WO2022181288A1 - 紫外線感知部材、紫外線感知キット - Google Patents

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Abstract

本発明は、新型コロナウイルスが不活性化される照射量が照射されたかどうかの判定が容易な、紫外線感知部材、及び、紫外線感知キットを提供する。本発明の紫外線感知部材は、KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cm2となるまで紫外線感知部材に光を照射した後、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材の所定の色の光学濃度を測定した際、光学濃度が所定の値を示す。

Description

紫外線感知部材、紫外線感知キット
 本発明は、紫外線感知部材及び紫外線感知キットに関する。
 紫外線照射量の測定は、様々な分野で実施されている。具体的な一例としては、紫外線硬化樹脂の硬化反応での被照射物への紫外線照射量の測定、及び、食品等の紫外線殺菌における被照射物への紫外線照射量の測定が挙げられる。
 紫外線照射量の測定において、例えば、特許文献1では、「UVラベル」(日油技研工業社製UV-H)を使用する方法、及び、特許文献2では、「UVスケール」(富士フイルム社製)を使用する方法が開示されている。
 一方、近年、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が大きな社会問題となっている。
 このような状況において、非特許文献1においては、波長222nmの紫外線を用いた新型コロナウイルスの不活性化効果が報告されている。より具体的には、非特許文献1では、照度0.1mW/cmの波長222nmの紫外線を30秒間照射することで99.7%の新型コロナウイルスの不活性化が達成されることが報告されている。
特開2015-191001号公報 国際公開第2017/158943号
Hiroki, Kitagawa et al., "Effectiveness of 222-nm ultraviolet light on disinfecting SARS-CoV-2 surface contamination", American Journal of Infection Control, インターネット(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0196655320308099)
 非特許文献1に記載されるように、波長222nmの紫外線は新型コロナウイルスの不活性化に有効であるため、例えば、ドアノブやタッチパネル等の不特定多数の人が触れる部材へ波長222nmの紫外線を照射することにより、新型コロナウイルスの感染防止が可能となる。その際、所定の位置に、新型コロナウイルスの不活性化が達成される紫外線の照射量が照射されたかどうかを簡便に計測できることが望ましい。
 本発明者らは、従来公知のUVラベル及びUVスケールを用いて、新型コロナウイルス感染症の不活性化される波長222nmの光の照射量が照射されたかどうかの計測を行ったところ、UVラベル及びUVスケールでは色味の変化がほとんど見られず、照射量の判定ができなかった。より具体的には、UVラベル及びUVスケールに、積算照度3mJ/cmにて波長222nmの紫外線を照射しても、色味の変化がほとんど見られなかった。
 本発明は、上記実情に鑑みて、新型コロナウイルスが不活性化される照射量が照射されたかどうかの判定が容易な、紫外線感知部材の提供を提供することを課題とする。
 本発明は、紫外線感知キットを提供することも課題とする。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す構成によって解決できることを見出し、本発明を完成させた。
(1) 紫外線感知部材であって、
 KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射した後、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度、マゼンタの光学濃度、及び、シアンの光学濃度の値をそれぞれ測定し、光照射前の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC1、光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC2、光照射前の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY1、光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY2、光照射前の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM1、光照射後の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM2とした際に、C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差のいずれか1つが0.20以上である、紫外線感知部材。
(2) 紫外線感知部材であって、
 KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射した際に、光照射前と光照射後との色差ΔEが20.0以上である、紫外線感知部材。
(3) 紫外線感知部材であって、
 KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射した際に、後述する方法1により求められる光照射前の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値1と、後述する方法2により求められる光照射後の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値2との差が18.0以上である、紫外線感知部材。
(4) シート状である、(1)~(3)のいずれかに記載の紫外線感知部材。
(5) 発色剤を含む紫外線感知層を含む、(1)~(4)のいずれかに記載の紫外線感知部材。
(6) 紫外線感知層中の発色剤の含有量が、紫外線感知層単位面積あたり0.140g/m以下である、(5)に記載の紫外線感知部材。
(7) 発色剤が、酸化されて発色する発色剤、及び、酸の作用により発色する発色剤からなる群から選択され、
 紫外線感知層が、光酸化剤及び光酸発生剤からなる群から選択される少なくとも1種の光活性剤を含む、(5)又は(6)に記載の紫外線感知部材。
(8) 発色剤が、酸の作用により発色する発色剤であり、紫外線感知層が、光酸発生剤を含み、発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比が1.00超である、(7)に記載の紫外線感知部材。
(9) 光活性剤が、後述する一般式(6)で表される化合物を含む、(7)又は(8)に記載の紫外線感知部材。
(10) 発色剤が、ラクトン環、ラクタム環、サルトン環、スルチン環、及び、それらの開環体、並びに、アゾベンゼン構造からなる群から選択されるいずれか1種の構造を含む、(7)又は(8)に記載の紫外線感知部材。
(11) 光活性剤と、発色剤と、ヘテロ原子を有する溶媒とを内包するマイクロカプセルを含む紫外線感知層を有する、(1)~(6)のいずれかに記載の紫外線感知部材。
(12) マイクロカプセルのカプセル壁が、脂肪族環を有するポリウレア、脂肪族環を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂を含み、
 後述するピーク面積割合算出方法Xによって求められるピーク面積割合Xが30%以下である、(11)に記載の紫外線感知部材。
(13) (1)~(12)のいずれかに記載の紫外線感知部材を含む、紫外線感知キット。
 本発明によれば、新型コロナウイルスが不活性化される照射量が照射されたかどうかの判定が容易な、紫外線感知部材を提供できる。
 本発明によれば、紫外線感知キットを提供できる。
本発明の紫外線感知部材の第1実施形態の一例を示した模式断面図である。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 なお、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
 本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
 また、本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
 また、本明細書において、固形分とは、組成物を用いて形成される組成物層を形成する成分を意味し、組成物が溶媒(例えば、有機溶媒及び水等)を含む場合、溶媒を除いた全ての成分を意味する。また、組成物層を形成する成分であれば、液体状の成分も固形分とみなす。
 また、本明細書において、紫外線とは、波長領域が10~400nmの光を意味する。
 また、本明細書において、(メタ)アクリルとは、「アクリル及びメタクリルの少なくとも一方」を意味する。
 また、本明細書において、「沸点」とは標準大気圧における沸点を意味する。
 本発明の紫外線感知部材の実施形態Aは、KrCl(塩化クリプトン)エキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射した後、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度、マゼンタの光学濃度、及び、イエローの光学濃度の値をそれぞれ測定し、光照射前の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC1、光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC2、光照射前の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY1、光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY2、光照射前の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM1、光照射後の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM2とした際に、C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差のいずれか1つが0.20以上である、紫外線感知部材である。
 本発明の紫外線感知部材の実施形態Bは、KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射した際に、光照射前と光照射後との色差ΔEが20.0以上である、紫外線感知部材である。
 本発明の紫外線感知部材の実施形態Cは、KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射した際に、後述する方法1により求められる光照射前の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値1と、後述する方法2により求められる光照射後の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値2との差が18.0以上である、紫外線感知部材である。
 本発明の実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材においては、積算照度3mJ/cmにて波長222nmの紫外線を照射した際に、色味の変化があるため、新型コロナウイルスが不活性化される照射量が照射されたかどうかの判定が容易である。
 また、本発明の実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材は、更に、蛍光灯等の想定外の光により発色してしまう、いわゆる、カブリが起こりにくいことがわかった。
 以下では、まず、本発明の実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材の上記特性について詳述する。
 まず、KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで紫外線感知部材に光を照射する。光照射される紫外線感知部材の大きさは、取り扱いが容易である点から、縦方向の長さが5mm~10m、横方向の長さが5mm~300mmの大きさであることが好ましい。
 波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタとは、波長230~300nmの光を70~100%を遮光するフィルタを意味する。言い換えれば、上記フィルタは、波長230~300nmの範囲における最大透過率が30%以下であるフィルタである。このようなフィルタとしては、ケミカルフィルタ、又は、誘電体を含むフィルタが用いられることが多い。
 KrClエキシマランプを光源とし、かつ、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタが設けられた紫外線照射装置として、ウシオ電機株式会社より販売される紫外線照射装置Care222(登録商標)を用いてもよい。Care222(登録商標)においては、殺菌に適した波長222nmの紫外線を主な波長とするランプと、人体に無害な波長域(波長200~230nm)に制限するフィルタとが組み合わされている。そのため、Care222(登録商標)を用いて光照射を行うと、主に、波長222nmの光が照射される。
 照射の際の照度及び照射時間は特に制限されず、光源と紫外線感知部材との距離や照射時間を調節することで照射量を3mJ/cmに設定できる。
 また、公知の紫外線計測器(例えば、ハンドヘルド光度計 UIT2400(ウシオ電機株式会社製))を用いて、所定量の照射量が紫外線感知部材に照射されたかどうかを計測してもよい。
 次に、実施形態Aにおいては、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度、マゼンタの光学濃度、及び、イエローの光学濃度の値をそれぞれ測定する。
 より具体的には、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を使用する際に、測定条件を次のように設定する。
・濃度ステータス:DIN
・D65/2°
・フィルタなし
 光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材を測定対象とし、測定の際、C(Cyan)、M(Magenta)、及び、Y(Yellow)の各モードで光学濃度(OD)を測定することにより、シアンの光学濃度の値(Y値)、マゼンタの光学濃度の値(M値)、及び、イエローの光学濃度の値(Y値)がそれぞれ測定される。なお、光照射後の紫外線感知部材の光学濃度(OD)の測定に関しては、光照射後1時間以内の実施することが好ましい。
 次に、光照射前の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC1、光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC2、光照射前の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY1、光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY2、光照射前の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM1、光照射後の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM2とした際に、C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差を算出する。
 C1とC2との差とは、C1及びC2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。C1とC2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 Y1とY2との差とは、Y1及びY2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。Y1とY2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 M1とM2との差とは、M1及びM2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。M1とM2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 上記手順によって、得られたC1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差のいずれか1つが0.20以上であり、0.20~1.50が好ましく、0.26~1.10がより好ましい。
 なかでも、新型コロナウイルスが不活性化される照射量が照射されたかどうかの判定がより容易となる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)から、C1とC2との差、又は、M1とM2との差のいずれか1つが0.20以上であることが好ましい。
 C1とC2との差は、0.20以上が好ましく、0.20~1.50がより好ましく、0.26~1.10が更に好ましい。
 C1の値は、0.00~0.10であることが多く、0.00~0.05が好ましい。
 C2の値は、0.20以上が好ましく、0.20~1.50がより好ましい。
 M1とM2との差は、0.20以上が好ましく、0.20~1.50がより好ましく、0.26~1.10が更に好ましい。
 M1の値は、0.00~0.10であることが多く、0.00~0.05が好ましい。
 M2の値は、0.20以上が好ましく、0.20~1.50がより好ましい。
 Y1とY2との差は、0.20以上が好ましく、0.20~1.50がより好ましく、0.26~1.10が更に好ましい。
 Y1の値は、0.00~0.10であることが多く、0.00~0.05が好ましい。
 Y2の値は、0.20以上が好ましく、0.20~1.50がより好ましい。
 また、実施形態Bにおいては、光照射前の紫外線感知部材と光照射後の紫外線感知部材との色差ΔEを測定する。
 より具体的には、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を使用する際に、測定条件を次のように設定する。
・照射タイプ:D65
・観察視野:2°
・濃度標準:ANSI STATUS A
 上記分光光度計を用いて、光照射前の紫外線感知部材と光照射後の紫外線感知部材とを測定対象物として、CIE1976L*a*b*表色系により規定される、明度L*、色度a*、及び、色度b*をそれぞれ測定する。なお、光照射後の紫外線感知部材の明度L*、色度a*及び色度b*の測定に関しては、光照射後1時間以内の実施することが好ましい。
 次に、光照射前の紫外線感知部材の明度L*(以下、「明度L*1」ともいう。)と光照射後の紫外線感知部材の明度L*(以下、「明度L*2」ともいう。)との差であるΔL*、光照射前の紫外線感知部材の色度a*(以下、「色度a*1」ともいう。)と光照射後の紫外線感知部材の色度a*(以下、「色度a*2」ともいう。)との差であるΔa*、光照射前の紫外線感知部材の色度b*(以下、「色度b*1」ともいう。)と光照射後の紫外線感知部材の色度b*(以下、「色度b*2」ともいう。)との差であるΔb*をそれぞれ求め、以下の式により色差ΔEを算出する。
 ΔE={(ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2
 色差ΔEは、20.0以上であり、本発明の効果がより優れる点で、24.0~130が好ましく、35.0~100がより好ましい。
 なお、明度L*1と明度L*2との差とは、明度L*1及び明度L*2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。明度L*1と明度L*2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 また、色度a*1と色度a*2との差とは、色度a*1及び色度a*2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。色度a*1と色度a*2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 また、色度b*1と色度b*2との差とは、色度b*1及び色度b*2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。色度b*1と色度b*2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 また、実施形態Cにおいては、方法1により求められる光照射前の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値1と、方法2により求められる光照射後の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値2とを求める。なお、光照射後の紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値2の測定に関しては、光照射後1時間以内の実施することが好ましい。
方法1:光照射前の紫外線感知部材の反射スペクトル測定を行い、横軸が波長で、縦軸が吸光度の反射スペクトルを得た後、反射スペクトルにおける波長450nmから波長700nmまでの1nmごとの吸光度を積算して、吸光度の積算値1を求める。
方法2:光照射後の紫外線感知部材の反射スペクトル測定を行い、横軸が波長で、縦軸が吸光度の反射スペクトルを得た後、反射スペクトルにおける波長450nmから波長700nmまでの1nmごとの吸光度を積算して、吸光度の積算値2を求める。
 上記方法1及び2で反射スペクトル測定を行う装置は、紫外可視分光光度計(UV-2700/島津製作所)を用いる。測定範囲としては、350~750nmの範囲であり、1nm毎に吸光度の測定を行う。
 上記装置及び測定条件において、拡散反射測定により吸光度を測定し、横軸が波長で、縦軸が吸光度の反射スペクトルを得て、反射スペクトルにおける波長450nmから波長700nmまでの1nmごとの吸光度を積算して、吸光度の積算値を算出する。
 なお、測定対象物が光照射前の紫外線感知部材である場合、得られる吸光度の積算値が積算値1であり、測定対象物が光照射後の紫外線感知部材である場合、得られる吸光度の積算値が積算値2である。
 次に、得られた積算値1と積算値2との差を算出する。
 上記差は18.0以上であり、本発明の効果がより優れる点で、20.0~200が好ましく、29.0~150がより好ましい。
 なお、積算値1と積算値2との差とは、積算値1及び積算値2のうち大きいほうから小さいほうを引いた値である。積算値1と積算値2との値が同じ場合は、両者の差は0である。
 本発明の実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材の形状は特に制限されず、シート状であってもよいし、直方体及び円柱状等のブロック状等の各種の形状が利用可能である。中でも、シート状の紫外線感知部材、すなわち紫外線感知シートが、好適に利用される。
 また、シート状の紫外線感知部材の形状としては、正方形、長方形、円形、楕円形、六角形等の四角形以外の多角形、及び、不定形等、各種の形状が利用可能である。また、シート状の紫外線感知部材は、長尺状であってもよい。
 紫外線感知部材は、他の部材上に適用してもよい。他の部材上に適用する場合、粘着剤及び接着剤等の密着層を介して紫外線感知部材を貼り合わせてもよいし、他の部材の一部として製造してもよい。他の部材は特に制限されず、例えば、名刺、名札、マスク、布製品(例えば、シャツ)、ケース(例えば、スマートフォンケース等)、及び、紙製品(例えば、ノート、カレンダー等)が挙げられる。
 以下、本発明の実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材に含まれ得る材料(特に、発色剤、及び、光活性剤)について詳述する。なお、以下では、本発明の実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材をまとめて、単に「紫外線感知部材」とも記す。
(発色剤)
 紫外線感知部材は、発色剤を含む紫外線感知層を含むことが好ましい。紫外線感知部材の具体的な構成は、後段で詳述する。
 ここで、「発色剤」の「発色」とは、着色、変色及び消色を含む概念である。着色とは、実質的に無色である状態(無色であるか又は弱い色を呈している状態)から、酸の作用、酸化、及び、光照射等によって、発色することを含む。また、変色とは、酸の作用、酸化、及び、光照射等の影響によって、特定の有色から他の有色又は無色へと色が変化すること(例えば、黄色から赤色への変化)を含む。「消色」とは、特定の有色から、実質的に無色である状態(無色であるか又は弱く呈色している状態)に変化することを意味する。
 発色剤の種類は特に制限されず、例えば、酸化されて発色する発色剤、酸の作用により発色する発色剤、及び、光の作用により発色する発色剤が挙げられる。なかでも、酸化されて発色する発色剤、又は、酸の作用により発色する発色剤が好ましく、酸の作用により発色する発色剤がより好ましい。
 発色剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 発色剤としては、ラクトン環、ラクタム環、サルトン環、スルチン環、及び、それらの開環体、並びに、アゾベンゼン構造からなる群から選択されるいずれか1種の構造を含む発色剤が好ましい。
 発色剤としては、ロイコ色素又はフォトクロミック色素が好ましく、ロイコ色素がより好ましい。
 フォトクロミック色素としては、光の作用により異性化して発色する化合物、光の作用により閉環反応が進行して発色する化合物、及び、光の作用により開環反応が進行して発色する化合物等が知られており、公知のフォトクロミック色素を使用できる。フォトクロミック色素としては、エネルギーにより発色消色反応が可逆的に進行するものが好ましい。
 上記ロイコ色素としては、実質的に無色である状態から酸化されて発色する化合物(以下「酸化発色性ロイコ色素」ともいう。)であるか、又は、実質的に無色である状態から酸の作用によって発色する化合物(以下「酸発色性ロイコ色素」ともいう。)であるのが好ましい。なお、実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材を設計しやすい点で、酸発色性ロイコ色素が好ましい。
 ロイコ色素としては、例えば、トリアリールメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、アザインドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、チアジン化合物、及び、フルオレン系化合物が挙げられる。
 上記の化合物の詳細については、米国特許第3445234号、特開平5-257272号公報、及び、国際公開第2009/008248号の段落0029~0034の記載を参照できる。
・酸化発色性ロイコ色素
 酸化発色性ロイコ色素の一態様としては、電子を除去することによって発色する、1個又は2個の水素原子を有している化合物であるのが好ましい。このような酸化発色性ロイコ色素としては、例えば、米国特許3445234号明細書に記載されているような、(a)アミノトリアリールメタン、(b)アミノキサンチン、(c)アミノチオキサンチン、(d)アミノ-9,10-ジヒドロアクリジン、(e)アミノフェノキサジン、(f)アミノフェノチアジン、(g)アミノジヒドロフェナジン、(h)アミノジフェニルメタン、(i)ロイコインダミン、(j)アミノヒドロシンナミック酸(シアンエタン、ロイコメチン)、(k)ヒドラジン、(l)ロイコインジゴイド染料、(m)アミノ-2,3-ジヒドロアントラキノン、(n)テトラハロ-p,p’-ビフェノール、(o)2-(p-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール、及び、(p)フェネチルアニリン等が挙げられる。上述の(a)~(p)のうち、(a)~(i)は、1つの水素原子を失うことにより発色し、(j)~(p)のものは2つの水素原子を失うことにより発色する。
 これらのうち、アミノアリールメタンが好ましく、アミノトリアリールメタンがより好ましい。
 アミノトリアリールメタンとしては、下記式(L)で表される化合物又はその酸塩が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 式中、Arは、(A1)式中に明示されるメタン炭素原子への結合に対してパラ位にあるRN-置換基を有するフェニル基を表す。Arは、(A1)式中に明示されるメタン炭素原子への結合に対してパラ位にあるRN-置換基を有するフェニル基、又は、(A2)式中に明示されるメタン炭素原子に対してオルト位に、アルキル基(好ましくは、炭素数1~4のアルキル基)、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1~4のアルコキシ基)、フッ素原子、塩素原子、及び、臭素原子からなる群から選択される置換基を有するフェニル基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、2-ヒドロキシエチル基、2-シアノエチル基、又は、ベンジル基を表す。
 Arは、Ar及びArのうち少なくとも一方と同一の基を表すか、又は、Ar及びArとは異なる基を表す。ArがAr及びArとは異なる基を表す場合、Arは、(B1)低級アルキル基(好ましくは、炭素数1~4のアルキル基)、低級アルコキシ基(好ましくは、炭素数1~4のアルコキシ基)、塩素原子、ジフェニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、臭素原子、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオエステル基、アルキルスルフォン酸基、アリールスルフォン酸基、スルフォン酸基、スルフォンアミド基、アルキルアミド基、及びアリールアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基、(B2)アミン基、ジ-低級アルキルアミノ基、及びアルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいナフチル基、(B3)アルキル基で置換されていてもよいピリジル基、(B4)キノリル基、又は、(B5)アルキル基で置換されていてもよいインドリニリデン基を表す。
 上記式(L)において、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキルであるのが好ましい。
 また、上記式(L)において、Ar、Ar、及び、Arは、いずれも式中に明示されるメタン炭素原子への結合に対してパラ位にあるRN-置換基を有するフェニル基を表すのが好ましく、なかでも、同一の基であるのが好ましい。
 酸化発色性ロイコ色素の具体例としては、トリス(4-ジメチルアミノフェニル)メタン、トリス(4-ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)メタン、ビス(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-(4-ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-フェニルメタン、2-N-(3-トリフルオロメチルフェニル)-N-エチルアミノ-6-ジエチルアミノ-9-(2-メトキシカルボニルフェニル)キサンテン、2-(2-クロロフェニル)アミノ-6-ジブチルアミノ-9-(2-メトキシカルボニルフェニル)キサンテン、2-ジベンジルアミノ-6-ジエチルアミノ-9-(2-メトキシカルボニルフェニル)キサンテン、ベンゾ〔a〕-6-N,N-ジエチルアミノ-9,2-メトキシカルボニルフェニルキサンテン、2-(2-クロロフェニル)-アミノ-6-ジブチルアミノ-9-(2-メチルフェニルカルボキシアミドフェニル)キサンテン、3,6-ジメトキシ-9-(2-メトキシカルボニル)-フェニルキサンテン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、及び、3,7-ビス-ジエチルアミノフェノキサジン等が挙げられる。
・酸発色性ロイコ色素
 酸発色性ロイコ色素の一態様としては、電子を供与して、又は酸等のプロトンを受容して発色する化合物であるのが好ましい。具体的には、ラクトン(環状カルボン酸エステル)、ラクタム(環状カルボン酸アミド)、サルトン(環状スルホン酸エステル)、スルチン(環状スルホン酸アミド)、スピロピラン、エステル、及び、アミド等の部分骨格を有し、酸又はプロトンと接触してこれらの部分骨格が開環若しくは開裂する化合物が挙げられる。
 なお、実施形態A~実施形態Cの紫外線感知部材を設計しやすい点で、ラクトン、ラクタム、サルトン、スルチン、及び、それらの開環体からなる群から選択されるいずれか1種の構造を有する化合物(以下、「特定発色剤」ともいう。)が好ましい。
 特定発色剤は、所定の構造を有し、その構造が可逆的に変化し得る。
 例えば、以下のラクトン構造を有する特定発色剤Xは、実質的に無色を示す閉環体と有色を示す開環体とになり得る。特定発色剤Xの閉環体に酸を供給すると、以下スキームに示すように、酸(H)の作用によって開環して開環体を生じる反応と、脱酸により閉環して閉環体を生じる反応とが、可逆的に進行し、酸の量が多いと開環体を生じる反応へ平衡がより偏る。開環体を生じる反応に平衡が偏るほど発色性が高まり、照射量の判定がより容易となる。なお、後述するように、発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比(光活性剤/発色剤(質量比))が1.00超の場合、特定発色剤Xに対して発生する酸の量が多くなるため、閉環体から開環体への反応に平衡が偏りやすく、結果として発色性がより高まる。また、上記のような質量比においては発色剤の量を相対的に減らすこともでき、この場合、特定発色剤X自身による光吸収を抑制でき、結果として光活性剤による光吸収性を高めることもできる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 なお、上記では酸の作用によって開環する化合物の態様について述べたが、以下のように酸の作用によって閉環する化合物の場合もありえる。
 以下のスルトン構造を有する特定発色剤Yは、以下のスキームに示すように、青色を示す開環体と黄色を示す閉環体とになり得る。特定発色剤Yの開環体に酸を供給すると、以下スキームに示すように、酸(H)の作用によって閉環して閉環体を生じる反応と、脱酸により開環して開環体を生じる反応とが、可逆的に進行し、酸の量が多いと閉環体を生じる反応へ平衡がより偏る。閉環体を生じる反応に平衡が偏るほど発色性が高まり、照射量の判定がより容易となる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 また、以下のアゾベンゼン構造を有する特定発色剤Zは、以下のスキームに示すように、黄色を示すアゾ体とオレンジ色~ピンク色を示すヒドラゾン体となり得る。特定発色剤Zのアゾ体に酸を供給すると、以下スキームに示すように、酸(H)の作用によってヒドラゾン体を生じる反応と、脱酸によりアゾ体を生じる反応とが、可逆的に進行し、酸の量が多いとヒドラゾン体を生じる反応へ平衡がより偏る。ヒドラゾン体を生じる反応に平衡が偏るほど発色性が高まり、照射量の判定がより容易となる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 上記特定発色剤としては、式(II)で表される化合物及びその開環化合物も挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 式(II)中、Rb1及びRb3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rb2及びRb4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xb1は、-NRb5-を表す。Rb5は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Rb1~Rb5で表される上記置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状が好ましい。
 上記置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
 Rb1~Rb5で表される上記置換基を有していてもよいアリール基は、単環及び多環のいずれであってもよい。
 上記置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は、6~20が好ましい。
 上記置換基を有していてもよいアルキル基及び上記置換基を有していてもよいアリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルキル基、アリール基及びそれらを組み合わせた基が挙げられる。
 Rb1~Rb4としては、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、置換基を有さない(無置換のアルキル基)がより好ましい。
 特定発色剤としては、式(III)で表される化合物及びその開環化合物も挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 式(III)中、Arc1は、置換基を有していてもよい芳香環を表す。Rc1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rc2は、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xc1は、-O-又は-NRc3-を表す。Rc3は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Arc1は、置換基を有していてもよい芳香環を表す。
 上記置換基を有していてもよい芳香環は、単環及び多環のいずれであってもよい。
 上記置換基を有していてもよい芳香環としては、例えば、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び置換基を有していてもよい芳香族複素環が挙げられ、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環が好ましい。
 上記置換基を有していてもよい芳香環が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、-NRN1N2、アリール基及びヘテロアリール基が挙げられ、アルキル基又は-NRN1N2が好ましい。RN1及びRN2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状が好ましい。
 上記アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~5がより好ましい。
 上記置換基を有していてもよい芳香環の環員数は、6~30が好ましく、6~18がより好ましく、6~12が更に好ましい。
 上記置換基を有していてもよい芳香環としては、例えば、置換基を有していてもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフェナントレン環等の芳香族炭化水素環;置換基を有していてもよい、インドール環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チアゾール環、オキサゾール環、セレノフェン環及びイミダゾール環等の芳香族複素環が挙げられ、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環が好ましく、置換基を有していてもよいベンゼン環がより好ましい。
 Rc1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rc2は、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Rc1で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、上記Rb1~Rb5で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
 Rc1及びRc2としては、置換基を有さない、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
 Xc1は、-O-又は-NRc3-を表す。Rc3は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Rc3で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、上記Rb1~Rb5で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
 特定発色剤としては、式(IV)で表される化合物及びその閉環化合物、並びに、式(V)で表される化合物も挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 式(IV)中、Rd1及びRd2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Rd3は、COO 又はSO を表す。M は、カチオンを表す。nd1及びnd2は、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。
 式(V)中、Re1及びRe2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Re3は、COO 又はSO を表す。M は、カチオンを表す。neは、0又は1を表す。
 Rd1及びRd2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
 上記ハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
 上記置換基を有していてもよいアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。
 上記置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は、1~10の場合が多い。
 Rd3は、COO 又はSO を表す。M は、カチオンを表す。
 上記カチオンとしては、例えば、公知のカチオンが挙げられ、具体的には、H(プロトン)、1価の有機カチオン及び1価の無機カチオン等の1価のカチオンが挙げられ、K又はNaが好ましい。
 nd1及びnd2は、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。
 nd1及びnd2は、同一又は異なっていてもよく、同一の整数を表すことが好ましい。
 以下、式(V)で表される化合物について詳述する。
 Re1及びRe2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
 Re1及びRe2としては、例えば、上記Rd1及び上記Rd2で表される置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
 Re3は、COO 又はSO を表す。M は、カチオンを表す。
 M は、上記M と同義であり、好適態様も同じである。
 neは、0又は1を表す。
 酸の作用により発色するロイコ色素(酸発色性ロイコ色素)としては、例えば、3,3-ビス(2-メチル-1-オクチル-3-インドリル)フタリド、6’-(ジブチルアミノ)-2’-ブロモ-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-キサンテン]、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-n-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-[2,2-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)ビニル]-3-(4-ジエチルアミノフェニル)-フタリド、2-アニリノ-6-ジブチルアミノ-3-メチルフルオラン、6-ジエチルアミノ-3-メチル-2-(2,6-キシリジノ)-フルオラン、2-(2-クロロアニリノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、3,3-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン、9-[エチル(3-メチルブチル)アミノ]スピロ[12H-ベンゾ[a]キサンテン-12,1’(3’H)イソベンゾフラン]-3’-オン、2’-メチル-6’-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9’-[9H]キサンテン]-3-オン、3’,6’-ビス(ジエチルアミノ)-2-(4-ニトロフェニル)スピロ[イソインドール-1,9’-キサンテン]-3-オン、9-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン-12,3’-フタリド]、2’-アニリノ-6’-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-[9H]キサンテン]、及び、6’-(ジエチルアミノ)-1’,3’-ジメチルフルオランが挙げられる。
 発色剤は、本発明の効果がより優れる点で、インドリルフタリド構造及びアザインドリルフタリド構造のいずれかを有する化合物が好ましく、インドリルフタリド構造を有する化合物が好ましい。
 インドリルフタリド構造を有する化合物は、インドリルフタリド構造を部分構造として有する化合物である。なお、上述したように、上記インドリルフタリド構造を有する化合物(インドリルフタリド系化合物)及びアザインドリルフタリド構造を有する化合物(アザインドリルフタリド系化合物)は発色剤として機能する。つまり、上記化合物は、インドリルフタリド構造を有する発色剤(特に、酸発色剤)及びアザインドリルフタリド構造を有する発色剤に該当する。
 インドリルフタリド構造を有する化合物中におけるインドリルフタリド構造の数は特に制限されず、1つでも、複数でもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、2つ以上が好ましく、2つがより好ましい。
 インドリルフタリド構造を有する化合物としては、一般式(A)で表される化合物、又は、一般式(B)で表される化合物が好ましく、一般式(B)で表される化合物がより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 一般式(A)中、Ra1及びRa2は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
 Ra1で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~12が更に好ましく、5~10が特に好ましい。
 Ra2で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
 なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Ra1及びRa2は、置換基を有していてもよいアルキル基を表すことが好ましく、無置換のアルキル基がより好ましい。
 Ra3は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Ra3で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
 Ra3で表されるアリール基は、単環構造であってもよいし、複環構造であってもよい。
 なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Ra3としては、置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、置換基を有するアリール基がより好ましい。
 Xは、-O-、又は、-NRa4-を表す。
 なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Xとしては-O-が好ましい。
 Ra4は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Ra4で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
 Ra4で表されるアリール基は、単環構造であってもよいし、複環構造であってもよい。
 一般式(A)で表される化合物の分子量は、特に制限されないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 一般式(B)中、Rb1~Rb4は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
 Rb1及びRb3で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~12が更に好ましく、5~10が特に好ましい。
 Rb2及びRb4で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
 なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Rb1~Rb4としては、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基がより好ましい。
 Xは、-O-、又は、-NRb5-を表す。
 なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Xとしては-O-が好ましい。
 Rb5は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
 Rb5で表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
 Rb5で表されるアリール基は、単環構造であってもよいし、複環構造であってもよい。
 一般式(B)で表される化合物の分子量は、特に制限されないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。
 紫外線感知層中の発色剤の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、紫外線感知層単位面積(m)あたり0.500g/m以下が好ましく、0.300g/m以下がより好ましく、0.140g/m以下が更に好ましく、0.070g/m以下が特に好ましい。下限は特に制限されないが、0.020g/m以上が好ましく、0.030g/m以上がより好ましい。紫外線感知層中の発色剤の含有量を上記範囲とすることで、発色剤による過剰な222nmの吸収が抑制されるため、発色反応に必要な最小限の発色剤量とすることができ、光学濃度差を0.20以上にできるものと推察している。
 上記発色剤の含有量は、紫外線感知部材から紫外線感知層を多く有する面積を切り出して、紫外線感知層をメタノールに2日間浸漬させた後、得られた溶剤を液体クロマトグラフィーで分析することにより、算出できる。なお、浸漬させている間はメタノールが揮発しないようにする。なお、必要に応じて、液体クロマトグラフィーの測定の前に、検出する発色剤の含有量の検量線を作成してもよい。
 液体クロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
装置:島津製作所製Nexera
カラム:Capcell pak C18 UG-120
溶離液:水/メタノール
オーブン:40℃
注入:5μL
検出:検出する発色剤の極大吸収波長
流速:0.2mL/min
(光活性剤)
 紫外線感知層は、光活性剤を含むことが好ましい。
 光活性剤は、光により活性化される化合物であれば特に制限されないが、光により活性化された光活性剤が、発色剤に作用して発色することが好ましく、紫外線により活性化される化合物であることが好ましい。光活性剤としては、光酸化剤及び光酸発生剤のいずれか1種以上であることが好ましい。紫外線感知部材が酸化されて発色する発色剤を含む場合には、光活性剤は光酸化剤を含むことが好ましく、紫外線感知部材が酸の作用により発色する発色剤を含む場合には、光活性剤は光酸発生剤を含むことが好ましい。
 光活性剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比(光活性剤/発色剤(質量比))としては、本発明の効果がより優れる点で、1.00超が好ましく、3.00以上がより好ましく、8.00以上が更に好ましく、10.00以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、40.00以下が好ましく、30.00以下がより好ましく、25.00以下が更に好ましく、20.00以下が特に好ましい。発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比を上記範囲にすることで、発色剤による過剰な222nmの吸収が抑制され、光活性剤が効率よく222nmを吸収することで、発色反応が効率よく進行し、光学濃度差を0.20以上にできるものと推察している。
 上記発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比は、上述した発色剤の含有量と同様に、メタノール抽出して液体クロマトグラフィーにて測定できる。なお、光活性剤は検出する光活性剤の極大吸収波長にて検出し、発色剤は検出する発色剤の極大吸収波長にて検出し、その質量比を求める。
・光酸化剤
 光酸化剤としては、紫外線により活性化されて、ラジカルを発生する、及び/又は、発色剤の水素原子を引き抜く作用を示すことにより発色剤を呈色し得る化合物であるのが好ましい。
 光酸化剤としては、なかでも、ラジカル発生剤及び有機ハロゲン化合物の1種以上であるのが好ましい。光酸発生剤として、ラジカル発生剤及び有機ハロゲン化合物を併用する態様も好ましい。ラジカル発生剤及び有機ハロゲン化合物を併用する場合、有機ハロゲン化合物に対するラジカル発生剤の含有量比(ラジカル発生剤/有機ハロゲン化合物(質量比))としては、発色部の階調性がより優れる点で、0.1~10であるのが好ましく、0.5~5であるのがより好ましい。
・・ラジカル発生剤
 ラジカル発生剤としては、紫外線により活性化されてラジカルを発生する化合物であれば特に制限されない。
 ラジカル発生剤としては、水素引抜型ラジカル発生剤が好ましい。水素引抜型ラジカル発生剤は、発色剤から水素原子を引き抜いて発色剤の酸化を促進する作用を示す。
 ラジカル発生剤としては、例えば、日本写真学会1968年春季研究発表会講演要旨55頁記載のアジドポリマー;米国特許第3,282,693号記載の2-アジドベンゾオキサゾール、ベンゾイルアジド、及び、2-アジドベンズイミダゾール等のアジド化合物;米国特許第3,615,568号記載の3’-エチル-1-メトキシ-2-ピリドチアシアニンパークロレート、及び、1-メトキシ-2-メチルピリジニウムp-トルエンスルホネート等;特公昭62-039728号記載の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体等のロフィンダイマー化合物;ベンゾフェノン;p-アミノフェニルケトン;多核キノン;チオキサンテノン;等が挙げられる。
 なかでも、ロフィンダイマー及びベンゾフェノンから選択される1種以上が好ましく、ロフィンダイマーがより好ましい。
 ロフィンダイマーとしては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が挙げられる。ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、国際公開第2016/017701号の段落0047に記載された化合物を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 なかでも、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾールが好ましい。2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾールとしては、例えば、「B-IMD」(黒金化成社製)、及び、「B-CIM」(保土ヶ谷化学工業社製)を使用できる。
 ロフィンダイマーとしては、下記一般式(1)で表される化合物も好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 式中、A、B、及びDは、各々独立に、無置換、又は、イミダゾリル基への二量体の解離若しくは発色剤の酸化を阻害しない置換基で置換された、炭素環又はヘテロアリール基を表す。
 B及びDは、各々独立に、無置換であるか、又は、1~3個の置換基を有するのが好ましく、Aは、無置換であるか、又は、1~4個の置換基を有するのが好ましい。
 一般式(1)で表される化合物及びそれらの製法は、ロフィンダイマー等として知られる知見を利用できる。例えば、米国特許第3552973号明細書の第4欄第22行及び第6欄第3行の記載が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 ラジカル発生剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
・・有機ハロゲン化合物
 有機ハロゲン化合物は、発色剤の酸化を促進し得る。
 有機ハロゲン化合物としては、発色部の階調性がより優れる点で、分子内のハロゲン原子の個数が3個以上である化合物が好ましい。ハロゲン原子の個数の上限値としては、9個以下であるのが好ましい。なお、有機ハロゲン化合物は、ロフィンダイマー及びベンゾフェノン以外の化合物である。
 有機ハロゲン化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 有機ハロゲン化合物としては、例えば、下記一般式(2)~(7)で表される化合物が挙げられる。
 P-CX      (2)
 式中、Pは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xは、各々独立に、ハロゲン原子を表す。
 P及びXで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
 Pで表されるアルキル基及びアリール基が有し得る置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロアルキル基、アセチル基、及び、炭素数1~6のアルコキシ基等が挙げられる。
 一般式(2)で表される化合物としては、例えば、トリクロロメタン、トリブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素、p-ニトロベンゾトリブロマイド、ブロモトリクロロメタン、ペンシトリクロライド、ヘキサブロモエタン、ヨードホルム、1,1,1-トリブロモ-2-メチル-2-プロパノール、1,1,2,2-テトラブロモエタン、2,2,2-トリブロモエタノール、及び、1,1,1-トリクロロ-2-メチル-2-プロパノールが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 式中、Rは、置換基を表す。xは、0~5の整数を表す。
 Rで表される置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のハロアルキル基、アセチル基、ハロアセチル基、及び、炭素数1~3のアルコキシ基が挙げられる。
 なお、式中にRが複数個存在する場合、R同士は互いに同一であっても異なっていてもよい。
 xとしては、0~3が好ましい。
 一般式(3)で表される化合物としては、例えば、o-ニトロ-α,α,α-トリブロモアセトフェノン、m-ニトロ-α,α,α-トリブロモアセトフェノン、p-ニトロ-α,α,α-トリブロモアセトフェノン、α,α,α-トリブロモアセトフェノン、及び、α,α,α-トリブロモ-3,4-シクロロアセトフェノンが挙げられる。
 R-SO-X      (4)
 式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。
 Rで表されるアルキル基としては、炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、炭素数1~6のアルキル基が更に好ましい。
 Rで表されるアリール基としては、炭素数6~20のアリール基が好ましく、炭素数6~14のアリール基がより好ましく、炭素数6~10のアリール基が更に好ましい。
 Rで表されるアルキル基及びアリール基が有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のハロアルキル基、アセチル基、ハロアセチル基、及び、炭素数1~3のアルコキシ基が挙げられる。
 Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子又は臭素原子がより好ましい。
 一般式(4)で表される化合物としては、例えば、2,4-ジニトロベンゼンスルホニルクロライド、o-ニトロベンゼンスルホニルクロライド、m-ニトロベンゼンスルホニルクロライド、3,3’-ジフェニルスルホンジスルホニルクロライド、エタンスルホニルクロライド、p-ブロモベンゼンスルホニルクロライド、p-ニトロベンゼンスルホニルクロライド、p-3-ベンゼンスルホニルクロライド、p-アセトアミドベンゼンスルホニルクロライド、p-クロロベンゼンスルホニルクロライド、p-トルエンスルホニルクロライド、メタンスルホニルクロライド、及び、ヘンゼンスルホニルブロマイドが挙げられる。
 R-S-X      (5)
 式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。
 Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、一般式(4)のRと同じであり、好適態様も同じである。
 Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子又は臭素原子がより好ましい。
 一般式(5)で表される化合物としては、例えば、2,4-ジニトロベンゼンスルフェニルクロライド、及び、o-ニトロベンゼンスルフェニルクロライドが挙げられる。
 R-L-CX      (6)
 式中、Rは、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。Lは、-SO-又はSO-を表す。X、X、及び、Xは、各々独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。ただし、X、X、及び、Xの全てが水素原子であることはない。
 Rで表されるアリール基としては、炭素数6~20のアリール基が好ましく、炭素数6~14のアリール基がより好ましく、炭素数6~10のアリール基が更に好ましい。
 Rで表されるヘテロアリール基としては、炭素数4~20のヘテロアリール基が好ましく、炭素数4~13のヘテロアリール基がより好ましく、炭素数4~9のヘテロアリール基が更に好ましい。
 Rで表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のハロアルキル基、アセチル基、ハロアセチル基、及び、炭素数1~3のアルコキシ基が挙げられる。
 X、X、及び、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子又は臭素原子がより好ましい。
 一般式(6)で表される化合物としては、例えば、ヘキサブロモジメチルスルホオキサイド、ペンタブロモジメチルスルホオキサイド、ヘキサブロモジメチルスルホン、トリクロロメチルフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホン(BMPS)、トリクロロ-p-クロロフェニルスルホン、トリブロモメチル-p-ニトロフェニルスルホン、2ートリクロロメチルベンゾチアゾールスルホン、4,6-シメチルビリミジン-2-トリブロモメチルスルホン、テトラブロモジメチルスルホン、2,4-ジクロロフェニル-トリクロロメチルスルホン、2-メチル-4-クロロフェニルトリクロロメチルスルホン、2,5-ジメチル-4-クロロフェニルトリクロロメチルスルホン、2,4-ジクロロフェニルトリメチルスルホン、及び、トリ-p-トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートが挙げられ、トリクロロメチルフェニルスルホン、又は、トリブロモメチルフェニルスルホン(BMPS)が好ましい。
 RCX      (7)
 式中、Rは、置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。X、X、及び、Xは、各々独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。ただし、X、X、及び、Xの全てが水素原子であることはない。
 Rで表されるヘテロアリール基としては、炭素数4~20のヘテロアリール基が好ましく、炭素数4~13のヘテロアリール基がより好ましく、炭素数4~9のヘテロアリール基が更に好ましい。
 Rで表されるヘテロアリール基が有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のハロアルキル基、アセチル基、ハロアセチル基、及び、炭素数1~3のアルコキシ基が挙げられる。
 X、X、及び、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子又は臭素原子がより好ましい。
 一般式(7)で表される化合物としては、例えば、トリブロモキナルジン、2-トリブロモメチル-4-メチルキノリン、4-トリブロモメチルピリミジン、4-フェニル-6-トリブロモメチルピリミジン、2-トリクロロメチル-6-ニトロベンゾチアゾール、1-フェニル-3-トリクロロメチルピラゾール、2,5-ジトリブロモメチル-3,4-ジブロモチオフェン、2-トリクロロメチル-3-(p-ブトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,6-ジドリクロロメチル-4-(p-メトキシフェニル)-トリアジン、及び、2-(4-メチルフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
 なかでも、有機ハロゲン化合物としては、一般式(3)で表される化合物、一般式(6)で表される化合物、又は、一般式(7)で表される化合物が好ましく、本発明の効果がより優れる点から、一般式(6)で表される化合物がより好ましい。本発明の効果がより優れる理由は定かでないが、上記一般式(6)で表される化合物は、波長222nmとの相性が良いためであると推測される。
 上記化合物が有するハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子又は臭素原子がより好ましい。
 有機ハロゲン化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
・光酸発生剤
 光酸発生剤としては、紫外線により開裂して酸を発生し、上記酸の作用によって発色剤を呈色し得る化合物であるのが好ましい。
 光酸発生剤としては、ノニオン性光酸発生剤及びイオン性光酸発生剤が挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、ノニオン性光酸発生剤が好ましい。ノニオン性光酸発生剤としては、有機ハロゲン化合物及びオキシム化合物が挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる点で、有機ハロゲン化合物が好ましく、上述した一般式(6)で表される化合物がより好ましい。
 有機ハロゲン化合物としては、発色部の階調性がより優れる点で、分子中のハロゲン原子の個数が3個以上である化合物が好ましい。ハロゲン原子の個数の上限値としては、9個以下であるのが好ましい。
 有機ハロゲン化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 有機ハロゲン化合物の具体例としては、上段部において光酸化剤として挙げた有機ハロゲン化合物と同じものが挙げられる。
 イオン性光酸発生剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、及び、スルホニウム塩が挙げられ、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩が好ましい。イオン性光酸発生剤としては、例えば、特開昭62-161860号公報、特開昭61-67034号公報、及び、特開昭62-050382号公報に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 また、光酸発生剤としては、光により酸を発生する化合物であれば、特に制限はなく、ハロゲン化水素(例えば塩酸)、硫酸、及び、硝酸等の無機酸を発生する光酸発生剤であってもよく、カルボン酸及びスルホン酸等の有機酸を発生する光酸発生剤であってもよい。本発明の効果がより優れる点では、なかでも、無機酸を発生する光酸発生剤であるのが好ましく、ハロゲン化水素を発生する光酸発生剤であるのがより好ましい。
 光酸発生剤の具体例としては、トリアリールスルホニウムへキサフルオ口ホスフェート、トリアリールスルホニウムアーセネート、トリアリールスルホニウムアンチモネート、ジアリールヨードニウムへキサフルオロホスフェート、ジアリールヨードニウムアーセネート、ジアリールヨードニウムアンチモネート、ジアルキルフェナシルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジアルキルフェナシルスルホニウムへキサフルオロホスフェート、ジアルキル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジアルキル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムへキサフルオロホスフェート、N-プロモサクシンイミド、トリブロモメチルフェニルスルホン、ジフェニル沃素、2-トリクロロメチル-5-(p-ブトキシスチリル)-1.3.4-オキサジアゾール、及び、2.6-ジトリクロロメチル-4-(p-メトキシフエニル)-トリアジンが挙げられる。
 紫外線感知層は、発色剤及び光活性剤以外の他の成分を含んでいてもよい。
 他の成分としては、後述する第1実施形態で説明する他の成分(高分子バインダー、還元剤、光安定剤、架橋剤、増感剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、及び、着色剤など)が挙げられる。
 以下、具体的な態様を挙げて、紫外線感知部材について詳述する。
〔第1実施形態〕
 本発明の紫外線感知部材の第1実施形態は、光活性剤と、発色剤と、ヘテロ原子を有する溶媒とを内包するマイクロカプセルを含む紫外線感知層を備えた紫外線感知部材である。つまり、上述した本発明の実施態様A~Cの紫外線感知部材は、光活性剤と、発色剤と、ヘテロ原子を有する溶媒とを内包するマイクロカプセルを含む紫外線感知層を備えた紫外線感知部材であってもよい。
 以下、ヘテロ原子を有する溶媒を、「特定溶媒」ともいう。
 第1実施形態とすることで、上述したC1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差のいずれか1つを0.20以上に制御しやすい。
 図1は、紫外線感知部材の第1実施形態の一例の模式断面図である。
 紫外線感知部材10は、支持体12、及び、支持体12の一方の表面に配置された、光活性剤と、発色剤と、特定溶媒とを内包するマイクロカプセルを含む紫外線感知層14を備える。紫外線の照射を受けた紫外線感知層14では、紫外線照射量に応じた発色濃度で発色した発色部(不図示)が形成される。
 上述したように、図1においては、紫外線感知部材がシート状である態様について示しているが、この態様に限定されない。
 なお、後述するように、紫外線感知部材10は紫外線感知層14を有していればよく、支持体12を有していてなくてもよい。
 更に、図1に示す紫外線感知部材10は、支持体12と紫外線感知層14との2層構成であるが、この態様に制限されず、後述するように、支持体12及び紫外線感知層14以外のその他の層(例えば、反射層、光沢層及びフィルタ層等)を備えていてもよい。
 紫外線感知部材に含まれる紫外線感知層は、紫外線照射量の測定に際して紫外線の照射を受けると、紫外線の照射を受けた領域(紫外線被照射領域)において、紫外線照射量(例えば、積算照度)に応じた発色濃度で発色した発色部(発色画像)が形成される。紫外線照射量に応じた発色濃度で発色するとは、発色画像が紫外線照射量に応じた階調性を有していることを意味する。
 紫外線感知層の上記の主な発色機構は、紫外線感知層中に含まれるマイクロカプセルに由来している。紫外線感知層は紫外線の照射を受けると、通常、紫外線被照射領域に存在するマイクロカプセル内において発色剤が呈色する。具体的には、光活性剤が紫外線を吸収して活性化して酸及び/又はラジカルを発生し、発色剤は、この酸及び/又はラジカル等と反応することによって呈色する。このとき、光活性剤から発生する酸及び/又はラジカルの発生量は照射された紫外線照射量に応じて異なり、光活性剤から発生する酸及び/又はラジカルの発生量によって、呈色する発色剤の量も異なる。この結果として、紫外線感知層の紫外線被照射領域では、照射された紫外線照射量に応じて発色濃度の濃淡が生じ、紫外線照射量に応じた発色濃度で発色した発色部が形成される。
 本発明者らは、紫外線感知層中のマイクロカプセルが特定溶媒を内包する場合、特定溶媒は波長222nmに対する吸収が少なく、更に、特定溶媒は光活性剤及び発色剤の溶解性が高く、呈色反応を阻害しにくいため、波長222nmの感度向上に寄与しているものと推察している。
 紫外線感知部材10の厚さの下限値としては、5μm以上であるのが好ましく、25μm以上であるのがより好ましい。また、上限値としては、1cm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのがより好ましい。
 以下、紫外線感知部材の第1実施形態の各部材について詳述する。
<<支持体>>
 支持体は、紫外線感知層を支持するための部材である。
 なお、紫外線感知層自体で取り扱いが可能な場合には、紫外線感知部材は支持体を有していなくてもよい。
 支持体としては、例えば、樹脂シート、紙(合成紙を含む)、布(織布及び不織布を含む)、ガラス、木、及び、金属等が挙げられる。支持体としては、樹脂シート又は紙が好ましく、樹脂シート又は合成紙がより好ましく、樹脂シートが更に好ましい。
 樹脂シートの材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等)、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、及び、セルロース系樹脂等が挙げられる。
 合成紙としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成したもの(ユポ等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及び、ポリアミド等の合成繊維を用いて作製したもの、並びに、これらを紙の一部、片面又は両面に積層したもの、等が挙げられる。
 また、樹脂シートの他の好適な一態様としては、樹脂中に白色顔料を分散させてなる白色樹脂シートも挙げられる。上記白色樹脂シートにおける樹脂の材料としては、上述した樹脂シートの材料と同じものが挙げられる。
 白色樹脂シートは、紫外線反射性を有する。このため、支持体が白色樹脂シートである場合、紫外線感知部材に照射された紫外線は支持体で反射するため、紫外線の紫外線感知部材内部における散乱を抑制できる。この結果として、紫外線感知部材の紫外線照射量の検出精度がより向上し得る。
 白色顔料としては、国際公開第2016/017701号の段落0080に記載された白色顔料を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 白色樹脂シートは、例えば、白色ポリエステルシートが好ましく、白色ポリエチレンテレフタレートシートがより好ましい。
 白色樹脂シートの市販品としては、ユポ(ユポコーポレーション社製)、ルミラー(東レ社製)、及び、クリスパー(東洋紡社製)等が挙げられる。
 支持体の厚さの下限値としては、5μm以上であるのが好ましく、25μm以上であるのがより好ましく、50μm以上であるのが更に好ましい。また、上限値としては、1cm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのがより好ましく、500μm以下であるのが更に好ましい。
<<紫外線感知層>>
 紫外線感知層は、光活性剤と、発色剤と、特定溶媒とを内包するマイクロカプセル(以下「特定マイクロカプセルA」ともいう。)を含む。
 以下において、紫外線感知層に含まれ得る各種成分について詳述する。
<特定マイクロカプセルA>
 紫外線感知層は、特定マイクロカプセルAを含む。
 以下、まず、特定マイクロカプセルAを構成する材料について詳述する。
 特定マイクロカプセルAは、通常、コア部と、コア部をなすコア材(内包されるもの(以下「内包成分」ともいう。))を内包するためのカプセル壁と、を有する。
 特定マイクロカプセルAは、コア材(内包成分)として、光活性剤と、発色剤と、特定溶媒と、を内包する。
 特定マイクロカプセルAの一の好適態様としては、光活性剤が光酸化剤であり、発色剤が酸化されて発色する発色剤であることが挙げられる。
 また、特定マイクロカプセルAの別の好適態様としては、光活性剤が光酸発生剤であり、発色剤が酸の作用により発色する発色剤であることが挙げられる。
 特定マイクロカプセルAとしては、常温ではカプセル壁の物質隔離作用によりカプセル内外の物質の接触を妨げるものが好ましい。具体的には、特開昭59-190886号公報、及び、特開昭60-242094号公報が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
(カプセル壁)
 特定マイクロカプセルAのカプセル壁は、実質的に、樹脂で構成されることが好ましい。「実質的に樹脂で構成される」とは、樹脂の含有量が、カプセル壁全質量に対して、90質量%以上であることを意味し、100質量%であるのが好ましい。つまり、特定マイクロカプセルのカプセル壁は、樹脂で構成されることが好ましい。
 上記樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン、スチレン-メタクリレート共重合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、及び、ポリビニルアルコールが挙げられる。なかでも、内包物が漏れにくい密な架橋構造とし、かつ、波長222nmの透過率を制御することで、波長222nmの感度をより向上できる点で、ポリウレア、ポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンからなる群から選ばれる1種以上であるのがより好ましい。
 ポリウレアは、ウレア結合を複数有するポリマーであり、ポリアミンとポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。
 なお、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなることを利用して、ポリイソシアネートを用いて、ポリアミンを使用せずに、ポリウレアを合成することもできる。
 また、ポリウレタンウレアは、ウレタン結合及びウレア結合を有するポリマーであり、ポリオールと、ポリアミンと、ポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。
 なお、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させる際に、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなり、結果的にポリウレタンウレアが得られることがある。
 また、ポリウレタンとはウレタン結合を複数有するポリマーであり、ポリオールとポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。
 ポリイソシアネートは、芳香環又は脂環を有していることが好ましい。
 なかでも、ポリイソシアネートは、本発明の効果がより優れる点で、脂環を有することが好ましい。脂環を有するポリイソシアネートを使用した場合、マイクロカプセル壁の透明性が優れるため、波長222nmの感度がより優れる。
 上記芳香環としては、例えば、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられ、芳香族炭化水素環が好ましく用いられる。
 上記芳香族炭化水素環は、置換基を有していてもよい。
 上記芳香族炭化水素環の炭素数は特に制限されないが、6~30が好ましく、6~18がより好ましく、6~10が更に好ましい。
 芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
 ポリイソシアネートにおける芳香環の個数は特に制限されず、1個であっても、2個以上であってもよく、1個が好ましい。
 上記脂環は、置換基を有していてもよい。
 上記脂環の炭素数は特に制限されないが、3~30が好ましく、3~18がより好ましく、6~10が更に好ましい。
 脂環としては、例えば、シクロヘキサン環が挙げられる。
 ポリイソシアネートにおける脂環の個数は特に制限されず、1個であっても、2個以上であってもよく、1~3個が好ましい。
 芳香族ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネートが挙げられ、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1,4-ジイソシアネート、キシリレン-1,3-ジイソシアネート、4-クロロキシリレン-1,3-ジイソシアネート、2-メチルキシリレン-1,3-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート及び4,4’-ジフェニルヘキサフルオロプロパンジイソシアネートが挙げられる。
 脂肪族ポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートが挙げられ、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート及び水素化キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
 ポリイソシアネートとしては、3官能以上のポリイソシアネート(例えば、3官能のトリイソシアネート及び4官能のテトライソシアネート)も挙げられる。
 3官能以上のポリイソシアネートとしては、芳香族又は脂環族ジイソシアネートと1分子中に3つ以上の活性水素基を有する化合物(例えば、3官能以上の、ポリオール、ポリアミン又はポリチオール等)とのアダクト体(付加物)である3官能以上のポリイソシアネート(アダクト型である3官能以上のポリイソシアネート)及び芳香族又は脂環族ジイソシアネートの3量体(ビウレット型又はイソシアヌレート型)が好ましい。
 ポリイソシアネートとしては、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の重合性基を有するポリイソシアネート及びリジントリイソシアネートも挙げられる。
 ポリイソシアネートについては「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、日刊工業新聞社発行(1987))を援用できる。
 ポリイソシアネートの市販品としては、例えば、タケネート(登録商標)D-102、D-103、D-103H、D-103M2、P49-75S、D-110N、D-120N、D-140N、D-160N、D-127N、D-170N、D-170HN、D-172N、D-177N、D-204、D-165N、NP1100(三井化学社製)スミジュールN3300、デスモジュール(登録商標)L75、UL57SP、N3200、N3600、N3900、Z4470BA(住化バイエルウレタン社製)、コロネート(登録商標)HL、HX、L、HK(日本ポリウレタン社製)、P301-75E(旭化成社製)、デュラネート(登録商標)TPA-100、TKA-100、TSA-100、TSS-100、TLA-100、24A-100、TSE-100(旭化成社製)及びバーノック(登録商標)D-750(DIC社製)が挙げられる。
 ポリオールとしては、例えば、脂肪族、芳香族の多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、及び、ヒドロキシポリアルキレンエーテルが挙げられる。
 具体的には、特開昭60-049991号公報に記載されたポリオールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-へブタンジオール、1,8-オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3-ジヒドロキシブタン、1,2-ジヒドロキシブタン、1,3-ジヒドロキシブタン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、2-フェニルプロピレングリコール、1,1,1-トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物、グリセリンエチレンオキサイド付加物、グリセリン、1,4-ジ(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、レゾルシノールジヒドロキシエチルエーテル等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物、p-キシリレングリコール、m-キシリレングリコール、α、α’-ジヒドロキシ-p-ジイソプロピルベンゼン、4,4’-ジヒドロキシ-ジフェニルメタン、2-(p、p’-ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、及び、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
 ポリオールは、イソシアネート基1モルに対して、水酸基の割合が0.02~2モルとなる量で使用されるのが好ましい。
 ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、2-ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、及び、エポキシ化合物のアミン付加物が挙げられる。
 ポリイソシアネートは、水と反応して高分子物質を形成することもできる。
 ポリイソシアネート、ポリオール、及び、ポリアミンとしては、例えば、米国特許3281383号、米国特許3773695号、米国特許3793268号、特公昭48-040347号公報、特公昭49-024159号公報、特開昭48-080191号公報、及び、特公昭48-084086号公報が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 マイクロカプセルの平均粒子径としては、体積平均粒径で、0.1~100μmであるのが好ましい。下限値としては、0.3μm以上であるのがより好ましく、0.5μm以上であるのが更に好ましい。上限値としては、10μm以下であるのがより好ましく、5μm以下であるのが更に好ましい。マイクロカプセルの平均粒子径(体積平均粒径)が0.1μm以上である場合、カプセル内のコア材をより安定に保護できる。一方、マイクロカプセルの平均粒子径(体積平均粒径)が100μm以下である場合、発色画像の解像性がより向上する。
 なお、マイクロカプセルの平均粒子径(体積平均粒径)は、例えば、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950((株)堀場製作所製)で測定できる。
 また、紫外線感知部材に含まれるマイクロカプセルの平均粒子径を測定する場合には、マイクロカプセルの平均粒子径(体積平均粒径)は、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定できる。具体的には、紫外線感知層の表面をSEMにて5000倍で観察し、観察した視野に存在する全てのマイクロカプセルについて画像解析により平均粒子径を求める。なお、表面にマイクロカプセルが観察できない場合には、断面切片を作製して上記同様に測定する。
 なお、上記マイクロカプセルは、特定マイクロカプセルA及び特定マイクロカプセルA以外を包含した概念を意味する。
(特定溶媒)
 特定マイクロカプセルAは、特定溶媒を内包する。
 特定溶媒は、ヘテロ原子を有する溶媒であり、ヘテロ原子を有する芳香族溶媒、及び、ヘテロ原子を有する非芳香族溶媒が挙げられる。
 「芳香族溶媒」とは、分子内に芳香環を有する溶媒を意味する。「非芳香族溶媒」とは、分子内に芳香環を有さない溶媒を意味する。
・ヘテロ原子を有する非芳香族溶媒
 ヘテロ原子を有する非芳香族溶媒(非芳香族溶媒Xともいう)としては、分子内に、ヘテロ原子を有し、芳香環を有さない非芳香族溶媒であれば特に制限されない。
 非芳香族溶媒Xとしては、脂肪族構造を有する非芳香族溶媒が好ましい。
 「脂肪族構造を有する」とは、分子内に、芳香環を有さない炭化水素基を有することを意味する。
 上記芳香環を有さない炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれであってもよい。また、上記芳香環を有さない炭化水素基は、炭化水素基中の炭素原子が、ヘテロ原子及びカルボニル炭素で置換されていてもよい。また、上記炭化水素基は、更に置換基を有していてもよく、置換基がヘテロ原子を有していてもよい。
 ヘテロ原子としては、例えば、炭素原子及び水素原子以外の原子が挙げられ、窒素原子、酸素原子、リン原子、又は、硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
 上記炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、1~50が好ましく、6~50がより好ましく、8~30が更に好ましい。
 非芳香族溶媒Xとしては、脂肪族カルボン酸、脂肪酸エステル、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、及び、ケトン系溶媒からなる群から選択される1種以上の溶媒が好ましい。発色反応を促進する点では、アルコール系溶媒が好ましいが、カプセル化反応適正及び安全性の点からは、脂肪族カルボン酸、脂肪酸エステル、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、及び、ケトン系溶媒が好ましい。
 脂肪族カルボン酸としては、例えば、オレイン酸、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、及び、ラウリン酸メチルが挙げられる。
 脂肪酸エステルとしては、例えば、不飽和脂肪酸エステル及び飽和脂肪酸エステルが挙げられる。具体的には、大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、及び、魚油等の天然動植物油が挙げられる。
 また、脂肪酸エステルとしては、例えば、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族スルホン酸エステル、及び、脂肪族リン酸エステルが挙げられ、脂肪族リン酸エステルが好ましい。具体的には、トリ(2-エチルヘキシエル)ホスフェートが挙げられる。
 エーテル系溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
 ケトン系溶媒としては、例えば、シクロヘキサノンが挙げられる。
 アルコール系溶媒としては、カプセル形成反応を可能にしやすい点で、長鎖アルキルアルコールが好ましく、長鎖アルキルモノアルコールがより好ましく、中でも、炭素数6~20の長鎖アルキルモノアルコールが好ましい。例えば、オクタノールが挙げられる。
 アミド系溶媒としては、例えば、N,N-ジエチルドデカンアミドが挙げられる。
 非芳香族溶媒Xの沸点としては、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、140℃以上が更に好ましい。上限としては特に制限されないが、500℃以下が好ましい。上記非芳香族溶媒Xの沸点が100℃以上である場合、マイクロカプセル化反応等の加熱工程において、特定マイクロカプセルAから特定溶媒が除外されることなく残存しやすくなる。
 非芳香族溶媒Xの分子量は特に制限されず、100以上の場合が多く、150以上が好ましい。上限は特に制限されないが、1000以下が好ましく、600以下がより好ましく、500以下が更に好ましい。
 非芳香族溶媒Xは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 特定マイクロカプセルA中、非芳香族溶媒Xの含有量としては、溶媒の総質量に対して、1~100質量%であるのが好ましく、10~100質量%であるのがより好ましく、25~100質量%であるのが更に好ましい。
 非芳香族溶媒Xは、紫外線感知層をアセトンで抽出し、得られたろ液を濃縮してGC-MS(Gas Chromatography Mass Spectrometry)分析することで種類、含有量及び組成比を分析できる。
・ヘテロ原子を有する芳香族溶媒
 ヘテロ原子を有する芳香族溶媒(芳香族溶媒Yともいう)としては、分子内に、ヘテロ原子を有し、芳香環を有する溶媒であれば特に制限されない。
 芳香族溶媒Yが有する芳香環としては、例えば、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられ、芳香族炭化水素環が好ましく用いられる。
 上記芳香族炭化水素環としては、単環及び縮合多環のいずれであってもよいが、単環が好ましい。
 また、上記芳香族炭化水素環は、置換基を有していてもよい。なお、上記芳香族炭化水素環が置換基を複数有する場合、置換基同士が互いに結合して脂環を形成していてもよい。また、上記芳香族炭化水素環は、脂肪族構造を有していてもよい。
 上記芳香族炭化水素環の炭素数は特に制限されないが、6~30が好ましく、6~18がより好ましく、6~10が更に好ましい。
 単環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
 多環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ナフタレン環が挙げられる。
 上記芳香族複素環としては、単環及び多環のいずれであってもよい。
 また、上記芳香族複素環は、置換基を有していてもよい。
 芳香族溶媒における芳香環の個数は特に制限されず、1個であっても、2個以上であってもよい。なお、芳香環を2個以上含む場合、上記2個の芳香環は、各芳香環上に存在し得る置換基が互いに結合することで多環構造(ただし、縮合多環構造を含まない)を形成していてもよい。
 芳香族溶媒Yとしては、例えば、分子内に芳香族複素環を有する芳香族溶媒、並びに、分子内にヘテロ原子及び芳香族炭化水素環を有する芳香族溶媒が挙げられる。
 芳香族溶媒Y中のヘテロ原子としては、炭素原子及び水素原子以外の原子が挙げられ、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は、リン原子が好ましく、酸素原子又はリン原子がより好ましい。波長222nmの透過率を確保しつつ、発色反応を促進し、波長222nmの感度により優れる点で、芳香族溶媒Yは、カルボン酸エステル連結基、スルホン酸エステル連結基、リン酸エステル連結基、カルボニル連結基、又は、スルホン連結基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
 芳香族溶媒Yとしては、例えば、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、トルエンスルホン酸メチル、及び、トルエンスルホン酸エチル等の置換又は無置換のベンゼンスルホン酸エステル;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、及び、フタル酸ジシクロヘキシル等の置換又は無置換のフタル酸ジエステル;トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート(t-BDP)、ビス-(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート(BBDP)、トリス-(t-ブチルフェニル)ホスフェート(TBDP)、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート(IPP)、ビス-(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート(BIPP)、及び、トリス-(イソプロピルフェニル)ホスフェート(TIPP)等の芳香族ホスフェートが挙げられる。
 芳香族溶媒Yは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 芳香族溶媒Yの沸点及び分子量及び含有量は、それぞれ、上述した非芳香族溶媒Xと同じであり、好適態様も同じである。
 溶媒の種類、含有量及び組成比は、上述した非芳香族溶媒Xにおける分析方法と同様の方法で分析できる。
 特定溶媒は、沸点が100℃以上の溶媒を1種以上含んでいるのが好ましく、特定マイクロカプセルA中に含まれる全ての特定溶媒は、沸点が100℃以上であるのがより好ましい。なお、特定溶媒の沸点の上限としては、500℃以下が好ましい。
 特定マイクロカプセルA中に含まれる全ての溶媒は、沸点が100℃以上であるのが好ましい。なお、全ての溶媒の沸点の上限としては、500℃以下が好ましい。
(発色剤)
 特定マイクロカプセルAは、発色剤を内包する。特定マイクロカプセルAに内包される発色剤としては、上述した紫外線感知層が含む発色剤と同じ種類の発色剤が挙げられ、好適態様も同じである。
(光活性剤)
 特定マイクロカプセルAは、光活性剤を内包する。特定マイクロカプセルAに内包される光活性剤としては、上述した紫外線感知層が含む光活性剤と同じ種類の光活性剤が挙げられ、好適態様も同じである。
(光安定剤)
 特定マイクロカプセルAは、光安定剤を内包することが好ましい。
 光安定剤は、光により安定化する材料であれば、特に制限されないが、活性化された光活性剤の遊離基をトラップする、いわゆるフリーラジカル捕獲物質として作用するのが好ましい。
 光安定剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 光安定剤としては、例えば、2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ヒドロキノン、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、及び、ヒドロキシヒドロキノンのような多価フェノール類、並びに、o-アミノフェノール及びp-アミンフェノールのようなアミノフェノール類等が挙げられる。
 光活性剤に対する光安定剤の含有量比(光安定剤/光活性剤(モル比))としては、0.0001~10が好ましく、0.0002~5がより好ましい。
(還元剤)
 特定マイクロカプセルAは、還元剤を内包してもよい。
 還元剤は、光酸化剤を失活させる機能を有する。
 特定マイクロカプセルAが還元剤を含む場合、紫外線照射による紫外線感知層の発色濃度の急激な変化を抑制でき、紫外線照射量に応じて発色濃度を変化させやすくなる。還元剤は、酸化防止剤として機能することもある。
 還元剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 還元剤としては、環式フェニルヒドラジド化合物が挙げられる。具体的には、1-フェニルピラゾリジン-3-オン、1-フェニル-4-メチルビラゾリジン-3-オン、1-フェニル-4,4-ジメチルピラゾリジン-3-オン、3-メチル-1-p-スルホフェニル-2-ピラゾリン-5-オン、3-メチル-1-フェニル-2-ビラゾリン-5-オン、及び、4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ピラゾリジノン(ジメゾンS、大東化学(株)製)等が挙げられる。
 還元剤としては、国際公開第2016/017701号の段落0072~0075に記載された還元剤を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
(紫外線吸収剤)
 特定マイクロカプセルAは、紫外線吸収剤を内包していてもよい。
 紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線吸収剤)、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、及び、ベンゾジチオール化合物が挙げられる。
 なかでも、波長222nmの感度がより優れる点で、紫外線吸収剤は、波長222nmの吸収が小さい方が好ましく、具体的には、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、及び、ベンゾジチオール化合物が好ましく用いられる。
 また、特定マイクロカプセルAは、波長222nmの吸収が大きいベンゾトリアゾール化合物を内包しないのが好ましい。特定マイクロカプセルAがベンゾトリアゾール化合物を内包する場合、ベンゾトリアゾール化合物の含有量は、光活性剤の全質量に対して、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。下限としては、制限されないが、例えば、0.0001質量%以である。
 また、ベンゾトリアゾール化合物の含有量は、発色剤の全質量に対して、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。下限としては、制限されないが、例えば、0.0001質量%以上である。
 紫外線吸収剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 市販のトリアジン化合物としては、例えば、アデカスタブ LA-F70((株)アデカ製)、Tinuvin 1577 ED、Tinuvin 1600(BASF製)、2,4-Bis(2,4-dimethylphenyl)-6-(2-hydroxy-4-n-octyloxyphenyl)-1,3,5-triazine、2-(2,4-Dihydroxyphenyl)-4,6-diphenyl-1,3,5-triazine、及び、Ethylhexyl Triazone(東京化成(株)製)が挙げられる。
 市販のベンゾフェノン化合物としては、例えば、Chimassorb 81、Chimassorb 81 FL(BASF製)が挙げられる。
 ベンゾジチオール化合物としては、例えば、国際公開第2019/159570号に記載の化合物が挙げられる。
(その他の成分)
 特定マイクロカプセルAは、上述した成分以外に、必要に応じて、ワックス、特定溶媒以外の溶媒、及び、臭気抑制剤等の添加剤を1種以上内包していてもよい。
<特定マイクロカプセルAの製造方法>
 特定マイクロカプセルAの製造方法は特に制限されず、例えば、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、及び、コアセルベーション法等の公知の方法が挙げられる。
 特定マイクロカプセルAの製造方法としては、例えば、以下に示す乳化工程とカプセル化工程とを含む方法が一例として挙げられる。なお、カプセル化工程において、界面重合法により樹脂の壁(カプセル壁)を形成するのが好ましい。
 乳化工程:発色剤と、光活性剤と、特定溶媒と、乳化剤とを水中で混合して、乳化液を調製する工程
 カプセル化工程:乳化工程で得られた乳化液中の発色剤と、光活性剤と、特定溶媒とを含む油滴の周囲に樹脂の壁(カプセル壁)を形成してカプセル化する工程
 以下において、カプセル壁がポリウレア又はポリウレタンウレアである特定マイクロカプセルAの製造方法を一例として、界面重合法について説明する。
 界面重合法としては、光活性剤、特定溶媒、沸点が100℃未満の脂肪族構造を含む溶媒(以下、「カプセル作製用溶媒」ともいう。)、発色剤、及び、カプセル壁材(例えば、ポリイソシアネート)を含む油相を、乳化剤を含む水相に分散して乳化液を調製する工程(乳化工程)と、カプセル壁材を油相と水相との界面で重合させてカプセル壁を形成し、酸化剤及び光酸発生剤から選ばれる光活性剤、特定溶媒、及び発色剤を内包するマイクロカプセルを形成する工程(カプセル化工程)と、を含む界面重合法が好ましい。
 上記乳化工程において、カプセル作製用溶媒は、通常、コア材の溶媒への溶解性向上を目的として添加され得る成分である。なお、カプセル作製用溶媒は、分子内に芳香環を含まない。また、カプセル作製用溶媒は、後述する紫外線感知層の形成方法における乾燥処理によって除媒される。よって、紫外線感知部材におけるマイクロカプセルは、カプセル作製用溶媒を内包していないことが好ましい。
 カプセル作製用溶媒としては特に制限されず、例えば、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸イソプロピル(沸点89℃)、メチルエチルケトン(沸点80℃)、及び、メチレンクロライド(沸点40℃)が挙げられる。
 カプセル作製用溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 また、上記乳化工程で使用される乳化剤の種類は特に制限されず、例えば、分散剤、及び、界面活性剤が挙げられる。
 分散剤としては、例えば、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から選択された水溶性高分子が挙げられ、具体的には、ポリビニルアルコール、ゼラチン、及び、セルロース誘導体が挙げられ、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
 分散剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤であるのが好ましく、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及び、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム)、アルキスルホン酸塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、及び、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)、並びに、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)が挙げられる。
 界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 また、特定マイクロカプセルAの他の製造方法として、米国特許第3726804号、同3796696号の明細書に記載の方法も参酌できる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 紫外線感知層中における特定マイクロカプセルAの含有量は特に制限されないが、紫外線感知層全質量に対して、50~99質量%が好ましく、60~90質量%がより好ましい。
 紫外線感知層中における特定マイクロカプセルAの含有量(固形分塗布量)としては、0.1~30g/mであるのも好ましい。下限値としては、0.5g/m以上が好ましく、1g/m以上がより好ましい。上限値としては、25g/m以下が好ましく、20g/m以下がより好ましい。
 紫外線感知層は、上述した特定マイクロカプセルA以外の他の成分を含んでいてもよい。
 他の成分としては、例えば、高分子バインダー、還元剤、光安定剤、架橋剤、増感剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、及び、着色剤が挙げられる。
 他の成分として使用される化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 高分子バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレン-ブタジエンラテックス、アクリロニトリル-ブタジエンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、及び、エチシン-酢酸ビニル共重合体等の各種エマルジョンが挙げられる。
 また、高分子バインダーとしては、特開2017-167155号公報の段落0078に記載された高分子バインダーを参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 高分子バインダーは、架橋されていてもよい。換言すると、高分子バインダーは架橋バインダーであってもよい。
 架橋剤は特に制限されず、例えば、グリオキサゾールを使用できる。また、特開2017-167155号公報の段落0079に記載された架橋剤を参酌することもできる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 還元剤、増感剤、及び、界面活性剤等としては、特開平1-207741号公報の第9頁左下欄~第10頁左上欄、特開2004-233614号公報の段落0038~0039、及び、0048~0059の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 また、還元剤、光安定剤、紫外線吸収剤、及び、界面活性剤としては、特定マイクロカプセルA中に含まれ得る還元剤、光安定剤、紫外線吸収剤、及び、界面活性剤も使用できる。
 着色剤は、上述した発色剤と併用することで、色味の制御がしやすくなる。
 着色剤としては、染料や顔料が挙げられる。顔料としては、特に制限はないが、例えば、国際公開第2016/017701号の段落0018~0022に記載の黄色顔料や白色顔料としての無機粒子が挙げられる。
 なお、着色剤は、上述した特定マイクロカプセルA内に含まれていてもよいし、特定マイクロカプセルA外で紫外線感知層中に含まれていてもよい。なお、特定マイクロカプセルA中に着色剤が含まれる場合、その着色剤は溶媒に溶解し得る着色剤であることが好ましい。
 紫外線感知層の単位面積当たりの質量(固形分塗布量)は特に制限されないが、例えば、0.1~30g/mが好ましく、0.5~25g/mがより好ましく、1~10g/mが更に好ましい。
 紫外線感知層の厚さとしては、0.1~30μmが好ましく、0.5~25μmがより好ましく、1~10μmが更に好ましい。
<紫外線感知層の形成方法>
 上記紫外線感知層の形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
 例えば、特定マイクロカプセルAを含む紫外線感知層形成用分散液を支持体上に塗布して、必要に応じて、塗膜に対して乾燥処理を施す方法が挙げられる。
 紫外線感知層形成用分散液には、特定マイクロカプセルAを含む。なお、上述した界面重合法によって得られるマイクロカプセル分散液を、紫外線感知層形成用分散液として用いてもよい。
 紫外線感知層形成用分散液には、上述した紫外線感知層に含まれていてもよい他の成分が含まれていてもよい。
 紫外線感知層形成用分散液を塗布する方法としては特に制限されず、塗布の際に用いられる塗工機としては、例えば、エアーナイフコーター、ロッドコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、及び、ブレードコーターが挙げられる。
 紫外線感知層形成用分散液を支持体上に塗布後、必要に応じて、塗膜に対して乾燥処理を施してもよい。乾燥処理としては、例えば、加熱処理が挙げられる。
 なお、上記では支持体上に紫外線感知層を形成する方法について述べたが、上記態様に制限されず、例えば、仮支持体上に紫外線感知層を形成した後、仮支持体を剥離して、紫外線感知層からなる紫外線感知部材を形成してもよい。
 仮支持体としては、剥離性の支持体であれば特に制限されない。
<<他の層>>
 紫外線感知部材は上述した支持体及び紫外線感知層以外のその他の層を有していてもよい。
 その他の層としては、例えば、反射層、光沢層、フィルタ層、及び、感度調整層が挙げられる。
<反射層>
 紫外線感知部材は、更に反射層を備えていてもよい。
 紫外線感知層が反射層を備える場合、紫外線感知部材に照射された紫外線を、紫外線反射性を有する層にて反射できるので、紫外線の紫外線感知部材内部における散乱を抑制でき、紫外線照射量の検出精度をより向上できる。
 反射層は、波長200~380nmの光に対する反射率は、10%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。なお、反射率は、例えば、紫外可視分光光度計(UV-2700/島津製作所)を使用した拡散反射測定によって測定できる。
 なお、支持体を反射層に隣接して配置する場合、支持体と反射層の間に密着層を設けてもよい。
 反射層及び密着層並びにそれらの製造方法としては、国際公開第2016/017701号の段落0082~0091に記載された反射層及び密着層並びにそれらの製造方法を参酌できる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<光沢層>
 紫外線感知部材は、更に光沢層を備えていてもよい。
 紫外線感知層が光沢層を備える場合、表裏の視認性が向上し得る。
 光沢層及びその製造方法としては、国際公開第2016/017701号の段落0092~0094に記載された光沢層及びその製造方法を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<フィルタ層>
 紫外線感知部材は、更にフィルタ層を備えていることが好ましい。
 フィルタ層は、特定波長の光を選択的に透過する層である。ここで、「特定波長の光を選択的に透過」するとは、特定波長の光を透過させ、それ以外の光を遮光させることを意味する。透過させる波長の光の透過率は、例えば、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。遮光させる波長の光の透過率は、例えば、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましい。
 フィルタ層は、波長300nm以上の光を遮光するフィルタ層であることが好ましく、波長230nm超の光を遮光するフィルタ層であることがより好ましい。紫外線バンドパスフィルタや誘電体を含むフィルタ等が好ましく用いられる。
 なお、フィルタ層及び後述する感度調整層の分光特性は、例えば、紫外可視分光光度計(UV-2700/島津製作所)を用いて、測定できる。
 フィルタ層は特定波長以外を遮光する点で、紫外線吸収剤を有することが好ましい。紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を使用できる。また、波長230nm超の光を遮光する点では、特定マイクロカプセルA中に含まれ得る紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
 フィルタ層及びその製造方法としては、国際公開第2016/017701号の段落0016~0026に記載されたフィルタ層及びその製造方法を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<感度調整層>
 紫外線感知部材がフィルタ層を備える場合、フィルタ層の表面に、更に感度調整層を備えていてもよい。
 感度調整層及びその製造方法としては、国際公開第2016/017701号の段落0095~0109に記載された感度調整層及びその製造方法を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
〔第2実施形態〕
 本発明の紫外線感知部材の第2実施形態は、光活性剤と、発色剤と、溶媒とを内包するマイクロカプセル(以下「特定マイクロカプセルB」ともいう。)を含む紫外線感知層を備えた紫外線感知部材であって、マイクロカプセルのカプセル壁が、脂肪族環を有するポリウレア、脂肪族環を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂を含み、ピーク面積割合算出方法Xによって求められるピーク面積割合Xが30%以下である、紫外線感知部材である。
ピーク面積割合算出方法X:紫外線感知部材から同じ大きさの試験片を2つ切り出し、試験片の一方をn-プロパノールに7日間浸漬させて得られる第1溶液、及び、試験片の他方をn-プロパノールに1時間浸漬させて得られる第2溶液の液体クロマトグラフィー測定をそれぞれ行い、第1溶液中の発色剤のピークの面積に対する、第2溶液中の発色剤のピークの面積の割合をピーク面積割合Xとして算出する。
 第2実施形態とすることで、上述したC1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差のいずれか1つを0.20以上に制御しやすい。
 第2実施形態は、特定マイクロカプセルBを使用し、ピーク面積割合Xが所定値を示す点以外は、第1実施形態と同じ構成であるため、特定マイクロカプセルB及びピーク面積割合X以外の説明は省略する。
 本発明者は、従来の紫外線感知部材において所望の効果が得られない理由として、まず、マイクロカプセルのカプセル壁の材料は芳香族基を有する場合が多く、このような場合においては波長222nmの光がカプセル壁で吸収されてしまい、光活性剤まで到達する光が少ないため、感度が劣っていることを知見した。そこで、本発明では、波長222nmの透過性に優れる脂肪族環を含む所定の樹脂を使用することにより、感度をより向上させている。
 また、本発明者は、従来の紫外線感知部材においてはマイクロカプセルの内包物が漏れやすく、その結果、波長222nmの感度が劣っていることを知見した。マイクロカプセル内においては溶媒という液相中に発色剤が存在するため、光活性剤の発色剤に対する作用が良好であるが、内包物が漏れてしまうと発色剤が溶媒から析出し、光活性剤の発色性に対する作用が劣化し、発色性が劣化すると考えられる。なお、従来技術において内包物の漏れが生じやすかった理由としては、マイクロカプセルのカプセル壁を構成する樹脂の重合が十分に進行していなかったためと推測される。そこで、後述するピーク面積割合Xが所定の範囲であれば、マイクロカプセルから内包物の漏れが抑制でき、結果として、より優れた効果が得られることを知見している。
<<ピーク面積割合X>>
 ピーク面積割合Xとは、以下のピーク面積割合算出方法Xによって算出される値である。このピーク面積割合Xは、マイクロカプセルからの発色剤の漏れやすさの指標であり、この値が小さければマイクロカプセルから発色剤が漏れにくいことを意味する。より具体的には、以下の方法Xにおいては、まず、紫外線感知部材をn-プロパノールに7日間浸漬させることにより、紫外線感知部材に含まれるマイクロカプセルに内包される発色剤をn-プロパノールに溶出させ、発色剤を含む第1溶液を得ている。この第1溶液は、後述する第2溶液に対する、レファレンス(参照)として用いる。次に、紫外線感知部材をn-プロパノールに1時間浸漬させることにより、紫外線感知部材に含まれるマイクロカプセルに内包される発色剤をn-プロパノールに溶出させ、発色剤を含む第2溶液を得ている。第1溶液中に溶出した発色剤の量に対して、第2溶液中に溶出した発色剤の量が多い(言い換えれば、ピーク面積割合Xが大きい)と、マイクロカプセルに内包される発色剤が短時間で溶出したことを意味し、マイクロカプセルから発色剤が漏れやすいことを意味する。それに対して、第1溶液中に溶出した発色剤の量に対して、第2溶液中に溶出した発色剤の量が少ない(言い換えれば、ピーク面積割合Xが小さい)と、マイクロカプセルに内包される発色剤が溶出しにくく、マイクロカプセルから発色剤が漏れにくいことを意味する。
ピーク面積割合算出方法X:紫外線感知部材から同じ大きさの試験片を2つ切り出し、試験片の一方をn-プロパノールに7日間浸漬させて得られる第1溶液、及び、試験片の他方をn-プロパノールに1時間浸漬させて得られる第2溶液の液体クロマトグラフィー測定をそれぞれ行い、第1溶液中の発色剤のピークの面積に対する、第2溶液中の発色剤のピークの面積の割合をピーク面積割合Xとして算出する。
 以下、上記ピーク面積割合Xの算出方法の手順について詳述する。
 まず、測定対象となる、紫外線感知部材から同じ大きさ(直径2cmの円形状)の試験片を2つ切り出す。
 次に、切り出された試験片の一方を、室温下(20~25℃)にて、n-プロパノール(20ml)に7日間浸漬させて、得られた溶液を第1溶液とする。浸漬時は、撹拌処理は実施せず、静置する。なお、通常、7日後、試験片は第1溶液から取り出される。なお、浸漬させている間はn-プロパノールが揮発しないようにする。
 また、切り出された試験片の一方を、室温下(20~25℃)にて、n-プロパノール(20ml)に1時間浸漬させて、得られた溶液を第2溶液とする。浸漬時は、撹拌処理は実施せず、静置する。なお、通常、1時間後、試験片は第2溶液から取り出される。
 次に、得られた第1溶液及び第2溶液の液体クロマトグラフィー測定を行う。なお、液体クロマトグラフィー測定を行う際には、第1溶液及び第2溶液のインジェクション量は同じである。
 液体クロマトグラフィー測定の条件は以下の通りである。
装置:島津製作所製Nexera
カラム:Capcell pak C18 UG-120
溶離液:水/メタノール
オーブン:40℃
注入:5μL
検出:検出する発色剤の極大吸収波長
流速:0.2mL/min
 次に、第1溶液の液体クロマトグラフィー測定結果より第1溶液中の発色剤のピークの面積(以下、「ピーク面積1」ともいう。)を求め、更に、第2溶液の液体クロマトグラフィー測定結果より第2溶液中の発色剤のピークの面積(以下、「ピーク面積2」ともいう。)を求め、ピーク面積1に対する、ピーク面積2の割合{(ピーク面積2/ピーク面積1)×100}であるピーク面積割合Xを算出する。
 ピーク面積割合Xは、30%以下であり、本発明の効果がより優れる点で、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0%が好ましく、1%以上の場合が多い。
 特定マイクロカプセルBは、通常、コア部と、コア部をなすコア材(内包されるもの(以下「内包成分」ともいう。))を内包するためのカプセル壁と、を有する。
 特定マイクロカプセルは、コア材(内包成分)として、光活性剤と、発色剤とを内包する。
 特定マイクロカプセルBの一の好適態様としては、光活性剤が光酸化剤であり、発色剤が酸化されて発色する発色剤であることが挙げられる。
 また、特定マイクロカプセルBの別の好適態様としては、光活性剤が光酸発生剤であり、発色剤が酸の作用により発色する発色剤であることが挙げられる。
(カプセル壁)
 特定マイクロカプセルBのカプセル壁は、脂肪族環を有するポリウレア、脂肪族環を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂(以下、これらを総称して「特定樹脂」ともいう。)を含む。
 特定マイクロカプセルのカプセル壁は、実質的に特定樹脂で構成されることが好ましい。「実質的に特定樹脂で構成される」とは、特定樹脂の含有量が、カプセル壁全質量に対して、90質量%以上であることを意味し、100質量%であるのが好ましい。つまり、特定マイクロカプセルのカプセル壁は、特定樹脂で構成されることが好ましい。
 各特定樹脂が有する脂肪族環は、単環構造であってもよし、多環構造であってもよい。多環構造に含まれる環数は特に制限されず、例えば、2~3が挙げられる。
 脂肪族環に含まれる炭素数は特に制限されず、6~20が好ましく、6~12がより好ましい。
 脂肪族環としては、飽和脂肪族環であってもよいし、不飽和脂肪族環であってもよい。
 脂肪族環としては、例えば、シクロアルカン環(例えば、シクロヘキサン環)、アダマンタン環、及び、ノルボルネン環が挙げられる。
 特定マイクロカプセルBのカプセル壁は、本発明の効果がより優れる点で、脂肪族環を有するポリイソシアネート由来の構造を有することが好ましい。なかでも、特定マイクロカプセルBのカプセル壁は、脂肪族環を有するポリイソシアネート由来の構造を有するポリウレア、脂肪族環を有するポリイソシアネート由来の構造を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環を有するポリイソシアネート由来の構造を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂を含むことが好ましい。
 脂肪族環を有するポリイソシアネートに含まれる脂肪族環の説明は、上述した通りである。
 脂肪族環を有するポリイソシアネートに含まれる脂肪族環の個数は特に制限されず、1個であっても、2個以上であってもよく、1~3個が好ましい。
 脂肪族環を有するポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基の数は特に制限されず、2~10個が好ましく、2~5個がより好ましく、2~3個が更に好ましい。
 特定マイクロカプセルBのカプセル壁が、更に、芳香族環を有していてもよい。つまり、特定マイクロカプセルBのカプセル壁は、脂肪族環及び芳香族環を有するポリウレア、脂肪族環及び芳香族環を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環及び芳香族環を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂を含んでいてもよい。
 芳香族環としては、例えば、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられ、芳香族炭化水素が好ましく用いられる。
 上記芳香族炭化水素環は、単環及び縮合多環のいずれであってもよい。
 上記芳香族炭化水素環の炭素数は特に制限されないが、6~30が好ましく、6~18がより好ましく、6~10が更に好ましい。
 単環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
 縮合多環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ナフタレン環が挙げられる。
 使用されるポリイソシアネート及びポリオールとしては、上述した第1実施形態で説明したポリイソシアネート及びポリオールが挙げられる。
 特定マイクロカプセルBに内包される発色剤としては、上述した紫外線感知層が含む発色剤と同じ種類の発色剤が挙げられ、好適態様も同じである。
 特定マイクロカプセルBに内包される光活性剤としては、上述した紫外線感知層が含む光活性剤と同じ種類の光活性剤が挙げられ、好適態様も同じである。
 特定マイクロカプセルBは、溶媒を内包する。
 溶媒の種類は特に制限されず、芳香族溶媒、及び、非芳香族溶媒が挙げられる。
 芳香族溶媒としては、第1実施形態で説明した芳香族溶媒Yが挙げられる。非芳香族溶媒としては、第1実施形態で説明した非芳香族溶媒Xが挙げられる。
 特定マイクロカプセルに内包される溶剤は、n-プロパノールと相溶する溶剤であることが好ましい。上記相溶する溶剤とは、その溶剤をn-プロパノールと同量混合した際に、相分離が生じない溶剤を意味する。
 特定マイクロカプセルBは、上述した成分以外に、必要に応じて、還元剤、光安定剤、ワックス、紫外線吸収剤、及び、臭気抑制剤等の添加剤を1種以上内包していてもよい。なかでも、光安定剤を含んでいるのが好ましい。
 上記各種成分(例えば、還元剤及び光安定剤)の詳細は、第1実施形態で説明した通りである。
〔他の実施形態〕
 上述した第1実施形態及び第2実施形態においては、マイクロカプセルを使用する形態について述べたが、マイクロカプセルを使用しない形態であってもよい。例えば、所定のバインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散及び/又は溶融した発色剤とを含む紫外線感知層を含む紫外線感知部材であってもよい。なお、上記紫外線感知層は、更に光活性剤を含んでいてもよい。また、上記紫外線感知層は、上述した他の成分(還元剤、光安定剤、架橋剤、増感剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、及び、着色剤など)を含んでいてもよい。
 また、特定マイクロカプセルをバインダー樹脂に練り込んだ成型体であってもよい。
 上記バインダー樹脂としては、水溶性バインダー樹脂、及び、非水溶性バインダー樹脂のいずれかを含むことが好ましい。
 バインダー樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、及び、エチレン-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。波長222nmの感度に優れる点で、バインダー樹脂としては、実質的に芳香族基を有さないバインダー樹脂が好ましく、セルロース樹脂、及び、アクリル樹脂が好ましい。
 本発明の効果により優れる点で、バインダーは水酸基を含む樹脂が好ましい。水酸基を含む樹脂としては、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール、及び、ポリビニルブチラールが挙げられる。
 未照射で発色せず、保存安定性に優れる点で、バインダーは酸価が低い方が好ましい。0~50mgKOH/gがより好ましく、0~20mgKOH/gが更に好ましい。
 バインダーは、波長222nmの光の過剰な吸収が抑制されるため、実質的に芳香環基を有さないことが好ましい。「実質的に芳香環基を有さない」とは、芳香環基の含有量は、バインダーの全質量に対して、0~1質量%が好ましく、0~0.1質量%がより好ましい。
 また、バインダー樹脂としては、特開2017-167155号公報の段落0078に記載された高分子バインダーを参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 バインダー樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
 バインダー樹脂は、架橋されていてもよい。換言すると、バインダー樹脂は架橋バインダー樹脂であってもよい。
 架橋剤は特に制限されず、例えば、グリオキサゾールを使用できる。また、特開2017-167155号公報の段落0079に記載された架橋剤を参酌することもできる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[紫外線感知キット]
 また、本発明は、上述した紫外線感知部材を含む紫外線感知キットにも関する。
 紫外線感知キットは、上述した紫外線感知部材を少なくとも含む。
 紫外線感知キットの具体的な構成としては特に制限されず、例えば、紫外線感知部材と、特定波長の光を選択的に透過するフィルタ層を有する部材(好ましくは、波長300nm以上の光を遮光するフィルタシート、より好ましくは波長230nm超の光を遮光するフィルタシート)、遮光袋(紫外線カット袋)、判断見本、限度見本(キャリブレーションシート)、レンズ及び凹面鏡等の集光治具、並びに、紫外線感知部材を保持する保持部材からなる群から選ばれる他の要素と、を含む態様が挙げられる。
 なお、上記保持部材は、保持した紫外線感知部材に紫外線が照射されるための開口部を有していてもよいし、保持部材と判断見本が一体となっていてもよい。
 以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により制限的に解釈されるべきものではない。
[紫外線感知部材の作製及び評価]
〔実施例1〕
 下記の組成の混合液1をポリビニルアルコール5質量%水溶液(202質量部)に添加した後、20℃で乳化分散し、体積平均粒径1μmの乳化液を得た。更に、得られた乳化液を50℃にて4時間撹拌し続けた。更に、水を加えて濃度を調整し、固形分濃度を15.9質量%の発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
<混合液1の組成>
 発色剤:3,3-ビス(2-メチル-1-オクチル-3-インドリル)フタリド(BASF社製)                 0.7質量部
 有機ハロゲン化合物:トリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化(株)製)                          10質量部
 芳香族溶媒:トリクレジルホスフェート(大八化学工業(株)製)                                23質量部
 カプセル作製用溶媒:酢酸エチル(昭和電工(株)製)   50質量部
 光安定剤:2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ヒドロキノン(東京化成工業(株)製)            0.03質量部
 ポリイソシアネート:(キシレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、商品名「タケネートD-110N」、三井化学(株)製、75質量%酢酸エチル溶液)                 8質量部
 得られた発色剤内包マイクロカプセル液(20質量部)、ポリビニルアルコール6質量%水溶液(商品名「デンカサイズEP-130」、デンカ(株)製)(5質量部)、グリオキザール(大東化学(株)製)0.05質量部、及び、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム50質量%水溶液(第一工業製薬(株)製)0.09質量部を混合し、紫外線感知層形成用分散液(紫外線感知層形成用組成物)を作製した。
 得られた紫外線感知層形成用分散液を厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートシート(商品名「クリスパーK1212」、東洋紡社製)に液塗布量21mL/mとなるように塗布し、105℃にて1分間加熱乾燥し、支持体と紫外線感知層とを備えた紫外線感知シートを作製した。なお、紫外線感知層の固形分塗布量は3g/mであった。また、紫外線感知層の膜厚は約3μmであった。
〔実施例2~14〕
 表1に記載の成分種、配合量、固形分濃度、発色剤の紫外線感知層単位面積あたりの含有量、及び、カプセル壁材形成の条件などを変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2~14の紫外線感知シートを作製した。
 なお、実施例5、6及び12のシートにおけるピーク面積割合Xは4%であり、実施例7のシートにおけるピーク面積割合Xは6%であり、比較例2のシートC3におけるピーク面積割合Xは62%であった。測定方法は既述のとおりである。
〔比較例1~2〕
 特開2014-164125号公報の実施例1及び比較例1を参酌して、表1に記載の成分及び配合に変更し、かつ、液塗布量を88mL/mとなるように塗布した以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の紫外線感知シートC1、及び、比較例2の紫外線感知シートC2を作製した。
〔比較例3~4〕
 市販のUVラベル(Sタイプ、日油技研工業(株)製)及びUVスケール(Lタイプ、富士フイルム(株)製)を用いた。
 以下に表1を示す。
 なお、表1中に示される各成分は以下の通りである。
 ・TCP(トリクレジルホスフェート、大八化学工業(株)製、沸点231~255℃、n-プロパノールに相溶)
 ・大豆油(富士フイルム和光純薬(株)製、沸点300℃以上、n-プロパノールに相溶)
 ・SAS-296(フェニルキシリルエタン、商品名「日石ハイゾールSAS296」、JX日鉱日石エネルギー(株)製、沸点290~305℃、n-プロパノールに相溶)
 ・BMPS:トリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化(株)製)
 ・発色剤A:3,3-ビス(2-メチル-1-オクチル-3-インドリル)フタリド(BASF(株)製)
 ・発色剤C:3’,6’-ビス(ジエチルアミノ)-2-(4-ニトロフェニル)スピロ[イソインドール-1,9’-キサンテン]-3-オン(保土ヶ谷化学工業社製)
 ・LCV:ロイコクリスタルバイオレット(商品名「LCV」、山田化学工業社製)
 ・BTHQ:2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ヒドロキノン(東京化成工業(株)製)
 ・D-110N(キシリレン-1,3-ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、商品名「タケネートD-110N」、三井化学(株)製、75質量%酢酸エチル溶液)
 ・D-120N(水素化キシリレン-1,3-ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、商品名「タケネートD-120N」、三井化学(株)製、75質量%酢酸エチル溶液)
 ・D-140N(イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、商品名「タケネートD-140N」、三井化学(株)製、75質量%酢酸エチル溶液)
 ・D-160N(ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、商品名「タケネートD-160N」、三井化学(株)製、75質量%酢酸エチル溶液)
 また、表1において、成分名とともに記載される括弧内の数値は、含有量(質量部)を意図する。
 また、LCVは、酸化により発色する発色剤に該当し、酸化により青色を呈する。発色剤Aは、酸の作用により発色する発色剤に該当し、酸の作用により赤色を呈する。
 また、表1の実施例において、シート1~14が実施形態1に相当し、シート5~7及び12が実施形態2に相当する。
 実施例で使用されるカプセル作製用溶媒の酢酸エチルは、紫外線感知部材を作製した後は、マイクロカプセル内に残存していなかった。換言すると、本発明の紫外線感知部材におけるマイクロカプセルは、酢酸エチルを内包していなかった。
[光学濃度測定及び評価]
(波長222nmにおける光学濃度差)
 Care222(登録商標)を用いて、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで各実施例で作製された紫外線感知部材に対して光を照射した。
 その後、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度、マゼンタの光学濃度、及び、シアンの光学濃度の値をそれぞれ測定し、光照射前の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC1、光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC2、光照射前の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY1、光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY2、光照射前の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM1、光照射後の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM2とした際に、C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差を測定した。C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差光学濃度差のうち、最も大きい値を表2の「光学濃度差波長222nm」欄に示す。
(色味変化評価)
 各実施例で作製された紫外線感知部材に対して、積算照度3mJ/cmになるように距離と時間を調整して光を照射した際に、紫外線感知部材の色味の変化により判定できるか否かを評価した。
AA:非常に容易に判定できる
A :容易に判定できる
B :容易に判定できない
(カブリ評価)
 蛍光灯でのカブリを想定し、ハンディ―UVランプSLUV-8(アズワン)を用いて、波長365nmの光の照射量が20mJ/cmとなるまで各実施例で作製された紫外線感知部材に対して光を照射した。
 その後、分光光度計 スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の紫外線感知部材及び光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度、マゼンタの光学濃度、及び、シアンの光学濃度の値をそれぞれ測定し、光照射前の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC1、光照射後の紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC2、光照射前の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY1、光照射後の紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY2、光照射前の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM1、光照射後の紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM2とした際に、C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差を測定した。C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差の光学濃度差のうち、最も大きい値を表2の「光学濃度差波長365nm」欄に示す。上記C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差の値が小さいほど、カブリが抑制できていることを表す。なお、カブリとは、計測したい波長の光とは別の波長の光による影響によって色味が変化することを意味する。
 また、波長365nmで照射したときの光学濃度差と波長222nmで照射したときの光学濃度差との差分が大きいほど、新型コロナウイルスが不活性化される照射量が照射されたかどうかの判定が容易で、かつ、カブリが抑制できていることを表す。
 表1中、「発色剤量/紫外線感知層 g/m」欄は、発色剤の紫外線感知層単位面積あたりの含有量(g/m)を表す。
 表2中、「色差ΔE」欄は、上述した実施形態Bで説明した方法に従って測定した、各実施例及び比較例の紫外線感知部材の光照射前と光照射後との色差ΔEを表す。
 表2中、「積算値差」欄は、上述した実施形態Cで説明した方法に従って測定した、
各実施例及び比較例の紫外線感知部材の吸光度の積算値1と吸光度の積算値2との差を表す。
 表2中、「365nm光学濃度差と222nm光学濃度差との差分」欄は、「光学濃度差波長365nm」欄に示す光学濃度差と、「光学濃度差波長222nm」欄に示す光学濃度差との差を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
 表2に示すように、本発明の紫外線感知部材は、所望の効果を示すことが確認された。
 実施例と比較例との対比から、紫外線感知部材が光活性剤を有し、発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比が1.0超である場合、判定が容易にできることが確認された。
 また、実施例1、8、10及び11の対比から、発色剤の含有量に対する光活性剤の含有量の質量比が8.00以上30.00以下である場合、判定が非常に容易にでき、かつ、波長365nmでのカブリが抑制できることが確認された。
 また、実施例4、6~7、12、及び、比較例2の対比から、紫外線感知部材が光活性剤と、発色剤と、溶媒とを内包するマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルのカプセル壁が、脂肪族環を有するポリウレア、脂肪族環を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂を含み、ピーク面積割合算出方法Xによって求められるピーク面積割合Xが30%以下である場合、判定が非常に容易にでき、かつ、波長365nmでのカブリが抑制できることが確認された。
 また、実施例と比較例との対比から、紫外線感知層中の発色剤の含有量が、紫外線感知層単位面積あたり0.14g/m以下である場合、判定が容易にできることが確認された。
 また、実施例と比較例との対比から、光活性剤が、光酸発生剤であり、発色剤が、酸の作用により発色する発色剤である場合、本発明の効果がより優れることが確認された。
<実施例15~16>
 表3に記載の成分種、配合量、固形分濃度、発色剤の紫外線感知層単位面積あたりの含有量、及び、カプセル壁材形成の条件などを変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例15~16の紫外線感知シートを作製した。
<実施例17>
 ポリビニルブチラール(PVB)(50質量部)と、テトラヒドロフラン(300質量部)と、エタノール(68.2質量部)とを混合し、ポリマーを溶解した。得られたポリマー溶液に、トリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化社製)(BMPS)(10.0質量部)と、3,3-ビス(2-メチル-1-オクチル-3-インドリル)フタリド(BASF社製)(発色剤A)(5.0質量部)とを追加して、紫外線感知層形成用溶液を得た。得られた紫外線感知層形成用溶液を厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートシート(商品名「クリスパーK1212」、東洋紡社製)に、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布し、乾燥して、支持体と紫外線感知層を備えた紫外線感知シートを作製した。
<実施例18~21>
 表4に記載の配合量、及び、発色剤の紫外線感知層単位面積あたりの含有量に変更した以外は、実施例17と同様の方法により、実施例18~21の紫外線感知シートを作製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000014
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000015
 また、表3及び4において、成分名とともに記載される括弧内の数値は、含有量(質量部)を意図する。
 発色剤Cは、酸の作用により発色する発色剤に該当し、酸の作用により赤色を呈する。
 上記で作製された紫外線感知シートを用いて上述した評価を行った。結果を表5にまとめて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000016
 表5に示すように、本発明の紫外線感知部材は、所望の効果を示すことが確認された。
 10 紫外線感知部材
 12 支持体
 14 紫外線感知層
 

Claims (13)

  1.  紫外線感知部材であって、
     KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで前記紫外線感知部材に光を照射した後、分光光度計スペクトロリノ(GretagMacbeth社)を用いて、光照射前の前記紫外線感知部材及び光照射後の前記紫外線感知部材のイエローの光学濃度、マゼンタの光学濃度、及び、シアンの光学濃度の値をそれぞれ測定し、光照射前の前記紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC1、光照射後の前記紫外線感知部材のシアンの光学濃度の値をC2、光照射前の前記紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY1、光照射後の前記紫外線感知部材のイエローの光学濃度の値をY2、光照射前の前記紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM1、光照射後の前記紫外線感知部材のマゼンタの光学濃度の値をM2とした際に、C1とC2との差、Y1とY2との差、及び、M1とM2との差のいずれか1つが0.20以上である、紫外線感知部材。
  2.  紫外線感知部材であって、
     KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで前記紫外線感知部材に光を照射した際に、光照射前と光照射後との色差ΔEが20.0以上である、紫外線感知部材。
  3.  紫外線感知部材であって、
     KrClエキシマランプを光源として用い、波長230~300nmの光を実質的に遮光するフィルタを介して、波長222nmの光の照射量が3mJ/cmとなるまで前記紫外線感知部材に光を照射した際に、方法1により求められる光照射前の前記紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値1と、方法2により求められる光照射後の前記紫外線感知部材の波長450~700nmの範囲における吸光度の積算値2との差が18.0以上である、紫外線感知部材。
    方法1:光照射前の前記紫外線感知部材の反射スペクトル測定を行い、横軸が波長で、縦軸が吸光度の反射スペクトルを得た後、前記反射スペクトルにおける波長450nmから波長700nmまでの1nmごとの吸光度を積算して、吸光度の積算値1を求める。
    方法2:光照射後の前記紫外線感知部材の反射スペクトル測定を行い、横軸が波長で、縦軸が吸光度の反射スペクトルを得た後、前記反射スペクトルにおける波長450nmから波長700nmまでの1nmごとの吸光度を積算して、吸光度の積算値2を求める。
  4.  シート状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の紫外線感知部材。
  5.  発色剤を含む紫外線感知層を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の紫外線感知部材。
  6.  前記紫外線感知層中の前記発色剤の含有量が、前記紫外線感知層単位面積あたり0.140g/m以下である、請求項5に記載の紫外線感知部材。
  7.  前記発色剤が、酸化されて発色する発色剤、及び、酸の作用により発色する発色剤からなる群から選択され、
     前記紫外線感知層が、光酸化剤及び光酸発生剤からなる群から選択される少なくとも1種の光活性剤を含む、請求項5又は6に記載の紫外線感知部材。
  8.  前記発色剤が、酸の作用により発色する発色剤であり、
     前記紫外線感知層が、光酸発生剤を含み、
     前記発色剤の含有量に対する前記光活性剤の含有量の質量比が1.00超である、請求項7に記載の紫外線感知部材。
  9.  前記光活性剤が、一般式(6)で表される化合物を含む、請求項7又は8に記載の紫外線感知部材。
     R-L-CX      (6)
     一般式(6)中、Rは、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。Lは、-SO-又は-SO-を表す。X、X、及び、Xは、各々独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。ただし、X、X、及び、Xの全てが水素原子である場合を除く。
  10.  前記発色剤が、ラクトン環、ラクタム環、サルトン環、スルチン環、及び、それらの開環体、並びに、アゾベンゼン構造からなる群から選択されるいずれか1種の構造を含む、請求項7又は8に記載の紫外線感知部材。
  11.  光活性剤と、発色剤と、ヘテロ原子を有する溶媒とを内包するマイクロカプセルを含む紫外線感知層を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の紫外線感知部材。
  12.  前記マイクロカプセルのカプセル壁が、脂肪族環を有するポリウレア、脂肪族環を有するポリウレタンウレア、及び、脂肪族環を有するポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂を含み、
     以下のピーク面積割合算出方法Xによって求められるピーク面積割合Xが30%以下である、請求項11に記載の紫外線感知部材。
    ピーク面積割合算出方法X:前記紫外線感知部材から同じ大きさの試験片を2つ切り出し、前記試験片の一方をn-プロパノールに7日間浸漬させて得られる第1溶液、及び、前記試験片の他方をn-プロパノールに1時間浸漬させて得られる前記第2溶液の液体クロマトグラフィー測定をそれぞれ行い、前記第1溶液中の前記発色剤のピークの面積に対する、前記第2溶液中の前記発色剤のピークの面積の割合をピーク面積割合Xとして算出する。
  13.  請求項1~12のいずれか1項に記載の紫外線感知部材を含む、紫外線感知キット。
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