JP2000087877A - 可変容量形ポンプ - Google Patents

可変容量形ポンプ

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JP2000087877A
JP2000087877A JP10257278A JP25727898A JP2000087877A JP 2000087877 A JP2000087877 A JP 2000087877A JP 10257278 A JP10257278 A JP 10257278A JP 25727898 A JP25727898 A JP 25727898A JP 2000087877 A JP2000087877 A JP 2000087877A
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fluid pressure
cam ring
chamber
pressure
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JP10257278A
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Kazuyoshi Uchino
一義 内野
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Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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    • F15B2211/20553Type of pump variable capacity with pilot circuit, e.g. for controlling a swash plate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ内部での流体圧力差によって生じてい
た内部漏れを改善するとともに、カムリングの揺動動
作、特に戻り動作を改善する。 【解決手段】 カムリング2の外周面の一部に設けた揺
動支点ピン2aを支点として揺動可能に支持する内部空
間1bを有するアダプタリング1aと、前記カムリング
の外周部との間に分割形成されカムリングを揺動させる
第1、第2の流体圧室5,6と、圧力流体の吐出側通路
の途中に設けたメータリング絞り21,27の上、下流
側の流体圧により作動されカムリングの揺動を制御する
制御バルブ20を備える。この制御バルブを前記メータ
リング絞りの上、下流側の流体圧で作動することによ
り、メータリング絞りの下流側の流体圧を第1、第2の
流体圧室に選択的に導入するように構成し、ポンプの全
回転域においてメータリング絞りの上、下流側の流体圧
を第1、第2の流体圧室への導入流体圧とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動車の
ハンドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流
体利用機器に用いる可変容量形ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置用ポンプとして従来一般に
は、自動車用エンジンで直接回転駆動される容量形のベ
ーンポンプが用いられている。このような容量形ポンプ
は、エンジン回転数に対応して吐出流量が増減するた
め、自動車の停車中や低速走行時に操舵補助力を大きく
し、高速走行時に操舵補助力を小さくするという動力舵
取装置に要求される操舵補助力とは相反する特性をもっ
ている。したがって、このような容量形ポンプには、回
転数が低い低速走行時にも必要な操舵補助力が得られる
程度の吐出流量を確保できる大容量のものを用いる必要
がある。しかも、回転数が高い高速走行時のためには、
吐出流量を一定量以下に制御する流量制御弁が必須とな
る。このため、容量形ポンプでは、構成部品点数が増
え、構造や通路構成が複雑で、全体の大型化やコスト高
となることが避けられない。
【0003】このような容量形ポンプの不具合を解決す
るために、一回転当たりの吐出流量(cc/rev)を
回転数の増加に比例して減少させることが可能な可変容
量形ベーンポンプが、たとえば特開平5−278622
号公報、特開平6−200883号公報、特開平7−2
43385号公報、特開平8−200239号公報等に
よって提案されている。これらの可変容量形ポンプによ
れば、容量形ポンプのような流量制御弁が不要となり、
また駆動馬力の無駄が防げるためエネルギ効率の面でも
優れている。また、タンク側への戻りもないことから油
温が上昇するというようなことがなく、しかもポンプ内
部での漏れや容積効率が低下するという問題も防止でき
る。
【0004】このような可変容量形のベーンポンプの一
例を、たとえば特開平8−200239号公報等におけ
るポンプ構造を示す図25〜図27を用いて簡単に説明
すると、図中1はポンプボディ、1aはアダプタリン
グ、2はこのボディ1のアダプタリング1a内に形成さ
れる楕円形空間部1b内で支軸部となる揺動支点ピン2
aを介して揺動可能に設けられたカムリングで、図中左
方向に押圧するばね手段(圧縮コイルばね2b)により
付勢されている。3はロータで、前記カムリング2内で
ポンプ室4を一側に形成するように他側寄りに偏心して
収容され外部駆動源によって回転駆動されることで放射
方向に進退自在に保持されたベーン3aを進退させる。
なお、図中3bはロータ3の駆動軸で、ロータ3は図中
矢印で示す方向に回転駆動される。
【0005】5,6はボディ1のアダプタリング1aの
楕円形空間部1b内でカムリング2の外周面両側に形成
されてそれぞれが高圧側または低圧側となる第1、第2
の流体圧室で、これらの室5,6には、カムリング2を
揺動させるための制御圧としてポンプ吐出側通路11に
設けたメータリング絞りの前、後の流体圧を導く通路5
a,6aが、後述するスプール式制御バルブ10を介し
て開口している。この例では、可変メータリング絞り1
2を、第2の流体圧室6を形成するボディ1の側壁面に
開口した孔部12aと、この孔部12aを開閉するよう
に移動するカムリング2の側縁部12bとによって形成
した場合を示す。また、上述した可変メータリング絞り
12下流側のポンプ吐出側通路を符号13で示す。
【0006】上述したようにポンプ吐出側通路11,1
3の可変メータリング絞り12の前、後の流体圧をカム
リング2両側の流体圧室5,6に導入することにより、
図25、図26に示すように、カムリング2を所要の方
向に揺動させてポンプ室4内の容積を変え、図28の流
量特性に示すようにポンプ吐出側での流量に対応して吐
出流量を制御することができる。すなわち、ポンプ回転
数の増加に伴って吐出側の流量を所定流量まで立上げて
その状態を維持するとともにポンプの高回転数域では流
量を減少させるという流量制御を行なうことができる。
【0007】なお、図25は図28中領域Aから領域B
にかけての状態を示し、図26は図28中の領域Bから
領域Cにかけての状態を示す。この図26において、カ
ムリング2が図中右側に揺動し、可変メータリング絞り
12を絞ることによりその絞り量に応じてポンプからの
吐出流量が減少し、最小の絞り位置で一定流量に維持さ
れることになる。また、図27はポンプが低回転駆動さ
れている図28の領域Aにおいて、圧力流体利用機器側
が作動しポンプ吐出側の流体圧力がリリーフ圧となった
ときのリリーフ時の状態を示す。ポンプが高回転駆動さ
れている図28の領域Cにおいてのリリーフ時には図2
6においてリリーフバルブ15が開いている状態とな
り、可変メータリング絞り12の開き状態に応じてリリ
ーフ流量を制御する。
【0008】なお、図25〜図27において符号7は前
記ポンプ室4のポンプ吸込側領域4Aに臨んで開口され
るポンプ吸込側開口(吸込ポート)、8はポンプ室4の
ポンプ吐出側領域4Bに臨んで開口されるポンプ吐出側
開口(吐出ポート)である。これらの開口7,8は、ロ
ータ3およびカムリング2からなるポンプ構成要素を両
側から挾み込んで保持するための固定壁部であるプレッ
シャプレートおよびサイドプレート(図示せず)の少な
くともいずれか一方に形成されている。
【0009】前記カムリング2は前記圧縮コイルばね2
bによって流体圧室6側から付勢され、前記ポンプ室4
内の容積を最大に維持する方向に押圧されている。ま
た、図中2cはカムリング2の外周面に設けられ揺動支
点ピン2aと共に左、右両側に流体圧室5,6を画成す
るためのシール材である。
【0010】前記スプール式制御バルブ10は、ポンプ
吐出側通路11,13の途中に設けたメータリングオリ
フィスのような可変メータリング絞り12の前後での差
圧P1,P2により作動し、ポンプ吐出側の流量の大小
に応じた流体圧P3を、前記カムリング2の外側部で高
圧側の流体圧室5に対し導入することにより、ポンプ始
動直後においても充分な流量を確保できるように構成し
ている。
【0011】この制御バルブ10は、圧力流体利用機器
(図中PSで示す)の作動による負荷作用時に、可変メ
ータリング絞り12の前後での差圧が所定の値以上にな
ったときに可変メータリング絞り12よりも上流側の流
体圧P1を制御圧としてカムリング2外側の高圧側の流
体圧室5に導入することにより、カムリング2の揺動を
防止できるようにしたものである。
【0012】また、前記ポンプボディ1には、タンクT
から前記スプール式制御バルブ10の低圧室を通って前
記ポンプ室4のポンプ吸込側領域4Aに至るポンプ吸込
側通路14が設けられている。前記ポンプ吐出側通路1
3には、ポンプ吐出側の流体圧が一定圧以上になったと
きに前記ポンプ吸込側通路14を介してポンプ吸込側
(またはタンクT側)に圧力流体をリリーフさせる位置
に圧力制御弁として直動型のリリーフバルブ15が設け
られている。
【0013】このような直動型のリリーフバルブ15に
よれば、図27に示すようにポンプの運転動作中におい
てポンプ吐出側の流体圧が予め定めた設定圧以上に達し
たときに流体の流れの一部または全量をポンプ吸込側
(タンクT側)に逃がすことができる。特に、このよう
な直動型のリリーフバルブ15は、可変容量形のポンプ
では容量形ポンプのような流量制御弁が設けられていな
いことから、ポンプ吐出側からポンプ吸込側に圧力流体
をリリーフさせるために必要なものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した構造
による従来の可変容量形ポンプでは、カムリング2の一
側部に形成される高圧側(第1)の流体圧室5が、ポン
プの低回転時には図25に示すようにタンク圧となるた
め、ポンプ内部、特に第1の流体圧室5と第2の流体圧
室6との間で内部漏れが増大することが避けられない。
すなわち、この第2の流体圧室6には、ポンプ吐出側の
流体圧が導かれており、タンク圧となっている第1の流
体圧室5との間での圧力差が大きく、これらの流体圧室
5,6間をシール材2cとともにシールする揺動支点ピ
ン2aの周囲を通っての内部漏れが生じるからである。
【0015】また、上述した内部漏れとしては、ポンプ
室4内においてポンプ吐出側領域4Bからカムリング2
の側面部を通っての第1の流体圧室5への漏れや、スプ
ール式制御バルブ10において、両端部に導かれている
可変メータリング絞り12の前、後の流体圧が、スプー
ルのランド部を越えてタンク圧が導かれているスプール
中央の環状溝部分に流入する漏れもある。制御バルブ1
0は、可変メータリング絞り12の上流側流体圧とタン
ク圧との間の大きな圧力差を常に制御しているから、内
部漏れを生じることは避けれられない。
【0016】このようなポンプでの内部漏れが増大する
と、ポンプの駆動効率が低下する。これを避けるために
は、上述した内部漏れを生じる部分の加工精度を厳格に
する必要がある。しかし、そうすると製造コストが上が
ってしまう。
【0017】また、上述した従来の可変容量形ポンプに
おいて、カムリング2を揺動させるためにカムリング2
の両側の流体圧室5,6に作用させる制御圧力は、制御
バルブ10におけるスプールのランド部とボディ1の通
路穴(通路5a)とで形成される開口面積比によってポ
ンプ吐出側の流体圧とタンク圧とを分配して加えられる
ようになっている。
【0018】このような制御バルブ10では、制御圧力
が高圧になるにしたがって面積比が大きくなり、制御バ
ルブ10が追従しきれず、図28中破線で示すようにポ
ンプ回転数(N)−ポンプの供給流量(Q)の特性が脈
動となって変動することがあった。このような変動が生
じると、動力舵取装置において、操舵力が変動したり、
流体音等の騒音問題につながるおそれがあった。
【0019】このような制御バルブ10における追従
性、特にこのバルブ10によって制御される流体圧で動
かされるカムリング2の揺動動作を円滑に行わせるため
には、カムリング2の両側の第1、第2の流体圧室5,
6での差圧を大きくすればよい。最も一般的な従来例と
しては、一方の流体圧室にポンプ吐出側圧力を導入し、
他方にタンク圧を導入する構造としたものが知られてい
る。しかし、このような構造では、前述したポンプ内で
内部漏れが生じるという問題は避けられない。
【0020】一方、特開平9ー273487号公報に
は、カムリングの揺動を制御する制御バルブを省略し、
カムリング外周部の第1、第2の流体圧室にメータリン
グ絞りの前、後圧を直接作用させるとともに、カムリン
グの内周部においてポンプ吐出側の流体圧が作用する範
囲に対して揺動支点ピンの位置を周方向にずらした構造
のものが提案されている。このような構造は、結果とし
て揺動支点ピンの両側でカムリングに作用するポンプ吐
出側流体圧をバランスさせようとしたものである。
【0021】しかし、このような構造では、カムリン
グ、揺動支点ピン、ポンプ室に開口するポンプ吐出側開
口などのバルブ各部における加工精度や組立精度が、カ
ムリングの揺動支点ピンを支点とした適切な揺動動作を
得るうえで重要であり、加工性、組立性の面で問題であ
る。そして、これらが原因となって製作誤差が生じる
と、揺動支点ピンを支点としたカムリングの揺動動作が
不安定となるおそれがある。また、揺動支点ピンを中心
としたカムリングの左、右にアンバランスが生じると、
所望のポンプ特性(流量特性)が得にくいという問題が
起きる。
【0022】したがって、このような加工精度等に伴う
問題をも配慮し、前述したような内部漏れを解決し、ま
たカムリングの特に戻り時の揺動動作を円滑に行えるよ
うに構成し、しかも可変容量形ポンプとしての性能を発
揮できる構造とすることが望まれる。
【0023】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ポンプ内部での流体圧の導入状況を改良す
ることにより、流体圧力差によって生じている内部漏れ
を改善することができるとともに、カムリングの揺動動
作、特にポンプの高回転時から低回転時への戻り時にお
けるカムリングの揺動動作を円滑に行わせることができ
る可変容量形ポンプを得ることを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明の請求項1に係る可変容量形ポンプは、ロ
ータを一側寄りに片寄らせた状態でこのロータとの間に
ポンプ室を形成するとともにこのポンプ室容積が最大と
なる方向に付勢されているカムリングと、前記カムリン
グをその外周面の一部に設けた揺動支点ピンを支点とし
て揺動可能に支持する内部空間を有するポンプボディ
と、前記ポンプボディの内部空間内で前記カムリングの
外周部との間にシール手段を介して分割形成され前記カ
ムリングを揺動させる第1および第2の流体圧室と、前
記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出側通路の途中
に設けたメータリング絞りの前、後の流体圧により作動
され前記カムリングの揺動を制御する制御バルブとを備
え、前記制御バルブを前記メータリング絞りの前、後の
流体圧によって作動することにより、メータリング絞り
の後側の流体圧を前記第1または第2の流体圧室に選択
的に導入するように構成し、この制御バルブによりポン
プの全回転域において前記メータリング絞りの前、後の
流体圧を前記第1、第2の流体圧室への導入流体圧とし
たことを特徴とする。
【0025】本発明の請求項2に係る可変容量形ポンプ
は、前記制御バルブの可動手段を、ポンプの低回転域で
はメータリング絞りの後側を第1の流体圧室に、メータ
リング絞りの前側を第2の流体圧室に接続するととも
に、ポンプの高回転域ではメータリング絞りの前側を第
1の流体圧室に、メータリング絞りの後側を第2の流体
圧室に接続するように構成したことを特徴とする。
【0026】本発明の請求項3に係る可変容量形ポンプ
は、前記カムリング付勢用のばね手段の付勢力を、前記
カムリングの内周部でポンプ室内のポンプ吐出圧が作用
するポンプ吐出側領域における流体圧が前記ロータの回
転方向においてバランスする力よりも大きくしたことを
特徴とする。
【0027】本発明の請求項4に係る可変容量形ポンプ
は、前記揺動支点ピンを、軸線方向の中央部から両端側
に向って外径が徐々に小径となるような中膨らみ状に形
成したことを特徴とする。
【0028】本発明によれば、ポンプボディ内でカムリ
ングを揺動させるための第1、第2の流体圧室での導入
流体圧を、ポンプ回転数の高低にかかわらず、メータリ
ング絞りの前、後いずれかの流体圧としているから、第
1、第2の流体圧室間での圧力差が小さい。また、ポン
プ室の吐出側領域と第1の流体圧室との間の流体圧力差
も小さくなる。
【0029】すなわち、本発明によれば、制御バルブで
制御するカムリングの揺動のためにカムリングの外周部
に形成される第1、第2の流体圧室に作用する流体圧
を、従来の低回転時にはタンク圧で、高回転時にはメー
タリング絞りの前側圧力とタンク圧との中間圧としてい
たのに対してポンプ回転数の高低にかかわらずポンプの
全回転領域においてメータリング絞りの前、後差圧を分
配した中間圧とすることにより、低回転時のカムリング
外周部での漏れ、制御バルブで消費する流量を低減する
ことができる。
【0030】また、本発明によれば、制御バルブによっ
て、ポンプの低回転域ではメータリング絞りの後側を第
1の流体圧室に、メータリング絞りの前側を第2の流体
圧室に導入し、ポンプの高回転域ではこれとは逆に、メ
ータリング絞りの前側を第1の流体圧室に、メータリン
グ絞りの後側を第2の流体圧室に導入することができる
から、ポンプが高回転時から低回転時に移行した戻り時
におけるカムリングの揺動動作が円滑になる。
【0031】また、本発明によれば、ばね手段の付勢力
を所要の大きさに設定することにより、カムリングの内
周部でのポンプ吐出側流体圧が作用する領域において、
カムリングの揺動支点ピンを中心とした左、右両側での
力をバランスさせ、所要の状態で揺動させることができ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】図1ないし図9は本発明に係る可
変容量形ポンプの第1の実施の形態を示し、これらの図
において、前述した図25〜図27と同一または相当す
る部分には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】この第1の実施の形態では、本発明に係る
ベーンポンプが動力舵取装置の油圧発生源となるベーン
タイプのオイルポンプであって、その吐出流量をポンプ
の回転数が増大するにしたがって、最大吐出流量よりも
少ない所定流量になり、その流量を維持するという、い
わゆるドルーピング特性をもつポンプである場合を説明
する。また、この実施の形態では、図7〜図9に示すよ
うに、パイロット型リリーフバルブを備えている場合を
示す。
【0034】本発明によれば、図1〜図3、図7〜図9
に示すように、ポンプボディの内部空間(ここではアダ
プタリング1aの内周部1b)内でカムリング2の外周
部との間にシール手段(揺動支点ピン2a、シール材2
c)を介して分割形成されカムリング2を揺動させる第
1および第2の流体圧室5,6と、ポンプ室4から吐出
される圧力流体の吐出側通路11の途中に設けた固定メ
ータリング絞り21の前、後の流体圧により作動されカ
ムリング2の揺動を制御する制御バルブ20とを備えて
いる。
【0035】そして、この制御バルブ20を固定メータ
リング絞り21の前、後の流体圧によって作動すること
により、固定メータリング絞り21の後側の流体圧を第
1または第2の流体圧室5,6に選択的に導入するよう
に構成し、この制御バルブ20によりポンプの全回転域
において固定メータリング絞り21の前、後の流体圧を
第1、第2の流体圧室5,6への導入流体圧としたこと
を特徴としている。
【0036】この実施の形態では、スプール式制御バル
ブ20において、スプール22の軸線方向に沿って貫通
する通路孔23を形成し、その一部に固定メータリング
絞り21を設けている。また、この制御バルブ20を構
成するバルブ孔20aの一方室(図中左方室)24に前
記ポンプ吐出側通路11を接続し、他方室(図中右方
室)25に前記ポンプ吐出側通路13を接続している。
そして、この通路13を介して圧力流体利用機器(たと
えばPS)に圧力流体を給送するように構成されてい
る。
【0037】また、前記ポンプ吐出側通路11の一部は
通路11aにより分流され、前記カムリング2をポンプ
室4の容積が最大となる方向に付勢するばね2bを配置
したばね室26に開口する小孔27aとカムリング2の
側縁27bとからなる可変メータリング絞り27を介し
て前記第2の流体圧室6に接続されている。この第2の
流体圧室6は、ばね室26を介してパイロット式リリー
フバルブ15に接続され、内部の流体圧をタンクT側に
リリーフさせることができるように構成されている。
【0038】なお、この可変メータリング絞り27は、
従来から広く知られているタイプの可変絞りにおける開
口量よりも小さい。また、このような可変メータリング
絞り27としては、上述した図1等に示すようにカムリ
ング2の側縁27bで開閉される一個の小孔27aに限
らず、図6に示したように、二個またはそれ以上の小孔
27aによって構成してもよい。カムリング2の揺動量
は、現行品ではたとえば1.9mm程度であり、複数個
の小穴27a(合計の開口量が1個のものと同等)を設
けると、カムリング2の少ない変位によって絞りを開閉
することができるから、ポンプ性能の設定上から便利で
ある。勿論、このような小孔27aとしては円形に限ら
ない。
【0039】また、前記第2の流体圧室6は、通路6a
を介して前記バルブ孔20aの一部に開口している。ま
た、第1の流体圧室5に接続された通路5aも前記バル
ブ孔20aの一部に前記通路6aとは軸線方向にずれた
位置に開口している。なお、図中20bはスプール22
を図中左側に付勢するばねである。
【0040】前記スプール22は、上述した通路5a,
6aを選択的に開閉するランド部22a,22bを有す
る。また、前記スプール22は、前記ランド部22bに
軸線方向に形成した通路孔28aを介して前記固定メー
タリング絞り21の後側の流体圧が導入されている環状
溝28を備えている。前記環状溝28は、スプール22
の動きによって前記通路5aまたは6aと選択的に接続
され、この固定メータリング絞り21の後側の流体圧を
前記第1または第2の流体圧室5または6に導入するよ
うに構成されている。なお、上述した通路孔28aはチ
ョーク等にならないように必要に応じて複数個設けると
よい。
【0041】また、前記スプール22のランド部22b
の外周には、前記通路6aと選択的に接続する環状溝2
9が形成されている。この環状溝29はスプール22の
径方向に形成した通路孔29aを介して前記固定メータ
リング絞り21の前側の通路23に接続されている。し
たがって、この実施の形態でのポンプでは、ポンプ吐出
側通路系(11,11a,23,13)には、固定メー
タリング絞り21が設けられるとともに、カムリング2
の揺動に伴って開閉される可変メータリング絞り27が
付設され、この可変メータリング絞り27の働きによっ
て前述したドルーピング特性を得ている。
【0042】なお、上述した通路6aと環状溝29との
間には、図5に示すようにチャンファ部29bが形成さ
れている。このチャンファ部29bはカムリング2の動
き(ダンピング等)に対しての制動のためのダンパ絞り
となる部分である。また、上述した通路孔29aはパイ
ロット通路となる吐出側通路11a、可変メータリング
絞り27、第2の流体圧室6等からなる通路におけるパ
イロット絞りとなる部分である。
【0043】上述した制御バルブ20において、スプー
ル22の前、後両端側の室24,25にはメータリング
絞りによって生じる差圧が作用する。たとえばポンプが
低回転時のときは、固定メータリング絞り21と可変メ
ータリング絞り27とを加えた絞りによって生じる差圧
が作用し、ポンプが高回転時のときは、固定メータリン
グ絞り21によって生じる差圧が作用する。そして、こ
のような差圧の大小に応じてスプール22が移動するこ
とにより、第1、第2の流体圧室5,6に、ポンプ吐出
側通路11,11a,13において、メータリング絞り
21,27の前、後の流体圧のいずれかが作用する。
【0044】すなわち、制御バルブ20において、ポン
プの低回転域では前記メータリング絞り21,27の後
側を第1の流体圧室5に、前記メータリング絞り21,
27の前側を第2の流体圧室6に接続するとともに、ポ
ンプの高回転域ではメータリング絞り21の前側を第1
の流体圧室5に、メータリング絞り21の後側を第2の
流体圧室6に接続する。
【0045】図4は本発明に係る可変容量形ポンプのポ
ンプ回転数に対する供給流量を示す特性図であり、前述
した図1は図中a−bの直前までの状態を、図2はbの
状態を、図3はb〜eの状態を示す。
【0046】上述した図1〜図3において、可変メータ
リング絞り27はその開口量が徐々に減少し、これに伴
ってポンプからの供給流量も減少し、絞り27が閉じら
れると、固定メータリング絞り21のみの働きによって
ポンプからの供給流量は最大流量よりも低い流量でもっ
て一定となる。
【0047】たとえばポンプ室4から吐出される圧力流
体は、ポンプ吐出側通路11,11a、メータリング絞
り21,27を経て圧力流体利用機器PS側に給送され
る。低回転時には、ポンプは図1、図2に示すように、
カムリング2はポンプ室4の容積が最大となる位置にあ
る。これは、第2の流体圧室6には、ポンプ吐出側通路
11,11aにおいて固定メータリング絞り21の上流
側の流体圧が導かれるとともに、第1の流体圧室5に
は、ポンプ吐出側通路11,11a,13において固定
メータリング絞り21の下流側の流体圧が導かれている
からである。
【0048】また、ポンプの回転数が増大し、ポンプ室
4からの圧力流体の流量が増加し、スプール式制御バル
ブ20のスプール21が、ポンプ吐出側通路11におい
て固定メータリング絞り21の上流側の流体圧により押
されて図3に示すように移動すると、上述した低回転時
とは逆に、固定メータリング絞り21の上流側の流体圧
が第1の流体圧室5に導入されるとともに、スプール2
2における環状溝28を介して下流側の流体圧が第2の
流体圧室6に導入されることになる。そして、その差圧
によって前記カムリング2は図中右側に揺動し、ポンプ
室4の容積を縮小することによりポンプ室4から吐出さ
れる流量を減少させることができる。
【0049】このような可変容量形ポンプによれば、ポ
ンプからの供給流量は、図4に示すように低回転域で所
定量まで立ち上がった後は、その値を維持するととも
に、ポンプ回転数が一定以上増加すると、可変メータリ
ング絞り27による差圧がなくなることによって、上述
した所定量以下の流量となり、その値を維持することが
できる。
【0050】また、上述した可変容量形ポンプにおい
て、このポンプからの給送を受ける圧力流体利用機器P
Sが作動する等、負荷が加わったときには、ポンプ吐出
側通路11内の流体圧が上昇し、可変メータリング絞り
12の下流側の流体圧が導かれている低圧側の流体圧室
6内の流体圧が上昇する。そして、この圧力がリリーフ
バルブ15の設定圧を越えると、図7、図8、図9に示
すようにこのリリーフバルブ15が開いてポンプ吐出側
の流体をポンプ吸込側にリリーフさせる。なお、これら
の図7〜図9は前述した図1〜図3に対応したリリーフ
状態を示す図である。
【0051】このときには、第1の流体圧室5には、ポ
ンプ吐出側通路11において、固定メータリング絞り2
1よりも上流側の流体圧または下流側の流体圧が導かれ
ている。一方、第2の流体圧室6には上述した固定メー
タリング絞り21の下流側または上流側の流体圧が導か
れているが、その圧力が一定以上になることによりリリ
ーフバルブ15が開き、リリーフ状態となることにより
前記第1の流体圧室5よりも低圧となる。
【0052】そして、前記カムリング2は、第1の流体
圧室5内の流体圧とばね2bの付勢力とによってポンプ
室4の容積を縮小する方向に揺動し、ポンプ室4内から
の吐出流量を所定量以下に維持し、ポンプ駆動馬力は最
小限となる。
【0053】上述した構造によれば、カムリング2を揺
動させるための第1、第2の流体圧室5,6での導入流
体圧を、ポンプ回転数の高低にかかわらず、メータリン
グ絞り21,27の前、後いずれかの流体圧としている
から、第1、第2の流体圧室5,6間での圧力差が小さ
い。また、ポンプ室4の吐出側領域と第1の流体圧室5
との間の流体圧力差も小さくなる。さらに、制御バルブ
20におけるスプール22の内部通路や両端側部分で
も、ポンプ吐出側通路23の固定メータリング絞り21
の前、後の流体圧となることから、圧力差は小さくな
る。したがって、これらの部分での内部漏れは少なくな
る。
【0054】また、上述した制御バルブ20によって、
ポンプの低回転域ではメータリング絞り21,27の後
側を第1の流体圧室5に、メータリング絞り21,27
の前側を第2の流体圧室6に導入し、ポンプの高回転域
ではこれとは逆に、メータリング絞り21の前側を第1
の流体圧室5に、メータリング絞り21の後側を第2の
流体圧室6に導入することができるから、ポンプが高回
転時から低回転時に移行した戻り時におけるカムリング
2の揺動を円滑に行わせることができる。
【0055】上述した図1〜図3、図7〜図9で説明し
た本発明に係る可変容量形ポンプの具体例を図10、図
11、図12に示す。これらの図において全体を符号3
0で示すベーンタイプの可変容量形ポンプは、ポンプボ
ディを構成するフロントボディ31およびリアボディ3
2を備えている。このフロントボディ31は、図10に
示すように全体が略カップ状を呈し、その内部にポンプ
カートリッジとしてのポンプ構成要素33を収納配置す
る収納空間34が形成されるとともに、この収納空間3
4の開口端を閉塞するようにリアボディ32が組合わせ
られ一体に組立てられる。なお、このフロントボディ3
1には、ポンプ構成要素33を構成するロータ35を外
部から回転駆動するためのドライブシャフト36が貫通
した状態で軸受36a,36b,36c(36a,36
bはフロントボディ31側、36cはリアボディ32側
に配設される)により回転自在に支持されている。ま
た、36dはオイルシールである。
【0056】37はベーン35aを有するロータ25の
外周部に嵌装して配置される内側カム面37aを有し、
かつこの内側カム面37aとロータ35との間にポンプ
室38を形成するカムリングで、このカムリング37
は、後述するように、ポンプ室38の容積を可変できる
ように収納空間34内で空間内壁部分に嵌合状態で設け
られたアダプタリング39内で移動変位可能に配置され
ている。なお、このアダプタリング39は、ボディ31
の収納空間34内でカムリング37を移動変位可能に保
持するためのものである。
【0057】40は上述したロータ35、カムリング3
7およびアダプタリング39によって構成されているポ
ンプカートリッジ(ポンプ構成要素33)のフロントボ
ディ31側に圧接して積層配置されるプレッシャプレー
トで、またポンプカートリッジの反対側面には前記リア
ボディ32の端面がサイドプレートとして圧接され、フ
ロントボディ31とリアボディ32との一体的な組立て
によって所要の組立状態とされる。そして、これらの部
材によって、前記ポンプ構成要素33が構成されてい
る。
【0058】なお、プレッシャプレート40と、これに
カムリング37を介して積層されるサイドプレートとな
るリアボディ32とは、後述する揺動支点ピン41や適
宜の回り止め手段(図示せず)によって回転方向で位置
決めされた状態で一体的に組付け固定されている。な
お、揺動支点ピン41は、カムリング37を揺動可能と
するための軸支部および位置決めピンとして機能し、ま
たカムリング37を揺動させる流体圧室を画成するシー
ル機能も有する。
【0059】43は前記フロントボディ31の収納空間
34内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室
で、この圧力室43によってポンプ吐出側圧力がプレッ
シャプレート40に作用する。44はこのポンプ吐出側
圧力室43にポンプ室38からの圧油を導くようにプレ
ッシャプレート40に穿設されているポンプ吐出側開口
となるポンプ吐出側通路である。
【0060】なお、リアボディ32の一部にはポンプ吸
込ポート45が設けられ、このポート45を介してタン
クTから流入する吸込側流体は、リアボディ32内に形
成したポンプ吸込側通路46を通り、リアボディ32の
端面に開口するポンプ吸込側開口からポンプ室38内に
供給される。
【0061】50はフロントボディ31の上方に前記シ
ャフト36と直交する方向に形成されたバルブ孔51と
スプール52とからなる制御バルブである。この制御バ
ルブ50により、前記アダプタリング39内でカムリン
グ37の両側に前記揺動支点ピン41とその軸対象位置
に設けたシール材55により分割形成した第1、第2の
流体圧室53,54に導入する流体圧を制御するように
構成されている。
【0062】61は前記ポンプ吐出側圧力室43から前
記バルブ孔51の一端側に開口するように接続された通
路、62は前記スプール52の軸線方向に形成した通路
であり、この通路62の一部、スプール52の他端側に
形成されるばね64aを有するばね室64側に固定メー
タリング絞り63が設けられている。また、前記ばね室
64の外方端にはポンプ吐出側ポート65が形成され、
図示しないパワーステアリング装置等の油圧機器PSに
給送するようになっている。ている。
【0063】前記スプール52は、前述したように第
1、第2の流体圧室53,54に対して固定メータリン
グ絞り63の前、後の流体圧を、ポンプ回転数に応じて
通路66,67を介して導入するように構成されてい
る。
【0064】また、前記ポンプ吐出側通路の一部、この
実施の形態ではプレッシャプレート40に形成した通路
68の開口端68aとカムリング37の周縁部とによっ
て、前記可変メータリング絞り69が形成されている。
なお、図中71はカムリング37を付勢するばね、72
はリアボディ32の一部に設けたリリーフバルブであ
る。
【0065】ここで、図10〜図12において、制御バ
ルブ50の具体的な構造および動作等については、前述
した図1等で説明した通りの構造を有するもので、ここ
での詳細な説明は省略する。また、以上のようなベーン
タイプの可変容量形ポンプ30において、上述した以外
の構成は従来から広く知られているもので、具体的な説
明は省略する。さらに、このような構成による可変容量
形ポンプ30は、前述した図1〜図3等で説明した通り
動作するものであり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0066】ここで、このような可変容量形ポンプ30
では、カムリング37を付勢するばね71の付勢力を、
前記カムリング37の内周部でポンプ室38内のポンプ
吐出圧が作用するポンプ吐出側領域における流体圧が前
記ロータ35の回転方向においてバランスする力よりも
製作誤差吸収分だけ大きくなるように設定している。こ
のような構成によれば、カムリング37の内周部でのポ
ンプ吐出側流体圧が作用する領域において、カムリング
37の揺動支点ピン41を中心とした左、右両側での力
をバランスさせ、所要の状態で揺動させることができ
る。
【0067】すなわち、プレッシャプレート40やリア
ボディ32のポンプ構成要素33との接触面でのポンプ
吸込側、吐出側の開口の回転方向での角度のずれ、誤
差、揺動支点ピン41の位置精度、さらにポンプ室38
内での流体圧の大きさ等の製作誤差が原因となって、カ
ムリング37の左、右で生じる力はアンバランスとなる
おそれがある。本発明はこのような点に配慮し、アンバ
ランスな力がカムリング37の左、右で生じたときに、
これを吸収できる程度の力をばね71の付勢力として予
め与えて、カムリング37の適切な揺動動作を確保す
る。
【0068】また、制御バルブ20での制御圧力による
カムリング37への推力(たとえば制御バルブ20の開
口圧力とカムリング37側の面積との積)をアンバラン
スな力とカムリング37を付勢するばね71の付勢力と
を必要最小限の大きさに設定し、前述したようなメータ
リング絞り21,27の前、後での差圧以下で作用させ
るように構成するとよい。
【0069】図13ないし図16は本発明に係る可変容
量形ポンプの第2の実施の形態を示し、これらの図にお
いて前述した図1〜図3と同一または相当する部分には
同一番号を付してその詳細な説明は省略する。この第2
の実施の形態も、第1の実施の形態と同様に、ポンプ吐
出流量を回転数の増加に伴って供給流量を最大流量より
も減少させる、いわゆるドルーピング特性とする可変容
量形ポンプである。
【0070】この第2の実施の形態は、前述した第1の
実施の形態においてカムリング2の側縁27bにより開
閉されるようにプレッシャプレートに開口したポンプ吐
出側通路11aの孔部27aからなる可変メータリング
絞り27に代えて、図12に示すような円弧状を呈する
溝部81からなる可変メータリング絞り80を設けた点
が相違している。
【0071】図16は前述した図11で説明したプレッ
シャプレート40のカムリング37に接する面を示す。
円弧状溝部81は、ポンプ吸込側開口に対応する円弧溝
82、ポンプ吐出側開口83とともに形成されている。
この円弧状溝部81は、図13〜図15に示すように、
一端81aが前記第2の流体圧室6においてカムリング
2の揺動により開閉されるように位置し、他端81bが
前記第1の流体圧室5に開口している。
【0072】この第2の実施の形態において、低、中回
転時には、図13、図14に示すような状態となる。す
なわち、ポンプ吐出側通路11からの固定メータリング
絞り21の上流側の流体圧は、スプール22の通路孔2
9a、環状溝29、チャンファ部29b、通路6aを経
て第2の流体圧室6に導入されている。そして、この第
2の流体圧室6から前記円弧状溝部81の一端81aを
可変メータリング絞り80とし、第1の流体圧室5に導
入されている。したがって、この第1の流体圧室5に
は、可変メータリング絞り80による差圧が、第2の流
体圧室6との間に作用することになる。
【0073】ポンプの高回転時になると、図15に示す
ように、スプール22が図中右方に移動し、前述した場
合とは逆に、第1の流体圧室5に固定メータリング絞り
21の上流側の流体圧が導入されるとともに、第2の流
体圧室6には、固定メータリング絞り21の下流側の流
体圧が導入され、カムリング2はばね室26側に揺動
し、このとき可変メータリング絞り80となる円弧状溝
部81の一端81aは閉塞された状態となる。
【0074】このような第2の実施の形態でのポンプ構
造においても、前述したと同様に、第1、第2の流体圧
室5,6には、固定メータリング絞り21、可変メータ
リング絞り80による差圧が作用しており、その圧力差
は小さい。また、図13〜図15の状態から圧力流体利
用機器側が作動された負荷状態になると、第1の流体圧
室5側の流体圧が、第2の流体圧室6の流体圧よりも大
きくなり、所要のリリーフ状態が得られることは前述し
た実施の形態で説明した通りである。
【0075】なお、上述した図13〜図15における第
2の実施の形態では、リリーフバルブ15をポンプ吐出
側通路11,13等とは別のパイロット通路となる部分
にパイロット式として設けているが、本発明はこれに限
定されない。
【0076】図17〜図19は本発明の第3の実施の形
態を示す図であり、これらの図において、ポンプ吐出側
通路において、固定メータリング絞り21の下流側の通
路13からポンプの吸込側通路14に圧力流体を還流さ
せるように直動型のリリーフバルブ15を設けている。
このような構造としても、前述した実施の形態と同様の
作用効果が得られるもので、ここでの詳細な動作説明は
省略する。
【0077】図20〜図22は本発明の第4の実施の形
態を示し、この実施の形態では、前述した第1〜第3の
実施の形態で説明したポンプとは異なり、可変メータリ
ング絞りを省略し、固定メータリング絞り21のみをポ
ンプ吐出側通路11,13の途中に設けることにより、
図23に示すようなポンプからの供給流量を一定流量と
した一定流量型のポンプを示している。
【0078】この実施の形態でのポンプは、第1、第2
または第3の実施の形態におけるポンプから可変メータ
リング絞りを省略した構造であり、その詳細な説明は省
略する。
【0079】すなわち、この実施の形態におけるポンプ
では、ポンプ回転数が小さいときは第1の流体圧室5に
はポンプ吐出側通路11aにおいて固定メータリング絞
り21の下流側の流体圧が導かれ、第2の流体圧室6に
は固定メータリング絞り21の上流側の流体圧が導かれ
ている。そして、ポンプ回転数が所定以上の回転数にな
り、前記固定メータリング絞り21の上流側でのポンプ
吐出側流体圧が一定以上になると、スプール式制御バル
ブ20を構成するスプール22が移動し、その流体圧を
前記高圧側の流体圧室5に導く。これに対して固定メー
タリング絞り21の下流側の流体圧が第2の流体圧室6
に導かれており、カムリング37は第1、第2の流体圧
室5,6の差圧によってポンプ室4を縮小する方向に変
位する。したがって、ポンプからの吐出流量はポンプ回
転数にかかわらず一定流量に維持される。
【0080】さらに、圧力流体利用機器PS側が作動さ
れたりしてポンプ吐出側通路11,13内の流体圧が所
定圧(リリーフ圧)以上になると、リリーフバルブ15
が開いてポンプ吸込側へのリリーフが行われる。このよ
うなリリーフ状態になると、カムリング37は、第2の
流体圧室6側の流体圧がさらに小さくなることから、よ
り一層ポンプ室4を縮小する方向に変位し、ポンプ室4
からの吐出流量をより小さくする。
【0081】このような第4の実施の形態によっても、
前述した第1、第2、第3の実施の形態と同様の作用効
果が得られることになる。
【0082】図24は前述した各実施の形態で説明した
揺動支点ピン41(2a)の形状を、軸線方向の中央部
が最大外径寸法をもち、両端に向って徐々に小径となる
ような曲面で形成した中膨らみ状に形成している。この
ような形状による揺動支点ピン41によれば、カムリン
グ37の支持が確実に行えるととともに、円滑な揺動動
作を得ることが可能となる。なお、このような揺動支点
ピン41を用いた場合、シールピンとしての機能は多少
劣るが、前述したようにカムリング37の両側の流体圧
室5,6間での流体圧力差が小さいときには実用上支障
ないものである。
【0083】すなわち、上述した揺動支点ピン41によ
りカムリング37の凹部37dを単純に支持するには、
軸線方向に沿っての加工精度が求められる。これに対
し、この実施の形態での曲面形状のピン41では、軸線
方向の一点で支持しているから、確実な支持が維持でき
るとともに高精度の加工は必要とせず、したがって加工
性、製造コスト面で有利となる。しかも、このピン41
を支持するアダプタリング39側の凹部90での精度も
従来構造では要求されていたが、この実施の形態での形
状で形成すればこのような精度も必要なくなる。
【0084】また、この実施の形態では、前記ポンプボ
ディ(アダプタリング39)内でカムリング37を揺動
自在に支持するための揺動支点ピン41を、前記アダプ
タリング39の内周部に形成した凹部90により支持す
るとともに、この揺動支点ピン41の両端部を係入させ
る穴部を、ポンプボディ内でポンプ構成要素33を挟み
込む両側のプレート(リアボディ32の内側面のサイド
プレートとプレッシャプレート40)とに形成した略小
判形状の長穴91,91によって構成している。
【0085】すなわち、従来の揺動支点ピン41は、ポ
ンプ構成要素33を挟み込む両側のリアボディ32の内
側面とプレッシャプレート40とに形成した円形状の穴
部によって支持し、アダプタリング39側の凹部では受
けていなかったが、本発明はこれとは逆にアダプタリン
グ39の凹部90で揺動支点ピン41を直接受けて支持
するとともに、両端部は可動可能に構成しているのであ
る。
【0086】このような構造とすれば、揺動支点ピン4
1は軸線方向のほとんどが凹部90の溝底により保持さ
れ、カムリング37の揺動支点、さらに第1、第2の流
体圧室5,6(53,54)間のシールピンとして、さ
らにリアボディ32とプレッシャプレート40の位置決
めピンとして機能させることができる。
【0087】前記揺動支点ピン41の両端部が係入され
る長穴91,91は、カムリング37を介して作用する
ポンプ室38における吐出側領域での吐出圧等による荷
重に対して揺動支点ピン41の端部の動きを許容できる
程度の長穴として形成されている。なお、揺動支点ピン
41の径寸法がたとえば3φであるときに、略小判形状
の長穴91の長径部を3.3mmとするとよいことが確
認されている。
【0088】勿論、この略小判形状の長穴91,91
は、リアボディ32とプレッシャプレート40との回転
方向の位置決めを行えるように揺動支点ピン41の外径
に合わせた間隙をおいて対向する平行部91a,91a
を有し、その短辺方向の寸法が決められている。なお、
これらの平行部91a,91aは、ポンプ室38の吐出
側領域における吐出圧力がカムリング37に作用する方
向に延びている。
【0089】このような構造によれば、揺動支点ピン4
1の軸線方向のほとんどを、アダプタリング39の凹部
90により支持することができるから、カムリング37
の揺動支点としての機能を確保することができる。そし
て、従来問題であったポンプ室38におけるポンプ吐出
側領域38Bでの変動している流体圧の影響によってカ
ムリング37を介して作用している荷重の影響にかかわ
らず、ピン41の倒れ等はなくなり、カムリング37を
円滑に揺動させることができる。これは、軸線方向に沿
って湾曲面で形成されるピン41に対してカムリング3
7側が軸実に一箇所で支持されるためである。
【0090】そして、上述したカムリング37の揺動に
よってポンプ吐出流量を調整する流量調整域において
も、カムリング37が円滑に揺動するからポンプの流量
特性を安定化させることができる。また、上述した構成
によれば、揺動支点ピン41の両端部が係入される穴部
がカムリング37への荷重の作用方向に長尺な長穴9
1,91で形成されているから、従来に比べてリアボデ
ィ32、プレッシャプレート40でのピン支持部におけ
る強度上の問題を解消することができる。さらに、これ
に加えて揺動支点ピン41の支持強度も増すことから、
ポンプ吐出圧の高圧化を図ることも可能である。
【0091】しかし、このような揺動支点ピン41の両
端を支持するプレッシャプレート40側とリヤボディ3
2側との穴部としては、加工精度が確保できるならば単
純な円形穴であってもよいことも勿論である。
【0092】なお、本発明は上述した実施の形態構造に
限定されず、可変容量形ポンプ30の各部の形状、構造
等を、適宜変形、変更することは自由であり、種々の変
形例が考えられる。また、上述した各実施の形態では、
固定メータリング絞り21や可変メータリング絞り2
7,80というように単に「絞り」として説明したが、
これはこのような絞り部分がオリフィスであってもチョ
ークであってもよいからである。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る可変容
量形ポンプによれば、カムリングの両側に形成される第
1、第2の流体圧室に対して可変メータリング絞りの
前、後の流体圧に関連する圧力をポンプの全回転領域に
おいて導入しているから、ポンプ内部での漏れを相対的
に低減することができる。また、本発明によれば、ポン
プ内部での流体圧力差が大きい部分を削減できるから、
充分な耐圧を必要とするシール部分を削減することがで
きる。
【0094】また、本発明によれば、制御バルブで制御
する差圧力が小さくなるために安定した制御が可能とな
る。たとえば可変メータリング絞りの前、後での差圧が
たとえば2Kgf/cm2 程度の小さくともカムリング
を適切に揺動動作させることができる。
【0095】さらに、上述した可変メータリング絞りの
前、後での差圧は、ポンプから圧力流体を供給する圧力
流体利用機器の作動、非作動に伴う負荷時あるいは無負
荷時とも一定であり、制御バルブの開口面積を大きくし
ても通過流量をそれ程必要とせず、安定した制御が可能
となる。また、上述した制御バルブでの通過流量はその
ままポンプから吐出されるから、この点を予め見込んだ
メータリング絞りを設定しておけばよく、内部漏れとい
う問題はなくなる。
【0096】このような利点は、制御バルブのランド部
で分配制御する圧力差が、従来のようにタンク圧とポン
プ吐出圧という大きな圧力差ではなく、メータリング絞
りの前、後差圧という小さな圧力差でよいから、制御バ
ルブのランド部での漏れ量が少なくてよいためである。
【0097】また、本発明によれば、制御バルブによっ
て、ポンプの低回転域と高回転域とでメータリング絞り
の前、後の流体圧を、第1、第2の流体圧室に反転して
与えることができるから、ポンプが高回転時から低回転
時に移行した戻り時におけるカムリングの揺動動作が円
滑になる。
【0098】さらに、本発明によれば、ばね手段の付勢
力を所要の大きさに設定することにより、カムリングの
内周部でのポンプ吐出側流体圧が作用する領域におい
て、カムリングの揺動支点ピンを中心とした左、右両側
での力をバランスさせ、所要の状態で揺動させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプの第1の実施
の形態を示し、低回転時(図4のa−bの直前)の状態
を示す作動説明図である。
【図2】 図1の可変容量形ポンプにおいて中回転時
(図4のb)の状態を示す作動説明図である。
【図3】 図1の可変容量形ポンプにおいて高回転時
(図4のb〜e)の状態を示す作動説明図である。
【図4】 図1〜図3のポンプにおけるポンプ回転数に
対する供給流量を説明する特性図である。
【図5】 図1〜図3のポンプにおける制御バルブのス
プールのばね室室側のランド部とバルブ孔に開口する通
路との関係を示す要部拡大図である。
【図6】 図1〜図3のポンプにおいて、可変メータリ
ング絞りとしてカムリングの側縁で開閉される孔部の変
形例を説明するための図である。
【図7】 図1の低回転時(図4のa−bの直前)にお
けるリリーフ状態を示す作動説明図である。
【図8】 図2の中回転時(図4のb)におけるリリー
フ状態を示す作動説明図である。
【図9】 図3の高回転時(図4のb〜e)におけるリ
リーフ状態を示す作動説明図である。
【図10】 図1〜図3、図7〜図9の可変容量形ポン
プの具体例を示すポンプの断面図である。
【図11】 図10のXI−XI線断面図である。
【図12】 図10のXII−XII線断面図である。
【図13】 本発明に係る可変容量形ポンプの第2の実
施の形態を示し、低回転時(図4のa−bの直前)の状
態を示す作動説明図である。
【図14】 図13の可変容量形ポンプにおいて中回転
時(図4のb)の状態を示す作動説明図である。
【図15】 図13の可変容量形ポンプにおいて高回転
時(図4のb〜e)の状態を示す作動説明図である。
【図16】 (a)は図13〜図15のポンプにおい
て、プレッシャプレートに形成した可変メータリング絞
りを構成する円弧状溝部を説明するための図、(b)は
(a)のXVI−XVI線断面図である。
【図17】 本発明に係る可変容量形ポンプの第3の実
施の形態を示し、低回転時の状態を示す作動説明図であ
る。
【図18】 図17の可変容量形ポンプにおいて高回転
時の状態を示す作動説明図である。
【図19】 図17の可変容量形ポンプにおいて低回転
時におけるリリーフ状態を示す作動説明図である。
【図20】 本発明に係る可変容量形ポンプの第4の実
施の形態を示し、低回転時(図23のa−bの直前)の
状態を示す作動説明図である。
【図21】 図20の可変容量形ポンプにおいて中回転
時(図23のb)の状態を示す作動説明図である。
【図22】 図20の可変容量形ポンプにおいて高回転
時(図23のb−c)の状態を示す作動説明図である。
【図23】 図20〜図22の可変容量形ポンプにおけ
るポンプ回転数に対する供給流量を説明する特性図であ
る。
【図24】 上述した第1〜第4の実施の形態におい
て、カムリングを支持する揺動支点ピンの変形例を示
し、(a)は揺動支点ピンの支持部構造を実際よりも誇
張して描いた拡大断面図、(b),(c)は(a)のXX
IVb−XXIVb線、XXIVc−XXIVc線断面図である。
【図25】 従来の可変容量形ポンプを示し、低回転時
の状態を示す作動説明図である。
【図26】 図25の可変容量形ポンプにおいて、高回
転時の状態を示す作動説明図である。
【図27】 図25可変容量形ポンプにおいて、低回転
時におけるリリーフ状態を示す作動説明図である。
【図28】 図25のポンプにおけるポンプ回転数に対
する供給流量を説明する特性図である。
【符号の説明】
1…ポンプボディ、1a…アダプタリング、2…カムリ
ング、2a…揺動支点ピン、2b…ばね、2c…シール
材、3…ロータ、3a…ベーン、4…ポンプ室、4A…
ポンプ吸込側領域、4B…ポンプ吐出側領域、5,6…
流体圧室、7…ポンプ吸込側開口、8…ポンプ吐出側開
口、11,13…ポンプ吐出側通路、14…ポンプ吸込
側通路、15…リリーフバルブ、20…スプール式制御
バルブ、21…固定メータリング絞り、22…スプー
ル、22a,22b…ランド部、23…通路、24,2
5…室、26…ばね室、27…可変メータリング絞り、
27a…孔部、28…環状溝、29…環状溝、29a…
通路孔、29b…チャンファ部、30…ベーンタイプの
可変容量形ポンプ(可変容量形ベーンポンプ)、31…
フロントボディ(ポンプボディ)、32…リアボディ
(ポンプボディ)、33…ポンプ構成要素、34…収納
空間、35…ロータ、36…ドライブシャフト(回転
軸)、37…カムリング、38…ポンプ室、40…プレ
ッシャプレート、41…揺動支点ピン、43…ポンプ吐
出側圧力室、44…ポンプ吐出側通路、45…ポンプ吸
込ポート、46…ポンプ吸込側通路、48…ポンプ吐出
側ポート、53,54…第1、第2の流体圧室、63…
固定メータリング絞り、68…可変メータリング絞り、
80…可変メータリング絞り、81…円弧状溝部、90
…凹部、91…小判形状の長穴、T…タンク。
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月27日(1999.10.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 可変容量形ポンプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動車の
ハンドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流
体利用機器に用いる可変容量形ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置用ポンプとして従来一般に
は、自動車用エンジンで直接回転駆動される容量形のベ
ーンポンプが用いられている。このような容量形ポンプ
は、エンジン回転数に対応して吐出流量が増減するた
め、自動車の停車中や低速走行時に操舵補助力を大きく
し、高速走行時に操舵補助力を小さくするという動力舵
取装置に要求される操舵補助力とは相反する特性をもっ
ている。したがって、このような容量形ポンプには、回
転数が低い低速走行時にも必要な操舵補助力が得られる
程度の吐出流量を確保できる大容量のものを用いる必要
がある。しかも、回転数が高い高速走行時のためには、
吐出流量を一定量以下に制御する流量制御弁が必須とな
る。このため、容量形ポンプでは、構成部品点数が増
え、構造や通路構成が複雑で、全体の大型化やコスト高
となることが避けられない。
【0003】このような容量形ポンプの不具合を解決す
るために、一回転当たりの吐出流量(cc/rev)を
回転数の増加に比例して減少させることが可能な可変容
量形ベーンポンプが、たとえば特開平6−200883
号公報、特開平7−243385号公報、特開平8−2
00239号公報等によって提案されている。これらの
可変容量形ポンプによれば、容量形ポンプのような流量
制御弁が不要となり、また駆動馬力の無駄が防げるため
エネルギ効率の面でも優れている。また、タンク側への
戻りもないことから油温が上昇するというようなことが
なく、しかもポンプ内部での漏れや容積効率が低下する
という問題も防止できる。
【0004】このような可変容量形のベーンポンプの一
例を、たとえば特開平8−200239号公報等におけ
るポンプ構造を示す図25〜図27を用いて簡単に説明
すると、図中1はポンプボディ、1aはアダプタリン
グ、2はこのボディ1のアダプタリング1a内に形成さ
れる楕円形空間部1b内で支軸部となる揺動支点ピン2
aを介して揺動可能に設けられたカムリングで、図中左
方向に押圧するばね手段(圧縮コイルばね2b)により
付勢されている。3はロータで、前記カムリング2内で
ポンプ室4を一側に形成するように他側寄りに偏心して
収容され外部駆動源によって回転駆動されることで放射
方向に進退自在に保持されたベーン3aを進退させる。
なお、図中3bはロータ3の駆動軸で、ロータ3は図中
矢印で示す方向に回転駆動される。
【0005】5,6はボディ1のアダプタリング1aの
楕円形空間部1b内でカムリング2の外周面両側に形成
されてそれぞれが高圧側または低圧側となる第1、第2
の流体圧室で、これらの室5,6には、カムリング2を
揺動させるための制御圧としてポンプ吐出側通路11に
設けたメータリング絞りの上、下流側の流体圧を導く通
路5a,6aが、後述するスプール式制御バルブ10を
介して開口している。この例では、可変メータリング絞
り12を、第2の流体圧室6を形成するボディ1の側壁
面に開口した孔部12aと、この孔部12aを開閉する
ように移動するカムリング2の側縁部12bとによって
形成した場合を示す。また、上述した可変メータリング
絞り12下流側のポンプ吐出側通路を符号13で示す。
【0006】上述したようにポンプ吐出側通路11,1
3の可変メータリング絞り12の上、下流側の流体圧を
カムリング2両側の流体圧室5,6に導入することによ
り、図25、図26に示すように、カムリング2を所要
の方向に揺動させてポンプ室4内の容積を変え、図28
の流量特性に示すようにポンプ吐出側での流量に対応し
て吐出流量を制御することができる。すなわち、ポンプ
回転数の増加に伴って吐出側の流量を所定流量まで立上
げてその状態を維持するとともにポンプの高回転数域で
は流量を減少させるという流量制御を行なうことができ
る。
【0007】なお、図25は図28中領域Aから領域B
にかけての状態を示し、図26は図28中の領域Bから
領域Cにかけての状態を示す。この図26において、カ
ムリング2が図中右側に揺動し、可変メータリング絞り
12を絞ることによりその絞り量に応じてポンプからの
吐出流量が減少し、最小の絞り位置で一定流量に維持さ
れることになる。また、図27はポンプが低回転駆動さ
れている図28の領域Aにおいて、圧力流体利用機器側
が作動しポンプ吐出側の流体圧力がリリーフ圧となった
ときのリリーフ時の状態を示す。ポンプが高回転駆動さ
れている図28の領域Cにおいてのリリーフ時には図2
6においてリリーフバルブ15が開いている状態とな
り、可変メータリング絞り12の開き状態に応じてリリ
ーフ流量を制御する。
【0008】なお、図25〜図27において符号7は前
記ポンプ室4のポンプ吸込側領域4Aに臨んで開口され
るポンプ吸込側開口(吸込ポート)、8はポンプ室4の
ポンプ吐出側領域4Bに臨んで開口されるポンプ吐出側
開口(吐出ポート)である。これらの開口7,8は、ロ
ータ3およびカムリング2からなるポンプ構成要素を両
側から挾み込んで保持するための固定壁部であるプレッ
シャプレートおよびサイドプレート(図示せず)の少な
くともいずれか一方に形成されている。
【0009】前記カムリング2は前記圧縮コイルばね2
bによって流体圧室6側から付勢され、前記ポンプ室4
内の容積を最大に維持する方向に押圧されている。ま
た、図中2cはカムリング2の外周面に設けられ揺動支
点ピン2aと共に左、右両側に流体圧室5,6を画成す
るためのシール材である。
【0010】前記スプール式制御バルブ10は、ポンプ
吐出側通路11,13の途中に設けたメータリングオリ
フィスのような可変メータリング絞り12の上、下流側
での差圧P1,P2により作動し、ポンプ吐出側の流量
の大小に応じた流体圧P3を、前記カムリング2の外側
部で高圧側の流体圧室5に対し導入することにより、ポ
ンプ始動直後においても充分な流量を確保できるように
構成している。
【0011】この制御バルブ10は、圧力流体利用機器
(図中PSで示す)の作動による負荷作用時に、可変メ
ータリング絞り12の上、下流側での差圧が所定の値以
上になったときに可変メータリング絞り12よりも上流
側の流体圧P1を制御圧としてカムリング2外側の高圧
側の流体圧室5に導入することにより、カムリング2の
揺動を防止できるようにしたものである。
【0012】また、前記ポンプボディ1には、タンクT
から前記スプール式制御バルブ10の低圧室を通って前
記ポンプ室4のポンプ吸込側領域4Aに至るポンプ吸込
側通路14が設けられている。前記ポンプ吐出側通路1
3には、ポンプ吐出側の流体圧が一定圧以上になったと
きに前記ポンプ吸込側通路14を介してポンプ吸込側
(またはタンクT側)に圧力流体をリリーフさせる位置
に圧力制御弁として直動型のリリーフバルブ15が設け
られている。
【0013】このような直動型のリリーフバルブ15に
よれば、図27に示すようにポンプの運転動作中におい
てポンプ吐出側の流体圧が予め定めた設定圧以上に達し
たときに流体の流れの一部または全量をポンプ吸込側
(タンクT側)に逃がすことができる。特に、このよう
な直動型のリリーフバルブ15は、可変容量形のポンプ
では容量形ポンプのような流量制御弁が設けられていな
いことから、ポンプ吐出側からポンプ吸込側に圧力流体
をリリーフさせるために必要なものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した構造
による従来の可変容量形ポンプでは、カムリング2の一
側部に形成される高圧側(第1)の流体圧室5が、ポン
プの低回転時には図25に示すようにタンク圧となるた
め、ポンプ内部、特に第1の流体圧室5と第2の流体圧
室6との間で内部漏れが増大することが避けられない。
すなわち、この第2の流体圧室6には、ポンプ吐出側の
流体圧が導かれており、タンク圧となっている第1の流
体圧室5との間での圧力差が大きく、これらの流体圧室
5,6間をシール材2cとともにシールする揺動支点ピ
ン2aの周囲を通っての内部漏れが生じるからである。
【0015】また、上述した内部漏れとしては、ポンプ
室4内においてポンプ吐出側領域4Bからカムリング2
の側面部を通っての第1の流体圧室5への漏れや、スプ
ール式制御バルブ10において、両端部に導かれている
可変メータリング絞り12の上、下流側の流体圧が、ス
プールのランド部を越えてタンク圧が導かれているスプ
ール中央の環状溝部分に流入する漏れもある。制御バル
ブ10は、可変メータリング絞り12の上流側流体圧と
タンク圧との間の大きな圧力差を常に制御しているか
ら、内部漏れを生じることは避けれられない。
【0016】このようなポンプでの内部漏れが増大する
と、ポンプの駆動効率が低下する。これを避けるために
は、上述した内部漏れを生じる部分の加工精度を厳格に
する必要がある。しかし、そうすると製造コストが上が
ってしまう。
【0017】また、上述した従来の可変容量形ポンプに
おいて、カムリング2を揺動させるためにカムリング2
の両側の流体圧室5,6に作用させる制御圧力は、制御
バルブ10におけるスプールのランド部とボディ1の通
路穴(通路5a)とで形成される開口面積比によってポ
ンプ吐出側の流体圧とタンク圧とを分配して加えられる
ようになっている。
【0018】このような制御バルブ10では、制御圧力
が高圧になるにしたがって面積比が大きくなり、制御バ
ルブ10が追従しきれず、図28中破線で示すようにポ
ンプ回転数(N)−ポンプの供給流量(Q)の特性が脈
動となって変動することがあった。このような変動が生
じると、動力舵取装置において、操舵力が変動したり、
流体音等の騒音問題につながるおそれがあった。
【0019】このような制御バルブ10における追従
性、特にこのバルブ10によって制御される流体圧で動
かされるカムリング2の揺動動作を円滑に行わせるため
には、カムリング2の両側の第1、第2の流体圧室5,
6での差圧を大きくすればよい。最も一般的な従来例と
しては、一方の流体圧室にポンプ吐出側圧力を導入し、
他方にタンク圧を導入する構造としたものが知られてい
る。しかし、このような構造では、前述したポンプ内で
内部漏れが生じるという問題は避けられない。
【0020】一方、特開平9−273487号公報に
は、カムリングの揺動を制御する制御バルブを省略し、
カムリング外周部の第1、第2の流体圧室にメータリン
グ絞りの上、下流側の流体圧を直接作用させるととも
に、カムリングの内周部においてポンプ吐出側の流体圧
が作用する範囲に対して揺動支点ピンの位置を周方向に
ずらした構造のものが提案されている。このような構造
は、結果として揺動支点ピンの両側でカムリングに作用
するポンプ吐出側流体圧をバランスさせようとしたもの
である。
【0021】すなわち、前述した図25〜図27の構造
等のような従来の可変容量形ポンプでは、ロータとカム
リングとの間に形成されるポンプ室において、ポンプ吐
出側開口が開口することによるポンプ吐出側領域は、カ
ムリングの揺動支点となる支点ピンを中心としてカムリ
ングの両側に形成される左、右の流体圧室(第1、第
2)に対応する角度範囲に角度差がある。しかも、この
ポンプ吐出側領域は、一般に低圧側である第2の流体圧
室側に対応する範囲が大きく、その結果上述した左、右
の角度差の分だけポンプ吐出側圧力が、カムリングを第
2の流体圧室側に揺動させるようなアンバランスな力が
揺動方向において生じている。したがって、この種の可
変容量形ポンプには、このようなポンプ室内でのポンプ
吐出側領域の揺動方向におけるアンバランス力を吸収で
きるような構造とすることが必要となっている。上述し
た特開平9−273487号公報のものはこのような要
請に応えることができる構造を提案したものである。
【0022】しかし、この特開平9−273487号公
報によるポンプ構造では、ポンプの加工上から生じる種
々の問題、たとえばカムリング、揺動支点ピン、ポンプ
室に開口するポンプ吐出側開口などのポンプ各部におけ
る加工精度や組立精度が、カムリングの揺動支点ピンを
支点とした適切な揺動動作を得るうえで重要であり、加
工性、組立性の面で問題である。そして、これらが原因
となって製作誤差が生じると、揺動支点ピンを支点とし
たカムリングの揺動動作が不安定となるおそれがある。
また、揺動支点ピンを中心としたカムリングの揺動方向
の両側でアンバランスが生じると、所望のポンプ特性
(流量特性)が得にくいという問題が起きる。したがっ
て、上述したポンプ室内でのポンプ吐出側領域の揺動方
向におけるアンバランス力の解消に加え、このような加
工精度等に伴う問題をも配慮し、前述したような内部漏
れを解決し、またカムリングの特に戻り時の揺動動作を
円滑に行えるように構成し、しかも可変容量形ポンプと
しての性能を発揮できる構造とすることが望まれる。
【0023】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ポンプ内部での流体圧の導入状況を改良す
ることにより、流体圧力差によって生じている内部漏れ
を改善することができるとともに、カムリングの揺動動
作、特にポンプの高回転時から低回転時への戻り時にお
けるカムリングの揺動動作を円滑に行わせることができ
る可変容量形ポンプを得ることを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明の請求項1に係る可変容量形ポンプは、ロ
ータを一側寄りに片寄らせた状態でこのロータとの間に
ポンプ室を形成するとともにこのポンプ室容積が最大と
なる方向に付勢されているカムリングと、前記カムリン
グをその外周面の一部に設けた揺動支点ピンを支点とし
て揺動可能に支持する内部空間を有するポンプボディ
と、前記ポンプボディの内部空間内で前記カムリングの
外周部との間にシール手段を介して分割形成され前記カ
ムリングを揺動させる第1および第2の流体圧室と、前
記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出側通路の途中
に設けたメータリング絞りの上、下流側の流体圧により
作動され前記カムリングの揺動を制御する制御バルブと
を備え、前記制御バルブを前記メータリング絞りの上、
下流側の流体圧によって作動することにより、メータリ
ング絞りの下流側の流体圧を前記第1または第2の流体
圧室に選択的に導入するように構成し、この制御バルブ
によりポンプの全回転域において前記メータリング絞り
の上、下流側の流体圧を前記第1、第2の流体圧室への
導入流体圧としたことを特徴とする。
【0025】本発明の請求項2に係る可変容量形ポンプ
は、請求項1において、前記制御バルブの可動手段を、
ポンプの低回転域ではメータリング絞りの下流側を第1
の流体圧室に、メータリング絞りの上流側を第2の流体
圧室に接続し、ポンプの高回転域ではメータリング絞り
の上流側を第1の流体圧室に、メータリング絞りの下流
側を第2の流体圧室に接続するように構成したことを特
徴とする。
【0026】本発明の請求項3に係る可変容量形ポンプ
は、請求項1または請求項2において、前記カムリング
付勢用のばね手段の付勢力を、前記カムリングの両側に
形成される前記第1、第2の流体圧室に対してポンプ吐
出側領域におけるポンプ吐出側の流体圧がカムリングの
内周部に作用することによりカムリングの揺動方向に生
じるアンバランス力を吸収できる程度の大きさの力をも
つように形成した特徴とする。
【0027】本発明の請求項4に係る可変容量形ポンプ
は、前記揺動支点ピンを、軸線方向の中央部から両端側
に向って外径が徐々に小径となるような中膨らみ状に形
成したことを特徴とする。
【0028】本発明によれば、ポンプボディ内でカムリ
ングを揺動させるための第1、第2の流体圧室での導入
流体圧を、ポンプ回転数の高低にかかわらず、メータリ
ング絞りの上、下流のいずれかの流体圧としているか
ら、第1、第2の流体圧室間での圧力差が小さい。ま
た、ポンプ室の吐出側領域と第1の流体圧室との間の流
体圧力差も小さくなる。
【0029】すなわち、本発明によれば、制御バルブで
制御するカムリングの揺動のためにカムリングの外周部
に形成される第1、第2の流体圧室に作用する流体圧
を、従来の低回転時にはタンク圧で、高回転時にはメー
タリング絞りの上流側の流体圧とタンク圧との中間圧と
していたのに対してポンプ回転数の高低にかかわらずポ
ンプの全回転領域においてメータリング絞りの上、下流
側での差圧を分配した中間圧とすることにより、低回転
時のカムリング外周部での漏れ、制御バルブで消費する
流量を低減することができる。
【0030】また、本発明によれば、制御バルブによっ
て、ポンプの低回転域ではメータリング絞りの下流側を
第1の流体圧室に、メータリング絞りの上流側を第2の
流体圧室に導入し、一方ポンプの高回転域ではこれとは
逆に、メータリング絞りの上流側を第1の流体圧室に、
メータリング絞りの下流側を第2の流体圧室に導入する
ことができるから、ポンプが高回転時から低回転時に移
行した戻り時におけるカムリングの揺動動作が円滑にな
る。
【0031】また、本発明によれば、ばね手段の付勢力
を、可変容量形ポンプを構成するうえで必要な力、すな
わちカムリングの内周部に作用するポンプ吐出側流体圧
によるアンバランス力や製作誤差に伴うアンバランス力
を吸収できる程度の大きさに設定することにより、カム
リングの揺動支点ピンを中心とした左、右両側での力を
バランスさせ、所要の状態で揺動させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1ないし図9は本発明に係る可
変容量形ポンプの第1の実施の形態を示し、これらの図
において、前述した図25〜図27と同一または相当す
る部分には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】この第1の実施の形態では、本発明に係る
ベーンポンプが動力舵取装置の油圧発生源となるベーン
タイプのオイルポンプであって、その吐出流量をポンプ
の回転数が増大するにしたがって、最大吐出流量よりも
少ない所定流量になり、その流量を維持するという、い
わゆるドルーピング特性をもつポンプである場合を説明
する。また、この実施の形態では、図7〜図9に示すよ
うに、パイロット型リリーフバルブを備えている場合を
示す。
【0034】本発明によれば、図1〜図3、図7〜図9
に示すように、ポンプボディの内部空間(ここではアダ
プタリング1aの内周部1b)内でカムリング2の外周
部との間にシール手段(揺動支点ピン2a、シール材2
c)を介して分割形成されカムリング2を揺動させる第
1および第2の流体圧室5,6と、ポンプ室4から吐出
される圧力流体の吐出側通路11の途中に設けた固定メ
ータリング絞り21の上、下流側の流体圧により作動さ
れカムリング2の揺動を制御する制御バルブ20とを備
えている。
【0035】そして、この制御バルブ20を固定メータ
リング絞り21の上、下流側の流体圧によって作動する
ことにより、固定メータリング絞り21の下流側の流体
圧を第1または第2の流体圧室5,6に選択的に導入す
るように構成し、この制御バルブ20によりポンプの全
回転域において固定メータリング絞り21の上、下流側
の流体圧を第1、第2の流体圧室5,6への導入流体圧
としたことを特徴としている。
【0036】この実施の形態では、スプール式制御バル
ブ20において、スプール22の軸線方向に沿って貫通
する通路孔23を形成し、その一部に固定メータリング
絞り21を設けている。また、この制御バルブ20を構
成するバルブ孔20aの一方室(図中左方室)24に前
記ポンプ吐出側通路11を接続し、他方室(図中右方
室)25に前記ポンプ吐出側通路13を接続している。
そして、この通路13を介して圧力流体利用機器(たと
えばPS)に圧力流体を給送するように構成されてい
る。
【0037】また、前記ポンプ吐出側通路11の一部は
通路11aにより分流され、前記カムリング2をポンプ
室4の容積が最大となる方向に付勢するばね2bを配置
したばね室26に開口する小孔27aとカムリング2の
側縁27bとからなる可変メータリング絞り27を介し
て前記第2の流体圧室6に接続されている。この第2の
流体圧室6は、ばね室26を介してパイロット式リリー
フバルブ15に接続され、内部の流体圧をタンクT側に
リリーフさせることができるように構成されている。
【0038】なお、この可変メータリング絞り27は、
従来から広く知られているタイプの可変絞りにおける開
口量よりも小さい。また、このような可変メータリング
絞り27としては、上述した図1等に示すようにカムリ
ング2の側縁27bで開閉される一個の小孔27aに限
らず、図6に示したように、二個またはそれ以上の小孔
27aによって構成してもよい。カムリング2の揺動量
は、現行品ではたとえば1.9mm程度であり、複数個
の小穴27a(合計の開口量が1個のものと同等)を設
けると、カムリング2の少ない変位によって絞りを開閉
することができるから、ポンプ性能の設定上から便利で
ある。勿論、このような小孔27aとしては円形に限ら
ない。
【0039】また、前記第2の流体圧室6は、通路6a
を介して前記バルブ孔20aの一部に開口している。ま
た、第1の流体圧室5に接続された通路5aも前記バル
ブ孔20aの一部に前記通路6aとは軸線方向にずれた
位置に開口している。なお、図中20bはスプール22
を図中左側に付勢するばねである。
【0040】前記スプール22は、上述した通路5a,
6aを選択的に開閉するランド部22a,22bを有す
る。また、前記スプール22は、前記ランド部22bに
軸線方向に形成した通路孔28aを介して前記固定メー
タリング絞り21の下流側の流体圧が導入されている環
状溝28を備えている。前記環状溝28は、スプール2
2の動きによって前記通路5aまたは6aと選択的に接
続され、この固定メータリング絞り21の下流側の流体
圧を前記第1または第2の流体圧室5または6に導入す
るように構成されている。なお、上述した通路孔28a
はチョーク等にならないように必要に応じて複数個設け
るとよい。
【0041】また、前記スプール22のランド部22b
の外周には、前記通路6aと選択的に接続する環状溝2
9が形成されている。この環状溝29はスプール22の
径方向に形成した通路孔29aを介して前記固定メータ
リング絞り21の上流側の通路23に接続されている。
したがって、この実施の形態でのポンプでは、ポンプ吐
出側通路系(11,11a,23,13)には、固定メ
ータリング絞り21が設けられるとともに、カムリング
2の揺動に伴って開閉される可変メータリング絞り27
が付設され、この可変メータリング絞り27の働きによ
って前述したドルーピング特性を得ている。
【0042】なお、上述した通路6aと環状溝29との
間には、図5に示すようにチャンファ部29bが形成さ
れている。このチャンファ部29bはカムリング2の動
き(ダンピング等)に対しての制動のためのダンパ絞り
となる部分である。また、上述した通路孔29aはパイ
ロット通路となる吐出側通路11a、可変メータリング
絞り27、第2の流体圧室6等からなる通路におけるパ
イロット絞りとなる部分である。
【0043】上述した制御バルブ20において、スプー
ル22の前、後両端側の室24,25にはメータリング
絞りによって生じる差圧が作用する。たとえばポンプが
低回転時のときは、固定メータリング絞り21と可変メ
ータリング絞り27とを加えた絞りによって生じる差圧
が作用し、ポンプが高回転時のときは、固定メータリン
グ絞り21によって生じる差圧が作用する。そして、こ
のような差圧の大小に応じてスプール22が移動するこ
とにより、第1、第2の流体圧室5,6に、ポンプ吐出
側通路11,11a,13において、メータリング絞り
21,27の上、下流側の流体圧のいずれかが作用す
る。
【0044】すなわち、制御バルブ20において、ポン
プの低回転域では前記メータリング絞り21,27の下
流側を第1の流体圧室5に、前記メータリング絞り2
1,27の上流側を第2の流体圧室6に接続し、またポ
ンプの高回転域ではメータリング絞り21の上流側を第
1の流体圧室5に、メータリング絞り21の下流側を第
2の流体圧室6に接続する。
【0045】図4は本発明に係る可変容量形ポンプのポ
ンプ回転数に対する供給流量を示す特性図であり、前述
した図1は図中a−bの直前までの状態を、図2はbの
状態を、図3はb〜eの状態を示す。
【0046】上述した図1〜図3において、可変メータ
リング絞り27はその開口量が徐々に減少し、これに伴
ってポンプからの供給流量も減少し、絞り27が閉じら
れると、固定メータリング絞り21のみの働きによって
ポンプからの供給流量は最大流量よりも低い流量でもっ
て一定となる。
【0047】たとえばポンプ室4から吐出される圧力流
体は、ポンプ吐出側通路11,11a、メータリング絞
り21,27を経て圧力流体利用機器PS側に給送され
る。低回転時には、ポンプは図1、図2に示すように、
カムリング2はポンプ室4の容積が最大となる位置にあ
る。これは、第2の流体圧室6には、ポンプ吐出側通路
11,11aにおいて固定メータリング絞り21の上流
側の流体圧が導かれるとともに、第1の流体圧室5に
は、ポンプ吐出側通路11,11a,13において固定
メータリング絞り21の下流側の流体圧が導かれている
からである。
【0048】また、ポンプの回転数が増大し、ポンプ室
4からの圧力流体の流量が増加し、スプール式制御バル
ブ20のスプール21が、ポンプ吐出側通路11におい
て固定メータリング絞り21の上流側の流体圧により押
されて図3に示すように移動すると、上述した低回転時
とは逆に、固定メータリング絞り21の上流側の流体圧
が第1の流体圧室5に導入されるとともに、スプール2
2における環状溝28を介して下流側の流体圧が第2の
流体圧室6に導入されることになる。そして、その差圧
によって前記カムリング2は図中右側に揺動し、ポンプ
室4の容積を縮小することによりポンプ室4から吐出さ
れる流量を減少させることができる。
【0049】このような可変容量形ポンプによれば、ポ
ンプからの供給流量は、図4に示すように低回転域で所
定量まで立ち上がった後は、その値を維持するととも
に、ポンプ回転数が一定以上増加すると、可変メータリ
ング絞り27による差圧がなくなることによって、上述
した所定量以下の流量となり、その値を維持することが
できる。
【0050】また、上述した可変容量形ポンプにおい
て、このポンプからの給送を受ける圧力流体利用機器P
Sが作動する等、負荷が加わったときには、ポンプ吐出
側通路11内の流体圧が上昇し、可変メータリング絞り
12の下流側の流体圧が導かれている低圧側の流体圧室
6内の流体圧が上昇する。そして、この圧力がリリーフ
バルブ15の設定圧を越えると、図7、図8、図9に示
すようにこのリリーフバルブ15が開いてポンプ吐出側
の流体をポンプ吸込側にリリーフさせる。なお、これら
の図7〜図9は前述した図1〜図3に対応したリリーフ
状態を示す図である。
【0051】このときには、第1の流体圧室5には、ポ
ンプ吐出側通路11において、固定メータリング絞り2
1よりも上流側の流体圧または下流側の流体圧が導かれ
ている。一方、第2の流体圧室6には上述した固定メー
タリング絞り21の下流側または上流側の流体圧が導か
れているが、その圧力が一定以上になることによりリリ
ーフバルブ15が開き、リリーフ状態となることにより
前記第1の流体圧室5よりも低圧となる。
【0052】そして、前記カムリング2は、第1の流体
圧室5内の流体圧とばね2bの付勢力とによってポンプ
室4の容積を縮小する方向に揺動し、ポンプ室4内から
の吐出流量を所定量以下に維持し、ポンプ駆動馬力は最
小限となる。
【0053】上述した構造によれば、カムリング2を揺
動させるための第1、第2の流体圧室5,6での導入流
体圧を、ポンプ回転数の高低にかかわらず、メータリン
グ絞り21,27の上、下流いずれかの流体圧としてい
るから、第1、第2の流体圧室5,6間での圧力差が小
さい。また、ポンプ室4の吐出側領域と第1の流体圧室
5との間の流体圧力差も小さくなる。さらに、制御バル
ブ20におけるスプール22の内部通路や両端側部分で
も、ポンプ吐出側通路23の固定メータリング絞り21
の上、下流側の流体圧となることから、圧力差は小さく
なる。したがって、これらの部分での内部漏れは少なく
なる。
【0054】また、上述した制御バルブ20によって、
ポンプの低回転域ではメータリング絞り21,27の下
流側を第1の流体圧室5に、メータリング絞り21,2
7の上流側を第2の流体圧室6に導入し、ポンプの高回
転域ではこれとは逆に、メータリング絞り21の上流側
を第1の流体圧室5に、メータリング絞り21の下流側
を第2の流体圧室6に導入することができるから、ポン
プが高回転時から低回転時に移行した戻り時におけるカ
ムリング2の揺動を円滑に行わせることができる。
【0055】上述した図1〜図3、図7〜図9で説明し
た本発明に係る可変容量形ポンプの具体例を図10、図
11、図12に示す。これらの図において全体を符号3
0で示すベーンタイプの可変容量形ポンプは、ポンプボ
ディを構成するフロントボディ31およびリアボディ3
2を備えている。このフロントボディ31は、図10に
示すように全体が略カップ状を呈し、その内部にポンプ
カートリッジとしてのポンプ構成要素33を収納配置す
る収納空間34が形成されるとともに、この収納空間3
4の開口端を閉塞するようにリアボディ32が組合わせ
られ一体に組立てられる。なお、このフロントボディ3
1には、ポンプ構成要素33を構成するロータ35を外
部から回転駆動するためのドライブシャフト36が貫通
した状態で軸受36a,36b,36c(36a,36
bはフロントボディ31側、36cはリアボディ32側
に配設される)により回転自在に支持されている。ま
た、36dはオイルシールである。
【0056】37はベーン35aを有するロータ25の
外周部に嵌装して配置される内側カム面37aを有し、
かつこの内側カム面37aとロータ35との間にポンプ
室38を形成するカムリングで、このカムリング37
は、後述するように、ポンプ室38の容積を可変できる
ように収納空間34内で空間内壁部分に嵌合状態で設け
られたアダプタリング39内で移動変位可能に配置され
ている。なお、このアダプタリング39は、ボディ31
の収納空間34内でカムリング37を移動変位可能に保
持するためのものである。
【0057】40は上述したロータ35、カムリング3
7およびアダプタリング39によって構成されているポ
ンプカートリッジ(ポンプ構成要素33)のフロントボ
ディ31側に圧接して積層配置されるプレッシャプレー
トで、またポンプカートリッジの反対側面には前記リア
ボディ32の端面がサイドプレートとして圧接され、フ
ロントボディ31とリアボディ32との一体的な組立て
によって所要の組立状態とされる。そして、これらの部
材によって、前記ポンプ構成要素33が構成されてい
る。
【0058】なお、プレッシャプレート40と、これに
カムリング37を介して積層されるサイドプレートとな
るリアボディ32とは、後述する揺動支点ピン41や適
宜の回り止め手段(図示せず)によって回転方向で位置
決めされた状態で一体的に組付け固定されている。な
お、揺動支点ピン41は、カムリング37を揺動可能と
するための軸支部および位置決めピンとして機能し、ま
たカムリング37を揺動させる流体圧室を画成するシー
ル機能も有する。
【0059】43は前記フロントボディ31の収納空間
34内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室
で、この圧力室43によってポンプ吐出側圧力がプレッ
シャプレート40に作用する。44はこのポンプ吐出側
圧力室43にポンプ室38からの圧油を導くようにプレ
ッシャプレート40に穿設されているポンプ吐出側開口
となるポンプ吐出側通路である。
【0060】なお、リアボディ32の一部にはポンプ吸
込ポート45が設けられ、このポート45を介してタン
クTから流入する吸込側流体は、リアボディ32内に形
成したポンプ吸込側通路46を通り、リアボディ32の
端面に開口するポンプ吸込側開口からポンプ室38内に
供給される。
【0061】50はフロントボディ31の上方に前記シ
ャフト36と直交する方向に形成されたバルブ孔51と
スプール52とからなる制御バルブである。この制御バ
ルブ50により、前記アダプタリング39内でカムリン
グ37の両側に前記揺動支点ピン41とその軸対象位置
に設けたシール材55により分割形成した第1、第2の
流体圧室53,54に導入する流体圧を制御するように
構成されている。
【0062】61は前記ポンプ吐出側圧力室43から前
記バルブ孔51の一端側に開口するように接続された通
路、62は前記スプール52の軸線方向に形成した通路
であり、この通路62の一部、スプール52の他端側に
形成されるばね64aを有するばね室64側に固定メー
タリング絞り63が設けられている。また、前記ばね室
64の外方端にはポンプ吐出側ポート65が形成され、
図示しないパワーステアリング装置等の油圧機器PSに
給送するようになっている。
【0063】前記スプール52は、前述したように第
1、第2の流体圧室53,54に対して固定メータリン
グ絞り63の上、下流側の流体圧を、ポンプ回転数に応
じて通路66,67を介して導入するように構成されて
いる。
【0064】また、前記ポンプ吐出側通路の一部、この
実施の形態ではプレッシャプレート40に形成した通路
68の開口端68aとカムリング37の周縁部とによっ
て、前記可変メータリング絞り69が形成されている。
なお、図中71はカムリング37を付勢するばね、72
はリアボディ32の一部に設けたリリーフバルブであ
る。
【0065】上述した図10〜図12において、制御バ
ルブ50の具体的な構造および動作等については、前述
した図1等で説明した通りの構造を有するもので、ここ
での詳細な説明は省略する。また、以上のようなベーン
タイプの可変容量形ポンプ30において、上述した以外
の構成は従来から広く知られているもので、具体的な説
明は省略する。さらに、このような構成による可変容量
形ポンプ30は、前述した図1〜図3等で説明した通り
動作するものであり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0066】上述した構造による可変容量形ポンプ30
では、カムリング37を付勢するばね71の付勢力を、
前記カムリング37の内部でポンプ吐出側領域における
ポンプ吐出側の流体圧がカムリング37の内周部に作用
することによりカムリング37の揺動方向に生じるアン
バランス力を吸収できる程度の大きさをもって形成して
いる。さらに、上述したようなポンプ吐出側領域の片寄
りによるアンバランス力に加えて、カムリング37やこ
れを揺動自在に支持するための関連部品、ポンプ吸込、
吐出関係部品等における揺動支点ピン41に対する位置
精度の誤差のような製作誤差によってもアンバランス力
が生じるから、これらのアンバランス力を共に吸収でき
る構造とすることが必要である。
【0067】したがって、上述したカムリング37を付
勢するばね71の付勢力は、カムリング37を初期位置
に付勢する力、ポンプ吐出側流体圧によるアンバランス
を解消する力、部品等の製作誤差に起因するアンバラン
ス力を解消する力を加味して設定しなければならない。
【0068】このような点を配慮してばね71の付勢力
を、上述したアンバランスな力がカムリング37の揺動
方向の両側で生じたときにこれを吸収できる程度の力を
ばね71の付勢力として予め与えた大きさで設定するこ
とにより、カムリング37の適切な揺動動作を確保する
ことができるのである。
【0069】また、制御バルブ20での制御圧力による
カムリング37への推力(たとえば制御バルブ20の開
口圧力とカムリング37側の面積との積)を、前述した
アンバランスな力と前記カムリング37を付勢するばね
71の付勢力とを必要最小限の大きさに設定することに
より、前述したようなメータリング絞り21,27の
上、下流側での差圧以下で作用させるように構成すると
よい。
【0070】図13ないし図16は本発明に係る可変容
量形ポンプの第2の実施の形態を示し、これらの図にお
いて前述した図1〜図3と同一または相当する部分には
同一番号を付してその詳細な説明は省略する。この第2
の実施の形態も、第1の実施の形態と同様に、ポンプ吐
出流量を回転数の増加に伴って供給流量を最大流量より
も減少させる、いわゆるドルーピング特性とする可変容
量形ポンプである。
【0071】この第2の実施の形態は、前述した第1の
実施の形態においてカムリング2の側縁27bにより開
閉されるようにプレッシャプレートに開口したポンプ吐
出側通路11aの孔部27aからなる可変メータリング
絞り27に代えて、図12に示すような円弧状を呈する
溝部81からなる可変メータリング絞り80を設けた点
が相違している。
【0072】図16は前述した図11で説明したプレッ
シャプレート40のカムリング37に接する面を示す。
円弧状溝部81は、ポンプ吸込側開口に対応する円弧溝
82、ポンプ吐出側開口83とともに形成されている。
この円弧状溝部81は、図13〜図15に示すように、
一端81aが前記第2の流体圧室6においてカムリング
2の揺動により開閉されるように位置し、他端81bが
前記第1の流体圧室5に開口している。
【0073】この第2の実施の形態において、低、中回
転時には、図13、図14に示すような状態となる。す
なわち、ポンプ吐出側通路11からの固定メータリング
絞り21の上流側の流体圧は、スプール22の通路孔2
9a、環状溝29、チャンファ部29b、通路6aを経
て第2の流体圧室6に導入されている。そして、この第
2の流体圧室6から前記円弧状溝部81の一端81aを
可変メータリング絞り80とし、第1の流体圧室5に導
入されている。したがって、この第1の流体圧室5に
は、可変メータリング絞り80による差圧が、第2の流
体圧室6との間に作用することになる。
【0074】ポンプの高回転時になると、図15に示す
ように、スプール22が図中右方に移動し、前述した場
合とは逆に、第1の流体圧室5に固定メータリング絞り
21の上流側の流体圧が導入されるとともに、第2の流
体圧室6には、固定メータリング絞り21の下流側の流
体圧が導入され、カムリング2はばね室26側に揺動
し、このとき可変メータリング絞り80となる円弧状溝
部81の一端81aは閉塞された状態となる。
【0075】このような第2の実施の形態でのポンプ構
造においても、前述したと同様に、第1、第2の流体圧
室5,6には、固定メータリング絞り21、可変メータ
リング絞り80による差圧が作用しており、その圧力差
は小さい。また、図13〜図15の状態から圧力流体利
用機器側が作動された負荷状態になると、第1の流体圧
室5側の流体圧が、第2の流体圧室6の流体圧よりも大
きくなり、所要のリリーフ状態が得られることは前述し
た実施の形態で説明した通りである。
【0076】なお、上述した図13〜図15における第
2の実施の形態では、リリーフバルブ15をポンプ吐出
側通路11,13等とは別のパイロット通路となる部分
にパイロット式として設けているが、本発明はこれに限
定されない。
【0077】図17〜図19は本発明の第3の実施の形
態を示す図であり、これらの図において、ポンプ吐出側
通路において、固定メータリング絞り21の下流側の通
路13からポンプの吸込側通路14に圧力流体を還流さ
せるように直動型のリリーフバルブ15を設けている。
このような構造としても、前述した実施の形態と同様の
作用効果が得られるもので、ここでの詳細な動作説明は
省略する。
【0078】図20〜図22は本発明の第4の実施の形
態を示し、この実施の形態では、前述した第1〜第3の
実施の形態で説明したポンプとは異なり、可変メータリ
ング絞りを省略し、固定メータリング絞り21のみをポ
ンプ吐出側通路11,13の途中に設けることにより、
図23に示すようなポンプからの供給流量を一定流量と
した一定流量型のポンプを示している。
【0079】この実施の形態でのポンプは、第1、第2
または第3の実施の形態におけるポンプから可変メータ
リング絞りを省略した構造であり、その詳細な説明は省
略する。
【0080】すなわち、この実施の形態におけるポンプ
では、ポンプ回転数が小さいときは第1の流体圧室5に
はポンプ吐出側通路11aにおいて固定メータリング絞
り21の下流側の流体圧が導かれ、第2の流体圧室6に
は固定メータリング絞り21の上流側の流体圧が導かれ
ている。そして、ポンプ回転数が所定以上の回転数にな
り、前記固定メータリング絞り21の上流側でのポンプ
吐出側流体圧が一定以上になると、スプール式制御バル
ブ20を構成するスプール22が移動し、その流体圧を
前記高圧側の流体圧室5に導く。これに対して固定メー
タリング絞り21の下流側の流体圧が第2の流体圧室6
に導かれており、カムリング37は第1、第2の流体圧
室5,6の差圧によってポンプ室4を縮小する方向に変
位する。したがって、ポンプからの吐出流量はポンプ回
転数にかかわらず一定流量に維持される。
【0081】さらに、圧力流体利用機器PS側が作動さ
れたりしてポンプ吐出側通路11,13内の流体圧が所
定圧(リリーフ圧)以上になると、リリーフバルブ15
が開いてポンプ吸込側へのリリーフが行われる。このよ
うなリリーフ状態になると、カムリング37は、第2の
流体圧室6側の流体圧がさらに小さくなることから、よ
り一層ポンプ室4を縮小する方向に変位し、ポンプ室4
からの吐出流量をより小さくする。
【0082】このような第4の実施の形態によっても、
前述した第1、第2、第3の実施の形態と同様の作用効
果が得られることになる。
【0083】図24は前述した各実施の形態で説明した
揺動支点ピン41(2a)の形状を、軸線方向の中央部
が最大外径寸法をもち、両端に向って徐々に小径となる
ような曲面で形成した中膨らみ状に形成している。この
ような形状による揺動支点ピン41によれば、カムリン
グ37の支持が確実に行えるととともに、円滑な揺動動
作を得ることが可能となる。なお、このような揺動支点
ピン41を用いた場合、シールピンとしての機能は多少
劣るが、前述したようにカムリング37の両側の流体圧
室5,6間での流体圧力差が小さいときには実用上支障
ないものである。
【0084】すなわち、上述した揺動支点ピン41によ
りカムリング37の凹部37dを単純に支持するには、
軸線方向に沿っての加工精度が求められる。これに対
し、この実施の形態での曲面形状のピン41では、軸線
方向の一点で支持しているから、確実な支持が維持でき
るとともに高精度の加工は必要とせず、したがって加工
性、製造コスト面で有利となる。しかも、このピン41
を支持するアダプタリング39側の凹部90での精度も
従来構造では要求されていたが、この実施の形態での形
状で形成すればこのような精度も必要なくなる。
【0085】また、この実施の形態では、前記ポンプボ
ディ(アダプタリング39)内でカムリング37を揺動
自在に支持するための揺動支点ピン41を、前記アダプ
タリング39の内周部に形成した凹部90により支持す
るとともに、この揺動支点ピン41の両端部を係入させ
る穴部を、ポンプボディ内でポンプ構成要素33を挟み
込む両側のプレート(リアボディ32の内側面のサイド
プレートとプレッシャプレート40)とに形成した略小
判形状の長穴91,91によって構成している。
【0086】すなわち、従来の揺動支点ピン41は、ポ
ンプ構成要素33を挟み込む両側のリアボディ32の内
側面とプレッシャプレート40とに形成した円形状の穴
部によって支持し、アダプタリング39側の凹部では受
けていなかったが、本発明はこれとは逆にアダプタリン
グ39の凹部90で揺動支点ピン41を直接受けて支持
するとともに、両端部は可動可能に構成しているのであ
る。
【0087】このような構造とすれば、揺動支点ピン4
1は軸線方向のほとんどが凹部90の溝底により保持さ
れ、カムリング37の揺動支点、さらに第1、第2の流
体圧室5,6(53,54)間のシールピンとして、さ
らにリアボディ32とプレッシャプレート40の位置決
めピンとして機能させることができる。
【0088】前記揺動支点ピン41の両端部が係入され
る長穴91,91は、カムリング37を介して作用する
ポンプ室38における吐出側領域での吐出圧等による荷
重に対して揺動支点ピン41の端部の動きを許容できる
程度の長穴として形成されている。なお、揺動支点ピン
41の径寸法がたとえば3mmφであるときに、略小判
形状の長穴91の長径部を3.3mmとするとよいこと
が確認されている。
【0089】勿論、この略小判形状の長穴91,91
は、リアボディ32とプレッシャプレート40との回転
方向の位置決めを行えるように揺動支点ピン41の外径
に合わせた間隙をおいて対向する平行部91a,91a
を有し、その短辺方向の寸法が決められている。なお、
これらの平行部91a,91aは、ポンプ室38の吐出
側領域における吐出圧力がカムリング37に作用する方
向に延びている。
【0090】このような構造によれば、揺動支点ピン4
1の軸線方向のほとんどを、アダプタリング39の凹部
90により支持することができるから、カムリング37
の揺動支点としての機能を確保することができる。そし
て、従来問題であったポンプ室38におけるポンプ吐出
側領域38Bでの変動している流体圧の影響によってカ
ムリング37を介して作用している荷重の影響にかかわ
らず、ピン41の倒れ等はなくなり、カムリング37を
円滑に揺動させることができる。これは、軸線方向に沿
って湾曲面で形成されるピン41に対してカムリング3
7側が軸実に一箇所で支持されるためである。
【0091】そして、上述したカムリング37の揺動に
よってポンプ吐出流量を調整する流量調整域において
も、カムリング37が円滑に揺動するからポンプの流量
特性を安定化させることができる。また、上述した構成
によれば、揺動支点ピン41の両端部が係入される穴部
がカムリング37への荷重の作用方向に長尺な長穴9
1,91で形成されているから、従来に比べてリアボデ
ィ32、プレッシャプレート40でのピン支持部におけ
る強度上の問題を解消することができる。さらに、これ
に加えて揺動支点ピン41の支持強度も増すことから、
ポンプ吐出圧の高圧化を図ることも可能である。
【0092】しかし、このような揺動支点ピン41の両
端を支持するプレッシャプレート40側とリヤボディ3
2側との穴部としては、加工精度が確保できるならば単
純な円形穴であってもよいことも勿論である。
【0093】なお、本発明は上述した実施の形態構造に
限定されず、可変容量形ポンプ30の各部の形状、構造
等を、適宜変形、変更することは自由であり、種々の変
形例が考えられる。また、上述した各実施の形態では、
固定メータリング絞り21や可変メータリング絞り2
7,80というように単に「絞り」として説明したが、
これはこのような絞り部分がオリフィスであってもチョ
ークであってもよいからである。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る可変容
量形ポンプによれば、カムリングの両側に形成される第
1、第2の流体圧室に対して可変メータリング絞りの
上、下流側の流体圧に関連する圧力をポンプの全回転領
域において導入しているから、ポンプ内部での漏れを相
対的に低減することができる。また、本発明によれば、
ポンプ内部での流体圧力差が大きい部分を削減できるか
ら、充分な耐圧を必要とするシール部分を削減すること
ができる。
【0095】また、本発明によれば、制御バルブで制御
する差圧力が小さくなるために安定した制御が可能とな
る。たとえば可変メータリング絞りの上、下流側での差
圧がたとえば2Kgf/cm2 程度の小さくともカムリ
ングを適切に揺動動作させることができる。
【0096】さらに、上述した可変メータリング絞りの
上、下流側での差圧は、ポンプから圧力流体を供給する
圧力流体利用機器の作動、非作動に伴う負荷時あるいは
無負荷時とも一定であり、制御バルブの開口面積を大き
くしても通過流量をそれ程必要とせず、安定した制御が
可能となる。また、上述した制御バルブでの通過流量は
そのままポンプから吐出されるから、この点を予め見込
んだメータリング絞りを設定しておけばよく、内部漏れ
という問題はなくなる。
【0097】このような利点は、制御バルブのランド部
で分配制御する圧力差が、従来のようにタンク圧とポン
プ吐出圧という大きな圧力差ではなく、メータリング絞
りの上、下流側での差圧という小さな圧力差でよいか
ら、制御バルブのランド部での漏れ量が少なくてよいた
めである。
【0098】また、本発明によれば、制御バルブによっ
て、ポンプの低回転域と高回転域とでメータリング絞り
の上、下流側の流体圧を、第1、第2の流体圧室に反転
して与えることができるから、ポンプが高回転時から低
回転時に移行した戻り時におけるカムリングの揺動動作
が円滑になる。
【0099】さらに、本発明によれば、ばね手段の付勢
力を、可変容量形ポンプを構成するうえで必要な力、す
なわちカムリングの内周部にポンプ吐出側流体圧が作用
する領域によるアンバランス力や製作誤差に伴うアンバ
ランス力を吸収できる程度の大きさに設定することによ
り、カムリングの揺動支点ピンを中心とした揺動方向の
左、右両側での力をバランスさせ、カムリングを所要の
状態で揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプの第1の実施
の形態を示し、低回転時(図4のa−bの直前)の状態
を示す作動説明図である。
【図2】 図1の可変容量形ポンプにおいて中回転時
(図4のb)の状態を示す作動説明図である。
【図3】 図1の可変容量形ポンプにおいて高回転時
(図4のb〜e)の状態を示す作動説明図である。
【図4】 図1〜図3のポンプにおけるポンプ回転数に
対する供給流量を説明する特性図である。
【図5】 図1〜図3のポンプにおける制御バルブのス
プールのばね室室側のランド部とバルブ孔に開口する通
路との関係を示す要部拡大図である。
【図6】 図1〜図3のポンプにおいて、可変メータリ
ング絞りとしてカムリングの側縁で開閉される孔部の変
形例を説明するための図である。
【図7】 図1の低回転時(図4のa−bの直前)にお
けるリリーフ状態を示す作動説明図である。
【図8】 図2の中回転時(図4のb)におけるリリー
フ状態を示す作動説明図である。
【図9】 図3の高回転時(図4のb〜e)におけるリ
リーフ状態を示す作動説明図である。
【図10】 図1〜図3、図7〜図9の可変容量形ポン
プの具体例を示すポンプの断面図である。
【図11】 図10のXI−XI線断面図である。
【図12】 図10のXII−XII線断面図である。
【図13】 本発明に係る可変容量形ポンプの第2の実
施の形態を示し、低回転時(図4のa−bの直前)の状
態を示す作動説明図である。
【図14】 図13の可変容量形ポンプにおいて中回転
時(図4のb)の状態を示す作動説明図である。
【図15】 図13の可変容量形ポンプにおいて高回転
時(図4のb〜e)の状態を示す作動説明図である。
【図16】 (a)は図13〜図15のポンプにおい
て、プレッシャプレートに形成した可変メータリング絞
りを構成する円弧状溝部を説明するための図、(b)は
(a)のXVI−XVI線断面図である。
【図17】 本発明に係る可変容量形ポンプの第3の実
施の形態を示し、低回転時の状態を示す作動説明図であ
る。
【図18】 図17の可変容量形ポンプにおいて高回転
時の状態を示す作動説明図である。
【図19】 図17の可変容量形ポンプにおいて低回転
時におけるリリーフ状態を示す作動説明図である。
【図20】 本発明に係る可変容量形ポンプの第4の実
施の形態を示し、低回転時(図23のa−bの直前)の
状態を示す作動説明図である。
【図21】 図20の可変容量形ポンプにおいて中回転
時(図23のb)の状態を示す作動説明図である。
【図22】 図20の可変容量形ポンプにおいて高回転
時(図23のb−c)の状態を示す作動説明図である。
【図23】 図20〜図22の可変容量形ポンプにおけ
るポンプ回転数に対する供給流量を説明する特性図であ
る。
【図24】 上述した第1〜第4の実施の形態におい
て、カムリングを支持する揺動支点ピンの変形例を示
し、(a)は揺動支点ピンの支持部構造を実際よりも誇
張して描いた拡大断面図、(b),(c)は(a)のXX
IVb−XXIVb線、XXIVc−XXIVc線断面図である。
【図25】 従来の可変容量形ポンプを示し、低回転時
の状態を示す作動説明図である。
【図26】 図25の可変容量形ポンプにおいて、高回
転時の状態を示す作動説明図である。
【図27】 図25可変容量形ポンプにおいて、低回転
時におけるリリーフ状態を示す作動説明図である。
【図28】 図25のポンプにおけるポンプ回転数に対
する供給流量を説明する特性図である。
【符号の説明】 1…ポンプボディ、1a…アダプタリング、2…カムリ
ング、2a…揺動支点ピン、2b…ばね、2c…シール
材、3…ロータ、3a…ベーン、4…ポンプ室、4A…
ポンプ吸込側領域、4B…ポンプ吐出側領域、5,6…
流体圧室、7…ポンプ吸込側開口、8…ポンプ吐出側開
口、11,13…ポンプ吐出側通路、14…ポンプ吸込
側通路、15…リリーフバルブ、20…スプール式制御
バルブ、21…固定メータリング絞り、22…スプー
ル、22a,22b…ランド部、23…通路、24,2
5…室、26…ばね室、27…可変メータリング絞り、
27a…孔部、28…環状溝、29…環状溝、29a…
通路孔、29b…チャンファ部、30…ベーンタイプの
可変容量形ポンプ(可変容量形ベーンポンプ)、31…
フロントボディ(ポンプボディ)、32…リアボディ
(ポンプボディ)、33…ポンプ構成要素、34…収納
空間、35…ロータ、36…ドライブシャフト(回転
軸)、37…カムリング、38…ポンプ室、40…プレ
ッシャプレート、41…揺動支点ピン、43…ポンプ吐
出側圧力室、44…ポンプ吐出側通路、45…ポンプ吸
込ポート、46…ポンプ吸込側通路、48…ポンプ吐出
側ポート、53,54…第1、第2の流体圧室、63…
固定メータリング絞り、68…可変メータリング絞り、
80…可変メータリング絞り、81…円弧状溝部、90
…凹部、91…小判形状の長穴、T…タンク。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータを一側寄りに片寄らせた状態でこ
    のロータとの間にポンプ室を形成するとともにこのポン
    プ室容積が最大となる方向に付勢されているカムリング
    と、 前記カムリングをその外周面の一部に設けた揺動支点ピ
    ンを支点として揺動可能に支持する内部空間を有するポ
    ンプボディと、 前記ポンプボディの内部空間内で前記カムリングの外周
    部との間にシール手段を介して分割形成され前記カムリ
    ングを揺動させる第1および第2の流体圧室と、 前記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出側通路の途
    中に設けたメータリング絞りの前、後の流体圧により作
    動され前記カムリングの揺動を制御する制御バルブとを
    備えた可変容量形ポンプにおいて、 前記制御バルブを前記メータリング絞りの前、後の流体
    圧によって作動することにより、前記メータリング絞り
    の後側の流体圧を前記第1または第2の流体圧室に選択
    的に導入するように構成し、 この制御バルブによりポンプの全回転域において前記メ
    ータリング絞りの前、後の流体圧を前記第1、第2の流
    体圧室への導入流体圧としたことを特徴とする可変容量
    形ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の可変容量形ポンプにお
    いて、 前記制御バルブの可動手段を、ポンプの低回転域では前
    記メータリング絞りの後側を第1の流体圧室に、前記メ
    ータリング絞りの前側を第2の流体圧室に接続するとと
    もに、ポンプの高回転域では前記メータリング絞りの前
    側を第1の流体圧室に、前記メータリング絞りの後側を
    第2の流体圧室に接続するように構成したことを特徴と
    する可変容量形ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の可変容
    量形ポンプにおいて、 前記カムリング付勢用のばね手段の付勢力を、前記カム
    リングの内周部でポンプ室内のポンプ吐出圧が作用する
    ポンプ吐出側領域における流体圧が前記ロータの回転方
    向においてバランスする力よりも大きくしたことを特徴
    とする可変容量形ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3に記
    載の可変容量形ポンプにおいて、 前記揺動支点ピンを、軸線方向の中央部から両端側に向
    って外径が徐々に小径となるような中膨らみ状に形成し
    たことを特徴とする可変容量形ポンプ。
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