JP3238809B2 - 分割型ポリエステル複合繊維 - Google Patents

分割型ポリエステル複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方の成分が他方成分
を複数個に分割する形態の繊維断面形状を有する分割型
ポリエステル複合繊維に関するものであり、さらに詳し
くは、工程的に安定して得ることができ、アルカリ水溶
液で処理することによって、容易にかつ効率良く極細繊
維のポリエステル繊維が得ることが可能な分割型ポリエ
ステル複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複合繊維から一方の成分を除去して極細
繊維を得る方法は従来より知られている。その中で、ア
ルカリ加水分解速度がポリ(エチレンテレフタレート)
より速い変性ポリエステル成分とポリ(エチレンテレフ
タレート)成分よりなる分割型ポリエステル複合繊維か
ら、アルカリ減量により変性ポリエステル成分を分解除
去する方法が知られている。かかる方法により得られる
極細単繊度のポリ(エチレンテレフタレート)繊維は、
高融点、高強度、高ヤング率、良好な電気特性、耐薬品
性等の優れた特性を有していることから、絹様織編物、
スポーツ衣料、フィルター、その他各種衣料用および工
業分野への展開が期待されている。かかる分割型ポリエ
ステル複合繊維としては、紡糸時の工程安定性に優れて
いること、より温和な条件でのアルカリ減量処理で、変
性ポリエステル成分が分解除去され、ポリ(エチレンテ
レフタレート)よりなる極細繊維が得られることが望ま
れる。しかしながら、これらを充分に満足し得るもの
は、未だ提案されていないのが実情である。例えば、特
開昭54−138620号公報には、変性ポリエステル
成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重
合したポリエステルが用いられている。しかし、この変
性ポリエステルは、高温条件、例えば100℃でのアル
カリ減量処理では、アルカリ減量速度が比較的速いが、
より温和な条件、例えば50℃でのアルカリ減量処理で
は、アルカリ減量速度が極端に遅くなる。また、例え
ば、特公昭47−47532号公報には、変性ポリエス
テル成分として、平均分子量が10,000以上のポリ
オキシアルキレングリコールをブレンドしたポリエステ
ルが用いられている。この変性ポリエステルは、温和な
条件、例えば50℃でのアルカリ減量処理でも、アルカ
リ減量速度が比較的速い。しかし、充分なアルカリ減量
速度を得るため、ポリオキシアルキレングリコールのブ
レンド量を増やすと、紡糸時の工程安定性が低下して、
操業生産上好ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
を解決し、紡糸時の工程安定性に優れ、より温和な条件
におけるアルカリ減量処理によって、極細繊維を得るこ
とができる分割型ポリエステル複合繊維を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、易アルカリ減量性の
変性ポリエステル組成物として、ポリエチレングリコー
ルの特定割合を共重合し、特定のポリエーテルエステル
を特定量ブレンドしたものを使用することによって、温
和な条件でのアルカリ減量処理でアルカリ減量速度が速
く、複合繊維紡糸時の工程安定性を良好にできることを
見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明によれば
成分Aおよび成分Bよりなる複合繊維であり、成分Aに
より成分Bが複数個に分割された繊維断面形状を有し、 (1)成分Aは、エチレンテレフタレート単位を主たる
繰返し単位とするポリエステル(a)と数平均分子量が
200〜6000のポリエチレングリコール(b)との
共重合体およびジカルボン酸成分とポリエチレングリコ
ール成分とからなるポリエーテルエステル(c)の溶融
混合物からなる変性ポリエステル組成物であり、該変性
ポリエステル組成物は、ポリエステル(a)88〜97
重量%、ポリエチレングリコール(b)1〜10重量%
およびポリエーテルエステル(c)2〜10重量%の組
成を有し、且つ (2)成分Bは、エチレンテレフタレート単位を主たる
繰返し単位とするポリエステルである、ことを特徴とす
る分割型ポリエステル複合繊維が提供される。以下本発
明についてさらに詳細に説明する。本発明において、成
分Bとして用いられるポリエステルは、エチレンテレフ
タレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエチレン
テレフタレート系ポリエステルであって、テレフタル酸
成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置き換えた
ポリエステルであってもよく、及び/又はエチレングリ
コール成分の一部を他のジオール成分で置き換えたポリ
エステルであってもよい。アルカリ難溶解性であるとい
う点で、エチレンテレフタレート単位が80モル%以上
のポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレー
トが特に好ましい。
【0005】ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族、脂
肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができ
る。また、エチレングリコール以外のジオール化合物と
しては、例えばテトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール
化合物をあげることができる。
【0006】かかるポリエステルは任意の方法によって
合成することができる。例えば、ポリエチレンテレフタ
レートの場合について説明すれば、通常、テレフタル酸
とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級ア
ルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換
反応させるか又はテレフタル酸とエチレンオキサイドと
を反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステル
及び/又はその低重合体を生成させる第1段階の反応
と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して、所望の重
合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によっ
て製造される。本発明において、前記成分Bを複数個に
分割する成分Aとしては、エチレンテレフタレート単位
を主たる繰り返し単位とするポリエステル(a)88〜
97重量%、数平均分子量200〜6000のポリエス
テレングリコール(b)1〜10重量%、ジカルボン酸
成分とポリエチレングリコール成分とからなるポリエー
テルエステル(c)2〜10重量%の割合からなる変性
ポリエステル組成物を用いることが肝要である。変性ポ
リエステル組成物に用いられるポリエチレングリコール
(b)は、ポリエステル(a)中に共重合させるため分
子量が小さいものを用いる必要があり、数平均分子量が
200〜6000、好ましくは、200〜4000であ
ることが望ましい。
【0007】変性ポリエステル組成物には、上記ポリエ
チレングコリール(b)が、1〜10重量%共重合され
ていることが必要である。含有量が1重量%未満の場合
は、複合繊維紡糸時の工程安定性が悪化する傾向があ
り、また、充分なアルカリ減量速度が得られないので好
ましくない。一方含有量が10重量%より多い場合は、
複合繊維紡糸時の工程安定性が悪化する傾向があるので
好ましくない。
【0008】また、本発明において用いられる変性ポリ
エステル組成物中(A成分)に配合されるポリエーテル
エステル(c)は、ジカルボン酸成分とポリエチレング
リコール成分からなり、好ましく用いられるジカルボン
酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフフノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸や、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸の如き脂肪族、脂環族のジカルボン
酸を例示することができる。またポリエーテルエステル
(c)を得るために使用されるポリエチレングリコール
の分子量は、小さすぎても大きすぎてもアルカリ減量速
度の増加効果が低下するので、1,000〜50,00
0、好ましくは3,000〜20,000であることが望
ましい。前記ポリエーテルエステル(c)の数平均分子
量は10,000〜200,000の範囲であることが望
ましく、さらにポリエーテルエステル1分子当り、前記
ジカルボン酸成分が平均して4〜500分子含有されて
いるのが好ましい。かかるポリエーテルエステル(c)
を製造するには、従来公知の方法をそのまま採用すれば
良く、例えば、前記ジカルボン酸、そのエステル、その
酸無水物またはその酸クロライドとポリエチレングリコ
ールとを反応させることによって、容易に得ることがで
きる。なお、この際、本発明の目的を損わない範囲内
で、エチレングリコール、テトラメチレングコリール等
の低分子量グリコールを少量共重合してもよい。
【0009】変性ポリエステル組成物中には、上記ポリ
エーテルエステル(c)が、2〜10重量%含有されて
いることが必要である。含有量が2重量%未満の場合
は、充分なアルカリ減量速度が得られないので好ましく
ない。含有量が10重量%より多い場合は、複合繊維紡
糸時の工程安定性が悪化する傾向があるので好ましくな
い。本発明で使用する変性ポリエステル組成物は、数平
均分子量200〜6000のポリエチレングリコール
(b)と、ジカルボン酸成分とポリエチレングリコール
成分とからなるポリエーテルエステル(c)を併用し、
ポリエステル(b)中に前者のポリエチレングコリール
(b)が共重合され、後者のジカルボン酸成分とポリエ
チレングリコール成分とからなるポリエーテルエステル
(c)がブレンドされている。これらを前記割合で併用
することにより、複合繊維紡糸時の工程安定性が良好と
なり、充分なアルカリ減量速度が得られる。
【0010】本発明の変性ポリエステル組成物は、任意
の方法によって製造できる。例えば、ポリエチレングコ
リールを共重合したポリエステルの合成反応中に任意の
時期にポリエーテルエステルを添加させる方法またはあ
らかじめ合成したポリエチレングリコール共重合ポリエ
ステルにルーダーを使用してポリエーテルエステルを溶
融混合させる方法によって製造できる。
【0011】本発明で使用するポリエステル(B成分)
および変性ポリエステル組成物(A成分)は、溶融紡糸
時の断糸を減少させ、製糸性を向上させる上で、共に、
固有粘度(35℃のオルソクロロフェノール中で測定)
が0.55以上であることが望ましい。更に、本発明で
使用するポリエステル(B成分)および変性ポリエステ
ル組成物(A成分)は、その固有粘度差が0.10以下
であることが望ましい。固有粘度差が大きい場合は、複
合繊維の断面形状が乱れ、紡糸安定性に問題が生じ、そ
の結果、目的とする極細繊維が得られない場合があるの
で、固有粘度差はできるだけ小さいことが好ましい。
【0012】なお、本発明において用いられるポリエス
テル(B成分)および変性ポリエステル組成物(A成
分)は、必要に応じて、任意の添加剤、例えば、エステ
ル交換触媒、重合触媒、リン化合物やアルカリ金属塩な
どの副反応防止剤、二酸化チタンなどの艶消剤、着色防
止剤、酸化防止剤、アニオン系、カチオン系、非イオン
系等の界面活性剤、帯電防止剤、易染化剤、無機微粒子
着色剤、難燃剤等を含んでいてもよい。
【0013】本発明の複合繊維は、A成分とB成分との
アルカリ減量速度差によって、アルカリ難溶解性成分か
らなる分割繊維を得るためのものであり、その溶解度差
は大きい程望ましく、A成分のアルカリ減量速度は、B
成分の10倍以上、好ましくは20倍以上であることが
望ましい。従って、B成分を構成するポリエステルはポ
リエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。
次に、上記したアルカリ易溶解性成分Aとアルカリ難溶
解性成分Bとの複合形状及び夫々の成分の断面形状は、
成分Aにより成分Bが複数個に分割された形状を示すも
のであれば任意であり、そのいくつかの例を図1(a)
〜(i)に示す。
【0014】図1において、Aがアルカリ易溶解性成分
(A成分)、Bがアルカリ難溶解性成分(B成分)であ
る。(a)〜(c)においては、成分Bは成分Aにより
16に分割されている。(d)は、Aを海、Bを島とし
た海島型の分割型複合繊維であって、成分Bは成分Aに
より26に分割されている。(e)〜(f)は、偏平断
面形状を有するものであり、(g)〜(i)は、夫々
(a)〜(c)の外周部を成分Aで被覆した断面形状の
ものである。このような断面形状の分割型複合繊維は、
布帛になした後、アルカリ処理することによって、極細
繊維となすことができるとともに、繊維間に空間を持た
せることができるので、崇高でソフトな風合を呈する布
帛を得るのに適している。
【0015】成分Aと成分Bとの分割型ポリエステル複
合繊維における複合比率は、成分Aが多いほどアルカリ
処理による分割が容易となるが、反面多すぎると複合繊
維の繊維物性が低下して後工程通過性が悪化したり、コ
スト的にも不利となる。かかる観点より、成分A:成分
Bは、重量比で80:20〜2:98の範囲が好まし
く、60:40〜5:95の範囲がより好ましい。
【0016】また、本発明の分割型ポリエステル複合繊
維は、成分Bからなる構成単位を0.3デニール以下と
し、且つ該構成単位の数を16以上、特に24以上とす
る時、得られる効果が顕著となり好ましい。
【0017】以上説明した本発明の分割型ポリエステル
複合繊維を製造するには、従来公知の複合防止口金及び
複合防止装置を用い、通常の製糸条件を何らの支障なく
採用することができる。例えば500〜2,500m/
分の速度で溶融防止し、延伸、熱処理する方法、1,5
00〜5,000m/分の速度で溶融防止し、延伸と仮
撚加工と同時または遂次的に行う方法、5,000m/
分以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を
省略する方法などにおいて、任意の製糸条件を採用する
ことができる。また、得られた繊維又はこの繊維から製
造された織編物を、100℃以上の温度で熱処理して構
造の安定性を向上させても良いし、更に必要に応じて弛
緩熱処理などを併用してもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、易アルカリ減量性の
性ポリエステル組成物として特定の組成のものを使用す
ることによって、複合繊維紡糸時の工程安定性を良好に
できる。また、温和な条件でのアルカリ減量処理によ
り、アルカリ減量速度が速く、複合繊維より容易に極細
繊維を得ることができる。分割型ポリエステル複合繊維
が提供される。
【0019】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実
施例中の部は重量部を示す。紡糸調子は、紡糸中、断糸
がほとんど発生せず、安定している場合を○、ときどき
断糸が発生する場合を△、断糸が多発して不安定な場合
を×とした。実施例中固有粘度[IV]は35℃のオル
ソクロロフェノール溶液で測定した値から算出された。
【0020】
【実施例1】テレフタル酸ジメチル100部、エチレン
グリコール63部、酢酸カルシウム0.06部をエステ
ル交換反応器に仕込み、3時間かけて140℃から22
0℃まで昇温して、生成するメタノールを系外に留去し
ながらエステル交換反応させた。220℃で20分間撹
拌した後、安定剤として正リン酸0.06部を添加し、
同時に過剰エチレングコリールの昇温追い出しを開始し
た。10分後、重合触媒として三酸化アンチモン0.0
4部を添加した。内温が240℃に到達した時点でエチ
レングリコールの追い出しを終了し、反応生成物を重合
反応器に移した。数平均分子量1000のポリエチレン
グリコール2部を添加し、次いで昇温し内温を260℃
に到達させた後、1時間かけて760mmHgから1m
mHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を2
80℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温
度280℃で、更に1時間30分重合した時点で、表1
に記載したポリエーテルエステル4部を添加し、さらに
30分重合した時点で重合反応を打ち切り、常法に従っ
てチップ化した。この変性ポリエステル組成物をA成分
として用い、一方、B成分のポリエステルとして、固有
粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートを用い、
常法に従って複合紡糸、延伸して、図1の(c)に示す
中空環状多層貼合型複合繊維(ただし、成分Aおよび成
分Bは、それぞれ8層、複合比50/50、75デニー
ル/20フィラメント)を得た。このときの紡糸調子を
表2に示す。得られた複合繊維を平織物とし、水酸化ナ
トリウム水溶液(濃度100g/リットル)中、温度5
0℃でアルカリ減量処理を行った。分割に必要なアルカ
リ減量率を表2に示す。表2の結果から明かなように、
本発明の複合繊維は、紡糸調子が安定であり、かつアル
カリ減量が速やかに進行して、アルカリ難溶解性成分B
(ポリエチレンテレフタレート)をあまり分解させるこ
となく(すなわち減量率が低い段階で)極細繊維に分割
できることがわかる。
【0021】
【実施例2〜6】実施例1において使用したポリエチレ
ングリコールの種類、量、または、ポリエーテルエステ
ルの種類、量を表1に記載の如く変更する以外は実施例
1と同様にして同様の複合繊維を得た。その結果を表2
に示した。
【0022】
【比較例1】実施例1においてポリエーテルエステルの
量を表1に記載の如く変更する以外は実施例1と同様に
行った。この場合、ポリエーテルエステルの量が少ない
ため、充分なアルカリ減量速度が得られず、B成分を分
割するために必要なアルカリ減量率が大きくなる。
【0023】
【比較例2】実施例1においてポリエチレングリコール
(PEG)を添加せず、ポリエーテルエステルの量を表
1に記載の如く変更し、それ以外は実施例1と同様に行
った。この場合、複合繊維の紡糸中、断糸が多発し、紡
糸調子は不安定であった。
【0024】
【比較例3】実施例1においてポリエチレングリコール
(PEG)を添加せず、ポリエーテルエステルの替わり
に、分子量20,000のポリエチレングリコール(P
EG)を使用し、それ以外は実施例1と同様に行った。
この場合、複合繊維の紡糸中、断糸が多発し、紡糸調子
は不安定であった。
【0025】
【比較例4】実施例1においてA成分の変性ポリエステ
ルとして、ポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸を2.5モル%共重合したポリマ
ーを用いて行った。この場合、アルカリ減量速度が遅
く、B成分を分割するために必要なアルカリ減量率が極
めて大きくなり、B成分もかなりの量が分解除去されて
しまう。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(i)は本発明の分割型ポリエステル
複合繊維の例を示す横断面形状のモデル図である。
【符号の説明】
A:変性ポリエステル(A成分) B:ポリエステル(B成分)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/14 D06M 11/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分Aおよび成分Bよりなる複合繊維で
    あり、成分Aにより成分Bが複数個に分割された繊維断
    面形状を有し、 (1)成分Aは、エチレンテレフタレート単位を主たる
    繰返し単位とするポリエステル(a)と数平均分子量が
    200〜6000のポリエチレングリコール(b)との
    共重合体およびジカルボン酸成分とポリエチレングリコ
    ール成分とからなるポリエーテルエステル(c)の溶融
    混合物からなる変性ポリエステル組成物であり、該変性
    ポリエステル組成物は、ポリエステル(a)88〜97
    重量%、ポリエチレングリコール(b)1〜10重量%
    およびポリエーテルエステル(c)2〜10重量%の組
    成を有し、且つ (2)成分Bは、エチレンテレフタレート単位を主たる
    繰返し単位とするポリエステルである、 ことを特徴とする分割型ポリエステル複合繊維。
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