JP2003306833A - 吸湿性ポリエステル繊維 - Google Patents

吸湿性ポリエステル繊維

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JP2003306833A JP2002107839A JP2002107839A JP2003306833A JP 2003306833 A JP2003306833 A JP 2003306833A JP 2002107839 A JP2002107839 A JP 2002107839A JP 2002107839 A JP2002107839 A JP 2002107839A JP 2003306833 A JP2003306833 A JP 2003306833A
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Yuichi Fujita
友一 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維のアルカリ減量速度を実用上問題ない範
囲とし、均一な減量加工を施すことによってソフトな風
合いを発現させることが可能であり、かつ、優れた吸湿
性を有する繊維を提供する。 【解決手段】 平均分子量が4000以上のポリエーテ
ル化合物またはポリエーテル化合物誘導体を5〜30質
量%含有し、フェノール性水酸基を少なくとも1個以上
有する芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分に対して0.
5〜5モル%共重合されたポリアルキレンテレフタレー
トからなることを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトな風合いを
発現させることが可能で、かつ、吸湿性に優れたポリエ
ステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、優れた機械的特性及び化学的特性を
有しており、広範な分野において使用され、特に合成繊
維として極めて広い用途を有している。
【0003】しかしながら、ポリエステル繊維は疎水性
であるために極めて吸湿性が低く、インナー、中衣、ス
ポーツ衣料等のように直接的に肌に触れて、あるいは肌
側に近い状態で着用される分野に使用する場合は、肌か
らの発汗によるムレやベタつき等を生じ、快適性の点で
天然繊維と比較して著しく劣り、このような衣料分野で
の利用が大きく制限されている。
【0004】従来、ポリエステル繊維に親水性または吸
湿性を付与しようとする試みが種々なされてきた。例え
ば、特開昭62−267352号公報には、ポリアルキ
レングリコール類を50〜70質量%配合してなるポリ
エステル組成物が開示されている。このような組成物か
らなる繊維は、耐薬品性に劣るものであり、特にアルカ
リによる減量速度が著しく速くなってしまうという欠点
を有する。
【0005】一般に、ポリエステル繊維は、アルカリ減
量加工を施すことによりソフトな風合いを発現させるこ
とが一般的に行われているが、このようなアルカリによ
る減量速度が速い繊維では、減量率をコントロールして
減量加工を均一に行うことができず、ソフトな風合いを
有する繊維を得ることができないという問題があった。
【0006】このような問題点を解決する方法として、
例えば、特開平2−99612号公報には、常温下で吸
湿率が10質量%以上の吸湿性ポリマーを芯部とし、鞘
部をポリエステルで覆った芯鞘型複合繊維が提案されて
いる。しかしながら、このような方法でもアルカリ減量
加工時の熱水により芯部の吸湿性ポリマーが大きく膨潤
するため、複合繊維の表面にひび割れが生じ、水に対す
る親和性が高い芯部のポリマーが外部に流出してしまう
という問題があった。
【0007】また、特開平9−228157号には、ポ
リエステルからなる外層と内層の間に、ポリエーテル化
合物を含む吸湿性ポリマーの中間層が複合されており、
かつ、中空部を有する中空状三層複合繊維が提案されて
いる。このような繊維は、アルカリ減量加工時の熱水に
より、中間層の吸湿性ポリマーが膨潤しても中空部が変
形することによって複合繊維の表面はひび割れを起こさ
ず、水に対する親和性が高い中間層のポリマーが外部に
流出することがないようにしたものである。このような
繊維形態をとることにより、ある程度のアルカリ減量加
工は可能となるが、繊維の断面形状が複雑であるために
製糸の安定性に劣り、操業性が極めて悪いという問題が
あった。
【0008】そこで、本出願人は、特開2001-115335号
公報において、優れた吸湿性を有し、アルカリ減量速度
を事実上問題ない範囲とすることができる吸湿性繊維を
提案した。この繊維は、ポリエーテル化合物等を含有
し、スルホン酸塩基含有化合物とダイマー酸とが共重合
されたものであり、ポリエーテル化合物を含有させるこ
とにより吸湿性を付与し、アルカリ減量速度を低下させ
るためにダイマー酸を共重合させているものである。そ
して、スルホン酸塩基含有化合物はポリエステルの親水
性を向上させるものであり、ダイマー酸が疎水性である
ために吸湿性能が低下することを緩和するという役割を
果たすものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダイマー酸
とスルホン酸塩基含有化合物の両者を共重合しなくて
も、繊維のアルカリ減量速度を事実上問題ない範囲と
し、均一な減量加工を施すことによってソフトな風合い
を発現させることができ、かつ吸湿性に優れたポリエス
テル繊維を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、その要旨は、平均分子量が400
0以上のポリエーテル化合物またはポリエーテル化合物
誘導体を5〜30質量%含有し、フェノール性水酸基を
少なくとも1個以上有する芳香族ジカルボン酸成分が全
酸成分に対して0.5〜5モル%共重合されたポリアル
キレンテレフタレートからなることを特徴とする吸湿性
ポリエステル繊維にある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の繊維を形成するポリアルキレンテレフタ
レートは、平均分子量が4000以上、好ましくは60
00〜20000のポリエーテル化合物またはポリエー
テル化合物誘導体を5〜30質量%含有することが必要
である。ポリエーテル化合物またはポリエーテル化合物
誘導体は繊維に吸湿性を付与するために添加するもので
あり、平均分子量が4000未満であると、充分な吸湿
性を示さず、添加量を増しても目的とする吸湿性能を持
つ繊維が得られない。
【0012】ここでいうポリエーテル化合物またはポリ
エーテル化合物誘導体の例としては、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド
の共重合体などが挙げられる。なお、プロピレンオキシ
ドとエチレンオキシドの共重合体の場合、プロピレンオ
キシドの共重合割合が20〜80モル%のものが好適であ
る。
【0013】そして、このようなポリアルキレンオキシ
ドの末端の一部又は全部がイソシアネート化合物等と反
応して架橋しているものも好適であり、市販品としては
住友精化社製「アクアコーク」等が挙げられる。ポリエ
ーテル成分とポリアミド成分からなるポリエーテルエス
テルアミドも好適であり、市販品としては三洋化成社製
「ペレスタット」等が挙げられる。
【0014】そして、このポリエーテル化合物またはポ
リエーテル化合物誘導体の含有量が5質量%未満では充
分な吸湿性が発現せず、一方、30質量%を超えると操
業性が著しく低下する。
【0015】次に、本発明の繊維を形成するポリアルキ
レンテレフタレートは、具体的にはポリエチレンテレフ
タレート(以下PETと略す)、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリプロピレンテレフタレート等が好適であ
る。
【0016】そして、このポリアルキレンテレフタレー
トは、フェノール性水酸基を少なくとも1個以上有する
芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分に対して0.5〜5
モル%共重合されていることが必要である。このフェノ
ール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分として
は、中でも、5−ヒドロキシイソフタル酸が好適であ
る。
【0017】フェノール性水酸基を少なくとも1個以上
有する芳香族ジカルボン酸成分を共重合させることによ
り、アルカリ減量速度を抑制し、かつ吸湿性を向上させ
ることができる。すなわち、ポリエステルに吸湿性を付
与するためには、ポリエーテル化合物またはポリエーテ
ル化合物誘導体を含有させることが必要であり、平均分
子量が約4000以上でないと良好な吸湿性は得られな
い。しかし、このような高分子量のポリエーテル化合物
は、一般にポリエステルに対する相溶性が劣るために、
全てがポリエステルに共重合されず、ある程度の量はポ
リエステル中に分散した状態となっている。
【0018】このようなポリエステルからなる繊維にア
ルカリ減量加工を行うと、まず、熱水によって共重合さ
れていないポリエーテル化合物またはポリエーテル化合
物誘導体が溶出して繊維の表面積を増大させ、その結
果、アルカリによるポリエステルの加水分解が急激に進
行するものと考えられる。
【0019】そこで、フェノール性水酸基を有する芳香
族ジカルボン酸成分を共重合することにより、共重合さ
れずにポリエステル中に分散している状態のポリエーテ
ル化合物またはポリエーテル化合物誘導体をポリエステ
ル中に固定することができ、アルカリ減量加工時にこの
成分が溶出してしまうことが抑制される。つまり、ポリ
エーテル化合物等の溶出を防ぐことができるため、アル
カリ減量速度の上昇を防ぐことができ、吸湿性成分を保
持できるので吸湿性に優れた繊維とすることができる。
【0020】さらに、フェノール性水酸基を少なくとも
1個以上有する芳香族ジカルボン酸成分は官能基を有し
ており、共重合することによってポリエステル自体の疎
水性が緩和されるため、吸湿性が向上する。
【0021】そして、フェノール性水酸基を少なくとも
1個以上有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合割合は
全酸成分に対して0.5〜5モル%の範囲とすることが
必要であり、より好ましくは0.5〜2モル%の範囲と
する。共重合割合が0.5モル%未満であると、上記し
たような効果が発現しにくく、一方、5モル%を超える
と、重合時にポリマーのゲル化が起きやすくなる等、操
業性が低下するため好ましくない。
【0022】なお、ポリアルキレンテレフタレートは、
本質的な特性を損なわない限り、他の共重合成分を少量
含有していてもよく、これらの共重合成分としては、イ
ソフタル酸、無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、
ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサノンジメ
タノール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチ
レンオキシド付加体、ビスフェノールSのエチレンオキ
シド付加体等のグリコール成分、4−ヒドロキシ安息香
酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分
が挙げられる。
【0023】そして、本発明の繊維は、上記のようなポ
リエステルからなることにより、アルカリ減量速度が
1.5質量%/分以下、かつ、温度34℃、湿度90%
RHの雰囲気下における吸湿率が4.0質量%以上とな
る。アルカリ減量速度が1.5質量%/分を超えると、
減量の進行が速すぎるために減量率のコントロールが難
しくなり、均一な減量加工ができなくなり、ソフトな風
合いの繊維を得ることができない。
【0024】なお、アルカリ減量速度の値は、次の方法
で測定した値をいう。繊維を筒編し、5質量%の水酸化
ナトリウム水溶液で70℃×40分、浴比1:50で処
理したときの減量質量から、次式により求める。 減量速度(質量%/分)=〔(減量前質量−減量後質
量)/減量前質量〕×100/40
【0025】また、温度34℃、湿度90%RHの雰囲
気下における吸湿率が4.0質量%未満では、綿等の天
然繊維と比較して充分な吸湿性が得られず、衣類とした
場合の着用時に不快感を生じやすいので好ましくない。
【0026】なお、吸湿率の値は、次の方法で測定した
値をいう。繊維を筒編し、これを25℃、60%RHで
調湿して質量W0を測定する。次いで、この筒編地を、
2hPaの減圧下、80℃で6時間乾燥し、34℃、9
0%RHに設定した恒温恒湿槽に6時間放置した後、質
量W1を測定する。そして、次式により吸湿率を求め
る。 吸湿率(質量%)=〔(W1−W0)/W0〕×100
【0027】次に、本発明の繊維の製造方法について一
例を用いて説明する。テレフタル酸とジオールを直接エ
ステル化させて、ポリエステルオリゴマーを合成し、こ
れにポリエーテル化合物またはポリエーテル化合物誘導
体とフェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸成
分等を添加し、重縮合反応を行う。重縮合反応は、通常
アンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アル
ミニウム、コバルト等の金属化合物の存在下で、0.1
2〜12hPa程度の減圧下、220〜290℃の温度
で、極限粘度が0.5以上となるまで行うことが好まし
い。また、効果を阻害しない範囲であれば、ヒンダード
フェノール系化合物のような抗酸化剤、コバルト化合
物、蛍光剤、染料のような色調改良剤、二酸化チタンの
ような顔料、酸化セリウムのような耐光性改良材等の添
加剤を含有させても差し支えない。次に、得られたポリ
エステルを常法により乾燥し、通常の溶融紡糸機に供給
してポリエステルの融点より20℃以上高い温度で溶融
紡糸し、糸条を冷却後に未延伸糸または半未延伸糸とし
て一旦捲き取るか、あるいは、捲き取ることなしに引き
続いて延伸、熱処理等を行って目的の繊維を得る。
【0028】なお、本発明の効果が損なわれない限り、
他の成分との複合繊維としてもよい。さらに、ポリエス
テル繊維の形態は長繊維としても短繊維としてもよく、
必要に応じて、捲縮加工、仮撚加工、薬液による処理等
の後加工を施して用いることもできる。
【0029】
【作用】本発明のポリエステル繊維において、アルカリ
減量加工を均一に施すことが可能であり、かつ、優れた
吸湿性を備えている理由として、発明者は次のように考
えている。ポリエステルに吸湿性を付与するために、平
均分子量が約4000以上のポリエーテル化合物または
ポリエーテル化合物誘導体を5〜30質量%含有してい
ること、そして、アルカリ減量加工時に共重合されてい
ないポリエーテル化合物またはポリエーテル化合物誘導
体が溶出し、ポリエステルの加水分解が急激に進行する
のを防ぐため、フェノール性水酸基を有する芳香族ジカ
ルボン酸成分を共重合していることにより、これらの効
果を奏することが可能である。そして、フェノール性水
酸基は高温下でラジカルを発生しやすいものである。そ
のため、溶融重合、あるいは溶融紡糸の際に生じたラジ
カルがポリエーテル化合物のβ水素を引き抜くことによ
り、このポリエーテル化合物にラジカルが移動し、これ
が別のフェノール性水酸基から生じたラジカルと結合す
ることによって、結果的にポリエステル鎖とポリエーテ
ル化合物の橋かけ結合ができる。このようにして、共重
合されずにポリエステル中に分散している状態のポリエ
ーテル化合物またはポリエーテル化合物誘導体が固定化
されることにより、アルカリ減量加工時にこの成分が溶
出してしまうことが抑制される。さらには、フェノール
性水酸基を少なくとも1個以上有する芳香族カルボン酸
成分は親水性の官能基を有しており、共重合することに
よってポリエステル自体の疎水性が緩和されることとな
る。これらの結果として、繊維に優れた吸湿性を付与し
つつ、アルカリ減量速度が1.5質量%/以下と実用上
問題ない範囲にすることが可能であると推定される。
【0030】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の各種の値の測定、評価は次の通り
に行った。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールとテトラクロロエタンとの等質量混合物を溶
媒とし、温度20℃で測定した。 (b)強伸度 オリエンティック社製テンシロンRTC−1210型を
用い、50cmの資料を50cm/分の速度にて引張試
験を行い、そのストレス−ストレイン曲線から求めた。 (c)アルカリ減量率 前記の方法で測定した。 (d)吸湿率 前記した吸湿率の測定方法に準じて評価した。 (e)風合い 繊維を筒編し、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液で7
0℃、浴比1:50で減量質量が20質量%となるよう
に処理し、処理後の風合いを10人のパネラーによる官
能試験により、次の三段階で評価した。 ○:10人中7人以上が軟らかいと感じた。 △:10人中4〜6人が軟らかいと感じた。 ×:軟らかいと感じた人が10人中3人以下であった。
【0031】実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にテレフ
タル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6のス
ラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.1M
Pa、滞留時間8時間の条件で、エステル化反応を行
い、反応率95%のPETオリゴマーを連続的に得た。
このPETオリゴマー50kgを重縮合反応缶に移送
し、平均分子量6000のポリエチレングリコール(以
下PEGと略す)を8.5kgと、5−ヒドロキシイソ
フタル酸(以下、HIPAと略す)を228g(全酸成
分に対して0.5モル%となる量)、抗酸化剤として
「イルガノックス245」(日本チバガイギー社製、ヒ
ンダードフェノール系抗酸化剤)を113g(生成する
ポリマーに対して0.3質量%となる量)添加し、60
分間攪拌混合した。その後、全酸成分1モルに対して2
×10-4モルの三酸化アンチモンを添加し、重縮合反応
缶内の温度を30分間で275℃に昇温し、圧力を徐々
に減じて60分後に1.2hPa以下とした。この条件
で、攪拌しながら4時間重縮合反応を行い、常法により
払い出してペレット化した。次に、このペレットを常法
により乾燥した後、通常の溶融紡糸装置を用いて紡糸温
度290℃で溶融紡糸し、1400m/分の速度で未延
伸糸を捲き取った。この未延伸糸を延伸機に供給し、8
0℃で予熱した後、温度150℃のヒートプレートに接
触させながら3.5倍に延伸、熱処理して捲き取り、8
3デシテックス/36フィラメントの吸湿性ポリエステ
ル繊維を得た。
【0032】実施例2〜3、比較例1〜5 ポリエーテル化合物またはポリエーテル化合物誘導体と
して、表1に示すように分子量を種々変更したPEG、
又は実施例3においては、プロピレンオキシドとエチレ
ンオキシドの共重合体(プロピレンオキシド/エチレン
オキシド比=50/50モル%、ランダムジオール)で
分子量が9000のものを用い、また、これらの含有
量、HIPAの共重合割合を表1に示すように種々変更
した以外は、実施例1と同様に行った。
【0033】実施例1〜3、比較例1〜5で得られたポ
リエステルの〔η〕と、繊維の物性、評価を表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、実施例1〜3の
ポリエステル繊維は、アルカリ減量速度が1.5質量%
/分以下と減量加工を行う上で実用上問題ない範囲であ
り、減量加工を行うことによりソフトな風合いを発現さ
せることが可能であり、吸湿率も4質量%以上と吸湿性
にも優れたものであった。また、製糸、操業性も良好で
あった。一方、比較例1では、添加するポリエーテル化
合物の分子量が小さく、それ自体の吸湿性が低いため
に、比較例2ではポリエーテル化合物の添加量が少なす
ぎるために、ともに得られた繊維は吸湿率が不充分なも
のであった。比較例3ではポリエーテル化合物の添加量
が多すぎるために、紡糸時に糸切れが多発し、繊維を得
ることが出来なかった。比較例4ではHIPAの共重合
割合が少なすぎるために、得られた繊維はアルカリ減量
速度が速く、均一な減量加工を行うことができず、減量
加工後の風合いを評価することができなかった。なお、
比較例5ではHIPAの共重合割合が多すぎるために、
重縮合中にポリマーがゲル化を起こし、チップを得るこ
とができなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は、吸湿性に
優れ、かつ減量加工を施すことによりソフトな風合いを
発現できるので、この繊維より得られる布帛は、様々な
用途に利用でき、中でも衣料用として用いると、快適な
着用感を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量が4000以上のポリエーテ
    ル化合物またはポリエーテル化合物誘導体を5〜30質
    量%含有し、フェノール性水酸基を少なくとも1個以上
    有する芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分に対して0.
    5〜5モル%共重合されたポリアルキレンテレフタレー
    トからなることを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 アルカリ減量速度が1.5質量%/分以
    下であり、かつ、温度34℃、湿度90%RHの雰囲気
    下における吸湿率が4.0質量%以上である請求項1記
    載の吸湿性ポリエステル繊維。
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