WO2011070881A1

WO2011070881A1 - 物品保管設備及びその運転方法

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Publication number: WO2011070881A1
Application number: PCT/JP2010/069850
Authority: WO
Inventors: 安部健史
Original assignee: 株式会社ダイフク
Priority date: 2009-12-07
Filing date: 2010-11-08
Publication date: 2011-06-16
Also published as: JP2011116538A; JP5321913B2; KR20120120144A; US8928481B2; TW201139241A; TWI454413B; CN102656101A; SG181119A1; EP2511200A1; CN102656101B; EP2511200A4; KR101702411B1; US20120306626A1; EP2511200B1

Abstract

　物品保管設備が、物品収納容器Ｕの外周部でかつ収納部に物品収納容器Ｕが載置された状態において容器載置用の板状体１１の上方に重複する箇所に、その物品収納容器Ｕの識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグＴが装備され、制御手段Ｈが、収納部に収納されている物品収納容器Ｕに装備されたＲＦＩＤタグＴの識別情報をＲＦＩＤリーダＤにて読み取る物品確認処理が指令されると、物品載置体８を取出用高さにて突出状態に突出させ、次に、取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さＢ３に物品載置体８を上昇させ、その後、物品載置体８を取出用高さに下降させて引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている。

Description

物品保管設備及びその運転方法

　本発明は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とを備える物品保管設備、及び、その運転方法に関する。

　かかる物品保管設備の一例として、上記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す取出処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する収納処理を行うように構成され、前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用の開口を備える金属製の容器載置用の板状体にて構成され、前記制御手段が、前記取出処理を行うときには、前記板状体よりも設定量低い取出用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成されている設備がある。

　かかる物品保管設備は、搬送手段が備える移載手段を、保管部の前面側の物品搬送用空間内を収納部の並び方向に沿って移動させることにより移載対象の収納部に移動させ、そして、移載手段を構成する物品載置体にて、その収納部に収納した物品収納容器を取り出す取出処理や、物品収納容器を収納部に収納する収納処理を行わせるようにしたものである。物品収納容器としては、種々の物品を収納するコンテナ及びバケットや、基板を収納するＦＯＵＰが存在する。

　取出処理にて取り出された物品収納容器は、一般には、保管部に対する物品搬出入部に搬送されるが、別の収納部に搬送される場合もある。収納処理にて収納部に収納される物品収納容器は、一般には、保管部に対する物品搬出入部から搬送されるが、別の収納部から取り出される場合もある。

　物品載置体にて取出処理を行うときには、制御手段が、収納部を構成する容器載置用の板状体よりも設定量低い取出用高さにて物品載置体を収納部内に突出する突出状態に突出させる。次に、制御手段は、取出用高さよりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さに物品載置体を上昇させる。その後、制御手段は、物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する。取出用高さは、突出状態に突出される物品載置体が収納部を構成する板状体に接触しない高さとなるように定められる。取出用目標高さは、引退状態に引退する物品載置体が収納部を構成する板状体に接触しない高さとなるように定められる。

　このような物品保管設備においては、収納部に収納されている物品収納容器を確認する物品確認処理（言い換えると、棚卸し処理）を行う必要がある。そのため、物品収納容器の識別情報を示すタグを物品収納容器に装備させて、そのタグの識別情報を読み取ることにより物品確認処理を行うようにすることがある。
　このような物品確認処理を行う従来例が、特開平５－１０５２０４号公報に記載されている。特開平５－１０５２０４号公報には、搬送手段としてのスタッカークレーンを備える物品保管設備が記載されている。この物品保管設備では、識別情報を示すタグとしてのバーコードラベルが物品収納容器に装備され、タグの識別情報を読み取るリーダとしてのバーコードリーダが、物品載置体としてのフォークを備えた昇降台に設けられている。そして、搬送手段の作動を制御する制御手段が、物品確認処理が指令されると、確認対象の収納部に収納された物品収納容器を取出処理により昇降台に取り出し、物品収納容器に装備したバーコードラベルをバーコードリーダにて読み取り、その後、収納処理により物品収納容器を収納部に収納する。

　また、別の従来例が、国際公開第２００６／０５９６７５号に記載されている。国際公開第２００６／０５９６７５号には、搬送手段としてのスタッカークレーンを備える物品保管設備が記載されている。この物品保管設備では、識別情報を示すタグとしてのＲＦＩＤタグが物品収納容器に装備され、タグの識別情報を読み取るリーダとしてのＲＦＩＤリーダが昇降台に設けられている。そして、搬送手段の作動を制御する制御手段が、物品確認処理が指令されると、収納部に収納された収納容器を昇降台に取り出して、物品収納容器に装備されたＲＦＩＤタグをＲＦＩＤリーダにて読み取り、その後、収納処理により物品収納容器を収納部に収納する。

　尚、識別情報を示すタグとしてのバーコードラベルは、汚損し易い虞がある。また、バーコードラベルをバーコードリーダにて読み取るには、バーコードラベルとバーコードリーダとを読み取りに適した位置に正確に位置決めする必要がある。結果として、バーコードラベルとバーコードリーダとを用いる場合は、読み取り不良のために、物品確認処理が良好に行われ難いものとなる虞がある。
　これに対して、ＲＦＩＤリーダとＲＦＩＤタグとを用いる場合は、識別情報を示すタグとしてのＲＦＩＤタグが、汚損により読み取り不良を起こすことがない。また、ＲＦＩＤリーダとＲＦＩＤタグとの位置関係が多少変動しても、ＲＦＩＤリーダによりＲＦＩＤタグを読み取ることができるため、物品確認処理が良好に行われ易いものとなる。
特開平５－１０５２０４号公報国際公開第２００６／０５９６７５号

　従来の物品保管設備で収納部に収納されている物品収納容器を確認する場合、収納部に収納されている物品収納容器を昇降台に取出した上で物品確認を行い、その後、取り出した物品収納容器を収納部に収納するという手順が必要であった。つまり、物品収納容器を一旦昇降台に取り出さねばならないことに起因して、物品確認処理の処理時間が長くなる不都合があった、ちなみに、物品確認処理は、通常、複数の収納部の夫々に移載手段を移動させるようにしながら、全ての収納部に収納されている物品収納容器を確認することになる。従って、全ての収納部について物品確認処理を行う時間は、多大な時間を要するものとなる。

　本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品確認処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備及びその運転方法を提供する点にある。

　上記目的を達成するための本発明に係る物品保管設備の特徴構成は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用の空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とを備え、
　前記移載手段は、前記空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在であり、前記物品収納容器を載置可能な物品載置体を有し、前記物品載置体が、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す取出処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する収納処理に用いられ、
　前記収納部は、収納される前記物品収納容器が載置される金属製の板状体を有し、前記板状体は前記突出状態にある前記物品載置体が上下方向に通過自在な開口を有し、
　前記制御手段は、前記取出処理を行うとき、前記収納部の前記板状体よりも設定量だけ低い取出用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する、物品保管設備であって、
　前記物品収納容器は、その外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグを有し、
　前記物品載置体は、前記ＲＦＩＤタグが記憶している前記識別情報を読み取るＲＦＩＤリーダを有し、
　前記制御手段は、前記収納部に収納されている前記物品収納容器が有する前記ＲＦＩＤタグの識別情報を前記ＲＦＩＤリーダにて読み取る物品確認処理が指令されると、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記取出用高さに下降させて前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている点にある。

　すなわち、物品収納容器の外周部でかつ収納部の板状体に物品収納容器が載置された状態において板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグが装備され、物品載置体に、ＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取るＲＦＩＤリーダが装備されている。
　そして、収納部に収納されている物品収納容器に装備したパッシブ形式のＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を、ＲＦＩＤリーダにて読み取るときには、物品載置体を収納部内に突出させかつ昇降させるようにする。

　具体的には、制御手段が、収納部に収納されている物品収納容器に装備されたＲＦＩＤタグの識別情報をＲＦＩＤリーダにて読み取る物品確認処理が指令されると、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させ、次に、取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を取出用高さに下降させて引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行して、その間に、物品載置体に装備したＲＦＩＤリーダが、物品収納容器に装備したＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取る。

　このように物品確認処理を行うときには、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させ、次に、取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を取出用高さに下降させて引退状態に引退させることを行うものである。従って、収納部に収納されている物品収納容器を収納部から取り出して、再び収納する手間を掛けることなく、物品収容容器を収納部に位置させた状態のままで物品確認処理を行えるため、物品確認処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。

　また、物品確認処理のために、物品載置体に装備したＲＦＩＤリーダにて、物品収納容器に装備したＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取るときには、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるものである。従って、収納部を構成する金属製の容器載置用の板状体により、ＲＦＩＤリーダから送信される電波が遮断される影響や、ＲＦＩＤタグからＲＦＩＤリーダに返信される電波が遮断される影響を回避して、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができる。

　説明を加えると、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させたときには、物品載置体に装備したＲＦＩＤリーダと物品収納容器に装備したＲＦＩＤタグとが、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取ることができる領域内に位置することになる。但し、ＲＦＩＤリーダとＲＦＩＤタグとの間に、収納部を構成する容器載置用の板状体が位置することになるため、その板状体にて、ＲＦＩＤリーダから送信される電波やＲＦＩＤタグから返信される電波が弱められる又は遮断される影響により、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができない虞がある。ところが、本特徴構成では、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、ＲＦＩＤリーダから送信される電波やＲＦＩＤタグから返信される電波が、板状体にて弱められる又は遮断される影響を回避できる。その結果、ＲＦＩＤタグが記憶している識別情報が、ＲＦＩＤリーダによって的確に読み取られる。

　パッシブ形式のＲＦＩＤタグには電源が不要であるため小型で安価であるものの、ＲＦＩＤタグが記憶している識別情報をＲＦＩＤリーダにて読み取るためには、ＲＦＩＤタグとＲＦＩＤリーダとを近づけ、且つ、それらの間に電波を遮蔽する物体が存在しないようにする必要がある。ところが、本特徴構成では、上述の如く、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、ＲＦＩＤリーダから送信される電波やＲＦＩＤタグから返信される電波が容器載置用の板状体にて弱められる又は遮断される影響を回避して、ＲＦＩＤリーダを用いてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができる。

　ちなみに、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取るにあたり、ＲＦＩＤリーダから送信される電波やＲＦＩＤタグから返信される電波を、物品収納容器自体が弱める又は遮蔽することもある。つまり、物品収納容器は、一般に合成樹脂にて形成されているため、電波は物品収納容器をある程度は透過するものであるが、物品収納容器が電波を遮蔽する影響により、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取り難いことがある。
　このような場合であっても、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させて、物品収納容器を収納部の容器載置用の板状体から浮上させることで、物品収納容器と収納部の板状体との間に、電波が通過する空間を形成できる。その結果、ＲＦＩＤリーダを用いてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができる。

　尚、物品収納容器を収納部の容器載置用の板状体に載置した状態において、物品収納容器の底部に脚部が形成されている等により、物品収納容器と収納部の板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合や物品収納容器が電波の透過性が高いものである場合であれば、必ずしも、物品収納容器を収納部の板状体から浮上させる必要はない。物品収納容器を収納部の板状体から浮上させなくても、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることによりＲＦＩＤリーダを上昇させるようにすれば、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取ることが可能となるからである。

　従って、本特徴構成によれば、物品確認処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備を提供できる。

　本発明に係る物品保管設備の別の特徴構成は、前記読取用上昇量が、前記取出用上昇量よりも小さく設定されている点にある。

　本特徴構成では、物品確認処理のための読取用作動処理において、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるにあたり、その読取用上昇量が、物品収納容器を収納部から取り出す取出処理を行うときの取出用上昇量よりも小さく設定されている。従って、物品確認処理のための読取用作動処理において、物品載置体を取出用高さから上昇させる量が少なくなるため、物品確認処理に要する時間の一層の短縮化を図ることができる。

　つまり、読取用上昇量が、物品収納容器を収納部から取り出す取出処理を行うときの取出用上昇量よりも小さく設定されてはいるものの、物品載置体を取出用高さから上昇させることにより、ＲＦＩＤリーダから送信される電波やＲＦＩＤタグから返信される電波が容器載置用の板状体にて弱められる又は遮断される影響を少なくして、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができる。

　ちなみに、ＲＦＩＤリーダから送信される電波やＲＦＩＤタグから返信される電波が、物品収納容器にて弱められる又は遮蔽されることにより、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取り難い場合、読取用上昇量を、物品収納容器を収納部から取り出す取出処理を行うときの取出用上昇量よりも小さいものの、物品収納容器を収納部の容器載置用の板状体から浮上させることができる上昇量に設定すれよい。それにより、物品収納容器と収納部の板状体との間に、電波が通過する空間を形成して、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるようになる。

　また、物品収納容器を収納部の容器載置用の板状体に載置した状態において、物品収納容器の底部に脚部が形成されている等により、物品収納容器と収納部の板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合であれば、読取用上昇量を、物品収納容器を収納部の容器載置用の板状体から浮上させないものの、ＲＦＩＤリーダを、送信する電波が物品収納容器と収納部の板状体との間の空間を通して通過し易い高さに位置させることができる上昇量に設定すれば、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができる。

　従って、本特徴構成によれば、物品確認処理に要する時間の一層の短縮化を図ることが可能となる物品保管設備を提供できる。

　本発明に係る物品保管設備の更に別の特徴構成は、前記板状体が有する前記開口が、前記突出状態の前記物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成され、前記板状体に、前記開口に連なり、且つ、前記物品収納容器が前記収納部に載置された状態において前記ＲＦＩＤタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている点にある。

　すなわち、収納部の容器載置用の板状体に形成される、載置体通過用の開口は、突出状態の物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成されている。その結果、開口として、突出状態の物品載置体の先端の外周縁よりも十分に大きな開口となるように形成する場合に比べて、物品収納容器の支持を適切に行うべく、板状体の強度を上昇させることができる。

　そして、容器載置用の板状体には、その開口に連なり、且つ、物品収納容器が収納部に載置された状態においてＲＦＩＤタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている。その結果、その切欠きが、ＲＦＩＤリーダから送信される電波を通過させることや、ＲＦＩＤタグから返信される電波を通過させることに役立つ。従って、板状体に形成される開口を、突出状態の物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成するものでありながらも、物品載置体を取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるにあたり、その読取用上昇量を極力小さくして、物品確認処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。

　ちなみに、板状体に形成する切欠を、幅広で且つＲＦＩＤタグが存在する側に大きく入り込む大きな切欠きとして、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させるだけで、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグの識別情報を読み取るようにすることも考えられる。しかし、その場合、板状体の強度が、大きな切欠きの形成のために低下するため、実用し難い。

　従って、本特徴構成によれば、容器載置用の板状体の強度を上昇させながら、物品確認処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる物品保管設備を提供できる。

　本発明に係る物品保管設備の更に別の特徴構成は、前記制御手段が、前記読取用作動処理において、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記突出状態に突出させたのち、前記取出用高さから前記読取用目標高さに上昇させるときには、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記取出用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記物品載置体を前記取出用高さに下降させて前記引退状態に引退させるように構成されている点にある。

　すなわち、物品確認処理のために読取作動処理を行う場合、物品載置体を取出用高さにて突出状態に突出させたのち、取出用高さから読取用目標高さに上昇させるときには、ＲＦＩＤリーダによるＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始させる。
　そして、取出用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、ＲＦＩＤリーダによるＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りが完了すると、読取用目標高さに上昇していなくても、物品載置体の上昇を停止させて、物品載置体を取出用高さに下降させて引退状態に引退させる。

　物品載置体を上昇させる読取用目標高さは、物品収納容器が収納部に収納されたときの状態が多少変化する等の条件が変化しても、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグの識別情報を確実に読み取ることができる高さとなるように、実験等により求めて設定される。しかし、ＲＦＩＤリーダによるＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りは、物品載置体を読取用目標高さに上昇させなければ行えないというものではなく、例えば、物品収容容器が読み取りに適した状態で収納部に収納される等の理由により、物品載置体を読取用目標高さに上昇させる途中においても行える場合がある。

　そこで、取出用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、ＲＦＩＤリーダによるＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りが完了すると、読取用目標高さに上昇していなくても、物品載置体の上昇を停止させる。そして、物品載置体を取出用高さに下降させ、引退状態に引退させる。その結果、物品載置体を読取用目標高さに必ず上昇させるようにするのに比べて、物品確認処理に要する時間を一層短縮させることができる。

　従って、本特徴構成によれば、物品確認処理に要する時間を一層短縮させることができる物品保管設備を提供できる。

　本発明に係る物品保管設備の更に別の特徴構成は、前記物品収納容器が、基板を収納するＦＯＵＰであり、前記ＲＦＩＤタグが、前記ＦＯＵＰにおける前記物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備され、
　前記板状体に、前記ＦＯＵＰの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されている点にある。

　すなわち、物品収納容器が、基板を収納するＦＯＵＰである場合には、ＳＥＭＩスタンダードに準拠して、ＲＦＩＤタグが、ＦＯＵＰにおける物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備される。
　そして、ＦＯＵＰを収納部の容器載置用の板状体に載置する形態としては、板状体に、ＦＯＵＰの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されて、ＦＯＵＰを板状体に立設された位置決めピンにて水平方向での位置決めをした状態で、板状体にＦＯＵＰを載置することになる。

　このように、物品収納容器がＦＯＵＰである場合には、ＲＦＩＤタグが、ＦＯＵＰにおける物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備される。そのため物品載置体を取出用高さで収納部内に突出させるだけでは、板状体が電波の通過を弱める又は遮断することにより、物品載置体の下面側箇所に装備されるＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取ることが困難となる。ところが、上記読取用作動処理を実行することによって、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグが記憶している識別情報を読み取ることができる。

　ちなみに、容器載置用の板状体に立設された位置決めピンにて水平方向での位置を位置決めする形態で板状体にＦＯＵＰを載置した状態においては、ＦＯＵＰの底面部に形成した位置決め用凹部に位置決めピンを係合させる必要上、ＦＯＵＰは板状体の上面からは少し浮いた状態となるものである。

　従って、読取作動処理において物品載置体を取出用高さから読取用目標高さに上昇させるにあたり、ＦＯＵＰを物品載置体から浮上した状態となるまで、物品載置体を上昇させる必要がない場合がある。また、ＦＯＵＰを物品載置体から浮上した状態となるまで物品載置体を上昇させる必要がある場合にも、ＦＯＵＰを物品載置体から浮上させる量が小さな量となる状態で、物品載置体を上昇させれば良いことになる。
　特に、上記切欠きが板状体に形成される場合には、物品載置体を取出用高さから読取用目標高さに上昇させる読取用上昇量を小さくできる。

　従って、本特徴構成によれば、基板を収納するＦＯＵＰについての物品確認処理を良好に行える物品保管設備を提供できる。

　上記目的を達成するための本発明に係る物品保管設備の運転方法の特徴構成は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用の空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とを備え、
　前記移載手段は、前記空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在であり、前記物品収納容器を載置可能な物品載置体を有し、前記物品載置体が、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す取出処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する収納処理に用いられ、
　前記収納部は、収納される前記物品収納容器が載置される金属製の板状体を有し、前記板状体は前記突出状態にある前記物品載置体が上下方向に通過自在な開口を有し、
　前記制御手段は、前記取出処理を行うとき、前記収納部の前記板状体よりも設定量だけ低い取出用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する、物品保管設備の運転方法であって、
　前記物品収納容器は、その外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグを有し、
　前記物品載置体は、前記ＲＦＩＤタグが記憶している前記識別情報を読み取るＲＦＩＤリーダを有し、
　前記収納部に収納されている前記物品収納容器が有する前記ＲＦＩＤタグの識別情報を前記ＲＦＩＤリーダにて読み取る物品確認処理が指令されると、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記突出状態に突出させる工程と、
　前記突出工程に引き続いて、前記取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させると共に、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始する工程と、
　前記上昇工程に引き続いて、前記物品載置体を前記取出用高さに下降させる工程と、
　前記下降工程に引き続いて、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記引退状態に引退させる工程とを含む点にある。

　本特徴構成によれば、上述したのと同様に、物品確認処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備の運転方法を提供できる。

　本発明に係る物品保管設備の運転方法の別の特徴構成は、前記上昇工程において、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記取出用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記下降工程に移行する点にある。

　本特徴構成によれば、上述したのと同様に、物品確認処理に要する時間を一層短縮させることができる物品保管設備の運転方法を提供できる。

物品保管設備の一部切欠き正面図である。同設備の一部切欠き平面図である。移載手段の平面図である。移載手段の背面図である。収納部及び物品載置体の斜視図である。突出状態の物品載置体の平面図である。取出用高さでの物品載置体の突出状態の側面図である。取出用目標高さでの物品載置体の突出状態の側面図である。読取用目標高さでの物品載置体の突出状態の側面図である。制御構成を示すブロック図である。制御作動を示すフローチャートである。制御作動を示すフローチャートである。制御作動を示すフローチャートである。

　以下に本発明の物品保管設備及びその運転方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
　図１及び図２に示すように、物品保管設備は、前後一対の保管部Ａを備える保管棚１と、一対の保管部Ａの前面側、つまり一対の保管部Ａの間の物品搬送用の空間Ｆに設置される搬送手段としてのスタッカークレーンＫと、そのスタッカークレーンＫの作動を制御する制御手段としての制御部Ｈ（図１０参照）とを備える。保管棚１は、外周部が壁体にて覆われる。

　一対の保管部Ａの夫々は、物品収納容器としての、基板を収納するＦＯＵＰ（Front Opening Unified Pod）（以下、容器と略称する）Ｕを載置支持する収納部Ｓを縦横に並設して複数個有する。一対の保管部Ａの一方側の一部には、容器Ｕを外部から搬入しかつ外部に搬出する搬出入部１Ａが設けられている。制御部Ｈは、スタッカークレーンＫを用いて、一対の保管部Ａの各収納部Ｓと搬出入部１Ａとの間で容器Ａを搬送すること、つまり、物品搬出入部１Ａに搬入された容器Ｕを収納部Ｓに収納する入庫処理、及び、収納部Ｓに収納された容器Ｕを物品搬出入部１Ａに取り出す出庫処理を行うように、スタッカークレーンＫの作動を制御するように構成されている。

　また、制御部Ｈが、入庫処理及び出庫処理に加えて、後述の如く、複数の収納部Ｓに収納されている容器Ｕの識別情報を読み取る物品確認処理を行うように、スタッカークレーンＫの作動を制御するように構成されている。
　尚、制御部Ｈは、収納部Ｓに収納されている容器Ｕを他の収納部Ｓに搬送すること、つまり、容器Ｕの収納位置を変更する収納位置変更処理を行うように、スタッカークレーンＫの作動を制御することもあるが、本実施形態において、収納位置変更処理についての説明は省略する。

　容器Ｕ、つまり、ＦＯＵＰは、ＳＥＭＩ（Semiconductor Equipment and Materials Institute）規格に準拠した合成樹脂製の密封容器であり、基板としての半導体ウエハーを収納するために用いられる。そして、詳細な説明は省略するが、容器Ｕの前面には、着脱自在な蓋にて開閉される基板出入用の開口が形成され、容器Ｕの上面には、ホイスト式の搬送手段により把持されるトップフランジが形成され、そして、容器Ｕの底面には、図３及び図６に示すように、位置決めピンＰ、Ｑ（図５参照）が係合する３つの係合溝Ｎが形成されている。

　容器Ｕの底面に形成される３つの係合溝Ｎのうちのひとつは、容器Ｕの背部側でかつ横幅方向の中央部に、その長手方向が前後方向を向く状態で形成される。残りの二つは、容器Ｕの前方側でかつ左右両横側部に、その長手方向が容器Ｕの中央側箇所を向く状態で形成される。そして、３つの係合溝Ｎの夫々は、縦断面形状が奥側（上側）ほど幅狭となる状態に形成される。

　スタッカークレーンＫは、床面側の走行レール２に沿って往復走行自在な走行台車３、その走行台車３から立設されかつ上部が天井側の案内レール４にて案内されるポスト５、そのポスト５に沿って案内されながら昇降駆動される昇降台６、及び、その昇降台６に装備された移載手段Ｒを備える。

　移載手段Ｒは、走行台車３の走行、及び、昇降台６の昇降により、物品搬送用の空間Ｆ内を収納部Ｓの並び方向に沿って、つまり、保管部Ａの横幅方向並びに上下方向に沿って移動し且つ容器Ｕを収納部Ｓに対して移載すべく作動するように構成されている。
　また、移載手段Ｒは、物品搬送用の空間Ｆ内に引退する引退状態と収納部Ｓ内に突出する突出状態とに出退駆動自在で昇降駆動自在なアルミニウム製の物品載置体８にて、収納部Ｓに載置されている容器Ｕを取り出す取出処理を行うために用いられ、及び、物品載置体８にて載置した容器Ｕを収納部Ｓに収納する収納処理を行うために用いられるように構成されている。収納部Ｓに載置されている容器Ｕを取り出す取出処理の具体的な方法は様々であるが、本実施形態では、この取出処理は、物品載置体８にて容器Ｕを下方から掬う掬い処理である。同様に、物品載置体８にて載置した容器Ｕを収納部Ｓに収納する収納処理の具体的な方法は様々であるが、本実施形態では、この収納処理は、物品載置体８にて下方から載置支持している容器Ｕを収納部Ｓの板状体に降ろす降ろし処理である。
　移載手段Ｒは、物品搬出入部１Ａに対しても、上記取出処理及び上記収納処理を行うために用いられる。

　そして、移載手段Ｒは、取出処理や収納処理を行うときには、走行台車３の走行により、移載対象の収納部Ｓや物品搬出入部１Ａに対して、その横幅方向における設定移載用位置に位置するように移動され、取出処理においては、図７に示すように、物品載置体８を移載対象の収納部Ｓや物品搬出入部１Ａに対して、取出用高さＢ１に位置させ、かつ、収納処理においては、図８に示すように、物品載置体８を移載対象の収納部Ｓや物品搬出入部１Ａに対して、収納用高さＣ１に位置させるように、昇降台６の昇降により移動されることになる。

　つまり、物品搬出入部１Ａに搬入された容器Ｕを収納部Ｓに収納する入庫処理においては、先ず、移載手段Ｒが物品搬出入部１Ａに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体８が取出用高さＢ１に位置されて、その状態において、取出処理が行われる。次に、移載手段Ｒが容器Ｕを収納する収納部Ｓに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体８が収納用高さＣ１に位置されて、その状態において、収納処理が行われる。
　同様に、収納部Ｓに収納された容器Ｕを物品搬出入部１Ａに取り出す出庫処理においては、先ず、移載手段Ｒが出庫対象の容器Ｕを収納する収納部Ｓに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体８が取出用高さＢ１に位置されて、その状態において、取出処理が行われる。次に、移載手段Ｒが物品搬出入部１Ａに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体８が収納用高さＣ１に位置されて、その状態において、収納処理が行われる。

　本実施形態において、物品搬出入部１Ａは、例えば、左右に並ぶ３つの容器載置部を備える。制御部Ｈは、入庫処理や出庫処理を実行する際には、３つの容器載置部を選択して、スタッカークレーンＫ及び移載手段Ｒの作動を制御することになる。

　移載手段Ｒについて説明を加えると、図３及び図４に示すように、昇降台６に対して縦軸心周りで旋回される旋回台９にスカラーアーム１０が取り付けられる。スカラーアーム１０の先端に、物品載置体８が取り付けられている。
　スカラーアーム１０は、縦軸心周りで揺動自在に旋回台９に取り付けた第１アーム１０Ａと、その第１アーム１０Ａの先端に縦軸心周りで揺動自在に取り付けた第２アーム１０Ｂとを有する。物品載置体８が、第２アーム１０Ｂの先端部に、縦軸心周り揺動自在に設けられている。

　そして、スカラーアーム１０の屈伸作動により、物品載置体８が突出状態と引退状態とに出退操作される。
　具体的には、第１アーム１０Ａ、第２アーム１０Ｂ及び物品載置体８を連動させる連動手段が、第１アーム１０Ａ及び第２アーム１０Ｂの内部に装備されている。スカラーアーム１０の第１アーム１０Ａが旋回台９に対して揺動されると、その揺動に連動して、第２アーム１０Ｂが第１アーム１０Ａに対して揺動し、かつ、物品載置体８が第２アーム１０Ｂに対して揺動する。従って、第１アーム１０Ａが旋回台９に対して正逆に揺動されることにより、物品載置体８が突出状態と引退状態とに操作される。

　また、旋回台９の旋回作動により、物品載置体８が一対の保管部Ａのうちの一方側に向けて突出する形態と他方側に向けて突出する形態とが切換えられる。

　図５及び図６に示すように、保管部Ａの収納部Ｓ及び物品搬出入部１Ａの３つの容器載置部が、突出状態の物品載置体８が上下に通過可能な載置体通過用の開口Ｗを備える金属製の容器載置用の板状体１１にて構成されている。
　つまり、移載手段Ｒを構成する物品載置体８の先端部が、台形状に形成され、容器載置用の板状体１１に形成される載置体通過用の開口Ｗが、突出状態の物品載置体８の先端の外周縁に沿った台形状に形成されている。
　また、本実施形態において、板状体１１が、金属として、ステンレスを用いて構成されている。尚、ステンレスは、物品載置体８を構成するアルミニウムとは異なり、強磁性体である。

　物品載置体８及び容器載置用の板状体１１には、図５に明示する如く、容器Ｕの底面に形成した３つの係合溝Ｎに係合する、上述した位置決めピンＰ、Ｑが立設されている。物品載置体８は、位置決めピンＰにて位置決めした状態で、容器Ｕを載置支持するように構成される。また、容器載置用の板状体１１は、位置決めピンＱにて位置決めした状態で容器Ｕを載置支持するように構成される。
　物品載置体８に立設した位置決めピンＰが、容器載置用の板状体１１に立設した位置決めピンＱよりも、係合溝Ｎにおける容器中央側に係合することになるため、両位置決めピンＰ、Ｑが、容器Ｕの係合溝Ｎに同時に係合できる。

　また、物品載置体８が、位置決めピンＰにて位置決めして容器Ｕを載置支持した状態、つまり、位置決めピンＰが容器Ｕの係合溝Ｎに係合した状態においては、容器Ｕは物品載置体８に対して浮上して、容器Ｕの底部と物品載置体８の上面との間には隙間（例えば、１～２ｍｍ程度）が存在する。同様に、板状体１１が、位置決めピンＱにて位置決めして容器Ｕを載置支持した状態、つまり、位置決めピンＱが容器Ｕの係合溝Ｎに係合した状態においては、容器Ｕは物品載置体８及び板状体１１に対して浮上して、容器Ｕの底部と板状体１１の上面との間には隙間（例えば、１～２ｍｍ程度）が存在する。

　収納部Ｓは容器載置用の板状体１１にて容器Ｕを載置するため、移載手段Ｒによる取出処理における上述した取出用高さＢ１が、板状体１１の上面よりも設定量Ｊ１（例えば、１９ｍｍ程度）だけ低い高さに設定される。
　そして、制御部Ｈが、取出処理として、図７に示すように、板状体１１よりも設定量低い取出用高さＢ１にて物品載置体８を突出状態に突出させ、次に、図８に示すように、取出用高さＢ１よりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さＢ２に物品載置体８を上昇させ、その後、物品載置体８を引退状態に引退させるべく、スタッカークレーンＫの作動を制御するように構成されている。
　上述の取出用目標高さＢ２は、板状体１１の上面よりも設定量Ｊ２（例えば、２６ｍｍ程度）だけ高い高さに設定されている。従って、取出用上昇量は、４５ｍｍ程度となる。

　また、収納部Ｓは容器載置用の板状体１１にて容器Ｕを載置するため、移載手段Ｒによる収納処理における上述した収納用高さＣ１が、板状体１１の上面よりも設定量（例えば、２６ｍｍ程度）だけ高い高さに設定される。
　そして、制御部Ｈが、収納処理として、板状体１１よりも設定量高い収納用高さＣ１にて物品載置体８を突出状態に突出させ（図８参照）、次に、収納用高さＣ１よりも収納用下降量だけ低い収納用目標高さＣ２に物品載置体８を下降させ（図７参照）、その後、物品載置体８を引退状態に引退させるべくスタッカークレーンＫの作動を制御するように構成されている。
　上述の収納用目標高さＣ２は、板状体１１の上面よりも設定量（例えば、１９ｍｍ程度）だけ低い高さに設定されている。従って、収納用下降量は、４５ｍｍ程度となる。

　上述の説明から明らかなように、本実施形態において、収納処理における収納用高さＣ１と、取出処理における取出用目標高さＢ２とが同じ高さであり、収納処理における収納用目標高さＣ２と、取出処理における取出用高さＢ１とが同じ高さである。

　また、容器Ｕの外周部で収納部Ｓに容器Ｕが載置された状態において容器載置用の板状体１１の上方に重複する箇所に、その容器Ｕの識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグ（以下、単にタグと呼称する）Ｔが装備される。移載手段Ｒにおける物品載置体８に、タグＴが記憶している識別情報を読み取るＲＦＩＤリーダ（以下、単にリーダと呼称する）Ｄが装備される。

　タグＴは、本実施形態では容器ＵがＦＯＵＰであるため、容器Ｕが収納部Ｃの板状体１１に載置された状態においてその容器Ｕの背部に相当する箇所で且つ下方側に取り付けられている。

　図１０に示すように、リーダＤは、リーダ駆動用のアンプユニット２６に接続され、そして、アンプユニット２６がコントローラ２７に接続され、コントローラ２７が、制御部Ｈに接続されている。
　そして、コントローラ２７は、制御部Ｈから読取開始指令が指令されると、アンプユニット２６を作動させてリーダＤからの送信及びリーダＤによる受信を繰り返し行い、そして、タグＴが記憶している識別情報を読み取ると、アンプユニット２６の作動を停止するように構成されている。

　図５及び図６に示すように、リーダＤが、物品載置体８の先端部における上面側部分に形成した凹部Ｖ１の内部に凹入した状態で、物品載置体８にボルト固定される。また、アンプユニット２６が、物品載置体８の基端側に設けた機器収納用ボックス８Ａ内に装備される。アンプユニット２６とリーダＤとを接続する接続線２８が、物品載置体８の上面側部分に形成した凹溝Ｖ２の内部に配設される。

　リーダＤによるタグＴの読取りは、コントローラ２７がリーダＤから制御信号を含む電波を送信することにより行われることになる。
　つまり、タグＴは、リーダＤからの電波を受信すると、受信した電波にて起電力を生成し、生成した起電力にて制御信号の内容を読み取り、受信した電波を搬送波として用いながら識別情報を変調して電波に乗せるようにする。
　リーダＤがタグＴから返信された電波を受信すると、その受信された電波がアンプユニット２６にて増幅処理され、コントローラ２７が、アンプユニット２６からの信号をデコード処理してタグＴの識別情報を解析し、その識別情報を制御部Ｈに伝達することになる。
　そして、コントローラ２７は、制御部Ｈから読取開始指令が指令されると、タグＴの識別情報を解析するまで、あるいは、制御部Ｈから読取停止指令が指令されるまで、タグＴの読取りを繰り返し行うように構成されている。

　上述した物品確認処理は、収納部Ｓに収納されている容器Ｕに装備されたタグＴの識別情報をリーダＤにて読み取る処理である。
　そして、制御部Ｈが、物品確認処理が指令されると、図７に示すように、移載手段Ｒを確認対象の容器Ｕを収納する収納部Ｓに対する設定移載用位置に移動させ且つ物品載置体８を取出用高さＢ１に位置させ、その状態において、物品載置体８を突出状態に突出させ、次に、図９に示すように、取出用高さＢ１よりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さＢ３に物品載置体８を上昇させ、その後、物品載置体８を取出用高さＢ１にげ下降させて引退状態に引退させるべく、スタッカークレーンＫの作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている。

　本実施形態の場合、読取用目標高さＢ３が、容器載置用の板状体１１の上面よりも設定量Ｊ３（例えば、１０ｍｍ程度）だけ高い高さに設定されている。
　本実施形態において、上述の如く、取出用高さＢ１が、容器載置用の板状体１１の上面よりも設定量Ｊ１（例えば、１９ｍｍ程度）だけ低い高さとして設定されているため、読取用上昇量は、２９ｍｍ程度となるものであり、上述した４５ｍｍ程度となる取出用上昇量よりも小さいものとなる。
　つまり、本実施形態において、読取用上昇量が、取出用上昇量よりも小さく設定されている。

　物品確認処理は、保管棚１が備える全ての収納部Ｓに収納されている容器Ｕに行う必要がある。制御部Ｈは、物品確認処理が指令されると、予め定められた順序にて、移載手段Ｒを全ての収納部Ｓに対して移動させて、上述の読取用作動処理を実行することになる。
　尚、例示はしないが、スタッカークレーンＫの昇降台６には、収納部Ｓに収納されている容器Ｕの存否を検出する光学式の容器検出センサが装備されている。物品確認処理の際には、この容器検出センサによって各収納部Ｓの容器Ｕの存否も確認される。制御部Ｈは、容器Ｕが存在する収納部Ｓに対しては、上述の読取作動処理が実行されるが、容器Ｕが存在しない収納部Ｓに対しては、上述の読取作動処理の実行が中止される。

　本実施形態において、リーダＤとして、１３５ＫＨｚの電波を送信するオムロン社製の「Ｖ６４０－ＨＳ６２」を用いている。
　このリーダＤは、図６に示すように、その外周囲の設定領域Ｅをノイズ除去のために強磁性体を存在しないようにし、そして、遮蔽物が存在しないようにすれば、広範囲の読取可能範囲Ｍが確保されるように構成されている。
　このため、本実施形態において、容器載置用の板状体１１に、載置体通過用の開口Ｗに連なり、且つ、容器Ｕが収納部Ｓに載置された状態においてタグＴが存在する側に向けて凹入する切欠きＺが、リーダＤを板状体１１に対応する高さに位置させた状態における設定領域Ｅの大きさに対応する大きさにて形成されている。

　また、本実施形態において、上述の切欠きＺを形成した場合には、容器載置用の板状体１１によるノイズの除去、及び、板状体１１による電波の遮蔽が回避され、及び、板状体１１に載置した容器Ｕの底部と板状体１１との間の隙間が電波を通過させる空間として利用される。その結果、物品載置体８を読取用目標高さＢ３に上昇させる途中にて、リーダＤがタグＴの識別情報を読み取ることができる確率がかなり高いものとなる。従って、制御部Ｈは、物品載置体８を読取用目標高さＢ３に上昇させる途中にて、リーダＤがタグＴの識別情報を読み取ることができた場合には、その時点で、物品載置体８を引退状態に戻すように構成されている。

　すなわち、制御部Ｈが、読取作動処理において、物品載置体８を取出用高さＢ１にて突出状態に突出させたのち、取出用高さＢ１から読取用目標高さＢ３に上昇させるときには、リーダＤによるタグＴの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、取出用高さＢ１から読取用目標高さＢ３に上昇させる途中において、リーダＤによるタグＴの識別情報の読み取りが完了すると、物品載置体８の上昇を停止させて、物品載置体８を取出用高さＢ１に下降させて引退状態に引退させるように構成されている。

　以下、制御部ＨによるスタッカークレーンＫの制御について説明を加える。
　制御部Ｈは、マイクロコンピュータを備えて構成される。制御部Ｈは、図７に示すように、スタッカークレーンＫの走行台車３を走行駆動する走行用モータ１５、昇降台６を昇降駆動する昇降用モータ１６、旋回台９を旋回駆動する旋回用モータ１７、及び、スカラーアーム１０の第１アーム１０Ａを揺動させて、移載手段Ｒの物品載置体８を出退駆動する出退用モータ１８の夫々の作動を制御するように構成されている。

　また、制御部Ｈには、スタッカークレーンＫの走行台車３の走行経路上の位置を検出する走行位置検出用センサ２１、昇降台６の昇降経路上の位置を検出する昇降位置検出用センサ２２、旋回台９の旋回位置を検出する旋回位置検出用センサ２３、及び、移載手段Ｒの物品載置体８の出退位置を検出する出退位置検出用センサ２４の各検出情報が入力されるように構成される。各検出情報は、制御部Ｈが有するメモリなどの記憶手段（図示せず）に記憶される。また、この記憶手段は、制御部Ｈが取り扱う各種の情報を、制御部Ｈによって書き込み可能及び読み出し可能に記憶する。例えば、この記憶手段には、取出用高さＢ１、取出用目標高さＢ２、読取用目標高さＢ３、収納用高さＣ１、収納用目標高さＣ２などに関する情報も記憶されている。

　本実施形態において、走行位置検出用センサ２１は、走行経路上の基準位置に設けられた走行用基準体を検出するリードスイッチと、走行用モータの回転量を検出するロータリエンコーダとを用いて構成される。

　本実施形態において、昇降位置検出用センサ２２は、昇降経路上の基準位置に設けられた昇降用基準体を検出するリードスイッチと、昇降用モータの回転量を検出するロータリエンコーダとを用いて構成されている。

　本実施形態において、旋回位置検出用センサ２３は、移載手段Ｒが左側を向く位置を定める左位置用基準体、及び、移載手段Ｒが右側を向く位置を定める右位置用基準体を検出するリードスイッチを用いて構成されている。

　本実施形態において、出退位置検出用センサ２４は、出退基準位置を定める出退用基準体を検出するリードスイッチと、出退用モータの回転量を検出するロータリエンコーダを用いて構成されている。

　保管棚１の搬出入部１Ａには、入庫指令、出庫指令、及び、物品確認処理の指令を行う操作部Ｇ（図１参照）が設けられている。
　従って、制御部Ｈは、操作部Ｇの指令に基づいて、入庫処理、出庫処理、及び、物品確認処理を行うように構成される。具体的には、制御部Ｈは、センサ類２１～２４の検出情報に基づいて、スタッカークレーンＫの走行位置、昇降台６の昇降位置、移載手段Ｒの向き、及び、物品載置体８の出退位置を確認しながら、予め記憶されたプログラム情報に基づいて複数のモータ１５～１８を作動させて、物品搬出入部１Ａに搬入された容器Ｕを収納部Ｓに収納する入庫処理、収納部Ｓに収納された容器Ｕを物品搬出入部１Ａに取り出す出庫処理、及び、複数の収納部Ｓに収納されている容器Ｕの識別情報を読み取る物品確認処理を行うように構成されている。

　次に、制御部Ｈの制御作動について、図１１～図１３のフローチャートに基づいて説明を加える。
　図１１に示すように、先ず、物品確認指令が指令されているか否かを判別し（＃１）、物品確認処理が指令された場合には、物品確認処理を実行する（＃２）。
　ステップ＃１にて、物品確認処理が指令されていない場合には、入庫指令が指令されているか否かを判別し（＃３）、入庫指令が指令されている場合には、入庫処理を実行する（＃４）。
　ステップ＃３にて、入庫指令が指令されていない場合には、出庫指令が指令されているか否かを判別し（＃５）、出庫指令が指令されている場合には、出庫処理を実行する（＃６）。

　そして、物品確認処理（＃２）、入庫処理（＃４）、及び、出庫処理（＃６）の夫々の処理を実行した後は、＃１からの処理を繰り返すことになる。

　入庫処理（＃４）及び出庫処理（＃６）における処理内容は、上述の説明から明らかであるので、以下、物品確認処理（＃２）について説明を加える。

　図１２に示すように、物品確認処理では、保管棚１が備える全ての収納部Ｓに対して移載手段Ｒを移動させる対象収納部への移動処理（＃１１）、及び、上述した読取作動処理（＃１２）が、保管棚１の全ての収納部Ｓに対する物品確認が終了するまで（＃１３）、繰り返し行われる。

　対象収納部への移動処理（＃１１）は、複数の収納部Ｓについて予め設定した順序情報により定められる確認対象の収納部Ｓに対して、移載手段Ｒを移動させる処理を行うものであって、具体的には、移載手段Ｒを、確認対象の収納部Ｓに対する横幅方向の設定移載用位置に移動させ且つ物品載置体８を取出用高さＢ１に位置させる処理を行う。

　図１３には、読取用作動処理のフローチャートを示す。
　図１３に示すように、制御部Ｈは、収納部Ｓに収納されている容器Ｕが有するＲＦＩＤタグＴの識別情報をＲＦＩＤリーダＤにて読み取る物品確認処理が指令されると、物品載置体８を取出用高さにて突出状態に突出させる突出工程を実行する。具体的には、制御部Ｈは、先ず、物品載置体８の突出作動を開始し（＃２１）、物品載置体８の現在位置が上述した突出状態に相当する目標突出位置であることが判別されると（＃２２）、物品載置体８の突出作動を停止させる（＃２３）。

　次に、制御部Ｈは、上記突出工程に引き続いて、取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体８を上昇させると共に、ＲＦＩＤリーダＤによるＲＦＩＤタグＴの識別情報の読み取りを開始する上昇工程を実行する。具体的には、制御部Ｈは、リーダＤにてタグＴの識別情報を読み取るタグ読取を開始させ（＃２４）、その状態で、物品載置体８の上昇作動を開始させる。
　但し、制御部Ｈは、上昇工程において、ＲＦＩＤリーダＤによるＲＦＩＤタグＴの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、取出用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、ＲＦＩＤリーダＤによるＲＦＩＤタグＴの識別情報の読み取りが完了すると、物品載置体８の上昇を停止させて、後述する下降工程を実行する。具体的には、制御部Ｈは、リーダＤにてタグＴの識別情報を読み取ることが完了するか（＃２６）、あるいは、物品載置体８の高さが読取用目標高さＢ３を超えると、物品載置体８の上昇作動を停止させることになる（＃２９）。

　そして、制御部Ｈは、リーダＤにてタグＴの識別情報を読み取ることなく、物品載置体８の高さが読取用目標高さＢ３を超えた場合には、異常状態であることを外部に出力する異常処理を実行する（＃２８）。

　制御部Ｈは、上記上昇工程に引き続いて、物品載置体８を取出用高さに下降させる下降工程を実行する。具体的には、制御部Ｈは、ステップ＃２９にて、物品載置体８の上昇作動を停止させた後は、物品載置体８の下降作動を開始し（＃３０）、物品載置体８の高さが取出用高さＢ１になると（＃３１）、物品載置体８の下降作動を停止させる（＃３２）。

　次に、制御部Ｈは、上記下降工程に引き続いて、物品載置体８を取出用高さにて引退状態に引退させる引退工程を実行する。具体的には、制御部Ｈは、物品載置体８の引退作動を開始し（＃３３）、上述した引退状態に相当する目標引退位置であることが判別されると（＃３４）、物品載置体８の引退作動を停止させる（＃３５）。

〔別の実施形態〕
（１）上記実施形態においては、収納部を構成する容器載置用の板状体に、載置体通過用の開口に連なり、且つ、物品収納容器が収納部に載置された状態においてＲＦＩＤタグが存在する側に向けて凹入する切欠きを形成する場合を例示したが、この切欠きを形成しなくてもよい。
　つまり、切欠きを形成しない場合においても、物品収納容器を容器載置用の板状体から十分に浮上させるようにすれば、容器載置用の板状体による影響を受けることなく、ＲＦＩＤリーダにてＲＦＩＤタグの識別情報を読み取ることも可能である。

（２）上記実施形態においては、読取作動処理において、物品載置体の上昇作動を開始する前に、ＲＦＩＤリーダの読取作動を開始させる例を説明したが、物品載置体の上昇作動を開始した後に、ＲＦＩＤリーダの読取作動を開始させるようにしてもよい。要は、物品載置体を取出用高さから読取用目標高さに上昇させている間に、ＲＦＩＤリーダの読取作動を開始させればよい。或いは、ＲＦＩＤリーダの読取作動によるエネルギ消費を抑制する等のために、物品載置体が読取用目標高さに上昇した後で、ＲＦＩＤリーダの読取作動を開始させるようにすることも可能である。

（３）上記実施形態では、物品収納容器としてＦＯＵＰを用いる例を説明したが、バケットやコンテナ等の種々の形態の物品収納容器を対象としても、本発明を実施できる。

（４）上記実施形態では、ＲＦＩＤリーダを、物品載置体の先端部の上面側部分に設ける場合を例示したが、物品収納容器に装備されるＲＦＩＤタグの物品収納容器に対する取り付け位置や、容器載置用の板状体の形状等に応じて、ＲＦＩＤリーダを物品載置体に取り付ける位置は各種変更できるものである。

（５）上記実施形態では、移載手段が、スタッカークレーンに装備される場合を例示したが、収納部を縦横に並べて備える保管部の前面側に、保管部の横幅方向の全幅に亘る長さの案内レールが昇降操作自在に設けられて、移載手段が、案内レールに沿って保管部の横幅方向に移動される形態の物品保管設備においても、本発明は適用できるものである。

（６）上記実施形態では、収納部を縦横に並べて備える保管部を例示したが、収納部が横幅方向にのみ備えられる保管部や、収納部が上下方向にのみ備えられる保管部において、本発明を適用しても良い。
　ちなみに、収納部を横幅方向にのみ備える保管部としては、天井側の走行レールに吊り下げられた状態で走行する、いわゆるホイスト式搬送台車の走行経路の横側部に、走行経路の長手方向に沿って収納部が並べられる保管部を挙げることができる。この場合には、ホイスト式搬送台車に、出退する物品載置体を備える移載手段を装備させることになる。

　本発明に係る物品保管設備及びその運転方法は、物品確認処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図るために利用できる。

Claims

　物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用の空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とを備え、
　前記移載手段は、前記空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在であり、前記物品収納容器を載置可能な物品載置体を有し、前記物品載置体が、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す取出処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する収納処理に用いられ、
　前記収納部は、収納される前記物品収納容器が載置される金属製の板状体を有し、前記板状体は前記突出状態にある前記物品載置体が上下方向に通過自在な開口を有し、
　前記制御手段は、前記取出処理を行うとき、前記収納部の前記板状体よりも設定量だけ低い取出用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する、物品保管設備であって、
　前記物品収納容器は、その外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグを有し、
　前記物品載置体は、前記ＲＦＩＤタグが記憶している前記識別情報を読み取るＲＦＩＤリーダを有し、
　前記制御手段は、前記収納部に収納されている前記物品収納容器が有する前記ＲＦＩＤタグの識別情報を前記ＲＦＩＤリーダにて読み取る物品確認処理が指令されると、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記取出用高さに下降させて前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている物品保管設備。
　前記読取用上昇量が、前記取出用上昇量よりも小さく設定されている請求項１に記載の物品保管設備。
　前記板状体が有する前記開口が、前記突出状態の前記物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成され、
　前記板状体に、前記開口に連なり、且つ、前記物品収納容器が前記収納部に載置された状態において前記ＲＦＩＤタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている請求項２に記載の物品保管設備。
　前記制御手段が、前記読取用作動処理において、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記突出状態に突出させたのち、前記取出用高さから前記読取用目標高さに上昇させるときには、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記取出用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記物品載置体を前記取出用高さに下降させて前記引退状態に引退させるように構成されている請求項１～３の何れか一項に記載の物品保管設備。
　前記物品収納容器が、基板を収納するＦＯＵＰであり、前記ＲＦＩＤタグが、前記ＦＯＵＰにおける前記物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備され、
　前記板状体に、前記ＦＯＵＰの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されている請求項１～４の何れか一項に記載の物品保管設備。
　物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用の空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とを備え、
　前記移載手段は、前記空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在であり、前記物品収納容器を載置可能な物品載置体を有し、前記物品載置体が、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す取出処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する収納処理に用いられ、
　前記収納部は、収納される前記物品収納容器が載置される金属製の板状体を有し、前記板状体は前記突出状態にある前記物品載置体が上下方向に通過自在な開口を有し、
　前記制御手段は、前記取出処理を行うとき、前記収納部の前記板状体よりも設定量だけ低い取出用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記取出用高さよりも取出用上昇量だけ高い取出用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する、物品保管設備の運転方法であって、
　前記物品収納容器は、その外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のＲＦＩＤタグを有し、
　前記物品載置体は、前記ＲＦＩＤタグが記憶している前記識別情報を読み取るＲＦＩＤリーダを有し、
　前記収納部に収納されている前記物品収納容器が有する前記ＲＦＩＤタグの識別情報を前記ＲＦＩＤリーダにて読み取る物品確認処理が指令されると、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記突出状態に突出させる突出工程と、
　前記突出工程に引き続いて、前記取出用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させると共に、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始する上昇工程と、
　前記上昇工程に引き続いて、前記物品載置体を前記取出用高さに下降させる下降工程と、
　前記下降工程に引き続いて、前記物品載置体を前記取出用高さにて前記引退状態に引退させる引退工程とを含む方法。
　前記上昇工程において、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記取出用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記ＲＦＩＤリーダによる前記ＲＦＩＤタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記下降工程に移行する請求項６に記載の物品保管設備の運転方法。