JP2753978B2 - 産業用ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

産業用ポリエステル繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ及びベルト等
のゴム製品の補強材として有用な高強力の特性を有する
とともに高モジュラス(High Modulus)及び低収縮特性
を有して寸法安定性でも優秀なディップコード(Dipped
Cord :D/C)とその製造に使用される原糸及びその
製造方法に関するものである。より詳しくは紡糸工程に
おいてポリマーの固有粘度(IV)を特別に高めなく低
温で溶融圧出することにより溶融紡糸工程中のポリマー
固有粘度の低下を極小化した後、2000m/min以
上の高速に巻取して未延伸糸を作り、ゴデット(Godet
)ローラーを用いてすぐ3段延伸を行うことにより撚
糸及びディップ工程を経たディップコードが高強力と優
秀な寸法安定性を有するようにするポリエステル繊維及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、タイヤ及びベルト等のゴム製品の
補強材として広く使用されているE−S(中間伸度+収
縮率)7.0〜8.0%程度の寸法安定性の優秀なHM
LS(High Modulus Low Shrinkage:高モジュラス低収
縮)ディップコード製造用原糸はポリエステルポリマー
溶融物をノズルを通じて圧出した後、2000m/mi
n以上の高速に巻取して未延伸糸の複屈折率が少なくと
も30×10-3以上となるようにし、その未延伸糸をゴ
デットローラーを用いて直接延伸する方法により製造さ
れている。しかしながら、このような高速紡糸(POY
紡糸)により収得された未延伸糸は未延伸配向が高くて
高倍率の延伸が行われなくて高強力の発現が難しくなる
(日本特公昭63−528号)。
【0003】高強力化のために紡糸ノズル直下雰囲気温
度でヒーターで加熱して未延伸配向を低めてから高倍率
の延伸を行うか、紡糸速度を低速にして未延伸配向を低
めてから高倍率の延伸を行う方法が使われるが、この方
法は収縮率が上昇して最終ディップコードの寸法安定性
が不良になるばかりでなく撚糸熱処理工程を経る間に強
力の低下が大きくて有用な方法ではない。
【0004】現在、HMLS原糸の強力を高める有用な
方法として、ポリエステルチップ(Chip)の固有粘度を
少なくとも1.2以上に高めて紡糸する方法が用いられ
ている(日本特開平1−282306号、日本特開平2
−41413号)。
【0005】これはチップの粘度を高めると、紡糸張力
の増加により未延伸糸の配向が増加してディップコード
の優秀な寸法安定性が維持でき、原糸の構造的に結晶と
結晶を連結するタイチェーン(Tie Chain )の形成が大
きくなって低延伸比でも高強力を発揮し得ることになる
ためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
ステルチップの粘度を高めるための固相重合を行うこと
にあって、粘度を高めるほどにチップの表面部分(Sk
in部)とチップ中心部分(Core部)との固有粘度
差が大きくなって、ポリマー粘度不均一による紡糸
低下だけでなく紡糸中に高温度で溶融させて紡糸すべき
であるため、熱による熱分解及び加水分解等が大きくな
って、実際紡糸された繊維はチップの粘度を高めた程度
に固有粘度が高くならなくてチップの粘度を必要以上に
高めるべきであるので、時間とエネルギー損失が大きく
なる問題点がある。特に、ポリマーの粘度不均一による
影響のため、繊維のフィラメントカット(cut)が多
くて外観が粗悪であり、工程性も不良である。
【0007】従って、本発明者は前記問題点を解決する
ため、紡糸作業性及び物性が優秀であり高強力及び低収
縮特性を有するディップコードに製造可能な産業用ポリ
エステル繊維を提供するために研究した結果、次のよう
な本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合触媒とし
てアンチモン化合物を、ポリマー中のアンチモン金属と
しての残存量が250〜400ppmとなるように添加
したポリエステルローチップを固相重合して固有粘度が
1.00〜1.15、水分率が30ppm以下である固
相重合ポリエステルチップを製造し、これを290〜3
00℃の低温で溶融し特殊パック内のノズルを通じて紡
糸した後、紡出されたフィラメントを2000〜240
0m/minの速度で巻取して、固有粘度が0.97〜
1.02、配向度が40〜50×10-3である未延伸糸
を作ってから連続して延伸することを特徴とする産業用
ポリエステル繊維の製造方法及びそれにより収得される
ポリエステル繊維を提供することである。また、本発明
の方法により、下記の条件を同時に満足する作業用ポリ
エステル繊維が得られる。固有粘度(I.V.):0.
97〜1.02、2強度:8.8〜9.3g/d、伸
度:11.5〜12.5%、非晶配向係数(fa):
0.70〜0.80、収縮率:6.0〜7.5%、Mi
(Initial Modulus) :100〜110g/d、Mt(Ter
mial Modulus) :20〜35g/d、結晶化度:47〜
51%、結晶大きさ:36〜45オングストローム。更
に産業用ポリエステル繊維を2プライにしてそれぞれ上
撚及び下撚を付与して撚糸してからディップ熱処理し
て、下記の条件を同時に満足するポリエステルディップ
コードが得られる。強度:6.8g/d以上、収縮率:
3.0〜4.5%、中伸:3.0〜4.0%。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。図1は本発明の工程概略図で、重合触媒
としてアンチモン化合物を、ポリマー中のアンチモン金
属としての残存量が250〜400ppmとなるように
添加した、固有粘度(IV)が1.00〜1.15であ
り、水分率が30ppm以下である固相重合したポリエ
ステルチップを溶融紡糸するにあって、溶融したポリマ
ー温度を290〜300℃の低温にして、紡糸工程中の
熱分解及び加水分解による粘度低下を最大限抑制し、特
殊パック1及びノズル2を通じて紡出糸の固有粘度が
0.97〜1.02となるようにする。紡出された糸4
はノズル直下クエチングゾーン3までのフード長さ
(L)を140〜220mm、その雰囲気温度を200
〜250℃にして通過急冷させ、油剤付与装置5でオイ
リングした後、5対のゴデットローラー6〜10を経て
延伸して最終原糸11を収得する。
【0010】本発明で使用するチップの水分率が30p
pm以上であると紡糸中に加水分解が多く起こって最終
的に得られる繊維の固有粘度が低くて高強力を発揮する
ことができなく、またチップ固有粘度(IV)が1.1
より大きいと低温紡糸により紡糸張力が過度に増加し
紡出された糸の断面が不均一であって紡糸中にフィラメ
ントカットが多く発生し、紡糸延伸作業性が不良にな
る。
【0011】本発明においてはアンチモン系触媒のみを
使用して重合するにあって、アンチモン化合物をポリマ
ー中のアンチモン金属としての残存量が250〜400
ppmとなるように添加する。この際、前記アンチモン
化合物の添加量が250ppm未満であると重合反応速
度が遅くて重合効率が低下し、その添加量が400pp
mを越えると重合後の触媒析出によりパック圧が上昇
し、ノズル汚染速度が増加する等により操業性が悪化す
る。
【0012】本発明では紡糸機内に特殊パック1を使用
し、図2に示すように、溶融されたポリマーをノズル2
を通じて圧出するにあって、ノズル2の上部パック1内
の上部分散板12でポリマーが流れる導管13内に三つ
以上のユニットを有するステティックミキサー14を設
置してポリマーが均等に混ぜ合わせられるようにしてポ
リマーの部位別溶融粘度の均一性を高めて紡糸作業性を
高める。ステティックミキサー14を設置しない場合に
は紡糸作業性が著しく低下し、フィラメントカットが多
く発生して高強力の原糸を生産しにくい。パック1内の
ステティックミキサー14はパック1内のフィルタリン
グのためのサンド層16下のポリマーが流れる導管13
内に設置され、各導管毎にステティックミキサー14の
ユニットが少なくとも三つ以上の複数に設置されなけれ
ばならない。ステティックミキサー14のユニットが二
つ以下であるとポリマーのミキシング効果が低下して紡
糸作業性または原糸外観における効果を発揮することが
できない。
【0013】本発明はノズル直下に別の加熱装置を設
せずノズル2直下温度を溶融点以上に加熱せず単にノ
ズル2直下でクエチングゾーン3までの距離、つまりフ
ード長さ(L)を140〜220mmに調節してノズル
2直下雰囲気温度を200〜250℃の低温にして、紡
出されたフィラメントをノズル2から溶出できるだけ
速く冷却して固化点を高める。
【0014】このようにノズル2直下雰囲気温度を低め
ることで紡糸されたポリマーの固化点を高め紡糸張力を
高めることによりタイチェーンの形成及び未延伸配向を
高めて高強力及び寸法安定性の優秀な原糸が生産でき
る。
【0015】前記紡出されたフィラメントをゴデットロ
ーラー6〜10を用いて2000〜2400m/min
の速度で巻取して未延伸糸の配向度が40〜50×10
-3の範囲にあるようにするとともに、3段延伸を行うこ
とにより原糸11の製造が完成される。この際、未延伸
糸の配向度が40×10-3未満であるとディップ熱処理
時に強力の低下が大きくディップコードのE−Sが上昇
して寸法安定性が不良になって有用でなく、未延伸糸の
配向度が50x10-3を越える場合は作業可能な最大延
伸比が低くなって原糸の強力を十分に高めることができ
なくなる。
【0016】本発明で収得される最終原糸はその固有粘
度が0.97〜1.02、非晶配向係数(fa)0.7
0〜0.80、Mi(Initial Modulus )100〜11
0g/d、Mt(Terminal Modulus)20〜35g/
d、強度8.8〜9.3g/d、伸度11.5〜12.
5%、収縮率6〜7.5%、結晶化度47〜51%、結
晶大きさ36〜45オングストロームであるように延伸
比等を調節管理する必要がある。このような範囲の原糸
を使用する時、それから収得されるディップコードは強
度6.8g/d以上、収縮率3.0〜4.5%、中伸
(中間伸度)3.0〜4.0%を獲得して高強力及び寸
法安定性が優秀になる。
【0017】特に、Mtが35g/dを越えると糸及び
ディップコードの強力利用率が低くて有用でなく、20
g/d未満である場合は未延伸配向を高めるべきである
ので原糸強力を十分に発現し得なくなる。
【0018】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。実施例中の物性値は次の方法で測定した。 (1) 固有粘度(I.V.) フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタノール
を6:4(重量比)に混合した試薬(90℃)に試料
0.1gを90分間溶解させた後、ウッベローデ(Ubbe
lohde )粘度計に移して30℃の恒温槽で10分間維持
させ、粘度計とアスピレータ(Aspirator )を用いて溶
液の落下秒数を求める。ソルベントの落下秒数も上記の
ような方法で求めた後、次のようにR.V.値及びI.
V.値を計算した。 R.V.=試料の落下秒数/ソルベント落下秒数 I.V.=1/4×(R.V.−1/濃度CO3 )+3/4×
(lnR.V./濃度)
【0019】(2) 非晶配向関数(fa) fa=△n−fc・Xc・△nc/(1−Xc)・Δn
a ただし、Δn:複屈折、fc:結晶配向関数、Xc:結
晶化度、Δnc:結晶の固有複屈折(0.220)、Δ
na:非結晶の固有複屈折(0.275)
【0020】(3) Mi 引張試験のS−Sカーブ上で開始部の接線を描き勾配で
計算した。
【0021】(4) Mt S−Sカーブ上で切断伸度2.4%前の伸度でと切断伸
度間の強力の増加を求め、これをデニール(Denier)と
0.024で分けた値
【0022】(5) 延伸糸及びディップコード強度、伸度 標準状態(20℃、65%RH)で試料長250mm、
引張速度300mm/min、80TPMの条件で測定
した。
【0023】(6) 収縮率 試料を20℃、65%RHの標準状態下で24時間以上
放置した後、0.1g/dに相当する重量を計量しその
長さ(Lo)を測定した後、無張力下でドライオブンを
用いて原糸は150℃、ディップコードは177℃下で
30分間処理してから取り出し4時間以上放置してから
荷重を計測しその長さ(L)を測定して次の式で計算し
た。 ΔS%=(Lo−l)/Lo×100
【0024】(7) 結晶化度 密度勾配管を用いて試料の密度(ρ)を求めた後、次の
式で計算した。 結晶化度(%)=ρc /ρ×(ρ−ρa )/(ρ−
ρc ) ただし、ρ:試料の密度(g/cm3 )、ρc :結晶の
密度(1.455g/cm3 )、ρa :比結晶の密度
(1.335g/cm3
【0025】(8) 結晶大きさ λ−1.5428オングストロームのX−rayを用い
て広角X線回折分析して得られた回折パターンで(10
0)回折ピークを解釈して次の式で計算した。 結晶大きさ=Kλ/βcosθ ただし、K:Shrrer常数(0.9)、λ:X−r
ay波長(1.5428オングストローム)、β:半高
さ幅(Half Width)、θ:ブラッグ角(BraggAngle )
【0026】(9) 中伸 強伸度S−Sカーブ上で原糸は4.5g/dの荷重での
伸度、ディップコードは2.25g/dの荷重での伸度
【0027】実施例1〜4及び比較例1〜12 重合触媒としてアンチモン化合物を、ポリマー中のアン
チモン金属としての残存量が360ppmとなるように
添加した固有粘度(IV)0.65の東洋ナイロン社製
ポリエステルローチップ(商品名:TOPLON)を固相重合
して下記表1〜3の各実施例及び比較例による粘度別固
相重合チップを作り、水分率を20ppmにし、圧出機
で溶融紡糸して紡糸導管を通過させた後、各導管毎に三
つのユニットを有するステティックミキサーを設置した
パックを通過させ500〜600g/minの吐出量で
ノズルを通じて紡糸した。ノズル直下長さ170mmの
フード部及び20℃、0.5m/secの風速を有する
クエンチング部を通過して固化させオイリングした後、
2100m/minの速度でゴデットローラーに巻取さ
せ他のゴデットローラーを用いて3段延伸を行った。次
いで、2%のリラクス(Relax )を付与してからワイン
ディングして1000デニール原糸を製造した。製造さ
れた原糸2本を470TPMで上撚及び下撚を付与して
2プライ撚糸しRFL(Resorcinol Formalin Latex )
にディップした後、240℃で熱処理してディップコー
ドを製造し、原糸及びディップコードの物性を評価して
下記表1、2及び3に整理した。
【0028】
【表1】
【表2】
【表3】
【0029】実施例5〜7及び比較例13〜17 重合触媒としてアンチモン化合物を、ポリマー中のアン
チモン金属としての残存量が360ppmとなるように
添加した固有粘度(IV)0.65のポリエステルロー
チップを固相重合してIV1.05の固相重合チップを
製造し、水分率を20ppmにし、溶融ポリマー温度2
95℃で圧出機で溶融紡糸して紡糸導管を通過させた
後、下記表4〜6の条件下で500〜600g/min
の吐出量でノズルを通じて紡糸した。以後、20℃、
0.5m/secの風速を有するクエンチング部を通過
して固化させオイリングした後、2100m/minの
速度でゴデットローラーに巻取させゴデットローラーを
用いて3段延伸を行った後、2%のリラクス(Relax )
を付与してワインディングして1000デニール原糸を
製造した。製造された原糸2本を470TPMで上撚及
び下撚を付与して2プライ撚糸しRFL(Resorcinol F
ormalin Latex )にディップした後、240℃で熱処理
してディップコードを製造し、原糸及びディップコード
の物性を評価して下記表4、5及び6に整理した。
【0030】
【表4】
【表5】
【表6】
【0031】実施例8〜10及び比較例18〜22 重合触媒としてアンチモン化合物を、ポリマー中のアン
チモン金属としての残存量が360ppmとなるように
添加した固有粘度(IV)0.65のポリエステルロー
チップを固相重合してIV1.05の固相重合チップを
作り、水分率を20ppmにし、溶融ポリマー温度29
5℃で圧出機で溶融紡糸して紡糸導管を通過させた後、
各導管毎に三つのユニットを有するステティックミキサ
ーが設置されたパックを通じて紡糸し、別の加熱装置が
ない長さ220mmのフード部(フード内雰囲気温度2
40℃)を通過させ、20℃、0.5m/secの風速
を有するクエンチング部を通過してポリマーを固化させ
てオイリングした後、各実施例及び比較例別に下記表7
〜9に示すように紡糸速度を異なるようにして巻取しゴ
デットローラーを用いて3段延伸し2%のリラクス(Re
lax )を付与しワインディングして1000デニール原
糸を製造した。製造された原糸2本を470TPMで上
撚及び下撚を付与して2プライ撚糸しRFL(Resorcin
ol FormalinLatex)にディップした後、240℃で熱処
理してディップコードを製造し、原糸及びディップコー
ドの物性を評価して下記表7〜9に整理した。
【0032】
【表7】
【表8】
【表9】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により低温
紡糸が可能になるのでポリマーチップの固有粘度を一般
紡糸時より高める必要を無くしてチップの固有粘度を要
求する水準に高めるために所要される固相重合時の時間
とエネルギーを減少させるばかりでなく、特に固相重合
時の欠点であるチップ内部と外部の粘度差を減らすこと
によりポリマー粘度均一度を高めて作業性及び物性を向
上させる効果が得られる。
【0034】また、本発明はノズル上部パック内にステ
ティックミキサーを設置しポリマーを均等に混ぜ合わせ
て、紡糸延伸時のフィラメントカットによる作業性及び
物性低下を防止し、ノズル直下の温度を250℃以下の
低温に維持してポリマーを速く固化させながら2000
m/min以上の高速に巻取することにより未延伸配向
が極大化されるようにして、比較的低い延伸比でも高強
力を発揮することができることになる。
【0035】本発明により製造された原糸は8.8g/
d以上の高強度及び低収縮率を有するとともにディップ
熱処理時にも強力の低下が小さいので、この原糸を2プ
ライ(Ply )にしてそれぞれ上撚及び下撚を付与して撚
糸した後、ディップ熱処理したディップコードは高強力
を有するとともに低収縮の特性を有するので、タイヤ及
びベルト等のゴム製品の補強材としてまたはその他の産
業用として使用するのに大変有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程を示す概略図である。
【図2】紡糸パック内のステティックミキサーの設置図
である。
【符号の説明】
1:パック 2:ノズル 3:クエンチングゾーン 4:紡出糸 5:油剤付与装置 6〜10:ゴデットローラー 11:原糸 12:上部分散板 13:導管 14:ステティックミキサー 15:下部分散板 16:サンド層 L:フード長さ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合触媒としてアンチモン化合物を、ポリ
    マー中のアンチモン金属としての残存量が250〜40
    0ppmとなるように添加したポリエステルローチップ
    を固相重合して固有粘度が1.00〜1.15、水分率
    が30ppm以下である固相重合ポリエステルチップを
    製造し、これを290〜300℃の低温で溶融しパック
    内のノズルを通じて紡糸した後、紡出されたフィラメン
    トを2000〜2400m/minの速度で巻取して、
    固有粘度が0.97〜1.02、配向度が40〜50x
    10-3である未延伸糸を作ってから連続して延伸するこ
    とを特徴とする産業用ポリエステル繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】前記パックはポリマー分散板の各々の導管
    内に少なくとも三つ以上のユニットを有するステティッ
    クミキサーを設置したことを特徴とする請求項1記載の
    産業用ポリエステル繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】前記パック内のノズルを通じて紡糸するに
    あって、ノズル直下雰囲気からクエンチングゾーンまで
    の距離を140〜220mmにし、ノズル直下雰囲気温
    度を200〜250℃にし紡出されたフィラメントを急
    速冷却して製造することを特徴とする請求項1又は2記
    載の産業用ポリエステル繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3の方法により製造され、下記の条
    件を同時に満足することを特徴とする作業用ポリエステ
    ル繊維。 1固有粘度(I.V.) :0.97〜1.02 2強度 :8.8〜9.3g/d 3伸度 :11.5〜12.5% 4非晶配向係数(fa) :0.70〜0.80 5収縮率 :6.0〜7.5% 6Mi(Initial Modulus) :100〜110g/d 7Mt(Termial Modulus) :20〜35g/d 8結晶化度 :47〜51% 9結晶大きさ :36〜45オングストローム
  5. 【請求項5】請求項4の産業用ポリエステル繊維を2プ
    ライにしてそれぞれ上撚及び下撚を付与して撚糸してか
    らディップ熱処理して製造され、下記の条件を同時に満
    足することを特徴とするポリエステルディップコード。 1強度 :6.8g/d以上 2収縮率:3.0〜4.5% 3中伸 :3.0〜4.0%
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