JP2887324B2 - ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法

Info

Publication number
JP2887324B2
JP2887324B2 JP1296587A JP29658789A JP2887324B2 JP 2887324 B2 JP2887324 B2 JP 2887324B2 JP 1296587 A JP1296587 A JP 1296587A JP 29658789 A JP29658789 A JP 29658789A JP 2887324 B2 JP2887324 B2 JP 2887324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ppm
antimony
compound
germanium
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1296587A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03161508A (ja
Inventor
笹本  太
威彦 三吉
卓治 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP1296587A priority Critical patent/JP2887324B2/ja
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to EP90916815A priority patent/EP0454868B1/en
Priority to CA002045134A priority patent/CA2045134C/en
Priority to AU66426/90A priority patent/AU635356B2/en
Priority to ZA909179A priority patent/ZA909179B/xx
Priority to US07/721,545 priority patent/US5242645A/en
Priority to KR1019910700743A priority patent/KR940002693B1/ko
Priority to PCT/JP1990/001491 priority patent/WO1991007529A1/en
Priority to DE69028693T priority patent/DE69028693T2/de
Publication of JPH03161508A publication Critical patent/JPH03161508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2887324B2 publication Critical patent/JP2887324B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はゴム補強用ポリエステル繊維に関する。更に
詳しくは寸法安定性が良好でタフネスが高く耐久性が良
好で、均一性、耐久性とも良好なタイヤが製造可能なゴ
ム補強用ポリエステル繊維に関するものである。
[従来の技術] ポリエステル繊維は機械的性質、寸法安定性、耐久性
に優れ、衣料用のみでなく産業用途にも広く利用されて
いる。なかでもタイヤコードなどのゴム資材補強用途で
はその特徴を生かし多量に利用されている。タイヤコー
ド用途では従来低配向の未延伸糸を高倍率延伸した高強
度原糸が使用されているが、近年は比較的高配向紡糸の
未延伸糸いわゆる(POY)を延伸して得た原糸が使用さ
れるようになった。これは強度を若干犠牲にしてでもコ
ードの寸法安定性を良くし、タイヤ性能を向上させよう
というニーズから生まれた技術である。
[発明が解決しようとする課題] 特に近年では乗用車用タイヤコードとして、レーヨン
が使用されている部分にもポリエステル繊維を使用しよ
うという動きがさかんであり、ポリエステル繊維にも従
来にない良好な寸法安定性が要求されている。かかる要
求に対して特開昭63−165547号公報や特開昭61−19812
号公報に提案されているように未延伸糸(POY)の紡糸
速度を高速化し寸法安定性を向上する技術が開示されて
いる。しかしながら、アンチモン系触媒を用いて得られ
たポリエステルを製糸する従来技術の延長で単にPOYの
紡速を高めるだけでは確かに寸法安定性は良くなるもの
のPOYの紡速アップに伴ないタフネスが著しく低下しそ
のためにタイヤコードの耐久性、特に耐疲労性が大きく
低下してしまい、このため現実には採用されていないの
が実状である。
本発明者らはかかる問題について検討し、寸法安定
性、タフネス、耐久性が良好でレーヨン代替が可能なタ
イヤコードについて鋭意研究した結果、ポリマ設計を根
本的に行ないポリマ中に生成する粒子を制御し、かつ紡
糸時の配向特性をポリマ特性面からコントロールするこ
とによりポリエステル繊維の物性を所望の範囲内とする
ことが初めて可能となり、上記目的が達成できることを
見出したものである。
すなわち、本発明の目的は アンチモンとして30〜150ppmのアンチモン化合物とゲ
ルマニウムとして5〜120ppmのゲルマニウム化合物とを
重合触媒に用いて得られたポリエステルからなり、か
つ、 カルボキシル末端基量([COOH])≦25eq/ton、 ジエチレングリコール含有量(DEG)≦1.3wt%、 極限粘度(IV)≧0.85、 中間伸度+150℃における乾熱収縮率=S<8%、 強伸度積 及び、 ターミナルモジュラス(TM)≦40g/d を同時に満足するゴム補強用ポリエステル樹脂により、
また、 アンチモンとして30〜150ppmのアンチモン化合物とゲ
ルマニウムとして5〜120ppmのゲルマニウム化合物とを
重合触媒に用いて得られたポリエステルであってかつ極
限粘度が1.0以上であるポリエステルを、高配向紡糸し
て配向度(Δn)が80×10-3以上の高配向未延伸糸と
し、次いで限界延伸倍率の0.93倍以下の倍率で延伸し、
210℃以上の温度で熱セットするゴム補強用ポリエステ
ル繊維の製造方法により達成できる。
本発明のポリエステルとはエチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とするポリエステルをさす。ポリエ
ステルとしては寸法安定性、強度の向上のために、副生
ジエチレングリコール以外の第3成分の添加や、共重
合、あるいは無機粒子等を実質的に含有しないポリエチ
レンテレフタレートであることが好ましい。
本発明のポリエステル繊維の寸法安定性を示す中間伸
度+乾熱収縮、すなわち寸法安定性(S)は8%未満で
ある必要がある。Sが8%以上では低収縮、高モジュラ
スのポリエステルコードは得られず、レーヨン代替は不
可能である。かかる観点からSは7.5%以下が好まし
い。
本発明のポリエステル繊維のタフネス を満足する高タフネス繊維でなくてはならない。一般に
寸法安定性(S)が小さくなるように高配向紡糸をして
いくとタフネス も顕著に低下してしまう。しかしながらタイヤコードと
しての耐疲労性は同一のタフネスにおいてはSが小さい
方が良い傾向にある。タイヤとしての耐久性を十分満足
するタフネスの限界は寸法安定性(S)が小さくなると
低くなる。すなわち寸法安定性(S)が小さいところで
は比較的低いタフネスでも耐久性が満足できるレベルに
至る。かかるタフネス の下限値は(2S+11)で表され、 とすることによりレーヨン代替を狙うようなSが小さい
領域であるならば十分な耐久性(耐疲労性)が達成でき
る。かかる観点から を満足する原糸を得ることについて検討した結果、この
原糸は、ポリエステル重合時の触媒組成を変更し特定す
ること等により得られることを見出した。
加えて本発明のポリエステル繊維のカルボキシル末端
基量(COOH)は25eg/ton以下である必要がある。[COO
H]が25eg/tonを越えるとゴム中の耐熱性が悪化し、タ
イヤコードとしての耐久性が不足する。[COOH]は21eg
/ton以下が好ましい。
さらに本発明のポリエステル繊維のジエチレングリコ
ール量(DEG)は1.3wt%以下である必要がある。DEGが
1.3wt%を越えると寸法安定性が悪化し、また耐久性が
不良となる。かかる観点からDEGは1.1wt%以下が好まし
く0.9wt%以下がより好ましい。
本発明のポリエステル繊維の極限粘度(IV)は0.85以
上である必要がある。IVが0.85未満ではいかなる条件を
採用しても耐久性が不十分である。かかる観点からIVは
0.9〜1.3が好ましい。
さらに本発明のポリエステル繊維のターミナルモジュ
ラスは40g/d以下である必要がある。ターミナルモジュ
ラスが40g/dを越えるといかにタフネスの高い原糸を得
ても加撚時に強力が低下してしまい、タイヤコードとし
てのタフネスが低下し耐久性が不良となる。かかる観点
からターミナルモジュラスは30g/d以下が好ましい。
本発明の如く が満足される高タフネスのポリエステル繊維は単に従来
公知の高速紡糸延伸法では到底得られないものである。
本発明の如く寸法安定性(S)が小さい領域でタフネ
スを向上させるる方策について鋭意検討した結果、高速
紡糸の如き配向結晶化の場ではその配向結晶化挙動を厳
密に制御することが重要であることがわかった。
かかるPOYの構造制御は従来、主として冷却条件の制
御を中心に行なわれていたが、より詳しく研究した結
果、ポリマを製造する際の触媒組成を変更し特定するこ
とにより、ポリマ中の粒子を著しく減少できること、
又、触媒組成を変更し特定することにより、POYの配向
性および結晶性を制御するというポリマ面からの改質も
可能であることがわかった。かかる触媒組成としては従
来のゴム補強材用途で例のないアンチモン化合物とゲル
マニウム化合物の併用系が有効である。
すなわちアンチモンとして30〜150ppmのアンチモン化
合物およびゲルマニウムとして5〜120ppmのゲルマニウ
ム化合物を重合触媒として使用することによって本発明
の目的を達成できたのである。
アンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化
アンチモンが好ましく、ゲルマニウム化合物としては二
酸化ゲルマニウムが好ましい。アンチモン化合物の量が
30ppm未満では重合反応性を保つためには併用するゲル
マニウム化合物を多量に用いなくてはならならずジエチ
レングリコール量が高くなり、寸法安定性が低下する。
アンチモン化合物の量が150ppmを越えると、併用するゲ
ルマニウム化合物を増量してもアンチモン化合物の還元
により生成する金属アンチモンの減少ははかれず、糸の
強度、タフネスの向上が図れないだけでなくゴム中の耐
熱性も低下する。またゲルマニウム化合物の量が5ppm未
満では、重縮合反応性を保つためには使用するアンチモ
ン化合物の量を150ppm以下にできない。又ゲルマニウム
化合物の量が120ppmを越えるとDEG量も高くなり寸法安
定性が悪化する。かかる観点からアンチモン化合物の量
はアンチモンとして40〜120ppmが好ましく、80〜120ppm
が更に好ましい。又、ゲルマニウム化合物の量はゲルマ
ニウムとして6〜30ppmが好ましい。
上述の如くポリマ重合時の触媒組成を制御して糸中の
欠陥を少なくすることがタフネス、耐久性の向上に有効
であるが、かかる改善はアンチモン化合物の還元により
析出する金属アンチモンの量を少なくできることによる
ものであり、繊維中の金属アンチモンの量は5ppm以下、
特に3ppm以下まで低減させることが本発明の効果をより
高めるために有効である。
以下に本発明のポリエステル繊維を工業的に得る方法
を述べる。
アンチモンとして30〜150ppmのアンチモン化合物およ
びゲルマニウムとして5〜120ppmのゲルマニウム化合物
を重合触媒として併用し、重縮合反応を行なう。この際
リン化合物としてリン酸を用い、かつリン酸を重縮合初
期で、アンチモン化合物とゲルマニウム化合物の添加以
前に添加することが好ましい。仕込み量、重合温度およ
び重合時間の各条件を適宜選択し、IV0.65以上、COOH≦
25eg/ton、DEG≦1.3wt%のポリエチレンテレフタレート
チップを得た。
かくして得たチップを常法に従がい、所望により固相
重合し、IV1.0以上のポリエチレンテレフタレートを得
た。
こうして得たチップを常法に従がい溶融紡糸し加熱筒
で徐冷した後、チムニー風で冷却固化しつつ引取る。こ
の際、紡糸機中の配管及びパック部品をクロムメッキ
し、アンチモン金属の析出(還元)を抑制することが好
ましい。又、過用のフィルターとして絶対過径30μ
以下の金属線(SUS)不織布を用いることが好ましい。
さらに固相重合に使用するチッ素や紡糸機内のチッ素中
のダスト量を極力減少するとともにチムニー風に用いた
空気の過を行ない、ダスト量を減少することがより好
ましい。かかる製糸方法により糸中に存在する異物数を
800ケ/mg以下、より好ましくは500ケ/mg以下のレベルに
保つことがタフネス、耐久性向上のため、好ましい方法
である。
かくして口金から吐出した糸条を配向度(Δn)が80
×10-3以上、好ましくは(Δn)が95×10-3以上となる
ように高配向紡糸する。(Δn)が80×10-3未満の高配
向未延伸糸(POY)では寸法安定性が劣る。この紡糸さ
れた高配向未延伸糸(POY)を、引続き又は一旦巻き取
った後ホットローラ延伸を行ない210℃以上の温度で熱
セットする。210℃未満の温度で熱セットすると寸法安
定性が劣る。この際延伸倍率は未延伸糸の破断延伸倍率
の0.93倍以下の倍率に設定することがターミナルモジュ
ラスを小さくでき、かつ繊維中のボイド等の欠陥が抑制
できるので好ましい。
以上の方法で本発明のポリエステル繊維が得られる
が、さらに寸法安定性を良好とし、かつタフネスを高め
るためPOYの配向結晶化特性を抑制することが重要であ
る。かかる制御のため有効なポリマ組成について研究し
た結果、リン化合物の種類、量、添加方法等が重要なフ
ァクターとなることを見出した。
リン化合物は一般にポリマの耐久性向上のため使用さ
れるが、イン化合物が上記の如く繊維の寸法安定性をタ
フネスの関係に影響するというのは正に驚くべき事実で
あり、本発明者らの研究の結果見出された新知見であ
る。
本発明者らの研究の結果、リン化合物としてはリン酸
を使用し、その適用量はリンとして10〜40ppm、かつ添
加時期は重縮合初期に添加することが好ましいことを見
出した。かかるリン化合物のコントロールにより同一の
寸法安定性に対する繊維のタフネスを高くできる。
すなわち が達成できる。かかるリン化合物が効果を発現する理由
については明確でないが、本発明者らはリン酸の如き3
官能リン化合物を適当量重合初期に添加することでリン
酸の増粘作用により紡糸時の繊維構造形成が抑制される
ためと推定している。
[実施例] 以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお実施例中の物性は次の様にして測定した。
A.ポリマ中及び繊維中の金属量(アンチモン、ゲルマニ
ウム、リン量など) 螢光X線法により求めた。
B.カルボキシル末端基量([COOH]) 試料0.5gをo−クレゾール10mlに溶解し、完全溶解後
冷却してからクロロホルム3mlを加え、NaOHのメタノー
ル溶液にて電位差滴定を行ない求めた。
C.DEG量 試料をアルカリ分解した後、ガスクロマトグラフィを
用いて定量した。
D.強度(T)、伸度(E)、中間伸度、ターミナルモジ
ュラス 東洋ボールドウイン社製テンシロン引張試験機を用
い、試長25cm、引取速度30cm/分でS−S曲線を求め強
度(T)、伸度(E)を算出した。
また同じS−S曲線から強度4.5g/dに対応する伸度を
読みとり中間伸度を求めた。ターミナルモジュラスは切
断伸度より2.4%を減じた点における応力と破断応力と
の差を2.4×10-2で除して求めた。
E.乾熱収縮率ΔSd 試料をかせ状にとり20℃、65%RHの温調室に24時間以
上放置したのち、試料の0.1g/dに相当する荷重をかけて
測定した長さl0の試料を、無張力状態で150℃のオーブ
ン中に15分放置したのち、オーブンから取り出し前記温
調室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて測定した長
さl1から次式により算出した。
ΔSd=(l0−l1)/l0×100(%) F.糸中異物数 試料を1本ずつに分割しスライドガラスに糸をたるま
ないよう張ってサンプリングした試料(長さ6cm)を、
オリンパス製光学顕微鏡(位相差法)を用い、倍率200
倍でスキャンし、糸中異物の数をカウントする。測定を
N数5で行ない平均値X(ケ/6cm)を求め、この値をmg
あたりの異物数に換算する。
G.極限粘度(IV) 温度25℃においてオルソクロロフェノール(以下OCP
とする)10mlに対し試料0.8gを溶解し、オストワルド粘
度計を用いて相対粘度(ηr)を下式により求め、更に
IVを算出する。
ηr=η/η=t×d/t0×d0 IV=0.0242ηr+0.2634 η :ポリマ溶液の粘度 η0:溶媒の粘度 t :溶液の落下時間(秒) d :溶液の密度(g/cm3) t0 :OCPの落下時間(秒) d0 :OCPの密度(g/cm3) H.金属アンチモンの量 ポリマ40gをオルソクロロフェノール(OCP)500mlに
溶解し遠心分離(12,000rpm×2時間)後、洗浄、乾燥
する。得られた遠沈粒のスペクトルをX線回折装置によ
り測定し、スペクトルから金属アンチモンを定量する。
I.ゴム中の耐熱性 コードをゴム中に埋め込み、150℃、6時間加硫後の
強力保持率で評価した。強力保持率60%以上を◎、50%
以上60%未満を○、50%未満を×とした。
J.耐疲労性(GY寿命) ASTM−D885に準じチューブ内圧3.5kg/cm2、回転速度8
50rpm、チューブ角度90゜としてチューブの破裂時間を
求めた。評価は従来のタイヤコード(東レ(株)製1000
−240−703M)比1〜3割アップを◎、従来タイヤコー
ド並〜1割アップを○、それより劣るものを×とした。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール50.
2部に酢酸マンガン4水塩0.035部を添加し、常法により
エステル交換反応を行なった。次いで得られた生成物に
リン酸を0.0091部(リンとして29ppm)加えた後、二酸
化ゲルマニウム0.0025部(ゲルマニウムとして17ppm)
を加え、さらに三酸化アンチモン0.0125部(アンチモン
として104ppm)加えて3時間10分重縮合反応を行なっ
た。(重合温度285℃)得られたポリマの極限粘度(I
V)は0.72、カルボキシル末端基量([COOH])は17.1e
g/ton、DEG量は0.7wt%であった。
該ポリマ中のアンチモン量は100ppm、ゲルマニウム量
は10ppm、リン量は20ppmであつた。また、ポリマ中に存
在する金属アンチモン(還元生成したもの)の量は0.3p
pmであった。
上述のポリマを160℃で5時間予備乾燥後225℃で固相
重合し、IV=1.35の固相重合チップを得た。このチップ
をエクストルーダ型紡糸機で紡糸温度295℃にて紡糸し
た。この際フィルターとして絶対過径15μの金属不織
布を用い、口金は0.6mmφの丸孔を用いた。又、ポリマ
配管及びパック部品のポリマと接触する部分にクロムメ
ッキをほどこすとともにホッパ内のチッ素、チムニー用
チッ素は全て1μのフィルターにて過して使用した。
口金から吐出した糸を長さ25cm、内径25cmφ、温度300
℃の加熱筒で徐冷後、チムニー冷却風をあて冷却固化さ
せ、給油した後表1に示す引取速度で引取った。得られ
た未延伸糸を延伸温度90℃、熱処理温度240℃で倍率、
リラックス率を変更し延伸糸を得た。延伸倍率はNo.1〜
3は限界倍率の0.88〜0.92倍に設定し、No.4は限界倍率
の0.95倍とした。
こうして製造したポリエステル繊維の糸中の異物数は
150ケ/mg〜450ケ/mgであり、IV0.98〜1.01、カルボキシ
ル末端基量は14eg/ton、DEGは0.7wt%であった。次にこ
の延伸糸に下撚をS方向に49T/10cm、上撚りをZ方向に
49T/10cmかけ生コードとした。
次にこのコードをリッラー社製のコンピュートリータ
を用いて2浴法にて接着剤をディップして処理コードを
作成した。
表1に原糸および処理コードの物性を示す。
表1から明らかなように未延伸糸のΔnが80×10-3
満のNo.1は寸法安定性(S=中伸+乾収)が8%を越
え、タイヤ性能(レーヨン代替可能性)が不満足なレベ
ルにあった。又、No.2と同一条件で延伸倍率を限界延伸
倍率の0.93倍より高くしたNo.4のターミナルモジュラス
が40g/dをこえた。このため原糸の強度は高いものの、
強力保持率が悪くディップコードの強度が低くなり耐疲
労性が不満足であった。POYのΔnを80×10-3以上と
し、寸法安定性が8%未満、強伸度積 ターミナルモジュラスが40g/d以下のNo.2、3がタイヤ
性能、耐疲労性、耐熱性とも良好なコードが得られた。
実施例2 使用する重合触媒の量を表2の如く変更する以外は実
施例1のNo.2と同一の条件で延伸糸、処理コードを得
た。延伸糸特性の結果を表2に、また処理コードの結果
を表3に示す。
表2、表3から明らかなようにSbとして30〜150ppmの
アンチモン化合物、Geとして5〜120ppmのゲルマニウム
化合物を用いたNo.2、6、7はCOOH、DEG量とも良好で
あり、得られる繊維も を満たしゴム中耐熱性、耐疲労性とも良好であった。
しかしSbとして150ppmを越えるアンチモン化合物を用
いたNo.5とNo.11はSbメタルが増加し繊維のタフネスが
低く、強伸度積T と満足しない。これらのNo.5とNo.11は耐疲労性が従来
品に比べ劣るものであった。又、Sbとして30ppm未満の
アンチモン化合物を用いたNo.8は重合反応性に劣り、CO
OHが増加し糸中のCOOH量が25eg/tonを越えた。このため
ゴム中の耐熱性が不良であった。
又、Sbとして30ppm未満のアンチモン化合物を用い、
ゲルマニウム化合物をGeとして120ppmより増加させたN
o.9はDEG量が1.3wt%を越えた。このため寸法安定性
(S)が大きくなり、 の要件も満たさなかった。No.9では耐疲労性、ゴム中の
耐熱性とも低下した。又、ゲルマニウム化合物量がGeと
して5ppm未満のNo.10は重合反応性が劣り糸中の(COO
H)が25eg/tnoを越え、耐熱性が不十分であった。
実施例3 重合時に使用するリン化合物を同一モル数のリン酸ト
リメチルを用いる以外は実施例1のNo.3と同一の条件で
延伸糸を得た。延伸糸の各物性を表4に示す。
リン種をリン酸からリン酸トリメチルにするだけで繊
維の寸法安定性が0.8%悪化した。このため寸法安定性
はほぼ同様であるがタフネスは劣るものである。すなわ
ち、リン酸トリメチル使いでは を満たさない。従って、No.12の耐疲労性は従来品に比
べ良好なレベルではあるもののNo.3より劣り、従来品と
の差は少なくなる。
[発明の効果] 本発明のポリエステル繊維は寸法安定性が従来品に比
べて著しく良好でかつタフネスも高いため、耐久性、耐
疲労性が良好なタフネスが得られる。特に本発明のポリ
エステル繊維はタイヤコードとした時その収縮率が低
く、レーヨンの代替が可能であるとともタイヤ製法工程
で行なわれているポストキュアインフレーション(PC
I)工程を簡略化できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−139816(JP,A) 特開 昭60−88120(JP,A) 特公 昭62−3170(JP,B2) 特公 昭59−48014(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンチモンとして30〜150ppmのアンチモン
    化合物とゲルマニウムとして5〜120ppmのゲルマニウム
    化合物とを重合触媒に用いて得られたポリエステルから
    なり、かつ、 カルボキシル末端基量([COOH])≦25eq/ton、 ジエチレングリコール含有量(DEG)≦1.3wt%、 極限粘度(IV)≧0.85、 中間伸度+150℃における乾熱収縮率=S<8%、 強伸度積 、及び、 ターミナルモジュラス(TM)≦40g/d を同時に満足することを特徴とするゴム補強用ポリエス
    テル繊維。
  2. 【請求項2】アンチモンとして30〜150ppmのアンチモン
    化合物とゲルマニウムとして5〜1200ppmのゲルマニウ
    ム化合物とを重合触媒に用いて得られたポリエステルで
    あってかつ極限粘度が1.0以上であるポリエステルを、
    高配向紡糸して配向度(Δn)が80×10-3以上の高配向
    未延伸糸とし、次いで限界延伸倍率の0.93倍以下の倍率
    で延伸し、210℃以上の温度で熱セットすることを特徴
    とするゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法。
JP1296587A 1989-11-15 1989-11-15 ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2887324B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1296587A JP2887324B2 (ja) 1989-11-15 1989-11-15 ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法
CA002045134A CA2045134C (en) 1989-11-15 1990-11-15 Rubber-reinforcing polyester fiber and process for preparation thereof
AU66426/90A AU635356B2 (en) 1989-11-15 1990-11-15 Rubber-reinforcing polyester fiber and process for preparation thereof
ZA909179A ZA909179B (en) 1989-11-15 1990-11-15 Rubber-reinforcing polyester fiber and process for preparation thereof
EP90916815A EP0454868B1 (en) 1989-11-15 1990-11-15 Rubber-reinforcing polyester fiber and process for preparation thereof
US07/721,545 US5242645A (en) 1989-11-15 1990-11-15 Rubber-reinforcing polyester fiber and process for preparation thereof
KR1019910700743A KR940002693B1 (ko) 1989-11-15 1990-11-15 고무 보강용 폴리에스테르 섬유 및 이의 제조방법
PCT/JP1990/001491 WO1991007529A1 (en) 1989-11-15 1990-11-15 Rubber-reinforcing polyester fiber and process for preparation thereof
DE69028693T DE69028693T2 (de) 1989-11-15 1990-11-15 Kautschuk verstärkende polyesterfaser und verfahren zu ihrer herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1296587A JP2887324B2 (ja) 1989-11-15 1989-11-15 ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10323092A Division JP3141862B2 (ja) 1998-11-13 1998-11-13 タイヤコードおよびタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03161508A JPH03161508A (ja) 1991-07-11
JP2887324B2 true JP2887324B2 (ja) 1999-04-26

Family

ID=17835477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1296587A Expired - Lifetime JP2887324B2 (ja) 1989-11-15 1989-11-15 ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2887324B2 (ja)
ZA (1) ZA909179B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101946032B (zh) * 2009-01-16 2013-03-20 帝人纤维株式会社 聚酯纤维及其制造方法、以及包含该聚酯纤维的轮胎帘线、轮胎、皮带增强用纤维材料及皮带

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2753978B2 (ja) * 1995-10-11 1998-05-20 東洋ナイロン株式會社 産業用ポリエステル繊維及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5948014A (ja) * 1982-09-14 1984-03-19 井関農機株式会社 苗移植機の植付装置
JPH0663128B2 (ja) * 1983-10-20 1994-08-17 旭化成工業株式会社 ゴム構造物補強用ポリエステル繊維及びその製造方法
JPS623170A (ja) * 1985-06-28 1987-01-09 Suzuki Motor Co Ltd 減圧始動装置
JPH01139816A (ja) * 1987-11-24 1989-06-01 Kanebo Ltd 複合繊維

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101946032B (zh) * 2009-01-16 2013-03-20 帝人纤维株式会社 聚酯纤维及其制造方法、以及包含该聚酯纤维的轮胎帘线、轮胎、皮带增强用纤维材料及皮带

Also Published As

Publication number Publication date
ZA909179B (en) 1991-09-25
JPH03161508A (ja) 1991-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10505640A (ja) ポリエステルフィラメント糸、ポリエステルタイヤコード及びその製造方法
JP3141862B2 (ja) タイヤコードおよびタイヤ
KR940002693B1 (ko) 고무 보강용 폴리에스테르 섬유 및 이의 제조방법
JP2887324B2 (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維およびその製造方法
JP2822503B2 (ja) 高タフネスゴム補強用ポリエステル繊維
JPH11107036A (ja) 高強度ポリエステル繊維およびその製造法
JP2775923B2 (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JP3649215B2 (ja) 高強度ポリブチレンテレフタレート系繊維の製造方法
JP2770509B2 (ja) ポリエステルディップコード
JP2000199127A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JP2629923B2 (ja) 高タフネスポリエステル繊維、およびそれからなるコードおよびタイヤ
JPH09256220A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JPH0790717A (ja) 高強度ポリブチレンテレフタレート系繊維
JPH04342602A (ja) 空気入りタイヤ
JP2000199126A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JPH09256221A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JP2001336026A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
KR960012825B1 (ko) 디핑(Dipping) 처리된 폴리에스터 코오드 및 그 제조방법
JPH03185141A (ja) ゴム補強用ポリエステルディップコード
JP4108873B2 (ja) ポリエステル繊維
JPH0434014A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法
JP2001336027A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JPH07166419A (ja) ポリエステル繊維
JPH0625916A (ja) シートベルト用ポリエステル繊維
JPH0323648B2 (ja)