JP3753547B2 - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のパワーステアリング装置等に用いられる可変容量型ベーンポンプの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の可変容量型ベーンポンプとして、例えば特開平8−200239号公報に開示されているものは、各ベーンを取り囲むカムリングをロータ軸芯に対して偏心させることにより、ポンプ吐出流量を増やすようになっている。こうしてベーンポンプからタンクへ戻される作動油の流量が減らされることにより、無駄なエネルギ消費を少なくしている。
【0003】
このベーンポンプは、そのポンプ吐出流量を調節する可変容量機構として、ケーシングに対してカムリングを回動可能に支持し、カムリングを回動方向に付勢するカムスプリングを備え、カムスプリングに抗してカムリングを回動させる油圧駆動手段を備えている。
【0004】
カムスプリングの先端はカムリングの外周側部に当接するようにロータのラジアル方向に配置され、カムリングの外周面に対するカムスプリングの摺動量を小さく抑えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の可変容量型ベーンポンプにあって、カムリングが回動するのに連動して作動油の流れを制御する弁手段を備える場合、弁手段の配置スペースによってカムスプリングの配置スペースがカムリングの外周側部に対峙する位置から他の位置へと追いやられ、カムリングの外周面に対するカムスプリング先端部の摺動距離が大きくなったり、カムスプリングを介装するスペースを設けることでケーシングの大型化を招くという問題点が生じた。
【0006】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、可変容量型ベーンポンプにおいて、回動するカムリングに追従して作動する弁手段とカムスプリングの配置を適正にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、回転するロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリングと、カムリングを回動させる可変容量機構と、カムリングが回動するのに連動して作動流体の流れを制御する弁手段と、カムリングを回動方向に付勢するカムスプリングとを備える可変容量型ベーンポンプにおいて、カムリングの回動支点Opとカムリングの軸芯Ocを結ぶ平面をカムリング支持中心面Syとし、カムリング支持中心面Syに直交しロータの軸芯Orと交わる直線をカムリング支持直交線Sxとするとき、弁手段をカムリング支持直交線Sx上に配置し、カムスプリングを弁手段と並んでロータのラジアル方向に配置するものとした。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、ポンプ吐出流量が減少する側にカムリングが回動するのに伴って収縮するカム圧力室をカムリングのまわりに画成し、カム圧力室に導かれるカムリングの駆動圧が所定値を超えて上昇するとカム圧力室の駆動圧を逃がすリリーフバルブを備え、リリーフバルブをカムスプリングの内側に配置するものとした。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、カムスプリングの一端を支持するリテーナボルトを備え、リテーナボルトにリリーフバルブを内蔵するものとした。
【0010】
第4の発明は、第1から3のいずれか一つの発明において、弁手段はカムリングに追従して可変容量機構に導かれるカムリングの駆動圧を調節するフィードバックピンを備えるものとした。
【0011】
【発明の作用および効果】
第1の発明において、弁手段をカムリング支持直交線Sx上に配置することにより、カムリングに対する弁手段の追従部の摺動量を小さく抑えられるとともに、カムリングに連動する弁手段の作動量を大きく確保し、作動流体の流れを的確に制御できる。
【0012】
カムスプリングをロータのラジアル方向に配置することにより、カムリングに対するカムスプリングの摺動量を小さく抑えられ、カムリングを円滑に回動させられる。
【0013】
カムスプリングを弁手段と並んでロータのラジアル方向に配置することにより、カムリングやこれを収装するケーシングの大型化が避けられる。
【0014】
第2の発明において、リリーフバルブが開弁してカム圧力室の圧力を逃がすことにより、カムリングがポンプ吐出流量を減少する側に移動し、ポンプ吐出圧の上昇が抑えられる。リリーフバルブがポンプ吐出通路に接続される従来の構造に比べて、リリーフバルブを流れる作動油量が小さいため、リリーフバルブの弁機構の構造を簡素化して、小型化がはかれる。この結果、リリーフバルブをコイル状カムスプリングの内側に配置することが可能となり、ベーンポンプを収装するケーシングのコンパクト化がはかれるとともに、ケーシングに対するリリーフバルブを介装するための加工が少なくて済み、生産性を高められる。
【0015】
さらに、リリーフバルブを流れる作動油量が小さいため、リリーフ騒音を低減できるとともに、油温上昇を抑えて無駄なエネルギ消費を少なくできる。
【0016】
第3の発明において、カムスプリングの一端を支持するリテーナボルトにリリーフバルブを内蔵することにより、部品数を削減し、ベーンポンプを収装するケーシングのコンパクト化がはかれるとともに、ケーシングに対するリリーフバルブを介装するための加工が少なくて済み、生産性を高められる。
【0017】
第4の発明において、フィードバックピンをカムリング支持直交線Sx上に配置することにより、カムリングに対するフィードバックピンの摺動量を小さく抑えられるとともに、カムリングに追従するフィードバックピンの変位量を大きく確保する。この結果、フィードバックピンを介してカムリングの位置を的確に検出してポンプ吐出流量を制御することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両に搭載されるパワーステアリング装置の油圧源として設けられるベーンポンプに適用した実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように、ベーンポンプ1は、ケーシング60に回転可能に収装されるロータ50と、ロータ50から摺動可能に突出する複数のベーン24と、各ベーン24を取り囲むカムリング70とを主体として構成される。各ベーン24は回転するロータ50に対しその放射方向に出入りしながらそれぞれの外周端部をカムリング70の内周面に摺接させてポンプ室を拡縮する。
【0020】
ロータ50はエンジンからの回転が伝達され、図に矢印で示すように左回り方向に回転する。ロータ50の回転に伴って各ベーン24間で拡がるポンプ室には吸込ポート41から作動油が吸込まれ、各ベーン24間で収縮するポンプ室から作動油が吐出ポート42に吐出される。吸込ポート41は吸込通路10を介してタンク6に連通し、吐出ポート42はポンプ吐出通路11を介して図示しないパワーステアリング装置の油圧シリンダに連通される。
【0021】
カムリング70の内周カム面はその断面が略円形に形成され、ロータ軸芯に対するカムリング中心の偏心量が大きくなるほどポンプ押しのけ容積が増大し、ポンプ吐出流量が増える。カムリング中心がロータ軸芯上にあるとポンプ吐出流量が零となる。
【0022】
ポンプ吐出流量を変化させる可変容量機構として、カムリング70はケーシング60に支持ピン71を介して回動可能に支持される。そして、カムリング70を左側に付勢するカムスプリング26が設けられる。カムスプリング26の付勢力によりカムリング70が最も左側に移動した状態で、ポンプ吐出流量は最大となる。
【0023】
カムリング70をカムスプリング26に抗して回動させるため、ケーシング60にはカムリング70を挟むように第一カム圧力室7と第二カム圧力室8が画成される。第一カム圧力室7の圧力が第二カム圧力室8に対して高まるのに伴って、カムリング70はカムスプリング26に抗して右側に回動し、ポンプ吐出流量が次第に減少する。ケーシング60にはカムリング70の外周面に摺接するシール材22が介装され、第一カム圧力室7と第二カム圧力室8をそれぞれ密封している。
【0024】
第一カム圧力室7は吐出圧導入通路12を介して吐出ポート42に連通し、吐出圧導入通路12の途中にダンピングオリフィス112が設けられる。
【0025】
第二カム圧力室8は吐出圧導入通路13を介して吐出ポート42に連通するとともに、戻し通路15と後述する制御弁2を介してタンク6に連通する。吐出圧導入通路13の途中にダンピングオリフィス113が設けられ、戻し通路15の途中にダンピングオリフィス115が設けられる。
【0026】
作動流体の流れを制御する弁手段として、可変容量機構に導かれるカムリング70の駆動圧を制御する制御弁2が設けられる。制御弁2は、ケーシング60に形成されたバルブ孔65と、バルブ孔65に摺動可能に嵌合されるスプール80と、スプール80を図において左方向に付勢するバルブスプリング89と、カムスプリング26に追従するフィードバックピン90等を主体して構成される。
【0027】
バルブ孔65とスプール80の左側端部の間に第一スプール圧力室17が画成される。第一スプール圧力室17は通路19を介して吐出ポート42に連通し、通路19の途中にダンピングオリフィス119が介装される。
【0028】
バルブ孔65とスプール80の右側端部の間に第二スプール圧力室18が画成される。第二スプール圧力室18はポンプ吐出通路11の途中に介装される。ポンプ吐出通路11の第二スプール圧力室18の上流側には流量検出オリフィス62が介装され、ポンプ吐出通路11における流量検出オリフィス62の前後差圧がスプール80の両端部に作用する。これにより、ポンプ吐出通路11の作動油流量が増加するのにしたがって流量検出オリフィス62の前後差圧が高まり、スプール80がバルブスプリング89に抗して右方向に移動する。
【0029】
流量検出オリフィス62はケーシング60のバルブ孔65に面して開口され、ポンプ回転速度が高まるのに伴ってスプール80がポンプ吐出流量を減少させる右方向に移動すると流量検出オリフィス62の開口面積が次第に小さくなる。
【0030】
スプール80にはカムリング70の駆動圧を調節するカム位置検出穴81が形成される。カム位置検出穴81は戻し通路15の途中に介装され、カム位置検出穴81の開口面積が大きくなるのに伴って第二カム圧力室8の圧力が逃がされ、カムリング70が右方向に回動し、ポンプ吐出流量が減少する。
【0031】
図2にも示すように、フィードバックピン90はスプール80のピン孔82に摺動可能に嵌合し、スプリング91の付勢力によりその一端がカムリング70の外周面に押し付けられ、回動するカムリング70に追従してカム位置検出穴81の開口面積を変化させるようになっている。
【0032】
スプール80の外周には環状溝83が形成され、カム位置検出穴81は環状溝83とピン孔82を連通している。フィードバックピン90を貫通する通孔92が形成され、この通孔92とピン孔82とカム位置検出穴81および環状溝83等により戻し通路15が画成される。
【0033】
第二カム圧力室8の圧力が所定値を超えて上昇するとこの圧力を逃がすリリーフバルブ30が設けられる。リリーフバルブ30は、第二カム圧力室8と戻し通路15を連通するリリーフポート31と、リリーフポート31を開閉するボール32と、ボール32を閉方向に付勢するリリーフスプリング33とによって構成される。
【0034】
以上のように構成されるベーンポンプ1の作動について説明する。ベーンポンプ1が停止状態からポンプ回転速度が所定値まで上昇する間、スプール80はバルブスプリング89の付勢力によりカム位置検出穴81を遮断するポジションに保持される。これにより、カムリング70は最大偏心位置に保持され、図6に示すように、ロータ50の回転速度が上昇するのに伴ってポンプ吐出通路11を流れる作動油量が増加するので、車両の低速走行時からポンプ吐出圧が十分に上昇し、パワーステアリング装置に必要な油圧アシスト力を確保できる。
【0035】
ポンプ回転速度が上昇して流量検出オリフィス62の前後差圧が所定値を超えて上昇すると、バルブスプリング89の付勢力に抗してスプール80が図1において右方向に移動してカム位置検出穴81を開いて戻し通路15を開通させるポジションに保持され、流量検出オリフィス62の前後差圧とバルブスプリング89の付勢力がバランスする位置でカム位置検出穴81の開口面積を増減する。これにより、カムリング70の位置を自動的に調節して、ポンプ吐出流量を制御するとともに、ベーンポンプ1からタンク6へ戻される作動油の流量を少なくして無駄なエネルギ消費を少なくする。
【0036】
流量検出オリフィス62の前後差圧が上昇してスプール80がカム位置検出穴81の開口面積を大きくする右方向に変位すると、第二カム圧力室8の圧力(駆動圧)が低下してカムリング70がポンプ吐出流量を減らす右方向に移動する。このとき、第二カム圧力室8の圧力が下がり過ぎると、カムリング70が右方向に回動し、フィードバックピン90が右方向に押されてカム位置検出穴81の開口面積を減らすことにより、第二カム圧力室8の圧力が回復し、カムリング70を適正な位置に押し戻す。
【0037】
このようにしてカムリング70に追従するフィードバックピン90の端部によってカム位置検出穴81の開口面積がフィードバック制御されるため、スプール80に働く圧力バランスとカムリング70の位置に対応してカムリング70の駆動圧が調節され、常にカム位置検出穴81の開口面積に対応したポンプ吐出流量特性が得られる。したがって、カムリング70に作用する摩擦力や内部洩れあるいはポンプ吐出圧力等の運転条件が変化しても、カムリング70の位置がずれることなく、所期のポンプ吐出流量特性が得られる。
【0038】
ポンプ回転速度が所定値を超えて上昇すると、スプール80が流量検出オリフイス62の開口面積を小さくし、ポンプ回転速度の上昇に伴ってポンプ吐出流量が次第に減少する。これにより、パワーステアリング装置に要求されるアシスト力が減少する車両の高速走行時にポンプ吐出量が過剰となるのを防止する。
【0039】
ポンプ吐出流量を制御するスプール80によって流量検出オリフィス62の開口面積を調節するため、この制御系に対する介在物を廃して制御応答性や制御安定性を高められ、スプール80を介して常に目標流量を確保できる。これに対してカムリングの位置に応じて流量検出オリフィスの開口面積を調節する従来の構造では、カムリングの位置が何らかの要因によりずれた場合に、スプールの位置がずれるのに伴ってカムリングの位置がさらに変化してしまい、制御系が不安定となるのである。
【0040】
なお、スプール80が図1において右方向に変位してカム位置検出穴81の面積を拡大する際、戻し通路15に介装されたダンピングオリフィス115がカム位置検出穴81を通って流出する作動油の流れに抵抗を付与することにより、カムリング70がスプール80の変位に追随して右方向に移動し過ぎることが抑えられ、カムリング70の位置制御が安定化する。
【0041】
ところで、カムリング70とロータ50の間で各ベーン24によって仕切られる各ポンプ室には、ロータ50の回転に伴ってポンプ吐出圧とポンプ吸込み圧が交互に生じるが、ロータ50の回転位置によってはポンプ吐出圧が生じるポンプ室の数とポンプ吸込み圧が生じるポンプ室の数が異なり、このポンプ室の圧力変動によってカムリング70に加振力が働く。これに対処して第一スプール圧力室17から出入りする作動油にダンピングオリフィス119が抵抗を付与することにより、カムリング70に働く加振力によりスプール80が変位しようとすると、第一スプール圧力室17と第二スプール圧力室18の圧力が急上昇して、スプール80およびカムリング70の振動が抑えられ、ベーンポンプ1から振動や騒音等の発生を防止できる。
【0042】
ポンプ吐出圧が所定値を超えて上昇すると、リリーフバルブ30が開弁して第二カム圧力室8の圧力を逃がすことにより、カムリング70が図1において右方向に回動し、ポンプ吐出圧の上昇が抑えられる。
【0043】
続いて図3〜図5にしたがって上述したベーンポンプ1の具体的な構造について説明する。
【0044】
図4に示すように、ケーシング60に形成された略円形の凹部には、サイドプレート61とアダプタリング63が積層して収容される。アダプタリング63の内側に円環状のカムリング70が支持ピン71を介して回動可能に支持される。ケーシング60の開口端はカバー64により封鎖される。アダプタリング63、カムリング70、ロータ50の側面は、カバー64に当接してシールされる。
【0045】
ケーシング60とカバー64に渡って駆動軸25がメタル軸受け76,77を介して回転可能に支持される。ロータ50は駆動軸25との途中に結合し、エンジンからの回転が駆動軸25とプーリ27および図示しないベルト等を介して伝達される。
【0046】
ロータ50にはラジアル方向に延びる複数の切欠き52が所定の間隔で形成され、各切欠き52にベーン24が摺動可能に介装される。ロータ50が回転すると、切り欠き52から伸び出したベーン24の先端がカムリング70の内周カム面に当接し、これらの各ベーン24の間に複数のポンプ室が画成される。
【0047】
サイドプレート61には、各ポンプ室に面して開口する吸込ポート41と吐出ポート42が駆動軸25を挟んで対称な位置に形成される。また、カバー64には、ロータ50を挟んでサイドプレート61側の吐出ポート42および吸込ポート41と相対する位置に、高圧凹溝43と低圧凹溝44が形成される。
【0048】
図4に示すように、吐出ポート42に接続する吐出通路11は、ケーシング60に形成される溝66と通孔67,68とバルブ孔65および通孔69、ケーシング60に螺合するコネクタ78等によって画成される。
【0049】
吸込ポート41にタンク6からの作動油を導く吸込通路10は、カバー64に形成される溝72、通路73、カバー64に取付けられるコネクタ74等により画成される。
【0050】
図5に示すように、ケーシング60に螺合するリテーナボルト55が設けられ、リテーナボルト55とスプール80の間にバルブスプリング89が介装される。
【0051】
フィードバックピン90はロータ50のラジアル方向に配置され、その先端がアダプタリング63を貫通してカムリング70の外周側部に当接している。
【0052】
カムリング70の回動支点となる支持ピン71の軸芯Opとカムリング70の軸芯Ocを結ぶ平面をカムリング支持中心面Syとし、カムリング支持中心面Syに直交しロータ50の軸芯Orと交わる直線をカムリング支持直交線Sxと定義すると、制御弁2のフィードバックピン90はその軸芯Ofがカムリング支持直交線Sx上にあるように配置される。
【0053】
ケーシング60にはコイル状のカムスプリング26を収装するスプリング収装穴57が形成され、スプリング収装穴57に螺合するリテーナボルト56が設けられる。リテーナボルト56とカムリング70の間にカムスプリング26が介装される。
【0054】
カムスプリング26はフィードバックピン90と並んでロータ50のラジアル方向に配置される。すなわち、カムスプリング26のコイル中心線Osとフィードバックピン90の中心線Ofがロータ50の軸芯Or上で交わるように配置される。これにより、カムスプリング26のコイル中心線Osがケーシング60の対角線に近づき、カムスプリング26を支持するリテーナボルト56がケーシング60の角部に配置される。
【0055】
カムリング70のカムスプリング26の一端を当接させる部位は、カムスプリング26のコイル中心線Osと直交する平面状に形成される。
【0056】
リリーフバルブ30はコイル状のカムスプリング26の内側に配置され、リテーナボルト56に内蔵される。リテーナボルト56はリリーフバルブ30を収装するバルブ収装孔58を有し、バルブ収装孔58にバルブシート59が嵌合される。バルブシート59にリリーフポート31が開口し、ボール32を着座させるようになっている。
【0057】
リリーフポート31に接続する戻し通路15は、バルブ収装孔58、リテーナボルト56の通孔45、スプリング収装穴57とリテーナボルト56の間に画成される環状通路46、ケーシング60の通孔47、環状溝83等により画成される。
【0058】
以上のように構成される本発明の実施の形態につき、次に作用を説明する。
【0059】
フィードバックピン90をカムリング支持直交線Sx上に配置することにより、カムリング70に対するフィードバックピン90の摺動量を小さく抑えられ、カムスプリング26を円滑に回動させることができる。
【0060】
さらに、カムリング70に追従するフィードバックピン90の変位量を大きく確保し、カムリング70の位置に的確に検出できる。すなわち、フィードバックピン90によるカム位置検出穴81の開口面積の変化量を大きくすることにより、ポンプ吐出流量の制御精度を高められる。
【0061】
カムスプリング26をフィードバックピン90と並んでロータ50のラジアル方向に配置することにより、カムリング70にカムスプリング26を受ける突起等を形成する必要がなく、ケーシング60の大型化が避けられる。また、カムスプリング26のコイル中心線Osがケーシング60の対角線に近づけられることにより、カムスプリング26を支持するリテーナボルト56がケーシング60から大きく突出することが抑えられ、ケーシング60の大型化が避けられる。
【0062】
カムスプリング26をロータ50のラジアル方向に配置することにより、カムリング70に対するカムスプリング26の摺動量を小さく抑えられ、カムスプリング26を円滑に回動させることができる。
【0063】
リリーフバルブ30が開弁して第二カム圧力室8の圧力を逃がすことにより、ポンプ吐出圧の上昇が抑えられる。リリーフバルブがポンプ吐出通路に接続される従来の構造に比べて、第二カム圧力室8に接続されるリリーフバルブ30は、これを流れる作動油量が小さいため、弁機構の構造を簡素化して小型化がはかれる。この結果、リリーフバルブ30をコイル状カムスプリング26の内側に配置して、リテーナボルト56に内蔵することが可能となり、ケーシング60のコンパクト化がはかれるとともに、ケーシング60に対するリリーフバルブ30を介装するための加工が少なくて済む。
【0064】
さらに、リリーフバルブ30を流れる作動油量が小さいため、リリーフ騒音を低減できるとともに、油温上昇を抑えて無駄なエネルギ消費を少なくできる。
【0065】
なお、他の実施の形態として、一対のカムスプリングを設け、各カムスプリングを制御弁を挟むようにしてロータのラジアル方向に配置してもよい。この場合、各カムスプリングの長さを短くして、さらにコンパクト化がはかれる。
【0066】
また、作動流体の流れを制御する弁手段として、回動するカムリングに追従してポンプ吐出通路に介装される絞りの大きさを変化させる可変オリフィスを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すベーンポンプの断面図。
【図2】同じくスプール等の断面図。
【図3】同じくベーンポンプの正面図。
【図4】同じく図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】同じく図3のB−B線に沿う断面図。
【図6】同じくポンプ回転速度とポンプ吐出流量の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1 ベーンポンプ
2 制御弁
7 第一カム圧力室
8 第二カム圧力室
24 ベーン
26 カムスプリング
30 リリーフバルブ
50 ロータ
60 ケーシング
62 流量検出オリフィス
65 バルブ孔
70 カムリング
80 スプール
81 カム位置検出穴
90 フィードバックピン
Claims (4)
- 回転するロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、前記各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリングと、前記カムリングを回動させる可変容量機構と、前記カムリングが回動するのに連動して作動流体の流れを制御する弁手段と、前記カムリングを回動方向に付勢するカムスプリングと、を備える可変容量型ベーンポンプにおいて、前記カムリングの回動支点Opと前記カムリングの軸芯Ocを結ぶ平面をカムリング支持中心面Syとし、前記カムリング支持中心面Syに直交し前記ロータの軸芯Orと交わる直線をカムリング支持直交線Sxとするとき、前記弁手段をカムリング支持直交線Sx上に配置し、前記カムスプリングを前記弁手段と並んで前記ロータのラジアル方向に配置したことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
- 前記ポンプ吐出流量が減少する側に前記カムリングが回動するのに伴って収縮するカム圧力室を前記カムリングのまわりに画成し、前記カム圧力室に導かれるカムリングの駆動圧が所定値を超えて上昇すると前記カム圧力室の駆動圧を逃がすリリーフバルブを備え、前記リリーフバルブを前記カムスプリングの内側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
- 前記カムスプリングの一端を支持するリテーナボルトを備え、前記リテーナボルトに前記リリーフバルブを内蔵したことを特徴とする請求項2に記載の可変容量型ベーンポンプ。
- 前記弁手段は前記カムリングに追従して前記可変容量機構に導かれる前記カムリングの駆動圧を調節するフィードバックピンを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の可変容量型ベーンポンプ。
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