JP5897945B2 - ベーンポンプ - Google Patents
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Description
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、ロータの低回転時であってもベーンを十分に突出させることができ、ベーンとカムリング内周の衝突を抑制し、騒音を低減することができるベーンポンプを提供することである。
〔ベーンポンプの全体構成〕
ベーンポンプ1は、自動車の油圧機器、具体的にはベルト式の連続可変トランスミッション(CVT100)への油圧供給源として使用される。
ベーンポンプ1は内燃機関のクランクシャフトにより駆動され、作動流体を吸入・吐出する。作動流体として作動油、具体的にはATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)を用いる。
ただし、上記は本発明を限定するものではなく、CVT以外に作動油を供給するベーンポンプに適用しても良い。
図1は、CVT100の一例を示すブロック図である。コントロールバルブ110内には、CVTコントロールユニット130により制御される各種のバルブ(シフトコントロールバルブ111、セカンダリーバルブ112、セカンダリー圧ソレノイドバルブ113、ライン圧ソレノイドバルブ114、プレッシャーレギュレーターバルブ115、マニュアルバルブ116、ロックアップ/セレクト切替ソレノイドバルブ117、クラッチレギュレーターバルブ118、セレクトコントロールバルブ119、ロックアップソレノイドバルブ120、トルクコンバーターレギュレーターバルブ121、ロックアップコントロールバルブ122、セレクトスイッチバルブ123)が設けられている。ベーンポンプ1から吐出された作動油は、コントロールバルブ110を介してCVT100の各部(プライマリプーリ101、セカンダリプーリ102、フォワードクラッチ103、リバースブレーキ104、トルクコンバータ105、潤滑・冷却系106)に供給される。
ポンプ部は主な構成要素として、クランクシャフトにより駆動される駆動軸(回転軸)5と、駆動軸5により回転駆動されるロータ6と、ロータ6の外周に形成された複数のスリット61のそれぞれに突没可能に収容されたベーン7と、ロータ6を囲んで設置されるカムリング8と、カムリング8を囲んで設置されるアダプタリング9とを有している。
ポンプボディ4は、収容凹部40b内にロータ6、ベーン7及びカムリング8を収容するリアボディ40と、リアボディ40の収容凹部40bのz軸負方向側底部に収容されると共に、カムリング8及びロータ6のz軸負方向側に設置され、ロータ6、ベーン7及びカムリング8と共に複数のポンプ室rを形成するプレッシャプレート41と、収容凹部40bの開口を閉塞するとともに、カムリング8及びロータ6のz軸正方向側に設置され、ロータ6、ベーン7及びカムリング8とともに複数のポンプ室rを形成するフロントボディ42と、から構成されている。
ポンプボディ4(リアボディ40、プレッシャプレート41、フロントボディ42)には駆動軸5が回転自在に軸支されている。駆動軸5のz軸正方向側は、チェーンを介して内燃機関のクランクシャフトに結合されており、クランクシャフトに同期して回転する。駆動軸5の外周には、ロータ6が同軸に固定(セレーション結合)されている。ロータ6は駆動軸5とともに、回転軸Oの周りに図2の時計回り方向に回転する。
アダプタリング9とカムリング8の間には、アダプタリング9の内周面(転動面91)に設けられた凹部とカムリング8の外周面(カムリング外周面81)の凹部との間に挟み込まれるように両者を係止するピンPINが設置される。ピンPINの両端はポンプボディ4に固定設置される。カムリング8は、アダプタリング9に対して、ピンPINが設けられた転動面91で支持され、転動面91を支点に揺動自在に設置される。ピンPINは、アダプタリング9に対するカムリング8の位置ズレ(相対回転)を抑制する。回転軸Oを挟んでピンPINの略反対側のアダプタリング9の内周面(収容孔90)にはシール部材S1が設置される。
ロータ6は、カムリング8の内周側に設置される。ロータ6には、複数の溝(スリット61)が放射状に形成されている。各スリット61は、z軸方向から見て、ロータ外周面6aから回転軸Oに向かって所定深さまで、ロータ径方向に延びて直線状に設けられており、ロータ6のz軸方向全範囲にわたって形成されている。スリット61は、ロータ6を周方向に等分割する位置に11箇所、形成されている。各スリット61の内周側(回転軸Oに向かう側)の基端部には、z軸方向に延びる背圧室brが形成されている。なお、背圧室brはスリット61と同様の溝形状となっている。
ベーン7は、略矩形状の板部材であり、各スリット61に1枚ずつ出没可能に収容されている。なお、スリット61とベーン7の数は11に限らなくとも良い。なお、ベーン7の形状については、後で詳述する。
円形凹部26には貫通孔27aを有するリング状のベーンカム27が収容されている。ベーンカム27の外径は、カムリング8の内周面(カムリング内周面80)の直径からベーン7の長さの倍の値を引いた大きさに形成されている。つまり、ベーンカム27はカムリング8とともに偏心し、ベーンカム27の外周面(ベーンカム外周面27b)は常に全てのベーン7の基端部と接するように形成されている。
ベーンカム27の軸方向厚さは円形凹部62の深さとほぼ同じに形成されている。また、貫通孔27a内には駆動軸5が貫通しており、貫通孔27aの内径はベーンカム27が最も偏心したときに駆動軸5に接しないように形成されるとともに、背圧室brの基端部よりも内周側となるように形成されている。つまり、ベーンカム27が最も偏心したときであっても、背圧室brの基端部をシール可能にしている。
ロータ6の外周面(ロータ外周面6a)とカムリング内周面80とプレッシャプレート41のz軸正方向側面410、フロントボディ42のz軸負方向側面420との間に形成される環状室は、複数のベーン7によって、11個のポンプ室rに区画される。以下、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向。以下、単に「回転方向」といい、ロータ6の逆回転方向を「回転負方向」という。)において隣り合うベーン7同士の間(2つのベーン7の側面間)の距離を、1ピッチという。1つのポンプ室rの回転方向幅は、1ピッチであり不変である。
(プレッシャプレート)
プレッシャプレート41には、吸入ポート43a、吐出ポート44a及び背圧ポート45、46が形成されている。各ポートは、プレッシャプレート41のz軸正方向側面410に形成されている。
吸入ポート43aは、外部から吸入側のポンプ室rに作動油を導入する際の入口となる部分であり、図2に示すように、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大する区間に設けられている。吸入ポート43aは、吸入側のポンプ室rに沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成された溝であり、ポンプ吸入側の油圧が導入される。吸入ポート43aに対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吸入ポート43aのx軸正方向側の始点とx軸負方向側の終点とがなす略4.5ピッチ分に相当する角度の範囲に、ベーンポンプ1の吸入領域が設けられている。
吐出ポート44aは、吐出側のポンプ室rから外部へ作動油を吐出する際の出口となる部分であり、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が縮小する区間に設けられている。吐出ポート44aは、吐出側のポンプ室rに沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成された溝であり、ポンプ吐出側の油圧が導入される。
吐出ポート44aに対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吐出ポート44aのx軸負方向側の始点とx軸正方向側の終点とがなす略4.5ピッチ分に相当する角度の範囲に、ベーンポンプ1の吐出領域が設けられている。吸入ポート43aの終点と吐出ポート44aの始点とがなす角度の範囲に第1閉じ込み領域が設けられ、吐出ポート44aの終点と吸入ポート43aの始点とがなす角度の範囲に第2閉じ込み領域が設けられている。第1閉じ込み領域及び第2閉じ込み領域は、この領域内にあるポンプ室rの作動油を閉じ込め、吸入ポート43aと吐出ポート44aとが連通することを抑制する領域である。第1,第2閉じ込み領域の角度範囲は、それぞれ略1ピッチ分に相当する。
吐出側背圧ポート46は、吐出領域、および第1、第2閉じ込み領域の略半分に位置する複数のベーン7の背圧室brに連通するポートである。吐出側背圧ポート46は、ポンプ吐出側の油圧が導入される溝であって、ベーン7の背圧室br(スリット基端部)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。
吸入側背圧ポート45および吐出側背圧ポート46は、カムリング8の偏心位置に関らず、z軸方向から見て、背圧室brと大部分重なるロータ径方向位置に設けられており、背圧室brと重なるとき、これと連通する。
なお、ベーン7が「吸入領域に位置する」とは、z軸方向から見て、ベーン7の先端部(ベーン先端部70)が吸入ポート43aと重なっていることをいい、ベーン7が「吐出領域等に位置する」とは、z軸方向から見て、ベーン先端部70が吐出ポート44a等と重なっていることをいう。
リアボディ40の内部には、軸受保持孔40d、低圧室40e、高圧室40fが形成されている。軸受保持孔40dの内周には、軸受としてのブッシュ48が設置され、ブッシュ48の内周側には駆動軸5のz軸負方向端部が回転自在に設置されている。低圧室40eは、リザーバ設置孔400を介して図外のリザーバに連通する。リザーバは、作動油を貯留しベーンポンプ1へ供給可能な作動油源であり、リザーバにおける作動油の圧力は略大気圧である。
高圧室40fは、それぞれ収容凹部40bのz軸負方向側の底部に袋状に設けられている。高圧室40fは、油圧回路3の吐出通路30に連通している。吐出通路30は、メータリングオリフィス(オリフィス320)を介してベーンポンプ1の外部のCVT100に供給圧を供給する供給通路34に連通している。
フロントボディ42の内部には、軸受保持孔42d及び低圧室42eが形成されている。軸受保持孔42dの内周には、軸受としてのブッシュ49が設置され、ブッシュ49の内周側には駆動軸5のz軸正方向側が回転自在に設置されている。低圧室42eは、リアボディ40に設けられた連通路401を介して、リアボディ40の低圧室40eに連通する。
フロントボディ42には、吸入ポート43b、吐出ポート44b、カムポート47が形成されている。各ポートは、フロントボディのz軸負方向側面420に形成されている。
吸入ポート43bは、外部から吸入側のポンプ室rに作動油を導入する際の入口となる部分であり、図2に示すようにロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大する区間に設けられている。吸入ポート43bは、吸入側のポンプ室rに沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成された溝であり、ポンプ吸入側の油圧が導入される。吸入ポート43bに対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吸入ポート43bのx軸正方向側の始点とx軸負方向側の終点とがなす略4.5ピッチ分に相当する角度の範囲に、ベーンポンプ1の吸入領域が設けられている。
吐出ポート44bに対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吐出ポート44bのx軸負方向側の始点とx軸正方向側の終点とがなす略4.5ピッチ分に相当する角度の範囲に、ベーンポンプ1の吐出領域が設けられている。吸入ポート43bの終点と吐出ポート44bの始点とがなす角度の範囲に第1閉じ込み領域が設けられ、吐出ポート44aの終点と吸入ポート43bの始点とがなす角度の範囲に第2閉じ込み領域が設けられている。第1閉じ込み領域及び第2閉じ込み領域は、この領域内にあるポンプ室rの作動油を閉じ込め、吸入ポート43bと吐出ポート44bとが連通することを抑制する領域である。第1,第2閉じ込み領域の角度範囲は、それぞれ略1ピッチ分に相当する。
カムポート47はロータ6の円形凹部62の内周に沿って回転軸Oを中心とする円状に全周にわたって設けられており、カムポート47には、ポンプ吸入側の油圧が導入されている。
図4は、ベーン7をロータ6の回転軸方向から見た図である。ベーン7のカムリング8側端部(ベーン先端部70)とロータ6側端部(ベーン基端部71)とは、ロータ6の回転軸方向から見て(回転軸に垂直な平面において)外側に凸の曲面状に形成されている。ベーン先端部70の曲面の中心c2及びベーン基端部71の曲面の中心c1は、ベーン7の軸線上にあって、ベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン先端部70側に偏って設けられている。また、ベーン先端部70の曲面の半径をr2、ベーン基端部71の曲面の半径をr1とすると、半径r2と半径r1との和はベーン7の軸方向長さBと一致するように形成されている。つまり、ベーン先端部70の曲面の中心c2とベーン基端部71の曲面の中心c1とは一致するように形成されている。さらに、ベーン先端部70の曲面の半径r2は、ベーン基端部71の曲面の半径r1よりも小さく形成されている。
なお、実際には、半径r2と半径r1との和がベーン7の軸方向長さBと完全に一致しなくとも良く、また中心c2と中心c1がベーン7の軸線上になくとも良い。すなわち、ベーン先端部70の曲面の中心c2とベーン基端部71の曲面の中心c1が近接した位置にあって、それぞれの中心がベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン先端部70側にあれば良い。
ベーンポンプ1の制御部は、制御室R1,R2と制御弁2と油圧回路3から構成されている。アダプタリング9の収容孔90とカムリング外周面81との間の空間は、そのz軸負方向側がプレッシャプレート41に、z軸正方向側がフロントボディ42により封止される一方、転動面91とカムリング外周面81との当接部と、シール部材S1とカムリング外周面81との当接部とにより、2つの制御室R1,R2に液密に隔成されている。カムリング8の外周側において、カムリング8の偏心量δが増大する方向であるx軸負方向側には第1制御室R1が隔成され、偏心量δが減少する方向であるx軸正方向側には第2制御室R2が隔成されている。
第1制御元圧通路31は、バルブ収容孔40aのx軸負方向側に開口し、カムリング8の偏心量δ(ポンプ容量)を制御する油圧(制御圧)の元圧として、吐出ポート44から吐出される油圧(吐出圧)と略同じ圧力を制御弁2に供給する。吐出通路32には、通路の他の箇所よりも流路断面積が小さい絞り部としてのオリフィス320が設けられている。吐出通路32は、オリフィス320の下流で、第2制御元圧通路33と供給通路34とに分岐する。
供給通路34は、吐出ポート44からの吐出圧がオリフィス320を経由して若干降圧された油圧(供給圧)をCVT100に供給する。
第2制御元圧通路33は、バルブ収容孔40aのx軸正方向側に開口し、制御圧の元圧として、供給圧と略同じ圧力を制御弁2に供給する。
制御弁2は油圧制御弁(スプール弁)であり、弁体(スプール20)を作動させる(変位させる)ことで、第1制御室R1及び第2制御室R2への作動油の供給を切り替える。制御弁2は、バルブ収容孔40a内にx軸方向に変位(ストローク)可能に収容されたスプール20と、バルブ収容孔40a内にスプール20のx軸正方向側に圧縮状態で設置され、スプール20をx軸負方向側に常時付勢する戻しバネとしてのコイルスプリング21とを有している。コイルスプリング21のx軸正方向端は、バルブ収容孔40aのx軸正方向側のねじ部40cに螺着されたリテーナ22に保持されている。
スプール20は、ポート遮断用(またはポート開度可変用)の第1大径部201及び第2大径部202を備えている。第1大径部201はスプール20のx軸負方向側に設けられ、第2大径部202はスプール20のx軸正方向側の端部に設けられている。これらの大径部201,202は、略円柱形状であり、略円筒状のバルブ収容孔40aの内径寸法に略一致した外径寸法を有する。
バルブ収容孔40aの内部は、第1大径部201とソレノイドSOLのX軸負方向端部により第1圧力室23が画成され、第2大径部202とバルブ収容孔40aのx軸正方向端部とにより第2圧力室24が画成され、第1大径部201と第2大径部202によりドレン室25が画成される。スプール20の変位に関わらず、第1圧力室23には第1制御元圧通路31が常に開口し、第2圧力室24には第2制御元圧通路33が常に開口する。ドレン室25は、図外のドレン通路と常時連通し、低圧に保たれている(大気圧に開放されている)。
各開口部は以下のように配置されている。スプール20がx軸負方向側に最大変位した状態で、第1制御通路35の開口部は、第1大径部201により第1圧力室23との連通が遮断される一方、ドレン室25と連通する。同じ状態で、第2制御通路36の開口部は、第2大径部202によりドレン室25との連通が遮断される一方、第2圧力室24と連通する。
スプール20がx軸正方向側に変位するにつれて、第1制御通路35の開口部は、第1大径部201により塞がれる面積が増大し、第1制御通路35とドレン室25との連通が遮断される。そしてスプール20のx軸正方向側の変位量が所定以上となると、第1制御通路35と第1圧力室23とが連通する。
また、スプール20がX軸正方向側に変位するにつれて、第2制御通路36の開口部は、第2大径部202により塞がれる面積が増大し、第2制御通路36と第2圧力室24との連通が遮断される、そしてスプール20のx軸正方向側変位量が所定以上となると、第2制御通路36とドレン室25とが連通する。
次に、実施例1のベーンポンプ1の作用を説明する。
(ポンプ作用)
カムリング8を回転軸Oに対してx軸負方向に偏心した状態でロータ6を回転させることにより、ポンプ室rは回転軸周りに回転しつつ周期的に拡縮する。ポンプ室rが回転方向に拡大する吸入領域で、吸入ポート43からポンプ室rに作動油を吸入する。ポンプ室rが回転方向に縮小する吐出領域で、ポンプ室rから吐出ポート44へ上記吸入した作動油を吐出する。
具体的には、あるポンプ室rに着目すると、吸入領域において、このポンプ室rの回転負方向側のベーン7(以下、「後側ベーン7」という。)が吸入ポート43の終点を通過するまで、言い換えると、回転方向側のベーン7(以下、「前側ベーン7」という。)が吐出ポート44の始点を通過するまで、当該ポンプ室rの容積は増大する。この間、当該ポンプ室rは吸入ポート43と連通しているため、作動油を吸入ポート43から吸入する。
第1閉じ込み領域において、当該ポンプ室rの後側ベーン7(の回転方向側の面)が吸入ポート43の終点と一致し、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が吐出ポート44の始点と一致する回転位置では、当該ポンプ室rは吸入ポート43とも吐出ポート44とも連通せず、液密に保たれる。
また、第2閉じ込み領域において、当該ポンプ室rの後側ベーン7が吐出ポート44の終点と一致し、前側ベーン7が吸入ポート43の始点と一致する位置では、当該ポンプ室rは吐出ポート44とも吸入ポート43とも連通せず、液密に保たれる。
実施例1では、第1、第2閉じ込み領域の範囲がそれぞれ1ピッチ分(1つのポンプ室rの分)だけ設けられているため、吸入領域と吐出領域とが連通することを抑制しつつ両領域をできるだけ拡大し、これによりポンプ効率を向上できる。なお、閉じ込み領域(吸入ポート43と吐出ポート44との間隔)を1ピッチ以上の範囲にわたって設けることとしても良い。
カムリング8がx軸負方向側に揺動してロータ6に対する偏心量δがゼロでないとき、吸入領域ではポンプ室rの容積はロータ6が回転するにつれて拡大し、ポンプ室rが第1閉じ込み領域に位置するとき最大となる。吐出領域では、ポンプ室rの容積はロータ6が回転するにつれて縮小し、ポンプ室rが第2閉じ込み領域に位置するとき最小となる。図2に示す最大偏心位置で、ポンプ室rの縮小時と拡大時の容積差は最大となり、ポンプ容量も最大となる。
一方、カムリング8がx軸正方向側に揺動して偏心量δが最小(ゼロ)となる最小偏心位置では、吸入領域でも吐出領域でも、ロータ6の回転につれてポンプ室rの容積は拡大も縮小もしない。言い換えると、ポンプ室r間の容積差は最小(ゼロ)となり、ポンプ容量も最小となる。このように、カムリング8の揺動量に応じて容積差が変化し、これに対応してポンプ容量も変化する。
第1制御室R1は、制御弁2の第1圧力室23から第1制御通路35を介して作動油(制御圧)が供給されることで、コイルスプリングSPGの付勢力に抗してカムリング8をx軸正方向側に向かって押圧する第1油圧力を発生する。第2制御室R2は、制御弁2の第2圧力室24から第2制御通路36を介して作動油(制御圧)が供給されることで、コイルスプリングSPGの付勢力に加勢してカムリング8をx軸負方向側に向かって押圧する第2油圧力を発生する。
第1、第2制御室R1,R2に作動油が供給されていない状態では、カムリング8はコイルスプリングSPGによりx軸負方向側に付勢され、偏心量δは最大となる。
なお、第2制御室R2を設けず、第1制御室R1の油圧力のみにより偏心量δを制御しても良い。また、カムリング8を付勢する弾性部材として、コイルスプリング以外のものを利用しても良い。
制御弁2は、スプール20の変位により制御圧の供給を切り替える。すなわち、スプール20がx軸正方向側に変位することで、第1圧力室23から第1制御通路35を介して第1制御室R1に作動油(制御圧)が供給される。逆に、スプール20がx軸負方向側に変位することで、第2圧力室24から第2制御通路36を介して第2制御室R2に作動油(制御圧)が供給される。スプール20は、吐出ポート44から供給された圧力(第1,第2油圧力)が作用することで変位する。よって、制御対象であるポンプ部の作動に応じて自動的に制御弁2が作動することで、制御弁2の作動を制御するための制御手段を別途設ける必要が無く、構成を簡素化できる。
より具体的には、次のように説明することもできる。ロータ6の回転数がゼロよりも大きく所定値α以下のとき、第1制御通路35の開口部が第1大径部201により塞がれて第1圧力室23との連通が遮断されると共に、ロータ6の回転数が所定値αより大きいとき、第1制御通路35の開口部が第1大径部201により塞がれずに第1圧力室23と連通するように、スプール20の位置が制御される。よって、ベーンポンプ1が低回転のときはポンプ容量を増大させるように、制御することができる。
吐出ポート44から第2圧力室24に圧力(制御圧の元圧)を供給する通路32には、通過流量の増大に応じて大きな差圧を発生するオリフィス320が設けられているため、第2圧力室24には、吐出圧よりも低い油圧が供給されることとなる。一方、吐出ポート44から第1圧力室23に圧力(制御圧の元圧)を供給する通路31には、オリフィスが設けられていないため、第1圧力室23には、吐出圧とほぼ同じ油圧が供給されることとなる。
CVTコントロールユニット130は、ソレノイドSOLにより制御弁2の作動を制御し、スプール20を変位させることで第1、第2制御室R1,R2への作動油の供給を切り替え、第1、第2油圧力を適宜変化させる。よって、ベーンポンプ1の回転数に応じてポンプ容量を上記のように自動的に制御する場合と異なり、ベーンポンプ1の回転数(エンジン回転数)とは独立して、例えばCVT100の作動状態に応じてポンプ容量を任意に制御することができる。なお、制御弁2はソレノイドSOLにより制御可能な電磁弁でなくてもよく、ソレノイドSOLを省略することとしてもよい。ベーンポンプ1は、以上のようにポンプ容量を可変制御することで、ポンプ駆動に必要なトルク(駆動トルク)を低減し、ポンプ出力を必要最低限に抑える。これにより、固定容量ポンプに比べて損失トルク(動力損失)を低減することができる。
ロータ6の回転時、ベーン7には遠心力(ベーン7を外径方向へ移動させる力)が作用するため、回転数が十分に高い等、所定の条件が整えば、ベーン7の先端部はスリット61から突出し、カムリング8のカムリング内周面80に摺接する。ベーン先端部がカムリング内周面80に当接することで、ベーン7の外径方向の移動が規制される。
ベーン7がスリット61から突出するとベーン7の背圧室brの容積が拡大し、ベーン7がスリット61へ没入する(収納される)とベーン7の背圧室brの容積が縮小する。カムリング8が回転軸Oに対してx軸負方向に偏心した状態でロータ6が回転すると、カムリング内周面80に摺接する各ベーン7の背圧室brは、回転軸Oの周りで回転しながら周期的に拡縮する。
ここで、背圧室brが拡大する吸入領域では、背圧室brに作動油が供給されないと、ベーン7の突き出し(飛び出し)が阻害され、ベーン先端部がカムリング内周面80に当接せず、ポンプ室rの液密性が確保されないおそれがある。一方、背圧室brが縮小する吐出領域では、背圧室brから作動油が円滑に排出されないと、ベーン7のスリット61への収納(引込み)が阻害され、ベーン先端部とカムリング内周面80との摺動抵抗が増加する。
そこで実施例1のベーンポンプ1では、吸入領域にある背圧室brには吸入側背圧ポート45から作動油を供給する。これにより、ベーン7の突き出し性を向上する。また吐出領域にある背圧室brからは吐出側背圧ポート46へ作動油を排出する。これにより、ベーン7の摺動抵抗を低減する。
したがって、ベーン先端部70がカムリング内周面80に不必要に強く押し付けられることが抑制され、ベーン7がカムリング内周面80と摺接する際の摩擦による損失トルクが低く抑えられる。
このように、ベーンポンプ1では、ベーン7の背圧室brと連通する背圧ポートを吸入側と吐出側とで分離し、吸入工程と吐出工程の両方で、ベーン7のベーン先端部とベーン基端部に(吐出圧と吸入圧との差のように大きな)圧力差が発生することを抑制している。このため、遠心力によりベーン7を適度にカムリング8に押し付けつつ、摺動抵抗を低減することができる。よって、摩耗を低減できるとともに、ロータ6を回転させるために余分な駆動トルクが浪費されることがないため、動力損失を低減できる。言い換えると、ベーンポンプ1は、回転数に対する駆動トルクが低く、高効率な(すなわち動力損失を低減して燃費を向上できる)、いわゆる低トルク式ポンプであり、通常の可変容量ベーンポンプに比べ、同一体格でも吐出量が大きい(すなわち小型化できる)という特長を有している。
上記のように吸入領域で吸入側背圧ポート45から背圧室brに作動油を供給する構造であっても、内燃機関の始動時やアイドル状態等のポンプ低回転域では、ベーン7に作用する遠心力が小さい。よって、ポンプ低回転時には、吸入工程でベーン7の突き出しが不十分となり、ベーン先端部がカムリング内周面80から離間した状態になるおそれがある。この状態でベーン7(の背圧室br)が吐出側背圧ポート46に差し掛かると、ベーン7(ベーン基端部71)に急激に高い圧が作用するため、ベーン7が勢いよく押し出されて飛び出し、カムリング8に勢いよく衝突して、その際に騒音が発生するおそれがある。
そこで実施例1では、ロータ6のz軸正方向に隣接してベーンカム27を設けた。このベーンカム27の外径は、カムリング内周面80の直径からベーン7の長さの倍の値を引いた大きさに形成されている。つまり、ベーンカム27はカムリング8とともに偏心し、ベーンカム外周面27bは常に全てのベーン7の基端部と接するように形成されている。
図5は、ロータ6、ベーン7及びベーンカム27の模式図である。図5はロータ6のz軸正方向側端面付近の斜視図である。ベーンカム27はカムリング8とともに偏心し、図5に示すようにベーン7の基端部を押し上げる。これにより、始動時やアイドル状態等のポンプ低回転域のようにベーン7に作用する遠心力が小さく、遠心力のみではベーン7が突き出し不十分な状態であってもベーンカム27により必要十分な突き出しが可能となり、騒音発生を防止することができる。
駆動軸5は両端で軸支されていることが望ましい。そこで実施例1では、ベーンカム27に貫通孔27aを設け、駆動軸5は貫通孔27a内を貫通して、駆動軸5の両端はリアボディ40及びフロントボディ42に軸支されることとした。また、貫通孔27aの内径はベーンカム27が最も偏心したときに駆動軸5に接しないように形成した。
これにより駆動軸5の両端を軸支することが可能となるため、駆動軸5を安定して軸支することができる。
(ベーンカムのシール機能確保)
ロータ6のスリット61及び背圧室brには吸入領域では吸入背圧ポート45内の油圧が、吐出領域では吐出背圧ポート46内の油圧が供給されている。そのため、ベーンカム27とロータ6とが接する面においても、それぞれ吸入領域及び吐出領域にあるスリット61及び背圧室br同士をシールする必要がある。そこで実施例1では、貫通孔27aの内径はベーンカム27が最も偏心したときに背圧室brの基端部よりも内周側となるように形成した。
これにより、ベーンカム27が最も偏心したときであっても背圧室brの基端部をシール可能にしている。また、ロータ6の円形凹部62の深さに対してベーンカム27の厚さをベーンカム27の作動を妨げない範囲で最大限に設定してあり、さらに、ベーン7の長さをカムリング8とベーンカム27の間でベーン7が作動するのを妨げない範囲で最大限の寸法に設定してある為、それぞれ吸入領域及び吐出領域にあるスリット61および背圧室br同士をシールすることができる。
ベーンカム27の外周にはベーンカム27およびロータ6の円形凹部62、ベーン7、ポンプボディ4によりベーンカム室crがベーン7の数だけ形成される。ベーンカム室crの容積はロータ6の回転に伴って変化する。具体的には吸入領域では回転に伴って減少し、吐出領域では回転に伴って増加する。なお、吸入領域でのベーンカム室crの容積減少量の合計と吐出領域でのベーンカム室crの容積増加量の合計は等しくなる。
ベーンカム室crの容積変化に伴いベーンカム室crに作動油が出入りしないとベーンカム室crが閉じこみ状態となりロータ6がロックしてしまう為、実施例1ではロータ6の円形凹部62に面するフロントボディのZ軸負方向側面420にカムポート47を設け、ベーンカム室crへの作動油の出入りを可能にしてある。また、カムポート47は全周にわたって設け、そこにポンプ吸入側の油圧(吸入圧)を導入してある。ロータ6の回転に伴い吸入工程でベーンカム室crの容積減少に伴って排出された作動油は殆どがカムポート47を通して吐出工程の容積が増加するベーンカム室crに流入する。このとき、カムポート47には吸入圧が導入されているのでカムポート47の圧力は吸入圧に保たれる。これにより、作動油がベーンカム室crに閉じ込められることがなく、ロータ6の回転を妨げることがない。
図6は、ベーンカム室crへ油圧を導入する為のカムポート47の設定方法について示す模式図である。図6では、ベーン7は4つのみ記載している。実施例1ではポンプボディ4にカムポート47を全周にわたって設けるようにした。このカムポート47にはポンプ吸入側の油圧(吸入圧)を導入していた。しかし、カムポート47への油圧の導入には主に4つの案が考えられる。
まず案1は、カムポート47を吸入領域と吐出領域にそれぞれ分離して2つ形成し、吸入領域のカムポート47に吸入圧を、吐出領域のカムポート47にポンプ吐出側の油圧(吐出圧)を導入するものである(図6(a))。次に案2は、実施例1のようにカムポート47を全周にわたって形成し、カムポート47に吸入圧を導入するものである(図6(b))。次に案3は、カムポート47を全周にわたって形成し、カムポート47に吸入圧と吐出圧のどちらも直接導入せず、結果的にカムポート47の圧力が吐出圧と吸入圧との中間圧になるようにするものである(図6(c))。最後に案4は、カムポート47を全周にわたって形成し、カムポート47に吐出圧を導入するものである(図6(d))。
図7は、それぞれの案において、ベーンカム27の周囲の圧力、ベーンカム27の作用力、ベーンカム27の摩擦力による駆動トルクへの影響についてまとめた表である。図中の記号は、影響が小さい順に◎→○→□→△となっている。
・ベーンカム周囲の圧力
吸入領域のカムポート47には吸入圧が、吐出領域のカムポート47には吐出圧が作用しているため、ベーンカム27の周囲のうち吐出領域には吐出圧が、吸入領域には吸入圧が作用する。
・ベーンカム作用力:径方向
前述のように、ベーンカム27の周囲のうち吐出領域には吐出圧が、吸入領域には吸入圧が作用するため、ベーンカム27には全体として吐出領域側から吸入領域側(図6(a)の右から左)に向かって力が作用することとなる。この作用力は力の方向側に位置するベーン7によって受けることとなる。作用力を受けるベーン7の数はロータ6の回転位置にもよるが、ほとんどの力は1〜2枚のベーン7で受けることとなる。ベーンカム27の外周には約半周の領域で吸入圧と吐出圧とが作用しており、吸入圧と吐出圧との差圧分が1〜2枚のベーン7のみで受けることとなるため、ベーン7のカムリング内周面80との接触面の耐久性を高くする必要があり、また、ベーンカム27の強度を高くする必要がある。
・ベーンカム作用力:軸方向
ベーンカム27は、ロータ6のスリット61および背圧室brをシールしている。そのため、ベーンカム27の軸方向にも油圧が作用することとなる。しかし、吸入領域のカムポート47には吸入圧が、吐出領域のカムポート47には吐出圧が作用しているため、軸方向でバランスして、ベーンカム27には軸方向の力はほとんど作用しない。
・駆動トルクへの影響
ベーンカム27には軸方向の力はほとんど作用しないため、ベーンカム27自体の摩擦により駆動力の影響はほとんど無い。しかし、ベーンカム27に径方向に作用する力によりベーン7がカムリング8に押しつけられるため摩擦が増加し、駆動トルクを若干増大させる。
・ベーンカム周囲の圧力
全周にわたってカムポート47には吸入圧が作用しているため、ベーンカム27の周囲には全周にわたって吸入圧が作用する。
・ベーンカム作用力:径方向
前述のように、ベーンカム27の周囲には全周にわたって吸入圧が作用するため、ベーンカム27自体には作動油による力は作用しない。しかし、吐出領域ではベーン7の先端には吐出圧が作用し、ベーン7の基端部のベーンカム27の接触部には吸入圧が作用するため、ベーン7には内周側に力が作用し、この力をベーンカム27の外周が受けることとなる。ベーン7の先端部の面積は、ベーンカム27の外周のほぼ半周にあたる面積に比べて十分に小さいものであるため、ベーン7に作用する力は案1に比べて十分に小さい。
・ベーンカム作用力:軸方向
ベーンカム27は、ロータ6のスリット61および背圧室brをシールしている。そのため、ベーンカム27の軸方向にも油圧が作用することとなる。そのため、吐出領域ではベーンカム27がフロントボディ42側に押しつけられることとなる。
図7ではこの欄を(△)としている。ベーンカム27は、固定部材であるフロントボディ42に押しつけられるため、回転部材であるロータ7に押し付けられる場合に比べて影響は少ないため、案4との差を示すために(△)とした。
・駆動トルクへの影響
吐出領域ではベーンカム27がフロントボディ42側に押しつけられるが、回転部材であるロータ6とは離れる方向に力が作用しているため、ベーンカム27の偏芯量が変化するときにベーン7とカムリング内周面80の摩擦が増加することがある。また、前記のようにベーンカム27により吸入領域のベーン7がカムリング内周面80に押付けられるが、全体としては駆動トルクを若干増大させる程度である。
・ベーンカム周囲の圧力
全周にわたってカムポート47には中間圧が作用しているため、ベーンカム27の周囲には全周にわたって中間圧が作用する。
・ベーンカム作用力:径方向
前述のように、ベーンカム27の周囲には全周にわたって中間圧が作用するため、ベーンカム27自体には作動油による力は作用しない。しかし、吐出領域ではベーン7の先端には吐出圧が作用し、ベーン7の基端部には中間圧が作用するため、ベーン7には内周側に力が作用し、この力をベーンカム27の外周が受けることとなる。さらに、吸入領域ではベーン7の先端には吸入圧が作用し、ベーン7の基端部には中間圧が作用するため、ベーン7には外周側に力が作用する。この2つの作用力が吸入領域のベーン7に作用してカムリング内周面80に押し付けるため、摩擦力が発生する。なお、この吸入工程側のベーン7に作用する力は案2と同じになる。
・ベーンカム作用力:軸方向
ベーンカム27は、ロータ6のスリット61および背圧室brをシールしている。そのため、ベーンカム27の軸方向にも油圧が作用することとなる。そのため、吐出領域ではベーンカム27がフロントボディ42側に押しつけられることとなり、吸入領域ではベーンカム27がロータ6側に押しつけられることとなる。
・駆動トルクへの影響
ベーンカム27が回転部材であるロータ6および固定部材であるフロントボディ42に常時押しつけられ、相対的に摺動することとなるため、駆動トルクを増大させることとなる。
・ベーンカム周囲の圧力
全周にわたってカムポート47には吐出圧が作用しているため、ベーンカム27の周囲には全周にわたって吐出圧が作用する。
・ベーンカム作用力:径方向
前述のように、ベーンカム27の周囲には全周にわたって吐出圧が作用するため、ベーンカム27自体には作動油による力は作用しない。また吸入領域ではベーン7の先端に吸入圧が作用し、ベーン7の基端部には吐出圧が作用するため、ベーン7には外周側に力が作用し、ベーン7をカムリング内周面80に押付けるため、摩擦力が発生する。また、この押付け力は案2および案3の押付け力と同じとなる。しかし、ベーン7にはベーンカム27から離れる方向に力が作用するため、ベーンカム27自体には力は作用しない。
・ベーンカム作用力:軸方向
ベーンカム27は、ロータ6のスリット61および背圧室brをシールしている。そのため、ベーンカム27の軸方向にも油圧が作用することとなる。そのため、吸入領域ではベーンカム27がロータ6側に押しつけられることとなる。
・駆動トルクへの影響
ベーンカム27が回転部材であるロータ6に常時押しつけられることとなり、ベーンカム27はロータ6と半径方向に常時摺動しながら回転することになるため、駆動トルクを増大させることとなる。
上記案1〜案4を検討すると、案2がベーンカム27やベーン7に作用する力も比較的小さく、摩擦による駆動トルクへの影響も小さくなっている。そこで実施例1では、カムポート47に吸入圧を導入することとした。
カムリング内周面80とベーン先端部とが離間している(カムリング内周面80とベーン先端部との間にクリアランスがある)と、カムリング内周面80とベーン先端部とが衝突したとき騒音が発生するおそれがある。また、ベーンカム外周面とベーン基端部とが離間している(ベーンカム外周面とベーン基端部との間にクリアランスがある)と、ベーンカム室crと背圧室brの間で作動油のリークが増加する。したがって、ベーンとベーンカム及びカムリングとのクリアランスを小さく、望ましくはクリアランスがゼロとなるようにすることが望まれる。
ベーン7は、その軸方向をロータ6の径方向とほぼ一致するように設置されている。また、カムリング8及びベーンカム27は、ロータ6に対して偏心するようになっている。つまり、カムリング8及びベーンカム27がロータ6に対して偏心したときには、ベーン7の軸方向と、カムリング8及びベーンカム27の径方向とは一致しないこととなる。言い換えると、カムリング8及びベーンカム27がロータ6に対して偏心しているときには、カムリング8及びベーンカム27の径方向に対するベーン7の軸方向の角度がベーンポンプ1が1回転する中で連続的に変化することとなる。
このようにカムリング8及びベーンカム27の径方向に対してベーン7の軸方向の角度が変化するときであっても、ベーン7とカムリング8およびベーンカム27とのクリアランスを常にゼロとするための条件を以下に考察する。
図8は、ロータ6、カムリング8、ベーンカム27、ベーン7の位置関係を示す模式図である。図9は、ベーン7周辺の拡大模式図である。
ここで、ベーンカム外周面27bの直径をD1、カムリング内周面80の直径をD2、カムリング8およびベーンカム27の中心Ocとロータ6の中心Orとの距離(偏心量)をδとする。また、ベーン7の軸方向長さをB、ベーン基端部71の曲面の曲率半径をr1、ベーン先端部70の曲面の曲率半径をr2とする。このとき、ベーン先端部70はカムリング内周面80に当接し、ベーン基端部71はベーンカム外周面27bに当接している状態では、中心Ocとベーン基端部71の曲面の中心c1との距離R1と、中心Ocとベーン先端部70の曲面の中心c2との距離R2は次の式(1),(2)で示される。
R1=D1/2+r1 … (1)
R2=D2/2-r2 … (2)
L1={R12 - (δ×sinθ1)2}0.5 … (3)
L2={R22 - (δ×sinθ1)2}0.5 … (4)
中心c1と中心c2との距離をXとすると、距離Xは次の式(5)で示される。
X=L2 - L1 … (5)
上記式(1)〜(5)より、ベーン先端部70とカムリング内周面80、およびベーン基端部71とベーンカム外周面27bとのクリアランスCLは、次に式(6)で示される。
CL=(X+r1+r2) - B … (6)
式(6)よりクリアランスCLをゼロにするためには、次に式(7),(8)の条件を満たせば良い。
X=0 … (7)
r1+r2=B … (8)
つまり、半径r2と半径r1との和がベーン7の軸方向長さBと一致する、言い換えるとベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の曲率中心c1とが一致するとベーン7の軸方向の角度が変化するときであっても常にクリアランスCLをゼロとすることができる。なお、実際には公差等によりクリアランスCLを完全にゼロとすることは困難であるが、ベーン7のベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の中心c1とを一致させなくとも、ベーン7の両端を外側に凸の曲面にすることでクリアランスCLを小さくすることができる。
ベーン両端の曲面の曲率はベーンポンプ1の設計寸法や使用条件等によって最適値が異なる。ベーン先端部70の曲率について見ると。ベーン先端部70とカムリング内周面80との摺動部は作動油で適度に潤滑される事によって磨耗を抑制している。摺動部の潤滑状態はカムリング内径寸法、ベーン先端曲率寸法、ベーン厚さ等の寸法や回転数、吐出圧力、作動油粘度などの使用条件によって異なる。例えば、ベーン先端部70の曲率が大き過ぎると、ベーン先端部70とカムリング内周面80の間の作動油のクサビ効果によりベーン7がカムリング内周面80から浮き上がる場合があり、浮き上がり発生限界点付近ではベーン7のビビリ振動による異常磨耗が発生するおそれがある。逆に、曲率が小さ過ぎると、ベーン先端部70とカムリング内周面80との接触部の潤滑が不足したり、また、ベーンポンプ1が1回転する中でのベーン先端部70におけるカムリング内周面80との接触部の移動量が狭くなることにより、接触部の磨耗が増大するおそれがある。
前記のように、カムリング8、ベーン7及びベーンカム27の間のクリアランスを常にゼロにするためには、ベーン両端の曲面の曲率中心c1及びc2を一致させると良いが、その曲率中心の位置は前記のように、ベーンポンプの各部寸法や使用条件によって最適な位置を選択すれば良い。実施例1では従来の経験からベーン両端部の曲率中心をベーン7の長さの中心点より先端側に設けた。
なお、ベーン両端部の曲面の曲率が異なる場合は、組付け時の誤組付けを防止する配慮が必要になるが、曲率が同じ場合には、組付けの方向性が無くなるので組付け性が向上する。
以下、実施例1から把握される本発明のベーンポンプ1の効果を列挙する。
(1)駆動軸5により回転駆動されるロータ6と、ロータ6の外周に形成された複数のスリット61のそれぞれに突没可能に収容され、ロータ6の回転軸に垂直な面上において両端面を曲面状に形成し、曲面の曲率中心をベーン7の長さの中心点より先端側に設けたベーン7と、ロータ6を取り囲んで揺動自在に設置されたカムリング8と、カムリング8、ロータ6およびベーン7を内部に収容するポンプボディ4と、を備え、ポンプボディ4は、カムリング8およびロータ6の軸方向側面に対抗して配置されて、カムリング8、ロータ6およびベーン7とともに複数のポンプ室rを形成する面(プレッシャプレート41のz軸正方向側面410)を有し、プレッシャプレート41のz軸正方向側面410には、ロータ6の回転に応じて複数のポンプ室rの容積が拡大する吸入領域に開口する吸入ポート43と、吸入ポート43と共通の圧力が導入されると共に、吸入領域に位置する複数のベーン7を収容するスリット61の基端部に連通する吸入側背圧ポート45と、ロータ6の回転に応じて複数のポンプ室rの容積が縮小する吐出領域に開口する吐出ポート44と、吐出ポート44と共通の圧力が導入されると共に、吐出領域に位置する複数のベーン7を収容するスリット61の基端部に連通する吐出側背圧ポート46と、が設けられたベーンポンプ1において、ロータ6の吸入側背圧ポート45及び吐出側背圧ポート46が形成される面と軸方向反対側の端部に設けた円形凹部62(凹部)と、円形凹部62に配置し、外周面が全てのベーン7の基端部と接するように設けてベーン7の突没を強制的に行い、駆動軸5に対して偏芯量が可変となるように移動可能なベーンカム27と、ポンプボディ4のベーンカム27と当接する側の面に、ベーンカム27を収容するロータ6の円形凹部62へ連通するカムポート47とを設け、ベーンカム27は、吸入領域に位置する複数のベーン7を収容するスリット61の基端部と、吐出領域に位置する複数のベーン7を収容するスリット61の基端部とを区画するようにした。
よって、ベーン先端部70とカムリング内周面80およびベーン基端部71とベーンカム外周面27bのクリアランスCLを小さくすることが可能となる。したがって、ベーン先端部70とカムリング内周面80とが衝突したときの騒音を抑制するとともに、ベーン基端部71とベーンカム外周面27bとの間からの作動油のリークを抑制することができる。
(2)ベーン7を、ベーン7の両端面の曲面の曲率中心が一致するように形成した。
よって、ベーン先端部70とカムリング内周面80およびベーン基端部71とベーンカム外周面27bとのクリアランスCLを最小とすることができる。
(3)ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2およびベーン基端部71の曲面の曲率中心c1を、ベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン先端部70側に偏って設けるようにした。
よって、ベーン先端部70の曲率を小さくすることが可能となり、ベーン先端部70の耐摩耗性を向上させることができる
実施例2のベーンポンプ1について説明する。
実施例1のベーンポンプ1では、ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2及びベーン基端部71の曲面の曲率中心c1は、ベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン先端部70側に偏って設けられていた。実施例2のベーンポンプ1では、ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の曲率中心c1をベーン7の軸方向長さ中心に設けるようにした。
以下の説明では、ベーン7の形状以外は実施例1のベーンポンプ1と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、実際には、半径r2と半径r1とはほぼ等しい程度でよく、また、中心c2と中心c1がベーン7の軸線上になくとも良い。すなわち、中心c2と中心c1がベーン7の中心付近にあれば良い。
〔効果〕
実施例2から把握される本発明のベーンポンプ1の効果を列挙する。
(4)ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2およびベーン基端部71の曲面の曲率中心c1を、ベーン7の軸方向長さの中心に設置することとした。
よって、ベーン組付けの方向性が無くなり、組付け時の誤組付けに対する配慮が不要になるため、組付け性を向上することができる。
実施例3のベーンポンプ1について説明する。
実施例1のベーンポンプ1では、ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2及びベーン基端部71の曲面の曲率中心c1は、ベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン先端部70側に偏って設けられていた。実施例3のベーンポンプ1では、ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の曲率中心c1をベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン基端部71側に偏って設けるようにした。
以下の説明では、ベーン7の形状以外は実施例1のベーンポンプ1と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、ベーン7をロータ6の回転軸方向から見た図である。ベーン先端部70とベーン基端部71とは、ロータ6の回転軸方向から見て(回転軸に垂直な平面において)外側に凸の曲面状に形成されている。ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の曲率中心c1は、ベーン7の軸線上にあって、ベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン基端部71側に偏って設けられている。なお、中心c2と中心c1がベーン7の軸線上になくとも良い。
(接触点移動量の抑制)
ベーン基端部71の曲面の曲率が大き過ぎるとベーン基端部71におけるベーンカム外周面との接触部の移動量が大きくなり、ベーン基端部71のエッジ部で接触する場合があり、接触部の磨耗が増大するおそれがある。そこで、実施例3ではベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の曲率中心c1を、ベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン基端部71側に偏って設けるようにした。これにより、ベーン基端部71の曲率を小さくすることができる。
〔効果〕
実施例3から把握される本発明のベーンポンプ1の効果を列挙する。
(5)ベーン先端部70の曲面の曲率中心c2とベーン基端部71の曲面の曲率中心c1をベーン7の軸方向長さ中心よりもベーン基端部71側に設置した。
よって、ベーン基端部71の曲率を小さくすることが可能となり、ベーン基端部71におけるベーンカム外周面との接触点の移動量を小さくする事ができ、ベーン基端部エッジ部での接触が防止できるので、耐久性を向上することができる。
以上、本発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1乃至実施例3に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、ロータ6のフロントボディ42側にベーンカム27を設置した。これを、ロータ6のプレッシャプレート41側にベーンカム27を設置するようにしても良い。この場合、背圧ポート45、46はフロントボディ42側に、カムポート47はプレッシャプレート41側に設ける必要がある。
また、実施例1では、ベーンカム27は貫通孔27aを有するようにした。これを、ベーンカム27を円盤状に形成して、貫通孔27aを有しないようにしても良い。この場合、ロータ6のプレッシャプレート41側にベーンカム27を設置する必要がある。また、貫通孔27aを有しないため、駆動軸5はフロントボディ42のみに軸支されて片持ちとなる。
6 ロータ
7 ベーン
8 カムリング
27 ベーンカム
40 リアボディ
40b 収容凹部(開口部)
41 プレッシャプレート
42 フロントボディ
45 吸入側背圧ポート
46 吐出側背圧ポート
47 カムポート
61 スリット
62 円形凹部(凹部)
br 背圧室
r ポンプ室
cr ベーンカム室
Claims (5)
- 駆動軸により回転駆動されるロータと、
前記ロータの外周に形成された複数のスリットのそれぞれに突没可能に収容され、前記ロータの回転軸に垂直な面上において両端面を曲面状に形成したベーンと、
前記ロータを取り囲んで揺動自在に設置されたカムリングと、
前記カムリング、前記ロータ及び前記ベーンを内部に収容するポンプボディと、
を備え、
前記ポンプボディは前記カムリング及び前記ロータの軸方向側面に対抗して配置されて前記カムリング、前記ロータ、及び前記ベーンと共に複数のポンプ室を形成する面を有し、
前記ポンプボディの前記面には
前記ロータの回転に応じて前記複数のポンプ室の容積が拡大する吸入領域に開口する吸入ポートと、
前記吸入ポートと共通の圧力が導入されると共に、前記吸入領域に位置する前記複数のベーンを収容する前記スリットの基端部に連通する吸入側背圧ポートと、
前記ロータの回転に応じて前記複数のポンプ室の容積が縮小する吐出領域に開口する吐出ポートと、
前記吐出ポートと共通の圧力が導入されると共に、前記吐出領域に位置する前記複数のベーンを収容する前記スリットの基端部に連通する吐出側背圧ポートと、
が設けられたベーンポンプにおいて、
前記ロータの前記吸入側背圧ポート及び吐出側背圧ポートが形成される面と軸方向反対側の端部に設けた凹部と、
該凹部に配置し、円環状に形成され、外周面が全ての前記ベーンの基端部と接するように設けて前記ベーンの突没を強制的に行い、前記駆動軸に対して偏芯量が可変となるように移動可能なベーンカムと、
前記ポンプボディの前記ベーンカムと当接する側の面に、前記ベーンカムを収容する前記ロータの前記凹部へ連通するカムポートとを設け、
前記ベーンカムは、前記カムリングの揺動位置にかかわらず、前記ベーンカムの内周面が前記スリットの基端部よりも内周側となるようにしことを特徴とするベーンポンプ。
- 請求項1に記載したベーンポンプにおいて、
前記ベーンは、前記ベーン両端面の曲面の曲率中心を一致させたことを特徴とするベーンポンプ。 - 請求項1または請求項2記載したベーンポンプにおいて、
前記ベーンは、前記ベーン両端面の曲面の曲率中心をベーンの軸方向長さ中心よりもベーン先端側に設置したことを特徴とするベーンポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載したベーンポンプにおいて、
前記ベーンは、ベーン両端面の曲面の中心をベーンの軸方向長さ中心に設置したことを特徴とするベーンポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載したベーンポンプにおいて、
前記ベーンは、前記両端面の曲面の曲率中心をベーンの軸方向長さ中心よりもベーン基端側に設置したことを特徴とするベーンポンプ。
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