JP3739215B2 - 可変容量形ベーンポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量形ベーンポンプの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の可変容量型ベーンポンプとして、例えば特開平4−272489号公報に開示されているものは、各ベーンを取り囲むカムリングをロータ軸芯に対して偏心させることにより、ポンプ吐出流量を増やすようになっている。こうしてベーンポンプからタンクへ戻される作動油の流量が減らされることにより、無駄なエネルギ消費を少なくしている。
【0003】
このベーンポンプのポンプ吐出流量を調節する制御機構として、ロータに押し込まれる各ベーンの背後で収縮する吐出側背圧室と、吐出側背圧室から作動流体を流出させる背圧逃がし通路と、背圧逃がし通路の途中に介装される背圧絞りとを備え、背圧絞りの前後差圧によりカムリングを移動してポンプ吐出量を変化させるようになっている。
【0004】
背圧逃がし通路を流れる作動油の流量はベーンポンプの吐出流量に比べて少ないため、ポンプ吐出通路に絞りが介装される構造に比べてベーンポンプの駆動損失を抑えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の可変容量型ベーンポンプにあっては、ベーンがカムリングから離れることを防止する機能と作動油の流量制御機能を両立させようとすると背圧の設定が高すぎる場合があり、ベーン先端の摩耗を早める可能性がある。
【0006】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、可変容量形ベーンポンプの駆動損失を低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、回転するロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリングと、ロータに押し込まれる各ベーンの背後で収縮する吐出側背圧室と、吐出側背圧室から作動流体を流出させる背圧逃がし通路と、背圧逃がし通路の途中に介装される背圧絞りと、背圧絞りの前後差圧によりカムリングを移動してポンプ吐出量を変化させる可変容量機構とを備える可変容量形ベーンポンプに適用する。
【0008】
そして、吐出側背圧室を複数に分割し、各吐出側背圧室から作動流体を流出させる複数の背圧逃がし通路を備え、背圧逃がし通路の一つに可変容量機構を駆動するための背圧絞りを介装するものとした。
【0009】
【発明の作用および効果】
第1の発明において、ポンプ回転数が上昇するのに伴って、各吐出側背圧室から各背圧逃がし通路を通って流出する作動流体の流量が増加し、背圧絞りの前後差圧が上昇する。背圧絞りの前後差圧が上昇すると、可変容量機構はカムリングを移動してポンプ吐出量を変化させる。
【0010】
背圧絞りは複数の背圧逃がし通路のうちの一つに介装される構造のため、他の背圧逃がし通路を流れる作動流体に対して抵抗を付与することなく、ベーンポンプの駆動損失を抑えられる。すなわち、吐出側背圧室を複数に分割することにより、一つの背圧逃がし通路に流れる作動流体の流量を減らし、その分無駄なエネルギ消費を少なくすることができる。
【0011】
さらに、ベーンの離間が発生しにくい部位に面する吐出ポートのベーンの背圧を低く設定することが可能となり、ベーンの先端の摩耗を抑えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両に搭載されるパワーステアリング装置の油圧源として設けられるベーンポンプに適用した実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、ベーンポンプ1は、ケーシングに回転可能に収装されるロータ50と、ロータ50から摺動可能に突出する複数のベーン20と、各ベーン20を取り囲むカムリング70とを主体として構成される。
【0014】
ロータ50はエンジンからの回転が図示しない駆動軸とプーリおよびベルト等を介して伝達され、図に矢印で示すように左回り方向に回転する。各ベーン20は回転するロータ50に対しそのラジアル方向に出入りしながらそれぞれの外周端部をカムリング70の内周面に摺接させてポンプ室を拡縮する。
【0015】
ポンプ室の側部を画成する弁板10には吸込ポート30と吐出ポート40が開口される。吸込ポート30と吐出ポート40はそれぞれロータ50の外周に沿って円弧状に湾曲して開口している。ロータ50の回転に伴って各ベーン20間で拡がるポンプ室には吸込ポート30から作動油が吸込まれ、各ベーン20間で収縮するポンプ室から作動油が吐出ポート40に吐出される。吸込ポート30は吸込通路11を介してタンク12に連通し、吐出ポート40はポンプ吐出通路13を介して図示しないパワーステアリング装置の油圧シリンダに連通している。
【0016】
ポンプ吐出流量を変化させる可変容量機構として、カムリング70を回動可能に収装するアダプタリング90が設けられ、カムリング70は支持ピン60を介してアダプタリング90に回動可能に支持される。カムリング70の内周面の断面は略円形に形成され、図示するようにカムリング70の中心Ocがロータ50の軸芯Op上にあるとポンプ吐出流量が零となる。ロータ軸芯Opに対するカムリング中心Ocの偏心量が大きくなるほどポンプ押しのけ容積が増大し、ポンプ吐出流量が増える。
【0017】
一対の第一カム圧力室7と第二カム圧力室8がカムリング70を挟むようにして画成される。アダプタリング90の内周上部にはカムリング70の外周上部に接するシール材22が介装され、第一カム圧力室7と第二カム圧力室8の間が密封される。第一カム圧力室7と第二カム圧力室8に導かれる駆動圧によりアダプタリング90はスプリング25に抗して右回り方向に回動し、ロータ軸芯Opに対するカムリング中心Ocの偏心量が小さくなり、ポンプ吐出流量が減少するようになっている。
【0018】
ロータ50には8枚のベーン20を摺動可能に嵌合させる8個のスリット51が放射状に形成され、各スリット51の内径側端部と弁板10等の間には3つの背圧室2,3,4が画成される。各背圧室2,3,4に導かれる圧力により各ベーン20がスリット51から外径方向に押し出されるようになっている。
【0019】
吸込側背圧室2は吸込ポート41に臨む各ベーン20の背後に位置し、その容積がロータ50の回転に伴い拡大する。吸込側背圧室2にはポンプ吐出通路13から分岐する通路14から作動油が流入する。
【0020】
第一、第二吐出側背圧室3,4は吐出ポート42に臨む各ベーン20の背後に位置し、その容積がロータ50の回転に伴い縮小する。第一、第二吐出側背圧室3,4とポンプ吐出通路13を結ぶ第一、第二背圧逃がし通路15,16が配設される。第一、第二吐出側背圧室3,4から吐出する作動油は、第一、第二背圧逃がし通路15,16を通ってポンプ吐出通路13に流出する。
【0021】
第一吐出側背圧室3とポンプ吐出通路13を結ぶ第一背圧逃がし通路15の途中には背圧絞り17が介装される。背圧絞り17より上流側の第一背圧逃がし通路15が通路18を介して第一カム圧力室7に連通し、背圧絞り17より下流側の第一背圧逃がし通路15が通路19を介して第二カム圧力室8に連通される。すなわち、カムリング70は背圧絞り17の前後差圧によりスプリング25に抗して図1において右方向に回動する。
【0022】
第二吐出側背圧室4とポンプ吐出通路13を結ぶ第二背圧逃がし通路16の途中には背圧絞り21が介装される。
【0023】
以上のように構成される本発明の実施の形態につき、次に作用を説明する。
【0024】
ポンプ回転数が上昇するのに伴って、第一吐出側背圧室3からポンプ吐出通路13に流出する作動油量が増加し、背圧絞り17の前後差圧が上昇する。
【0025】
ベーンポンプ1が停止状態からポンプ回転数が所定値まで上昇する間は、カムリング70がスプリング25の付勢力により左側に位置してロータ軸芯Opに対するカムリング中心Ocの偏心量が最大となる状態に保持され、ロータ50の回転数が上昇するのに伴ってポンプ吐出通路を流れる作動油量が増加する。これにより、車両の低速走行時からポンプ吐出圧が十分に上昇し、パワーステアリング装置に必要な油圧アシスト力を確保できる。
【0026】
ポンプ回転数が所定値を超えて上昇する作動領域にて、背圧絞り17の前後差圧が所定値を超えて上昇すると、スプリング25の付勢力に抗してカムリング70が反時計回り方向に回動し、ポンプ押しのけ容積が小さくなる。こうしてカムリング70の位置が自動的に調節され、ポンプ吐出量が制御されることにより、ベーンポンプ1からタンク12に戻される作動油の流量を少なくして、無駄なエネルギ消費を少なくする。
【0027】
背圧絞り17は第一吐出側背圧室3とポンプ吐出通路13を結ぶ第一背圧逃がし通路15の途中に介装される構造のため、第二背圧逃がし通路16を流れる作動油に対して抵抗を付与することなく、ベーンポンプ1の駆動損失を抑えられる。すなわち、第一、第二吐出側背圧室3,4を分割して設けることにより、背圧絞り17を流れる作動油流量を小さくし、その分無駄なエネルギ消費を少なくすることができる。
【0028】
さらに、他の実施の形態として、第一背圧室をベーンの離間の発生し易い圧力遷移過程部に配置することにより、ベーンの離間が発生しにくい部位に面する第二背圧室の背圧を低く設定することが可能となり、ベーンの押し付け力を軽減してベーンの先端の摩耗を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すベーンポンプの断面図。
【符号の説明】
1 ベーンポンプ
3 第一吐出側背圧室
4 第二吐出側背圧室
7 第一カム圧力室
8 第二カム圧力室
10 弁板
13 ポンプ吐出通路
15 第一背圧逃がし通路
16 第二背圧逃がし通路
17 背圧絞り
20 ベーン
30 吸込ポート
40 吐出ポート
50 ロータ
70 カムリング
Claims (1)
- 回転するロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、
前記各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリングと、
前記ロータに押し込まれる前記各ベーンの背後で収縮する吐出側背圧室と、
前記吐出側背圧室から作動流体を流出させる背圧逃がし通路と、
前記背圧逃がし通路の途中に介装される背圧絞りと、
前記背圧絞りの前後差圧により前記カムリングを移動してポンプ吐出量を変化させる可変容量機構と、
を備える可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記吐出側背圧室を複数に分割し、
前記各吐出側背圧室から作動流体を流出させる複数の前記背圧逃がし通路を備え、
前記各背圧逃がし通路の一つに前記可変容量機構を駆動するための前記背圧絞りを介装したことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
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- 1998-09-28 JP JP27295898A patent/JP3739215B2/ja not_active Expired - Fee Related
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