JP2015059523A - 可変容量形ベーンポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、ポンプ始動時におけるカムリングのバタつきを抑え、吐出圧の脈動を抑制できる可変容量形ベーンポンプを提供することにある。
図1は、実施例1の可変容量形ベーンポンプ(以下、ベーンポンプ)1が適用されるベルト式無段変速機(CVT)100の一例を示すブロック図であり、実施例1の可変容量形ベーンポンプ(以下、ベーンポンプ)1の概要を説明する。ベーンポンプ1は、CVT100の油圧供給源として使用される。
ベーンポンプ1は内燃機関(エンジン)のクランクシャフト(不図示)により駆動され、作動流体を吸入・吐出する。作動流体として作動油、具体的にはATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)を用いる。作動油(ATF)は、弾性係数が大きく、僅かな容積変化に対して圧力が大きく変化する性質を有する。
コントロールバルブ200内には、CVTコントロールユニット300により制御される各種のバルブ201〜213が設けられている。ベーンポンプ1から吐出された作動油は、コントロールバルブ200を介してCVT100の各部(プライマリプーリ101、セカンダリプーリ102、フォワードクラッチ103、リバースブレーキ104、トルクコンバータ105、潤滑・冷却系等106等)に供給される。
ベーンポンプ1は、1回転あたりに吐出する流体量(以下、ポンプ容量)を調節できる可変容量形であり、作動油を吸入・吐出するポンプ部2と、ポンプ容量を制御する制御部3とを一体のユニットとして備える。
ポンプ部2は主な構成要素として、クランクシャフトにより駆動される駆動軸5と、駆動軸5により回転駆動されるロータ6と、ロータ6の外周に形成された複数のスリット61のそれぞれに突没可能に収容されたベーン7と、ロータ6を囲んで配置されるカムリング8と、カムリング8を囲んで配置されるアダプタリング9と、カムリング8およびロータ6の軸方向側面に配置され、カムリング8、ロータ6およびベーン7と共に複数のポンプ室rを形成するプレート41と、収容孔400を有し、収容孔400の底部402にプレート41を収容すると共に、収容孔400内にカムリング8、ロータ6およびベーン7を収容するリアボディ(ポンプハウジング)40と、リアボディ40の収容孔400を閉塞すると共に、カムリング8、ロータ6およびベーン7と共に複数のポンプ室rを形成するフロントボディ(ポンプハウジング)42を有する。
図2は、ベーンポンプ1の内部を回転軸方向から見た一部断面図である。説明の便宜上、三次元直交座標系を設け、ベーンポンプ1の径方向にx軸およびy軸、ベーンポンプ1の回転軸方向にz軸を設定する。ベーンポンプ1の回転軸O上にz軸を設け、回転軸Oに対してカムリング8の中心軸Pが揺動する方向にx軸を設け、x軸およびz軸に直交する方向にy軸を設ける。図2の紙面上方をz軸正方向とし、Oに対してPが離れる側(第1閉じ込み領域に対する第2閉じ込み領域の側。図3参照。)をx軸正方向とし、吸入領域に対して吐出領域の側をy軸正方向とする。
リアボディ40には、z軸方向に延びる略円筒状の収容孔400が形成されている。この収容孔400には、円環状のアダプタリング9が設置されている。
アダプタリング9の内周面は、z軸方向に延びる略円筒状の収容孔90を構成する。収容孔90のx軸正方向側には、yz平面と略平行な第1平面部91が形成されている。収容孔90のx軸負方向側には、yz平面と略平行な第2平面部92が形成されている。第2平面部92のz軸方向略中央には、段差部920がx軸負方向側に形成されている。
収容孔90のy軸正方向側であって回転軸Oに対して若干x軸正方向寄りには、カム支持面93が形成されている。カム支持面93には、z軸方向から見て半円状の溝(凹部930)が形成されている。凹部930を挟んだ両側には、アダプタリング9を径方向に貫通する連通路931,932が形成されている。凹部930のx軸正方向側におけるカム支持面93には第1連通路931が開口し、カム支持面93のx軸負方向側に隣接して第2連通路932が開口している。収容孔90のy軸負方向側には、xz平面と略平行な第4平面部94が形成されている。第4平面部94には、z軸方向から見て矩形状の溝(凹部940)が形成されている。
アダプタリング9の収容孔90内には、円環状のカムリング8が揺動自在に設置されている。言い換えると、アダプタリング9は、カムリング8を取り囲むように配置されている。z軸方向から見て、カムリング8のカムリング内周面80およびカムリング外周面81は略円形であり、カムリング8の径方向幅は略一定である。カムリング8のy軸正方向側のカムリング外周面81には、z軸方向から見て半円状の溝(凹部810)が形成されている。
カムリング8のx軸負方向側のカムリング外周面81には、x軸方向に軸を有する略円筒状の凹部811が所定深さまで穿設されている。アダプタリング内周の凹部930とカムリング外周の凹部810との間には、z軸方向に延びるシールピン10が、これらの凹部930,810に挟み込まれるように、各凹部930,810に当接して設置される。
前述のアダプタリング内周の凹部940には、シール部材11が設置される。シール部材11は、カムリング外周面81のy軸負方向側に当接する。
アダプタリング内周の段差部920には、弾性部材としてのスプリング12の一端が設置される。スプリング12はコイルスプリングである。カムリング外周の凹部811には、スプリング12の他端が嵌挿される。スプリング12は圧縮状態で設置され、アダプタリング9に対してカムリング8をx軸正方向側に常時付勢する。
アダプタリング9の収容孔90のx軸方向寸法、すなわち第1平面部91と第2平面部92との間の距離は、カムリング外周面81の直径よりも大きく設けられている。カムリング8は、アダプタリング9に対してカム支持面93で支持され、カム支持面93を支点にxy平面内で揺動自在に設置されている。シールピン10はアダプタリング9に対するカムリング8の位置ズレ(相対回転)を抑制する。
カムリング8の揺動は、x軸正方向側では、カムリング外周面81がアダプタリング9の第1平面部91に当接することで規制され、x軸負方向側では、カムリング外周面81がアダプタリング9の第2平面部92に当接することで規制される。カムリング8の中心軸Pの回転軸Oに対する偏心量をδとする。カムリング外周面81が第2平面部92に当接する位置(最小偏心位置)では、偏心量δが最小値となる。カムリング外周面81が第1平面部91に当接する図2の位置(最大偏心位置)では、偏心量δが最大となる。カムリング8が揺動する際、カムリング8は、カム支持面93上を転がるように移動する。
アダプタリング内周面95とカムリング外周面81との間の空間は、そのz軸負方向側がプレート41に、z軸正方向側がフロントボディ42により封止される一方、シールピン10とシール部材11とにより、2つの制御室R1,R2に液密に隔成されている。
x軸正方向側には第1制御室(第1流体圧室)R1が形成され、x軸負方向側には第2制御室(第2流体圧室)R2が形成されている。第1制御室R1には第1連通路931が開口し、第2制御室R2には第2連通路932が開口している。なお、上記規制位置で、カムリング外周とアダプタリング内周との間には所定の隙間が確保されており、第1,第2制御室R1,R2の容積は所定以上でありゼロとならない。
ボディ4(リアボディ40、プレート41、フロントボディ42)には駆動軸5が回転自在に軸支されている。駆動軸5は、チェーンを介して内燃機関のクランクシャフトに結合されており、クランクシャフトに同期して回転する。駆動軸5の外周には、ロータ6が同軸に固定(スプライン結合)されている。ロータ6は略円柱状であり、カムリング8の内周側に設置されている。言い換えると、カムリング8は、ロータ6を取り囲むように配置されている。ロータ6のロータ外周面60とカムリング8のカムリング内周面80とプレート41、フロントボディ42との間に、環状室Rが形成されている。ロータ6は、駆動軸5と共に、回転軸Oの周りに、図2の時計回り方向に回転する。
ロータ6には、複数の溝(スリット61)が放射状に形成されている。各スリット61は、z軸方向から見て、ロータ外周面60から回転軸Oに向かって所定深さまで、ロータ径方向に延びて直線状に設けられており、ロータ6のz軸方向全範囲にわたって形成されている。スリット61は、ロータ6を周方向に等分割する位置に11箇所、形成されている。
ベーン7は、略矩形状の板部材(羽根)であり、複数(11枚)設けられ、各スリット61に1枚ずつ出没可能に収容されている。ベーン7のロータ外径側(回転軸Oから離れる側)の先端部(ベーン先端部70)は、カムリング内周面80に対応して緩やかな曲面状に形成されている。なお、スリット61とベーン7の数は11に限らない。
各スリット61のロータ内径側(回転軸Oに向かう側)の端部(スリット基端部610)は、略円筒状に形成され、z軸方向から見て、ロータ周方向におけるスリット本体部611の幅よりも大径の略円形である。なお、スリット基端部610を特に円筒状に形成しなくてもよく、例えばスリット本体部611と同様の溝形状としてもよい。スリット基端部610と、このスリット61に収容されたベーン7のロータ内径側の端部(ベーン基端部71)との間には、このベーン7の背圧室br(受圧部)が形成されている。
突出部62を設けることで、スリット61のロータ径方向長さが所定以上確保され、例えば第2閉じ込み領域でベーン7がスリット61から最大限突出したとしてもスリット61におけるベーン7の保持性が確保されている。
環状室Rは、複数のベーン7によって、複数(11個)のポンプ室(容積室)rに区画されている。以下、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向。以下、単に回転方向という。)において隣り合うベーン7同士の間(2つのベーン7の側面間)の距離を、1ピッチという。1つのポンプ室rの回転方向幅は、1ピッチであり不変である。
カムリング8の中心軸Pが回転軸Oに対して(x軸正方向側に)偏心した状態では、x軸負方向側からx軸正方向側に向かうにつれて、ロータ外周面60とカムリング内周面80との間のロータ径方向距離(ポンプ室rの径方向寸法)が大きくなる。この距離の変化に応じ、ベーン7がスリット61から出没することで、各ポンプ室rが隔成されると共に、x軸正方向側のポンプ室rのほうが、x軸負方向側のポンプ室rよりも、容積が大きくなる。このポンプ室rの容積の差異により、x軸を境としてy軸負方向側では、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向)であるx軸正方向側に向かうにつれて、ポンプ室rの容積が拡大する一方、x軸を境としてy軸正方向側では、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向)であるx軸負方向側に向かうにつれて、ポンプ室rの容積が縮小する。
図3は、プレート41をz軸正方向側から見た平面図である。プレート41には、吸入ポート(吸入口)43と、吐出ポート(吐出ポート)44と、吸入側背圧ポート45と、吐出側背圧ポート46と、ピン設置孔47と、貫通孔48とが形成されている。ピン設置孔47にはシールピン10が挿入され固定設置される。貫通孔48には駆動軸5が挿入され回転自在に設置される。
吸入ポート43は、外部から吸入側のポンプ室rに作動油を導入する際の入り口となる部分であり、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大するy軸負方向側の区間に設けられている。吸入ポート43は、吸入側円弧溝430と吸入孔431,432とを有する。吸入側円弧溝430は、プレート41のz軸正方向側の面410に形成され、ポンプ吸入側の油圧が導入される溝であって、吸入側のポンプ室rの配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。
吸入側円弧溝430に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吸入側円弧溝430のx軸負方向側の始端A(ロータ6の回転に伴い吐出領域を離れたベーン7が吸入ポート43と最初に重なる点)とx軸正方向側の終端B(吸入領域にあるベーン7が最後に吸入ポート43と重なる点)とがなす略4.5ピッチ分に相当する角度αの範囲に、ベーンポンプ1の吸入領域が設けられている。吸入側円弧溝430の始端Aおよび終端Bは、x軸に対して略0.5ピッチに相当する角度βだけy軸負方向側に離れた位置に設けられている。
吸入側円弧溝430の終端部436は、回転方向に凸の略半円弧状に形成されている。吸入側円弧溝430の始端部435には、回転負方向に凸の略半円弧状に形成された本体始端部433と、本体始端部433に連続するノッチ434とが形成されている。ノッチ434は、本体始端部433からポンプ回転方向と回転負方向に延びるように、略0.5ピッチの長さだけ形成され、その先端は始端Aと一致している。吸入側円弧溝430のロータ径方向幅は、回転方向全範囲で略等しく設けられている(図2参照)。
吸入側円弧溝430のロータ内径側の縁437は、ロータ外周面60(突出部62を除く)よりも若干ロータ外径側に位置する。吸入側円弧溝430のロータ外径側の縁438は、最小偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80よりも若干ロータ外径側に位置し、その終端側で、最大偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80よりも僅かにロータ外径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、吸入側の各ポンプ室rは、z軸方向から見て吸入側円弧溝430と重なり、吸入側円弧溝430と連通している。
吸入側円弧溝430は、本体始端部433、吸入孔431,432との間、および終端部436において、プレート41の(z軸方向)厚さの20%弱の(z軸方向)深さを有する。
本体始端部433から吸入孔432までの間は、傾斜が設けられており、回転方向に徐々に深くなり、吸入孔432に達する部位ではプレート41の厚さと同じ深さとなるように形成されている。吸入孔431から終端部436までの間は、傾斜が設けられており、回転方向に徐々に浅くなり、終端部436に達する部位では本体始端部433と同じ深さとなるように形成されている。
ノッチ434は、z軸方向から見て、回転方向に向かうにつれて徐々にロータ径方向幅が大きくなる略鋭三角形状に設けられている。ノッチ434のロータ径方向幅の最大値は、吸入側円弧溝430の幅よりも小さく設けられている。ノッチ434の(z軸方向)深さは、回転方向に向かうにつれてゼロからプレート41の厚さの数%まで徐々に増加する。すなわち、ノッチ434の流路断面積は、吸入側円弧溝430の本体部よりも小さく、ノッチ434は、回転方向に流路断面積が徐々に大きくなる。
吐出ポート44は、吐出側のポンプ室rから外部へ作動油を吐出する際の出口となる部分であり、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が縮小するy軸正方向側の区間に設けられている。吐出ポート44は、吐出側円弧溝440と吐出孔441,442とを有する。吐出側円弧溝440は、第1プレート41の面410に形成され、ポンプ吐出側の油圧が導入される溝であって、吐出側のポンプ室rの配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。
吐出側円弧溝440に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吐出側円弧溝440のx軸正方向側の始端C(吸入領域を離れたベーン7が吐出ポート44と最初に重なる点)とx軸負方向側の終端D(吐出領域にあるベーン7が最後に吐出ポート44と重なる点)とがなす角度αの範囲に、ベーンポンプ1の吐出領域が設けられている。吐出側円弧溝440の始端Cおよび終端Dは、x軸に対して略0.5ピッチ分に相当する角度βだけy軸正方向側に離れた位置に設けられている。
吐出側円弧溝440のロータ径方向幅は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吸入側円弧溝430のロータ径方向幅よりも若干小さい。吐出側円弧溝440のロータ内径側の縁446は、(突出部62を除く)ロータ外周面60よりも若干ロータ外径側に位置する。吐出側円弧溝440のロータ外径側の縁447は、最小偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80と略重なる。吐出側の各ポンプ室rは、カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て吐出側円弧溝440と重なり、吐出側円弧溝440と連通している。
吐出側円弧溝440の回転方向側の終端部444には、吐出孔442が開口している。吐出孔442は、z軸方向から見て略長円状であり、ロータ径方向における幅が吐出側円弧溝440と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチよりも若干長い。吐出孔442は、プレート41をz軸方向に貫通して形成されている。吐出孔442の回転方向側縁は、回転方向に凸の略半円弧状に形成され、終端部444の回転方向側縁と一致している。
吐出側円弧溝440の吐出孔441,442との間に設けられた本体部448の(z軸方向)深さは、プレート41の(z軸方向)厚さの略25%である。始端部443は本体部448よりも溝深さが浅く、始端Cから縁445に至るまで傾斜が設けられている。始端Cでの溝深さは0で、縁445に向かうにつれて徐々に深くなり、縁445に達する部位では第1プレート41の厚さの10%弱の深さとなる。
始端部443は、その流路断面積が本体部448よりも小さく、かつ回転方向に向かうにつれて徐々に(z軸方向)深さが大きくなる形状に設けられており、回転方向に流路断面積が徐々に大きくなる。吸入側円弧溝430の終端Bと吐出側円弧溝440の始端Cとの間の面410には溝が設けられておらず、この区間に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して終端Bと始端Cとがなす角度2βの範囲に、ベーンポンプ1の第2閉じ込み領域が設けられている。第2閉じ込み領域の角度範囲は、略1ピッチ分に相当する。
同様に、吐出側円弧溝440の終端Dと吸入側円弧溝430の始端Aとの間の面410には溝が設けられておらず、この区間に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して終端Dと始端Aとがなす角度2βの範囲に、第1閉じ込み領域が設けられている。第1閉じ込み領域の角度範囲は、略1ピッチ分に相当する。
第1閉じ込み領域および第2閉じ込み領域は、この領域内にあるポンプ室rの作動油を閉じ込め、吐出側円弧溝440と吸入側円弧溝430とが連通することを抑制する部分であり、x軸に跨る区間に設けられている(図3参照)。
[背圧ポート]
プレート41には、ベーン7の根元(背圧室br、スリット基端部610)に連通する背圧ポート45,46が、吸入側と吐出側でそれぞれ分離して設けられている(図3参照)。
吸入側背圧ポート45は、吸入領域の大部分に位置する複数のベーン7の背圧室brと吸入ポート43とを連通するポートである。ベーン7が「吸入領域に位置する」とは、z軸方向から見て、ベーン7のベーン先端部70が吸入ポート43(吸入側円弧溝430)と重なっていることをいう。吸入側背圧ポート45は、吸入側背圧円弧溝450と吸入孔451とを有する。
吸入側背圧円弧溝450は、プレート41の面410に形成され、ポンプ吸入側の油圧が導入される溝であって、ベーン7の背圧室br(ロータ6のスリット基端部610)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吸入側背圧円弧溝450は、略3ピッチ分に相当する角度の範囲(吸入側円弧溝430よりも狭い範囲)で形成されている。
吸入側背圧円弧溝450の始端Aは、吸入側円弧溝430(ノッチ434)の始端Aよりも若干回転方向側であって本体始端部433の回転方向側に隣接する位置にある。吸入側背圧円弧溝450の終端Bは、吸入側円弧溝430の終端Bよりも回転負方向側に略1.5ピッチ分に相当する角度だけ離れた位置にある。吸入側背圧円弧溝450のロータ径方向寸法(溝幅)は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吸入側円弧溝430と略等しく、スリット基端部610のロータ径方向寸法と略等しい。
吸入側背圧円弧溝450のロータ内径側の縁454は、スリット基端部610のロータ内径側縁よりも若干ロータ内径側に位置する。吸入側背圧円弧溝450のロータ外径側の縁455は、スリット基端部610のロータ外径側縁よりも僅かにロータ内径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て、吸入側背圧円弧溝450は、スリット基端部610(背圧室br)と大部分重なるロータ径方向位置に設けられており、スリット基端部610(背圧室br)と重なるとき、これと連通する。
吸入側背圧円弧溝450の回転負方向寄り(始端A側)には、ロータ径方向で吸入側円弧溝430の吸入孔432と重なる位置に、吸入孔451が開口している。吸入孔451は、z軸方向から見て略長円状であり、ロータ径方向における幅が吸入側背圧円弧溝450と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチである。吸入孔451は、プレート41をz軸方向に貫通して形成され、後述するリアボディ40の低圧室491を介して吸入側円弧溝430の吸入孔432と連通している。
吸入側背圧円弧溝450において、始端Aから吸入孔451までの間には、始端部452が設けられている。z軸方向から見て、始端部452の先端は、回転負方向に凸の略半円弧状に形成されている。吸入側背圧円弧溝450の終端部453は、回転方向に凸の略半円弧状に形成されている。始端部452の(z軸方向)深さは、プレート41の厚さの40%弱であり、終端部453の深さは、プレート41の厚さの20%弱である。終端部453から吸入孔451までの区間には傾斜が設けられており、回転負方向に吸入孔451に向かうにつれて徐々に深くなり、吸入孔451に達する部位ではプレート41の厚さと同じ深さとなるように形成されている。
吐出側背圧ポート46は、吐出領域、第1閉じ込み領域、第2閉じ込み領域の大半、および吸入領域の一部に位置する複数のベーン7の背圧室brと、吐出ポート44とを連通するポートである。ベーン7が「吐出領域等に位置する」とは、z軸方向から見て、ベーン7のベーン先端部70が吐出ポート44(吐出側円弧溝440)等と重なっていることをいう。吐出側背圧ポート46は、吐出側背圧円弧溝460と連通孔461とを有する。
吐出側背圧円弧溝460は、プレート41の面410に形成され、ポンプ吐出側の油圧が導入される溝であって、ベーン7の背圧室br(スリット基端部610)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吐出側背圧円弧溝460は、略7ピッチ分に相当する角度の範囲(吐出側円弧溝440よりも広い範囲)で形成されている。
吐出側背圧円弧溝460は吸入領域まで臨むように形成され、吐出側背圧円弧溝460の始端Cは、吐出側円弧溝440の始端Cよりも回転負方向側に、第2閉じ込み領域を越え、さらに吸入側円弧溝430の終端Bよりも回転負方向側に位置している。始端Cは、終端Bから略1ピッチの(2βに相当する)距離をおいた位置にある。
吐出側背圧円弧溝460の終端Dは、吐出側円弧溝440の終端Dよりも回転方向側に1ピッチ弱に相当する角度だけ離れており、第1閉じ込み領域の終端部近くに位置している。
吐出側背圧円弧溝460のロータ径方向寸法(溝幅)は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吐出側円弧溝440よりも僅かに小さく、スリット基端部610のロータ径方向寸法よりも若干小さい。
吐出側背圧円弧溝460の回転負方向寄り(始端C側)には、第2閉じ込み領域の始端側において、吸入側円弧溝430の終端Bとx軸(第2閉じ込み領域の中間点)とに挟まれた角度位置に、連通孔461が開口している。連通孔461の直径は、吐出側背圧円弧溝460のロータ径方向幅と略等しい。連通孔461は、プレート41内をz軸負方向側に向かうにつれてロータ外径側に位置するように、z軸方向に対して斜めにプレート41を貫通して形成されている。連通孔461は、第1プレート41のz軸負方向側の面に開口し、後述するリアボディ40の高圧室492を介して吐出ポート44(吐出側円弧溝440)の吐出孔441と連通している。吐出側背圧円弧溝460は、始端部462と背圧ポート本体部468を有する。
図4は、リアボディ40をz軸正方向側から見た図である。リアボディ40の底部402には、収容孔490、低圧室491、高圧室492、吐出室493が形成されている。
収容孔490には、駆動軸5が挿入され回転自在に設置される。低圧室491は、底部402に凹状に形成されている。この低圧室491の開口部は、プレート41に形成された吸入ポート43の吸入孔431,432および吸入側背圧ポート45の吸入孔451のz軸負方向側開口部を覆うように設けられている。すなわち、吸入ポート43および吸入側背圧ポート45は低圧室491を介して連通しており、吸入ポート43および吸入側背圧ポート45には吸入圧が作用することとなる。
高圧室492は、底部402に凹状に形成されている。この高圧室492の開口部は、プレート41に形成された吐出ポート44の吐出孔441および吐出側背圧ポート46の吐出孔461のz軸負方向側開口部を覆うように設けられている。すなわち、吐出ポート44および吐出側背圧ポート46は高圧室492を介して連通しており、吐出ポート44および吐出側背圧ポート46には吐出圧が作用することとなる。
なお、本実施例では、吸入側背圧ポート45には吸入圧が作用し、吐出側背圧ポート46には吐出圧が作用する構成となっているが、吸入側背圧ポート45、吐出側背圧ポート46共に吐出圧が作用する構成であってもよい。
吐出室493は、底部402に凹状に形成されている。この吐出室493の開口部は、プレート41に形成された吐出ポート44の吐出孔442のz軸負方向側開口部を覆うように設けられている。この吐出室493は吐出通路65(図2参照)と連通しており、この吐出通路65から高圧の作動油が吐出される。
また高圧室492と吐出室493の外周を覆うようにシール溝494が形成されている。このシール溝494にはシール部材495が設けられている。プレート41のz軸負方向側の面がリアボディ40の底部402と対向して設置された状態では、シール部材495がz軸方向に圧縮されてプレート41のz軸負方向側の面に密着し、これにより高圧室492と吐出室493とが液密に保たれる。シール部材495によって、シール部材495外部の低圧領域496とシール部材495内部の高圧領域497とが画成されている。
図5は、フロントボディ42をz軸負方向側から見た図である。
フロントボディ42は、z軸負方向に突出したプレート面50を有する。プレート面50には、吸入ポート51、吐出ポート52と、吸入側背圧ポート53と、吐出側背圧ポート54と、ピン設置孔55と、貫通孔56とが形成されている。ピン設置孔55にはシールピン10が挿入され固定設置される。貫通孔56には駆動軸5が挿入され回転自在に設置される。吸入ポート51、吐出ポート52と、吸入側背圧ポート53および吐出側背圧ポート54は、プレート41に形成された吸入ポート43と、吐出ポート44と、吸入側背圧ポート45と、吐出側背圧ポート46と対応する位置に形成されている。
[吸入ポートの構成](図5参照)
吸入ポート51は、吸入側のポンプ室rと連通しており、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大するy軸負方向側の区間に設けられている。吸入ポート51は、吸入側円弧溝510と吸入孔511,512とを有する。吸入側円弧溝510は、吸入側のポンプ室rの配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。
吸入側円弧溝510の終端部516は、回転方向に凸の略半円弧状に形成されている。吸入側円弧溝510の始端部515には、回転負方向に凸の略半円弧状に形成されている。吸入側円弧溝510のロータ径方向幅は、回転方向全範囲で略等しく設けられている。
吸入側円弧溝510のロータ内径側の縁517は、ロータ外周面60(突出部62を除く)よりも若干ロータ外径側に位置する。吸入側円弧溝510のロータ外径側の縁518は、最小偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80よりも若干ロータ外径側に位置し、その終端側で、最大偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80よりも僅かにロータ外径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、吸入側の各ポンプ室rは、z軸方向から見て吸入側円弧溝510と重なり、吸入側円弧溝510と連通している。
吸入側円弧溝510の回転方向終端部から中央部付近にかけて吸入孔511が開口している。吸入孔511は、ロータ径方向幅が吸入側円弧溝510と略等しく、回転方向における長さが略3ピッチである。吸入孔511は、フロントボディ42に形成された吸入通路64に接続されており、この吸入通路64から作動油が供給される。
吸入側円弧溝510には、吸入孔511に隣接して回転方向終端側に、吸入孔512が開口している。吸入孔512は、ロータ径方向幅が吸入側円弧溝510と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチである。吸入孔512も、フロントボディ42に形成された吸入通路64に接続されている。
吐出ポート52は、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が縮小するy軸正方向側の区間に設けられている。吐出ポート52は、ノッチ521を有する吐出側円弧溝520を有する。吐出側円弧溝520は、吐出側のポンプ室rの配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。
吐出側円弧溝520のロータ径方向幅は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吸入側円弧溝510のロータ径方向幅よりも若干小さい。吐出側円弧溝520のロータ内径側の縁526は、ロータ外周面60(突出部62を除く)よりも若干ロータ外径側に位置する。吐出側円弧溝520のロータ外径側の縁527は、最小偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80と略重なる。吐出側の各ポンプ室rは、カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て吐出側円弧溝520と重なり、吐出側円弧溝520と連通している。
吐出側円弧溝520の回転負方向側の端部には、ノッチ521が形成されている。このノッチ521は、吐出側円弧溝520よりも深さが浅く形成されている。
吐出側円弧溝520の回転正方向側端部は、回転正方向に向かって凸の略半円状に形成されている。また吐出側円弧溝520の回転負方向側であって、ノッチ521との境部分は回転負方向に向かって凸の略半円状に形成されている。またノッチ521の回転負方向側の縁は、矩形に形成されている。
プレート面50には、ベーン7の根元(背圧室br、スリット基端部610)に連通する背圧ポート53,54が、吸入側と吐出側でそれぞれ分離して設けられている。吸入側背圧ポート53は、吸入領域の大部分に位置する複数のベーン7の背圧室brと吸入ポート51とを連通するポートである。吸入側背圧ポート53は、吸入側背圧円弧溝530と吸入孔531とを有する。
吸入側背圧円弧溝530は、ベーン7の背圧室br(ロータ6のスリット基端部610)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吸入側背圧円弧溝530は、略3ピッチ分に相当する角度の範囲(吸入側円弧溝510よりも狭い範囲)で形成されている。
吸入側背圧円弧溝530のロータ径方向寸法(溝幅)は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吸入側円弧溝510と略等しく、スリット基端部610のロータ径方向寸法と略等しい。
吸入側背圧円弧溝530のロータ内径側の縁534は、スリット基端部610のロータ内径側縁よりも若干ロータ内径側に位置する。吸入側背圧円弧溝530のロータ外径側の縁535は、スリット基端部610のロータ外径側縁よりも僅かにロータ内径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て、吸入側背圧円弧溝530は、スリット基端部610(背圧室br)と大部分重なるロータ径方向位置に設けられており、スリット基端部610(背圧室br)と重なるとき、これと連通する。
吸入側背圧円弧溝530の回転負方向寄りには、ロータ径方向で吸入側円弧溝510の吸入孔512と重なる位置に、吸入孔531が開口している。吸入孔531は、z軸方向から見て略長円状であり、ロータ径方向における幅が吸入側背圧円弧溝530と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチである。
z軸方向から見て、吸入側背圧円弧溝530の回転方向両側は回転方向に凸の略半円弧状に形成されている。
吐出側背圧ポート54は、吐出側背圧円弧溝540とオリフィス溝541とを有する。
吐出側背圧円弧溝540は、ベーン7の背圧室br(スリット基端部610)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吐出側背圧円弧溝540は、略7ピッチ分に相当する角度の範囲(吐出側円弧溝520よりも広い範囲)で形成されている。
吐出側背圧円弧溝540は吸入領域まで臨むように形成され、吐出側背圧円弧溝540の始点は、吐出側円弧溝520の始点よりも回転負方向側に、第2閉じ込み領域を越え、さらに吸入側円弧溝510の終点よりも回転負方向側に位置している。
吐出側背圧円弧溝540の終点は、吐出側円弧溝520の終点よりも回転方向側にまで形成され、第1閉じ込み領域の終端部近くに位置している。
吐出側背圧円弧溝540のロータ径方向寸法(溝幅)は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吐出側円弧溝520よりも僅かに小さく、スリット基端部610のロータ径方向寸法よりも若干小さい。
吐出側背圧円弧溝540のロータ内径側の縁544は、スリット基端部610のロータ内径側縁よりも若干ロータ外径側に位置する。吐出側背圧円弧溝540のロータ外径側の縁545は、スリット基端部610のロータ外径側縁よりも僅かにロータ内径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て、吐出側背圧円弧溝540は、スリット基端部610(背圧室br)と大部分重なるロータ径方向位置に設けられており、スリット基端部610(背圧室br)と重なるとき、これと連通する。
吐出側背圧円弧溝540の回転正方向側端部は、回転正方向に向かって凸の略半円状に形成されている。また吐出側背圧円弧溝540の回転負方向側であって、ノッチ521との境部分は矩形に形成されている。またオリフィス溝541の回転負方向側の縁は、矩形に形成されている。
吐出ポート52の吐出側円弧溝520の回転正方向側端には、第1閉じ込み領域であって吸入ポート51、吐出ポート52よりも外周側に連通する潤滑油溝57が形成されている。また吐出側円弧溝520の回転正方向側には、第2閉じ込み領域であって吸入ポート51、吐出ポート52よりも外周側に連通する潤滑油溝58が形成されている。この潤滑油溝57,58から作動油が潤滑油として揺動するカムリング8とプレート面50との間に供給される。
吸入ポート51の外周には、潤滑油溝59が形成されている。この潤滑油溝59は、潤滑油吸入孔591から後述する制御部3の第1制御室R1の作動油を潤滑油として揺動するカムリング8とプレート面50との間に供給する。
制御部(カムリング制御機構)3は、主な構成要素として、制御弁30と第1,第2連通路931,932と第1,第2制御室R1,R2とを有し、制御弁30により吐出室493から第1連通路931、第2連通路932への作動油の供給を切り替えることで、制御室R1,R2の容積を変化させる。制御弁30の作動は、CVTコントロールユニット300により、例えば内燃機関の回転数とスリットルバルブ開度とに基づいて制御される。
以下、図6を加えて制御部3の構成を説明する。
制御弁30は、第1制御室R1と第2制御室R2への作動流体の流入、流出を制御する弁であり、収容孔401と、ソレノイド301と、スプール(スプール弁)302と、コイルスプリング(付勢部材)303とを有する。説明の便宜上、スプール302の軸方向に、図6の紙面右側を正方向とするw軸を設定する。
収容孔401は、リアボディ40内をw軸方向に延び、w軸負方向から正方向へ向かって順に第1拡径部404、第2拡径部405、スプール収容部406が設けられている。第1拡径部404は最も内径が大きく、スプール収容部406は最も内径が小さい。
ソレノイド301は、収容孔401の開口縁に固定され、ソレノイドケース304のケース先端部305が第2拡径部405に挿入された状態でリアボディ40に固定されている。ケース先端部305の外周面306と第1拡径部404との間には環状のシール部材407が介装されている。ケース先端部305のケース端面308は、フラット(平坦)に形成され、w軸と直交する。
ソレノイドケース304は、ケース端面308に形成された開口(不図示)から出入り可能なプランジャ(不図示)を有する。プランジャは非通電時には動作せず、通電時には通電量に応じて突出する。すなわち、プランジャの先端部は、非通電時にはケース端面308よりもソレノイドケース304の内部側へ位置し、通電時にはケース端面308よりもソレノイドケース304の外部側へ位置する。
コイルスプリング303は、収容孔401の底面403とスプール302の内部に形成された段差面311との間に縮設されている。コイルスプリング303は所定のセット荷重でスプール302をw軸負方向へ付勢する。
吐出室493と吐出通路65とを結ぶ通路上には、メータリングオリフィス(絞り部)700よりも上流側において分岐し、上流側ポート401aに接続される上流側油路65aと、メータリングオリフィス700よりも下流側において分岐し、下流側ポート401bに接続される下流側油路65bとを有する。上流側ポート401aは高圧室408に接続され、下流側ポート401bは中圧室412に接続されている。また、低圧室409はCVT100のオイルパン、すなわち、ベーンポンプ1の吸入側に連通している。
第1連通路931は、スプール収容部406と第1制御室R1との間に形成される通路であって、スプール収容部406側の開口に対し第1のランド部309がw軸負方向側に位置するとき低圧室409と第1制御室R1とを連通し、スプール302がw軸正方向側に移動するほど低圧室409と第1制御室R1との連通が遮断されると共に高圧室408と第1制御室R1との連通量が増大するように形成されている。
第2連通路932は、スプール収容部406と第2制御室R2との間に形成される通路であって、スプール収容部406側の開口に対し第2のランド部310がw軸負方向側に位置するとき中圧室412と第2制御室R2とを連通し、スプール302がw軸正方向側に移動するほど中圧室412と第2制御室R2との連通が遮断されると共に低圧室409と第2制御室R2との連通量が増大するように形成されている。
第1のランド部309のw軸負方向側およびw軸正方向側には、高圧室408から低圧室409への作動油の漏れ流量をチューニングするためのノッチ(切り欠き)309aがw軸負方向側には4つ、w軸正方向側には2つ形成されている。また、第2のランド部310のw軸負方向側には、中圧室412から低圧室409への作動油の漏れ流量をチューニングするためのノッチ310aが2つ形成されている。
スプール収容部406内であって第2連通路932のスプール収容部側開口932aとオーバーラップする位置には、周方向に延びるように環状形成された環状溝411が設けられている。環状溝411は、スプール302が最もw軸負方向側に位置する状態において中圧室412と第2制御室R2とを連通し、かつw軸方向において第2のランド部310とオーバーラップするように形成されている。環状溝411の内径D1は、スプール収容部406の内径D2および第2連通路932の内径D3よりも大きく設定されている。また、環状溝411のw軸方向長さL1は、第2のランド部310のw軸方向長さL2よりも短く設定されている。さらに、環状溝411のw軸方向長さL1は、第2のランド部310のw軸方向長さL2からノッチ310aのw軸方向長さL3を減じた値(L2-L3)よりも短く設定されている。
図8は、カムリング8の偏心量δが最大の状態から偏心量δが減少する側に移動を開始するタイミングにおけるスプール302と環状溝411との位置関係を示す図である。図8に示すように、制御部3は、カムリング8が最もx軸正方向側に位置する状態からx軸負方向側に移動を開始する際、スプール302のランド部310は、環状溝411を閉塞するように形成されている。
[ポンプ作用](図3参照)
カムリング8を回転軸Oに対してx軸正方向に偏心して配置した状態でロータ6を回転させることにより、ポンプ室rは回転軸周りに回転しつつ周期的に拡縮する。ポンプ室rが回転方向に拡大するy軸負方向側で、吸入ポート43からポンプ室rに作動油を吸入し、ポンプ室rが回転方向に縮小するy軸正方向側で、ポンプ室rから吐出ポート44へ上記吸入した作動油を吐出する。
具体的には、あるポンプ室rに着目すると、吸入領域において、このポンプ室rの回転負方向側のベーン7(以下、後側ベーン7)が吸入側円弧溝430の終端Bを通過するまで、言い換えると、回転正方向側のベーン7(以下、前側ベーン7)が吐出側円弧溝440の始端Cを通過するまで、当該ポンプ室rの容積は増大する。この間、当該ポンプ室rは吸入側円弧溝430と連通しているため、作動油を吸入ポート43から吸入する。
第2閉じ込み領域において、当該ポンプ室rの後側ベーン7(の回転正方向側の面)が吸入側円弧溝430の終端Bと一致し、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が吐出側円弧溝440の始端Cと一致する回転位置では、当該ポンプ室rは吸入側円弧溝430とも吐出側円弧溝440とも連通せず、液密に確保される。
当該ポンプ室rの後側ベーン7が吸入側円弧溝430の終端Bを通過(前側ベーン7が吐出側円弧溝440の始端Cを通過)した後は、吐出領域において、回転に応じて当該ポンプ室rの容積は減少し、吐出側円弧溝440と連通するため、ポンプ室rから作動油を吐出ポート44へ吐出する。
第1閉じ込み領域において、当該ポンプ室rの後側ベーン7(の回転正方向側の面)が吐出側円弧溝440の終端Dと一致し、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が吸入側円弧溝430の始端Aと一致する位置では、当該ポンプ室rは吐出側円弧溝440とも吸入側円弧溝430とも連通せず、液密に確保される。
なお、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が第2閉じ込み領域から吐出領域へ移行するとき、始端部443の絞り作用により、ポンプ室rと吐出側円弧溝440の連通が急激に行われないため、吐出ポート44およびポンプ室rの圧力の変動が抑制される。すなわち、高圧の吐出ポート44から低圧のポンプ室rへ作動油が急激に流入することが抑制されるため、吐出ポート44から吐出孔442を介して接続された外部の配管に供給される流量の急激な減少が抑制される。よって、配管における圧力変動(油撃)を抑制することができる。また、ポンプ室rに供給される流量の急激な増加が抑制されるため、ポンプ室rにおける圧力変動も抑制することができる。なお、始端部443を適宜省略することとしてもよい。
また、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が第1閉じ込み領域から吸入領域へ移行するとき、ノッチ434の絞り作用により、ポンプ室rと吸入側円弧溝430の連通が急激に行われないため、吸入ポート43およびポンプ室rの圧力の変動が抑制される。すなわち、ポンプ室rの容積が一気に増大することが抑制され、高圧のポンプ室rから低圧の吸入ポート43へ作動油が急激に流出することが抑制されるため、気泡の発生(キャビテーション)を抑制することができる。なお、ノッチ434を適宜省略することとしてもよい。
まず、ソレノイド301が非作動状態について図6および図9を参照しながら説明する。図9は、実施例1の可変容量形ベーンポンプの回転数と吐出流量との関係を表す特性図である。スプール302には、コイルスプリング303により初期セット荷重がw軸負方向側に付与されており、ポンプ作動初期の比較的流量が少ない状態では、メータリングオリフィス700の前後差圧はさほど大きくなく、スプール302は最もw軸負方向側に位置する。このとき、第1制御室R1は第1連通路931を介して低圧室409と連通され、第2制御室R2は第2連通路932を介して中圧室412と連通されている。これにより、第1制御室R1には吐出圧は供給されず、第2制御室R2に吐出圧が供給されるため、カムリング8は偏心状態となってポンプ吐出流量は回転数に応じて増大する(図9の固定容量域(a)参照。)。
ポンプの吐出流量が増大すると、メータリングオリフィス700の上流側と下流側との間の差圧が大きくなるため、第1のランド部309に作用するw軸正方向の力がコイルスプリング303の付勢力と第2のランド部310に作用するw軸負方向の力との合力を超えたとき、スプール302はw軸正方向へ移動を開始する。これにより、スプール302がw軸正方向側に移動するほど低圧室409と第1制御室R1との連通が遮断されると共に高圧室408と第1制御室R1との連通量が増大する一方、中圧室412と第2制御室R2との連通が遮断されると共に低圧室409と第2制御室R2との連通量が増大する。よって、第1制御室R1にはメータリングオリフィス700よりも上流側の高い吐出圧が供給され、第2制御室R2には吐出圧が供給されなくなるから、カムリング8の偏心量δが小さくなり、ポンプ回転数が上昇してもポンプ吐出流量は増大しない。ポンプ吐出流量が減少し過ぎると、メータリングオリフィス700の上流側と下流側との差圧が小さくなるから、再度カムリング8が偏心し、適宜吐出流量の増大が図られる(図9の吐出流量制御域(b)参照。)。
実施例1では、スプール収容部406内において、第2連通路932のスプール収容部側開口932aとオーバーラップする位置に環状溝411を設け、環状溝411の内径D1をスプール収容部406の内径D2および第2連通路932の内径D3よりも大きく形成し、スプール302が最もw軸負方向側に位置する状態(初期位置状態)において中圧室412と第2制御室R2とを連通し、かつw軸方向において第2のランド部310とオーバーラップするように形成した。これにより、ポンプ回転数が低く、スプール302が初期位置状態にあるポンプ始動時において、中圧室412と第2連通路932は、第2のランド部310の全周回りに形成された開口を介して接続された状態となるため、第2制御室R2に十分な圧力を導入できる。よって、ポンプ始動時におけるカムリング8のバタつきが抑えられ、吐出流量の安定性を向上できるため、吐出圧の脈動を抑制できる。
また、第2のランド部310周りに圧力が導入されて第2のランド部310の外周が同圧となることから、スプール302に偏心荷重(スプール302をスプール収容部406に押し付ける力)が作用しないため、スプール302の安定性を向上できる。
さらに、環状溝411の内径D1がスプール収容部406および第2連通路932の内径D2,D3よりも大きいため、スプール302のストローク量(w軸方向移動量)に対する第2連通路932の面積変化量(漏れ流量変化量)を大きくできる。その結果、初期位置状態における開口面積を大きくしつつ、小ストロークですぐに中圧室412と第2制御室R2との連通を遮断できる。
実施例1では、カムリング8の偏心量δが最大の状態から偏心量δが減少する側に移動を開始するタイミングにおけるスプール302のw軸方向位置において、第2のランド部310が環状溝411を閉塞するように形成した。図10は、スプール302のストローク量と中圧室412から第2制御室R2への作動油の漏れ流量との関係を示す図であり、実施例1では、カムリング8の偏心量δを制御しない領域、すなわち、ストローク量が小さい固定容量域(a)では、漏れ流量大となり第2制御室R2に十分な圧力が導入されるため、制御性を向上できる。
一方、カムリング8の偏心量δを制御する領域、すなわち、ストローク量が大きくなる吐出流量制御域(b)では、スプール302のw軸方向移動に対する第2制御室R2内の圧力変化を緩やかにしたい。この領域に入るタイミング(カムリング8の偏心が開始されるタイミング)において、第2連通路932および環状溝411は第2のランド部310に閉塞されており、中圧室412と第2制御室R2とは、第2のランド部310とスプール収容部406との間の隙間を介して連通することになる。すなわち、吐出流量制御域において、第2制御室R2内の圧力は、第2のランド部310とスプール収容部406とのw軸方向オーバーラップ量に応じて制御されるため、第2連通路932の開口面積を制御する場合に比べ、スプール302のw軸方向移動に伴う第2制御室R2の圧力変化が緩やかなり、カムリング8の制御性を向上できる。
実施例1では、第2のランド部310のw軸方向長さL2を環状溝411のw軸方向長さL1よりも長くした。よって、第2のランド部310のw軸正方向側端縁の位置が環状溝411のw軸正方向側端縁の一致したとき、第2のランド部310のw軸負方向側端縁は、環状溝411のw軸負方向側端縁よりもw軸負方向側に位置している。すなわち、第2のランド部310はw軸方向において必ずどこかの領域が環状溝411の形成されていないスプール収容部406とオーバーラップしているため、スプール302の倒れを抑制できる。また、中圧室412側から低圧室409側への漏れを抑制できる。
[リーク抑制作用]
実施例1では、環状溝411のw軸方向長さL1を、第2のランド部310のw軸方向長さL2からノッチ310aのw軸方向長さL3を減じた値(L2-L3)よりも短くした。よって、第2のランド部310はw軸方向においてノッチ310aを除く領域で環状溝411を完全に塞ぐことができるため、中圧室412から低圧室409へ作動油が過度に漏れるのを抑制できる。
(1) ポンプ要素収容部を有するボディ4(リアボディ40、プレート41、フロントボディ42)と、ボディ4に軸支される駆動軸5と、ボディ4内に設けられ、駆動軸5によって回転駆動されると共に、周方向に複数個のスリット61を有するロータ6と、スリット61に出没自在に設けられた複数のベーン7と、ポンプ要素収容部内で移動可能に設けられ、環状に形成され、内周側にロータ6およびベーン7と共に複数のポンプ室rを形成するカムリング8と、ボディ4に形成され、ロータ6の回転に伴い複数のポンプ室rのうち容積が増大する吸入領域に開口し、駆動軸5に対しカム支持面93の反対側に配置された吸入ポート43と、ボディ4に形成され、ロータ6の回転に伴い複数のポンプ室rのうち容積が減少する吐出領域に開口し、駆動軸5に対しカム支持面93側に配置された吐出ポート44と、ボディ4に形成され、吐出ポート44と接続された吐出通路65と、ポンプ要素収容部とカムリング8の間に形成される空間であって、カムリング8の偏心量δが増大するほど容積が減少する側に形成される第1制御室R1と、カムリング8の偏心量δが増大するほど容積が増大する側に形成される第2制御室R2と、第1制御室R1と第2制御室R2とを隔成するシールピン10およびシール部材11と、吐出通路65の途中に設けられたメータリングオリフィス700と、ボディ4に設けられた制御部3と、を備えた可変容量形ベーンポンプ1において、制御部3は、ボディ4に設けられたスプール収容部406と、スプール収容部406の長手方向に移動可能に設けられたスプール302と、スプール302の移動方向を軸方向としたとき、スプール302の軸方向一方側に設けられた第1のランド部309および軸方向他方側に設けられた第2のランド部310と、スプール収容部406内であって第1のランド部309よりも軸方向一方側に形成される空間であって、メータリングオリフィス700の上流側の圧力が導入される高圧室408と、スプール収容部406内であって第1のランド部309と第2のランド部310の間に形成される空間であって吸入側と接続される低圧室409と、スプール収容部406内であって第2のランド部310よりも軸方向他方側に形成される空間であって、メータリングオリフィス700の下流側の圧力が導入される中圧室412と、スプール302を軸方向一方側へ付勢するコイルスプリング303と、スプール収容部406と第1制御室R1との間に形成される通路であって、スプール収容部406側の開口に対し第1のランド部309が軸方向一方側に位置するとき低圧室409と第1制御室R1とを連通し、スプール302が軸方向他方側に移動するほど低圧室409と第1制御室R1との連通が遮断されると共に高圧室408と第1制御室R1との連通量が増大するように形成された第1連通路931と、スプール収容部406と第2制御室R2との間に形成される通路であって、スプール収容部406側の開口に対し第2のランド部310が軸方向一方側に位置するとき中圧室412と第2制御室R2とを連通し、スプール302が軸方向他方側に移動するほど中圧室412と第2制御室R2との連通が遮断されると共に低圧室409と第2制御室R2との連通量が増大するように形成された第2連通路932と、軸方向周りの方向を周方向としたとき、スプール収容部406内であって第2連通路932のスプール収容部側開口932aとオーバーラップし周方向に延びるように環状形成され、内径がスプール収容部406の内径および第2連通路932の内径よりも大きくなるように形成された環状溝411と、から構成され、環状溝411は、スプール302が最も軸方向一方側に位置する状態において中圧室412と第2制御室R2とを連通し、かつ軸方向において第2のランド部310とオーバーラップするように形成される。
よって、ポンプ始動時におけるカムリング8のバタつきが抑えられ、吐出流量の安定性を向上できるため、吐出圧の脈動を抑制できる。また、スプール302の安定性を向上できる。さらに、初期位置状態における開口面積を大きくしつつ、小ストロークですぐに中圧室412と第2制御室R2との連通を遮断できる。
(2) 制御部3は、カムリング8の偏心量δが最大の状態から偏心量δが減少する側に移動を開始するタイミングにおけるスプール302の軸方向位置において、第2のランド部310が環状溝411を閉塞するように形成される。
よって、カムリング8の制御性を向上できる。
(3) 第2のランド部310の軸方向長さは環状溝411の軸方向長さよりも長くなるように形成される。
よって、スプール302の倒れを抑制できる。また、中圧室412側から低圧室409側への漏れを抑制できる。
3 制御部(カムリング制御機構)
4 ボディ(ポンプハウジング)
5 駆動軸
6 ロータ
7 ベーン
8 カムリング
10 シールピン(シール部材)
11 シール部材
30 制御弁
40 リアボディ(ポンプハウジング)
41 プレート(ポンプハウジング)
42 フロントボディ(ポンプハウジング)
43 吸入ポート(吸入ポート)
44 吐出ポート(吐出ポート)
61 スリット
65 吐出通路
93 カム支持面
302 スプール(スプール弁)
303 コイルスプリング(付勢部材)
309 第1のランド部
310 第2のランド部
406 スプール収容部
408 高圧室
409 低圧室
411 環状溝
412 中圧室
700 メータリングオリフィス(絞り部)
931 第1連通路
932 第2連通路
r ポンプ室
R1 第1制御室(第1流体圧室)
R2 第2制御室(第2流体圧室)
Claims (3)
- ポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、
前記ポンプハウジングに軸支される駆動軸と、
前記ポンプハウジング内に設けられ、前記駆動軸によって回転駆動されると共に、周方向に複数個のスリットを有するロータと、
前記スリットに出没自在に設けられた複数のベーンと、
前記ポンプ要素収容部内で移動可能に設けられ、環状に形成され、内周側に前記ロータおよび前記ベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室のうち容積が増大する吸入領域に開口し、前記駆動軸に対し前記カム支持面の反対側に配置された吸入口と、
前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室のうち容積が減少する吐出領域に開口し、前記駆動軸に対し前記カム支持面側に配置された吐出口と、
前記ポンプハウジングに形成され、前記吐出口と接続された吐出通路と、
前記ポンプ要素収容部と前記カムリングの間に形成される空間であって、前記カムリングの偏心量が増大するほど容積が減少する側に形成される第1流体圧室と、前記カムリングの偏心量が増大するほど容積が増大する側に形成される第2流体圧室と、
前記第1流体圧室と前記第2流体圧室とを隔成するシール部材と、
前記吐出通路の途中に設けられた絞り部と、
前記ポンプハウジングに設けられたカムリング制御機構と、
を備えた可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記カムリング制御機構は、
前記ポンプハウジングに設けられたスプール収容部と、
前記スプール収容部の長手方向に移動可能に設けられたスプール弁と、
前記スプール弁の移動方向を軸方向としたとき、前記スプール弁の前記軸方向一方側に設けられた第1のランド部および前記軸方向他方側に設けられた第2のランド部と、
前記スプール収容部内であって前記第1のランド部よりも前記軸方向一方側に形成される空間であって、前記絞り部の上流側の圧力が導入される高圧室と、
前記スプール収容部内であって前記第1のランド部と前記第2のランド部の間に形成される空間であって吸入側と接続される低圧室と、
前記スプール収容部内であって前記第2のランド部よりも前記軸方向他方側に形成される空間であって、前記絞り部の下流側の圧力が導入される中圧室と、
前記スプール弁を前記軸方向一方側へ付勢する付勢部材と、
前記スプール収容部と前記第1流体圧室との間に形成される通路であって、前記スプール収容部側の開口に対し前記第1のランド部が前記軸方向一方側に位置するとき前記低圧室と前記第1流体圧室とを連通し、前記スプール弁が前記軸方向他方側に移動するほど前記低圧室と前記第1流体圧室との連通が遮断されると共に前記高圧室と前記第1流体圧室との連通量が増大するように形成された第1連通路と、
前記スプール収容部と前記第2流体圧室との間に形成される通路であって、前記スプール収容部側の開口に対し前記第2のランド部が前記軸方向一方側に位置するとき前記中圧室と前記第2流体圧室とを連通し、前記スプール弁が前記軸方向他方側に移動するほど前記中圧室と前記第2流体圧室との連通が遮断されると共に前記低圧室と前記第2流体圧室との連通量が増大するように形成された第2連通路と、
前記軸方向周りの方向を周方向としたとき、前記スプール収容部内であって前記第2連通路の前記スプール収容部側開口とオーバーラップし前記周方向に延びるように環状形成され、内径が前記スプール収容部の内径および前記第2連通路の内径よりも大きくなるように形成された環状溝と、
から構成され、
前記環状溝は、前記スプール弁が最も前記軸方向一方側に位置する状態において前記中圧室と前記第2流体圧室とを連通し、かつ前記軸方向において前記第2のランド部とオーバーラップするように形成されることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。 - 請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記カムリング制御機構は、前記カムリングの偏心量が最大の状態から偏心量が減少する側に移動を開始するタイミングにおける前記スプール弁の前記軸方向位置において、前記第2のランド部が前記環状溝を閉塞するように形成されることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。 - 請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記第2のランド部の前記軸方向長さは前記環状溝の前記軸方向長さよりも長くなるように形成されることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013194388A JP2015059523A (ja) | 2013-09-19 | 2013-09-19 | 可変容量形ベーンポンプ |
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JP2013194388A JP2015059523A (ja) | 2013-09-19 | 2013-09-19 | 可変容量形ベーンポンプ |
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KR20160119325A (ko) * | 2015-04-02 | 2016-10-13 | 명화공업주식회사 | 밸브 조립체 및 이를 구비한 가변오일펌프 시스템 |
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2013
- 2013-09-19 JP JP2013194388A patent/JP2015059523A/ja not_active Ceased
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