JP2000199126A - ゴム補強用ポリエステル繊維 - Google Patents

ゴム補強用ポリエステル繊維

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JP2000199126A
JP2000199126A JP11001527A JP152799A JP2000199126A JP 2000199126 A JP2000199126 A JP 2000199126A JP 11001527 A JP11001527 A JP 11001527A JP 152799 A JP152799 A JP 152799A JP 2000199126 A JP2000199126 A JP 2000199126A
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antimony
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polyester fiber
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Minoru Uchida
実 内田
Kenichi Tsutsumi
賢一 堤
Masatoshi Aoyama
雅俊 青山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度で、寸法安定性および耐久性に優れたゴ
ム補強用ポリエステル繊維の提供。 【解決手段】アルミニウム原子として2〜120ppm
のアルミニウム化合物およびアンチモン原子として15
0〜400ppmのアンチモン化合物を含有したポリエ
ステルからなり、寸法安定性(中間伸度+乾熱収縮率)
が8〜12%であるゴム補強用ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム補強用ポリエ
ステル繊維に関するものである。更に詳しくは、従来品
に比べて高強度であり、寸法安定性および耐久性に優れ
たゴム補強用ポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は機械的性質・寸法安
定性・耐久性に優れるため衣料用だけでなく、タイヤ、
ベルト、ホース等のゴム製品の補強用材料として産業用
途にも幅広く用いられている。なかでもタイヤコードな
どのゴム補強用途ではその特徴を生かし多量に利用され
ている。従来、タイヤコード用途では低配向の未延伸糸
を高倍率延伸した高強度の原糸が使用されていたが、近
年は比較的高配向の未延伸糸(いわゆるPOY)を延伸
して得た原糸が使用されるようになった。これは強度を
若干犠牲にしてでもコードの寸法安定性を良くし、タイ
ヤ性能、特に均一性を向上させようというニーズから生
まれた技術(特開昭53−58031号公報)であり、
これが近年のタイヤコード技術の主流になっている。タ
イヤの性能をより向上させるため、従来から種々の提案
がなされている。寸法安定性を保持しながら、高強度、
高タフネスを有するタイヤコードの要求に対して、PO
Yを低速延伸する方法(特開昭57−154410号公
報、特開昭58−98419号公報)、さらに繊維の機
械的性質を高くする技術として、高配向紡糸した未延伸
糸を特定条件で延伸することにより高強度の原糸を得る
方法(特開昭60−88120号公報)についても提案
されている。
【0003】しかしながら、前記した従来の技術による
方法は寸法安定性の向上は一応認められるものの、強度
はまだ不十分なレベルであったり、タイヤコードの耐久
性の低下などを伴い、使用においてはまだ多くの問題点
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記従
来の問題を解消し、高強度であり、かつ、寸法安定性お
よび耐久性に優れたゴム補強用ポリエステル繊維を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のゴム補強用ポリエステル繊維は、主として次の
構成を有する。すなわち、アルミニウム原子として2〜
120ppmのアルミニウム化合物を含み、アンチモン
原子として150〜400ppmのアンチモン化合物を
重合触媒として用いたポリエステルからなり、寸法安定
性(中間伸度+乾熱収縮率)が8〜12%であるゴム補
強用ポリエステル繊維である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明者らは寸法安定性、耐久性を良好に
保ちつつ高強度化を実現するための要因について鋭意検
討を行なった結果、高強度化を阻害しているのは糸中の
欠陥、特に触媒に起因している粗大粒子であること、ま
た、これら粗大粒子のうちでも特に重合触媒として使用
するアンチモン化合物によるものが異物として強度に悪
影響を与えることを見出した。
【0008】一方、寸法安定性を向上させるためにはポ
リマ中の触媒に起因する粒子を単純に少なくするだけで
は不十分であり、該粒子を制御し、ポリマ中に微細な粒
子を存在させることによって紡糸時の配向特性をコント
ロールすることが有効であることがわかった。かかる微
細な粒子を制御するに有効な金属化合物について検討し
た結果、アンチモン化合物を重合触媒として用い、アル
ミニウム化合物を併用することが必要であることを見出
し、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は
重合触媒として使用するアンチモン化合物に起因する粒
子を制御し、微細な粒子を存在させたポリマを用いるこ
とが、高強度、高タフネス、寸法安定性および耐久性の
良好なゴム補強用ポリエステル繊維を安定した製糸状態
で得るために重要なのである。
【0009】本発明のポリエステル繊維に含まれるアン
チモン化合物の量は、アンチモン原子量として150〜
400ppm、好ましくは180〜350ppm、さら
に好ましくは200〜320ppmとするものである。
アンチモン化合物はポリエステルの重合触媒として用い
られるが、アンチモン量が150ppm未満では重合反
応性は不十分であるため、実用的な極限粘度とカルボキ
シル末端基量を有するポリマを良好な生産性で得ること
ができないだけでなく、紡糸時の配向結晶化挙動に影響
するアンチモン化合物に起因する粒子が少なくなるた
め、寸法安定性の低下やゴム中耐熱性、耐疲労性が不良
となる。また、強度、タフネスが低下する。一方、アン
チモン量が400ppmより多く存在していると、アン
チモン化合物による粗大粒子が生成するため繊維の強
度、タフネスが低下するだけでなく、ゴム中耐熱性や耐
疲労性が不良となる。
【0010】また、本発明のポリエステル繊維に含まれ
るアルミニウム化合物の量はアルミニウム原子量として
2〜120ppm、好ましくは5〜100ppm、さら
に好ましくは8〜80ppmとするものである。アルミ
ニウム量が2ppm未満ではアンチモン化合物とアルミ
ニウム化合物の併用による触媒起因粒子の微細化効果が
不十分となるため強度、タフネスの低下だけでなく、寸
法安定性の低下やゴム中耐熱性および耐疲労性が不良と
なる。一方、アルミニウム量が120ppmを越える
と、アルミニウム化合物に起因する粗大粒子が生成し、
繊維の強度、タフネスの低下だけでなく、ゴム中耐熱性
や耐疲労性も不良となる。
【0011】なお、本発明のポリエステル繊維に使用す
るアンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化
アンチモン、酢酸アンチモン等が使用されるが、これら
のうち特に三酸化アンチモンが好ましい。またアルミニ
ウム化合物は特に限定されない。具体的には、水酸化ア
ルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウ
ム等の無機アルミニウム化合物、酢酸アルミニウム、安
息香酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸ア
ルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等のカルボン酸
塩、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピ
レート、アルミニウムトリ−n−ブチレート、アルミニ
ウムトリ−sec−ブチレート、アルミニウムトリ−t
ert−ブチレート,モノ−sec−ブトキシアルミニ
ウムジイソプロピレート等の水酸基の水素をアルミニウ
ム元素で置き換えた構造の化合物であるアルミニウムア
ルコレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトア
セテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジ
イソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテー
トビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリ
ス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノイソプロ
ポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミ
ニウムアセチルアセトネート等のアルミニウムアルコレ
ートのアルコキシ基の一部又は全部をアルキルアセト酢
酸エステルやアセチルアセトン等のキレート化剤で置換
した化合物であるアルミニウムキレートが挙げられる。
中でも比較的安価で、分子量が低くアルミニウム原子の
含有比率の高い水酸化アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、水酸化塩化アルミニウム、酢酸アルミニウムが好ま
しく用いられる。
【0012】本発明において寸法安定性とは中間伸度と
乾熱収縮率との和をいう。本発明のポリエステル繊維の
寸法安定性は8〜12%、好ましくは8.5〜10%と
するものである。寸法安定性をこの範囲とすることによ
って、タイヤ成形時におけるタイヤの均一性を保持し、
強度、タフネスおよびゴム中耐熱性の点においてバラン
スの取れたゴム補強用資材として満足しうるようなコー
ドを得ることが可能となる。
【0013】また、本発明のポリエステル繊維のカルボ
キシル基末端量(以下、COOH基末端量)は25eq
/ton以下とするのが、ゴム中耐熱性や寸法安定性の
点で好ましい。
【0014】本発明のポリエステル繊維の極限粘度(以
下、IV)は0.85以上とするのが強度、タフネスお
よび耐久性の点で好ましく、0.90以上がより好まし
い。なお、製糸性など操業性における安定性からIVは
1.3以下が好ましい。
【0015】本発明のポリエステル繊維のタフネス(強
度Tと伸度Eの平方根の積T・E1/ 2で定義される)は
30以上、さらには32以上が好ましい。かかる範囲と
することで十分な強度、耐久性が満足できるタイヤコー
ドが得られる。
【0016】本発明におけるポリエステルは、ポリエチ
レンテレフタレート(以下、PET)またはポリブチレ
ンテレフタレートを主体とするものが好ましく、PET
が更に好ましいものであるが、そのジカルボン酸成分の
一部をイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエ
タンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、ドデカンジカルボン酸等の一種またはそれ以上で
置換したものでもよい。また、グリコール成分の一部を
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等で置き換えてもよい。
【0017】更に、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カル
シウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、カ
ーボンブラック等の顔料のほか、従来公知の着色防止
剤、安定剤、抗酸化剤等の添加剤を含有しても差支えな
い。
【0018】また、本発明のポリエステルには上記の改
質ポリエステル樹脂を2種類以上ブレンドしてもよく、
更にはポリアミド、ポリエステルアミド、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、各種ゴム、
ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリレートな
どの樹脂を少量ブレンドしたものでもよい。
【0019】本発明のゴム補強用ポリエステル繊維は、
例えば以下の方法によって得られる。 テレフタル酸ジ
メチルを出発原料とするDMT法においては、エステル
交換触媒としてマンガン化合物、重合触媒としてアンチ
モン化合物を用い、アルミニウム化合物を併用して重縮
合反応を行なうのが好ましい。また、テレフタル酸を出
発原料とする直接重合法では、ビス(ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートに重合触媒としてアンチモン化合物
を用い、アルミニウム化合物を併用して重縮合反応を行
なうのが好ましい。重縮合に際しては、仕込み量、重合
温度、重合時間を適宜選択し、極限粘度0.65以上、
COOH末端基量≦25eq/tonのPETチップを得る。
【0020】かくして得られたチップを常法に従って固
相重合し、極限粘度1.1以上とした後、溶融紡糸し、
口金から吐出した糸条を加熱帯で徐冷した後、チムニー
風で冷却固化させ、引取る。なお、得られるポリエステ
ル繊維の寸法安定性の面から1000m/分以上で引取
るのが好ましく、2000m/分以上で引取るのがより
好ましい。
【0021】この際、紡糸時の滞留時間、紡糸温度をコ
ントロールし、COOH末端基量が25eq/ton以下の糸
条を得る。
【0022】なお、低カルボキシル化剤等の添加剤は製
糸性の悪化、物性低下(強度低下)をもたらす場合があ
るので本発明においては使用しないことが好ましい。
【0023】引き続き、または一旦巻き取った後に定法
に従い、延伸・熱処理を行ないポリエステル延伸糸、す
なわち、本発明のゴム補強用ポリエステル繊維を得るこ
とができる。
【0024】かくして得た本発明のゴム補強用ポリエス
テル繊維をゴム補強に供するには、定法に従い10cm
あたり、30〜60回の撚り(下撚り)をかけた後、複
数本合糸し、反対方向に10cmあたり30〜60回の
撚り(上撚り)をかけ、コードとする。次いでこのコー
ドを定法に従い接着剤処理して、処理コードを得る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の物性は次のとおり測定した。
【0026】(1)強伸度、中間伸度、タフネス (株)東洋ボールドウイン製テンシロン引張試験機を用
い、試長25cm、引取速度30cm/分でS−S曲線
を求め強伸度を算出した。また、同じS−S曲線から強
度4.5g/dに対応する伸度を読みとり中間伸度を求
めた。タフネスは破断時の強度T(g/d)と伸度E
(%)からT・E1/2により求めた。
【0027】(2)乾熱収縮率 試料をかせ状にとり、20℃、65%RHの温調室に2
4時間以上放置したのち、試料の0.1g/dに相当す
る荷重をかけて測定された長さl0 の試料を無張力状態
で150℃のオーブン中に30分放置した後、オーブン
から取り出して前記温調室で4時間放置し、再び上記荷
重をかけて測定した長さl1から次式により算出した。 乾熱収縮率={(l0−l1)/l0}×100(%) (3)ポリマ中および繊維中の金属量 蛍光X線法により求めた。
【0028】(4)極限粘度(IV) 温度25℃においてオルソクロロフェノール(以下、O
CP)10mlに対し試料0.8gを溶解し、オストワ
ルド粘度計を用いて相対粘度(ηr)を下式により求
め、IVを算出する。 ηr=η/η0 =t×d/t0 ×d0 IV=0.0242ηr+0.2634 式中、η:ポリマ溶液の粘度、η0 :OCPの粘度、
t:溶液の落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/cm
3)、t0 :OCPの落下時間(秒)、d0:OCPの密
度(g/cm3 )。
【0029】(5)COOH末端基量 試料0.5gをo−クレゾール10mlに溶解し、完全
溶解後冷却してからクロロホルム3mlを加え、NaO
Hのメタノール溶液にて電位差滴定を行ない求めた。
【0030】(6)ゴム中耐熱性 コードをゴム中に埋め込み、150℃、6時間加硫後の
強力保持率で評価した。強力保持率70%以上を◎、6
0%以上70%未満を○、60%未満を×とした。
【0031】(7)耐疲労性(GY寿命) ASTM−D885に準じ、チューブ内圧3.5kg/
cm2 、回転速度850rpm、チューブ角度を90°
としてチューブの破裂時間を求めた。従来のタイヤコー
ド(東レ(株)製1000−240−703M)に比べ
10〜30%向上した場合を◎、従来品並み〜10%向
上した場合を○、従来品より劣る場合を×として評価し
た。
【0032】(実施例1〜4)テレフタル酸ジメチル1
00部とエチレングリコール60部に酢酸マンガン4水
塩0.038部を添加し、常法によりエステル交換反応
を行なった。得られた生成物にリン酸0.014部を加
えた後、三酸化アンチモン0.03部、酢酸アルミニウ
ム0.024部を加え、重合温度285℃にて重縮合反
応を行なった。得られたポリマは、極限粘度0.70、
COOH末端基量18.8eq/tonであり、ポリマ中のア
ルミニウム量は34ppm、アンチモン量は250pp
mであった。このポリマを160℃で5時間予備乾燥
後、225℃で固相重合し、極限粘度1.29のPET
固相重合チップを得た。この固相重合後のチップをエク
ストルーダー型紡糸機で紡糸した。紡糸は直径0.6m
mφの吐出孔の口金から吐出した紡出糸を長さ300m
m、温度300℃の加熱筒で徐冷した後、18℃の冷風
をあてて冷却固化させ、表1に示す引取速度で引取っ
た。このようにして得られた未延伸糸を延伸温度85
℃、熱処理温度240℃で倍率・リラックス率を変更し
て、表1に示す1000デニール・240フィラメント
の延伸糸を得た。こうして製造したポリエステル繊維の
IVは0.96〜1.07、COOH末端基量は17.
6〜19.2eq/tonであった。
【0033】この延伸糸に下撚りをS方向に49T/1
0cm、上撚りをZ方向に49T/10cmかけコード
とした。次にこのコードをリッラー社製コンピュートリ
ータを用いて接着剤処理し、処理コードを作製した。表
1に原糸および処理コードの物性を示す。
【0034】
【表1】 表1から明らかなとおり、本発明の範囲内である実施例
1〜4は高強度、高タフネス(T・E1/230以上)で
あり、耐疲労性およびゴム中耐熱性が良好である。
【0035】(実施例5)実施例3と同様にして固相重
合後のチップを紡糸温度、滞留時間を変えて紡糸し、C
OOH末端基量の異なる糸を得た。表1に原糸および処
理コードの物性を併せて示す。本発明の範囲内である実
施例5は強度、タフネス、ゴム中耐熱性および耐疲労性
が良好である。
【0036】(実施例6)固相重合後のチップのIVを
変更し、実施例3と同様にして紡糸し、IVの異なる糸
を得た。表1に原糸および処理コードの物性を併せて示
す。本発明の範囲内である実施例6は強度、タフネス、
ゴム中耐熱性および耐疲労性が良好である。
【0037】(実施例7〜11および比較例1〜4)重
合触媒として使用する三酸化アンチモンと酢酸アルミニ
ウム量を変更した以外は実施例3と同様にして紡糸し、
得られた未延伸糸は実施例3と同様に延伸し、処理コー
ドを作製した。表2に原糸および処理コードの物性を示
す。
【0038】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の範囲内である実施例
7〜11は強度、タフネスが高く(T・E1/230以
上)であり、ゴム中耐熱性および耐疲労性に優れてい
る。しかしながら、アルミニウム量が2ppm未満の比
較例1は強度、タフネスが劣る。また、寸法安定性、ゴ
ム中耐熱性および耐疲労性が不良である。また、アルミ
ニウム量が120ppmを越える比較例2は強度、タフ
ネスが低く、ゴム中耐熱性および耐疲労性が劣り、耐久
性が不良であった。また、アンチモン量が400ppm
を越える比較例4は、比較例1と同様に強度、タフネス
が低く、ゴム中耐熱性、耐疲労性とも不良であった。な
お、アンチモン量が150ppm未満の比較例3は重合
反応性が劣るため、極限粘度0.65以上とするのに重
合時間は8時間以上かかっただけでなく、ゴム中耐熱性
および耐疲労性が不良である。また、強度、タフネスも
劣る。
【0039】(実施例12〜16)アルミニウム化合物
の種類を変更した以外は実施例1と同様に紡糸し、得ら
れた未延伸糸は実施例1と同様に延伸し、処理コードを
作製した。表3に原糸および処理コードの物性を示す。
【0040】
【表3】 表3から明らかなように、本発明の範囲内である実施例
12〜16は強度、タフネスが高く(T・E1/230以
上)であり、ゴム中耐熱性および耐疲労性に優れてい
る。
【0041】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は従来の問題
を解消し、高強度であり、かつ、寸法安定性および耐久
性に優れているので、ゴム補強用として好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム原子として2〜120ppm
    のアルミニウム化合物およびアンチモン原子として15
    0〜400ppmのアンチモン化合物を含有したポリエ
    ステルからなり、寸法安定性(中間伸度+乾熱収縮率)
    が8〜12%であることを特徴とするゴム補強用ポリエ
    ステル繊維。
  2. 【請求項2】極限粘度が0.85以上であることを特徴
    とする請求項1記載のゴム補強用ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】カルボキシル末端基量が25eq/ton以下で
    あることを特徴とする請求項1または2記載のゴム補強
    用ポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】強度T(g/d)と伸度E(%)の平方根
    の積で定義されるタフネスT・E1/2が30以上である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム
    補強用ポリエステル繊維。
  5. 【請求項5】アンチモン化合物が三酸化アンチモンであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴ
    ム補強用ポリエステル繊維。
  6. 【請求項6】アルミニウム化合物がアルミニウムの水酸
    化物、塩化物、水酸化塩化物および酢酸塩から選ばれた
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のゴム補強用ポリエステル繊維。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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