JP3636880B2 - リリーフバルブ付きポンプ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はたとえば自動車のハンドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流体利用機器に用いる可変容量形ベーンポンプ、容量形ベーンポンプ等のポンプに関し、特に流体圧が所定圧となったときに圧力流体をポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブ付きポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
動力舵取装置用ポンプとして従来一般には、自動車用エンジンで直接回転駆動される容量形のベーンポンプが用いられている。このような容量形ポンプは、エンジン回転数に対応して吐出流量が増減するため、自動車の停車中や低速走行時に操舵補助力を大きくし、高速走行時に操舵補助力を小さくするという動力舵取装置に要求される操舵補助力とは相反する特性をもっている。したがって、このような容量形ポンプでは、回転数が低い低速走行時にも必要な操舵補助力が得られる程度の吐出流量を確保できる大容量のものを用いている。そして、回転数が高い高速走行時のためには、吐出流量を一定量以下に制御する流量制御弁(フローコントロールバルブ)を備えている。
【0003】
また、上述した容量形ポンプでは構成部品点数が比較的多く、構造や通路構成が複雑し易いことから最近では、一回転当たりの吐出流量(cc/rev)を回転数の増加に比例して減少させることが可能な可変容量形ベーンポンプが、たとえば特開昭53−130505号公報、特開昭56−143383号公報、特開昭58−93978号公報、実公昭63−14078号公報、特開平5−278622号公報、特開平7−243385号公報等によって提案されている。このような可変容量形ポンプによれば、上述した容量形ポンプのような流量制御弁が不要で、また駆動馬力の無駄が防げるためエネルギ効率の面でも優れ、またタンク側への戻りもないことから油温が上昇するというようなことがなく、しかもポンプ内部での漏れや容積効率が低下するという問題も防止することができる。
【0004】
このような可変容量形のベーンポンプの一例を、特開平7ー243385号公報におけるポンプ構造を示す図14を用いて簡単に説明すると、図中1はポンプボディ、1aはアダプタリング、2はこのボディ1のアダプタリング1a内に形成される楕円形空間部1b内で揺動支点となる支軸部2aを介して揺動可能に設けられたカムリングで、図中白抜き矢印Fで示す方向に押圧する付勢手段(圧縮コイルばね)により付勢されている。
3はロータで、前記カムリング2内でポンプ室4を一側に形成するように他側寄りに偏心して収容され外部駆動源によって回転駆動されることで放射方向に進退自在に保持したベーン3aを進退させる。なお、図中3bはロータ3の駆動軸で、ロータ3は図中矢印で示す方向に回転駆動される。
【0005】
5,6はボディ1のアダプタリング1aの楕円形空間部1b内でカムリング2の外周面両側に形成された高圧側、低圧側となる一対の流体圧室で、これらの室5,6には、カムリング2を揺動させるための制御圧としてポンプ吐出側通路11に設けた可変オリフィス12の前後の流体圧を導く通路5a,6aが、後述するスプール式制御バルブ10を介して開口している。そして、これらの通路5a,6aによりポンプ吐出側通路11の可変オリフィス12の前後の流体圧を導入することにより、カムリング2を所要の方向に揺動させてポンプ室4内の容積を変え、ポンプ吐出側での流量に対応して吐出流量を制御する。すなわち、ポンプ回転数の増加に伴って吐出側の流量を減少させるように吐出側の流量制御を行なう。
【0006】
7は前記ポンプ室4のポンプ吸込側領域4Aに臨んで開口されるポンプ吸込側開口(吸込ポート)、8はポンプ室4のポンプ吐出側領域4Bに臨んで開口されるポンプ吐出側開口(吐出ポート)である。これらの開口7,8は、ロータ3およびカムリング2からなるポンプ構成要素を両側から挾み込んで保持するための固定壁部であるプレッシャプレートおよびサイドプレート(図示せず)のいずれかに形成されている。
カムリング2は図中Fで示すように流体圧室6側から圧縮コイルばねによって付勢力が与えられ、前記ポンプ室4内の容積を最大に維持する方向に押圧されている。また、図中2bはカムリング2の外周面に設けられ軸支部2aとともに左、右両側に流体圧室5,6を画成するためのシール材である。
【0007】
なお、7a,8aは前記ポンプ吸込側開口7、ポンプ吐出側開口8のポンプ回転方向の終端部に連続して形成されたひげ状のノッチである。これらのノッチ7a,8aは、ロータ3の回転に伴って各ベーン3aの先端をカムリング2の内周面に摺接させてポンプ作用を行わせる場合に、各開口7,8の端部に接近するベーン間で挾まれた空間とこれに隣接するベーン間の空間との間で流体圧を高圧側から低圧側へと徐々に逃がし、サージ圧やこれによる脈動を低減するためのものである。
【0008】
前記スプール式制御バルブ10は、ポンプ吐出側通路11の途中に設けた可変メータリングオリフィス12の前後での差圧P1,P2により作動し、ポンプ吐出側の流量の大小に応じた流体圧P3を、前記カムリング2の外側部で高圧側の流体圧室5に対し導入することにより、ポンプ作動初期において充分な流量を確保できるように構成している。特に、このような制御バルブ10は、圧力流体利用機器の作動による負荷作用時に、可変オリフィス12の前後での差圧が所定の値以上になったときに可変オリフィス12よりも上流側の流体圧P1を制御圧としてカムリング2外側の高圧側流体圧室5に導入することにより、カムリング2の揺動を防止できるように構成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した構成による従来の可変容量形ベーンポンプのようなポンプ装置において、ポンプボディあるいはこれに一体的に付設されるバルブボディの一部には、ポンプ吐出側通路内の流体圧が一定圧以上になったときにその圧力流体をポンプ吸込側(またはタンク)に還流させるための圧力制御弁としてリリーフバルブが設けられている。このようなリリーフバルブとして従来から種々の構造のものが知られているが、最も一般にはバルブシートによって形成したリリーフ孔を開閉する弁体としてボールを用い、このボールをボール受けにより保持するとともに、圧縮コイルばねにより常時は弁閉状態を保てるような構造のものがある。
【0010】
このようなリリーフバルブによれば、ポンプの運転動作中においてポンプ吐出側の流体圧が予め定めた設定圧以上に達したときに流体の流れの一部または全量をポンプ吸込側(タンク側)に逃がすことができる。
このようなリリーフバルブは、容量形ポンプでは前述したフローコントロールバルブとして機能する流量制御弁に一体的に組込んだり、この流量制御弁に並列に組込むことにより設けられている。また、前述した可変容量形ベーンポンプでは、ポンプボディ等の適宜の位置にポンプ吐出側通路とポンプ吸込側通路とを接続する通路の途中に設けられている。
【0011】
後者の可変容量形のポンプでは、前者の容量形ポンプのような流量制御弁が設けられていないので、ポンプ吐出側からポンプ吸込側に圧力流体を還流させるために必要なものの一つである。特に、この可変容量形ポンプでは、リリーフバルブの作動時にその内部をポンプ吸込側に還流させるための全ての流量が全量通過して排出される構造であり、このリリーフ時における流体の流れによる悪影響が生じないような対策を講じることが必要である。
【0012】
すなわち、上述したリリーフバルブ付きのポンプにおいて、ポンプ運転動作中におけるリリーフ時における圧力流体の流れによってリリーフバルブを構成するバルブ部品、たとえばボールやボール受け、さらには圧縮コイルばねが振動して、異音や圧力変動を引き起こすという問題がある。
【0013】
このようなリリーフバルブの作動時における異音としては、リリーフバルブの内部を流体が流れることにより「シュー」、「ピー」という流体音がある。また、ボール、ボール受け等が流体の流れや断続的なリリーフ動作によって振動することで他の部品との衝突に伴う打音(振動音)がある。このような異音は制御する流体流量が多い可変容量形のポンプでは特に問題であった。
【0014】
また、上述したリリーフバルブにおいて、リリーフ時に流れる流体の流量が多いと、圧力変動も大きくなる。これは、リリーフバルブは所定圧に達したか否かによって断続的に作動し、この作動に伴うボールやボール受けの動き、圧縮コイルばねの伸縮動作が著しく、その結果圧力変動が大きくなる。このような圧力変動は、リリーフバルブ部分を通過する流量が多いほど大きい。
【0015】
このようなリリーフバルブでのリリーフ時における異音や圧力変動が生じるという問題は、前述した可変容量形ポンプは勿論、容量形ポンプにおけるパイロット型のリリーフバルブにおいても同様であり、このようなポンプに用いているリリーフバルブにおけるリリーフ時の異音等の発生を阻止できる何らかの対策を講じることが必要となっている。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、リリーフバルブのリリーフ時に流体の流れによりリリーフバルブ内部の構成部品が振動することにより引き起こされていた異音や圧力変動を抑制することができるリリーフバルブ付きポンプを得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような要請に応えるために本発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、ポンプボディ内に設けたポンプ構成要素によって構成したポンプ室からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブを、バルブシートのリリーフ孔を開閉するボールと、このボールを保持するボール受けと、前記ボールにリリーフ孔を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばねとを有し、これらの部材を組込み配置したバルブ孔の内壁面に前記リリーフ孔からリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔を開口させているリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記ボール受けの一部に環状を呈する弾性部材を嵌装し、この弾性部材は外周面に前記バルブ孔と摺動する摺動面を有するものである。
請求項2に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、ポンプボディ内に設けたポンプ構成要素と、このポンプ構成要素によって構成したポンプ室からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブを備え、このリリーフバルブを、バルブシートのリリーフ孔を開閉するボールと、このボールを保持するボール受けと、このボール受けを介して前記ボールにリリーフ孔を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばねとを有し、これらの部材を組込み配置したバルブ孔の内壁面に前記リリーフ孔からリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔を開口させているリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記ボール受けに設けられ、前記バルブ孔と摺動する摺動部材を備えるものである。
【0018】
請求項3に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、ポンプボディ内に設けたポンプ構成要素と、このポンプ構成要素によって構成したポンプ室からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブを備え、このリリーフバルブを、バルブシートのリリーフ孔を開閉するボールと、このボールを保持するボール受けと、このボール受けを介して前記ボールにリリーフ孔を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばねとを有し、これらの部材を組込み配置したバルブ孔の内壁面に前記リリーフ孔からリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔を開口させているリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記ボール受けの一部に環状を呈し、外周面に前記バルブ孔と摺動する摺動面を有する弾性部材を嵌装させるとともに、前記バルブ孔の一端側に前記圧縮コイルばねを設けたばね室を形成し、このばね室を前記ポンプ吸込側に絞り通路を介して接続したものである。
請求項4に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、請求項3に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記絞り通路を、前記バルブ孔内周面と前記ボール受けのボール受け部外周面との間の隙間、バルブ孔内周面と前記ボール受け部外周面のいずれかに凹設した溝部、ボール受け部に形成した孔部または前記バルブ孔の内周面の一部に開口する孔部のいずれかによって構成したものである。
【0019】
請求項5に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記ポンプ構成要素は可変容量形ポンプを構成する部材からなるものである。
請求項6に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、請求項1または請求項3に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記弾性部材と前記圧縮コイルばねとの間に設けられ、金属材料で形成されたばね押さえを備えるものである。
請求項7に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプは、請求項2に記載した発明に係るリリーフバルブ付きポンプにおいて、前記摺動部材と前記圧縮コイルばねとの間に設けられ、金属材料で形成されたばね押さえを備えるものである。
【0020】
本発明によれば、ポンプ吐出側の圧力流体が所定圧となったときにその圧力流体をポンプ吐出側からポンプ吸込側にリリーフするリリーフバルブにおいて、ボール受けに嵌装した環状の弾性部材・摺動部材やボール受けの背面側に形成されるばね室とポンプ吸込側との間に形成した絞り通路によってボール受けの流体の流れによる振動を抑制し、従来のリリーフバルブにおいてリリーフ時における流体の流れの影響でリリーフバルブの構成部品が振動することにより引き起こされていた異音の発生や、圧力変動を軽減することができる。
【0021】
リリーフバルブのバルブ孔とは、たとえばポンプボディのバルブ組込み部に組込んだスリーブ部材の内部に形成した孔部によって構成されるが、これに限らず、ポンプボディ等に形成した孔部であってもよい。
ボール受けは、ボールを保持するボール受け部とこのボール受け部に一体的に設けたばねガイド部とから構成されるが、これに限らず、ボール受け部のみを有するものであってもよい。
【0022】
環状の弾性部材とは、たとえば合成樹脂材により形成した矩形断面、円形断面の樹脂リングあるいはOリングからなり、ボール受けのばねガイド部やボール受け部の外周に形成した環状溝内に組込んだものをいう。
絞り通路とは、たとえばバルブ孔内周面とボール受けのボール受け部外周面との間の隙間、バルブ孔内周面とボール受け部外周面のいずれかに凹設した溝部、ボール受け部に形成した孔部またはバルブ孔内周面の一部に開口する孔部のいずれかによって構成されるが、これには限らない。
【0023】
また、リリーフバルブ付きポンプとは、たとえば可変容量形ポンプをいうが、これに限らず、容量形ポンプであってもよく、要はリリーフバルブを備えたポンプであればよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプを可変容量形ポンプに適用した場合の第1の実施の形態を示し、これらの図において、この実施の形態では動力舵取装置の油圧発生源となるベーンタイプのオイルポンプである場合を説明する。
【0025】
図3、図4において全体を符号20で示すベーンタイプの可変容量形ポンプは、ポンプボディを構成するフロントボディ21およびリアボディ22を備えている。このフロントボディ21は、図3に示すように全体が略カップ状を呈し、その内部にポンプカートリッジとしてのポンプ構成要素23を収納配置する収納空間24が形成されるとともに、この収納空間24の開口端を閉塞するようにリアボディ22が組合わせられ一体に組立てられる。なお、このフロントボディ21には、ポンプ構成要素23の回転子であるロータ25を外部から回転駆動するためのドライブシャフト26が貫通した状態で軸受26a,26b,26c(26a,26bはフロントボディ21側、26cはリアボディ22側に配設される)により回転自在に支持されている。また、26dはオイルシールである。
【0026】
27はベーン25aを有するロータ25の外周部に嵌装して配置される内側カム面27aを有し、かつこの内側カム面27aとロータ25との間にポンプ室28を形成するカムリングで、このカムリング27は、後述するように、ポンプ室28の容積を可変するように収納空間24内で空間内壁部分に嵌合状態で設けられたアダプタリング29内で移動変位可能に配置されている。
なお、このアダプタリング29は、ボディ21の収納空間24内でカムリング27を移動変位可能に保持するためのものである。
【0027】
30は上述したロータ25、カムリング27およびアダプタリング29によって構成されているポンプカートリッジ(ポンプ構成要素23)のフロントボディ21側に圧接して積層配置されるプレッシャプレートで、またポンプカートリッジの反対側面には前記リアボディ22の端面がサイドプレートとして圧接され、フロントボディ21とリアボディ22との一体的な組立てによって所要の組立状態とされる。そして、これらの部材によって、前記ポンプ構成要素23が構成されている。なお、プレッシャプレート30と、これにカムリング27を介して積層されるサイドプレートとなるリアボディ22とは、カムリング27の揺動変位用の軸支部および位置決めピンとして機能し、さらにカムリング27を揺動させる流体圧室を画成するシール機能を有する後述する支点ピン31や適宜の回り止め手段(図示せず)によって回転方向で位置決めされた状態で一体的に組付け固定されている。
【0028】
33は前記フロントボディ21の収納空間24内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室で、この圧力室33によってポンプ吐出側圧力がプレッシャプレート30に作用する。34はこのポンプ吐出側圧力室33にポンプ室28からの圧油を導くようにプレッシャプレート30に穿設されているポンプ吐出側開口34aを有するポンプ吐出側通路である。
【0029】
35は図3に示すようにフロントボディ21の一部に設けられたポンプ吸込ポートで、このポート35を介してタンク(図示せず)から流入する吸込側流体は、フロントボディ21内に形成されたポンプ吸込側通路35a、これに連続してリアボディ22内に形成された通路35b,35cを通り、リアボディ22の端面に開口するポンプ吸込側開口36からポンプ室28内に供給される。
【0030】
38は図4に示すようフロントボディ21の側方に向かって開口するポンプ吐出ポートで、前述したポンプ室28からポンプ吐出側通路34、ポンプ吐出側圧力室33、プレッシャプレート30の異なる位置に穿設した流体通路孔39,39a、後述する第2の流体圧室42、カムリング27を付勢するばね51を収納するプラグ52によるばね室52a、フロントボディ21に形成した切欠き溝53、ボディ21内に形成した通路孔54を介して給送されるポンプ吐出側流体圧を吐出し、図示しないパワーステアリング装置等の油圧機器に給送するための部分である。
【0031】
ここで、上述したポンプ吐出側通路(34,33,39,52a,53,54)において、第2の流体圧室42に開口する前記流体通路孔39とカムリング27の側面部とによって開口面積を増減させ得る可変メータリングオリフィス50が形成されている。ここで、この可変メータリングオリフィス50は、カムリング27の移動変位に伴って側壁部で通路孔39の小径開口端39aが開閉されることにより構成されている。なお、このオリフィス50を、その開閉量がポンプ吐出側の流体圧の大きさに応じて制御される適宜の形状で形成すると、カムリング27の移動変位を所望の状態に制御でき、流量特性の多様化が図れる。
【0032】
図4中41,42は前記アダプタリング29の内周部とカムリング27の外周部との間に形成した一対の流体圧室で、これらの流体圧室41,42は、カムリング27を揺動自在に支持するシール機能を有する支点ピン31とその軸対象位置に設けたシール材43とによって左、右に分割して形成されている。ここで、図中44はポンプ吐出側において、可変オリフィス50よりも上流側のポンプ吐出圧を、高圧側(図中左側)の流体圧室41に供給するための通路である。また、他方の低圧側流体圧室42内には、前述した可変オリフィス50の構造から明らかなように、その下流側のポンプ吐出圧が導かれている。
【0033】
55は上述したカムリング27を揺動させるための一対の流体圧室41,42に導く流体圧制御を行うスプールバルブによる制御バルブである。このスプール式の制御バルブ55を形成するバルブ孔55aは、図4に示すように、前記フロントボディ21の一部で一端が外表面に開口するように回転軸26の軸線方向と直交する方向に形成され、このバルブ孔55a内に制御バルブ55を構成するバルブ部品、スプール56、圧縮コイルばね57を組込むとともに、開口端がプラグ58により閉塞されている。
【0034】
このような制御バルブ55の一端側(プラグ58側)には前記ポンプ吐出側圧力室33から図3に示す通路59a,59bにより前記可変オリフィス50の上流側のポンプ吐出圧が導かれ、また制御バルブ55の他端側の圧縮コイルばね57を設けたばね室には可変オリフィス50の下流側のポンプ吐出圧が導かれている。なお、スプール56の中央部分は前記ポンプ吸込ポート35からポンプ吸込圧をリアボディ22側に導く通路35aが貫通している。
【0035】
図3中45はポンプ吐出側通路の一部に臨んで設けた流体圧検出スイッチである。また、上述したカムリング27の外周部には、第1の流体圧室41をアダプタリング29への接触時にも確保できるような略半周程度の凹溝等を周方向に沿って形成しておくとよい。
なお、以上のようなベーンタイプの可変容量形ポンプ20において、上述した以外の構成は従来から広く知られているもので、具体的な説明は省略する。
【0036】
上述した構造を有する可変容量形ポンプ20において、ポンプ吐出側とポンプ吸込側との間に設けられ前記ポンプ室28からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときに作動油(圧力流体)をポンプ吸込側にリリーフするリリーフバルブ70を、図1、図2に示すように、前記リアボディ22内で前記ポンプ吐出側通路の一部(前記低圧側の流体圧室42や前記フロントボディ21側の切欠き溝53に連通する図中71を付した部分)に臨ませた状態で設けている。
【0037】
そして、このリリーフバルブ70は、リアボディ22の後端側からフロントボディ21との接合面に開口するように穿設したバルブ組込み空間72に筒状部73を組込んだプラグ部材74を備えている。このプラグ部材74の筒状部73内に形成したバルブ孔70aには、前記リリーフバルブ70を構成するバルブシート部材75、ボール76、ボール受け77、圧縮コイルばね78が組込まれている。
【0038】
前記バルブシート部材75は、前記筒状部73内のバルブ孔70aにおける内方端側に嵌合したリング状部材として形成され、リリーフ孔75aを有しこのリリーフ孔75aの開口端が弁体であるボール76のバルブシートとして機能している。なお、このようなバルブシート部材75は必ずしも必要なものではなく、同等の機能をボディまたはプラグ側に設けてもよい。
【0039】
前記ボール受け77は、前記ボール76で前記バルブシート部材75のリリーフ孔75aを開閉するようにこのボール76を保持するくぼみを有するボール受け部77aと、このボール受け部77aの背面側から延設されたばねガイド部77bとから構成されている。このボール受け77は前記筒状部73のバルブ孔70a内で摺動自在に保持され、そのばねガイド部77bには前記圧縮コイルばね78が嵌装され、前記ボール76がリリーフ孔75aを閉じる方向への付勢力を与えている。この圧縮コイルばね78は、前記バルブ孔70aの外方端側に形成したばね室81に配設されている。
【0040】
前記バルブ孔70aを形成する筒状部73の一部には、前記バルブシート部材75のリリーフ孔75aからリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔82が形成されている。
この通路孔82は、前記筒状部73におけるバルブシート部材75のボール76で開閉されるバルブシート部分に対応する位置に形成され、この筒状部73とバルブ組込み空間72との環状隙間83を介して前記リアボディ22に形成したポンプ吸込側に接続される通路84に連通している。
【0041】
ここで、この実施の形態では、通路84は前記ロータ25の回転軸であるドライブシャフト26を軸支する軸孔85に連通するように前記リアボディ22に形成され、この軸孔85に接続されている通路86により前記ポンプ吸込側の通路35cに接続されている。なお、上述した環状隙間83から前記ポンプ吸込側の通路35cにかけて通路を設け、これらを直接接続してもよい。このようにすると、戻り通路が短くなり、流れがスムーズになる。
【0042】
上述したリリーフバルブ70において、この実施の形態では、前記ボール受け77の一部に環状を呈する弾性部材90を嵌装し、この弾性部材90によりこのボール受け77を前記バルブ孔70a内に可動自在に保持させている。前記弾性部材90は、たとえば耐油性のフッ素樹脂等の弾性を有する合成樹脂材やゴム等によって断面が矩形状を呈する環状部材として形成され、ボール受け77におけるボール受け部77aのばねガイド部77b側の部分に嵌装して設けられている。この弾性部材90のばねガイド部77b側には前記圧縮コイルばね78が当接し、付勢力をこの弾性部材90を介してボール受け77のボール受け部77aに作用させている。
【0043】
このような構造では、弾性部材90は、前記ボール受け部77aの外周部とともに、このボール受け77バルブ孔70a内での摺動部の面積を確保し、その摺動動作を確実に得ることができるものであり、この弾性部材90の存在によってボール受け77のバルブ孔70a内での揺動運動を抑制することができる。すなわち、このボール受け77におけるバルブ孔70aへの摺動保持部分が、ボール受け部77aの外周部と弾性部材90の外周部とによって構成され、ボール受け77のバルブ孔70a内での揺動動作を抑制することができる。
【0044】
そして、このような構造では、上述した弾性部材90によってボール受け77の揺動運動の速さを遅延させる(動きを鈍くする)ことができ、揺動運動を減衰させてボール76とボール受け77との衝突、ボール受け77のバルブ孔70a内での揺動に伴う圧縮コイルばね78との衝突、さらに圧縮コイルばね78のバルブ孔70aの内壁との衝突を抑制することができる。
【0045】
また、このような構造では、リリーフ時における流体の流れに伴うボール76の挙動を、このボール76を保持するボール受け77の摺動動作を鈍くすることにより抑制することができ、その結果ボール76とボール受け77との金属同士の衝突に伴う異音を軽減することができる。
【0046】
換言すると、上述したようにリリーフ時における圧力変動によってボール76の開閉動作が早くなると、ボール76がこの開閉動作や流体の流れによって断続的にボール受け77と衝突する状態となるが、上述した弾性部材90を設けたことによりボール受け77の摺動動作を抑制し、追従することができなくなった場合にボール受け77からボール76を離し、上述した衝突を抑制することができる。
【0047】
また、この実施の形態によれば、前記圧縮コイルばね78を配設するばね室81を、上述したボール受け77のボール受け部77aによって前記ボール76が設けられリリーフ孔75aから流入する還流側の圧力流体を前記ポンプ吸込側の通路孔82側に導く還流室89と区画して前記バルブ孔70aの一端側(図中右端側)に形成し、この密封されているばね室81をダンパ効果を与えるための絞り通路92を介してポンプ吸込側(タンク側)に接続している。
【0048】
ここで、この実施の形態では、上述した絞り通路92を、バルブ孔70aの一端側(図中右端側)にボール受け77の動きの有無にかかわらず密封して形成されるばね室81を前記筒状部73の外周側の環状空間83に接続する径方向の通路孔によって形成している。
なお、このような絞り通路92としては、筒状部73の外周部に径方向に形成した通路孔に限らず、たとえば前記弾性部材90の外周部の一部に溝部等を形成し、この溝部等と含む前記ボール受け部77aの外周部のバルブ孔70aとの間の隙間によって前記絞り通路を形成してもよい。
【0049】
上述した構造によれば、ばね室81に絞り通路92によってダンパ効果を与えてボール受け77の振動を吸収することが可能で、前述したリリーフ時の流体の流れに伴うボール76、ボール受け77の動きを抑制し、その速さを鈍くして揺動動作を減衰させることができる。したがって、このような絞り通路92によれば、リリーフバルブ70において、リリーフ時に発生していた異音や圧力変動を軽減させることができる。
【0050】
換言すれば、上述したばね室81を流体の流れから区画し圧力変化の時間を遅らせることにより、上述したボール受け77の動きを遅らせたり、ばね室81からの連通路を絞り通路92で絞ることによりボール受け77の動きによる体積変化によって生じるばね室81の圧力変動の応答性を遅らせると、ボール受け77の動きが遅くなって振動を緩和することができる。
【0051】
この実施の形態では、上述したようにリリーフバルブ70において、ボール受け77に弾性部材90を嵌装し、揺動動作を吸収することができるとともに、このボール受け77のボール受け部77aにより区画したばね室81を絞り通路92によりポンプ吸込側に接続することにより、ダンパ効果を与えて揺動動作を緩和することができるため、リリーフ時に生じていた異音の発生や圧力変動の発生を減少させることがより一層効果的に行える。しかし、これに限らず、上述した弾性部材90と絞り通路92とのいずれか一方を採用してもよい。
【0052】
また、この実施の形態では、本発明を図2〜図4に示すように可変容量形ポンプ20におけるリリーフバルブ70に適用しており、このリリーフバルブ70のリリーフ作動時における異音の発生や圧力変動を抑制するうえで効果がある。
すなわち、この種の可変容量形ポンプ20では、ポンプ吐出側での流体圧が所定圧以上になったときにポンプ吸込側(タンク側)に還流させるためのリリーフ通路が、このリリーフバルブ70のみであり、リリーフされる流体は全てこのリリーフバルブ70内を流れる。したがって、流体の流量は多くその流れによってボール76やボール受け77、さらには圧縮コイルばね78が振動し部品同士の衝突による異音が発生するとともに、バルブ内通路を流れる流体によって異音を生じることを避けられないが、本発明によれば、前述した理由からこのような問題を解消することができ、特に可変容量形ポンプに適用した場合に効果的である。
【0053】
図5および図6は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの参考例を示し、前述した図1〜図4と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
図5および図6に示すリリーフバルブ付きポンプは、リリーフバルブ70におけるバルブ孔70a内でボール受け77に、流体の流れによる振動を抑制するためにゴム材からなるOリング93を弾性部材として付設している。図中94はこのOリング93に圧縮コイルばね78の付勢力が必要以上に作用しないようにするばね押さえで、94aで示す段部によって係止されOリング93を押しつぶさないように構成されている。
【0054】
このOリング93はその外周側が前記バルブ孔70aに接触しない状態におかれ、このOリング93の外周側のバルブ孔70aの内周面との間の隙間およびボール受け部77aの外周部のバルブ孔70aの内周面との間の隙間を、前記ばね室81にダンパ効果を与えるための絞り通路95として構成している。
【0055】
図7は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第2の実施の形態を示し、前述した図1〜図6と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施の形態では、前述した図5および図6のリリーフバルブ70において、絞り通路92を筒状部73の一部に形成した通路孔によって構成した場合である。この実施の形態では、Oリング93は軸線方向においてボール受け部77aの背面側とばね押さえ94によって挟み込まれるとともに外周部がバルブ孔70aに接している。
【0056】
図8(a),(b)は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第3の実施の形態を示し、前述した図1〜図7と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施の形態では、前述した図5および図6、図7のリリーフバルブ70において、弾性部材としてのOリング93をボール受け部77aの外周部に凹設した環状溝93a内に嵌め込むとともに、このボール受け部77aの一部に軸線方向に沿って絞り通路孔96を形成した場合である。なお、この実施の形態では、Oリング93はその外周部がバルブ孔70aの内周面に接した状態で摺動動作するように構成されている。
【0057】
図9は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第4の実施の形態を示し、前述した図1〜図8と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施の形態では、前述した図8(a),(b)のリリーフバルブ70において、ボール受け部77aの絞り通路孔96の代わりに、絞り通路92を筒状部73の一部に形成した通路孔によって構成した場合である。
【0058】
図10(a),(b)は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第5の実施の形態を示し、前述した図1〜図9と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施の形態では、前述した実施の形態において絞り通路92,95,96の代わりに、バルブ孔70aの内周部に略接した状態で摺動動作するボール受け部77aの外周部の一部にV字状を呈する絞り通路溝97を形成した場合を示す。
【0059】
なお、この実施の形態では、弾性部材は用いていないが、絞り通路溝97によってばね室81でのダンパ効果を得て、リリーフ時の振動を抑制し異音の発生を防止する効果は得られる。
また、この実施の形態では、ボール受け77のボール受け部77aの外周部のバルブ孔70aと接する部分の面積を確保できるように、軸線方向の長さを確保している。勿論、これに限定されることはない。
【0060】
図11は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第6の実施の形態を示し、前述した図1〜図10と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施の形態では、前述した図10(a),(b)のリリーフバルブ70において、ボール受け部77aの絞り通路溝97の代わりに、絞り通路92を筒状部73の一部に形成した通路孔によって構成した場合である。
【0061】
図12は本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第7の実施の形態を示し、前述した図1〜図11と同一または相当する部分には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施の形態では、前述した各実施の形態でのリリーフバルブ70において、ボール受け77の形状を変更し、ばねガイド部の代わりにばね受け溝77cを形成した場合を示す。このとき、絞り通路92としては、ボール受け77の外周部とバルブ孔70aの内周部との間の間隙通路、ボール受け77の外周部に形成した通路溝、あるいは筒状部73に形成した通路孔等で適宜形成することができる。
【0062】
そして、上述した第2〜第7の実施の形態の構造を適宜採用しても、前述した第1の実施の形態での作用効果を同等の作用効果を得られることはいうまでもない。要するに、リリーフバルブ70においてリリーフ時のボール76、ボール受け77、圧縮コイルばね78等の振動を弾性部材や絞り通路によるダンパ効果によって抑制し、従来のような異音や圧力変動を軽減できる構造であればよい。
【0063】
なお、本発明は上述した実施の形態構造に限定されず、リリーフバルブ70を含めたポンプとしての可変容量形ポンプ20の各部の形状、構造等を、適宜変形、変更することは自由であり、種々の変形例が考えられる。
たとえば上述した実施の形態では、本発明を特徴づけるリリーフバルブ70を可変容量形ポンプ20に適用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形例が考えられる。
【0064】
すなわち、上述した実施の形態では、ベーンタイプの可変容量形ポンプ20におけるポンプボディをフロントボディ21とリアボディ22とからなる二体構造で構成した場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、ポンプボディをフロントボディ21、リアボディ22とともにその間に介在されポンプ構成要素を収納するカムケースを用いた三体構造の場合であっても適用することができる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、バルブ孔70aをプラグ部材74に一体に設けた筒状部73内に形成し、その内部にリリーフバルブ70を構成する部品を組込んでおり、ポンプボディに組込む前に予めバルブユニットを組立てできるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
さらに、本発明は上述したベーンタイプの可変容量型ポンプ20に限定されず、従来から広く知られている容量形ポンプにおいて、たとえば特公昭48−20043号公報、特開平8−175408号公報に示すように、流量制御弁(フローコントロールバルブ)とともに用いられるパイロット型のリリーフバルブとしても適用することができる。
【0067】
これを図13を用いて簡単に説明すると、符号101は全体の図示を省略した容量形ポンプのポンプボディであり、このボディ101内でポンプ吸込側通路102とポンプ吐出側通路103との間には、フローコントロールバルブと呼ばれる流量制御弁104が設けられている。この流量制御弁104のスプール105には、前述した実施の形態と同等のリリーフバルブ70が組込まれ、ポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフするように構成されている。
【0068】
図中106はポンプ吐出ポート、Pはポンプ室、Tはタンク、PSは油圧利用機器としてのパワーステアリングである。
そして、このような構成による容量形ポンプに用いているリリーフバルブ70においても、前述した実施の形態と同様に、異音、圧力変動の発生を抑制することができるのである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るリリーフバルブ付きポンプによれば、リリーフバルブを構成するボール受けに嵌装した環状の弾性部材によって、ポンプ吐出側が所定圧となったときのリリーバルブ作動時に圧力流体の流れに伴うバルブ構成部品の振動を抑制し、従来問題であった異音の発生や圧力変動の影響を軽減することができる。
【0070】
すなわち、本発明によれば、リリーフバルブを構成する部品のうち、異音や圧力変動の原因となるボール受けに弾性部材を設けたことにより、ダンパ効果を与えてボール受け等の振動現象を抑制し、異音の発生や圧力変動の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプを可変容量形ポンプに適用した第1の実施の形態を示し、リリーフバルブ部分の拡大した要部拡大断面図である。
【図2】 図1のリリーフバルブの周辺構造を説明するための断面図である。
【図3】 本発明を適用する可変容量形ポンプの全体構造を説明するための縦断面図である。
【図4】 図3のVI−VI線で断面した可変容量形ポンプのポンプ室付近の横断面図である。
【図5】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの参考例を示す拡大断面図である。
【図6】 図5の要部拡大断面図である。
【図7】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第2の実施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図8】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第3の実施の形態を示し、(a)は要部拡大断面図、(b)はそのVIII−VIII線断面図である。
【図9】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第4の実施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図10】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第5の実施の形態を示し、(a)は要部拡大断面図、(b)はそのX−X線断面図である。
【図11】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第6の実施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図12】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプの第7の実施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図13】 本発明に係るリリーフバルブ付きポンプを容量形ポンプに用いられる流量制御弁のスプールに組込んだリリーフバルブに適用した場合を説明する要部断面図である。
【図14】 可変容量形ポンプの概要を説明するための説明図である。
【符号の説明】
20…ベーンタイプの可変容量形ポンプ(リリーフバルブ付きポンプ)、21…フロントボディ(ポンプボディ)、22…リアボディ(ポンプボディ)、23…ポンプ構成要素、24…収納空間、25…ロータ、26…ドライブシャフト(回転軸)、27…カムリング、28…ポンプ室、30…プレッシャプレート、31…支点ピン、33…ポンプ吐出側圧力室、34…ポンプ吐出側通路、35…ポンプ吸込ポート、35a,35b,35c…ポンプ吸込側通路、36…ポンプ吸込側開口、38…ポンプ吐出ポート、39,39a…ポンプ吐出側の流体通路孔、41,42…第1、第2の流体圧室、44…通路、50…可変メータリングオリフィス、51…ばね、53…切欠き溝、54…ポンプ吐出側の通路孔、55…制御バルブ、59a,59b…通路、70…リリーフバルブ、70a…バルブ孔、71…切欠き溝、72…バルブ組込み空間、73…筒状部、74…プラグ部材、75…バルブシート部材、75a…リリーフ孔、76…ボール、77…ボール受け、77a…ボール受け部、77b…ばねガイド部、78…圧縮コイルばね、81…ばね室、82…通路孔、83…環状隙間、84…通路、85…軸孔、86…通路、90…弾性部材、92…通路孔による絞り通路、93…Oリング(弾性部材)、93a…環状溝、94…ばね押さえ、94a…段部、95…隙間による絞り通路、96…絞り通路孔、97…絞り通路溝、101…容量形ポンプのポンプボディ、102…ポンプ吸込側通路、103…ポンプ吐出側通路、104…流量制御弁(フローコントロールバルブ)、105…バルブスプール。

Claims (7)

  1. ポンプボディ内に設けたポンプ構成要素と、
    このポンプ構成要素によって構成したポンプ室からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブを備え、
    このリリーフバルブを、バルブシートのリリーフ孔を開閉するボールと、このボールを保持するボール受けと、このボール受けを介して前記ボールにリリーフ孔を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばねとを有し、これらの部材を組込み配置したバルブ孔の内壁面に前記リリーフ孔からリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔を開口させているリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記ボール受けの一部に環状を呈する弾性部材を嵌装し、この弾性部材は外周面に前記バルブ孔と摺動する摺動面を有することを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
  2. ポンプボディ内に設けたポンプ構成要素と、
    このポンプ構成要素によって構成したポンプ室からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブを備え、
    このリリーフバルブを、バルブシートのリリーフ孔を開閉するボールと、このボールを保持するボール受けと、このボール受けを介して前記ボールにリリーフ孔を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばねとを有し、これらの部材を組込み配置したバルブ孔の内壁面に前記リリーフ孔からリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔を開口させているリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記ボール受けに設けられ、前記バルブ孔と摺動する摺動部材を備えることを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
  3. ポンプボディ内に設けたポンプ構成要素と、
    このポンプ構成要素によって構成したポンプ室からのポンプ吐出側の流体圧が所定圧になったときにポンプ吸込側にリリーフさせるリリーフバルブを備え、
    このリリーフバルブを、バルブシートのリリーフ孔を開閉するボールと、このボールを保持するボール受けと、このボール受けを介して前記ボールにリリーフ孔を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばねとを有し、これらの部材を組込み配置したバルブ孔の内壁面に前記リリーフ孔からリリーフされた圧力流体をポンプ吸込側に還流させるための通路孔を開口させているリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記ボール受けの一部に環状を呈し、外周面に前記バルブ孔と摺動する摺動面を有する弾性部材を嵌装させるとともに、
    前記バルブ孔の一端側に前記圧縮コイルばねを設けたばね室を形成し、このばね室を前記ポンプ吸込側に絞り通路を介して接続したことを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
  4. 請求項3記載のリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記絞り通路を、前記バルブ孔内周面と前記ボール受けのボール受け部外周面との間の隙間、バルブ孔内周面と前記ボール受け部外周面のいずれかに凹設した溝部、ボール受け部に形成した孔部または前記バルブ孔の内周面の一部に開口する孔部のいずれかによって構成したことを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記ポンプ構成要素は可変容量形ポンプを構成する部材からなることを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
  6. 請求項1または請求項3に記載のリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記弾性部材と前記圧縮コイルばねとの間に設けられ、金属材料で形成されたばね押さえを備えることを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
  7. 請求項2に記載のリリーフバルブ付きポンプにおいて、
    前記摺動部材と前記圧縮コイルばねとの間に設けられ、金属材料で形成されたばね押さえを備えることを特徴とするリリーフバルブ付きポンプ。
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