JP2822503B2 - 高タフネスゴム補強用ポリエステル繊維 - Google Patents

高タフネスゴム補強用ポリエステル繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はゴム補強用ポリエステル繊維に関する。さら
に詳しくは、寸法安定性が良好で、高強度であり、かつ
耐久性に優れたゴム補強用ポリエステル繊維に関するも
のである。
[従来の技術] ポリエステル繊維は機械的性質、寸法安定性、耐久性
に優れ、衣料用途のみでなく産業用途にも広く利用され
ている。なかでもタイヤコードなどのゴム質材補強用途
ではその特徴を生かし多量に利用されている。タイヤコ
ード用途では従来低配向の未延伸糸を高倍率延伸した高
強度原糸が使用されていたが、近年は比較的高配向の未
延伸糸(いわゆるPOY)を延伸して得た原糸が使用され
るようになった。これは強度を若干犠牲にしてでもコー
ドの寸法安定性を良くし、タイヤ性能、特に均一性を向
上させようというニーズから生まれた技術である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら近年タイヤの性能をより向上させるた
め、寸法安定性を保持しながら、高強度、高タフネスを
有するタイヤコードの要求が高まっている。かかる要求
に対し、例えば特開昭60−88120号公報にはPOYを低速延
伸する例が記載されているが、かかる延伸技術では繊維
自体のタフネス(強伸度積)の向上巾は小さく、タイヤ
コードとしての画期的な強度上昇には至らず、要求され
る強度タフネスのレベルを満足できない。タフネス向上
のためには繊維中の欠陥を減少させることが有効である
と考えられる。すなわちタイヤコード中に種々の欠陥
(異物)が存在するが、この欠陥はポリマ中に存在する
粒子が主因であり、かかる粒子は重合触媒に起因するも
のが多く、よって粒子を根本的に無くしていくことが必
要である。
これまでゴム補強用ポリエステル繊維を製造するため
に用いられた触媒の例としては特公昭37−5821号公報に
酢酸マンガン、三酸化アンチモン、リン酸の触媒系が又
特開昭55−12871号公報には酢酸カルシウム、三酸化ア
ンチモン、亜リン酸の例が又特開昭51−134789号公報に
は酢酸リチウム、三酸化アンチモン、亜リン酸の例が記
載されている。これらの触媒を用いて重合した場合は全
て触媒起因の粒子が数多く生成し繊維中で欠陥となり、
最近の高い強度、タフネスの要求レベルを満たす繊維は
得られない。
本発明者らは寸法安定性が良好でしかも強度タフネス
に優れたポリエステル繊維を得るべくポリマから根本的
に検討を加え、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、重合触媒としてアンチモン化合物
をアンチモン金属として60〜150ppmの範囲で用いかつ該
アンチモン化合物の還元により生成したアンチモン金属
量が5ppm以下であり、下記特性を有する高タフネスゴム
補強用ポリエステル繊維である。
A.カルボキシル末端基量(COOH) COOH≦25eg/ton B.ジエチレングリコール含有量(DEG) DEG≦1.3wt% C.極限粘度(IV) IV≧0.85 D.[中間伸度+乾熱収縮率](S) S≦12.0(%) E.ターミナルモジュラス(Mt) Mt≦50(g/d) 本発明のポリエステルとはエチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とするポリエステルをさす。ポリエ
ステルとしては寸法安定性、強度の向上のため、副生ジ
エチレングリコール以外の第3成分の添加、共重合や無
機粒子等の添加剤を実質的に含有しないポリエチレンテ
レフタレートであることが好ましい。
本発明者らは寸法安定性を良好に保ちつつ高強度、高
タフネス化を実現するため、繊維の強度を低下させる要
因について鋭意検討を行なった。その結果高強度化を阻
害しているのは糸中の欠陥、特に触媒起因の粒子である
ことをつきとめた。さらにこれらの粒子のうちでも特に
重合触媒として利用するアンチモン化合物から還元によ
り生成する金属アンチモンが強度、タフネスに大きな悪
影響を与えることを見出した。そこでこの金属アンチモ
ンの量と得られるポリエステル繊維の性能、特にタフネ
スの耐久性との関係について研究し、アンチモン金属量
を5ppm以下とすれば従来に比べ著しくタフネスの向上が
図れることを見出したのである。
かかる観点からアンチモン金属量が3ppm以下であれば
その効果が一層発揮される。繊維中のアンチモン金属を
減少するには重合触媒としてアンチモン化合物を使用し
ないことも一応考えられるが、アンチモン化合物を使用
しない場合には、コマーシャルベースで製造すると他の
ポリマ物性(例えばカルボキシル末端基量やDEG量な
ど)が劣ったり、繊維の寸法安定性が低下する。従って
ゴム補強用ポリエステル繊維で求められる寸法安定性・
耐久性を確保し、タフネス向上させるためにはアンチモ
ン化合物を重合触媒として使用したうえで還元により生
成するアンチモン金属を5ppm以下とする必要がある。か
かる観点から重合触媒として使用するアンチモン化合物
の量はアンチモン金属として60〜150ppmの範囲とするも
のである。なお重合触媒として使用されるアンチモン化
合物の好ましい例は三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ンである。
さらに本発明のポリエステル繊維のカルボキシル末端
基(COOH)量は25eg/ton以下である必要がある。COOH量
が25eg/tonを越えるとゴム中での劣化が早くゴム補強用
資材として耐久性が不足する。
かかる観点からCOOH量は21eg/ton以下が好ましい。
さらに本発明のポリエステル繊維のジエチレングリコ
ール量(DEG)は1.3wt%以下である必要がある。DEG量
が1.3wt%を越えると繊維の寸法安定性が悪化するだけ
でなくゴム中での耐久性も低下する。かかる観点からDE
G量は1.1wt%以下が好ましい。
本発明のポリエステル繊維の極限粘度(IV)は0.85以
上である必要がある。IVが0.85未満では耐疲労性が劣り
ゴム補強用資材として使用できない。かかる観点からIV
は0.90以上が好ましい。又、製糸性など操業面からの安
定性からIVは1.3以下が好ましい。
本発明のポリエステル繊維の寸法安定性(中間伸度+
乾熱収縮率)は12%以下である必要がある。寸法安定性
が12%を越えるとタイヤ成型時のコードの寸法安定性が
劣りタイヤのユニフォミティが低下する。かかる観点か
ら寸法安定性は10%以下が好ましく、8%以下がより好
ましい。
さらに本発明のポリエステル繊維のターミナルモジュ
ラスは、50g/d以下である必要がある。ターミナルモジ
ュラスが50g/dを越えると撚糸時の強力保持率が低く、
原糸の強度を高くしてもタイヤコードとしての強度は高
くできない。かかる観点からターミナルモジュラスは35
g/d以下とすることが好ましい。
以上の如く重合触媒として使用するアンチモン化合物
の還元により生成するアンチモン金属の量を厳密に制御
することで繊維中の欠陥が著しく減少でき、しかもCOOH
量、DEG量などの特性が良好なポリマが得られる。この
ようなポリマを利用して初めて従来にない高性能のポリ
エステル繊維が製造できるのである。
さらにタイヤコードの如きゴム補強用資材では寸法安
定性を良好にしつつ、すなわち中間伸度+乾収を低い値
に保持しつつ、タフネスの向上を図ることが要求され
る。
本発明者らはかかる要求についても鋭意検討した結
果、重合時に使用するリン化合物の添加方法や量及び種
類を厳密にコントロールすることが上記要求のため重要
であることを見出した。リン化合物は一般にポリマの耐
熱性向上のため使用されるがリン化合物が上記の如く繊
維の寸法安定性とタフネスの関係に影響するというのは
正に驚くべき事実であり、本発明者らは研究の結果見出
した新知見である。
本発明者らの研究の結果、リン化合物としてはリン酸
を使用し残存量をリン元素として10〜40ppm、かつ添加
時期は重縮合初期に添加することが好ましいことを見出
した。かかるリン化合物のコントロールにより同一の寸
法安定性に対する繊維のタフネスを高くできる。すなわ
S:寸法安定性[中間伸度+乾熱収縮率](%) T:強度(g/d) E:伸度(%) なる数式を満足する如く同一の寸法安定性でも高タフネ
スの繊維が得られるので好ましい。
かかるリン化合物の効果の原因については明確でない
が本発明者らはリン酸の如き3官能リン化合物の増粘作
用により紡糸時の繊維構造形成が制御されるためと推定
している。
上述のように を満足する原糸を使用すると従来に比較し著しく耐疲労
性が良好なタイヤが製造できる。すなわち一般に原糸タ
フネスが高いほどタイヤの耐疲労性は良好であるが、か
かるタフネスと耐疲労性の相関は寸法安定性(S)によ
り変化し、寸法安定性が小さい方が同一のタフネスでも
良好な耐疲労性が得られる。すなわち寸法安定性(S)
に対してタフネスが を満足すれば従来に比べて著しく良好な耐疲労性が実現
できることを見出した。
かかる観点から がより好ましい。かかる とSの関係は本願の如く繊維中のアンチモン金属の欠陥
を著しく減少しかつポリマ面から寸法安定性を向上させ
る操作を行なって初めて実現できるのである。
本発明の如くアンチモン化合物を重合触媒として使用
しつつ金属アンチモンの生成を抑制する方法としては例
えば以下の方法が例示できる。
(1) 重合時の溶融ポリマの体積に対する表面積の比
率を大きくし重合時間を短縮する方法。好ましくは重合
時間を1時間未満、さらに好ましくは30分未満とする方
法。
(2) アンチモン化合物の使用量をアンチモンとして
130ppm以下とし、他の重合触媒(好ましくは有機チタン
化合物やスズ化合物)併用して重合する方法。
(3) 重合最終温度を低くする方法。好ましくは290
℃以下、さらに好ましくは285℃以下とする方法。
本発明のポリエステル繊維は例えば以下の方法により
得られるが、本法に限定されるものではない。
重合触媒としてアンチモンとして130ppm以下のアンチ
モン化合物とチタン化合物を併用し、重縮合反応を行な
う。この際リン化合物としてリン酸を用いリン酸を重縮
合初期にアンチモン化合物、チタン化合物の添加以前に
添加することが好ましい。仕込み量、重合温度、重合時
間を適宜選択しIV0.65以上、COOH≦26eg/ton、DEG≦1.3
wt%のポリエチレンテレフタレートチップを得る。
かくして得たチップを常法に従い固相重合しCOOH≦16
eg/ton、IV1.0以上のポリエチレンテレフタレートを得
た。
こうして得た固相重合チップを常法に従い溶融紡糸し
加熱帯で徐冷した後、チムニー風で冷却固化しつつ引取
る。この際、紡糸機中の配管及びパック部品をクロムメ
ッキしアンチモン金属の析出(還元)を抑制することが
好ましい。又、過用のフィルターとして絶対過径30
μ以下の金属線SUS不織布を用いることが好ましい。さ
らに固相重合に使用するチッ素や紡糸機内のチッ素中の
ダスト量を極力減少するとともにチムニー風に用いる空
気の過を行ないダスト量を減少することがより好まし
い。かかる製糸方法により糸中に存在する異物数を800
ケ/mg以下、より好ましくは500ケ/mg以下のレベルに保
つことがタフネス耐久性向上のため好ましい方法であ
る。
かくして口金から吐出した糸条を引取速度1000m/分以
上、より好ましくは2000m/分以上で高配向紡糸する。こ
の未延伸糸を紡糸し引き続き又は一度巻取った後ホット
ローラ延伸を行ない220℃以上の温度で熱セットする。
この際延伸倍率やリラックス率を適宜選択してターミナ
ルモジュラスを50g/d以下とする。
(実施例) 以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお実施例中の物性は次の様にして測定した。
A.ポリマ中および繊維中の金属量(アンチモン、リン量
等)蛍光X線法により求めた。
B.COOH量 試料0.5gをO−クレゾール10mlに溶解し、完全溶解後
冷却してからクロロホルム3mlを加え、NaOHのメタノー
ル溶液にて電位差滴定を行ない求めた。
C.DEG量 試料をアルカリ分解後、ガスクロマトグラフィを用い
て定量した。
D.強伸度、中間伸度、ターミナルモジュラス 東洋ボールドウイン社製テンシロン引張試験機を用
い、試長25cm、引取速度30cm/分でS−S曲線を求め強
伸度を算出した。
また同じS−S曲線から強度4.5g/dに対応する伸度を
読みとり中間伸度を求めた。ターミナルモジュラスは切
断伸度から2.4%を減じた点における応力と破断応力と
の差を2.4×10-2で除して求めた。
E.乾熱収縮率ΔSd 試料をカセ状にとり20℃、65%RHの温調室に24時間以
上放置したのち、試料の0.1g/dに相当する荷重をかけて
測定した長さl0の試料を、無張力状態で150℃のオーブ
ン中に15分放置したのち、オーブンから取り出し前記温
調室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて測定した長
さl1から次式により算出した。
ΔSd=[(l0−l1)/l0]×100(%) F.糸中異物数 試料を単糸1本ずつに分割しスライドガラスにたるま
ないように張ってサンプリングした試料(長さ6cm)
を、オリンパス製光学顕微鏡(位相差法)を用い、倍率
200倍でスキャンし、糸中異物の数をカウントする。測
定をN数5で行ない平均値X(ケ/6cm)を求め、この値
をmgあたりの異物数に換算する。
G.極限粘度(IV) 温度25℃においてオルソクロロフェノール(以下OCP
とする)10mlに対し試料0.8gを溶解し、オストワルド粘
度計を用いて相対粘度(ηγ)を下式により求め、更に
IVを算出する。
η/η=(t×d)/(t0×d0) IV=0.0242ηγ+0.2634 η :ポリマ溶液の粘度 η0 :OCPの粘度 t :溶液の落下時間(秒) d :溶液の密度(g/cm3) t0 :OCPの落下時間(秒) d0 :OCPの密度(g/cm3) H.アンチモン金属量 ポリマ40gをオルソクロロフェノール(OCP)500mlに
溶解し、遠心分離(12,000rpm×2hr)後、洗浄、乾燥す
る。得られた遠心沈降粒のスペクトルをX線回折装置に
より測定し、スペクトルから金属アンチモンを定量す
る。
I.ゴム中耐熱性 コードをゴム中にうめ込み150℃×6hr加硫後の強力保
持率で評価した。強力保持率70%以上を◎、60〜70%を
○、60%未満を×として示した。
J.耐疲労性(GY寿命) ASTM−D885に準じチューブ内圧3.5kg/cm2、回転速度8
50rpm、チューブ角度90゜としてチューブの破裂時間を
求めた結果は ◎:は従来品(市販タイヤコード東レ(株)製1000
−240−703M)比3割以上アツプのレベル ○:は従来比1〜3割アップ △:は従来品並のレベル で示した。
(実施例1) (ポリマA) テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール50.
2部に酢酸マンガン4水塩0.035部添加し、常法によりエ
ステル交換反応を行なった。得られた生成物にリン酸0.
015部を添加後三酸化アンチモン0.032部添加し常法によ
り3時間10分重縮合反応を行なった。(重合最終温度28
5℃) 得られたポリマのIVは0.72、COOH14eg/ton、DEG0.58w
t%であった。このポリマAのアンチモン金属量は10ppm
であつた。
(ポリマC) ポリマAの製造と同一の条件で重合触媒を三酸化アン
チモンとテトラブチルチタネートの併用系とし、その添
加量を表1の如く変更して重縮合反応を行なった。得ら
れたポリマの性質を合せて表1に示した。
表1から明らかなようにアンチモン触媒と有機チタン
触媒を併用しアンチモン量を減少する方法及び重合時間
の短い薄膜重合法によりSbメタルが減少できることがわ
かる。
次に表1のポリマA、C−1〜C−4を用いて以下の
方法で溶融紡糸、延伸を行ないポリエステル繊維を得
た。
[紡糸方法] 上記ポリマを160℃で5時間予備乾燥後225℃で固相重
合しIV=1.35〜1.40の固相重合チップを得た。このチッ
プをエクストルダ型紡糸機で紡糸温度295℃にて絶対
過径15μの金属不織布のフィルターで過しつつ0.6mm
φの丸孔口金から紡糸した。吐出糸を長さ25cm、温度30
0℃の加熱筒を用いて徐冷後チムニーで冷却し、引取速
度2000m/分で引取った。得られた未延伸糸を延伸温度90
℃、熱処理温度240℃、リラックス率1.5%で延伸、熱処
理し延伸糸を得た。こうして得た延伸糸のIVは0.98〜1.
03、COOHは12〜18eg/ton、DEGは0.58〜0.7%であった。
次にこの延伸糸に下撚をS方向に49T/cm、上撚りをZ
方向に49T/cmかけ生コードとした。
次にこのコードをリッラー社製のコンピュートリータ
を用いて接着剤をディップして処理コードを作成した。
処理条件は乾燥部160℃、定長処理、熱処理部240℃の緊
張処理、後処理部は240℃の弛緩処理であった。この緊
張率、弛緩率を調整することにより処理コードの中間伸
度を3〜4%とした。原糸、生コード、処理コードの物
性を表2に示す。
表2から明らかなようにSbメタル量が5ppmをこえる
A、C−1では糸中異物に示される如く糸中の欠陥が多
くタフネスの低い繊維しか得られない。しかしながらア
ンチモン触媒量をコントロールしてSbメタルを5ppm以下
としたC−2〜4では糸中異物が減少し著しくタフネス
が向上する。特にその効果はSbメタル3ppm以下のC−
3、4で顕著である。又、C−3と同一条件で延伸倍率
のみ上げターミナルモジュラスを高くしたC−3′は処
理コードの強度が低下してしまうことがわかる。さらに
各水準の耐疲労性について調べたところ原糸の を満足するC−2〜C−4、C−3′のみで従来比良好
な耐疲労性が得られた。特に となるC−2〜C−4が良好であった。
(実施例2) C−3のポリマを用いて固相重合し、紡糸して表3の
繊維を得た。
表3のNo.2−1では引取速度を低くしたため、寸法安
定性が12、0%を越えタイヤユニフォミティが悪化し
た。又、COOHが25eg/tonを越えたNo.2−5ではゴム中耐
熱性が劣っていた。さらにIVを0.8未満としたNo.2−6
は耐疲労性が不良であった。
(実施例3) C−3と同じ方法で重合時にジエチレングリコールを
添加し、表4に示すDEG量のポリマを得た、本ポリマか
ら実施例1と同一条件で紡糸、延伸、後加工しタイヤコ
ードを得た。本コードのゴム中耐熱性を評価し表4に合
わせて示した。
表4に示したとおりDEG量が1.3%を越えるとゴム中耐
熱性が満足できない。
(発明の効果) 以上述べた如くポリマの触媒組成を厳密に制御し、ア
ンチモン金属の量を少量に抑えることで初めて高タフネ
スで寸法安定性、ゴム中耐熱性、耐久性が良好なゴム補
強用原糸が得られる。この原糸はタイヤコード用に特に
好適に用いられ従来比レスエンズ、レスプライ化が可能
でありタイヤ軽量化が実現できる。又、寸法安定性良好
でユニフォミティの良好なタイヤが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02G 3/48 D02G 3/48 (56)参考文献 特開 昭62−69842(JP,A) 特開 昭59−53736(JP,A) 特開 昭58−98419(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/62 306 D01F 6/62 302 C08G 63/86

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合触媒としてアンチモン化合物をアンチ
    モン金属として60〜150ppmの範囲で用いかつ該アンチモ
    ン化合物の還元により生成したアンチモン金属量が5ppm
    以下であり、下記特性を有する高タフネスゴム補強用ポ
    リエステル繊維。 A.カルボキシル基末端基量(COOH) COOH≦25eg/ton B.ジエチレングリコール含有量(DEG) DEG≦1.3wt% C.極限粘度(IV) IV≧0.85 D.[中間伸度+乾熱収縮率](S) S≦12.0(%) E.ターミナルモジュラス(Mt) Mt≦50(g/d)
  2. 【請求項2】 を満足することを特徴とする請求項第(1)記載の高タ
    フネスゴム補強用ポリエステル繊維。
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JP2007092199A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Nippon Ester Co Ltd 耐湿熱性導電性複合繊維及び耐湿熱性導電性布帛
WO2015102416A1 (ko) * 2013-12-31 2015-07-09 코오롱인더스트리 주식회사 타이어 코드용 폴리에스테르 수지 및 이의 제조방법

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