WO2014017538A1

WO2014017538A1 - 外装部材取付装置及び外装部材取付方法

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Publication number: WO2014017538A1
Application number: PCT/JP2013/070044
Authority: WO
Inventors: 鈴木　勝覚
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2012-07-25
Filing date: 2013-07-24
Publication date: 2014-01-30
Also published as: EP2879136A1; CN104508763B; JP5993646B2; EP2879136B1; EP2879136A4; US9613734B2; CN104508763A; US20150107748A1; JP2014026760A

Abstract

　外装部材取付装置（１）は、シート部材（Ｓ）を保護層（Ｓ２）の側から支持する支持機構（２）と、シート部材（Ｓ）の接着層（Ｓ１）に沿わせて電線部分（Ｗ１）を保持する電線保持機構（３，４）と、シート部材（Ｓ）を二つ折りに折り曲げる折曲機構（５）と、を備える。第二支持部（２２）に支持された第二領域（Ｒ２）が第一支持部（２１）に向かって回動されることで、折り曲げられたシート部材（Ｓ）間にワイヤハーネス（Ｗ）の電線部分（Ｗ１）が挟み込まれて覆われる。

Description

外装部材取付装置及び外装部材取付方法

　本発明は、外装部材取付装置及び外装部材取付方法に関する。

　従来、自動車等に配索されるワイヤハーネスにおいて、その電線部分を覆って保護するための外装部材が各種提案されている（特許文献１及び特許文献２参照）。特許文献１記載の外装部材（保護材）は、塩化ビニール製のシートから構成されている。このシートが電線群の外周に巻き付けられてから、シートの巻き付け方向両端部が重ねられ、重ねられた部分が熱溶着機の熱圧着部に配して加圧かつ加熱されることで溶着される。これにより、シートがワイヤハーネスに取り付けられる。特許文献２記載の外装部材（保護シート）は、ゴムシートと、その一方の面に形成された粘着層とを備えて構成されている。このシートが電線群の外周に巻き付けられて粘着層が電線群に粘着するとともに、巻き付け方向開始側のシートに終端側の粘着層が重ねて粘着する。これにより、シートがワイヤハーネスに取り付けられる。

　ところで、ワイヤハーネスは、自動車等に配索する際の配線形態にほぼ添うように二次元的に配設され、この配設された状態において外装部材が取り付けられることが一般的である。即ち、図１９の（ａ）に示すように、ワイヤハーネスＷは、端末部にコネクタＣが接続された複数のプリハーネスが布線板等に設置され、このプリハーネスの電線部分Ｗ１が係止ピン等で係止されて所定の配索形態に保持される。そして、図１９の（ｂ）に示すように、所定区間ごとの電線部分Ｗ１に外装部品Ｐが取り付けられ、外装部品Ｐの端部が電線部分Ｗ１にテープＴで固定されるなどして製作される。従って、このようなワイヤハーネスＷの製造手順に対応して、所定の電線部分に外装部材を適切に取り付ける必要がある。

日本国特開平１１－７８５６号公報日本国特開２００９－３０２０２３号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載されたような従来の取付方法では、外装部材の取付位置ごとに熱溶着機を準備しておくか、熱溶着機を移動させる必要がある。そのため、製造設備が大掛かりになったり、取付作業の手間が多大になったりなど、様々な問題が生じる。一方、上記特許文献２に記載されたような従来の取付方法では、作業者の手作業によって１枚ずつのシートが巻き付けられて接着される。そのために、外装部材の取付作業の作業性が高められないとともに、シートを巻き付ける際に粘着層が意図しない部位に粘着してシートが無駄になるなどの問題もある。このため、所定の配索形態に保持したワイヤハーネスに対して効率よく外装部材を取り付けることができる取付装置の開発が望まれていた。

　本発明は、上記した点に鑑み、装置の大型化や複雑化を招くことなく外装部材の取付作業の効率が向上する外装部材取付装置及び外装部材取付方法を提供することを目的とする。

　本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
（１）　ワイヤハーネスの電線部分を覆うための外装部材を前記ワイヤハーネスに取り付けるための外装部材取付装置であって、前記外装部材は、一方の面に接着層が設けられ他方の面に保護層が設けられたシート状に形成されるとともに、前記接着層が内側にされた状態で前記電線部分を挟み、前記接着層同士の接着により前記電線部分を覆うシート部材からなり、前記シート部材を前記保護層の側から支持する支持機構と、前記支持機構で支持された前記シート部材の前記接着層に沿わせて前記電線部分を保持する電線保持機構と、前記支持機構で支持された前記シート部材を二つ折りに折り曲げる折曲機構と、を備え、前記支持機構は、前記シート部材における平面略半分の領域を支持する第一支持部と、前記平面略半分の領域以外の前記シート部材における他の領域を支持する第二支持部と、を有して構成され、前記折曲機構によって前記シート部材における前記他の領域が前記第一支持部に向かって回動されることで、前記シート部材が折り曲げられる外装部材取付装置。

（２）　上記（１）に記載の外装部材取付装置であって、前記シート部材は、前記保護層から突出された突起部材を有し、前記突起部材が係合することによって固定体に取り付け可能に構成されており、前記第一支持部及び前記第二支持部の少なくとも一方には、前記突起部材を受け入れるための一又は複数の凹部が形成され、前記凹部が、前記シート部材の平面方向に沿った所定位置に設けられるか、又は、前記シート部材の平面方向に沿って移動可能に設けられている外装部材取付装置。

（３）　上記（１）又は（２）に記載の外装部材取付装置であって、前記シート部材における前記接着層は、自己融着型、粘着型、又はホットメルト型のいずれか１つで構成されたものであって、前記接着層が自己融着型で構成される場合には、前記折曲機構で折り曲げられた前記シート部材を押圧する押圧機構が設けられ、前記接着層がホットメルト型で構成される場合には、前記シート部材を加熱する加熱機構が前記支持機構に設けられる外装部材取付装置。

（４）　上記（１）～（３）のいずれかに記載の外装部材取付装置であって、前記折曲機構は、前記第二支持部が回動自在に支持されるヒンジ部と、前記ヒンジ部がスライド自在に支持されるスライド部材と、を備えて構成されるか、前記第二支持部が回動自在に支持されるヒンジ部と、前記ヒンジ部から延びた他端側が回動自在に支持されたリンク部材と、を備えて構成されるか、又は、前記シート部材における前記他の領域が前記第二支持部から浮かされる第一移動機構と、前記第一移動機構で浮かされた前記シート部材における前記他の領域が前記第一支持部に向かって移動される第二移動機構と、を備えて構成される外装部材取付装置。

（５）　上記（１）～（４）のいずれかに記載の外装部材取付装置であって、前記支持機構は、前記シート部材における前記保護層に当接する支持面と、前記支持面から凹みかつ前記電線保持機構で保持された前記電線部分に沿って延びる溝部と、を備えて構成される外装部材取付装置。

（６）　上記（１）～（５）のいずれかに記載の外装部材取付装置であって、前記電線部分は、複数の電線で構成され、前記複数の電線が回転されて撚られる電線撚り機構をさらに備える外装部材取付装置。

（７）　ワイヤハーネスの電線部分を覆うための外装部材を前記ワイヤハーネスに取り付けるための外装部材取付方法であって、前記外装部材は、一方の面に接着層が設けられ他方の面に保護層が設けられたシート状に形成されるとともに、前記接着層が内側にされた状態で前記電線部分を挟み、前記接着層同士の接着により前記電線部分を覆うシート部材からなり、前記シート部材が前記保護層の側から支持され、支持された前記シート部材の前記接着層に沿わせて前記電線部分が保持されてから、前記シート部材における平面略半分の領域に向かって前記へ面略半分の領域以外の他の領域が回動されることで前記シート部材が折り曲げられ、前記電線部分が前記シート部材で覆われる外装部材取付方法。

（８）　上記（７）に記載の外装部材取付方法であって、前記シート部材は、前記保護層から突出された突起部材を有し、前記突起部材が係合することによって固定体に取り付け可能に構成され、前記突起部材が凹部に挿入された状態で前記シート部材が折り曲げられる方法であって、前記シート部材の平面方向に沿って複数設けられた前記凹部から所定の凹部を選択して前記突起部材が挿入されるか、又は、前記シート部材の平面方向に沿って移動可能に設けられた前記凹部が所定位置に移動されて前記突起部材が挿入される外装部材取付方法。

（９）　上記（７）又は（８）に記載の外装部材取付方法であって、前記シート部材の前記接着層は、自己融着型、粘着型、又はホットメルト型のいずれか１つで構成されたものであって、前記接着層が自己融着型で構成される場合には、折り曲げられた前記シート部材が押圧されて前記接着層同士が接着され、前記接着層がホットメルト型で構成される場合には、前記シート部材が加熱されて前記接着層同士が接着される外装部材取付方法。

（１０）　上記（７）～（９）のいずれかに記載の外装部材取付方法であって、前記電線部分は、複数の電線で構成され、前記複数の電線が回転されて撚られてから前記シート部材が折り曲げられる外装部材取付方法。

　上記（１）の構成の外装部材取付装置によれば、支持機構でシート部材が支持された状態から折曲機構によってシート部材が折り曲げられ、この折り曲げられたシート部材間にワイヤハーネスの電線部分が挟み込まれて覆われることで、簡単かつ確実にワイヤハーネスに外装部材を取り付けることができる。この際、支持機構の第一支持部と第二支持部とでシート部材を保護層の側から支持することで、一方の面に設けられた接着層が意図しない位置に接着されてしまうことを防止しつつ、このシート部材を折曲機構で容易に二つ折りすることができる。さらに、シート部材の接着層に沿わせた電線部分が電線保持機構で保持されることで、作業者がワイヤハーネスを保持しておく必要がないことから、外装部材の取付作業をさらに効率よく行うことができる。

　上記（２）の構成の外装部材取付装置によれば、固定体への取り付け用の突起部材が形成されたシート部材を用いる場合において、第一支持部や第二支持部に突起部材を受け入れるための凹部が形成されているので、突起部材が邪魔になることなくシート部材を平坦な状態で支持することができる。さらに、シート部材の平面方向に沿って凹部が移動可能に設けられていれば、突起部材の位置が異なる複数種類のシート部材に対応することができ、外装部材取付装置の汎用性を高めることができる。

　上記（３）の構成の外装部材取付装置によれば、シート部材における接着層のタイプに応じて接着層同士を確実に接着することができる。即ち、二つ折りしたシート部材は、挟み込んだ電線部分を覆い、この被覆状態を確実に保持することができる。さらに、シート部材を加熱する加熱機構が支持機構に設けられていれば、ホットメルト型の接着層で構成されたシート部材が支持機構で支持された状態で接着層を溶融して接着することができる。従って、上記（３）の構成の外装部材取付装置は、別の熱溶着機などを用いる必要がないことから、装置の複雑化や大型化を防止しつつ作業手間の増加を抑制することができる。

　上記（４）の構成の外装部材取付装置によれば、折曲機構が、ヒンジ部とスライド部材とを備えるか、又は、ヒンジ部とリンク部材とを備えた構成の場合には、第二支持部が円弧以外の回動軌跡で移動することができ、シート部材及び電線部分が挟み込まれる際の第一支持部と第二支持部との間隔寸法を適宜に設定することができる。また、折曲機構が、第一移動機構と第二移動機構とを備えた構成の場合には、第二支持部が移動せずにシート部材における他の領域だけが移動することでシート部材が折り曲げられる。従って、上記（４）の構成の外装部材取付装置は、装置構造がさらに簡単化される。

　上記（５）の構成の外装部材取付装置によれば、支持機構の支持面から凹んだ溝部が設けられたことで、この溝部にシート部材の一部と電線部分とを受け入れることができ、溝部以外の支持面で二つ折りにしたシート部材の接着層同士を密着させることができる。従って、シート部材が押圧されて接着される際に電線部分に押圧力が作用しないようにでき、電線部分の断線や破損を防止しつつ、シート部材における接着層同士の密着性を高めて接着力を向上することができる。

　上記（６）の構成の外装部材取付装置によれば、電線撚り機構によって複数の電線が回転されて撚られることで、複数の電線からなる電線部分がシート部材の所定範囲にまとめて配置される。従って、上記（６）の構成の外装部材取付装置は、シート部材を折り曲げやすくするとともに、シート部材の必要面積が縮小されて材料を節約することができる。

　上記（７）の外装部材取付方法によれば、シート部材が支持された状態から折り曲げられ、この折り曲げられたシート部材間にワイヤハーネスの電線部分が挟み込まれて覆われることで、簡単かつ確実にワイヤハーネスに外装部材が取り付けられる。この際、シート部材がその保護層の側から支持されることで、一方の面に設けられた接着層が意図しない位置に接着されてしまうことを防止しつつ、このシート部材を容易に二つ折りすることができる。

　上記（８）の構成の外装部材取付方法によれば、固定体への取り付け用の突起部材が形成されたシート部材を用いる場合において、突起部材が凹部に受け入れられた状態でシート部材が折り曲げられることで、突起部材が邪魔になることなくシート部材を二つ折りすることができる。さらに、シート部材の平面方向に沿って設けられた複数の凹部から選択した凹部に突起部材が挿入されるか、凹部が移動させられて突起が挿入されることで、突起部材の位置が異なる複数種類のシート部材に対応することができる。

　上記（９）の構成の外装部材取付方法によれば、シート部材における接着層のタイプに応じて接着層同士を確実に接着することができる。即ち、二つ折りしたシート部材は、挟み込んだ電線部分を覆い、この被覆状態を確実に保持することができる。

　上記（１０）の構成の外装部材取付方法によれば、複数の電線が回転されて撚られることで、複数の電線からなる電線部分がシート部材の所定範囲にまとめて配置される。従って、上記（１０）の構成の外装部材取付方法は、シート部材を折り曲げやすくするとともに、シート部材の必要面積が縮小されて材料を節約することができる。

図１は本発明の第一実施形態に係る外装部材取付装置を示す平面図である。図２Ａは図１のＡ－Ａ断面矢視図である。図２Ｂは図１のＢ－Ｂ断面矢視図である。図３は図１に示した外装部材取付装置の動作を示す断面図である。図４は図１に示した外装部材取付装置によりワイヤハーネスに取付けられた外装部材の取付状態を示す斜視図である。図５は図１に示した外装部材取付装置の変形例を示す平面図である。図６Ａは図１に示した外装部材取付装置の他の変形例を示す平面図である。図６Ｂは図６ＡのＣ－Ｃ断面矢視図である。図７Ａは図１に示した外装部材取付装置のさらに他の変形例を示す平面図である。図７Ｂは図７ＡのＤ－Ｄ断面矢視図である。図８の（ａ）～（ｃ）は図１に示した外装部材取付装置に係る折曲機構の動作を説明するための断面図である。図９の（ａ）～（ｃ）は図８に示した折曲機構の変形例の動作を説明するための断面図である。図１０Ａは図１に示した支持機構の変形例を示す平面図である。図１０Ｂは図１０ＡのＥ－Ｅ断面矢視図である。図１０Ｃは図１０Ｂに示した第二支持部を回動させて第一支持部と対向させた状態を示す断面図である。図１１Ａは図１に示した支持機構の他の変形例を示す平面図である。図１１Ｂは第二支持部を回動させて第一支持部と対向させた状態における図１１ＡのＦ－Ｆ相当断面矢視図である。図１２は図１に示した外装部材取付装置に係る電線撚り機構を示す平面図である。図１３Ａは本発明の第二実施形態に係る外装部材取付装置を示す正面図である。図１３Ｂは図１３Ａに示した押圧機構を示す平面図である。図１３Ｃは図１３Ａの概略平面図である。図１４Ａは図１３Ｃに示した外装部材取付装置の動作を示す平面図及び横断面図である。図１４Ｂは図１４Ａに示した外装部材取付装置の動作を示す平面図及び横断面図である。図１５本発明の第三実施形態に係る外装部材取付装置を示す斜視図である。図１６Ａは図１５に示した外装部材取付装置の動作を示す斜視図である。図１６Ｂは図１６Ａに示した外装部材取付装置の動作を示す斜視図である。図１７は本発明の第四実施形態に係る外装部材取付装置を示す斜視図である。図１８の（ａ）～（ｄ）は図１７に示した外装部材取付装置の動作を説明するための断面図である。図１９の（ａ）及び（ｂ）は従来技術に係る外装部材の取付手順を説明するための斜視図である。

［第一実施形態］
　以下、本発明の第一実施形態にかかる外装部材取付装置を、図１～図１２を参照して説明する。
　本第一実施形態の外装部材取付装置１は、ワイヤハーネスＷの製造過程において、前記ワイヤハーネスＷの電線部分Ｗ１に、これを覆う外装部材であるシート部材Ｓを取り付けるための装置である。この外装部材取付装置１は、ワイヤハーネスＷを所定の配線形態で配置するための布線板等における複数個所に設けられるか、又は、布線板等の複数個所に亘って移動自在に設けられる。そして、外装部材取付装置１は、ワイヤハーネスＷにおける所定区間ごとの電線部分Ｗ１にシート部材Ｓを取り付けることができるように構成されている。シート部材Ｓは、一方の面に接着層Ｓ１が設けられ、他方の面に保護層Ｓ２が設けられたシート状に形成される。シート部材Ｓは、接着層Ｓ１が内側にされた状態で外装面である保護層Ｓ２が外側にされて二つ折りにされるとともに接着層Ｓ１同士が接着され、これによりシート部材Ｓの間に挟んだ電線部分Ｗ１を保護する。

　外装部材取付装置１は、図１～図２Ｂに示すように、接着層Ｓ１が上に向けられたシート部材Ｓを保護層Ｓ２の側から支持する支持機構２と、支持機構２で支持されたシート部材Ｓの接着層Ｓ１に沿わせて電線部分Ｗ１を保持する一対の電線保持機構３，４と、支持機構２で支持されたシート部材Ｓを二つ折りに折り曲げる折曲機構５（後述）と、を備えて構成されている。

　支持機構２は、図３にも示すように、シート部材Ｓにおける平面略半分の領域（図１の下側略半分の領域）である第一領域Ｒ１を支持する第一支持部２１と、この第一領域Ｒ１以外のシート部材Ｓにおける他の領域（図１の上側略半分の領域）である第二領域Ｒ２を支持する第二支持部２２と、を有して構成されている。そして、電線部分Ｗ１は、第一支持部２１における第二支持部２２側の端縁近傍、即ち、第一領域Ｒ１における第二領域Ｒ２の近傍に位置している。そして、これら第一領域Ｒ１と第二領域Ｒ２の境界線である折曲線Ｒ３に沿って配置されている。この支持機構２は、折曲機構５（図８及び図９参照）によって第二支持部２２が回動されて第一支持部２１に向かって反転することで、シート部材Ｓの第二領域Ｒ２が第一領域Ｒ１に向かって折り曲げられるように構成されている。

　電線保持機構３及び電線保持機構４のうち、一方（図１の左側）の電線保持機構３は、ワイヤハーネスＷの端末部に接続されたコネクタＣに連なる電線部分Ｗ１を保持するものであって、支持機構２の一方の端縁に沿って立ち上がるベース３１と、このベース３１の上面に間隔をあけて立設された２本の係止爪３２と、有する。この電線保持機構３は、２本の係止爪３２間に電線部分Ｗ１が挿通されるとともに、係止爪３２でコネクタＣが係止されることで、電線部分Ｗ１が保持されるように構成されている。

　他方（図１の右側）の電線保持機構４は、ワイヤハーネスＷの中間位置における電線部分Ｗ１を保持するものであって、支持機構２の他方の端縁に沿って立ち上がる第一保持部材４１と、この第一保持部材４１の上方に上下移動自在に設けられた第二保持部材４２と、有する。第一保持部材４１の上端には、第二保持部材４２を受け入れ可能な保持溝４３が形成されている。この電線保持機構４は、保持溝４３に電線部分Ｗ１が挿通されるとともに、第二保持部材４２が保持溝４３内部に進入させられて電線部分Ｗ１が挟み込まれることで、電線部分Ｗ１が保持されるように構成されている。

　以上の外装部材取付装置１によれば、支持機構２にシート部材Ｓが支持されるとともに、電線保持機構３と電線保持機構４の間に亘って電線部分Ｗ１が保持された状態から、図３に示すように、第二支持部２２が第一支持部２１に向かって回動されてシート部材Ｓが折り曲げられ、第二領域Ｒ２の接着層Ｓ１と第一領域Ｒ１の接着層Ｓ１とが接近することで、これら接着層Ｓ１が互いに接着されてシート部材Ｓが電線部分Ｗ１に取り付けられる。このようにワイヤハーネスＷの複数の電線部分Ｗ１にシート部材Ｓが取り付けられることで、図４に示すように、電線部分Ｗ１がシート部材Ｓによって保護されたワイヤハーネスＷが製造される。

　なお、本第一実施形態の外装部材取付装置１において、取り付け対象であるシート部材Ｓの接着層Ｓ１がホットメルト型で構成される場合には、シート部材Ｓを加熱する加熱機構が支持機構２に設けられていればよい。この加熱機構としては、図５に示すように、第二支持部２２の内部に設けられたコイル状のヒータ２３が例示できる。また、加熱機構は、第一支持部２１に設けられていてもよいし、第一支持部２１と第二支持部２２の両方に設けられていてもよい。さらに、加熱機構は、第一支持部２１や第二支持部２２に内蔵されるものに限らず、外部に露出して設けられていてもよいし、シート部材Ｓを挟んで第一支持部２１や第二支持部２２の反対側からシート部材Ｓを加熱するものであってもよい。

　また、本第一実施形態の外装部材取付装置１において、取り付け対象であるシート部材Ｓが、その保護層Ｓ２から突出された突起部材Ｓ３を有し、この突起部材Ｓ３が係合することによって自動車の車体（固定体）等に取り付け可能に構成されたものである場合には、支持機構２に突起部材Ｓ３を受け入れるための凹部２５が形成されていればよい。具体的には、図６Ａ及び図６Ｂに示すように、第二支持部２２には、シート部材Ｓの保護層Ｓ２に当接する支持面２４と、シート部材Ｓの突起部材Ｓ３に応じた位置にて支持面２４から凹んだ凹部２５と、が形成されている。また、図７Ａ及び図７Ｂに示すように、凹部２５が複数箇所に設けられていてもよく、これら複数の凹部２５は、互いに異なる位置に突起部材Ｓ３が設けられたシート部材Ｓに対応し、これらのシート部材Ｓをそれぞれ支持する場合においても、同一の支持機構２を用いることができるよう構成されている。

　さらに、本第一実施形態の外装部材取付装置１において、折曲機構５は、第一支持部２１と第二支持部２２とが互いに回動自在に連結される蝶番などで構成されていてもよいし、図８及び図９に示す構成を有していてもよい。

　具体的には、図８の（ａ）に示す折曲機構５は、第二支持部２２が回動自在に支持されるヒンジ部５１と、このヒンジ部５１が連結された連結板５２と、この連結板５２がスライド自在に支持されるスライド部材５３と、このスライド部材５３が固定される固定板５４と、を備えて構成されている。さらに、連結板５２には、上下に延びる長孔５２Ａが形成され、スライド部材５３には、ピン５３Ａが固定されている。そして、このピン５３Ａが長孔５２Ａに挿通されることで、連結板５２が上下移動自在に支持されている。
　従って、図８の（ｂ）に示すように、スライド部材５３に対して連結板５２が上方へスライドされることで、第二支持部２２が上方へ平行移動される。その後、図８の（ｃ）に示すように、ヒンジ部５１を中心として第二支持部２２が第一支持部２１に向かって回動されることで、第二支持部２２の移動軌跡が上方へ伸びた長円状となる。このような折曲機構５によれば、第一支持部２１と第二支持部２２との間に所定の隙間が形成された状態でこれら第一支持部２１と第二支持部２２とは対向することができる。そこで、電線部分Ｗ１の径寸法が大きい場合、即ち、電線本数が多かったり各電線径が大きかったりする場合であっても、電線部分Ｗ１との干渉を抑制しつつシート部材Ｓを適切に二つ折りすることができる。

　また、図９の（ａ）に示す折曲機構５は、第二支持部２２が回動自在に支持される第一ヒンジ部５５と、この第一ヒンジ部５５に一端部が回動自在に連結されたリンク部材５６と、このリンク部材５６の他端部が第一支持部２１に回動自在に連結される第二ヒンジ部５７と、を備えて構成されている。
　従って、図９の（ｂ）及び（ｃ）に示すように、第一支持部２１に対して第二ヒンジ部５７を介してリンク部材５６が回動されるとともに、このリンク部材５６に対して第一ヒンジ部５５を介して第二支持部２２が回動されることで、第二支持部２２の移動軌跡が上方へ伸びた非円弧状となる。このような折曲機構５によれば、第一支持部２１と第二支持部２２との間にリンク部材５６の長さに応じた所定の隙間が形成された状態で、これら第一支持部２１と第二支持部２２とは対向することができる。そこで、電線部分Ｗ１の径寸法が大きい場合、即ち、電線本数が多かったり各電線径が大きかったりする場合であっても、電線部分Ｗ１との干渉を抑制しつつシート部材Ｓを適切に二つ折りすることができる。

　また、本第一実施形態の外装部材取付装置１において、支持機構２の第一支持部２１及び第二支持部２２には、図１０Ａ及び図１０Ｂに示すように、シート部材Ｓにおける保護層Ｓ２に当接する支持面２４から凹んだ溝部２６が形成され、この溝部２６に電線部分Ｗ１が受け入れられるように構成されてもよい。具体的には、溝部２６は、第一支持部２１及び第二支持部２２における各々が近接する端縁に沿って設けられており、第一支持部２１の溝部２６は、電線保持機構３と電線保持機構４の間に亘って保持された電線部分Ｗ１に沿って形成されている。
　そして、図１０Ｃに示すように、第二支持部２２が回動されて第一支持部２１と対向させられた状態において、第一支持部２１及び第二支持部２２の各溝部２６は、互いに対向して空間２６Ａを区画形成する。即ち、この空間２６Ａは、シート部材Ｓと電線部分Ｗ１とが受け入れ可能に構成されている。従って、折り曲げられたシート部材Ｓのうちの電線部分Ｗ１を除く部分が、第一支持部２１及び第二支持部２２の各支持面２４間に挟持され、このシート部材Ｓの接着層Ｓ１同士が密接されて接着されるとともに、空間２６Ａに受け入れられた電線部分Ｗ１に対しては挟持力が作用しないように構成されている。

　さらに、図１１Ａに示す支持機構２は、溝部２６に加えて、第二支持部２２の支持面２４に設けられた押圧部材２７及び押圧部材２８を備えて構成されている。押圧部材２７及び押圧部材２８は、適度な柔軟性を有して弾性変形可能な素材から構成されている。そして、押圧部材２７は、第二支持部２２における溝部２６に沿って設けられ、押圧部材２８は、第二支持部２２における電線保持機構３，４側の両端縁に沿って設けられている。
　そして、図１１Ｂに示すように、第二支持部２２が回動されて第一支持部２１と対向させられた状態において、押圧部材２７及び押圧部材２８は、シート部材Ｓと電線部分Ｗ１とが受け入れ可能に構成されている。従って、折り曲げられたシート部材Ｓの第二領域Ｒ２における保護層Ｓ２に当接して、この第二領域Ｒ２が第一領域Ｒ１に向かって押圧される。これによって、シート部材Ｓの接着層Ｓ１同士は密接されて接着されるように構成されている。この際、溝部２６（即ち、電線部分Ｗ１）の近傍に沿って設けられた押圧部材２７が、シート部材Ｓを押圧して接着層Ｓ１同士が接着される。そこで、電線部分Ｗ１近傍のシート部材Ｓが強固に接着されて覆われた電線部分Ｗ１が露出するのを防止することができる。さらに、電線保持機構３及び電線保持機構４側の両端縁に沿った押圧部材２８は、シート部材Ｓを強固に接着することで、シート部材Ｓの端縁部分から接着が剥がれるのを防止することができる。

　また、本第１実施形態の外装部材取付装置１は、図１２に示すように、電線部分Ｗ１が回転されて撚られる電線撚り機構６を備えて構成されてもよい。ここで、ワイヤハーネスＷは、コネクタＣに接続された複数の電線からなる電線部分Ｗ１を備えている。電線撚り機構６は、コネクタＣを把持するチャック部６１と、このチャック部６１を回転させるモータ部６２と、を備える。電線撚り機構６は、モータ部６２の駆動によってチャック部６１が回転することで、電線部分Ｗ１における複数の電線が撚り合わされるように構成されている。従って、電線保持機構３と電線保持機構４に亘って電線部分Ｗ１が保持された状態において、その中間部分の複数の電線がばらけることなく、電線部分Ｗ１がシート部材Ｓの所定範囲である折曲線Ｒ３近傍にまとめて配置される。そこで、シート部材Ｓが折り曲げやすくなるとともに、シート部材Ｓの必要面積が縮小されて材料を節約することができる。

［第二実施形態］
　次に、本発明の第二実施形態にかかる外装部材取付装置を、図１３Ａ～図１４Ｂを参照して説明する。
　本第二実施形態の外装部材取付装置１Ａは、前記第一実施形態の外装部材取付装置１と略同様の支持機構２、電線保持機構３，４及び折曲機構５と、折り曲げたシート部材Ｓを押圧する押圧機構７と、を備えて構成されている。また、外装部材取付装置１Ａの支持機構２は、シート部材Ｓの突起部材Ｓ３（図６Ａ～図７Ｂ参照）を受け入れるための凹部２５が形成された受入れ部材２５Ａを第二支持部２２と別体として備えており、この受入れ部材２５Ａが移動自在に設けられている点が前記第一実施形態の外装部材取付装置１と相違している。
　受入れ部材２５Ａは、電線部分Ｗ１の配索方向（図１３Ａの左右方向）に延びるロッド２５Ｂに取り付けられ、左右移動自在に支持されている。ロッド２５Ｂは、その両端部がそれぞれスライダ２５Ｃに支持され、これらのスライダ２５Ｃは、ロッド２５Ｂと直交して延びる一対のロッド２５Ｄに各々摺動自在に支持され、これらのロッド２５Ｄの基端部が固定部２５Ｅに固定されている。従って、受入れ部材２５Ａ（即ち凹部２５）は、図示しない駆動機構によって、ロッド２５Ｂに沿って電線部分Ｗ１の配索方向に移動自在、かつロッド２５Ｄに沿ったスライダ２５Ｃのスライドによって電線部分Ｗ１の配索直交方向に移動自在に構成されている。

　押圧機構７は、支持機構２の上方において図示しない支持フレームによって支持されている。この押圧機構７は、支持フレームに移動不能に固定された固定部７１と、この固定部７１から水平に延びるロッド７２と、ロッド７２に摺動自在に支持されたスライダ７３と、固定部７１及びスライダ７３からロッド７２と直交して延びる一対のロッド７４と、各ロッド７４に摺動自在に支持された一対のシリンダ７５，７６と、これら一対のシリンダ７５，７６に亘ってロッド７２と平行に延びるロッド７７と、シリンダ７５，７６から下方に延びる出力軸の先端に固定された先端部７８と、これらの先端部７８間に亘って支持された押圧部材７９と、を有して構成されている。この押圧部材７９は、シリンダ７５，７６による出力軸の突没駆動によって昇降可能に設けられる。また、押圧部材７９は、図示しない駆動機構によって、シリンダ７５，７６がロッド７４に沿って電線部分Ｗ１の配索直交方向に移動自在、かつスライダ７３及びシリンダ７６がロッド７２，７６に沿って電線部分Ｗ１の配索方向に移動自在に構成されている。

　以上のような本第二実施形態の外装部材取付装置１Ａは、以下のように動作する。
　先ず、電線部分Ｗ１及びシート部材Ｓの大きさ、さらにシート部材Ｓにおける突起部材Ｓ３の位置に応じて、受入れ部材２５Ａ（即ち凹部２５）が電線部分Ｗ１の配索方向及び配索直交方向に移動され、その後、支持機構２の第一支持部２１及び第二支持部２２にシード部材Ｓが載置されて支持されるとともに、シート部材Ｓの接着層Ｓ１に沿って電線部分Ｗ１が配置され、この電線部分Ｗ１が電線保持機構３，４で保持される。さらに、配置したシート部材Ｓ及び電線部分Ｗ１に応じて、押圧機構７のシリンダ７５，７６及び押圧部材７９が電線部分Ｗ１の配索直交方向に移動されるとともに、シリンダ７６が電線部分Ｗ１の配索方向に沿って移動される。
　このように各部が移動したら、図１４Ａに示すように、支持機構２の第二支持部２２が回動されて第一支持部２１に向かってシート部材Ｓが折り曲げられてから、第二支持部２２が初期位置に退避される。これに続いて、押圧機構７のシリンダ７５，７６が駆動され、図１４Ｂに示すように、押圧部材７９が下降されてシート部材Ｓに当接する。これにより、シート部材Ｓの接着層Ｓ１同士が密接させられて接着される。なお、シート部材Ｓの接着層Ｓ１が自己融着型や粘着型である場合には、押圧部材７９がシート部材Ｓを押圧するだけでよいが、シート部材Ｓの接着層Ｓ１がホットメルト型である場合には、押圧部材７９に加熱機構が設けられる。

［第三実施形態］
　次に、本発明の第三実施形態にかかる外装部材取付装置を、図１５～１６Ｂを参照して説明する。
　本第三実施形態の外装部材取付装置１Ｂは、前記第一実施形態に対して支持機構２における第二支持部２２の構成が相違し、さらに、前記第二実施形態に対して押圧機構７の構成が相違する。即ち、第二支持部２２は、一対の回動アーム２２Ａと、各回動アーム２２Ａに取り付けられてシート部材Ｓの第二領域Ｒ２を支持する支持棒２２Ｂと、を備えて構成されている。回動アーム２２Ａは、第一支持部２１に隣接して設けられるヒンジ部２２Ｃに回動自在に支持され、図示しないハンドル等の回動機構によって回動され、これらのヒンジ部２２Ｃ及び回動機構によって折曲機構が構成されている。また、回動アーム２２Ａには、その長手方向に沿って所定間隔ごとに複数の挿通孔２２Ｄが形成されており、これらの挿通孔２２Ｄに支持棒２２Ｂが挿通されて選択的に取り付けられる。従って、第二支持部２２は、シート部材Ｓの幅寸法に応じて支持棒２２Ｂを挿通させる挿通孔２２Ｄが適宜に選択されることによって、支持棒２２Ｂによる支持位置が変更可能に構成されている。また、押圧機構７は、押圧ローラ７Ａと、この押圧ローラ７Ａを第一支持部２１に沿って転動させる図示しない駆動機構と、を有して構成されている。

　以上のような本第三実施形態の外装部材取付装置１Ｂは、以下のように動作する。
　先ず、電線部分Ｗ１及びシート部材Ｓの大きさに応じて、回動アーム２２Ａの複数の挿通孔２２Ｄから適切な挿通孔２２Ｄを選択して支持棒２２Ｂが挿通される。その後、支持機構２の第一支持部２１及び第二支持部２２の一対の支持棒２２Ｂにシード部材Ｓが載置されて支持されるとともに、シート部材Ｓの接着層Ｓ１に沿って電線部分Ｗ１が配置され、この電線部分Ｗ１が電線保持機構３，４で保持される。
　次に、図１６Ａに示すように、回動機構によって一対の回動アーム２２Ａが回動されて第一支持部２１に向かってシート部材Ｓが折り曲げられてから、回動アーム２２Ａが初期位置に退避される。これに続いて、押圧機構７の押圧ローラ７Ａが駆動され、図１６Ｂに示すように、シート部材Ｓに当接させた押圧ローラ７Ａが転動する。これにより、シート部材Ｓの接着層Ｓ１同士が密接させられて接着される。なお、シート部材Ｓの接着層Ｓ１が自己融着型や粘着型である場合には、押圧ローラ７Ａがシート部材Ｓを押圧するだけでよいが、シート部材Ｓの接着層Ｓ１がホットメルト型である場合には、押圧ローラ７Ａや第一支持部２１に加熱機構が設けられる。

［第四実施形態］
　次に、本発明の第四実施形態にかかる外装部材取付装置を、図１７及び図１８を参照して説明する。
　本第四実施形態の外装部材取付装置１Ｃは、前記各実施形態に対して支持機構２における第二支持部２２の構成が相違し、さらに、前記各実施形態に対して折曲機構５の構成が相違する。即ち、本第四実施形態の支持機構２において、第二支持部２２は、前記各実施形態のように回動自在に設けられたものではなく、第一支持部２１と第二支持部２２とが一体に設けられた一枚の板状に構成されている。また、折曲機構５は、シート部材Ｓの第二領域Ｒ２が第二支持部２２から浮かせられる第一移動機構としての一対の第一シリンダ５８と、これらの第一シリンダ５８で浮かせたシート部材Ｓの第二領域Ｒ２が第一支持部２１に向かって移動させられる第二移動機構としての一対の第二シリンダ５９と、を備えて構成されている。
　一対の第一シリンダ５８は、それぞれ第二支持部２２の裏側に設けられ、その出力軸５８Ａが第二支持部２２を貫通して表側に突没自在に設けられている。一対の第二シリンダ５９は、それぞれ第二支持部２２に隣接した表面上方に設けられ、その出力軸５９Ａが第二支持部２２の上方を通って第一支持部２１側まで突没自在に設けられている。

　以上のような本第四実施形態の外装部材取付装置１Ｃは、以下のように動作する。
　先ず、図１８の（ａ）に示すように、支持機構２の第一支持部２１及び第二支持部２２にシード部材Ｓが載置されて支持されるとともに、シート部材Ｓの接着層Ｓ１に沿って電線部分Ｗ１が配置され、この電線部分Ｗ１が電線保持機構３，４で保持される。
　次に、図１８の（ｂ）に示すように、第一シリンダ５８の出力軸５８Ａが第二支持部２２から突出されてシート部材Ｓの保護層Ｓ２に当接し、シート部材Ｓの第二領域Ｒ２が第二支持部２２から浮かせられる。
　さらに、図１８の（ｃ）に示すように、第二シリンダ５９の出力軸５９Ａが第二支持部２２の上面に沿って突出されてシート部材Ｓの保護層Ｓ２に当接するので、シート部材Ｓの第二領域Ｒ２が第一支持部２１に向かって移動する。これにより、シート部材Ｓが折り曲げられる。
　次に、第一シリンダ５８及び第二シリンダ５９の出力軸５８Ａ，５９Ａが初期位置に退避される。これに続いて、押圧機構７の押圧ローラ７Ａが駆動され、図１８の（ｄ）に示すように、シート部材Ｓに当接させた押圧ローラ７Ａが転動する。これにより、シート部材Ｓの接着層Ｓ１同士が密接させられて接着される。

　以上のような各実施形態によれば、支持機構２でシート部材Ｓが支持された状態から折曲機構５によってシート部材Ｓが折り曲げられ、この折り曲げられたシート部材Ｓ間にワイヤハーネスＷの電線部分Ｗ１が挟み込まれて覆われることで、簡単かつ確実にワイヤハーネスＷにシート部材Ｓを取り付けることができる。さらに、シート部材Ｓの接着層Ｓ１に沿わせた電線部分Ｗ１が電線保持機構３，４で保持されることで、作業者がワイヤハーネスＷを保持しておく必要がないことから、シート部材Ｓの取付作業をさらに効率よく行うことができる。従って、ワイヤハーネスＷの製造過程において、例えば、布線板等に設置した状態のプリハーネスに対して所定の電線部分Ｗ１にシート部材Ｓを効率的かつ確実に取り付けることができ、ワイヤハーネスＷの製造効率を向上させることができる。

　なお、前記実施形態では、ワイヤハーネスＷにおける複数個所の電線部分Ｗ１にシート部材Ｓが取り付けられる場合を例示したが、１つのワイヤハーネスＷに１つのシート部材Ｓが取り付けられる場合にも本発明の外装部材取付装置を利用することができる。また、前記実施形態では、支持機構２に対するシート部材Ｓや電線部分Ｗ１の配置が作業者の手作業で行われる場合を説明したが、これに限らず、シート部材Ｓや電線部分Ｗ１が自動的に配置される自動配置機構が設けられてもよい。さらに、折曲機構５が第二支持部２２を自動的に回動させる自動回動機構が備えられて構成されてもよい。また、各部の駆動を制御するための制御機構が備えられて外装部材取付装置が構成されてもよい。

　ここで、上述した本発明に係る外装部材取付装置及び外装部材取付方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
［１］　ワイヤハーネスＷの電線部分Ｗ１を覆うための外装部材（シート部材）Ｓを前記ワイヤハーネスＷに取り付けるための外装部材取付装置１であって、前記外装部材（シート部材）Ｓは、一方の面に接着層Ｓ１が設けられ他方の面に保護層Ｓ２が設けられたシート状に形成されるとともに、前記接着層Ｓ１が内側にされた状態で前記電線部分Ｗ１を挟み、前記接着層Ｓ１同士の接着により前記電線部分Ｗ１を覆うシート部材Ｓからなり、前記シート部材Ｓを前記保護層Ｓ２の側から支持する支持機構２と、前記支持機構２で支持された前記シート部材Ｓの前記接着層Ｓ１に沿わせて前記電線部分Ｗ１を保持する電線保持機構３，４と、前記支持機構２で支持された前記シート部材Ｓを二つ折りに折り曲げる折曲機構５と、を備え、前記支持機構２は、前記シート部材Ｓにおける平面略半分の領域（第一領域）Ｒ１を支持する第一支持部２１と、前記平面略半分の領（第一領域）Ｒ１域以外の前記シート部材Ｓにおける他の領域（第二領域）Ｒ２を支持する第二支持部２２と、を有して構成され、前記折曲機構５によって前記シート部材Ｓにおける前記他の領域（第二領域）Ｒ２が前記第一支持部２１に向かって回動されることで、前記シート部材Ｓが折り曲げられる外装部材取付装置１。

［２］　上記［１］に記載の外装部材取付装置１であって、前記シート部材Ｓは、前記保護層Ｓ２から突出された突起部材Ｓ３を有し、前記突起部材Ｓ３が係合することによって固定体（自動車の車体）に取り付け可能に構成されており、前記第一支持部２１及び前記第二支持部２２の少なくとも一方には、前記突起部材Ｓ３を受け入れるための一又は複数の凹部２５が形成され、前記凹部２５が、前記シート部材Ｓの平面方向に沿った所定位置に設けられるか、又は、前記シート部材Ｓの平面方向に沿って移動可能に設けられている外装部材取付装置１。

［３］　上記［１］又は［２］に記載の外装部材取付装置１，１Ａであって、前記シート部材Ｓにおける前記接着層Ｓ１は、自己融着型、粘着型、又はホットメルト型のいずれか１つで構成されたものであって、前記接着層Ｓ１が自己融着型で構成される場合には、前記折曲機構５で折り曲げられた前記シート部材Ｓを押圧する押圧機構７が設けられ、前記接着層Ｓ１がホットメルト型で構成される場合には、前記シート部材Ｓを加熱する加熱機構（ヒータ）２３が前記支持機構２に設けられる外装部材取付装置１，１Ａ。

［４］　上記［１］～［３］のいずれかに記載の外装部材取付装置１，１Ｃであって、前記折曲機構５は、前記第二支持部２２が回動自在に支持されるヒンジ部５１と、前記ヒンジ部５１がスライド自在に支持されるスライド部材５３と、を備えて構成されるか、前記第二支持部２２が回動自在に支持されるヒンジ部（第一ヒンジ部）５５と、前記ヒンジ部（第一ヒンジ部）５５から延びた他端側が回動自在に支持されたリンク部材５６と、を備えて構成されるか、又は、前記シート部材Ｓにおける前記他の領域（第二領域）Ｒ２が前記第二支持部２２から浮かされる第一移動機構（第一シリンダ）５８と、前記第一移動機構（第一シリンダ）５８で浮かされた前記シート部材Ｓにおける前記他の領域（第二領域）Ｒ２が前記第一支持部２１に向かって移動される第二移動機構（第二シリンダ）５９と、を備えて構成される外装部材取付装置１，１Ｃ。

［５］　上記［１］～［４］のいずれかに記載の外装部材取付装置１であって、前記支持機構２は、前記シート部材Ｓにおける前記保護層Ｓ２に当接する支持面２４と、前記支持面２４から凹みかつ前記電線保持機構３，４で保持された前記電線部分Ｗ１に沿って延びる溝部２６と、を備えて構成される外装部材取付装置１。

［６］　上記［１］～［５］のいずれかに記載の外装部材取付装置１であって、前記電線部分Ｗ１は、複数の電線で構成され、前記複数の電線が回転されて撚られる電線撚り機構６をさらに備える外装部材取付装置１。

［７］　ワイヤハーネスＷの電線部分Ｗ１を覆うための外装部材（シート部材）Ｓを前記ワイヤハーネスＷに取り付けるための外装部材取付方法であって、前記外装部材（シート部材）Ｓは、一方の面に接着層Ｓ１が設けられ他方の面に保護層Ｓ２が設けられたシート状に形成されるとともに、前記接着層Ｓ１が内側にされた状態で前記電線部分Ｗ１を挟み、前記接着層Ｓ１同士の接着により前記電線部分Ｗ１を覆うシート部材Ｓからなり、前記シート部材Ｓが前記保護層Ｓ２の側から支持され、支持された前記シート部材Ｓの前記接着層Ｓ１に沿わせて前記電線部分Ｗ１が保持されてから、前記シート部材Ｓにおける平面略半分の領域（第一領域）Ｒ１に向かって前記へ面略半分の領域（第一領域）Ｒ１以外の他の領域（第二領域）Ｒ２が回動されることで前記シート部材Ｓが折り曲げられ、前記電線部分Ｗ１が前記シート部材Ｓで覆われる外装部材取付方法。

［８］　上記［７］に記載の外装部材取付方法であって、前記シート部材Ｓは、前記保護層Ｓ２から突出された突起部材Ｓ３を有し、前記突起部材Ｓ３が係合することによって固定体（自動車の車体）に取り付け可能に構成され、前記突起部材Ｓ３が凹部２５に挿入された状態で前記シート部材Ｓが折り曲げられる方法であって、前記シート部材Ｓの平面方向に沿って複数設けられた前記凹部２５から所定の凹部２５を選択して前記突起部材Ｓ３が挿入されるか、又は、前記シート部材Ｓの平面方向に沿って移動可能に設けられた前記凹部２５が所定位置に移動されて前記突起部材Ｓ３が挿入される外装部材取付方法。

［９］　上記［７］又は［８］に記載の外装部材取付方法であって、前記シート部材Ｓの前記接着層Ｓ１は、自己融着型、粘着型、又はホットメルト型のいずれか１つで構成されたものであって、前記接着層Ｓ１が自己融着型で構成される場合には、折り曲げられた前記シート部材Ｓが押圧されて前記接着層Ｓ１同士が接着され、前記接着層Ｓ１がホットメルト型で構成される場合には、前記シート部材Ｓが加熱されて前記接着層Ｓ１同士が接着される外装部材取付方法。

［１０］　上記［７］～［９］のいずれかに記載の外装部材取付方法であって、前記電線部分Ｗ１は、複数の電線で構成され、前記複数の電線が回転されて撚られてから前記シート部材Ｓが折り曲げられる外装部材取付方法。

　なお、本発明の外装部材取付装置及び外装部材取付方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
　また、本出願は、２０１２年７月２５日出願の日本特許出願（特願２０１２－１６４４６１）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明の外装部材取付装置及び外装部材取付方法によれば、装置の大型化や複雑化を招くことなく外装部材の取付作業の効率が向上する。

　１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ　外装部材取付装置
　２　　支持機構
　３，４　電線保持機構
　５　　折曲機構
　６　　電線撚り機構
　７　　押圧機構
　２１　第一支持部
　２２　第二支持部
　２３　ヒータ（加熱機構）
　２４　支持面
　２５　凹部
　２６　溝部
　２７，２８　押圧部材
　５１　ヒンジ部
　５３　スライド部材
　５５　第一ヒンジ部（ヒンジ部）
　５６　リンク部材
　５８　第一シリンダ（第一移動機構）
　５９　第二シリンダ（第二移動機構）
　Ｒ１　第一領域（平面略半分の領域）
　Ｒ２　第二領域（他の領域）
　Ｒ３　折曲線
　Ｓ　　シート部材（外装部材）
　Ｓ１　接着層
　Ｓ２　保護層
　Ｓ３　突起部材
　Ｗ　　ワイヤハーネス
　Ｗ１　電線部分

Claims

　ワイヤハーネスの電線部分を覆うための外装部材を前記ワイヤハーネスに取り付けるための外装部材取付装置であって、
　前記外装部材は、一方の面に接着層が設けられ他方の面に保護層が設けられたシート状に形成されるとともに、前記接着層が内側にされた状態で前記電線部分を挟み、前記接着層同士の接着により前記電線部分を覆うシート部材からなり、
　前記シート部材を前記保護層の側から支持する支持機構と、
　前記支持機構で支持された前記シート部材の前記接着層に沿わせて前記電線部分を保持する電線保持機構と、
　前記支持機構で支持された前記シート部材を二つ折りに折り曲げる折曲機構と、を備え、
　前記支持機構は、前記シート部材における平面略半分の領域を支持する第一支持部と、前記平面略半分の領域以外の前記シート部材における他の領域を支持する第二支持部と、を有して構成され、
　前記折曲機構によって前記シート部材における前記他の領域が前記第一支持部に向かって回動されることで、前記シート部材が折り曲げられる外装部材取付装置。
　前記シート部材は、前記保護層から突出された突起部材を有し、前記突起部材が係合することによって固定体に取り付け可能に構成されており、
　前記第一支持部及び前記第二支持部の少なくとも一方には、前記突起部材を受け入れるための一又は複数の凹部が形成され、前記凹部が、前記シート部材の平面方向に沿った所定位置に設けられるか、又は、前記シート部材の平面方向に沿って移動可能に設けられている請求項１に記載の外装部材取付装置。
　前記シート部材における前記接着層は、自己融着型、粘着型、又はホットメルト型のいずれか１つで構成されたものであって、
　前記接着層が自己融着型で構成される場合には、前記折曲機構で折り曲げられた前記シート部材を押圧する押圧機構が設けられ、前記接着層がホットメルト型で構成される場合には、前記シート部材を加熱する加熱機構が前記支持機構に設けられる請求項１又は２に記載の外装部材取付装置。
　前記折曲機構は、
　前記第二支持部が回動自在に支持されるヒンジ部と、前記ヒンジ部がスライド自在に支持されるスライド部材と、を備えて構成されるか、
　前記第二支持部が回動自在に支持されるヒンジ部と、前記ヒンジ部から延びた他端側が回動自在に支持されたリンク部材と、を備えて構成されるか、
　又は、
　前記シート部材における前記他の領域が前記第二支持部から浮かされる第一移動機構と、該第一移動機構で浮かされた前記シート部材における前記他の領域が前記第一支持部に向かって移動される第二移動機構と、を備えて構成される請求項１に記載の外装部材取付装置。
　前記支持機構は、前記シート部材における前記保護層に当接する支持面と、前記支持面から凹みかつ前記電線保持機構で保持された前記電線部分に沿って延びる溝部と、を備えて構成される請求項１に記載の外装部材取付装置。
　前記電線部分は、複数の電線で構成され、前記複数の電線が回転されて撚られる電線撚り機構をさらに備える請求項１に記載の外装部材取付装置。
　ワイヤハーネスの電線部分を覆うための外装部材を前記ワイヤハーネスに取り付けるための外装部材取付方法であって、
　前記外装部材は、一方の面に接着層が設けられ他方の面に保護層が設けられたシート状に形成されるとともに、前記接着層が内側にされた状態で前記電線部分を挟み、前記接着層同士の接着により前記電線部分を覆うシート部材からなり、
　前記シート部材が前記保護層の側から支持され、支持された前記シート部材の前記接着層に沿わせて前記電線部分が保持されてから、前記シート部材における平面略半分の領域に向かって前記平面略半分の領域以外の他の領域が回動されることで前記シート部材が折り曲げられ、前記電線部分が前記シート部材で覆われる外装部材取付方法。
　前記シート部材は、前記保護層から突出された突起部材を有し、前記突起部材が係合することによって固定体に取り付け可能に構成され、前記突起部材が凹部に挿入された状態で前記シート部材が折り曲げられる方法であって、
　前記シート部材の平面方向に沿って複数設けられた前記凹部から所定の凹部を選択して前記突起部材が挿入されるか、又は、前記シート部材の平面方向に沿って移動可能に設けられた前記凹部が所定位置に移動されて前記突起部材が挿入される請求項７に記載の外装部材取付方法。
　前記シート部材の前記接着層は、自己融着型、粘着型、又はホットメルト型のいずれか１つで構成されたものであって、
　前記接着層が自己融着型で構成される場合には、折り曲げられた前記シート部材が押圧されて前記接着層同士が接着され、前記接着層がホットメルト型で構成される場合には、前記シート部材が加熱されて前記接着層同士が接着される請求項７又は８に記載の外装部材取付方法。
　前記電線部分は、複数の電線で構成され、前記複数の電線が回転されて撚られてから前記シート部材が折り曲げられる請求項７に記載の外装部材取付方法。