JP5251790B2 - 共重合ポリエステル - Google Patents
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Description
(1)テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主たるグリコール成分としてなる共重合ポリエステルであって、全グリコール成分に対するネオペンチルグリコールの含有量が25モル%より多くかつ80モル%以下であり、テレフタル酸とネオペンチルグリコールからなる遊離の環状2量体の含有量が10000ppm以下であること、及びテレフタル酸とエチレングリコールからなる環状3量体の含有量が3000ppm以下であることを特徴とする共重合ポリエステル。
(2)テレフタル酸とエチレングリコールからなる環状3量体の含有量が2000ppm以下であることを特徴とする(1)に記載の共重合ポリエステル。
(3)全グリコ−ル成分に対するジエチレングリコールの含有量が1.0〜5.0モル%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の共重合ポリエステル。
(4)カラーb値が−5.0〜5.0であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
(5)段付成形板に成形したときの厚み5mmにおけるヘイズ値が15%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
本発明の共重合ポリエステルは、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主たるグリコール成分として構成されるものであり、全グリコール成分に対するネオペンチルグリコールの含有量は25モル%より多くかつ80モル%以下であり、テレフタル酸とネオペンチルグリコールからなる遊離の環状2量体の含有量が15000ppm以下であることを特徴とする。
溶剤としてテトラヒドロフランおよび検定標準としてポリスチレンを用いるウオーターズ(Waters)ゲル透過クロマトグラフィーによって測定した。クロロホルムを溶離液としてポリスチレン換算の測定値を得た。
メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。
試料約100mgを精秤し、HFIP/クロロホルム=2/3(v/v)、3mlで溶解した。クロロホルム20mlを加え、メタノ−ル10mlで再沈した。濾過後、濃縮乾固し、DMF10mlで再溶解した。遠心濾過した溶液をHPLCに供した。
装置 :L−7000(日立製作所製)
カラム:μ−Bondasphere C18 5μ 100Å 3.9mm×15cm(waters製)
検量線:別途単離したテレフタル酸とネオペンチルグリコールからなる環状2量体を用いた。
試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロホルム30ccを加えて希釈する。これにメタノール15ccを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10ccで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状3量体を定量した。
共重合ポリエステル試料約5mgを重クロロホルムとトリフルオロ酢酸の混合溶液(体積比9/1)0.7mlに溶解し、1H−NMR(varian製、UNITY50)を使用して求めた。
共重合ポリエステルチップのカラーをカラーメーター(日本電色社製、Model 1001DP)を使用し測定し、カラーb値を求めた。
射出成形機(名機製作所製、M−150C−DM)を使用して、280℃で共重合ポリエステルを溶融させ、金型温度10℃で厚さ2〜11mmの段付成形板を成形し、厚さ5mmの部位をヘイズメーター(日本電色社製、Model NDH2000)にてヘイズ値(%)を測定した。
乾燥した共重合ポリエステル試料をシート用ダイス付き押出機に投入して2日間、約0.5mm厚みのシートを連続成形した。次の基準によりダイス出口の汚れ付着状況及びシート表面の状態を肉眼で評価した。
(評価基準)
◎:ダイス出口汚れ物付着がほとんどなく、シート表面状態良好
○:ダイス出口汚れ物付着が僅かにあるが、シート表面状態良好
△:ダイス出口汚れ物付着が少しあり、シート表面に付着異物少しあり
×:ダイス出口汚れ物付着が非常に酷く、シート表面に付着物多数あり
ヤマトDP63乾燥機にて、120℃で120分放置した試料を、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、−100℃〜300℃まで20℃/minで昇温し、次に−100℃まで50℃/minで降温し、続いて−100℃〜300℃まで20℃/minで昇温する二度の昇温過程において融解ピークを示すかどうかを確認し、二度の昇温過程のどちらにおいても融解ピークを示さないものを「○」、示すものを「×」とする。
予め反応物が残存している第1エステル化反応缶に、ジカルボン酸成分として高純度テレフタル酸(TPA)を100質量部、グリコール成分としてエチレングリコール(EG)を53質量部及びネオペンチルグリコール(NPG)を31質量部、ジカルボン酸成分に対する全グリコール成分のモル比(G/A)を2.2に調製したスラリーを連続的に供給した。さらに、生成共重合ポリエステルに対して三酸化アンチモンが200ppmとなるように、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を、第1エステル化反応缶に連続的に供給した。次いで、攪拌下、缶内圧力0.05MPa、250℃の条件下で、平均滞留時間が3時間となるようにエステル化反応を行った。この反応物を第2エステル化反応缶に移送し、缶内圧力0.05MPaで攪拌下、260℃の条件下で、平均滞留時間が1時間となるようにエステル化反応を行った。次いで、このエステル化反応物を第3エステル化反応缶に移送し、攪拌下、缶内圧力0.05MPa、260℃の条件下でエステル化反応を行った。
攪拌機及び留出コンデンサーを有する、容積10Lのエステル化反応槽に、テレフタル酸(TPA)2414質量部、エチレングリコール(EG)1497質量部、ネオペンチルグリコール(NPG)515質量部を投入し、触媒として三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を生成共重合ポリエステルに対してアンチモン金属が180ppm含有するように添加した。
EGおよびNPGの量を変更する以外は、実施例1と同様にして反応させて共重合ポリエステルを得た。また、実施例1と同様に加熱処理を行った。評価結果を表1に示す。本実施例で得られた共重合ポリエステルを8)の方法によりシート成形で評価したが、成形性は良好であった。
EGおよびNPGの含有量を実施例3に合わせ、重合後の赤外線放射装置による加熱処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして反応させて共重合ポリエステルを得た。評価結果を表1に示す。本比較例で得られた共重合ポリエステルを8)の方法によりシート成形で評価したが、成形性は実施例3に比べて僅かに劣っていた。
EGおよびNPGの量を変更する以外は、実施例1と同様にして反応させて共重合ポリエステルを得た。また、実施例1と同様に加熱処理を行った。評価結果を表1に示す。本比較例で得られた共重合ポリエステルは、非晶性でないため、肉厚成形体として好適に使用しうるだけの透明性を有するものではなかった。
EGおよびNPGの量を変更する以外は、実施例1と同様にして反応させて共重合ポリエステルを得た。また、実施例1と同様に加熱処理を行った。評価結果を表1に示す。本比較例で得られた共重合ポリエステルを8)の方法によりシート成形で評価したが、成形性に問題があった。
エステル交換反応後にEGを添加せず、重合後の赤外線放射装置による加熱処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして反応させて共重合ポリエステルを得た。評価結果を表1に示す。本比較例で得られた共重合ポリエステルを8)の方法によりシート成形で評価したが、成形性に問題があった。
Claims (5)
- テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主たるグリコール成分としてなる共重合ポリエステルであって、全グリコール成分に対するネオペンチルグリコールの含有量が25モル%より多くかつ80モル%以下であり、テレフタル酸とネオペンチルグリコールからなる遊離の環状2量体の含有量が10000ppm以下であること、及びテレフタル酸とエチレングリコールからなる環状3量体の含有量が3000ppm以下であることを特徴とする共重合ポリエステル。
- テレフタル酸とエチレングリコールからなる環状3量体の含有量が2000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル。
- 全グリコ−ル成分に対するジエチレングリコールの含有量が1.0〜5.0モル%であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリエステル。
- カラーb値が−5.0〜5.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
- 段付成形板に成形したときの厚み5mmにおけるヘイズ値が15%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
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