JP2624407B2 - 複合繊維 - Google Patents

複合繊維

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JP2624407B2
JP2624407B2 JP24022091A JP24022091A JP2624407B2 JP 2624407 B2 JP2624407 B2 JP 2624407B2 JP 24022091 A JP24022091 A JP 24022091A JP 24022091 A JP24022091 A JP 24022091A JP 2624407 B2 JP2624407 B2 JP 2624407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な複合繊維に関す
る。更に詳しくは、優れた弾性回復性能を有する布帛あ
るいは繊維構造体を製造するに適し、且つ耐候性、耐熱
性、耐塩素性といった耐久性の面でも優れた複合繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二種以上のポリマーを複合紡糸し
てなる二種以上のポリマーからなる複合繊維は種々提案
され、夫々の特性を生かして各種用途に使用されてい
る。例えば、弾性回復性能に優れたポリマーと通常の繊
維形成性ポリマーとからなる複合繊維は、伸長度が制限
された弾性糸として使用されている。しかし、かかる複
合繊維に用いられる弾性回復に優れたポリマーとして
は、一般にポリウレタンやポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体が採用されているため、裸糸のままで使用す
るには耐光性が劣り、通常は弾性糸に非弾性糸を巻き付
けたカバリング糸が用いられている。
【0003】また、繊維形成性ポリマーと該ポリマーよ
り低温度で溶融または軟化するポリマーとからなる複合
繊維は、熱接着性繊維として使用され、この時低融点ま
た低軟化点ポリマーが弾性ポリマーであれば、熱接着処
理して得られる繊維構造体が柔軟な弾性性能を示すとい
った特徴がある。しかしながら、通常熱接着処理は空気
中で行なわれるため、弾性ポリマーが酸化劣化したり、
場合によっては燃焼してしまったりする。このため、弾
性ポリマーの弾性回復性能を犠牲にして酸化劣化性を改
善したり、融点または軟化点を低下させて熱接着処理温
度を低下させる方法がとられているが、得られる繊維構
造体の弾性回復性能や耐熱性が低下するといった問題点
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する欠点がなく、弾性回復性能に優れた弾性糸と
しても、繊維構造体製造用の熱接着性繊維としても優れ
た性能を発揮することのできる、新規な複合繊維を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の芳香族ポリエ
ステルをソフトセグメントとするポリエステルブロック
共重合体を一方成分とする複合繊維が、前記諸問題点を
解決するものであることを見い出し、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち、本発明によれば、フタル酸類を
主たる酸成分とし炭素数6〜12の脂肪族α,ω―ジオ
ールを主たるグリコール成分とするポリエステルセグメ
ント(A)と、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし
炭素数2〜4の脂肪族α,ω―ジオールまたは1,4―
シクロヘキサンジメタノールを主たるグリコール成分と
するポリエステルセグメント(B)とからなり、下記
(a)及び(b)を満足する、融点が150〜220℃
のポリエステルブロック共重合体(I)と、(a)ポリ
エステルセグメント(A)を構成する成分を重縮合して
固有粘度0.4以上のポリエステルとした時の融点が5
0℃未満もしくは非晶性であること、(b)ポリエステ
ルセグメント(B)を構成する成分を重縮合して固有粘
度0.4以上のポリエステルとした時の融点が180℃
以上であること、テレフタル酸または2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸を主たる酸成分とし炭素数2〜4の脂肪
族α,ω―ジオールを主たるグリコール成分とするポリ
エステル(II)とからなる複合繊維であって、前記ポリ
エステルブロック共重合体(I)が該複合繊維の横断面
の5〜95面積%を占め、且つその少なくとも一部が繊
維表面に露出していることを特徴とする複合繊維、が提
供される。
【0007】本発明の複合繊維を構成する一方のポリエ
ステルブロック共重合体(I)は、フタル酸類を主たる
酸成分とし炭素数6〜12の脂肪族α,ω―ジオールを
主たるグリコール成分とするポリエステルセグメント
(A)と、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし炭素
数2〜4の脂肪族α,ω―ジオールを又は1,4―シク
ロヘキサンジメタノールを主たるグリコール成分とする
ポリエステルセグメント(B)、とからなり、融点が1
50〜220℃であることが大切である。
【0008】ここでポリエステルセグメント(A)に用
いられるフタル酸類とは、フタル酸、イソフタル酸及び
テレフタル酸等を例示することができるが、テレフタル
酸成分の割合が多くなると弾性回復性能が低下する傾向
にあるので40%以下、好ましくは10%以下とするの
が望ましい。また、脂肪族α,ω―ジオールとは一般式
HO(CH2 OHで表わされるものであって、炭素
数(n)が6未満の場合には弾性回復性能が低下する
し、一方12を越える場合には原料の入手が困難となる
だけでなく、弾性回復性能も低下する場合が多くなるの
で好ましくない。特に低温下での弾性回復性能が要求さ
れる場合には、上記nは8〜12が特に好ましい。
【0009】なお、ポリエステルセグメント(A)に
は、上記以外のジオール成分または酸成分を共重合して
もよいが、その共重合量は、全酸成分に対して40モル
%以下、好ましくは30モル%以下である。その際、ポ
リエステルセグメント(A)を構成する成分を重縮合し
て固有粘度が0.4以上のポリエステルとした時、その
融点が50℃未満もしくは非晶性である必要がある。こ
の融点が50℃以上となる場合には、弾性回復性能が低
下するため好ましくない。
【0010】かかる共重合成分としては、例えば長鎖脂
肪族ジカルボン酸又はポリ(オキシテトラメチレン)グ
リコールの如きポリエーテルグリコール(この場合には
ソフトセグメント(A)に対して40重量%以下)を用
いると弾性回復性能が向上し、一方2,6―ナフタレン
ジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸を用いると耐熱
性、耐加水分解性を低下させることなく弾性回復性能を
改善することができ、改良の目的により適宜選択するこ
とができる。
【0011】かかる共重合成分の割合が前記の40%を
越えて多くなると、弾性回復性能の低下、耐加水分解性
の低下、耐光性の低下等が起り、実用に耐えられなくな
るので好ましくない。
【0012】次にポリエステルセグメント(B)に用い
られる芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル
酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフ
ェニルジカルボン酸等が例示され、脂肪族α,ω―ジオ
ールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコールがあげられる。なか
でも、結晶性が良く結晶化速度も早くなるといった特徴
を有するので、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)
セグメント、ポリ(テトラメチレン―2,6―ナフタレ
ンジカルボキシレート)セグメント、及びポリ(1,4
―シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)セグメン
ト等が好ましく用いられる。
【0013】なお、ポリエステルセグメント(B)に
は、上記以外のジオール成分または酸成分を少量共重合
してもよいが、その共重合量は、全酸成分に対して30
モル%以下、好ましくは20モル%以下である。その
際、ポリエステルセグメント(B)を構成する成分を重
縮合して固有粘度が0.4以上のポリエステルとした
時、その融点が180℃以上、好ましくは200℃以上
であることが大切であり、これ未満にあっては弾性回復
性能が低下する傾向にある。
【0014】本発明で用いられるポリエステルブロック
共重合体(I)は、上記のポリエステルセグメント
(A)とポリエステルセグメント(B)とからなるが、
その割合は目的によって任意に変えることができる。す
なわち、一般に弾性回復性能を付与するにはA:Bを7
5:25〜30:70の範囲にすればよいが、特にゴム
弾性を望む場合にはA部分が多い75:25〜50:5
0とするのが望ましい(但し重量比)。
【0015】また、ポリエステルブロック共重合体の融
点は150〜220℃の範囲であることが望ましく、1
50℃未満では得られる複合繊維が膠着し易くなって取
り扱い性が低下したり、弾性回復性能が低下するので好
ましくない。一方、220℃を越えるものはポリエステ
ルセグメント(A)の部分を少なくしないかぎりは得難
いため、弾性回復性能が低下することとなって本発明の
目的は達成できなくなる。
【0016】以上に述べたポリエステルブロック共重合
体(I)は、例えば、上述のポリエステルセグメント
(A)あるいはポリエステルセグメント(B)の夫々単
独からなる高分子量ポリエステル(A′)及び(B′)
を、エステル交換反応せしめる(再分配反応せしめる)
ことにより容易に得ることができる。このエステル交換
反応せしめる方法としては、上記2種のポリエステルを
触媒の存在下、溶融混合せしめる方法が一般的である
が、この際、「どこまで反応させるか」及び「如何にし
てその状態で反応を停止させるか」の二点が重要なポイ
ントとなる。前者の点については、どのような特性を有
するポリマーが得たいかによって適宜変更することがで
きるが、そのための反応条件は、用いるポリエステル
(A′)、ポリエステル(B′)の種類、量、分子量等
によりことなり、また、撹拌状況、温度、触媒等種々の
因子によっても異なってくるので、一義的に定めること
は困難である。したがって、実際には、使用するポリマ
ー、組成、装置等が定まった後、目的とするポリエステ
ルブロック共重合体(I)の得られる反応条件を見出す
こととなる。
【0017】なお、このエステル交換反応せしめる際に
は、得られるポリエステルブロック共重合体の融点が、
用いたポリエステル(B′)の融点より2〜40℃低く
なるまで反応せしめることが肝要である。融点の低下が
2℃未満の場合にあっては、エステル交換反応が十分進
行しておらず、得られるポリマーはブロック共重合体と
いうよりもポリエステル(A′)とポリエステル
(B′)との混合物としての特性を示し、十分な弾性回
復性能を示さなくなる。一方、融点低下が40℃以上の
場合には、エステル交換反応が進行しすぎて、得られる
ブロック共重合体のポリエステルセグメント(B)の長
さが短くなりすぎ、結晶性が低下するとともに弾性回復
性能が不十分となって、実質的にはランダム共重合体と
同等になるので望ましくない。好ましくは、得られたポ
リマーを繊維となした際の50%伸長弾性回復率が80
%以上となるよう反応させるのが望ましい。
【0018】次に、「如何にしてエステル交換反応を停
止させるか」については、反応後のブロック共重合体を
直ちに成形する場合には必ずしも問題とはならないが、
例えば一度チップとなした後再度溶融して成形物となす
場合には、再溶融時にエステル交換反応が更に進行して
ブロック共重合体の性質が変わるので、エステル交換反
応を停止させておくことが望ましい。この反応を停止さ
せる方法としては、触媒を失活させる方法が一般的であ
り、例えばエステル交換反応触媒としてチタン又はスズ
触媒を用い、リン酸、亜リン酸、ホスフォン酸、ホスフ
ィン酸及びこれらの誘導体を添加して触媒能を失活させ
る方法が採用できる。
【0019】かくして得られるポリエステルブロック共
重合体(I)の固有粘度(オルトフェノール中35℃下
測定)は、0.4以上好ましくは0.6以上とすること
が望ましく、前記エステル交換反応時に使用するポリエ
ステル(A′)及び(B′)として固有粘度の高いもの
を用い、かつエステル交換反応時に両ポリマーが分解し
て重合度を低下させない条件で反応させることにより容
易に達成できる。すなわち、例えばエステル交換反応時
の反応温度をあまりに高くしすぎると熱分解が起るし、
反応雰囲気中に水分、グリコール成分等が共存すると加
水分解、グリコール分解等が起って、得られるブロック
共重合体の固有粘度は低下するので望ましくない。
【0020】本発明の複合繊維を構成する他方のポリエ
ステル(II)は、テレフタル酸または2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜4の脂
肪族α,ω―ジオールを主たるグリコール成分とするポ
リエステルであって、上記以外の酸成分及び/又はグリ
コール成分が全酸成分に対して20モル%以下共重合さ
れていてもよい。なかでも、その機械的特性及びコスト
の面からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0021】かかるポリエステル(II)の固有粘度は、
通常0.4〜1.0のものが使用できるが、この際、複
合繊維の一方成分であるポリエステルブロック共重合体
の溶融粘度(溶融紡糸温度下)と合わせておくことが、
紡糸安定性向上の面で特に好ましい。
【0022】なお、複合繊維を染色する必要がある場合
には、分散染料により染色することはできるが、ポリエ
ステルブロック共重合体(I)の部分が濃く染まり、ポ
リエステル(II)の部分が染まり難くなる上、染色堅牢
度も低い傾向があるので、イオン性染料可染化剤を共重
合しておくことが好ましく、例えば5―ナトリウムスル
ホイソフタル酸成分、5―ホスホニウムスルホイソフタ
ル酸成分がカチオン可染化剤として例示することができ
る。かかる可染化剤は、ポリエステルブロック共重合体
(I)、ポリエステル(II)のいずれにも共重合されて
いるのが望ましく、その共重合量は酸成分に対して0.
5〜5モル%、特に1〜3モル%が好ましい。
【0023】本発明の複合繊維は、以上に説明した融点
が150〜220℃のポリエステルブロック共重合体
(I)と、ポリエステル(II)とを複合紡糸したもので
ある。この場合、複合比率は前者が5〜95%、好まし
くは10〜90%(面積比率)であり、且つ少なくとも
前者の一部は繊維表面に露出していることが必要であ
る。ポリエステルブロック共重合体(I)が繊維表面に
露出していない場合には、本発明の目的は達成されなく
なるので好ましくない。かかる複合構造としては、例え
ばサイドバイサイドの貼合せ型、芯鞘型またはそれを偏
芯させた偏芯芯鞘型等の複合繊維を例示することができ
る。
【0024】複合紡糸された糸条は、次いで使用目的に
応じて延伸熱固定される。例えば、捲縮に基づく弾性回
復性能を利用する場合には、延伸倍率を大きくすること
が捲縮度向上に効果があるが、これを熱処理するに際し
ては捲縮発現性を低下させない条件で行なうことが好ま
しい。一方熱接着性繊維として使用する場合には、不織
布の形態に成形される場合が多いので、カード工程通過
性の良いことが大切となり、そのような捲縮状態のもの
が得られる条件に設定する必要がある。
【0025】さらに本発明においては、複合繊維の断面
形状は繊維軸方向に変動するものであっても良く、例え
ば、特開昭54―42415号公報及び特開昭55―5
1809号公報に提案されている如き、吐出断面積が異
なる1対の吐出孔を通して2つの流速差を有するポリマ
ー流を吐出し、口金直下で、吐出面積が大なる吐出孔か
ら吐出した低速重合体流(ポリエステルブロック共重合
体流)に、吐出面積が小なる吐出孔から吐出した高速重
合体流(ポリエステル(II)流)を衝突・振動させつつ
接合せしめてから、これを急冷して得られる複合繊維
は、弾性回復性能が良好なので特に好ましいものであ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明の複合繊維に用いられているポリ
エステルブロック共重合体(I)は、従来の弾性ポリマ
ーと比較して、耐光性、耐加水分解性、耐熱性、耐塩素
性等に優れているので、これらの特性を生かして、本発
明の複合繊維は様々の用途に展開することができる。
【0027】例えば、サイドバイサイド型に複合された
繊維は、捲縮に基づく優れた弾性回復性能を有するとと
もに、その耐光性、耐加水分解性、耐塩素性といった耐
久性に優れるといった特徴を有する。
【0028】また、熱接着性繊維として使用する場合に
は、ポリエステルブロック共重合体が耐熱酸化性に優れ
ているため、従来空気中で熱接着処理する際に問題とな
っていた熱劣化が起り難く、高温での熱接着が可能とな
る。このため、得られる繊維構造体の耐熱性(例えば高
温での耐ヘタリ性)が向上するといった特徴がある。し
かも熱接着性成分がポリエステルであるため、ポリエチ
レンテレフタレート等ポリエステル繊維との接着性が良
く、形態保持性及び弾性回復性能に優れた繊維構造体を
得るに適するといった特徴をも有する。
【0029】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお、固有粘度は、オルソクロロフェノール中3
5℃で測定した。
【0030】
【実施例1】 ポリエステルブロック共重合体の合成 ジメチルイソフタレートとテトラブチルホスホニウム5
―スルホイソフタル酸ジメチル(ジメチルイソフタレー
トに対し4モル%)と1,10―デカンジオール及びエ
チレングリコールとを、チタニウムテトラブトキサイド
(ジメチルイソフタレートに対して40ミルモル%)を
触媒としてエステル交換反応させた後、260℃高真空
下常法により重合させて固有粘度1.05のポリエステ
ル(A′)を得た。得られたポリエステルを加水分解後
ガスクロマトグラフィーでグリコール成分の共重合比を
測定したところ、1,10―デカンジオール:エチレン
グリコール=81:19(モル比)であった。
【0031】一方、ジメチルテレフタレートとテトラメ
チレングリコールとを、チタニウムテトラブトキサイド
(ジメチルテレフタレートに対して40ミルモル%)を
触媒として、上記と同様にエステル交換させた後重合さ
せて、固有粘度0.91、融点225℃のポリエステル
(高融点ポリエステル(B′))を得た。
【0032】次に、上記ポリエステル(B′)35重量
部を250℃で溶融後、ポリエステル(A′)65重量
部を添加して、1mmHg以下の高真空下250℃で40分
間撹拌反応させ、内部がやや透明になった時点で亜リン
酸(チタンに対して1.5モル倍)を添加した。
【0033】得られたブロック共重合体の固有粘度は
1.10であり、融点は193℃(示差査定熱量計に
て、昇温速度20℃/分で測定し、吸熱ピーク温度を求
めた)であった。
【0034】芳香族ポリエステルの合成 ジメチルテレフタレート、テトラブチルホスホニウム―
5―スルホイソフタル酸ジメチル(ジメチルイソフタレ
ートに対し4モル%)及びエチレングリコールを酢酸カ
ルシウムを触媒としてエステル交換反応させ、ほぼ理論
量のメタノールを留出させた後、リン酸トリメチルを添
加し更に酸化アンチモンを加えて徐々に減圧にし、28
5℃下重縮合反応を行なって固有粘度0.62のポリエ
チレンテレフタレート共重合体を得た。
【0035】複合繊維の製造 2基のスクリュー型押出機を有する複合繊維紡糸機の各
押出機に上記で得たブロック共重合体及び芳香族ポリエ
ステルを供給し、常法により貼合せ型複合繊維を得た。
この複合繊維を80℃の加熱ローラーを用いて4.1倍
に延伸し160℃で弛緩熱処理を行った。この複合糸は
面積比で約1:1のブロック共重合体と芳香族ポリエス
テルが存在しており、又捲縮のかかった糸であった。
【0036】この糸を編立てたところ伸縮性の良好な編
物が得られた。この編物を、120℃下カチオン染料S
uK Navy Blve S―2GL(住友化学製)
で1%owfになるように染色したところ、浴の色は殆
んどなくなり良好に染色された。次いで、キセノンテス
ターにより、この染色物の60℃での耐光性を測定した
ところ、約4級(JIS L-0843ブルースケール)の耐光性
を示した。また、この際、弾性回復性能の劣化は認めら
れず、且つこの編物を引き延しても特に白く見えるとこ
ろも認められなかった。
【0037】
【実施例2】 ブロック共重合体の合成 ジメチルイソフタレートと1,10デカンジカルボン酸
(酸成分に対し20モル%)と1,6ヘキサンジオール
を、ジブチルスズジアセテート触媒(ジカルボン酸成分
に対し80ミリモル%)の存在下加熱してメタノール及
び水を除去した後、260℃で減圧重縮合反応させて、
固有粘度0.90のポリエステル(A′)を得た。
【0038】このポリエステル(A′)60重量部と実
施例1で用いたと同じポリエステル(B′)40重量部
を、250℃下1mmHg以下の高真空下で撹拌し、20分
後内部が透明になった後更に5分間経過した時点でリン
酸のリン原子が(スズ原子数+チタン原子数)の2倍の
原子数になるよう添加撹拌した。得られたポリエステル
ブロック共重合体の固有粘度は0.95、融点は185
℃であった。
【0039】芳香族ポリエステルの合成 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールより実施
例1と同様にして固有粘度0.60のポリエチレンテレ
フタレートを得た。
【0040】複合繊維の製造 実施例1と同様の紡糸機を用い、上記ブロック共重合体
を鞘にし、芳香族ポリエステルを芯にした芯鞘複合繊維
を得た。この芯/鞘面積複合比は約50/50であり芯
は偏芯していた。この繊維を4.0倍に延伸し、繊維長
64mmに切断した後、140℃で熱処理して捲縮を発現
させた。得られた繊維の単糸繊度は6デニールであっ
た。
【0041】この複合繊維40重量%と通常の単糸繊度
6デニールで繊維長64mmの中空断面ポリエチレンテレ
フタレート短繊維60重量%とをカードにより混綿して
ウェッブとなした。次いで得られたウェッブを重ねて厚
さ5cm密度0.035g/cm3 になるようにし、220
℃で10分間熱処理をしてクッション材を得た。得られ
たクッション材は殆んど着色しておらず、白色で且つ弾
力に富むものであった。
【0042】このクッション材を70℃下厚さが半分に
なる迄圧縮して30分経過後、室温中に出し荷重を除い
て嵩回復性を測定したところ80%回復した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04B 1/16 D04B 1/16 21/00 21/00 B

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フタル酸類を主たる酸成分とし炭素数6〜
    12の脂肪族α,ω―ジオールを主たるグリコール成分
    とするポリエステルセグメント(A)と、芳香族ジカル
    ボン酸を主たる酸成分とし炭素数2〜4の脂肪族α,ω
    ―ジオールまたは1,4―シクロヘキサンジメタノール
    を主たるグリコール成分とするポリエステルセグメント
    (B)とからなり、下記(a)及び(b)を満足する、
    融点が150〜220℃のポリエステルブロック共重合
    体(I)と、 (a)ポリエステルセグメント(A)を構成する成分を
    重縮合して固有粘度0.4以上のポリエステルとした時
    の融点が50℃未満もしくは非晶性であること、 (b)ポリエステルセグメント(B)を構成する成分を
    重縮合して固有粘度0.4以上のポリエステルとした時
    の融点が180℃以上であること、 テレフタル酸または2,6―ナフタレンジカルボン酸を
    主たる酸成分とし炭素数2〜4の脂肪族α,ω―ジオー
    ルを主たるグリコール成分とするポリエステル(II)と
    からなる複合繊維であって、前記ポリエステルブロック
    共重合体(I)が該複合繊維の横断面の5〜95面積%
    を占め、且つその少なくとも一部が繊維表面に露出して
    いることを特徴とする複合繊維。
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