JP2000170668A - 可変容量形ポンプ - Google Patents

可変容量形ポンプ

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JP2000170668A
JP2000170668A JP10346993A JP34699398A JP2000170668A JP 2000170668 A JP2000170668 A JP 2000170668A JP 10346993 A JP10346993 A JP 10346993A JP 34699398 A JP34699398 A JP 34699398A JP 2000170668 A JP2000170668 A JP 2000170668A
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Japan
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pump
cam ring
fluid pressure
passage
throttle
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JP10346993A
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Shigeyuki Miyazawa
茂行 宮澤
Yuichi Kimura
祐一 木村
Tatsushi Okumura
竜史 屋村
Takashi Shimo
貴志 下
Kazuyoshi Uchino
一義 内野
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Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C14/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations
    • F04C14/18Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber
    • F04C14/22Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members
    • F04C14/223Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members using a movable cam
    • F04C14/226Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members using a movable cam by pivoting the cam around an eccentric axis

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  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変容量形ベーンポンプにおいて、カムリン
グの振動、ポンプ吐出側での脈動を減衰させ、騒音問題
を解決する。 【解決手段】 ポンプボディ21内で揺動可能なカムリ
ング27の両側に第1、第2の流体圧室43,44を備
える。カムリングの揺動を制御する制御バルブ40を作
動する流体圧を得るためのメータリング絞りを、吐出側
通路51,52の一部に設けた固定メータリング絞り5
3と、この固定メータリング絞りの上流側の吐出側通路
33から分岐した通路58の一部で前記カムリングの揺
動により開閉するように設けた可変メータリング絞り5
9とから構成する。これらのメータリング絞りの上流側
の流体圧を制御バルブ40により制御することによりダ
ンパ絞り部56aを介して第1の流体圧室に導入する。
また、両メータリング絞りの下流側の流体圧をダンパ絞
り部57を介して第2の流体圧室に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動車の
ハンドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流
体利用機器に用いる可変容量形ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置用ポンプとして従来一般に
は、自動車用エンジンで直接回転駆動される容量形のベ
ーンポンプが用いられている。このような容量形ポンプ
は、エンジン回転数に対応して吐出流量が増減するた
め、自動車の停車中や低速走行時に操舵補助力を大きく
し、高速走行時に操舵補助力を小さくするという動力舵
取装置に要求される操舵補助力とは相反する特性をもっ
ている。したがって、このような容量形ポンプには、回
転数が低い低速走行時にも必要な操舵補助力が得られる
程度の吐出流量を確保できる大容量のものを用いる必要
がある。しかも、回転数が高い高速走行時には、吐出流
量を一定量以下に制御する流量制御弁が必須となる。こ
のため、容量形ポンプでは、構成部品点数が増え、構造
や通路構成が複雑で、全体の大型化やコスト高となるこ
とが避けられない。
【0003】このような容量形ポンプの不具合を解決す
るために、一回転当たりの吐出流量(cc/rev)を
回転数の増加に比例して減少させることが可能な可変容
量形ベーンポンプが、たとえば特開平5−278622
号公報、特開平6−200883号公報、特開平7−2
43385号公報、特開平8−200239号公報等に
よって提案されている。これらの可変容量形ポンプによ
れば、容量形ポンプのような流量制御弁が不要となり、
また駆動馬力の無駄が防げるためエネルギ効率の面でも
優れている。また、タンク側への戻りもないことから油
温が上昇するというようなことがなく、しかもポンプ内
部での漏れや容積効率が低下するという問題も防止でき
る。
【0004】このような可変容量形のベーンポンプの一
例を、たとえば特開平8−200239号公報等におけ
るポンプ構造を示す図11を用いて簡単に説明すると、
図中1はポンプボディ、1aはアダプタリング、2はこ
のボディ1のアダプタリング1a内に形成される楕円形
空間部1b内で支軸部となる揺動支点ピン2aを介して
揺動可能に設けられたカムリングで、図中左方向に押圧
するばね手段(圧縮コイルばね2b)により付勢されて
いる。
【0005】3はロータで、前記カムリング2内の一側
にポンプ室4を形成するように他側寄りに偏心して収容
されている。このロータ3が外部駆動源によって回転駆
動されることにより、放射方向に進退自在に保持したベ
ーン3aを進退させる。なお、図中3bはロータ3の駆
動軸で、ロータ3は図中矢印で示す方向に回転駆動され
る。ここでは、ポンプ室4を、カムリング2内でロータ
3の一側に形成されるほぼ三日月形状を呈する空間部で
あって、後述する吸込側開口7から吐出側開口8にかけ
て形成される空間部を示すものとして説明する。
【0006】5,6はボディ1内に設けたアダプタリン
グ1aの楕円形空間部1b内でカムリング2の外周面両
側に形成され、それぞれが高圧側と低圧側となる第1、
第2の流体圧室である。これらの室5,6には、カムリ
ング2を揺動させるための制御圧としてポンプ吐出側通
路11に設けたメータリング絞りの上、下流側の流体圧
を導く通路5a,6aが、後述するスプール式制御バル
ブ10を介して開口している。
【0007】この例では、可変メータリング絞り12
を、第2の流体圧室6を形成するボディ1の側壁面に開
口した孔部12aと、この孔部12aを開閉するように
移動するカムリング2の側縁部12bとによって形成し
ている。このため、第2の流体圧室6は、上述した可変
メータリング絞り12の下流側の流体圧の状態におかれ
ており、この流体圧が前記通路6aを介して前記制御バ
ルブ10の低圧側の室に導かれている。また、上述した
可変メータリング絞り12下流側のポンプ吐出側通路を
符号13で示す。
【0008】なお、図11中、符号7は前記ポンプ室4
のポンプ吸込側領域4Aに臨んで開口されるポンプ吸込
側開口(吸込ポート)、8はポンプ室4のポンプ吐出側
領域4Bに臨んで開口されるポンプ吐出側開口(吐出ポ
ート)である。これらの開口7,8は、ロータ3および
カムリング2からなるポンプ構成要素を両側から挾み込
んで保持するための固定壁部であるプレッシャプレート
およびサイドプレート(図示せず)の少なくともいずれ
か一方に形成されている。
【0009】前記カムリング2は前記圧縮コイルばね2
bによって流体圧室6側から付勢され、前記ポンプ室4
内の容積(ポンプ容量)を最大に維持する方向に押圧さ
れている。また、図中2cはカムリング2の外周面に設
けられ揺動支点ピン2aと共に左、右両側に流体圧室
5,6を画成するためのシール材である。
【0010】前記スプール式制御バルブ10は、ポンプ
吐出側通路11,13の途中に設けたメータリングオリ
フィスのような可変メータリング絞り12の上、下流側
での差圧P1,P2により作動し、ポンプ吐出側の流量
の大小に応じた流体圧P3を、前記カムリング2の外側
部で高圧側の流体圧室5に対し導入することにより、ポ
ンプ始動直後においても充分な流量を確保できるように
構成している。
【0011】すなわち、上述したようにポンプ吐出側通
路11,13の可変メータリング絞り12の上、下流側
の流体圧を制御バルブ10で制御して前記カムリング2
両側の流体圧室5,6に導入することにより、図11中
黒塗り矢印または白抜き矢印で示すように、カムリング
2を所要の方向に揺動させてポンプ室4内の容積を変
え、図13の流量特性に示すようにポンプ吐出側での流
量に対応させて吐出流量を制御することができる。ま
た、ポンプ回転数の増加に伴って吐出側の流量を所定流
量まで立上げてその状態を維持するとともにポンプの高
回転数域では流量を減少させるという流量制御を行なう
ことができる。
【0012】上述した図11は図12中領域Aから領域
Bにかけての状態を示し、ポンプ回転数が一定以上にな
ると、前記可変メータリング絞り12の上、下流側の流
体圧力差が増大し、その結果カムリング2は図中右側
(黒塗り矢印で示す方向)に揺動し、可変メータリング
絞り12を絞ることによりその絞り量に応じてポンプか
らの吐出流量が減少し、最小の絞り位置で領域Cで示す
ように一定流量に維持されることになる。
【0013】また、前記制御バルブ10は、圧力流体利
用機器(図中PSで示す)の作動による負荷作用時に、
可変メータリング絞り12の上、下流側での差圧が所定
の値以上になったときに可変メータリング絞り12より
も上流側の流体圧P1を制御圧としてカムリング2外側
の高圧側の流体圧室5に導入し、カムリング2の揺動を
防止するように動作する。
【0014】なお、前記ポンプボディ1には、タンクT
から前記スプール式制御バルブ10の低圧室を通って前
記ポンプ室4のポンプ吸込側領域4Aに至るポンプ吸込
側通路14を設けている。また、前記ポンプ吐出側通路
13には、ポンプ吐出側の流体圧が一定圧以上になった
ときに前記ポンプ吸込側通路14を介してポンプ吸込側
(またはタンクT側)に圧力流体をポンプ吸込側(タン
クT側)にリリーフさせる位置に圧力制御弁として直動
型のリリーフバルブ15を設けている。
【0015】上述した構造による可変容量形ポンプで
は、カムリング2を揺動動作させるための一対の流体圧
室5,6のうち、第2の流体圧室6に可変メータリング
絞り12の下流側の流体圧を直接導入する構造となって
いる。すなわち、第2の流体圧室6を構成するポンプボ
ディ1側の側壁に設けた孔部12aと揺動動作するカム
リング2の外周縁部とで可変メータリング絞り12が形
成され、この第2の流体圧室6を通って前記ポンプ吐出
側通路13側に給送されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したような構造に
よる従来の可変容量形ポンプにおいて、カムリング2が
第1、第2の流体圧室5,6の圧力と前記第2の流体圧
室6内に設けた圧縮コイルばね2bの付勢力とによっ
て、ポンプ回転数に伴う流体の供給流量の増減に応じて
揺動動作し、ポンプ容量が所要の大きさになるように制
御しているが、このカムリング2の揺動動作を適切に制
御するうえで問題がある。
【0017】たとえばポンプが高回転域に至ったとき
に、制御バルブ10により可変メータリング絞り12の
上流側の流体圧を導入する第1の流体圧室5は、一部に
絞り部を有する通路5aを介して流体圧を導入する構造
であるから、カムリング2がこの第1の流体圧室5側に
揺動したときには、前記通路5aの絞り部によるダンパ
機能によって、前記カムリング2に対して所要の制動力
を作用させることができる。
【0018】しかし、第2の流体圧室6には、圧縮コイ
ルばね2bを設けているだけであって、上述した第1の
流体圧室5側のようにカムリング2に制動力を与えるダ
ンパ機能をもつ手段が設けられていない。このため、カ
ムリング2が第2の流体圧室6側に揺動したときには、
ばね2bが撓むことによる弾撥力は多少作用するもの
の、ダンパ機能による制動力を効かせることができな
い。したがって、カムリング2の第1、第2の流体圧室
5,6側への揺動動作が不安定となり易い。そして、カ
ムリング2が振動したり、ポンプ吐出側の流体圧に脈動
を生じることが避けられない。
【0019】すなわち、第2の流体圧室6に開口する孔
部12aからポンプ吐出側の流体圧が噴流となって流入
し、これをカムリング2の外側縁部で開閉しようとした
ときにカムリング2が振動しやすく、しかもこのような
孔部12aからの噴流をカムリング2の外側縁部で開閉
することにより、ポンプ吐出側において脈動が大きくな
る。
【0020】このような振動や脈動を生じると、動力舵
取装置において、操舵力が変動したり、流体音等の騒音
が大きくなるという問題につながるおそれがあり、この
ような問題を解決することができる何らかの対策を講じ
ることが望まれている。
【0021】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ポンプ内部で揺動動作するカムリングの動
きを所要の状態で制御する第1、第2の流体圧室の両方
でダンパ機能による制動力を作用させるように構成する
ことにより、従来問題となっていたカムリングの振動や
吐出側流体圧での脈動を軽減し、騒音問題を解決するこ
とができる可変容量形ポンプを得ることを目的としてい
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明の請求項1に係る可変容量形ポンプは、ロ
ータを一側寄りに片寄らせた状態で配置しこのロータの
他側寄りの部分との間にポンプ室を形成するカムリング
と、前記カムリングをその外周面の一部に設けた揺動支
点ピンを支点として揺動可能に支持する内部空間を有す
るポンプボディと、前記ポンプボディ内で前記カムリン
グを前記ポンプ室からのポンプ容量を最大とする方向に
付勢する付勢手段と、前記ポンプボディの内部空間内で
前記カムリングの外周部との間にシール手段を介して分
割形成され前記カムリングを揺動させる流体圧が導かれ
る第1および第2の流体圧室と、前記ポンプ室から吐出
される圧力流体の吐出側通路の途中に設けたメータリン
グ絞りの上、下流側の流体圧により作動され前記カムリ
ングの揺動を制御するスプール式の制御バルブとを備え
た可変容量形ポンプにおいて、前記メータリング絞り
を、前記吐出側通路の一部に設けた固定メータリング絞
りと、この固定メータリング絞りの上流側の吐出側通路
から分岐した通路の一部で前記カムリングの揺動により
開閉するように設けた可変メータリング絞りとによって
構成するとともに、前記固定メータリング絞りおよび固
定メータリング絞りの上流側の流体圧を前記制御バルブ
により制御することによりダンパ絞り部を介して前記第
1の流体圧室に導入する流路を設け、前記固定メータリ
ング絞りおよび可変メータリング絞りの下流側の流体圧
をダンパ絞り部を介して前記第2の流体圧室に導入する
流路を設けたことを特徴とする。
【0023】また、本発明の請求項2に係る可変容量形
ポンプは、請求項1に記載の可変容量形ポンプにおい
て、前記制御バルブのスプールを摺動自在に支持するバ
ルブ孔の一端に前記吐出側通路を接続し、前記スプール
内に軸線方向に沿って吐出側通路を構成する通路孔を形
成するとともに、前記バルブ孔の他端を前記ポンプボデ
ィに設けたポンプ吐出側ポートに接続し、前記スプール
内の通路孔の一部に前記固定メータリング絞りを設けた
ことを特徴とする。
【0024】また、本発明の請求項3に係る可変容量形
ポンプは、請求項1または請求項2に記載の可変容量形
ポンプにおいて、前記分岐通路を、前記第2の流体圧室
の側壁部で前記カムリングの外側縁部で開閉される位置
に開口した開口によって、前記可変メータリング絞りを
構成したことを特徴とする。
【0025】また、本発明の請求項4に係る可変容量形
ポンプは、請求項3に記載の可変容量形ポンプにおい
て、前記分岐通路の前記第2の流体圧室への開口を複数
の小孔によって構成したことを特徴とする。
【0026】また、本発明の請求項5に係る可変容量形
ポンプは、請求項1、請求項2、請求項3または請求項
4に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記付勢手段を
内設したプランジャダンパを前記第2の流体圧室内に設
け、このプランジャダンパを前記カムリングの側部に当
接させたことを特徴とする。
【0027】また、本発明の請求項6に係る可変容量形
ポンプは、請求項1、請求項2に記載の可変容量形ポン
プにおいて、前記付勢手段を内設したプランジャダンパ
を前記第2の流体圧室内に設け、このプランジャダンパ
を前記カムリングの側部に当接させるとともに、前記カ
ムリングの揺動に伴って移動するプランジャダンパの動
きで前記分岐通路の一部を開閉する可変メータリング絞
りを、前記第2の流体圧室とは区画された位置に設けた
ことを特徴とする。
【0028】本発明によれば、ポンプ吐出側の通路を、
固定メータリング絞り、可変メータリング絞りを設けた
二系統にするとともに、これらのメータリング絞りの上
流側の流体圧とポンプ吸込側の流体圧とから制御バルブ
によって制御した制御圧をカムリングの揺動方向の一側
の第1の流体圧室に導入し、前記メータリング絞りの下
流側の流体圧を前記カムリングの揺動方向の他側の第2
の流体圧室に導入することにより、カムリングをポンプ
吐出側の流量に応じて揺動させ、ポンプ吐出側への供給
流量を一定量またはポンプ回転数の増加とともに一定量
以下の任意の量に維持する。
【0029】また、本発明によれば、カムリングを揺動
させる第1、第2の流体圧室を、ダンパ絞り部を介して
制御バルブ、ポンプ吐出側通路に接続しているから、ポ
ンプ回転数の増減による吐出側通路の途中のメータリン
グ絞りの上、下流側での流体圧の圧力差に伴ってカムリ
ングが揺動する際に、カムリングに対して両揺動方向で
所要の制動力を与えることができ、カムリングが振動し
たり、ポンプ吐出側で脈動を生じたりすることがないよ
うにカムリングを所要の状態で円滑に揺動させることが
できる。
【0030】また、本発明によれば、ポンプの吐出側通
路のメータリング絞りの上流側で分岐した通路を、第2
の流体圧室のカムリング外側縁部で開閉される位置に開
口し、カムリングの揺動に伴って開閉することにより、
ポンプ吐出側の流量を一定に維持することができる。
【0031】また、本発明によれば、付勢手段の付勢力
をプランジャダンパを介してカムリングに作用させてい
るから、カムリングに対して付勢力と制動力を適切に作
用させ、円滑な揺動を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1ないし図7は本発明に係る可
変容量形ポンプの第1の実施の形態を示す図である。こ
こで、この第1の実施の形態では、本発明に係るベーン
ポンプが動力舵取装置の油圧発生源となるベーンタイプ
のオイルポンプであって、その吐出流量をポンプの回転
数が増大するにしたがって、最大吐出流量よりも少ない
所定流量になり、その流量を維持するという、いわゆる
ドルーピング特性をもつポンプによって説明する。ま
た、この実施の形態では、図2に示すように、直動型の
リリーフバルブを備えている例を示す。
【0033】図1、図2において全体を符号20で示す
ベーンタイプの可変容量形ポンプは、ポンプボディを構
成するフロントボディ21およびリアボディ22を備え
ている。このフロントボディ21は、図1、図2に示す
ように全体が略カップ状を呈し、その内部にポンプカー
トリッジとしてのポンプ構成要素23を収納配置する収
納空間24が形成されるとともに、この収納空間24の
開口端を閉塞するようにリアボディ22が組合わせられ
一体に組立てられる。このフロントボディ21には、ポ
ンプ構成要素23を構成するロータ25を外部から回転
駆動するためのドライブシャフト26が貫通した状態で
軸受26a,26b(26aはフロントボディ21側、
26bはリアボディ22側に配設される)により回転自
在に支持されている。26cはオイルシールである。
【0034】27はカムリングで、このカムリング27
はベーン25aを有するロータ25の外周部に嵌装して
配置される内側カム面27aを有し、かつこの内側カム
面27aとロータ25との間にポンプ室28を形成して
いる。また、このカムリング27は、後述するようにポ
ンプ室28の容積(ポンプ容量)を可変できるように収
納空間24内で空間内壁部分に嵌合状態で設けられたア
ダプタリング29内で移動変位可能に配置されている。
なお、このアダプタリング29は、ボディ21の収納空
間24内でカムリング27を移動変位可能に保持するた
めのものである。
【0035】図2、図3において符号30はプレッシャ
プレートで、このプレッシャプレート30は、上述した
ロータ25、カムリング27およびアダプタリング29
によって構成されているポンプカートリッジ(ポンプ構
成要素23)のフロントボディ21側に圧接して積層配
置されている。また、ポンプカートリッジの反対側面に
は前記リアボディ22の端面がサイドプレートとして圧
接され、フロントボディ21とリアボディ22との一体
的な組立てによって所要の組立状態とされる。そして、
これらの部材によって、前記ポンプ構成要素23が構成
されている。
【0036】前記プレッシャプレート30と、これにカ
ムリング27を介して積層されるサイドプレートとなる
リアボディ22とは、後述する揺動支点ピン31や適宜
の回り止め手段(図示せず)によって回転方向で位置決
めされた状態で一体的に組付け固定されている。前記揺
動支点ピン31は、カムリング27を揺動可能とするた
めの軸支部および位置決めピンとして機能し、またカム
リング27を揺動させる流体圧室を画成するシール機能
も有する。
【0037】33は前記フロントボディ21の収納空間
24内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室
で、この圧力室33によってポンプ吐出側圧力がプレッ
シャプレート30に作用する。34はこのポンプ吐出側
圧力室33にポンプ室28からの圧油を導くようにプレ
ッシャプレート30に穿設されているポンプ吐出側開口
である。
【0038】前記リアボディ22の一部には、図示しな
いがポンプ吸込側開口35(図1ではポンプ室28に対
する開口位置を示す)が設けられ、この吸込側開口35
を介してタンクTから流入する吸込側流体は、リアボデ
ィ22の一部に設けた吸込側ポートからボディ22内に
形成したポンプ吸込側通路(共に図示せず)を通り、リ
アボディ22の端面に開口するポンプ吸込側開口35か
らポンプ室28内に供給される。図3中35aはポンプ
吸込側開口35に対向する溝部である。
【0039】40はフロントボディ21の上方に前記シ
ャフト26と直交する方向に形成されたバルブ孔41と
スプール42とからなる制御バルブである。この制御バ
ルブ40により、前記アダプタリング29内でカムリン
グ27の両側に前記揺動支点ピン31とその軸対象位置
に設けたシール材45により分割形成した第1、第2の
流体圧室43,44に導入する流体圧を制御するように
構成されている。
【0040】前記バルブ孔41の一端側には、図示しな
いが前記ポンプ吐出側圧力室33からの通路51(図1
中破線で示す)が接続されている。前記スプール42の
軸線方向に沿って通路52が形成されている。この通路
52の一部、ここではスプール42の他端側に設けられ
るばね54aを有するばね室54側に固定メータリング
絞り53が設けられている。前記ばね室54の外方端に
は、ポンプ吐出側ポート55が通路孔55aを介して形
成され、図示しない油圧利用機器としてのパワーステア
リング装置に圧油を給送する。
【0041】前記スプール42は、前述したように第
1、第2の流体圧室43,44に対して固定メータリン
グ絞り53の上、下流側の流体圧を、ポンプ回転数に応
じて導入するように構成されている。固定メータリング
絞り53の上流側の流体圧は、制御バルブ40のバルブ
孔41において一端寄りに開口する通路孔56を介して
導入するように構成されている。この通路孔56はスプ
ール42が図1中左方に位置している初期状態ではラン
ド42aにより遮断されており、このときにはスプール
42の中央の環状溝を介してこの部分に開口しているポ
ンプ吸込側(タンクTの圧力)がランド42aの小径部
分との間の隙間通路42bを介して導入されている。
【0042】また、前記スプール42が固定メータリン
グ絞り53および後述する可変メータリング絞りの上、
下流側の流体圧の差圧によって図中左方に移動するにし
たがって、上述したポンプ吸込側から切り離され、絞り
の上流側の流体圧が通路孔56を介して第1の流体圧室
43に導入される。このような通路孔56への制御バル
ブ40による供給流体圧の制御は、図5に対応する図6
(a),(b)、図7(a),(b)に示す通りであ
る。前記通路孔56の一部はダンパ絞り56aとして構
成されている。
【0043】一方、前記固定メータリング絞り53の下
流側の流体圧は、前記吐出ポート55の一部に開口しダ
ンパ絞りとして機能する通路孔57を介して第2の流体
圧室44に作用する。
【0044】前記ポンプ吐出側通路の一部、この実施の
形態では、プレッシャプレート30に形成した三つの小
孔58による通路が、ポンプ吐出側圧力室33から前記
吐出側通路51とは別に分岐して形成され、第2の流体
圧室44に開口している。これらの小孔58の開口端と
前記カムリング27の外周縁の周縁部とによって、前記
可変メータリング絞り59が形成されている。この可変
メータリング絞り59を通過する流体圧は、第2の流体
圧室44、アダプタリング29の切欠き部分を通り、前
記通路孔57から前記吐出ポート55に開口している。
【0045】図1、図2において、符号61は前記カム
リング27を付勢する圧縮コイルばねで、この圧縮コイ
ルばね61は前記第2の流体圧室44の一部に臨む円形
空間内に配置されている。この円形空間は、前記フロン
トボディ21の外方から形成された孔部62を閉塞する
ように螺入したプラグ部材63の筒状部内に形成され、
この筒状部には一端が開口するプランジャダンパ64が
前記ばね61の弾撥力によってカムリング27の外周部
に当接するとともに、このカムリング27の揺動動作に
かかわらず、常にカムリング27に対してばね61によ
る付勢力を作用させるように構成されている。図中64
aはプランジャダンパ64の外周部でプラグ部材63の
筒状部との間をシールするシール材としてのOリングで
ある。
【0046】前記プランジャダンパ64の一部には、ば
ね61を配設した内部と第2の流体圧室44とを連通す
る小孔によるダンパ絞り65が形成されている。なお、
このダンパ絞り65に代えて、前記プラグ部材63の一
部に大気に開口するブリード孔63aを設け、このブリ
ード孔63aの働きで前記ばね61とプランジャダンパ
64とによってダンパ機能が得られるように構成しても
よい。上述したダンパ絞り65はたとえば0.6mm程
度の穴径で形成すればよい。また、前記プランジャダン
パ64の外周にはOリングが介装され、この部分をシー
ルしているが、このOリングはカムリング27の振動を
抑制する効果も備えている。
【0047】図2中48はリアボディ22の一部に設け
たリリーフバルブであり、前記第2の流体圧室44に開
口することによりポンプ吐出側通路の一部に接続され、
ポンプ吐出側の流体圧をリアボディ22に設けた通路4
8aを介してポンプ吸込側に逃がすことができるように
構成されている。以上のようなベーンタイプの可変容量
形ポンプ20において、上述した以外の構成は従来から
広く知られている通りであり、ここでの具体的な説明は
省略する。
【0048】上述した構造による可変容量形ポンプ20
によれば、ポンプ吐出側圧力室33からの吐出側通路5
1,52,55a、58,57を、固定メータリング絞
り53、可変メータリング絞り59を設けた二系統とし
ている。また、これらのメータリング絞り53,59の
上流側の流体圧とポンプ吸込側の流体圧(タンク圧)と
から制御バルブ40によって制御した制御圧をカムリン
グ27の揺動方向の一側である第1の流体圧室43に導
入している。一方、前記メータリング絞り53,59の
下流側の流体圧を前記カムリング27の揺動方向の他側
である第2の流体圧室44に導入している。
【0049】このような構造によれば、カムリング27
をポンプ吐出側の流量の大きさに応じて所要の状態で揺
動させ、ポンプ吐出側への供給流量を図5に示すように
一定量またはポンプ回転数の増加とともに一定量以下の
任意の量に維持することができる。
【0050】ここで、図5において、ポンプ回転が低速
から中速域に至ると、a−b、さらにcに示すように供
給流量が変化する。このとき、制御バルブ40は、図6
(a),(b)に示すように、ポンプ回転が低速である
ときには、第1の流体圧室43には通路孔56、ダンパ
絞り56aを介してポンプ吸込側の流体圧(タンク圧)
が導かれ、両メータリング絞り53,59の絞り量によ
って得られる差圧で決められた一定量を維持する。
【0051】ポンプ回転数が高速域に至ると、制御バル
ブ40のスプール42が図7(a),(b)に示すよう
に左行し、第1の流体圧室43への通路孔56をメータ
リング絞り53,59の上流側の流体圧に切り換える。
したがって、前記カムリング27は、ばね61を設けて
いる第2の流体圧室44側に揺動し、これにより可変メ
ータリング絞り59は徐々に閉じられる。
【0052】上述した可変メータリング絞り59を構成
する小孔58がカムリング27の外側縁部によって完全
に閉じられると、固定メータリング絞り53の上、下流
側の差圧で制御バルブ40が制御され、これによって定
められる流量を維持することができる(図5中d−eで
示す)。このような流量特性がいわゆるドルーピング特
性である。
【0053】ここで、上述した可変メータリング絞り5
9を構成する小孔58とカムリング27の外側縁部の変
位による開口量との関係を変更すると、図5中一点鎖線
で示すように流量特性を変更することができる。
【0054】なお、この実施の形態では、上述した小孔
58を三個用いており、これによって形成される可変メ
ータリング絞り59は、従来から広く知られているタイ
プの可変絞りにおける開口量よりも小さい。また、この
ような可変メータリング絞り59としては、上述した図
1ないし図4に示すようにカムリング2の外側縁部で開
閉される三個の小孔58に限らず、一個またはそれ以上
の小孔58によって構成することができる。
【0055】前記カムリング27の揺動量は、現行品で
はたとえば1.9mm程度であり、複数個の小孔58
(合計の開口量が1個のものと同等)を設けると、カム
リング27の少ない変位によって絞りを開閉することが
できるから、ポンプ性能の設定上から便利である。この
実施の形態では、たとえば三個の小孔58として、一個
の1mm径の小孔58(カムリング27の変位方向の先
端側)と二個の1.1mm径の小孔58(変位方向の後
側)とを用いるとよいが、これに限らない。前述したよ
うに特性を変更するには、これらの孔の径を適宜変更し
たり、開口位置をカムリング27の移動方向に並ぶよう
にずらしたり、この移動方向に沿って開口量を変化させ
ればよい。また、このような小孔58は円形のものに限
らず、角穴、異形穴などであってもよい。
【0056】また、前記カムリング27を揺動させる第
1、第2の流体圧室43,44を、ダンパ絞り56a,
57を介して制御バルブ40、ポンプ吐出側通路(吐出
側ポート55)に接続しているから、ポンプ回転数の増
減による吐出側通路の途中のメータリング絞り53,5
9の上、下流側での流体圧の圧力差に伴ってカムリング
27が揺動する際に、カムリング27に対して両揺動方
向で所要の制動力を与えることができる。
【0057】ここで、上述したダンパ絞り56aはたと
えば1.2mm程度の穴径とすればよい。また、可変メ
ータリング絞り59の下流側に位置するダンパ絞りとな
る通路孔57は、たとえば2mm程度の穴径で形成する
とよい。
【0058】このような構造によれば、第1、第2の流
体圧室43,44側への揺動時に適切な制動力を与える
ことができるから、カムリング27が振動したり、ポン
プ吐出側で脈動を生じたりすることがないようにカムリ
ング27を所要の状態で円滑に揺動させることができ
る。なお、上述したダンパ絞りとなる通路孔57は、固
定メータリング絞り53の下流側であればよいから、た
とえば制御バルブ40のばね室54側に連通させること
もできる。
【0059】この実施の形態では、付勢手段である圧縮
コイルばね61の付勢力をプランジャダンパ62を介し
てカムリングに作用させているから、カムリング27に
対して付勢力と制動力を適切に作用させ、円滑な揺動を
より一層効果的に得ることができる。ここで、このプラ
ンジャダンパ62の動きを適切に制御するには、エアブ
リード孔63aを設け、ばね61を設けた側の空間を大
気に所定の絞りを介して開口させることにより、効果を
より一層向上させることができる。
【0060】図8は上述した第1の実施の形態における
可変容量形ポンプ20を、ドルーピングタイプから定流
量タイプに変更した場合を示し、図2に対応する側断面
図である。この実施の形態では、上述したドルーピング
タイプのものとは異なり、可変メータリング絞りが必要
ないから、プレッシャプレート30での第2の流体圧室
44に開口する小孔58を省略している。また、制御バ
ルブ40におけるスプール42の固定メータリング絞り
53は、要求されるポンプ特性に合わせて適宜の絞り径
で形成すればよい。
【0061】また、図示しないが、前記制御バルブ40
のスプール42に設けた固定メータリング絞り53の下
流側の流体圧を第2の流体圧室44に導く通路孔57を
絞り部として機能する径で形成するか、その一部に絞り
部を設けるとよい。
【0062】勿論、このような構造であっても、プラン
ジャダンパ64やダンパ絞りとなる通路孔57とによっ
て、第2の流体圧室44側でもカムリング27へのダン
パ効果を作用させることができる。したがって、このよ
うな構造のポンプでも、上述した実施の形態と同様に、
カムリング27の揺動動作時における振動を減衰させ、
ポンプ吐出側での脈動を低減し、騒音を抑制することが
できる。
【0063】また、この実施の形態における構造では、
可変容量形ポンプ20において、ドルーピングタイプの
ものと定流量タイプのものとの間で、可変メータリング
絞りを構成する以外の部分は部品の共通化を図ることが
でき、仕様の変更に対する対応を簡素化することができ
るという利点がある。
【0064】図9および図10は本発明に係る可変容量
形ポンプ20において、ドルーピングタイプの流量特性
をもつ場合の第2の実施の形態を示す。これらの図にお
いて、前述した図1〜図7と同一または相当する部分に
は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】この第2の実施の形態も、第1の実施の形
態と同様に、ポンプ吐出側の流量を回転数の増加に伴っ
て供給流量を最大流量よりも減少させる、いわゆるドル
ーピング特性とする可変容量形ポンプである。
【0066】この実施の形態では、可変メータリング絞
り70を、前述した第1の実施の形態とは異なり、カム
リング27の揺動に連動するプランジャダンパ64の動
きを利用して設けている。
【0067】これを詳述すると、図9および図10に示
すように、ポンプ吐出側圧力室33から前記制御バルブ
40側への吐出側通路51とは別に分岐した通路71を
ポンプボディ21に設けている。この通路71は、圧縮
コイルばね61を収納したプラグ部材63とボディ21
との間の空間からなる通路部72から径方向に穿設した
通路孔73を経て、前記プランジャダンパ64の外周部
に凹設した環状溝74の外方端側に連通している。
【0068】前記環状溝74の内方端側は、前記通路孔
73とは別の径方向の小径孔75を介してプラグ部材6
3の筒状部外周の一部に形成した空間からなる通路部7
6からボディ21に形成した通路孔77を経て前記ポン
プ吐出側ポート55に連通している。
【0069】そして、上述したプランジャダンパ64の
環状溝74と小径孔75とによって前記可変メータリン
グ絞り70が形成されている。すなわち、プランジャダ
ンパ64がカムリング27の揺動に伴って移動すると、
小径孔75が徐々に閉じられることにより、可変メータ
リング絞り70が、前記第2の流体圧室44に対して区
画された位置に形成されている。
【0070】ここで、この小径孔75としては、カムリ
ング27の揺動に伴う変位で可変メータリング絞りを開
閉する場合に比べて、穴径の選択がより一層自由にな
る。すなわち、前述した第1の実施の形態での小孔より
も穴径を小さくすることができ、ポンプの回転数に対す
る供給流量特性の選択幅が広がる。また、ダンパ効果を
より一層効果的に作用させることもできる。
【0071】また、このような構造では、カムリング2
7が振動してもその影響が可変メータリング絞り70に
は直接影響しないので、脈動の発生を少なくすることが
できる。このような利点は、上述したように可変メータ
リング絞り70を第2の流体圧室44とは区画された位
置に設けることで、より一層効果的となる。
【0072】また、前述した実施の形態では、プレッシ
ャプレート30に設けた小孔58を変更することにより
ポンプの流量特性を変更しているから、プレッシャプレ
ートの共通化が図れないという問題があるが、この実施
の形態では、この問題はなくなり、プレッシャプレート
30を標準部品として用いることができる。
【0073】さらに、この第2の実施の形態では、前述
した第1の実施の形態とは異なり、ばね61を組み付け
るためのプラグ部材63やプランジャダンパ64の交換
のみでポンプの流量特性を変更するにあたって、ポンプ
本体部の分解作業が必要ないという利点がある。
【0074】なお、本発明は上述した実施の形態構造に
限定されず、可変容量形ポンプ20の各部の形状、構造
等を、適宜変形、変更することは自由であり、種々の変
形例が考えられる。また、上述した各実施の形態では、
固定メータリング絞り53や可変メータリング絞り59
というように単に「絞り」として説明したが、これはこ
のような絞り部分がオリフィスであってもチョークであ
ってもよいからである。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る可変容
量形ポンプによれば、固定メータリング絞りと可変メー
タリング絞りとを二系統に分岐した吐出側通路系に設け
るとともに、カムリングの両側に形成される第1、第2
の流体圧室にダンパ機能を付加しているため、カムリン
グの両揺動方向ともダンパ機能を適切に作用させること
ができ、カムリングの揺動時の振動を適切に減衰させる
ことができるとともに、ポンプ吐出側での脈動を改善す
ることができる。したがって、従来問題であった騒音を
少なくすることができる。
【0076】また、本発明によれば、ドルーピングタイ
プの流量特性をもつポンプを構成するにあたって、固定
メータリング絞りと可変メータリング絞りとを通る二系
統のポンプ吐出側の通路構造を採用しているから、ポン
プの回転数に対する供給流量の特性の調整や変更を簡単
に行うことができる。
【0077】また、本発明によれば、ポンプの吐出側通
路の一系統を制御バルブを通過するように設けることに
より、脈動を低減することができる。また、上述した利
点をもつ可変容量形ポンプを、従来と同等の大きさで簡
単に構成することができる。
【0078】また、本発明によれば、プランジャダンパ
部分に可変メータリング絞りを設けることにより、カム
リングの揺動動作時における振動が可変メータリング絞
りに直接伝わらないため、この可変メータリング絞りを
通過する圧力流体での脈動の発生を少なくすることがで
きる。しかも、このようなプランジャダンパは必要に応
じて簡単に追加することができるから、従来タイプのポ
ンプを簡単に改造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプにおいてドル
ーピングタイプの流量特性をもつ場合の第1の実施の形
態を示し、低回転時(図5のa−bの直前)の状態にあ
るポンプの要部断面図である。
【図2】 図1のII−II線で断面した片側の断面図であ
る。
【図3】 図1、図2の可変容量形ポンプにおいてカム
リングの一側に配設されるプレッシャプレートの側面図
である。
【図4】 プレッシャプレートに穿設した三つの小孔と
カムリングの外周縁部の揺動動作による関係を説明する
ための図である。
【図5】 図1、図2の可変容量形ポンプにおけるポン
プ回転数に対する供給流量を説明するための特性図であ
る。
【図6】 (a)はポンプの低回転時(図5のa−bの
直前)における制御バルブによる第1の流体圧室への制
御圧力を説明するための制御バルブ部の断面図、(b)
はその要部拡大図である。
【図7】 (a)はポンプの低回転時(図5のb−e)
における制御バルブによる第1の流体圧室への制御圧力
を説明するための制御バルブ部の断面図、(b)はその
要部拡大図である。
【図8】 図1、図2でのドルーピングタイプの流量特
性をもつ可変容量形ポンプを定流量タイプとして用いる
場合のポンプ構造を説明するための図2に対応する断面
図である。
【図9】 本発明に係る可変容量形ポンプにおいてドル
ーピングタイプの流量特性をもつ場合の第2の実施の形
態を示し、(a)は低回転時の状態にあるポンプの要部
断面図、(b)はその要部拡大図である。
【図10】 図9(a)のX−X線で断面した片側の断
面図である。
【図11】 従来の可変容量形ポンプを示す低回転時の
状態での作動説明図である。
【図12】 図11のポンプにおけるポンプ回転数に対
する供給流量を説明する特性図である。
【符号の説明】
20…ベーンタイプの可変容量形ポンプ(可変容量形ベ
ーンポンプ)、21…フロントボディ(ポンプボデ
ィ)、22…リアボディ(ポンプボディ)、23…ポン
プ構成要素、24…収納空間、25…ロータ、25a…
ベーン、26…ドライブシャフト(回転軸)、27…カ
ムリング、28…ポンプ室、29…アダプタリング、3
0…プレッシャプレート、31…揺動支点ピン、33…
ポンプ吐出側圧力室、34…ポンプ吐出側開口、35…
ポンプ吸込側開口、40…スプール式制御バルブ、41
…バルブ孔、42…スプール、42a…ランド部、42
b…隙間通路、43,44…第1、第2の流体圧室、4
5…シール材、48…リリーフバルブ、51…吐出側通
路、53…固定メータリング絞り、55…ポンプ吐出側
ポート、55a…通路、56…通路孔、56a…ダンパ
絞り、57…通路孔(ダンパ絞り)、58…小孔(可変
メータリング絞り)、59…可変メータリング絞り、6
1…圧縮コイルばね(付勢手段)、62…孔部、63…
プラグ部材、63a…ブリード孔、64…プランジャダ
ンパ、64a…Oリング、64b…開口、65…ダンパ
絞り、70…可変メータリング絞り、71…ポンプ吐出
側の分岐通路、72…通路部、73…通路孔、74…環
状溝、75…小径孔、76…通路部、77…通路孔、7
8…ダンパ絞り部となる通路孔、79…ダンパ絞り、T
…タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 屋村 竜史 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内 (72)発明者 下 貴志 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内 (72)発明者 内野 一義 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内 Fターム(参考) 3H040 AA03 BB01 BB09 BB11 CC10 CC16 CC22 DD21 DD23 DD33 DD37 DD39 DD40 3H044 CC11 CC14 CC27 DD10 DD11 DD13 DD24 DD27 DD28 DD35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータを一側寄りに片寄らせた状態で配
    置しこのロータの他側寄りの部分との間にポンプ室を形
    成するカムリングと、 前記カムリングをその外周面の一部に設けた揺動支点ピ
    ンを支点として揺動可能に支持する内部空間を有するポ
    ンプボディと、 前記ポンプボディ内で前記カムリングを前記ポンプ室か
    らのポンプ容量を最大とする方向に付勢する付勢手段
    と、 前記ポンプボディの内部空間内で前記カムリングの外周
    部との間にシール手段を介して分割形成され前記カムリ
    ングを揺動させる流体圧が導かれる第1および第2の流
    体圧室と、 前記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出側通路の途
    中に設けたメータリング絞りの上、下流側の流体圧によ
    り作動され前記カムリングの揺動を制御するスプール式
    の制御バルブとを備えた可変容量形ポンプにおいて、 前記メータリング絞りを、前記吐出側通路の一部に設け
    た固定メータリング絞りと、この固定メータリング絞り
    の上流側の吐出側通路から分岐した通路の一部で前記カ
    ムリングの揺動により開閉するように設けた可変メータ
    リング絞りとによって構成するとともに、 前記固定メータリング絞りと固定メータリング絞りの上
    流側の流体圧を前記制御バルブにより制御することによ
    りダンパ絞り部を介して前記第1の流体圧室に導入する
    流路を設け、 前記固定メータリング絞りと可変メータリング絞りの下
    流側の流体圧をダンパ絞り部を介して前記第2の流体圧
    室に導入する流路を設けたことを特徴とする可変容量形
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の可変容量形ポンプにお
    いて、 前記制御バルブのスプールを摺動自在に支持するバルブ
    孔の一端に前記吐出側通路を接続し、前記スプール内に
    軸線方向に沿って吐出側通路を構成する通路孔を形成す
    るとともに、前記バルブ孔の他端を前記ポンプボディに
    設けたポンプ吐出側ポートに接続し、 前記スプール内の通路孔の一部に前記固定メータリング
    絞りを設けたことを特徴とする可変容量形ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の可変容
    量形ポンプにおいて、 前記分岐通路を、前記第2の流体圧室の側壁部で前記カ
    ムリングの外側縁部で開閉される位置に開口した開口に
    よって、前記可変メータリング絞りを構成したことを特
    徴とする可変容量形ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の可変容量形ポンプにお
    いて、 前記分岐通路の前記第2の流体圧室への開口を複数の小
    孔によって構成したことを特徴とする可変容量形ポン
    プ。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記付勢手段を内設したプランジャダンパを、前記第2
    の流体圧室内に設け、このプランジャダンパを前記カム
    リングの側部に当接させたことを特徴とする可変容量形
    ポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2に記載の可変容量形
    ポンプにおいて、 前記付勢手段を内設したプランジャダンパを、前記第2
    の流体圧室内に設け、このプランジャダンパを前記カム
    リングの側部に当接させるとともに、 前記カムリングの揺動に伴って移動するプランジャダン
    パの動きで前記分岐通路の一部を開閉する可変メータリ
    ング絞りを、前記第2の流体圧室とは区画された位置に
    設けたことを特徴とする可変容量形ポンプ。
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