憲 樋口
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
Haruo Sato
春夫 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】熱可塑性樹脂を芯部としポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールを共重合した繊維形成性ポリエステル
樹脂を鞘部とする芯鞘型複合繊維であって、該芯部を形
成する熱可塑性樹脂がポリエーテルエステルアミドであ
り、かつ芯部の比率が複合繊維全重量の5〜50重量%
である吸湿性に優れた芯鞘型複合繊維。 【効果】染色性が良好で高い吸湿性を付与することがで
きるため、織編物等として下着、スポ―ツウェア等の快
適素材として用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた吸湿性を有するポ
リエステル繊維に関するものであり、更に詳しくはイン
ナー、中衣、スポーツ衣料などの衣料用素材に特に好適
に使用することができる、染色性が良好で吸湿性に優れ
た芯鞘型のポリエステル系複合繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートあるいはポ
リブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊
維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性などに優れるため、
衣料用途や産業用途などを主体に広く使用されている。
しかしながら、これらのポリエステル繊維は極めて吸湿
性が低いため、インナー、中衣、スポーツ衣料などのよ
うに直接的に肌に触れてあるいは肌側に近い状態で着用
される分野に使用する場合には、肌からの発汗によるム
レ、ベタツキなどを生じ、天然繊維に比較して快適性の
点で劣るため、これらの分野への進出は限定されている
のが実状である。このため、たとえば特公昭60−47
5号公報、実公昭60−40612号公報、あるいは特
開昭60−215835号公報に記載されているよう
に、平衡水分率(吸湿率)の高い繊維との各種の混繊、
混撚、引揃えなどにより布帛として快適性を得んとする
試みが提案されている。これらの方法を用いることによ
り確かに快適性は向上するもののその効果は十分とはい
えず、逆に染色時にポリエステルを染色する分散染料に
よる汚染を生じたり、同色性に劣ったり、ポリエステル
本来の物理的特性が失われるという問題点があった。
【0003】また、ポリエステル繊維にアクリル酸やメ
タアクリル酸をグラフト重合すること、更にグラフト重
合後にそれらのカルボキシル基をアルカリ金属で置換す
ることにより吸湿性を付与する方法が知られているが、
ポリエステルがグラフト重合しにくい素材であること、
および染色堅牢性や耐光性や繊維物理特性や風合いなど
の低下を潜在的に有していることから、実用化にいたっ
ていない。
【0004】このように後加工段階で吸湿性を付与する
方法では染色時あるいは得られた布帛特性の点で種々の
問題があることから、ポリエステル繊維の製造段階で吸
湿性を付与しかつ前記問題点を解消するため、吸湿率が
10%以上の吸湿性樹脂を芯部とし、それを鞘部である
ポリエステルで覆った芯鞘型複合繊維が特開平2−99
612号公報で提案されている。しかしながらこの方法
では、染色などの熱水処理時に芯部の吸湿率が高いが故
に吸湿・吸水に起因した芯部と鞘部との水膨潤差により
鞘部に歪みがかかり繊維表面にひびや割れが生じ、商品
価値が低下するばかりでなく工程トラブルを生じる等の
欠点がある。また、芯および鞘の熱可塑性樹脂間の相溶
性が乏しいため、界面での剥離が生じ商品価値を損なう
という問題があった。
【0005】また、本発明者はポリエーテルエステルア
ミドを芯成分とする吸湿性芯鞘型複合繊維を提案してい
るが、さらに染色性や高次加工性の向上が要望されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、工程トラブルがなく高次加
工性、特に染色性が良好であり、商品価値の高い吸湿性
ポリエステル繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、熱可塑性樹脂を芯部としポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールを共重合してなる繊維形成性ポリエステ
ル樹脂を鞘部とする芯鞘型複合繊維であって、該芯部を
形成する熱可塑性樹脂の主成分がポリエーテルエステル
アミドであり、かつ芯部の比率が複合繊維全重量の5〜
50重量%であることを特徴とする吸湿性に優れた芯鞘
型複合繊維によって達成できる。
【0008】本発明におけるポリエーテルエステルアミ
ドとは同一分子鎖内にエーテル結合、エステル結合およ
びアミド結合を持つブロック共重合体である。より具体
的にはラクタム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカル
ボン酸の塩から選ばれた1種もしくは2種以上のポリア
ミド形成性成分(A)およびジカルボン酸とポリ(アル
キレンオキシド)グリコールからなるポリエーテルエス
テル形成性成分(B)を重縮合反応させて得られるブロ
ック共重合体ポリマである。本発明のポリエーテルエス
テルアミドのポリアミド形成性成分(A)としては、カ
プロラクタム、エナントラクタム、ドデカノラクタム、
ウンデカノラクタム等のラクタム類、アミノカプロン
酸,11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸などのω−アミノカルボン酸、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン612等の前駆体であるジアミン−
ジカルボン酸のナイロン塩類があり、これらを1種また
は2種以上混合して用いることができる。好ましいポリ
アミド形成性成分はε−カプロラクタム、ナイロン66
塩である。
【0009】一方ポリエーテルエステルアミドのソフト
セグメントを構成するポリエーテルエステル成分(B)
としては、炭素数4〜20のジカルボン酸とポリ(アル
キレンオキシド)グリコールとからなる。炭素数4〜2
0のジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸をあげることができ、1種または2種
以上混合して用いることができる。好ましいジカルボン
酸はアジピン酸、セバシン酸、ドデカジ酸、テレフタル
酸、イソフタル酸である。またポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポ
リ(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、
ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドまたはテトラヒドロフラ
ンとのランダムまたはブロック共重合等があげられ、特
にポリエチレングリコールが好ましい。ポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコールの数平均分子量は300 〜10000
、好ましくは500 〜4000の範囲で用いうる。
【0010】本発明のポリエーテルエステルアミドブロ
ック共重合体は上記したポリアミド形成性成分(A)と
ポリエーテルエステル形成性成分(B)を重縮合するこ
とによって得られる。工業的に好ましい方法としては
(A)および(B)を減圧下、加熱重縮合する方法があ
げられるが、その際、高重合度で着色の少ないポリマを
得るためには例えば酸化アンチモン、チタン酸エステル
等を重縮合触媒として、またリン酸、リン酸エステル等
を着色防止剤として添加することが好ましい。ポリエー
テルエステルアミド中の(A)と(B)の重量比は99:1
〜5:95、好ましくは80:20 〜10:90 の範囲で有効に利用
することができる。
【0011】該ポリエ―テルエステルアミドは、本発明
の主要な吸湿成分であり、芯鞘複合繊維の芯部に配置さ
れる。ポリエーテルエステルアミドを主成分とする芯部
の比率は5〜50重量%とする必要がある。好ましくは
10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%
である。該範囲より少ないと十分な吸湿性が得られない
ため好ましくなく、該範囲より多いと染色のような熱水
雰囲気下で膨潤による繊維表面の割れが発生しやすい等
高次加工性が低下するため好ましくない。
【0012】本発明において鞘部を形成するポリ(アル
キレンオキシド)グリコールを共重合した繊維形成性ポ
リエステルとは、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジ
カルボン酸成分とし、エチレングリコールもしくはテト
ラメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、あるいはポリエチレン2,6−ナフタレートなどの
線状ポリエステルにポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ールを共重合したポリエステルである。
【0013】ここで共重合するポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポ
リ(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、
ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドまたはテトラヒドロフラ
ンとのランダムまたはブロック共重合等があげられ、特
にポリエチレングリコールが好ましい。またポリ(アル
キレンオキシド)グリコールの数平均分子量は300 〜10
000 、好ましくは500 〜4000の範囲である。ポリ(アル
キレンオキシド)グリコールの共重合率はポリエステル
全重量に対して3.0 〜15.0% が好ましく、4.0 〜10.0
% が特に好ましい。
【0014】該線状のポリ(アルキレンオキシド)グリ
コールを共重合したポリエステルのジカルボン酸成分の
一部を、例えばアジピン酸、イソフタル酸等のジカルボ
ン酸またはそのエステル、p−オキシ安息香酸、p−β
−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸または
そのエステルで置き換えても良く、また脂肪族グリコー
ルの一部を、例えば1,4−ビス(β−オキシエトキ
シ)ベンゼン、ビスフェノールAのビスグリコールエー
テル、ポリアルキレングリコール等のグリコールで置き
換えてもよい。更にペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸等の鎖分
岐剤を少割合使用したものであっても良い。また、鞘部
中に本発明のポリエーテルエステルアミドを少量混合し
てもよいが、10重量%以下に抑制するのが好ましい。
【0015】このほか本発明の芯部を形成する熱可塑性
樹脂には、ポリアクリル酸ソーダ、ポリNビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタア
クリル酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールお
よびその共重合体、ポリアクリルアミドおよびその共重
合体、架橋ポリエチレンオキサイド系ポリマなどの吸湿
・吸水物質やポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン等の熱可塑性樹脂が本発明の目的を阻害しない程度含
有されていてもよい。また芯部を形成する熱可塑性樹脂
および鞘部を形成する繊維形成性ポリエステル樹脂に
は、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか従来
公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が
添加されていても良い。
【0016】本発明における芯鞘型複合繊維は、鞘部に
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを共重合した繊
維形成性ポリエステル樹脂を配し、芯部に吸湿性のポリ
エーテルエステルアミドを主成分とする熱可塑性樹脂を
配したものであり、芯部と鞘部それぞれにポリエーテル
成分が含まれるため芯鞘界面の接着性が極めて良好で剥
離が起きにくい。また、鞘部に配したポリエステル樹脂
は疎水性であるため、吸湿性が極めて小さいが、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールを共重合しているた
め、水蒸気透過性が高まる。従って高湿度の環境下にお
いても繊維表面は常にサラッとし、ベトツキによる不快
感の少ないものとなり、着用快適性が良好である。ま
た、鞘部のポリエステルはポリ(アルキレンオキシド)
グリコールを共重合しているため、染色温度のような熱
水処理温度を低下させることができる。熱水処理温度が
低下すると、芯成分の吸水性の比較的大きなポリエーテ
ルエステルアミドの膨潤が比較的小さくなるため、ポリ
エーテルエステルアミドを多量に複合しても繊維表面の
割れ等の問題が生じにくい。
【0017】本発明の芯鞘型複合繊維の芯鞘形状は、繊
維表面にひびや割れが生じなければ、同心円状でも偏心
円状でも多島状でも良く、繊維断面形状は丸ばかりでな
く、多角、H型、Π型などの異形断面でも良い。さら
に、芯鞘型複合繊維の内部には中空部分を設けることも
可能である。また、該芯鞘型複合繊維の糸状形態は、フ
ィラメント、ステープルのどちらでも良く、常法によっ
て得ることができる。布帛形態としては、織物、編物、
不織布など目的に応じて適宜選択できる。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。 A.ポリエステルの極限粘度 [η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。 B.繊維の吸湿率差 △M 吸湿率は繊維を筒編み地として、絶乾時の重量と20℃
×65%RHあるいは30℃×90%RHの雰囲気下、
恒温恒湿器(タバイ製PR −2G)中に24時間放置
後の重量との重量変化から、次式で求めた。 吸湿率(%)=(吸湿後の重量 − 絶乾時の重量)×
100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれM1およびM2とす
る)から、吸湿率差△M(%)=M2−M1を求める。
ここで吸湿率差△Mは衣服着用時の衣服内の湿気を外気
に放出することにより快適性を得るためのドライビング
フォ―スであり、軽〜中作業あるいは軽〜中運動を行っ
た際の30℃×90%RHに代表される衣服内温度と2
0℃×65%RHに代表される外気温湿度との吸湿率差
である。本発明では吸湿性評価の尺度としてこの△Mを
パラメーターとして用いるが、△Mは大きければ大きい
ほど吸湿性が高く着用時の快適性が良好であることに対
応する。実用上として着用快適性を得るためには少なく
とも1.2%は必要である。
【0019】C.染色性および染色時の割れの評価 耐圧性ポット中に筒編み地2gと染色液200ml(染
料 Resoline Red FB、1% owf)を入れ、98〜130
℃に昇温し70分間そのまま保持したのち冷却し、筒編
み地を取り出し水洗した後風乾した。染色性は目視によ
り、また筒編み地を構成する複合糸の断面を薄片状にサ
ンプリングし、顕微鏡により単糸一本一本について割れ
の有無を観察した。24フィラメント中に割れのある単
糸が1本もない場合を○、割れのある単糸が1〜3本の
場合は△、割れのある単糸が4本以上である場合×とし
た。
【0020】参考例1(ポリエーテルエステルアミドブ
ロック共重合体の合成) ε−カプロラクタム340部、テレフタル酸18部、数
平均分子量が1000のポリエチレングリコール100
部、さらに「イルガノックス1330」(チバガイギー
社製)0.1部およびトリメチルフォスフェート0.0
1部とともに重合反応容器に仕込み、窒素気流下に24
0℃で1時間加熱撹拌した後、三酸化アンチモン0.1
部を添加し、昇温減圧プログラム下250℃、0.5m
mHg以下の条件で4時間重合反応を行うことにより、
N6成分の割合が45重量%であるポリエーテルエステ
ルアミドブロック共重合体を得た。この共重合体のオル
トクロロフェノール溶液(濃度:0.5g/100m
l)の25℃での相対粘度ηrは2.05であった。ま
たポリマ単独のM1は6.2%、M2は15.2%で△
M=9.0%であった。
【0021】参考例2(ポリエチレングリコール共重合
ポリエチレンテレフタレートの合成) ジメチルテレフタレート、エチレングリコールおよびポ
リエチレングリコール(分子量1000)をエステル交換触
媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチ
モンを、着色防止剤としてリン酸トリメチルを用いて、
常法によりエステル交換反応つづいて重合反応を行うこ
とにより、ポリエチレングリコールを7重量%含むポリ
エチレンテレフタレートを得た。このポリマの[η]は
0.62であった。また、このポリマ単独の吸湿率は、
M1が0.4%、M2が0.5%で△M=0.1%であ
った。
【0022】実施例1 参考例1で合成したポリエーテルエステルアミドブロッ
ク共重合体を芯成分とし、参考例2で合成したポリエチ
レングリコールを共重合したポリエチレンテレフタレー
トを鞘成分とし、同心円芯鞘複合用口金から芯/鞘比率
(重量比)=8/92になるように吐出して未延伸糸を
得、次いで延伸、熱処理することにより、75デニール
24フィラメントの同心円芯鞘複合繊維を得た。精練後
の筒編地の吸湿率差△Mは1.6%であり、良好な吸湿
特性を有していた。またこの筒編地は98℃で染色した
ところ、単糸の断面を観察したが24フィラメントのい
ずれも割れは発生していなかった。
【0023】実施例2〜4および比較実施例1〜2 実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエステルア
ミドブロック共重合体とポリエチレングリコールを共重
合したポリエチレンテレフタレートとの芯鞘複合比につ
いて変更した各種の同心円芯鞘複合繊維を得た。この繊
維の各特性を実施例1と同様の方法で評価した結果を第
1表に示す。実施例2〜4は吸湿特性が全て良好であ
り、かつ熱水処理による割れは全く認められなかった。
一方、比較例1では芯成分のポリエーテルエステルアミ
ドの比率が少なかったため吸湿性が低く、比較例2につ
いては芯成分のポリエーテルエステルアミド量が多いた
め、吸湿性は高いものの熱水処理時に繊維表面に多数の
ヒビわれが発生し、実用に耐えなかった。
【0024】実施例5〜8および比較実施例3〜4 実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエステルア
ミドブロック共重合体とポリエチレングリコールを共重
合したポリエチレンテレフタレートとの芯鞘複合比を3
0/70(重量比)としてポリエチレングリコール共重
合量を変更した各種の同心円芯鞘複合繊維を得た(実施
例5〜8)。結果は表2の通りで、実施例5〜8は吸湿
特性が全て良好であった。ただしポリエチレングリコー
ル共重合率が低くなるほど、良好な染色製品を得るため
には染色温度をやや高めに変更することが必要である
が、いずれも染色後の割れは全く認められなかった。一
方、比較例3および4では鞘成分としてポリエチレング
リコールを全く共重合していないホモポリエステルを用
いたところ、染色温度が低いと染色性が低いため十分な
発色性が得られず、染色温度を高めると染色性は高まる
ものの、染色後の繊維表面には多数のヒビわれが発生
し、実用に耐えなかった。
【0025】実施例9 芯成分としてポリエーテルエステルアミド80重量%と
ホモポリエチレンテレフタレート20重量%の混合物を
用い、芯比率を30重量%とした以外は実施例1と同様
な方法で芯鞘複合糸を得た。実施例1と同様に染色した
ところ、染色後の割れは全く認められず、ΔMRは2.
0%であり吸湿性は良好であった。
【0026】
【表1】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によって得られた芯鞘型複合繊維
は着用快適性を得るのに十分な吸湿性を有しており、し
かも鞘部にポリエステルはポリ(アルキレンオキシド)
グリコールを共重合しているポリエステルを配している
ため、ドライタッチな風合いと高い染色性を有してい
る。また、染色を温和な条件で行えるため、繊維表面に
割れが発生せず、高い吸湿性を付与できるため広い用途
に展開できる。
【0028】本発明の芯鞘型複合繊維は、下着、シャツ
・ブラウス類、中衣、スポーツウェア、スラックス類、
外衣、裏地、さらには、シーツ、フトンカバー等の寝装
用などにも適した極めて実用性の高いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を芯部としポリ(アルキレ
    ンオキシド)グリコールを共重合してなる繊維形成性ポ
    リエステル樹脂を鞘部とする芯鞘型複合繊維であって、
    該芯部を形成する熱可塑性樹脂の主成分がポリエーテル
    エステルアミドであり、かつ芯部の比率が複合繊維全重
    量の5〜50重量%であることを特徴とする吸湿性に優
    れた芯鞘型複合繊維。
JP4014477A 1992-01-30 1992-01-30 吸湿性に優れた芯鞘型複合繊維 Pending JPH05209316A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011122272A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 東レ株式会社 吸湿性繊維およびその製造方法
WO2022194116A1 (zh) * 2021-03-16 2022-09-22 东丽纤维研究所(中国)有限公司 复合纤维及其制备方法

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