WO2014175364A1 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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信貴 藤本
聖司 西岡
知紀 川北
晃平 新田
槙子 中原
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    • C08G64/0208Aliphatic polycarbonates saturated

Definitions

  • the present invention relates to a method for improving the stretchability of a polyolefin resin by adding the above-mentioned polyolefin resin stretchability improver to the polyolefin resin, and the above acid-modified polypropylene combined polyolefin resin stretchability improver.
  • a method for producing the stretchability improver is also included.
  • the polyolefin resin and acid-modified polypropylene used in these methods, and the addition ratio and method of the stretchability improver and stretchability improver are also the above polyolefin resin composition of the present invention and the polyolefin resin of the present invention. This is the same as described for the resin stretchability improving agent.

Abstract

 機械強度および伸縮性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物を提供すること。 ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、脂肪族ポリカーボネート樹脂を0.05~10質量部および酸変性ポリプロピレンを0.01~2質量部の割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物。

Description

ポリオレフィン系樹脂組成物
 本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、機械強度および伸縮性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物、ならびに当該組成物から成形された成形体に関する。
 ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系樹脂は、安価で加工しやすく、丈夫で軽いことや製造コストの安さから、現在、汎用のポリマーとして広く使用されている。とりわけ、ポリプロピレンは、その優れた耐熱性、透明性および良好な成形性を有することから、自動車部品、電気・電子機器部品、工業資材、家具、文房具、日用・雑貨用品、容器・包装用品、玩具、レジャー用品および医療用品など幅広い用途に用いられている。
 ポリプロピレンの性能は、結晶形態とその結晶化度、結晶モルホロジー(球晶の大きさ)などと密接に関係しており、ポリプロピレンの分子構造を制御することで結晶部と非晶部の構造をナノメートルオーダーで制御し、耐熱性、耐傷付き性やゴム弾性などの機械物性の向上が図られている。
 一方、ポリマーの分子構造を変えずに、降伏応力、ネック応力、破断応力および破断ひずみなどの機械物性を向上させる方法として、加工方法を工夫する方法、ポリプロピレンにエラストマーや無機充填剤等を添加して複合材とする方法などが知られている。なかでも、添加剤を利用した高性能化のアプローチでは、機械物性の制御範囲が広く、また、ポリプロピレンの分子構造を制御する方法に比して経済的である。
 特許文献1には、ポリプロピレンと、特定のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体との組成物が記載され、工業用シュリンクフィルムや業務用ラップフィルムに用いられることが記載されている。
特開2002-348417号公報
 このように、ポリプロピレン系樹脂組成物の力学強度に関し種々の改良が提案されているが、降伏応力、ネック応力および破断応力などの機械強度を維持しながら破断ひずみなどの伸縮性を改善することは難しい。特許文献1の組成物では、伸縮性を付与するためには組成物中でのプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の含量を高める必要があり、その結果、組成物中でのポリプロピレンの結晶領域の含有割合が低下することで組成物の強度が低下する。
 本発明は、機械強度と伸縮性の双方に優れたポリオレフィン系樹脂組成物、ならびに当該組成物から成形された成形体を提供することを目的とする。
 本発明者は、上記した課題を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ポリオレフィン系樹脂に対して特定の割合の脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを含有するポリオレフィン系樹脂組成物が、機械強度および伸縮性の双方に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
 ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、脂肪族ポリカーボネート樹脂を0.05~10質量部および酸変性ポリプロピレンを0.01~2質量部の割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
項2.
ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンである項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
項3.
 脂肪族ポリカーボネート樹脂が、二酸化炭素とアルキレンオキシドとを金属触媒の存在下で重合させて得られるものである項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
項4.
 脂肪族ポリカーボネート樹脂が、ポリプロピレンカーボネートである項1~3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
項5.
 酸変性ポリプロピレンが、マレイン酸変性ポリプロピレン又は無水マレイン酸変性ポリプロピレンである項1~4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
項6.
 項1~5のいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物から成形された成形体。
項7.
脂肪族ポリカーボネート樹脂及び酸変性ポリプロピレンを含む、ポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤。
項8.
脂肪族ポリカーボネート樹脂0.05~10質量部に対して酸変性ポリプロピレンを0.01~2質量部の割合で含む、項7に記載のポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤。
項9.
脂肪族ポリカーボネート樹脂を含む、酸変性ポリプロピレン併用ポリオレフィン系樹脂伸縮性改善助剤。
 本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂並びに当該ポリオレフィン系樹脂に対し特定の割合の脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを含有することにより、優れた機械強度および伸縮性を示す。
実施例1及び比較例1の試験片を用いて小角X線散乱測定を行った結果を示す。
 以下、本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物について具体的に説明する。
 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂に加え、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを特定の割合で含有する。
 本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂は、オレフィンに由来する単量体単位を含有する重合体である。例えば、ポリエチレン系樹脂、エチレン-カルボン酸アルケニルエステル共重合体樹脂、エチレン-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)系樹脂などが例示される。
 ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンが好ましく、例示できる。ポリエチレンとしては特に限定されず、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどを用いることができる。
 エチレン-カルボン酸アルケニルエステル共重合体樹脂の「カルボン酸アルケニルエステル」としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸アリル等が例示される。中でも酢酸ビニルが好ましい。エチレン-カルボン酸アルケニルエステル共重合体樹脂としては、具体的には、エチレン-酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
 エチレン-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体樹脂の「不飽和カルボン酸アルキルエステル」としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等が例示される。中でも、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルが好ましい。エチレン-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体樹脂としては、具体的には、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体が特に好ましい。
 ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合体が好ましく例示される。ここでの「他のオレフィン」としては、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどが好ましく例示できる。これら「他のオレフィン」は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いる(すなわち、プロピレンとの共重合体とする)ことができる。ポリプロピレン系樹脂としては、より具体的には、ポリプロピレン、あるいはプロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-ヘキセン共重合体、プロピレン-オクテン共重合体などが好ましく、プロピレンあるいはプロピレン-エチレン共重合体が中でも好ましい。
 ポリオレフィン系樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリオレフィン系樹脂の中でも、脂肪族ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れる観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン、およびプロピレンと他のオレフィンとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、プロピレン-エチレン共重合体がさらに好適に用いられる。
 ポリオレフィン系樹脂の製造方法としては、過酸化物などの開始剤を使用してオレフィンをラジカル重合する方法、重合触媒の存在下において気相法、溶液法などによりオレフィンを重合する方法などをあげることができる。重合触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒およびメタロセン触媒などを用いることができる。
 上記のポリオレフィン系樹脂の分子量は、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が、好ましくは20,000~6,000,000、より好ましくは、30,000~6,000,000、さらに好ましくは、100,000~5,000,000の範囲内である。
 ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量が20,000以上であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の機械強度がより向上し得る。また、ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量が6,000,000以下であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の成形加工がより容易になり得る。なお、当該重量平均分子量は、後述の方法により測定した値である。
なお、当該重量平均分子量は、ポリオレフィン系樹脂の濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、高速液体クロマトグラフを用いて測定し、同一条件で測定した重量平均分子量が既知のポリスチレンと比較することにより算出した値である。なお、測定条件は、次の通りである。
  カラム:GPCカラム
  (東ソー株式会社の商品名、TSK GEL Multipore HXL-M)
  カラム温度:40℃
  溶出液:クロロホルム
  流速:1mL/min
 樹脂の流動性は、例えば、JIS K 7210:1999に規定された方法で測定されるメルトフローレート(MFR、単位:g/10分)によって表される。本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は、当該方法により、温度230℃、荷重2.16kgで測定された値が、好ましくは0.5~100(g/10分)、より好ましくは1~75(g/10分)の範囲にあるものである。ポリオレフィン系樹脂のMFRの値が0.5以上であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の流動性が低すぎることがなく、射出成形法などによって好ましく成形することができる。また、ポリオレフィン系樹脂のMFRの値が100以下であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の耐候性がより向上し得る。
 本発明に用いられる脂肪族ポリカーボネート樹脂としては、特に限定されず、例えば、アルキレンオキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で重合反応させて得られるものが好ましく用いられる。
 アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ペンテンオキシド、2-ペンテンオキシド、1-ヘキセンオキシド、1-オクテンオキシド、1-デセンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3-フェニルプロピレンオキシド、3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド、3-ナフチルプロピレンオキシド、3-フェノキシプロピレンオキシド、3-ナフトキシプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3-ビニルオキシプロピレンオキシドおよび3-トリメチルシリルオキシプロピレンオキシド等が挙げられる。これらのアルキレンオキシドの中でも、二酸化炭素との高い重合反応性を有する観点から、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが好適に用いられ、プロピレンオキシドがさらに好適に用いられる。なお、これらのアルキレンオキシドは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、エチレンオキシドを単独で使用した場合の脂肪族ポリカーボネート樹脂は、ポリエチレンカーボネートであり、また、プロピレンオキシドを単独で使用した場合の脂肪族ポリカーボネート樹脂は、ポリプロピレンカーボネートである。
 前記金属触媒としては、例えば、アルミニウム触媒、亜鉛触媒等が挙げられる。これらの中でも、アルキレンオキシドと二酸化炭素との重合反応において高い重合活性を有することから、亜鉛触媒が好ましく用いられ、亜鉛触媒の中でも、有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
 前記有機亜鉛触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛触媒;一級アミン、2価のフェノール、2価の芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸等の化合物と亜鉛化合物とを反応させることにより得られる有機亜鉛触媒等が挙げられる。これらの有機亜鉛触媒の中でも、より高い重合活性を有することから、亜鉛化合物と、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族モノカルボン酸とを反応させて得られる有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
 重合反応に用いられる前記金属触媒の使用量は、アルキレンオキシド100質量部に対して、0.001~20質量部であることが好ましく、0.01~10質量部であることがより好ましい。金属触媒の使用量が0.001質量部以上であると、重合反応がより好ましく進行し得る。また、金属触媒の使用量が20質量部以下であると、使用量に見合う効果が好ましく得られる。
 前記重合反応において、アルキレンオキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で反応させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、オートクレーブに、前記アルキレンオキシド、金属触媒および必要に応じて反応溶媒を仕込み、混合した後、二酸化炭素を圧入して、反応させる方法が挙げられる。
 前記重合反応において必要に応じて用いられる反応溶媒としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶媒を用いることができる。前記有機溶媒としては、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロメタン、メチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1-クロロプロパン、2-クロロプロパン、1-クロロブタン、2-クロロブタン、1-クロロ-2-メチルプロパン、クロルベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
 前記反応溶媒の使用量は、反応を円滑にさせる観点から、アルキレンオキシド100質量部に対して、300~10,000質量部であることが好ましい。
 前記重合反応において用いられる二酸化炭素の使用圧力は、特に限定されないが、通常、0.1~20MPaであることが好ましく、0.1~10MPaであることがより好ましく、0.1~5MPaであることがさらに好ましい。
 前記重合反応における重合反応温度は、特に限定されないが、30~100℃であることが好ましく、40~80℃であることがより好ましい。重合反応温度が30℃以上であると、重合反応がより短時間で進み得る。また、重合反応温度が100℃以下であると、副反応が起こりづらく、収率がより向上し得る。重合反応時間は、重合反応温度により異なるために一概にはいえないが、通常、2~40時間であることが好ましい。
 重合反応終了後は、ろ過等によりろ別し、必要により溶媒等で洗浄後、乾燥させることにより、脂肪族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。本発明において、脂肪族ポリカーボネート樹脂は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 本発明に用いられる脂肪族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000~2,000,000であり、より好ましくは20,000~1,000,000であり、20,000~750,000がさらにより好ましい。なお、当該重量平均分子量は、脂肪族ポリカーボネート樹脂の濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、前述のポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量の測定方法と同様にして測定した値である。
 脂肪族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が10,000未満の場合、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の機械強度が低下するおそれがある。また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が2,000,000以下であると、ポリオレフィン系樹脂への分散性がより向上して、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の耐候性をより向上させ得る。
 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、脂肪族ポリカーボネート樹脂の含有量としては、その下限として、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは1質量部以上である。また、その上限として、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、10質量部以下であり、好ましくは7.5質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下である。なかでも、脂肪族ポリカーボネート樹脂の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.05~10質量部であり、0.5~10質量部が好ましく、0.5~7.5質量部がより好ましく、1~5質量部がよりさらに好ましい。
 脂肪族ポリカーボネート樹脂の含有量が10質量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂組成物の機械強度が低下するおそれがある。また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の含有量が0.05質量部未満の場合、ポリオレフィン系樹脂組成物の伸縮性が低下するおそれがある。
 本発明に用いられる酸変性ポリプロピレンとしては、例えば、ジカルボン酸又はその無水物、不飽和カルボン酸の誘導体、などで、グラフト変性されたポリプロピレンが好ましく用いられる。
 ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸等が挙げられる。また、ジカルボン酸の無水物としては、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸等が例示される。不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノエチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、イタコン酸モノアミド、イタコン酸ジアミド等を例示することができる。これらの中でも、可塑効果に優れ、ポリオレフィン系樹脂組成物の成形加工が容易になる観点から、マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好適に用いられる。酸変性ポリプロピレンは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 酸変性ポリプロピレンの分子量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が、好ましくは2,000~100,000、より好ましくは5,000~100,000、さらに好ましくは10,000~50,000の範囲内である。
 酸変性ポリプロピレンの重量平均分子量が10,000以上であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物中の脂肪族ポリカーボネート樹脂の分散状態がより均一となり、ポリオレフィン系樹脂組成物の耐候性がより好ましく向上し得る。また、酸変性ポリプロピレンの重量平均分子量が1,000,000以下であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の成形加工がより容易になり得る。
 なお、当該重量平均分子量は、酸変性ポリプロピレンの濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、前述のポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量の測定方法と同様にして測定した値である。
 酸変性ポリプロピレンのMFRの値(JIS K 7210:1999に規定された方法で測定)は、温度230℃、荷重2.16kg下で、1~100(g/10分)、好ましくは2~50(g/10分)の範囲にあるものである。酸変性ポリプロピレンのMFRの値が1以上であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の成形加工がより容易になり得る。また、ポリオレフィン系樹脂のMFRの値が100以下であると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物中の脂肪族ポリカーボネート樹脂の分散状態がより均一となり得、ポリオレフィン系樹脂組成物の耐候性がより向上し得る。
 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、酸変性ポリプロピレンの含有量としては、その下限として、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上である。また、その上限として、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、2質量部以下であり、好ましくは1.5質量部以下である。なかでも、酸変性ポリプロピレンの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.01~2質量部であり、0.1~2質量部が好ましく、0.1~1.5質量部がより好ましい。
 酸変性ポリプロピレンの含有量が2質量部以下であると、使用量に見合う効果が得られ得るので経済的である。また、酸変性ポリプロピレンの含有量が0.01質量部以上であると、ポリオレフィン系樹脂組成物の伸縮性がより向上し得る。
 本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを任意の順序で、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合して均一な混合物を生成させた後、当該混合物を溶融混練する方法、並びに、ポリオレフィン系樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを溶媒等に溶解させて混合した後、前記溶媒を除去する方法、等が挙げられる。これらの製造方法の中でも、組成物の製造が容易で、かつ均一な組成物を得ることができるという観点から、ポリオレフィン系樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを溶融混練する方法が好適に用いられる。例えば、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを溶融混練して混合物を得、さらにポリオレフィン系樹脂を加えて溶融混練する方法を好ましく用いることができる。
 ポリオレフィン系樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンを溶融混練する方法としては、特に限定されないが、ベント式2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、混練ロール等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の形状に制約はなく、ストランド状、シート状、平板状又はストランドを適当な長さに裁断したペレット状等の任意の形状が可能である。特に成形加工の容易な射出成形に適用させるため、長さ2~50mmのペレット状とするのが好ましい。
 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性化剤、熱安定剤、中和剤、紫外線吸収等の安定剤、気泡防止剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、シリカ等のアンチブロッキング剤、染料や顔料等の着色剤、ゴム、可塑剤等、並びにガラスフレーク、マイカ、ガラス粉、ガラスビーズ、タルク、クレー、アルミナ、カーボンブラック、ウォルスナイト等の板状、粉粒状の無機化合物又はウィスカー等を用いることもできる。配合する場合の添加量は、ポリオレフィン系樹脂組成物100質量部に対して、例えば、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.3~5質量部、さらに好ましくは0.5~3質量部である。
 本発明の成形体は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物から成形された成形体である。
 本発明の成形体を得る方法としては、例えば、射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、ガス注入射出成形法、発泡射出成形法、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、ブロー成形法、真空成形、圧空成形等が挙げられる。本発明の成形体がフィルム又はシートである場合、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法により異なる樹脂との多層構成の少なくとも1層として製膜すること、又は押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等で製膜することにより多層化することができる。また、得られたフィルム又はシートを、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸又は二軸に延伸して用いることができる。本発明の成形体には、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施すことができる。
 本発明の成形体を、例えば、電気・電子部品、建築部品、自動車部品、機械部品、日用品、産業資材等として利用することができる。具体的には、電気・電子部品としては、例えば、コピー機、パソコン、プリンター、電子楽器、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機等のハウジングや内部部品等が挙げられ、建築部品としては、例えば、カーテン部品、ブラインド部品、ルーフパネル、断熱壁、アジャスター、プラ束、天井釣り具等が挙げられ、自動車部品としては、例えば、フェンダー、オーバーフェンダー、グリルガード、カウルルーバー、ホイールキャップ、サイドプロテクター、サイドモール、サイドロアスカート、フロントグリル、ルーフレール、リアスポイラー、バンパー、インパネロア、トリム等が挙げられ、機械部品としては、例えば、歯車、ねじ、バネ、軸受、レバー、カム、ラチェット、ローラー等が挙げられ、日用品としては、例えば、各種カトラリー、各種トイレタリー部品、カートンボックス、包装用フィルム、ラップフィルム、手提げラミネート紙袋、プリペイドカード、家庭用ラップの鋸刃、食品トレイ、ゴミ袋、ラミ袋、パウチ、ラベル、サーモフォーミング、梱包バンド、織り編物(衣料・インテリア)、カーペット、生活衛生資材、包装用フィルム、ケース、食品用カップ等が挙げられ、産業資材としては、例えば、繊維のバインダー、紙のコーティング、接着剤、農業用フィルム、紡績糸、スリットヤーン、ロープ、ネット、フィルター、織り編物(産業資材)、コンポストバッグ、防水シート、土嚢用袋等が挙げられる。
 本発明により、機械強度および伸縮性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物が得られる機構は定かではない。限定的な解釈を望むものではないが、ポリオレフィン系樹脂の結晶形態とその結晶化度、結晶モルホロジー(球晶の大きさ)に影響を及ぼすことなく、脂肪族ポリカーボネート樹脂が酸変性ポリプロピレンを介してポリオレフィン系樹脂の非晶部に分散し、その結果、機械強度が維持され、伸縮時においてもポリオレフィン系樹脂と脂肪族ポリカーボネート樹脂の界面での剥離が抑制されることで、伸縮性を併せ持ったポリオレフィン系樹脂組成物が得られるようになるものと推測される。
 また、本発明は、脂肪族ポリカーボネート樹脂及び酸変性ポリプロピレンを含む、ポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤も包含する。当該伸縮性改善剤に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂及び酸変性ポリプロピレンについては、本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂及び酸変性ポリプロピレンについて説明したのと同様である。また、当該伸縮性改善剤を適用するポリオレフィン系樹脂についても、本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物に用いるポリオレフィン系樹脂について説明したのと同様である。
 当該伸縮性改善剤は、脂肪族ポリカーボネート樹脂0.05~10質量部に対して酸変性ポリプロピレンを0.01~2質量部の割合で含むことが好ましい。より詳細には、脂肪族ポリカーボネート樹脂5質量部に対して酸変性ポリプロピレンを0.05~10質量部の割合で含むことがより好ましく、0.1~5質量部の割合で含むことがさらに好ましく、0.2~2質量部の割合で含むことがよりさらに好ましい。
 当該伸縮性改善剤は、例えば、脂肪族ポリカーボネート樹脂及び酸変性ポリプロピレンを、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合して均一な混合物を生成させる方法、さらにその後に当該混合物を溶融混練する方法、等により製造することができる。
 当該伸縮性改善剤は、ポリオレフィン系樹脂に加えることにより、ポリオレフィン系樹脂の機械特性は維持しつつ、伸縮性を改善させることができる。換言すれば、ポリオレフィン系樹脂の機械特性は維持され、伸縮性が改善された、ポリオレフィン系樹脂組成物を得ることができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して当該伸縮性改善剤1~20質量部を加えることが好ましく、2~10質量部を加えることがより好ましい。当該伸縮性改善剤をポリオレフィン系樹脂に加える方法としては、具体的には例えば溶融混練が挙げられる。溶融混練する方法としては、特に限定されないが、ベント式2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、混練ロール等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
 また、本発明は、脂肪族ポリカーボネート樹脂を含む、酸変性ポリプロピレン併用ポリオレフィン系樹脂伸縮性改善助剤も包含する。当該伸縮性改善助剤は、酸変性ポリプロピレンと組み合わせてポリオレフィン系樹脂に適用することにより、ポリオレフィン系樹脂の機械特性は維持しつつ伸縮性を改善することができる。また、上記伸縮性改善剤の製造にも用いることができる。当該伸縮性改善助剤に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂や、組み合わせて用いる酸変性ポリプロピレン、適用対象であるポリオレフィン系樹脂、さらには当該組み合わせ比率若しくは方法や当該適用比率若しくは方法等については、上記本発明のポリオレフィン系樹脂組成物、及び本発明のポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤について説明したのと同様である。
 またさらに、本発明は上記ポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤をポリオレフィン系樹脂に加えてポリオレフィン系樹脂の伸縮性を改善する方法、並びに、上記酸変性ポリプロピレン併用ポリオレフィン系樹脂伸縮性改善助剤を酸変性ポリプロピレンに加えて上記伸縮性改善剤を製造する方法、をも包含する。これらの方法に用いるポリオレフィン系樹脂や酸変性ポリプロピレン、さらには伸縮性改善剤や伸縮性改善助剤の添加比率や方法等についても、上記本発明のポリオレフィン系樹脂組成物、及び本発明のポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤について説明したのと同様である。
 以下に、製造例、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価]
 製造例により得られた脂肪族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量の測定、並びに、実施例および比較例により得られたポリオレフィン系樹脂組成物の示差走査熱量測定(DSC測定)、小角X線散乱測定(SAXS測定)および一軸引張試験を、以下の方法により行った。
(1)重量平均分子量測定(Mw)
 測定対象樹脂の濃度が0.5質量%のクロロホルム溶液を調製し、高速液体クロマトグラフを用いて測定した。同一条件で測定した重量平均分子量が既知のポリスチレンと比較することにより分子量を算出した。また、同様に、数平均分子量(Mn)を求め、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。なお、測定条件は、以下の通りである。
  測定機:HLC-8020(東ソー株式会社製)
  カラム:GPCカラム
  (東ソー株式会社の商品名、TSK GEL Multipore HXL-M)
  カラム温度:40℃
  溶出液:クロロホルム
  流速:1mL/min
(2)示差走査熱量測定(DSC測定)、
 ポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度および融解温度を、以下の装置を用いて測定した。
   測定機:Perkin Elmer社製 Diamond DSC
   昇温速度:20℃/min
   降温速度:20℃/min
   測定温度範囲:0~230℃
(3)小角X線散乱測定(SAXS測定)
 ポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化状態を、以下の装置を用いて観測した。
   測定機:Rigaku社製 NANO-Viewerシステム
   X線:CuKα線(λ=0.154nm)
(4)熱プレス成形
  引張試験用の試験片を熱プレス成形により作成した。
   装置:テクノサプライ社製卓上型ホットプレス
   プレス温度:230℃
   プレス圧力:20MPa
(5)引張試験
 JIS K 7161:1994に準拠し、以下の試験片および測定装置を用いて、降伏応力、ネック応力、破断応力および破断ひずみを測定した。なお、降伏応力、ネック応力が大きいほど、強度に優れる、硬い材料であるといえる。また、破断応力、破断ひずみが大きいほど、伸縮性に優れ、粘り強い材料であるといえる。ネック応力は、測定対象である試験片にネッキングが起こっている間の応力値である。また、JIS K 7161:1994でいう「引張降伏応力」、「引張破壊応力」、「引張破壊ひずみ」が、それぞれ、本明細書でいう「降伏応力」、「破断応力」、「破断ひずみ」に対応する。
   試験片:ダンベル型(ネック部の寸法:長さ10mmおよび幅4mm、厚さ0.2mm)(ダンベル型)
   測定機:INSTRON社製引張試験機 MODEL4466
   引張速度:40、80、120mm/min
   測定温度:25℃
[製造例1](有機亜鉛触媒の製造)
 攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコに、酸化亜鉛8.1g(100ミリモル)、グルタル酸12.7g(96ミリモル)、酢酸0.1g(2ミリモル)およびトルエン130g(150mL)を仕込んだ。次に、反応系内を窒素雰囲気に置換した後、55℃まで昇温し、同温度で4時間攪拌して反応させた。その後、110℃まで昇温し、さらに同温度で4時間攪拌して共沸脱水させ、水分のみを除去した後、室温まで冷却して、有機亜鉛触媒を含む反応液を得た。
 この反応液の一部を分取し、ろ過して得た有機亜鉛触媒について、サーモニコレージャパン株式会社製装置(商品名:AVATAR360)を用いてIRを測定した結果、カルボン酸基に基づくピークは認められなかった。
[製造例2](ポリプロピレンカーボネートの製造)
 攪拌機、ガス導入管、温度計を備えた1L容のオートクレーブの系内をあらかじめ窒素雰囲気に置換した後、製造例1により得られた有機亜鉛触媒を含む反応液8.0mL(有機亜鉛触媒を1.0g含む)、ヘキサン131g(200mL)、プロピレンオキシド46.5g(0.80モル)を仕込んだ。次に、攪拌下、二酸化炭素を加え、反応系内を二酸化炭素雰囲気に置換し、反応系内が1.5MPaとなるまで二酸化炭素を充填した。その後、60℃に昇温し、反応により消費される二酸化炭素を補給しながら6時間重合反応を行なった。
 反応終了後、オートクレーブを冷却して脱圧し、ろ過した後、減圧乾燥してポリプロピレンカーボネート80.8gを得た。得られたポリプロピレンカーボネートの重量平均分子量は、336,000(Mw/Mn=9.02)であった。
[実施例1]
表1の測定例1の配合に従い、マレイン酸変性ポリプロピレン(酸変性PP)(三井化学株式会社製、商品名アドマーQE800、MFR=9.1g/10min)0.62質量部、および製造例1で得られたポリプロピレンカーボネート(PPC)3.11質量部を、混練機(DSM社製 Micro 15cc Twin Screw Compounder)を用いて、設定温度160℃、回転数50rpmで15分間混練して溶融混合物を得た後、熱プレス成形することで、ペレットを得た。
 次に、得られたペレット3.73質量部とポリプロピレン(PP)(日本ポリプロ株式会社製、Mw=380,000、Mw/Mn=4.9)100質量部を、設定温度180℃、回転数50rpmで3分間混練して溶融混合物を得た後、熱プレス成形し、引張試験用の試験片を作成した。
[比較例1]
実施例1において、マレイン酸変性ポリプロピレンとポリプロピレンカーボネートを溶融混合したペレットを用いず、ポリプロピレンのみで試験片を作成した。
〔測定例1〕
 実施例1で得られた試験片を用いて、結晶化温度および融解温度、結晶化状態を測定した。また、上記[評価](5)で述べた方法により、試験片を用いて、引張速度を120mm/minとして引張試験を行い、降伏応力、ネック応力、破断応力および破断ひずみを測定した。結果を表1に示す。なお、上記[評価](3)で述べた方法により、小角X線散乱測定を行った結果を図1に示す。
〔比較測定例1〕
比較例1で得られた試験片を用いて、結晶化温度および融解温度、結晶化状態を測定した。また、測定例1と同様にして引張試験を行い、各物性を測定した。結果を表1に示す。なお、測定例1と同様にして小角X線散乱測定を行った結果を図1に示す。
〔測定例2〕
実施例1で得られた試験片を用いて、引張速度を120mm/minから80mm/minに変えた以外は、測定例1と同様にして引張試験を行い、各物性を測定した。結果を表1に示す。
〔比較測定例2〕
比較例1で得られた試験片を用いて、引張速度を120mm/minから80mm/minに変えた以外は、測定例1同様にして引張試験を行い、各物性を測定した。結果を表1に示す。
〔測定例3〕
実施例1で得られた試験片を用いて、引張速度を120mm/minから40mm/minに変えた以外は、測定例1と同様にして引張試験を行い、各物性を測定した。結果を表1に示す。
〔比較測定例3〕
比較例1で得られた試験片を用いて、引張速度を120mm/minから40mm/minに変えた以外は、測定例1と同様にして引張試験を行い、各物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
[比較例2]
実施例1において、マレイン酸変性ポリプロピレン0.62質量部に代えて、グラフト系相溶化剤(日油株式会社製、商品名 モディパーA4300、エチレンに由来する単量体単位とメタクリル酸グリシジルに由来する単量体単位とからなる重合体部分鎖(メタクリル酸グリシジル含量15重量%)を主鎖とし、アクリル酸n-ブチルに由来する単量体単位とメタクリル酸メチルに由来する単量体単位とからなる重合体部分鎖(メタクリル酸メチル含量30重量%)を側鎖とするグラフト共重合体、側鎖の占める割合含量30重量%、[η]=0.76dl/g)0.62質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして引張試験用の試験片を作成した。
〔比較測定例4〕
比較例2で得られた試験片を用いて、測定例1と同様にして引張試験を行い、各物性を測定しようと試みたが、測定中に試験片が切れてしまい物性を求めることはできなかった。
 表1に示した実施例1および比較例1から、本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物では、結晶化温度および融解温度が変化していないことがわかった。図1に示した小角X線散乱測定の結果から、ポリオレフィン系樹脂組成物でのパターンは、ポリプロピレンのパターンと同様であることがわかった。これらの結果から、脂肪族ポリカーボネート樹脂および酸変性ポリプロピレンは、ポリオレフィン系樹脂の結晶形態とその結晶化度、結晶モルホロジー(球晶の大きさ)に影響を及ぼしていないことがわかった。
 また、表1に示した引張試験の結果から、本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物は、機械特性および伸縮性に優れていることがわかった。特に、本発明にかかるポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリプロピレンと比べた場合、機械強度が同等以上であり、且つ伸縮性が著しく優れており、この傾向は引張速度が速いほど顕著であった。
 

Claims (9)

  1.  ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、脂肪族ポリカーボネート樹脂を0.05~10質量部および酸変性ポリプロピレンを0.01~2質量部の割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  2.  ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンである請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3.  脂肪族ポリカーボネート樹脂が、二酸化炭素とアルキレンオキシドとを金属触媒の存在下で重合させて得られるものである請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4.  脂肪族ポリカーボネート樹脂が、ポリプロピレンカーボネートである請求項1~3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  5.  酸変性ポリプロピレンが、マレイン酸変性ポリプロピレン又は無水マレイン酸変性ポリプロピレンである請求項1~4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  6.  請求項1~5のいずれか一項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物から成形された成形体。
  7. 脂肪族ポリカーボネート樹脂及び酸変性ポリプロピレンを含む、ポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤。
  8. 脂肪族ポリカーボネート樹脂0.05~10質量部に対して酸変性ポリプロピレンを0.01~2質量部の割合で含む、請求項7に記載のポリオレフィン系樹脂の伸縮性改善剤。
  9. 脂肪族ポリカーボネート樹脂を含む、酸変性ポリプロピレン併用ポリオレフィン系樹脂伸縮性改善助剤。
     
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