JP3262951B2 - 分割型ポリエステル複合繊維 - Google Patents

分割型ポリエステル複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方の成分が、他方の
成分により複数個に分割された繊維断面形状を有する分
割型ポリエステル複合繊維に関するものであり、更に詳
しくは、熱水で処理することによって、安定にかつ効率
良く極細繊度のポリエステル繊維を得ることができ、し
かも紡糸時の工程安定性に優れた分割型ポリエステル複
合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート系繊維は、
高融点、高強度、高ヤング率、良好な電気特性、耐薬品
性等の優れた特性を有しており、極細繊維とすることに
より、絹様織編物、スポーツ衣料、フィルター、その他
各種衣料用、工業分野への展開が期待される。
【0003】ポリエチレンテレフタレート系極細繊維を
得る方法としては、直接、極細繊維を紡糸する方法、及
びポリエチレンテレフタレート成分が、分解除去可能な
成分により複数個に分割された繊維断面形状を有する分
割型複合繊維から、分解除去可能な成分を除去して極細
化する方法があるが、特に後者は、加工後に極細化でき
るため、普通の太さのままで加工することができ、高次
加工、取扱いが容易であるという利点を有している。
【0004】複合繊維から分解可能な成分を除去して、
極細繊維を得る方法としては、ポリエチレンテレフタレ
ート成分とアルカリ加水分解速度がポリエチレンテレフ
タレート成分より速い変性ポリエステル成分とからなる
分割型ポリエステル複合繊維から、アルカリ減量処理に
より変性ポリエステル成分を分解除去する方法がある。
例えば、特公昭60―7723号公報では、アルカリ加
水分解により除去可能な成分として、ナトリウムスルホ
イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレート
が用いられている。
【0005】しかしながら、かかる方法において、ポリ
エチレンテレフタレート成分を完全に分割させる迄アル
カリ減量処理を施すと、ポリエチレンテレフタレート成
分側までがアルカリ減量処理の影響を受けて、得られる
極細繊維が細くなり過ぎたり、機械的特性が劣化したり
するという問題が起こりやすい。
【0006】これを改良するために、熱水溶解性の変性
ポリエステル成分を用い、これとポリエチレンテレフタ
レート成分とよりなる分割型ポリエステル複合繊維か
ら、熱水処理により変性ポリエステル成分を溶解除去す
る方法が提案されている。例えば、特開平5―2477
25号公報では、熱水溶解性成分として、ナトリウムス
ルホイソフタル酸とイソフタル酸を共重合したポリエチ
レンテレフタレートが用いられている。しかしながら、
従来の熱水溶解性成分を用いた分割型ポリエステル複合
繊維は、熱水処理による分割性が十分でないという問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
を解決し、熱水処理による複合繊維の分割性が良好で、
容易にポリエチレンテレフタレート系極細繊維を得るこ
とができ、しかも、紡糸時の工程安定性に優れた分割型
ポリエステル複合繊維を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、熱水溶解性ポリマーと
して、スルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸成分及
びイソフタル酸成分を含む共重合ポリエチレンテレフタ
レートと特定のポリエーテルエステルのブレンドポリマ
ーを使用することにより、熱水処理による複合繊維の分
割性が改善され、しかも、紡糸時の工程安定性も良好と
なることを見出し、本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明によれば、成分A及び成分B
からなり、該成分Bが、該成分Aにより複数個に分割さ
れた繊維断面形状を有する複合繊維であって、該成分A
が、スルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸成分5〜
15モル%及びイソフタル酸成分5〜40モル%を含む
共重合ポリエチレンテレフタレート85〜98重量%
と、ジカルボン酸成分とポリエチレングリコール成分と
からなるポリエーテルエステル2〜15重量%とをブレ
ンドした熱水溶解性ポリマーであり、該成分Bが、エチ
レンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポ
リエステルであることを特徴とする分割型ポリエステル
複合繊維が提供される。
【0010】本発明において、成分Bを複数個に分割す
る成分Aとしては、スルホン酸金属塩基を有するイソフ
タル酸成分5〜15モル%及びイソフタル酸成分5〜4
0モル%を含む共重合ポリエチレンテレフタレート85
〜98重量%と、ジカルボン酸成分とポリエチレングリ
コール成分とからなるポリエーテルエステル2〜15重
量%とをブレンドした熱水溶解性ポリマーを用いること
が必要である。
【0011】該共重合ポリエチレンテレフタレートのス
ルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸成分としては、
5−リチウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸等が
挙げられる。
【0012】該共重合ポリエチレンテレフタレートに
は、スルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸成分が、
5〜15モル%、より好ましくは7〜13%含有されて
いることが必要である。5モル%未満の場合は、十分な
熱水溶解性が得られず、15モル%より多い場合は、複
合繊維紡糸時の断糸が増加し、工程安定性が悪化する傾
向があるので不適当である。
【0013】また、該共重合ポリエチレンテレフタレー
トには、イソフタル酸成分が、5〜40モル%、より好
ましくは8〜15%含有されていることが必要である。
5モル%未満の場合は、十分な熱水溶解性が得られず、
40モル%より多い場合は、複合繊維紡糸時の断糸が増
加して、工程安定性が悪化する傾向があるので不適当で
ある。
【0014】更に、成分Aに配合されるポリエーテルエ
ステルは、ジカルボン酸成分とポリエチレングリコール
成分からなり、好ましく用いられるジカルボン酸成分と
しては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、
アジピン酸、セバシン酸、1,4―シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂肪族、脂環族ジカルボン酸を例示するこ
とができる。また、ポリエチレングリコールの分子量
は、小さすぎても大きすぎても熱水溶解速度の増加効果
が低下するので、1,000〜50,000、好ましく
は3,000〜20,000であることが望ましい。
【0015】また、上記両成分からなるポリエーテルエ
ステルの分子量は、10,000〜150,000であ
ることが好ましく、さらには、該ポリエーテルエステル
1分子当たり前記ジカルボン酸成分が4〜50分子用い
られていることが望ましい。
【0016】かかるポリエーテルエステルを製造するに
は、従来公知の方法をそのまま採用すればよく、例え
ば、前記ジカルボン酸の酸無水物又は酸クロライドとポ
リエチレングリコールとを反応させることによって、容
易に得ることができる。なお、この際、本発明の目的を
損わない範囲内で、エチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール等の低分子量グリコールを少量共重合して
もよい。
【0017】本発明において、成分Aとして用いる熱水
溶解性ポリマーは、前記共重合ポリエチレンテレフタレ
ート85〜98重量%と、前記ポリエーテルエステル2
〜15重量%とをブレンドしたものであることが必要で
ある。該共重合ポリエチレンテレフタレートの含有量が
98重量%を越え、該ポリエーテルエステルの含有量が
2重量%未満の場合は、十分な熱水溶解性が得られず、
該共重合ポリエチレンテレフタレートの含有量が85重
量%未満で、該ポリエーテルエステルの含有量が15重
量%より多い場合は、複合繊維紡糸時の断糸が増加し
て、工程安定性が悪化する傾向があるので不適当であ
る。更に好ましくは、該共重合ポリエチレンテレフタレ
ートの含有量が90〜95重量%、該ポリエーテルエス
テルの含有量が5〜10重量%であることが望ましい。
【0018】本発明において、成分Aとして用いる熱水
溶解性ポリマーは、任意の方法により製造することがで
き、例えば、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメ
チル、ナトリウムスルホイソフタル酸及びエチレングリ
コールから前記共重合ポリエチレンテレフタレートを合
成する反応中の任意の時期に、前記ポリエーテルエステ
ルを添加する方法、あらじめ合成した前記共重合ポリエ
チレンテレフタレートと前記ポリエーテルエステルと
を、エクストルーダーを使用して溶融混合させる方法な
どにより製造することができる。
【0019】一方、本発明において、成分Bとして用い
るポリエステルは、エチレンテレフタレート単位を主た
る繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステルであって、熱水溶解性を示さない限り、テレ
フタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置
き換えたポリエステルであってもよく、さらには、エチ
レングリコール成分の一部を他のジオール成分で置き換
えたポリエステルであってもよい。特に、ポリエチレン
テレフタレートが好ましく用いられる。
【0020】ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4―シクロヘキサンジカルボン酸などの芳香族、脂
肪族、脂環族の二官能性カルボン酸を挙げることができ
る。また、エチレングリコール以外のジオール化合物と
しては、例えば、テトラメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、シクロヘキサン―1,4―ジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールSなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジオー
ル化合物を挙げることができる。
【0021】かかるポリエステルは、任意の方法によっ
て合成することができる。例えば、ポリエチレンテレフ
タレートについて説明すれば、通常、テレフタル酸とエ
チレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テ
レフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキル
エステルとエチレングリコールとをエステル交換反応さ
せるか、あるいは、テレフタル酸とエチレンオキサイド
とを反応させるかして、テレフタル酸のグリコールエス
テル及び/又はその低重合体を生成させる第1段階の反
応と、第1段階の反応生成物を減圧下で加熱して、所望
の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応に
よって製造される。
【0022】なお、本発明において、成分Bとして用い
るポリエチレンテレフタレート系ポリエステルは、二酸
化チタンなどの艶消剤、着色防止剤、酸化防止剤、アニ
オン系、カチオン系、非イオン系等の界面活性剤、帯電
防止剤、易染化剤、無機微粒子着色剤、難燃剤等を含ん
でいてもよい。
【0023】前記熱水溶解性成分Aとポリエチレンテレ
フタレート系ポリエステル成分Bとの複合形態及び各成
分の断面形状は、成分Aにより成分Bが複数個に分割さ
れた形態であれば任意であり、そのいくつかの例を図1
(a)〜(i)に示す。
【0024】図1において、Aは熱水溶解性成分(成分
A)であり、Bはポリエチレンテレフタレート系ポリエ
ステル成分(成分B)である。(a)〜(c)は、成分
Bが成分Aにより16に分割されている分割型複合繊維
である。(d)は、成分Aを海、成分Bを島とした海島
型の分割型複合繊維であり、成分Bが成分Aにより26
に分割されている。(e)、(f)は、偏平断面形状の
分割型複合繊維であり、(g)〜(i)は、それぞれ
(a)〜(c)の外周部を成分Aで被覆したものであ
る。
【0025】このような分割型複合繊維は、布帛とした
後、熱水処理することにより、成分Aが溶解し、成分B
が分割されて極細繊維となると共に、繊維間に空間を持
たせることができるので、嵩高でソフトな風合いを呈す
る布帛とすることができる。
【0026】成分Aと成分Bとからなる分割型ポリエス
テル複合繊維における両成分の複合比率は、成分Aが多
いほど熱水処理による分割が容易となるが、逆に多すぎ
ると、複合繊維の物性が低下するため、後工程での取扱
い性が悪化し、さらには、溶解除去成分が多くなるか
ら、コスト的にも不利となる。かかる観点から、成分
A:成分Bは、重量比で80:20〜2:98の範囲が
好ましく、60:40〜5:95の範囲がより好まし
い。
【0027】また、本発明の分割型ポリエステル複合繊
維は、成分Bからなる極細繊維構成単位を0.3デニー
ル以下とし、かつ該構成単位の数を16以上、特に24
以上とすると、効果が顕著となり好ましい。
【0028】以上説明した本発明の分割型ポリエステル
複合繊維は、従来公知の複合紡糸口金及び複合紡糸装置
を用いて、常法により製造することができる。例えば、
500〜2,500m/分の引取速度で溶融紡糸し、延
伸、熱処理する方法、1,500〜5,000m/分の
引取速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同時又は逐
次的に行う方法、5,000m/分以上の高速で溶融紡
糸し、用途によっては延伸工程をを省略する方法などを
採用することができる。また、得られた極細繊維又はそ
の極細繊維から製造された布帛を、100℃以上の温度
で熱処理して構造の安定性を向上させてもよいし、更
に、必要に応じて弛緩熱処理などを併用してもよい。
【0029】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例中の部は重量部を示す。紡糸調子は、紡糸
中、断糸がほとんど発生せず、安定している場合を○、
ときどき断糸が発生するが、おおむね安定している場合
を△、断糸が多発して不安定な場合を×とした。熱水溶
解性は、複合繊維を熱水処理し、分割性が良好な場合を
○、やや分割性が劣るが、実用上問題ない場合を△、分
割性が不良である場合を×とした。
【0030】[実施例1〜4、比較例1、2]テレフタ
ル酸ジメチル80部、イソフタル酸ジメチル10部、5
―ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル15部、エチ
レングリコール63部、酢酸カルシウム0.06部をエ
ステル交換反応器に仕込み、3時間かけて140℃から
220℃まで昇温して、生成するメタノールを系外に留
去しながらエステル交換反応させた。220℃で20分
間撹拌した後、安定剤として正リン酸0.06部を添加
し、同時に過剰エチレングリコールの昇温追い出しを開
始した。10分後、重合触媒として三酸化アンチモン
0.04部を添加した。内温が240℃に到達した時点
でエチレングリコールの追い出しを終了し、反応生成物
を重合反応器に移した。次いで昇温し内温を260℃に
到達させた後、1時間かけて760mmHgから1mm
Hgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を28
0℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度
280℃で、更に1時間30分重合した時点で、イソフ
タル酸とポリエチレングリコール(分子量10,00
0)からなり、重合度が10であるポリエーテルエステ
ルを、表1に示す配合割合となるように添加し、さらに
30分重合した時点で重合反応を打ち切り、常法に従っ
てチップ化した。
【0031】この共重合ポリエステルとポリエーテルエ
ステルとをブレンドした熱水溶解性ポリマーを成分Aと
して用い、一方、成分Bのポリエステルとして、固有粘
度が0.64のポリエチレンテレフタレートを用い、常
法に従って複合紡糸、延伸して、図1の(C)に示す中
空環状多層貼合型複合繊維(但し、成分A、成分Bは、
それぞれ8層、複合比50/50、75デニール/20
フィラメント)を得た。紡糸時の工程安定性(紡糸調
子)は、表1に示す通りであった。
【0032】得られた複合繊維を平織物とし、温度10
0℃の熱水で処理を行った。織物を構成する複合繊維の
分割性(成分Bの熱水溶解性)は、表1に示す通りであ
った。
【0033】
【表1】
【0034】成分Aとして用いる熱水溶解性ポリマーの
共重合ポリエチレンテレフタレートが85〜98重量
%、ポリエーテルエステルが2〜15重量%である場合
(実施例1〜4)は、紡糸調子、熱水による分割性共に
良好であり、特に、共重合ポリエチレンテレフタレート
が90〜95重量%、ポリエーテルエステルが5〜10
重量%である場合(実施例2、3)に、好ましい結果が
得られた。
【0035】これに対して、該共重合ポリエチレンテレ
フタレートの含有量が85重量%未満で、該ポリエーテ
ルエステルの含有量が15重量%より多い場合(比較例
1)は、複合繊維紡糸時の断糸が増加して、紡糸調子が
悪化し、共重合ポリエチレンテレフタレートの含有量が
98重量%を越え、該ポリエーテルエステルの含有量が
2重量%未満の場合(比較例2)は、十分な熱水による
分割性が得られなかった。
【0036】[実施例5〜10、比較例3〜6]実施例
2において、共重合ポリエチレンテレフタレート(成分
A)のテレフタル酸、5―ナトリウムスルホイソフタル
酸及びイソフタル酸成分の量を表2に記載の如く変更
し、それ以外は実施例2と同様にして、中空環状多層貼
合型複合繊維を作成した。
【0037】紡糸時の工程安定性(紡糸調子)及び得ら
れた複合繊維の分割性(成分Bの熱水溶解性)は、表2
に示す通りであった。
【0038】
【表2】
【0039】共重合ポリエチレンテレフタレート(成分
A)に含まれる5―ナトリウムスルホイソフタル酸成分
の量が5〜15モル%、イソフタル酸成分の量が5〜4
0モル%である場合(実施例5〜10)は、紡糸調子、
熱水による分割性共に良好であり、特に、5―ナトリウ
ムスルホイソフタル酸成分の量が7〜13モル%(実施
例5、6)、イソフタル酸成分の量が8〜15モル%で
ある場合(実施例8、9)に、好ましい結果が得られ
た。
【0040】これに対して、5―ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分の量が5モル%未満の場合(比較例3)及
びイソフタル酸成分の量が5モル%未満の場合(比較例
5)は、十分な熱水による分割性が得られず、5―ナト
リウムスルホイソフタル酸成分の量が15モル%を越え
る場合(比較例4)及びイソフタル酸成分の量が40モ
ル%を越える場合(比較例6)は、紡糸時の断糸が増加
して、紡糸調子が悪化した。
【0041】[実施例11]実施例2において、成分A
の熱水溶解性ポリマーに用いた、イソフタル酸とポリエ
チレングリコール(分子量10,000)からなるポリ
エーテルエステルに代えて、フタル酸とポリエチレング
リコール(分子量20,000)からなり、重合度が5
であるポリエーテルエステルを用いると共に、海島型複
合繊維紡糸装置を使用し、それ以外の条件は、実施例2
と同様にして、図1の(d)に示す海島型複合繊維(成
分A/成分Bの複合比=50/50、75デニール/2
0フィラメント)を得た。
【0042】紡糸時の断糸はほとんど発生せず、紡糸工
程安定性は良好であり、熱水処理による複合繊維の分割
性も良好で、成分Bの極細繊維を容易に得ることができ
た。
【0043】[実施例12]実施例2において、成分B
のポリエチレンテレフタレートに代えて、3モル%のイ
ソフタル酸を共重合させたポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.64)を用い、それ以外は実施例2と同
様にして、中空環状多層貼合型複合繊維を作成した。
【0044】紡糸時の断糸はほとんど発生せず、紡糸工
程安定性は良好であり、熱水処理による複合繊維の分割
性も良好で、成分Bの極細繊維を容易に得ることができ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、熱水溶解性のポリマー
として、特定の組成の共重合ポリエチレンテレフタレー
トと特定のポリエーテルエステルとのブレンドポリマー
を使用することによって、断糸を伴うことなく、良好な
紡糸工程安定性の下で、分割型ポリエステル複合繊維を
紡糸することができ、得られた複合繊維を熱水処理する
ことにより、容易に極細繊維を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分割型ポリエステル複合繊維の例を示
す拡大横断面図である。
【符号の説明】
A 成分A B 成分B
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−247725(JP,A) 特開 平6−184825(JP,A) 特開 平5−331711(JP,A) 特開 平2−145812(JP,A) 特開 平4−361659(JP,A) 特開 昭63−165520(JP,A) 特開 昭63−159525(JP,A) 特公 昭60−7723(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/14 D06M 11/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分A及び成分Bからなり、該成分B
    が、該成分Aにより複数個に分割された繊維断面形状を
    有する複合繊維であって、該成分Aが、スルホン酸金属
    塩基を有するイソフタル酸成分5〜15モル%及びイソ
    フタル酸成分5〜40モル%を含む共重合ポリエチレン
    テレフタレート85〜98重量%と、ジカルボン酸成分
    とポリエチレングリコール成分とからなるポリエーテル
    エステル2〜15重量%とをブレンドした熱水溶解性ポ
    リマーであり、該成分Bが、エチレンテレフタレート単
    位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであること
    を特徴とする分割型ポリエステル複合繊維。
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