JPH0941204A - 吸湿性に優れたストッキング - Google Patents

吸湿性に優れたストッキング

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JPH0941204A
JPH0941204A JP7194659A JP19465995A JPH0941204A JP H0941204 A JPH0941204 A JP H0941204A JP 7194659 A JP7194659 A JP 7194659A JP 19465995 A JP19465995 A JP 19465995A JP H0941204 A JPH0941204 A JP H0941204A
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fiber
core
hygroscopicity
acid
stockings
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JP7194659A
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Inventor
Katsuhiko Mochizuki
克彦 望月
Michinori Higuchi
徹憲 樋口
Futoshi Sasamoto
笹本  太
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 吸放湿係数ΔMRが2.5%以上であり、実
質的に吸湿成分が繊維表面に露出していない合成繊維を
少なくとも一部に用いて構成された、吸湿性に優れたス
トッキング。 【効果】 高い吸湿性を有するストッキングであるた
め、着用時の快適性が極めて優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はストッキングに関す
るものであり、更に詳しくは吸放湿性に優れた合成繊維
を少なくとも一部に使用した吸湿性に優れたストッキン
グに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66で代表される
ポリアミド系繊維は、その強靭性、耐摩耗性、深色性、
透明性の点で優れた特性を有するため、ストッキング用
途の主要素材として使われているのは周知の事実であ
る。しかしながら、これらポリアミド系繊維は天然繊維
と比較して吸湿性が低いため、直接的に肌に触れて着用
するストッキングに使用した場合、肌からの発汗による
ムレ、ベタツキなどを生じ、快適性の点で劣るという欠
点がある。
【0003】従来、ポリアミド系繊維に吸湿特性を付与
する方法としてはアクリル酸やメタクリル酸などをグラ
フト重合し、繊維内部にアルカリ金属で置換されたカル
ボキシル基を導入する方法や、アクリルアミドなどのよ
うなアミド系化合物を多量にグラフト重合する方法など
が知られている。このアルカリ金属で置換されたカルボ
キシル基の導入量を多くすれば吸湿特性は増大し、木綿
以上の吸湿特性が得られることが知られている。しかし
ながら、該手法のような後加工法によって吸湿性を付与
した布帛は、多量の吸湿成分が繊維表面に存在するため
に染色斑を生じやすく、さらにアルカリ金属で置換され
たカルボキシル基の導入量が多くなると、水に濡れた場
合にぬるぬる感が強くなるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、工程トラブルがなく高次加
工性が良好である高吸湿性合成繊維を用いて構成され
た、吸湿性および快適性に優れたストッキングを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、吸放湿係数ΔMRが2.5%以上であり、吸湿成分
が繊維表面に実質的に露出していない合成繊維を少なく
とも構成の一部に用いることを特徴とする吸湿性に優れ
たストッキングによって達成できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の合成繊維に好ましく用い
られる吸湿成分は、ポリエーテルエステル、ポリエーテ
ルアミド、ポリエーテルイミドアミド、ポリエーテルエ
ステルアミドであるが、特に好ましくはポリエーテルエ
ステルアミドである。。
【0007】該ポリエーテルエステルアミドとは、同一
分子鎖内にエーテル結合、エステル結合およびアミド結
合を持つブロック共重合体をいう。より具体的には、ラ
クタム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸の
塩から選ばれた1種もしくは2種以上のポリアミド形成
性成分(A)およびジカルボン酸とポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールからなるポリエーテルエステル形成
性成分(B)を重縮合反応させて得られるブロック共重
合体ポリマである。ポリアミド形成性成分(A)として
は、カプロラクタム、エナントラクタム、ドデカノラク
タム、ウンデカノラクタム等のラクタム類、アミノカプ
ロン酸,11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸などのω−アミノカルボン酸、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン612等の前駆体であるジアミ
ン−ジカルボン酸のナイロン塩類があり、これらを1種
または2種以上混合して用いることができる。好ましい
ポリアミド形成性成分はε−カプロラクタム、ナイロン
66塩である。
【0008】一方、ポリエーテルエステルアミドのソフ
トセグメントを構成するポリエーテルエステル成分
(B)としては、ジカルボン酸とポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールとからなる。ジカルボン酸としては、
炭素数4〜20のジカルボン酸で、例えばコハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバ
シン酸、ドデカジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂環式ジカルボン酸をあげることができ、
1種または2種以上混合して用いることができる。好ま
しいジカルボン酸はアジピン酸、セバシン酸、ドデカジ
酸、テレフタル酸、イソフタル酸である。またポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリエチレン
グリコール、ポリ(1,2−および1,3−プロピレン
オキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリ
コール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドまたは
テトラヒドロフランとのランダムまたはブロック共重合
等があげられ、特にポリエチレングリコールが好まし
い。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分
子量は300 〜10000 、好ましくは500 〜4000の範囲で用
い得る。
【0009】本発明の吸湿成分に好ましく用いられるポ
リエーテルエステルアミドブロック共重合体は、上記し
たポリアミド形成性成分(A)とポリエーテルエステル
形成性成分(B)を重縮合することによって得られる。
工業的に好ましい方法としては(A)および(B)を減
圧下、加熱重縮合する方法があげられるが、その際、高
重合度で着色の少ないポリマを得るためには例えば酸化
アンチモン、チタン酸エステル等を重縮合触媒として、
またリン酸、リン酸エステル等を着色防止剤として添加
することが好ましい。ポリエーテルエステルアミド中の
(A)と(B)の重量比は99:1〜5:95、好ましくは80:2
0 〜10:90 の範囲で有効に利用することができる。
【0010】本発明の合成繊維は、吸湿成分を繊維表面
に実質的に露出させないことが重要である。実質的に露
出していないとは、繊維表面に露出する吸湿成分の面積
比率(露出率)が50%以下であることを言う。吸湿成
分が繊維表面に露出していると、高次工程通過性が悪く
なったり、染色斑が生じて品位が低下したりする等の問
題がある。さらに高吸湿下または水に濡れた場合に、ぬ
るぬるとした触感を呈するため好ましくない。そのため
吸湿成分を、吸湿性の低い繊維形成性熱可塑性樹脂で完
全に被覆して芯鞘構造とした、芯鞘型複合繊維(露出率
0%)とすることが好ましい。
【0011】また、本発明の合成繊維の主成分として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステルがいずれも使用可能であるが、ストッキ
ングで強く要求されている強靭性や耐摩耗性、透明性の
点でポリアミドが好ましい。該ポリアミドとしては、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン9、
ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン612等、あるいはそれらとアミド形成官能基を有す
る化合物、例えばラウロラクタム、セバシン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸等の共重合成分を含有する共重合ポリアミドが挙げ
られる。このうち特に好ましいのはナイロン6およびナ
イロン66である。
【0012】該ポリアミド中には本発明の吸湿成分を少
量混合してもよいが、10重量%以下に抑制するのが好
ましい。
【0013】本発明の合成繊維として、例えばポリエー
テルエステルアミドを芯成分とした芯鞘型複合繊維を用
いた場合、芯部の比率は5〜50重量%とすることが好
ましい。より好ましくは10〜40重量%、さらに好ま
しくは15〜30重量%である。5重量%より少ないと
十分な吸湿性が得られないため好ましくなく、50重量
%より多いと染色のような熱水雰囲気下で膨潤による繊
維表面に割れが発生しやすい等により高次加工性が低下
するため好ましくない。
【0014】このほか芯部には、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリNビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびそ
の共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、
ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリアクリ
ルアミドおよびその共重合体、架橋ポリエチレンオキサ
イド系ポリマなどの吸湿・吸水物質やポリアミド、ポリ
エステル、ポリオレフィン等の汎用熱可塑性樹脂が、本
発明の目的を阻害しない程度含有されていてもよい。
【0015】また、芯部を形成する熱可塑性樹脂および
鞘部を形成する繊維形成性熱可塑性樹脂には、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料のほか従来公知の抗酸化
剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が添加されてい
ても勿論良い。
【0016】本発明で好ましく用いられる芯鞘型複合繊
維は、鞘部に繊維形成性ポリアミド樹脂を配し、芯部に
吸湿成分を配したものである。鞘部に配したポリアミド
樹脂は比較的疎水性であるため、吸湿性が小さい。従っ
て高湿度の環境下においても繊維表面は常にサラッと
し、ベトツキによる不快感の少ないものとなり、着用快
適性が良好である。
【0017】該芯鞘型複合繊維は、以下のような方法に
よって得ることができる。例えばポリアミド(鞘部)と
ポリエーテルエステルアミド(芯部)をそれぞれ別々に
溶融し、紡糸パックに導き、口金装置内で芯鞘複合流を
形成させ、吐出孔から紡出する。
【0018】紡出したフィラメント糸は所定の速度で引
取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸
を通常の延伸機にて延伸する。また、紡出糸を引取った
後、そのまま連続して延伸し、巻上げてもよいし(直接
紡糸延伸法)、4000m/分以上の高速で引取り一挙に所
望の繊維性能を得る方法をとってもよい。
【0019】直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸
を1000〜5000m/分で引取り、引続いて3000〜7000m/
分で延伸・熱固定する方法が挙げられる。
【0020】本発明の合成繊維の単繊維繊度は0.5〜
10dである。単繊維繊度が0.5d未満になるとスト
ッキングとして望ましい繊維物性を有する合成繊維が得
にくく、一方10dを越えると風合いが低下して好まし
くない。ストッキングに適した繊維物性、風合い及び製
造の容易さを考慮すると、単繊維繊度は0.7〜7dが
より好ましく、1〜5dがさらに好ましい。また、マル
チフィラメントとしての繊度は、ストッキングを構成す
るパンティ部、レッグ部、トウ部の各々において使い分
けるのが好ましく、パンティ部に使用する場合は20〜
100Dの中〜太繊度、レッグ部及びトウ部に使用する
場合は4〜20dの中〜細繊度が好ましい。
【0021】また本発明の合成繊維の断面形状は、丸断
面、三角断面、マルチローバル断面、偏平断面等が挙げ
られる。その中でも絹様の風合いや光沢、吸水性が高い
等の点で3〜8個の凹部と同数の凸部とを有する異形度
1.3以上のマルチローバル断面が好ましく、異形度
1.8以上がより好ましい。ここで、異形度とは図1で
示されるように異形断面の外接円R1と、内接円R2の
半径比R1/R2を言う。さらに繊維内部に中空部分を
設けても良い。また、芯鞘型複合繊維とした場合は、芯
の吸湿成分が繊維表面に露出していないことが好まし
く、例として同心円状や偏心円状、多島状が挙げられ
る。
【0022】本発明のストッキングとはパンティストッ
キングに限られるものではなく、膝下までのショートス
トッキング、大腿部付け根までのロングストッキング等
の様々なストッキングを含むものである。ストッキング
に編み上げる際の糸形態は、本発明の合成繊維で構成さ
れたマルチフィラメントを仮撚加工し、ウーリーとして
用いてもよいし、芯糸にポリウレタンを配し、鞘糸とし
て本発明の合成繊維で構成されたマルチフィラメントを
カバリングしたSCY(シングルカバードヤーン)また
はDCY(ダブルカバードヤーン)としても良い。図3
は本発明に好ましく用いられるカバリング糸5を示した
図であり、ポリウレタン弾性糸6を本発明の合成繊維で
構成されたマルチフィラメント7でダブルカバリングし
たDCYである。さらに、本発明の合成繊維とは異なっ
た繊維からなる糸との交編を行ってもよいが、本発明の
目的である着用快適性を達成するため、本発明の合成繊
維を50重量%以上用いて編成するのが好ましい。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。本実施例に於いては、ストッキングとして図2
に示すようにパンティ部2とレッグ部3、トウ部4とを
一体編成した2本の筒編地を股部で縫合したパンティス
トッキング1を製造するようにした。
【0024】ここで、上記パンティ部2を、ウーリーナ
イロンや、ポリウレタン弾性糸を芯糸とするカバリング
ヤーン等の一般に用いられているストッキング用ナイロ
ン糸を使用して、伸縮性のある編組織に編成するように
した。
【0025】また、レッグ部3を編み立てるにあたって
は、ポリウレタン弾性糸を芯糸とし、本発明の合成繊維
で構成されたマルチフィラメントを該芯糸にカバリング
した、DCYを用いた。
【0026】実施例中の各特性値は次の方法によって求
めた。 A.繊維の吸放湿係数ΔMR 吸湿率は、試料原糸で編み立てられた約1gの編地を絶
乾時の重量と20℃×65%RHあるいは30℃×90%RHの雰囲
気下、恒温恒湿器(タバイ製PR−2G)中に24時間放
置後の重量との重量変化から、次式で求めた。 吸湿率(%)=[(吸湿後の重量−絶乾時の重量)/絶
乾時の重量]×100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%RHの条件で
の吸湿率(それぞれMR1およびMR2とする)から、
吸放湿係数ΔMR(%)=MR2−MR1を求める。こ
こで吸放湿係数ΔMRは衣服着用時の衣服内の湿気を外
気に放出することにより快適性を得るためのドライビン
グフォースであり、軽〜中作業あるいは軽〜中運動を行
った際の30℃×90%RHに代表される衣服内温度と20℃×
65%RHに代表される外気温湿度との吸湿率差である。本
発明では吸湿性評価の尺度としてこのΔMRをパラメー
ターとして用いるが、ΔMRは大きければ大きいほど吸
湿性が高く、着用時の快適性が良好であることに対応す
る。
【0027】B.高次工程通過後の芯成分流出の有無 染色・還元洗浄を終えた後の試料を分解して1本の複合
糸(マルチフィラメント )を取り出し、繊維断面を薄片状にサン
プリングして顕微鏡により単繊維一本一本について繊維
のひび割れの有無を観察し、芯部から繊維の表面までひ
び割れが生じ、芯成分の流出がみられる単糸がマルチフ
ィラメント5本中1本もない場合を○、ひび割れが生
じ、芯成分の流出がみられる単糸が1〜2本の場合は
△、3本以上である場合を×とした。
【0028】C.洗濯堅牢度 JIS L0844の方法により測定した。ただし、色
落ちは汚染用グレースケールの各色票間に認められる色
の光と比較し、色落ちの程度を等級区分することによっ
て測定した。
【0029】D.色調 目視により、筒編み地の着色度合いを判定した。
【0030】E.染め斑判定 編み立てた筒編地を、市販の酸性染料で定法に従って約
95℃×60分間浸漬した後、約10分間水洗してから
風乾し、目視により染め斑の判定を行なった。 F.着用快適性 5人の被験者にストッキングを着用してもらい、20℃
×65%RHの温湿度条件にした人工気象室で1時間安
静後、高さ20cmのブロック上へ20分間の踏み台昇
降運動を行い、その後20分間安静状態を保った後、着
用感についてのアンケートを取った。ムレ、ベタツキが
なく快適であると回答した人数が4人以上の場合を○、
3人の場合を△、2人以下の場合を×とした。
【0031】参考例1(ポリエーテルエステルアミドブ
ロック共重合体の合成) ε−カプロラクタム340部、テレフタル酸18部、数
平均分子量が1000のポリエチレングリコール100部、
さらに「イルガノックス1330」(チバガイギー社
製)0.1部およびトリメチルフォスフェート0.01
部とともに重合反応容器に仕込み、窒素気流下に240
℃で1時間加熱撹拌した後、三酸化アンチモン0.1部
を添加し、昇温減圧プログラム下250℃、0.5mm
Hg以下の条件で4時間重合反応を行うことにより、ポ
リアミド形成性成分(A)の割合が45重量%、ポリエ
ーテルエステル形成性成分(B)が55重量%であるポ
リエーテルエステルアミドブロック共重合体を得た。こ
の共重合体のオルトクロロフェノール溶液(濃度:0.
5g/100ml)の25℃での相対粘度ηrは2.1
であった。またポリマ単独のMR1は6.0%、MR2
は17.4%でΔMR=11.4%であった。
【0032】実施例1 参考例1で合成したポリエーテルエステルアミドブロッ
ク共重合体を芯成分とし、硫酸中の相対粘度が2.50であ
るナイロン6を鞘成分とし、紡糸温度270℃にて放射
状5スリット吐出孔を有する芯鞘型複合口金から重量比
率が芯部/鞘部=20/80となるように吐出して直接
紡糸延伸法により紡糸速度3000m/分、延伸速度5000m
/分で巻き取ることにより、10デニール5フィラメン
トの芯鞘型複合糸を得た。該複合繊維の断面形状はペン
タローバル(5葉)であり、異形度は約1.8であっ
た。また、筒編地のΔMRは4.6%と良好な吸湿特性
を有していた。さらに該複合糸を15デニールポリウレ
タン弾性糸にカバリングし、ダブルカバリング糸とした
後、ストッキングのレッグ部3およびトウ部4を編み立
てた。このようにして編み立てられたパンティストッキ
ング1を、市販の酸性染料で定法に従って約95℃×6
0分間浸漬した後、約10分間水洗し、さらに約80℃
で10分間色止めを行い、パンティストッキング1を適
当な色彩に染色し、再度約10分間水洗するようにし
た。仕上がった製品の外観品位は良好であり、着用時の
快適性も極めて高いものであった。
【0033】実施例2〜4および比較実施例1〜2 ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体とポリア
ミドとの芯鞘複合比率を変更した以外は実施例1と同じ
方法でストッキングを編み立て、この編み地の各特性を
実施例1と同様の方法で評価した結果を第1表に示す。
実施例2〜4は吸湿特性が全て良好であり、かつ熱水処
理による割れは全く認められなかった。一方、比較例1
では芯成分のポリエーテルエステルアミドの比率が少な
かったため吸湿性が低く、比較例2については芯成分の
ポリエーテルエステルアミド量が多いため、吸湿性は高
いものの熱水処理時に繊維表面に多数のヒビわれが発生
し、ポリエーテルエステルアミドが繊維表面に流出した
ためにベタツキが生じ、実用に耐えなかった。
【0034】実施例5 芯成分としてポリエーテルエステルアミドとナイロン6
の重量比が80:20である混合物を用い、重量比率を
芯部/鞘部=30/70とした以外は実施例1と同様な
方法でストッキングを得た。吸湿性は良好で、熱水処理
時に割れは発生しなかった。
【0035】実施例6 鞘成分としてポリエーテルエステルアミドとナイロン6
の重量比が5:95である混合物を用いた以外は実施例
1と同様な方法でストッキングを得た。吸湿性は良好
で、熱水処理時に割れは発生しなかった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によって得られたストッキング
は、着用快適性を得るのに十分な吸湿性を有しており、
しかも繊維の表面は吸湿性の低い樹脂であるため、さら
りとしたドライな触感を損なわず、高い吸湿性を有して
いる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の繊維の異形度を説明するための繊維の
横断面図である。
【0040】
【図2】本発明の実施例に係わるストッキングを示す斜
視図である。
【0041】
【図3】本発明の実施例に係わるストッキングを編み立
てるのに使用したDCYの部分説明図である。
【0042】
【符号の説明】
1;ストッキング 2;パンティ部 3;レッグ部 4;トウ部 5;DCY(ダブルカバードヤーン) 6;ポリウレタン弾性糸 7;本発明の高吸湿性合成繊維で構成されたマルチフィ
ラメント

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸放湿係数ΔMRが2.5%以上であ
    り、吸湿成分が繊維表面に実質的に露出していない合成
    繊維を少なくとも構成の一部に用いることを特徴とする
    吸湿性に優れたストッキング。
  2. 【請求項2】 合成繊維の主成分がポリアミドであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸湿性に優れたストッキ
    ング。
  3. 【請求項3】 芯鞘型複合繊維において、芯部を形成す
    る熱可塑性樹脂の主成分がポリエーテルエステルアミド
    であり、鞘部を形成する熱可塑性樹脂の主成分が繊維形
    成性ポリアミド樹脂であって、かつ芯部/鞘部の重量比
    率が5/95〜50/50である芯鞘型複合繊維を少な
    くとも構成の一部に用いることを特徴とする吸湿性に優
    れたストッキング。
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