JP2002147373A - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ

Info

Publication number
JP2002147373A
JP2002147373A JP2000344662A JP2000344662A JP2002147373A JP 2002147373 A JP2002147373 A JP 2002147373A JP 2000344662 A JP2000344662 A JP 2000344662A JP 2000344662 A JP2000344662 A JP 2000344662A JP 2002147373 A JP2002147373 A JP 2002147373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam ring
chamber
discharge
suction
working chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000344662A
Other languages
English (en)
Inventor
Mizuo Otaki
瑞生 大滝
Kazuyoshi Ishizaki
一嘉 石▲崎▼
Yukio Uchida
由紀雄 内田
Masaaki Busujima
正明 毒嶌
Miyoko Hamao
三代子 浜尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP2000344662A priority Critical patent/JP2002147373A/ja
Publication of JP2002147373A publication Critical patent/JP2002147373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カムリングが最大偏心位置付近に位置してい
るときにおける高圧の作動油の漏れを可及的に少なくす
る。吐出流量の不足や動力損失の増大を無くす。 【解決手段】 吐出通路39にオリフィス41,42を
設け、その前後差圧で制御バルブ57を作動させる。カ
ムリング26の周域に、同リング26の偏心量を増減す
るための第1の作動室31と第2の作動室32を設け
る。両作動室31,32にオリフィス41,42の上流
側の作動油を導入し、第2の作動室32からの排出流量
を制御バルブ57によって制御する。カムリング26が
最大偏心位置付近に変位したときに第1の作動室31を
吸入側分室31aと吐出側分室31bに隔成するシール
部材53を設け、オリフィス41,42の上流側を吐出
側分室31b部分に接続する。吐出側分室31bに導入
された作動油は吸入側分室31aを経由してカムリング
26内の吸入領域aに漏出しなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のパワーステ
アリングの駆動源等に用いられるベーンポンプに関し、
とりわけ、ポンプ本体部の容量を変えることによって吐
出流量を制御する可変容量型ベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられるベーンポンプとして、
駆動軸によって回転するロータの外周に複数のベーンを
放射方向に出没自在に取り付け、そのロータの周域に、
円形状の内周面を有するカムリングを偏心させて配置し
たものがある。このベーンポンプは、ロータとカムリン
グが偏心していることからロータが駆動回転すると、そ
の回転に伴って各ベーンが先端部をカムリングの内周面
に摺接させつつ進退作動し、円周方向で隣接するベーン
間に形成されるポンプ室の容積を連続的に増減変化させ
る。
【0003】このような基本構造を有するベーンポンプ
にさらに吐出流量を制御する機構を組み込んだものが特
開2000-161249号公報に記載されている。
【0004】このベーンポンプは、ロータに対するカム
リングの偏心量を変えることによってポンプ容量を変化
させ、それによって吐出ポートから吐出される吐出流量
を制御する所謂可変容量型のものである。
【0005】この可変容量型ベーンポンプは、具体的に
は、図7に示すように、ポンプ本体1(カムリング内)
の吸入領域と吐出領域が吸入通路2と吐出通路3に夫々
接続されるとともに、吐出通路3の吐出ポート4の手前
側にメインオリフィス5が直列に介装され、このメイン
オリフィス5の前後差圧によって制御バルブ6を作動さ
せるようになっている。また、カムリング(厳密な図示
は省略しているが、図面上ポンプ本体を示す符号1がカ
ムリングを同時に示すものとする。)は、付勢スプリン
グ7によって偏心量を増大させる方向に付勢され、カム
リング1の外周の相反位置には、導入される作動油によ
ってカムリング1の偏心量を減少させる第1の作動室8
と、逆にカムリング1の偏心量を増大させる第2の作動
室9とが形成されている。
【0006】このベーンポンプの場合、第1と第2の作
動室8,9にはメインオリフィス5の上流側の作動油が
同様に導入され、第2の作動室9に接続される排出通路
10の開口面積を制御バルブ6によって制御することに
より、カムリング1の偏心量を所謂メータアウト制御に
よって調整する。
【0007】制御バルブ6は、排出通路10を開閉する
弁体12と、この弁体12を排出通路10が閉塞される
方向に付勢するリターンスプリング13と、メインオリ
フィス5の上流側に連通し作動油の導入によって弁体1
2を排出通路10の開口面積が増大する方向に押圧する
高圧流体室14と、メインオリフィス5の下流側に連通
し作動油の導入によって弁体12を排出通路10の開口
面積が減少する方向に押圧する低圧流体室15とを備え
ている。そして、この制御バルブ6は、弁体12がメイ
ンオリフィス5の前後差圧に応動して排出通路10の開
口面積を変化させ、それによって吐出流量が設定流量と
なるようカムリング1の偏心量を制御する。
【0008】尚、図7に示したこの従来例においては、
メインオリフィス5の上流から第1の作動室8に導入さ
れる作動油は一旦制御バルブ6の高圧流体室14に流入
し、弁体12が低圧流体室15側に所定量移動したとこ
ろで、この弁体12によって流量制御されつつ第1の作
動室8に導入される。また、この例の場合、メインオリ
フィス5はカムリング1の偏心量の減少に伴なって開口
面積を減少させる可変オリフィスによって構成され、ロ
ータの回転速度の上昇によって所謂フローダウン特性が
得られるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来の可変容量型
ベーンポンプの場合、カムリング1と第1及び第2の作
動室8,9の側部はハウジングの内壁やサイドプレート
等の側壁部材によって閉塞されており、カムリング1は
偏心量を変化させるときにこの側壁部材に対して摺動す
る。このため、カムリング1と側壁部材の間には隙間が
あり、カムリング1内で加圧された作動油はこの隙間を
通して僅かずつ外部に漏れ出ている。
【0010】ところで、前記従来のベーンポンプにおい
ては、カムリング1が最大偏心位置付近にあるときに、
制御バルブ6の弁体12に形成されたオリフィス溝17
を介して排出通路10aと連通するようになっている。
このため、カムリングが最大偏心位置付近にあるときに
は第1の作動室8全体が低圧となっており、カムリング
1内の吐出領域部分と第1の作動室8の間はカムリング
1を挟んで大きな圧力差となっている。
【0011】したがって、カムリング1が最大偏心位置
付近にあるということは、ロータの回転速度が遅い場合
等できる限り吐出流量を増大させたいときであるにも拘
らず、カムリング1の側部の隙間を通して大量の作動油
が漏れ出てしまう。このため、油圧アクチュエータ16
で必要とする充分な吐出流量が得られなくなるととも
に、動力損失も大きくなることが問題となっている。
【0012】また、上記従来のポンプにおいて、メイン
オリフィス5の上流から第1の作動室8に作動油を直接
導入するとともに、弁体12のオリフィス溝17を廃止
し、オリフィス溝17を通しての第1の作動室8からの
作動油の流出を無くすことも考えられるが、この場合に
も、第1の作動室8に導入された高圧の作動油がカムリ
ング1の側部の隙間を通してカムリング1内の低圧の吸
入領域に漏れ出てしまうため、吐出流量不足や動力損失
の増大等の問題は大幅に改善できるものではない。
【0013】そこで本発明は、カムリングが最大偏心位
置付近に位置しているときにおける高圧の作動油の漏れ
を可及的に少なくして、吐出流量の不足や動力損失の増
大を無くすことのできる可変容量型ベーンポンプを提供
しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、複数のベ
ーンが放射方向に出没自在に取り付けられ、駆動軸によ
って回転駆動されるロータと、このロータの周域に同ロ
ータに対して偏心可能に配置され、ロータとその周域の
隣接する各ベーンとの間に複数のポンプ室を形成するカ
ムリングと、このカムリング内の吸入領域と吐出領域に
夫々連通する吸入通路及び吐出通路と、この吐出通路に
介装されたメインオリフィスと、前記カムリングをロー
タに対する偏心量が増大する方向に付勢する付勢スプリ
ングと、前記カムリングの外周の同カムリングを間に挟
む相反位置に設けられ、作動油の導入によって同カムリ
ングをロータに対する偏心量が減少する方向と増大する
方向に夫々押圧する第1の作動室及び第2の作動室と、
この第2の作動室内の作動油をドレーンさせる排出通路
と、前記メインオリフィスの前後差圧に応動して前記排
出通路を通しての第2の作動室からの作動油の排出流量
を制御する制御バルブと、を備え、この制御バルブは、
排出通路の開口面積を調整する弁体と、この弁体を排出
通路が閉じられる方向に付勢するリターンスプリング
と、前記吐出通路のメインオリフィスの上流側部分に連
通し、作動油の導入によって前記弁体を排出通路の開口
面積が増大する方向に押圧する高圧流体室と、前記吐出
通路のメインオリフィスの下流側の吐出ポートに連通
し、作動油の導入によって前記弁体を排出通路の開口面
積が減少する方向に押圧する低圧流体室と、を備えて成
る可変容量型ベーンポンプにおいて、前記第1の作動室
と第2の作動室を前記メインオリフィスの上流側に連通
させ、前記第2の作動室とメインオリフィスの上流側を
連通させる通路にオリフィスを介装するとともに、第1
の作動室を、カムリングの内側の吸入領域と吐出領域の
境界付近で吸入側分室と吐出側分室とに隔成するシール
手段を設け、第1の作動室とメインオリフィスの上流側
を連通させる通路を前記吐出側分室部分に接続するよう
にした。
【0015】この発明の場合、吸入通路からカムリング
内の吸入領域に吸い入れられた作動油はベーンによるポ
ンプ作用によって加圧され、吐出通路のメインオリフィ
スを通り、吐出ポートから油圧アクチュエータへと供給
される。このとき、メインオリフィスの前後には圧力差
が生じ、その前後の圧力が制御バルブの高圧流体室と低
圧流体室に導入される。制御バルブでは、各流体室に導
入される圧力による力と、リターンスプリングの力のバ
ランスによって弁体を作動させる。
【0016】メインオリフィスの前後差圧の増大によっ
て弁体が低圧流体室方向に移動するまでは第2の作動室
の作動油は排出されず、カムリングは付勢スプリングの
力によって最大偏心位置に位置している。したがって、
このときポンプは最大容量でもって吐出を続け、ロータ
の回転速度に略比例して吐出流量を増大させる。このと
き、第1の作動室にはシール手段によって隔成された吐
出側分室にメインオリフィスの上流側の作動油が導入さ
れ、第2の作動室にはメインオリフィスの上流側の作動
油が別のオリフィスを介して導入される。
【0017】このとき第1の作動室を構成する吐出側分
室は、吸入側分室に対してシール手段によって隔成され
ているため、吐出側分室に導入された作動油はカムリン
グ内の吸入領域に漏出することはない。つまり、吸入側
分室はカムリングを挟んでその内側の吸入領域と近接し
ていることから、カムリングの側部の隙間を通して作動
油が吸入領域に漏出するが、吐出側分室と吸入側分室が
シール手段によって隔成されているため、吐出側分室の
作動油は吸入側分室を通ってカムリング内の吸入領域に
流れ込むことはない。
【0018】また、メインオリフィスの前後差圧の増大
によって弁体が低圧流体室方向に移動すると、メインオ
リフィスの上流側と第2の作動室の間がオリフィスによ
って絞られた状態において排出通路が開かれ、弁体の移
動量に応じて第2の作動室の作動油が排出通路へと排出
される。カムリングはこれにより第1の作動室と第2の
作動室の圧力差に応じて偏心量を減少させる方向に移動
する。したがって、このときポンプはメインオリフィス
の前後差圧に応じた容量に調整され、その結果、油圧ア
クチュエータには設定吐出流量の作動油が供給される。
【0019】請求項2に記載の発明は、シール手段を、
カムリングが最大偏心位置付近に変位したときにのみ、
第1の作動室内を吸入側分室と吐出側分室に隔成するよ
うにした。
【0020】この発明の場合、カムリングが最大偏心位
置付近に変位して大吐出流量を必要とするときには、吸
入側分室と吐出側分室が隔成されて吐出側分室からの作
動油の漏出が阻止されるが、カムリングが偏心量を減少
させる方向に変位するときには吸入側分室と吐出側分室
が隔成されなくなる。したがって、このときメインオリ
フィスの上流側の作動油の圧力はカムリングの第1の作
動室に臨む外周面全面に作用することとなる。
【0021】請求項3に記載の発明は、シール手段を弾
性材料によって形成し、カムリングが最大偏心位置まで
変位する前に相手部材に当接させるようにした。
【0022】この発明の場合、カムリングが最大偏心位
置近くまで変位すると、シール手段が相手部材に当接し
て弾性変形し、カムリングの急激な動作を緩衝する。し
たがって、カムリングが最大偏心位置で停止するときに
は衝撃が生じなくなる。
【0023】請求項4に記載の発明は、カムリングの周
域に、硬質材料から成り同カムリングとの間に第1の作
動室と第2の作動室を形成するリング状部材を配置し
て、油圧力によってロータ、ベーン、及び、カムリング
の側面方向に押し付けられるサイドプレートの圧力をこ
のリング状部材で受けるとともに、メインオリフィスの
上流側と前記第1,第2の作動室とを夫々連通させる通
路を前記サイドプレートに形成するようにした。
【0024】この発明の場合、硬質材料から成るリング
状部材に加工を施すことなく、メインオリフィスの上流
側と第1,第2の作動室とを夫々連通させる通路を容易
に形成することができる。
【0025】請求項5に記載の発明は、シール手段を、
カムリング内の吸入領域と吐出領域の境界点よりも吸入
側に偏寄させて配置するようにした。
【0026】この発明の場合、カムリングが最大偏心位
置付近に変位しているときであっても、メインオリフィ
スの上流側の圧力を大きな受圧面積でもってカムリング
に作用させることが可能になる。
【0027】請求項6に記載の発明は、吸入側分室と、
カムリング内の吸入領域または吸入通路とを連通するオ
リフィス通路を設けるようにした。
【0028】この発明の場合、カムリングが最大偏心位
置付近に変位したときに、吸入側分室内の作動油がオリ
フィス通路を通ってカムリング内の吸入領域または吸入
通路により確実に戻されるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を、図
1の本発明の概略構成図を参照しつつ図2〜図6に基づ
いて説明する。
【0030】図2〜図4において、20は、本発明にか
かる可変容量型ベーンポンプのポンプハウジングであ
り、このポンプハウジング20は、ポンプ本体部を収容
する凹部21aを備えたハウジング本体21と、このハ
ウジング本体21に結合されて凹部21aを閉塞するリ
ヤカバー22とによって構成されている。ポンプハウジ
ング20には車両のエンジンによって駆動される駆動軸
23が回転自在に支持され、この駆動軸23にロータ2
4が一体回転可能に結合されている。ロータ24は、そ
の外周側放射方向に複数のスロットが形成され、その各
スロットにベーン25が出没自在に収容されている。
【0031】26は、前記ロータ24とともにポンプ本
体部を構成し、同ロータ24を内周側に収容するカムリ
ングであり、このカムリング26には前記各ベーン25
の先端が摺接する円形状の内側カム面が形成されてい
る。また、カムリング26は後述するように外周部の一
部(図3中の下端。)がポンプハウジング20内に揺動
自在にピン27によって支持され、そのピン27を中心
とする揺動によってロータ24に対する偏心量を調整で
きるようになっている。図3中Oは、ロータ24及び駆
動軸23の回転中心を示し、O’はカムリング26の中
心を示すが、このカムリング26の中心O’はその揺動
によって同図中をほぼ左右方向に変位する。
【0032】このベーンポンプは、常態において、カム
リング26が回転中心Oに対して偏心しているため、ロ
ータ24がベーン25の先端をカムリング26の内周面
に摺接させつつ回転すると、隣接するベーン25,25
間に形成されるポンプ室の容積を増減変化させ、それに
よって連続的にポンプ作動を行う。そして、カムリング
26とロータ24の偏心量が変化すると、ポンプ室の容
積変化率が変わり、それに伴ってポンプ容量が変化す
る。
【0033】また、28は、ポンプハウジング20の凹
部21a内に嵌合され、内部にカムリング26の収容空
間を形成するリング状部材であり、29は、このリング
状部材28とともに凹部21a内に収容されたサイドプ
レートである。リング状部材28は、硬質材料によって
ロータ24、ベーン25、及び、カムリング26の三者
の幅よりも若干広く形成され、その内周面は前記カムリ
ング26の揺動変位を許容し得るよう略楕円状に形成さ
れている。このリング状部材28はカムリング26の揺
動中心となるピン27に係合され、このピン27によっ
て回り止めがなされている。
【0034】そして、リング状部材28の内周面のうち
のピン27の位置と相反する位置には、径方向内側にば
ね付勢されたシール部材30が配置され、このシール部
材30がカムリング26の変位(揺動)を許容しつつ同
カムリング26の外周面に密接するようになっている。
このシール部材30はピン27とともにリング状部材2
8の内側空間を、図3中左側の第1の作動室31と同図
中右側の第2の作動室32とに隔成し、各作動室31,
32に導入された作動油の圧力がカムリング26に対し
て相反方向から作用するようにしている。尚、カムリン
グ26は第1の作動室31方向に最大に変位したときに
ロータ24に対する偏心量が最大になり、逆に第2の作
動室32方向に最大に変位したときに同偏心量が最小に
なる。
【0035】サイドプレート29はポンプハウジング2
0の内部壁(リヤカバー22の内壁)とともにリング状
部材28の両側部を閉塞し、さらにリング状部材28の
内側のロータ24、ベーン25、及び、カムリング26
の両側部に微小な隙間をもって対峙するようになってい
る。サイドプレート29は後述するようにポンプ内の作
動油の圧力を受けてカムリング26方向に押し付けられ
るが、このときのカムリング26の押圧力をリング状部
材28で直接受けることにより、ロータ24の回転とカ
ムリング26の偏心作動を許容し得るようになってい
る。
【0036】また、ポンプハウジング20の凹部21a
の底面には、図4及び図5に示すように、サイドプレー
ト29との間に低圧室33と高圧室34を形成する窪み
が形成されており、低圧室33と高圧室34はサイドプ
レート29に形成された連通孔35,36を介して夫々
カムリング26内の吸入領域a(図3中の上半部の領
域。)と吐出領域b(図3中の下半部の領域。)に導通
している。そして、カムリング26内の吸入領域aは吸
入通路37を介してポンプハウジング20の吸入ポート
38に接続され、吐出領域bは高圧室34をその一部と
する吐出通路39を介してポンプハウジング20の吐出
ポート40に接続されている。尚、サイドプレート29
は高圧室34の作動油の圧力を受け、リング状部材28
をリヤカバー22方向に押し付けている。
【0037】吐出通路39は、図3及び図5に示すよう
に、高圧室34から第1通路39aと第2通路39bに
分岐しており、この各通路39a,39bには開口面積
の調整が可能な後述する第1オリフィス41と固定開口
面積の第2オリフィス42とが夫々介装されている。こ
の両通路39a,39bは吐出ポート40の手前で再度
合流接続され、両通路39a,39bを通過した作動油
を合流させて吐出ポート40に流出させるようになって
いる。前記第1オリフィス41と第2オリフィス42
は、本発明におけるメインオリフィスを構成し、後述す
るようにその前後の差圧を管理することによって吐出流
量を制御する。
【0038】一方、リング状部材28の周壁のうちの第
2の作動室32に臨む部位には貫通孔43が形成され、
また、ポンプハウジング20の周壁のうちの、この貫通
孔43に連続する位置には貫通孔43よりも若干小径の
シリンダ穴44が設けられている。このシリンダ穴44
には、有底円筒状のフィードバックプランジャ45と、
同プランジャ45を付勢する付勢スプリング46とが収
容され、フィードバックプランジャ45の先端部が貫通
孔43を通して第2の作動室32内に突出している。フ
ィードバックプランジャ45の先端部はカムリング26
の外周面に当接し、付勢スプリング46はカムリング2
6を第1の作動室31方向(偏心量が最大になる方
向。)に付勢している。
【0039】また、シリンダ穴44には、前記第1通路
39a(吐出通路39)の高圧室34側に連通する第1
のポート47と、同通路39aの吐出ポート40側に連
通する第2のポート48が軸方向に離間して開口形成さ
れており、これらのポート47,48がフィードバック
プランジャ45の外周面に形成された環状溝49を通し
て連通するようになっている。この第1,第2のポート
47,48と環状溝49とは前述の第1オリフィス41
を構成する部分であり、フィードバックプランジャ45
が最も突出した状態でポート47,48と環状溝49の
オーバーラップ(通路開口面積)を最大にし、逆に同プ
ランジャ45が最も後退した状態でポート47,48と
環状溝49のオーバーラップ(通路開口面積)を最小に
する。
【0040】さらに、フィードバックプランジャ45の
先端部近傍には、同プランジャ45の内部と第2の作動
室32を連通するオリフィス通路50が形成され、第2
の作動室32内の作動油がこのオリフィス通路50を通
して背室51(フィードバックプランジャ45とシリン
ダ穴44底部の間に形成される空間。)に給排されるよ
うになっている。したがって、フィードバックプランジ
ャ45はシリンダ穴44内を自由に進退作動することが
できるとともに、同プランジャ45が急激に後退作動し
ようとしたときにはオリフィス通路50部分で大きな流
通抵抗を発生し、所謂ダッシュポットとして機能する。
【0041】また、前記リング状部材28は、その内周
面の第1の作動室31に臨む位置に、カムリング26の
偏心量を増大させる方向の変位を規制する偏平状の規制
壁52が設けられている。この規制壁52は吸入領域a
と吐出領域bの境界線s付近に位置されているが、リン
グ状部材28の内周面のうちの、この規制壁sよりも僅
かに吸入領域a寄り位置には、ゴム材等の弾性材料から
成るシール部材53(本発明におけるシール手段)が取
り付けられている。このシール部材53はカムリング2
6の偏心量が最大になる直前にカムリング26の外周面
に当接し、第1の作動室31の内部を吸入側分室31a
と吐出側分室31bとに隔成する。
【0042】さらに、サイドプレート29の第1の作動
室31と第2の作動室32に臨む部位には第1の導通孔
54と第2の導通孔55が夫々形成され、高圧室34を
これらの孔54,55を通して第1の作動室31と第2
の作動室32に夫々連通させている。尚、第1作動室3
1と第2の作動室32を吐出通路37(高圧室34等)
に連通させる手段としては硬質材料から成るリング状部
材28に導通孔を形成することも考えられるが、この実
施形態のようにサイドプレート29に導通孔54,55
を形成するようにした場合には、サイドプレートはリン
グ状部材28のように硬質材料で形成する必要がなく、
穴あけ加工が容易であることから、より製造コストを削
減することができる。
【0043】第1の導通孔54は第1の作動室31のう
ちの前記吐出側分室31b部分に連通し、第1の作動室
31の内部が吸入側分室31aと吐出側分室31bに完
全に隔成されたときであっても、吐出側分室31bには
高圧室34の作動油が確実に導入されるようになってい
る。また、第1,第2の導通孔54,55は小径に形成さ
れ、高圧室34から第1,第2の作動室31,32への作
動油の流入流量を制限するオリフィスとして機能するよ
うになっている。
【0044】第2の作動室32は、前記第2の導通孔5
5とは別にリング状部材28からポンプハウジング20
にかけて形成された排出通路56に連通している。この
排出通路56は第2の作動室32と前記低圧室33を連
通する通路であり、その途中には作動油の排出流量を制
御する制御バルブ57が介装されている。
【0045】制御バルブ57は、図5に示すように、ポ
ンプハウジング20に形成された弁室58に有底円筒状
の弁体59が収容され、弁室58内がこの弁体59によ
って高圧流体室60と低圧流体室61とに隔成されてい
る。高圧流体室60は第1,第2オリフィス41,42
(メインオリフィス)の上流側の高圧室34部分に導通
し、低圧流体室61は第1,第2オリフィス41,42
(メインオリフィス)の下流側の吐出ポート40に導通
するとともに、その内部に、弁体59を高圧流体室60
側に付勢するリターンスプリング63が収容されてい
る。
【0046】そして、弁室58内の軸方向に離間した位
置には排出通路56の上流側ポート64と下流側ポート
65が開口し、弁体58の外周面にはこの両ポート6
4,65を連通させることのできる環状溝66が形成さ
れている。この環状溝66は、弁体59がリターンスプ
リング63によって高圧流体室60方向に押し付けられ
ているときには上流側ポート64とオーバーラップせ
ず、弁体59がリターンスプリング63の力に抗して低
圧流体室61側に変位すると、その変位に応じて上流側
ポート64と下流側ポート65に跨ってオーバーラップ
する。したがって,この制御バルブ57は以上の構成に
より、弁体59が第1,第2オリフィス41,42(メ
インオリフィス)の前後差圧に応動し、その変位に応じ
て排出通路56の開口面積を制御する。
【0047】ところで、制御バルブ57の前記低圧流体
室61にはポンプハウジング20内の低圧室33に連通
するドレーン通路67が接続され、このドレーン通路6
7にリリーフ弁68が介装されている。このリリーフ弁
68は作動油と付勢スプリングとのバランスによって開
口する周知の構造のものであり、吐出ポート40(油圧
アクチュエータ70)の負荷圧の増大によって低圧流体
室61内の圧力が設定圧以上になった場合にドレーン通
路67を開くように設定されている。
【0048】尚、図2及び図4中の69は、高圧室34
の圧力を検知し、その圧力が低いときに駆動源であるエ
ンジンの回転数を上昇制御するときに用いられる圧力ス
イッチである。
【0049】以上の構成において、エンジンの始動によ
って駆動軸23が回転すると、図3に示すように、カム
リング26が最大偏心位置に変位した状態において、カ
ムリング26内をロータ24が回転する。こうして、ロ
ータ24が回転すると、カムリング26内でポンプ作動
が連続して行われ、ベーン25によって加圧された作動
油が吐出領域bから高圧室34へと吐出される。そし
て、高圧室34に吐出された作動油は、第1,第2通路
39a,39bの各オリフィス41,42を通過して吐
出ポート40から油圧アクチュエータ70へと供給され
る一方、サイドプレート29の第1,第2の導通孔5
4,55を通して第1の作動室31と第2の作動室32
に導入される。
【0050】このとき、第1,第2オリフィス41,4
2の前後に差圧が生じ、その差圧が制御バルブ57の弁
体59に作用するが、弁体59はこの差圧が設定値に達
するまではリターンスプリング63によって高圧流体室
60側に押し付けられ、排出通路56を閉じている。し
たがって、第2の作動室32の圧力は外部に排出される
ことがなく、第1の作動室31とほぼ同圧に維持されて
おり、カムリング26は図3に示すように付勢スプリン
グ46の力によって最大偏心位置に維持され、第1,第
2オリフィス41,42の前後差圧が設定圧以上になる
までの間は吐出流量はロータ24の回転速度の上昇に略
比例して増加する。
【0051】ところで、このときカムリング26は最大
偏心位置に変位することによって規制壁52に当接して
おり、その外周面の規制壁52との当接部よりも僅かに
吸入領域a側には弾性材料から成るシール部材53が当
接している。このため、第1の作動室31内はこのシー
ル部材53によって吸入側分室31aと吐出側分室31
bとに分離され、吸入側分室31aと吐出側分室31b
の間の作動油の流通が遮断されている。この状態で高圧
室34の作動油は吐出側分室31bに導入されるため、
その圧力は吐出側分室31bにおいてカムリング26の
外周面に作用するものの、吸入側分室31aには導入さ
れない。
【0052】したがって、このとき吸入側分室31aに
おいてはカムリング26の側部の微小な隙間を通してカ
ムリング26内の低圧の吸入領域aに作動油が漏出する
が、高圧室34から吐出側分室31bに導入された高圧
の作動油は吸入側分室31aを経由して吸入領域aに漏
出することがない。よって、カムリング26が最大偏心
位置に変位して大吐出流量を必要とするこの状態におい
ては、第1の作動室31からの高圧の作動油の漏出がほ
とんど生じず、所望通りの充分な吐出流量を油圧アクチ
ュエータ70に供給することができる。そして、不必要
な作動油の漏出がないことから動力損失も低減される。
【0053】また、この状態からロータ24の回転速度
が上昇し、第1,第2オリフィス41,42の前後差圧
が設定圧以上になると、制御バルブ57の弁体59がそ
の差圧によって低圧流体室61方向に変位し、その変位
に応じた開口面積でもって排出通路56を開口する。こ
れにより、第2の作動室32内の作動油が排出通路56
に排出され、同作動室32の圧力は排出通路56の開口
面積に応じた圧力に減圧される。したがって、カムリン
グ26は第1,第2オリフィス41,42の前後差圧に
応じて変位し、設定吐出流量となるようにポンプ容量を
調整する。
【0054】尚、カムリング26が最大偏心位置から偏
心量を縮小する方向に変位を始める初期においては、シ
ール部材53がカムリング26の外周面に密接すること
によって第1の作動室31の内部を吸入側分室31aと
吐出側分室31bとに隔成しているため、カムリング2
6は吐出側分室31bに臨む領域のみによってオリフィ
ス41,42の上流側の作動油の圧力を受ける。しか
し、この実施形態の場合、吸入領域aと吐出領域bの境
界線s(境界点)に対して吸入領域a側に寄った位置に
シール部材53が配置されているため、カムリング26
の作動初期における受圧面積の不足は最小限に抑えられ
ている。したがって、この実施形態においては、カムリ
ング26の作動初期においも、同リング26の良好な作
動応答性を確保することができる。
【0055】そして、カムリング26が最大偏心位置付
近から離間すると、カムリング26がシール部材53か
ら離反して吸入側分室31aと吐出側分室31bの隔成
が解除されるため、カムリング26は第1の作動室31
に臨む全域で高圧の作動油の圧力を受ける。したがっ
て、カムリング26はその後にさらに応答性良く作動す
る。
【0056】また、最大偏心位置からのカムリング26
の移動に伴ってシール部材53がカムリング26から離
れるときには、大量の作動油が吸入側分室31a側に流
れ込むと、カムリング26の側部の隙間を通して作動油
が吸入領域a内に大量に漏出することが懸念されるが、
この実施形態においては、高圧室34に連通する第1の
導通孔54が小径に形成されているため、このときの第
1の作動室31内への急激な作動油の流入は導通孔54
のオリフィス機能によって制限され、それによって吸入
領域aへの作動油の漏出も少なく抑えられる。
【0057】一方、制御バルブ57による制御によって
前述のようにカムリング26が変位すると、それに追従
してフィードバックプランジャ45が軸方向に変位し、
第2オリフィス42の開口面積をその変位に応じて調整
する。したがって、カムリング26が偏心量を減少させ
る方向(第2の作動室32方向)に変位すると、その変
位に応じて第2オリフィス42の開口面積が縮小され
る。この結果、ベーンポンプはロータ24の回転速度と
相反して吐出流量を減少させ、所謂フローダウン特性を
呈することとなる。
【0058】また、カムリング26が最大偏心位置から
設定量変位した状態において第1,第2オリフィス4
1,42の前後差圧が減少すると、カムリング26は付
勢スプリング46の力を受けて第1の作動室32方向に
変位する。このときカムリング26が最大偏心位置付近
まで変位すると、同リング26は規制壁52に当接する
前にシール部材53に当接し、シール部材53を徐々に
圧縮変形させる。これにより、カムリング26はシール
部材53の弾性によって緩衝作用を受け、規制壁52に
当接するときには作動速度を充分に減速される。したが
って、カムリング26が規制壁52に当接することによ
る異音の発生は生じない。
【0059】また、油圧アクチュエータ70の負荷が増
大して吐出ポート40の負荷圧が設定圧以上に高まった
ときには、リリーフ弁68がドレーン通路67を開き、
吐出ポート40の作動油が低圧流体室61を通して排出
される。このとき同時に弁体59が排出通路を開くた
め、第2の作動室32が減圧され、カムリング26は図
6に示すように偏心量を最小にする位置まで変位する。
したがって、ポンプの容量はこれによって最小に制御さ
れる。
【0060】尚、この発明の実施形態は以上で説明した
ものに限るものではなく、例えば、図1,図6中に符号
80で示すようにカムリング26の側面に溝を形成する
等によってオリフィス通路を形成し、カムリング26の
最大偏心時のこのオリフィス通路80を通して吸入側分
室31a内の作動油を積極的に吸入領域aに戻すようにし
ても良い。このようにした場合には、最大偏心時におけ
る吸入側分室31a内の低圧化がより確実になり、カム
リング26がより安定状態に維持され易くなる。勿論、
オリフィス通路80は吸入側分室31aと吸入通路37
の間に形成しても同様の効果を得ることができる。
【0061】また、上記の実施形態においては、第1の
作動室31内を吸入側分室31aと吐出側分室31bに隔
成するシール手段をゴム材等の弾性を有するシール部材
53で形成したが、勿論、シール部材としては軟質材料
に限らず金属等の硬質材料によって形成するようにして
も良い。この場合には、カムリング26の最大偏心方向
の変位を規制する規制壁52を省略することができる。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明は、第1の作動室を
シール手段によって吸入側分室と吐出側分室とに隔成
し、吐出側分室部分にメインオリフィスの上流側の作動
油を導入するようにしたことから、カムリングが最大偏
心位置付近に変位したときにおける吐出側分室部分から
吸入側分室部分への作動油の流出を無くし、カムリング
の側部の隙間を通しての高圧の作動油の漏出を少なくす
ることができる。したがって、この発明によれば、カム
リングが最大偏心位置付近に位置されているときにおけ
る吐出流量の不足や動力損失を少なくすることができ
る。
【0063】請求項2に記載の発明は、カムリングが最
大偏心位置付近に変位して大吐出流量を必要とするとき
には吸入側分室を通しての高圧の作動油の漏出を確実に
阻止することができ、しかも、カムリングが最大偏心位
置から離れたときにはメインオリフィスの上流側の作動
油の圧力をカムリングの広い受圧面積に作用させて、吐
出流量を速やかに制御することができる。
【0064】請求項3に記載の発明は、さらにカムリン
グの最大偏心方向の急激な作動を弾性材料から成るシー
ル手段によって緩衝することができるため、カムリング
の急激な作動に伴う騒音の発生をも防止することができ
る。
【0065】請求項4に記載の発明は、硬質材料から成
るリング状部材に加工を施すことなく、第1の作動室と
メインオリフィスの上流側を連通させる通路を容易に形
成することができるため、より低コストでの製造が可能
になる。
【0066】請求項5に記載の発明は、カムリングが最
大偏心位置付近に変位しているときであっても、メイン
オリフィスの上流側の圧力を比較的大きな受圧面積でも
って受けることができるため、最大偏心位置から偏心量
を減少させる場合のカムリングの作動応答性を向上させ
ることができる。
【0067】請求項6に記載の発明は、カムリングが最
大偏心位置に変位したときに、吸入側分室内の作動油を
オリフィス通路を通してカムリング内の吸入領域または
吸入通路に確実に戻すことができるため、カムリングを
最大偏心位置により確実に安定維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示す回路構成図。
【図2】本発明の一実施形態を示す側面図。
【図3】同実施形態を示すもので、カムリングの偏心量
が最大のときの図2のE−E線に沿う断面図。
【図4】同実施形態を示す図3のF−F線に沿う断面
図。
【図5】同実施形態を示すもので、図4のA−A断面、
B−B断面、C−C断面、D−D断面と、図2のE−E
断面を組み合わせた油圧回路図。
【図6】同実施形態を示すもので、カムリングの偏心量
が最小のときの図2のE−E線に沿う断面図。
【図7】従来の技術を示す概略回路構成図。
【符号の説明】
24…ロータ 26…カムリング 28…リング状部材 29…サイドプレート 31…第1の作動室 31a…吸入側分室 31b…吐出側分室 32…第2の作動室 37…吸入通路 39…吐出通路 40…吐出ポート 41…第1オリフィス(メインオリフィス) 42…第2オリフィス(メインオリフィス) 46…付勢スプリング 53…シール部材(シール手段) 55…第2の導通孔(オリフィス) 56…排出通路 57…制御バルブ 59…弁体 60…高圧流体室 61…低圧流体室 63…リターンスプリング a…吸入領域 b…吐出領域 s…境界線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 由紀雄 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 毒嶌 正明 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 浜尾 三代子 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3H040 AA03 BB11 CC01 CC10 CC16 CC18 CC21 DD03 DD14 DD22 DD23 DD27 DD28 3H044 AA02 BB05 CC01 CC11 CC14 CC16 CC21 DD01 DD09 DD10 DD12 DD13 DD15 DD16 DD35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のベーンが放射方向に出没自在に取
    り付けられ、駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    このロータの周域に同ロータに対して偏心可能に配置さ
    れ、ロータとその周域の隣接する各ベーンとの間に複数
    のポンプ室を形成するカムリングと、このカムリング内
    の吸入領域と吐出領域に夫々連通する吸入通路及び吐出
    通路と、この吐出通路に介装されたメインオリフィス
    と、前記カムリングをロータに対する偏心量が増大する
    方向に付勢する付勢スプリングと、前記カムリングの外
    周の同カムリングを間に挟む相反位置に設けられ、作動
    油の導入によって同カムリングをロータに対する偏心量
    が減少する方向と増大する方向に夫々押圧する第1の作
    動室及び第2の作動室と、この第2の作動室内の作動油
    をドレーンさせる排出通路と、前記メインオリフィスの
    前後差圧に応動して前記排出通路を通しての第2の作動
    室からの作動油の排出流量を制御する制御バルブと、を
    備え、 この制御バルブは、排出通路の開口面積を調整する弁体
    と、この弁体を排出通路が閉じられる方向に付勢するリ
    ターンスプリングと、前記吐出通路のメインオリフィス
    の上流側部分に連通し、作動油の導入によって前記弁体
    を排出通路の開口面積が増大する方向に押圧する高圧流
    体室と、前記吐出通路のメインオリフィスの下流側の吐
    出ポートに連通し、作動油の導入によって前記弁体を排
    出通路の開口面積が減少する方向に押圧する低圧流体室
    と、を備えて成る可変容量型ベーンポンプにおいて、 前記第1の作動室と第2の作動室を前記メインオリフィ
    スの上流側に連通させ、前記第2の作動室とメインオリ
    フィスの上流側を連通させる通路にオリフィスを介装す
    るとともに、第1の作動室を、カムリングの内側の吸入
    領域と吐出領域の境界付近で吸入側分室と吐出側分室と
    に隔成するシール手段を設け、第1の作動室とメインオ
    リフィスの上流側を連通させる通路を前記吐出側分室部
    分に接続したことを特徴とする可変容量型ベーンポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記シール手段は、カムリングが最大偏
    心位置付近に変位したときにのみ、第1の作動室内を吸
    入側分室と吐出側分室に隔成することを特徴とする請求
    項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  3. 【請求項3】 前記シール手段を弾性材料によって形成
    し、カムリングが最大偏心位置まで変位する前に相手部
    材に当接させることを特徴とする請求項1または2に記
    載の可変容量型ベーンポンプ。
  4. 【請求項4】 前記カムリングの周域に、硬質材料から
    成り同カムリングとの間に第1の作動室と第2の作動室
    を形成するリング状部材を配置して、油圧力によってロ
    ータ、ベーン、及び、カムリングの側面方向に押し付け
    られるサイドプレートの圧力をこのリング状部材で受け
    るとともに、メインオリフィスの上流側と前記第1,第
    2の作動室とを夫々連通させる通路を前記サイドプレー
    トに形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  5. 【請求項5】 前記シール手段を、カムリング内の吸入
    領域と吐出領域の境界点よりも吸入側に偏寄させて配置
    したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    可変容量型ベーンポンプ。
  6. 【請求項6】 前記吸入側分室と、カムリング内の吸入
    領域または吸入通路とを連通するオリフィス通路を設け
    たことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可
    変容量型ベーンポンプ。
JP2000344662A 2000-11-13 2000-11-13 可変容量型ベーンポンプ Pending JP2002147373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000344662A JP2002147373A (ja) 2000-11-13 2000-11-13 可変容量型ベーンポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000344662A JP2002147373A (ja) 2000-11-13 2000-11-13 可変容量型ベーンポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002147373A true JP2002147373A (ja) 2002-05-22

Family

ID=18818825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000344662A Pending JP2002147373A (ja) 2000-11-13 2000-11-13 可変容量型ベーンポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002147373A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032517A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Kayaba Ind Co Ltd 可変容量ベーンポンプ
JP2012072703A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Showa Corp ベーンポンプ
JP2013253613A (ja) * 2004-12-22 2013-12-19 Magna Powertrain Inc 複制御チャンバ付き可変容量形ベーンポンプ
CN104912791A (zh) * 2014-03-14 2015-09-16 日立汽车系统转向器株式会社 可变容量型叶片泵
WO2016203811A1 (ja) * 2015-06-19 2016-12-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 可変容量形オイルポンプ

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013253613A (ja) * 2004-12-22 2013-12-19 Magna Powertrain Inc 複制御チャンバ付き可変容量形ベーンポンプ
JP2007032517A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Kayaba Ind Co Ltd 可変容量ベーンポンプ
JP2012072703A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Showa Corp ベーンポンプ
CN104912791A (zh) * 2014-03-14 2015-09-16 日立汽车系统转向器株式会社 可变容量型叶片泵
JP2015175294A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 日立オートモティブシステムズステアリング株式会社 可変容量型ベーンポンプ
WO2016203811A1 (ja) * 2015-06-19 2016-12-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 可変容量形オイルポンプ
CN107709780A (zh) * 2015-06-19 2018-02-16 日立汽车系统株式会社 可变容量型油泵
JPWO2016203811A1 (ja) * 2015-06-19 2018-03-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 可変容量形オイルポンプ
CN107709780B (zh) * 2015-06-19 2019-08-16 日立汽车系统株式会社 可变容量型油泵
CN110360100A (zh) * 2015-06-19 2019-10-22 日立汽车系统株式会社 可变容量型油泵
CN110360100B (zh) * 2015-06-19 2022-04-15 日立安斯泰莫株式会社 可变容量型油泵
US11905948B2 (en) 2015-06-19 2024-02-20 Hitachi Astemo, Ltd. Variable displacement oil pump including swing member

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6120256A (en) Variable displacement pump
JP4146312B2 (ja) 可変容量形ポンプ
KR0167866B1 (ko) 가변 용량형 펌프
JP2001304140A (ja) 可変容量型ポンプ
JP3746386B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2002147373A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP4267768B2 (ja) 可変容量型ポンプ
JP3734627B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2002147374A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP3771675B2 (ja) 容積型ポンプの流量制御装置
JP2003097453A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2003097454A (ja) ベーンポンプ
JPH06167281A (ja) 可変容量形ポンプ
JP2599964Y2 (ja) ベーンポンプ
JP3631264B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JPH07119648A (ja) 可変容量形ベーンポンプ
JP3501990B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP3746388B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP4009455B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP3607306B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP5555071B2 (ja) ベーンポンプ
JP3796073B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP3798172B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JPH06241176A (ja) 可変容量形ポンプ
JP2001065470A (ja) 可変容量型ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041217