JPH1129629A - 共重合ポリエステル及びそれからなる弾性繊維 - Google Patents

共重合ポリエステル及びそれからなる弾性繊維

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JPH1129629A
JPH1129629A JP33581597A JP33581597A JPH1129629A JP H1129629 A JPH1129629 A JP H1129629A JP 33581597 A JP33581597 A JP 33581597A JP 33581597 A JP33581597 A JP 33581597A JP H1129629 A JPH1129629 A JP H1129629A
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mol
acid component
dicarboxylic acid
component
glycol
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JP33581597A
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Takashi Akita
隆 秋田
Takashi Nishiyama
尚 西山
Hideo Sakakura
秀夫 坂倉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性性能に優れ、かつ一般の熱可塑性重合体
と同様な成形工程によって容易に溶融賦形可能な共重合
ポリエステル及びそれからなる弾性繊維の提供。 【解決手段】 テレフタル酸と脂肪族ジカルボン酸とか
らなる酸成分、及び1,4−ブタンジオールと特定分子
量のポリテトラメチレングリコールとを主とするグリコ
ール成分から構成される共重合ポリエステルであって、
該ポリテトラメチレングリコール成分の含有量が9〜4
0重量%であり、融点が180℃以上である共重合ポリ
エステル並びにそれからなる弾性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共重合ポリエステ
ル及びそれからなる衣料用途あるいは産業資材用途等に
適した弾性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、弾性性能が要求される成形材
料用途あるいは繊維用途には、ポリウレタン系ポリマー
以外に、ポリエーテルエステルブロック共重合タイプの
ポリエステル系ポリマーが主に用いられてきた(例えば
特公昭56−38604号、特公昭63−17124
号、特公平2−15643号、特公平3−40732
号、特公平4−57773号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらポリエ
ーテルエステルブロック共重合タイプのポリエステル系
ポリマーは、弾性性能すなわち弾性回復率という点では
優れた特性を示すものの、基本的に多量のソフト成分を
含んだ高伸度タイプのポリマーであるために、用途によ
っては伸び過ぎるという問題があったり、また、耐熱
性、耐光性、対薬品性の点においても問題があった。
【0004】更に、これらポリマーを溶融紡糸して繊維
を製造しようとした際には、ポリマーそのものの物性が
通常のポリエステルとは大きく異なるために、巻取性が
悪化したり、断糸が発生したり、あるいはフィラメント
間の接着が生じるなどの工程安定性に劣るという問題も
あった。
【0005】本発明の目的は、弾性性能に優れるととも
に、一般の熱可塑性重合体の成形工程あるいは紡糸工程
によって容易に溶融賦形することが可能な共重合ポリエ
ステル及びそれからなる弾性繊維を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、特定成分を特定量
共重合したポリエステル系共重合ポリマーにおいて、比
較的少ないソフト成分含有量で良好な弾性性能を示すこ
と、特にこのポリマーからなるポリエステル繊維は良好
な弾性回復特性を示すことを見い出すとともに、このポ
リマーは一般の熱可塑性重合体の成形工程あるいは紡糸
工程を用いて容易に溶融賦形することが可能であること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の要旨は、85〜99モル
%のテレフタル酸成分と1〜15モル%の脂肪族ジカル
ボン酸成分とからなるジカルボン酸成分、及び1,4−
ブタンジオールと平均分子量400〜4000のポリテ
トラメチレングリコールとを主とするグリコール成分か
ら構成される共重合ポリエステルであって、該ポリテト
ラメチレングリコール成分の含有量が全ポリマーに対し
て9〜40重量%であり、融点が180℃以上であるこ
とを特徴とする共重合ポリエステル、及び、88〜98
モル%のテレフタル酸成分と2〜l2モル%の脂肪族ジ
カルボン酸成分とからなるジカルボン酸成分、及び1,
4−ブタンジオールと平均分子量400〜4000のポ
リテトラメチレングリコールとを主とするグリコール成
分とから構成される共重合ポリエステルであって、該ポ
リテトラメチレングリコール成分の含有量が全ポリマー
に対して9〜35重量%であり、融点が180℃以上で
ある共重合ポリエステルからなる弾性繊維であって、破
断伸度が100%以下、20%伸長時の弾性回復率が8
0%以上であることを特徴とする弾性繊維である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の共重合ポリエステルは、
特定のジカルボン酸成分と特定のグリコール成分とを共
重合させて得られるものである。
【0009】ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸
成分が全ジカルボン酸成分を基準として85〜99モル
%の割合で使用されるが、弾性繊維として使用する場合
には、88〜2モル%使用されることが好ましい。テレ
フタル酸成分としては、テレフタル酸あるいはテレフタ
ル酸ジメチル等のエステル形成性誘導体が使用される。
テレフタル酸成分の代わりにイソフタル酸等の他の芳香
族ジカルボン酸成分を共重合させることは、ポリマーの
結晶性を低下させ、その結果、繊維の弾性性能も低下さ
せるので、本発明においては好ましくない。
【0010】本発明の共重合ポリエステルには、もう一
つのジカルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸成分を
用い、これを共重合させる。脂肪族ジカルボン酸成分と
しては、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分が好
ましい。炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分の具
体例としては、コハク酸、アジピン酸、β−メチルアジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸及
びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。中で
も、アジピン酸は特に好ましく用いることができる。
【0011】脂肪族ジカルボン酸成分を共重合させるこ
とにより、得られる共重合ポリエステルの結晶化特性が
向上するとともに、弾性性能も向上する。特に、溶融紡
糸により繊維を製造する場合には、紡糸機に供する乾燥
チップに接着等の問題が生じることなく、ポリマーチッ
プの取扱性が向上するばかりか、最終的に得られる繊維
の弾性回復率が向上する。
【0012】脂肪族ジカルボン酸は、全ジカルボン酸成
分を基準として1〜15モル%用いるが、特に、弾性繊
維として使用する場合には2〜12モル%共重合させる
ことが好ましい。共重合量が1モル%未満であると、結
晶化特性向上効果や弾性特性向上効果が不充分であり、
また、共重合量が15モル%を超えると、ポリマーの結
晶性が次第に低下し、またそれ以上の弾性性能向上効果
はもはや期待できない。
【0013】ジカルボン酸成分には、テレフタル酸成分
及び脂肪族ジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分
を、本発明の目的を損なわない範囲で少量併用してもよ
い。本発明の共重合ポリエステルのジオール成分として
は、1,4−ブタンジオールとソフト成分を構成するポ
リテトラメチレングリコールとを主成分として用いる。
【0014】ジオール成分として1,4−ブタンジオー
ルを用いるのは、ポリエステルポリマーの結晶化速度を
向上させ、その結果として弾性性能を向上させるためで
ある。エチレングリコール等の他のグリコール成分を主
として用いた場合には、ポリマーの結晶化速度が充分で
なく、その結果、得られる溶融成形物あるいは繊維中の
結晶形成が不充分となり、最終的な成型物あるいは繊維
の弾性性能も不充分なものとなる。
【0015】ポリテトラメチレングリコールとしては、
平均分子量が400〜4000のものを用いるが、特に
平均分子量が800〜3000のものが好ましい。平均
分子量が400未満であると、充分な弾性性能が得られ
ず、また、平均分子量が4000を超えると、均一なポ
リマーが得られ難くなるばかりか、弾性回復率も低下す
る。なお、本発明においては、用いるポリテトラメチレ
ングリコールの平均分子量が400〜4000であれ
ば、平均分子量の値の異なる複数種のポリテトラメチレ
ングリコールを混合して用いてもよい。
【0016】ポリテトラメチレングリコール成分の含有
量は、全ポリマー重量に対して9〜40重量%であり、
弾性繊維として使用する場合には9〜35重量%である
ことが好ましい。9重量%未満であると、充分な弾性性
能が得られず、また、40重量%を超えると、弾性性能
は向上するものの、ポリマーの融点が低下し、耐熱性が
悪化するばかりか、溶融成形あるいは溶融紡糸における
工程安定通過性が悪化するので好ましくない。
【0017】本発明の共重合ポリエステルにおいては、
1,4−ブタンジオール及び平均分子量400〜400
0のポリテトラメチレングリコール以外に、全グリコー
ル成分の15モル%以内の範囲で、他の低分子量グリコ
ール成分が共重合されていてもよい。
【0018】他の低分子量グリコール成分としては、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオールまたはその他の低級ア
ルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(β−オ
キシエトキシ)ベンゼン、更には、2,2’−ビス[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、
2,2’―ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フ
ェニル]プロパン等のビスフェノール−Aのビスグリコ
ールエーテル等があげられる。
【0019】中でも、少量の2,2’―ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンを共重合さ
せることは、弾性性能を向上させる上で特に好ましい。
しかしながら、その共重合量は全ジオール成分に対して
2〜15モル%、好ましくは3〜10モル%とすべきで
ある。共重合量が15モル%を超える場合には、ポリマ
ーの熱安定性が低下するばかりか、溶融紡糸等の溶融賦
形における工程通過安定性が悪化するので好ましくな
い。
【0020】また、得られる共重合ポリエステルが実質
的に線状である範囲内で、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸等のポリカルボン酸型分岐剤、トリメチロールプロ
パンまたはそのエチレンオキサイド付加誘導体、ペンタ
エリスリトール、グリセリンまたはそのエチレンオキサ
イド付加誘導体等のポリオール型分岐剤が含まれていて
もよい。
【0021】更に、本発明においては、本発明の共重合
ポリエステル中に、ポリマーの熱安定性を向上させる目
的で、公知の安定剤、抗酸化剤等を少量添加配合するこ
と好ましい。
【0022】本発明の共重合ポリエステルに添加配合す
る安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、チ
オエーテル系化合物、リン系化合物等があげられるが、
ヒンダードフェノール系化合物の安定剤とチオエーテル
系化合物の安定剤を特に好ましく用いることができる。
リン系化合物の安定剤を用いる場合には、添加配合量の
増加に従って、本共重合ポリエステルを合成する際の重
合反応速度が次第に低下していくので好ましくない。
【0023】ヒンダードフェノール系化合物の安定剤と
チオエーテル系化合物の安定剤を本共重合ポリエステル
に添加配合するに際しては、各々単独で添加配合しても
よいが、得られるポリマーの耐熱性をより向上させる目
的で、両者を併用して使用することが好ましい。
【0024】本共重合ポリエステルへのこれら安定剤の
添加配合量は、共重合ポリエステルの重量に対し、各々
0.05〜0.5重量%であることが好ましく、0.1
〜0.4重量%であることがより好ましい。安定剤が少
なすぎるとポリマーの熱安定性が不良となり、また、多
すぎると最終的に得られる共重合ポリエステルの力学物
性が損なわれたり、溶融賦形の際の工程通過安定性を充
分に確保することが困難になる場合がある。
【0025】本発明の共重合ポリエステルの製造方法に
関しては、従来より工業的に広く用いられている各種の
製造方法を採用することができる。
【0026】例えば、テレフタル酸またはテレフタル酸
ジメチルと1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチ
レングリコール、必要に応じて他のジオール成分をエス
テル化あるいはエステル交換反応させ、更に脂肪族ジカ
ルボン酸成分を加え、高真空度で重縮合反応を行って所
望の重合度まで上げる方法、あらかじめブチレンテレフ
タレート系低重縮合物を合成し、この反応生成物に脂肪
族ジカルボン酸成分及びポリテトラメチレングリコー
ル、必要に応じて他のジオール成分を加えて重縮合させ
る方法、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと脂
肪族ジカルボン酸成分、及び1,4−ブタンジオール、
ポリテトラメチレングリコール、必要に応じて他のジオ
ール成分をエステル化またはエステル交換反応させ、更
に重縮合反応させる方法、あるいはあらかじめ脂肪族ジ
カルボン酸成分含有ブチレンテレフタレート系低重縮合
物を合成し、この反応生成物にポリテトラメチレングリ
コール、必要に応じて他のジオール成分を加えて重縮合
させる方法等を採用することができる。
【0027】本発明の共重合ポリエステルの合成に際し
ては、従来公知の任意のポリエステル合成用触媒を用い
ることができる。また、着色防止剤、エーテル結合副生
抑制剤、易滑剤、難燃剤、蛍光剤、その他の添加剤が適
宜含まれていてもよい。
【0028】以上のようにして得られた本発明の共重合
ポリエステルは、ポリマーの融点が180℃以上、好ま
しくは190℃以上であり、格別の手段を要することな
く、極めて容易に溶融賦形できるので、一般の熱可塑性
重合体の溶融成形方法、溶融紡糸方法に準じて、成形
体、繊維とすることができる。
【0029】本発明の繊維は、本発明の共重合ポリエス
テルを、従来より工業的に広く用いられている公知の任
意の溶融紡糸方法により製造することが可能である。溶
融紡糸の際には、本発明の共重合ポリエステルはフィラ
メント相互の融着が生じ難いので、通常のポリエステル
繊維と同様に、糸条及び単糸の大さを等を任意に設定す
ることが可能である。
【0030】本発明の共重合ポリエステルを溶融紡糸し
て得られる弾性繊維は、そのままでも充分な弾性性能を
有するが、弾性糸の使用目的に応じて更に延伸や熱処理
を施してもよい。
【0031】本発明の弾性繊維は、機械的特性に優れる
とともに、弾性回復率に優れる。すなわち、破断伸度が
200%以下であるとともに、20%伸長時の弾性回復
率が80%以上である。更に、これら特性は、高温での
各種熱履歴を受けた後でも低下しないので、各種衣料用
途や産業資材用途に有用である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の各特性値、判定値は、下記
の方法により測定したものである。
【0033】(極限粘度)試料を、フェノール/テトラ
クロルエタン(50/50)混合溶媒に溶解し、ウベロ
ーデ粘度計を用いて25℃において測定した値である。
【0034】(工程安定通過性)ポリマーの重縮合終了
後にポリマーを重合槽から吐出する際のカットチップの
融着状態及び溶融紡糸工程における巻取フィラメント間
の融着状態を観察して、以下の通り判定した。 ○:融着はなく、安定性は良好。 △:部分的に融着が観察される。 ×:頻繁に融着が生じ、安定性不良である。
【0035】(20%伸長時の弾性回復率)引張試験機
を用いて、試長L =10cmの繊維サンプルを、5
Kgの荷重下、10cm/分の速度で繊維サンプル試長
の20%、すなわち2cm伸長した。その直後に
荷重を同一連度で徐々に取り除いて、最終的に自由状態
になる繊維の長さL を測定し、次式により20%伸
長時の弾性回復率を求めた。
【0036】
【数1】 (20%伸長時の仕事回復率)20%伸長時の弾性回復
率の測定と同様の方法により、繊維の伸長曲線と収縮曲
線を描画し、次式により20%伸長時の仕事回復率を求
めた。
【0037】
【数2】
【0038】(実施例1)テレフタル酸ジメチル100
重量部、アジピン酸3.96重量部(全ジカルボン酸成
分に対して5.0モル%)、1,4−ブタンジオール6
8.4部、チタンテトラブトキシド0.09重量部をエ
ステル交換槽に仕込み、窒素雰囲気下140℃から22
0℃まで昇温して、生成するメタノールを系外へ留去し
ながらエステル交換反応させた。
【0039】エステル交換反応終了後、得られた反応生
成物に、平均分子量1000のポリテトラメチレングリ
コールを29.7重量部加えるとともに、ヒンダードフ
ェノール系安定剤として、テトラキス[メチレン(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメ
ート)]メタン0.25重量部、チオエーテル系安定剤
として、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)
プロピオネート]メタン0.25重量部を加え、過剰の
1,4−ブタンジオールを留去した後、重合槽に移液し
た。
【0040】引き続き、徐々に重合槽内を減圧してい
き、高真空下240℃にて重縮合反応を進行させ、極限
粘度1.21の共重合ポリエステルを得た。
【0041】このポリマーを常法によりチップ化、乾燥
し、孔径0.25mmの円形紡糸孔を12個有する紡糸
口金を通して、紡糸温度235℃にて溶融紡糸した。吐
出糸条を冷却気流で冷却固化した後、油剤を付与し、
1,200m/分の紡糸速度で巻取った。次いで、この
未延伸糸を、70℃の熱ローラーを介して各未延伸糸の
最大延伸破断倍率の70%延伸するとともに、130℃
の熱板に接触させて熱処理し、500m/分の速度で巻
取り、60デニール/12フィラメントの延伸糸を得
た。
【0042】繊維性能評価結果を表1に示した。
【0043】(実施例2〜11、比較例1〜4)各原料
の共重合量及び繊維のデニール/フィラメント数を表1
に記載のように変更した以外は実施例1と同様に実施し
た。原料の一部に2,2’−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]プロパンを用いる場合には、原
料仕込み段階においてテレフタル酸ジメチル等と同時に
加えた。繊維性能評価結果を表1に示した。
【0044】(実施例12)実施例1で合成した共重合
ポリエステルの空気中における熱分解温度と窒素雰囲気
中における熱分解温度を熱天秤により測定した。評価の
指標には、それぞれの雰囲気中における重量減少開始温
度と、5%重量減少開始温度及び10%重量減少開始温
度を用いた。結果を表2に記載した。
【0045】(実施例13)安定剤を全く添加配合せず
に、実施例1と同様の共重合ポリマーを合成しようとし
たが、重縮合の最終段階において攪拌トルクの上昇が頭
打ちとなり、所定トルクまで重縮合を進行させることが
できなかった。得られたポリマーの極限粘度を測定した
結果は1.19であり、実施例1の共重合ポリマーより
も低い値であった。
【0046】更に、得られた共重合ポリマーの耐熱性に
関して、実施例12と同様の測定を実施した結果、表2
に記載したように、重量減少開始温度が実施例1のポリ
マーよりもかなり低く、このポリマーは熱安定性に劣る
結果を示した。
【0047】尚、表1及び表2中の略号とその単位は以
下の通りである。 DMT:テレフタル酸ジメチル ADA:アジピン酸 1,4−BD:1,4−ブタンジオール PTMG:ポリテトラメチレングリコール(平均分子量
1000) BPE:2,2’−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]プロパン モル%1):全ジカルボン酸成分に対するモル% モル%2):全ジオール成分に対するモル% 重量%3):全ポリマー重量に対する重量% 安定剤H:テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン 安定剤S:テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチ
オ)プロピオネート]メタン
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、弾性性能に優れるとと
もに一般の熱可塑性重合体の成形工程あるいは紡糸工程
を用いて容易に溶融賦形することが可能な共重合ポリエ
ステル及び良好な機械的特性と弾性回復特性とを兼ね備
えたポリエステル弾性繊維が提供可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:13 5:372)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 85〜99モル%のテレフタル酸成分と
    1〜15モル%の脂肪族ジカルボン酸成分とからなるジ
    カルボン酸成分、及び1,4−ブタンジオールと平均分
    子量400〜4000のポリテトラメチレングリコール
    とを主とするグリコール成分から構成される共重合ポリ
    エステルであって、該ポリテトラメチレングリコール成
    分の含有量が全ポリマーに対して9〜40重量%であ
    り、融点が180℃以上であることを特徴とする共重合
    ポリエステル。
  2. 【請求項2】 共重合ポリエステル中に、ヒンダードフ
    ェノール系化合物の安定剤及び/またはチオエーテル系
    化合物の安定剤を0.5重量%以下含有する請求項1記
    載の共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】 脂肪族ジカルボン酸成分が、炭素数4〜
    12の脂肪族ジカルボン酸成分である請求項1又は請求
    項2記載の共重合ポリエステル。
  4. 【請求項4】 グリコール成分中に、更に2,2’−ビ
    ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパ
    ンが全グリコール成分に対して1〜15モル%の割合で
    含まれる請求項1ないし3いずれか1項に記載の共重合
    ポリエステル。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の共重合ポリエステルを
    紡糸して得られたことを特徴とする弾性繊維。
  6. 【請求項6】 88〜98モル%のテレフタル酸成分と
    2〜l2モル%の脂肪族ジカルボン酸成分とからなるジ
    カルボン酸成分、及び、1,4−ブタンジオールと平均
    分子量400〜4000のポリテトラメチレングリコー
    ルとを主とするグリコール成分とから構成され、該ポリ
    テトラメチレングリコール成分の含有量が全ポリマーに
    対して9〜35重量%であり、破断伸度が100%以
    下、20%伸長時の弾性回復率が80%以上である請求
    項5記載の弾性繊維。
  7. 【請求項7】 共重合ポリエステル中に、ヒンダードフ
    ェノール系化合物の安定剤及び/またはチオエーテル系
    化合物の安定剤を0.5重量%以下含有する請求項5又
    は請求項6記載の弾性繊維。
  8. 【請求項8】 脂肪族ジカルボン酸成分が、炭素数4〜
    12の脂肪族ジカルボン酸である請求項5ないし7いず
    れか1項に記載の弾性繊維。
  9. 【請求項9】 グリコール成分中に、更に2,2’−ビ
    ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパ
    ンが全グリコール成分に対して2〜15モル%の割合で
    含まれる請求項5ないし8いずれか1項に記載の弾性繊
    維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004051959A (ja) * 2002-05-30 2004-02-19 Toray Ind Inc 脂肪族ポリエステルフィルムおよび積層体
KR20170070419A (ko) * 2015-12-14 2017-06-22 주식회사 엘지화학 열가소성 엘라스토머 공중합체, 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 및 성형품
KR102030709B1 (ko) * 2018-10-04 2019-10-10 주식회사 티케이케미칼 폴리에스터계 열가소성 탄성섬유 제조장치
KR102231339B1 (ko) * 2019-09-25 2021-03-24 주식회사 티케이케미칼 에스터계 열가소성 탄성섬유의 제조방법
CN113755966A (zh) * 2021-09-24 2021-12-07 无锡市兴盛新材料科技有限公司 一种仿记忆纤维用pbt切片的制备方法

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