WO2010038608A1

WO2010038608A1 - コンバイン

Info

Publication number: WO2010038608A1
Application number: PCT/JP2009/066029
Authority: WO
Inventors: 浩行小郷; 進乙倉
Original assignee: ヤンマー株式会社
Priority date: 2008-10-02
Filing date: 2009-09-14
Publication date: 2010-04-08
Also published as: KR101659394B1; CN102170770B; CN102170770A; JP5382908B2; JP2010081911A; KR20110076898A

Abstract

　穀粒排出コンベヤ８の送出終端側を穀粒送出方向に簡単に延長できるものでありながら、グレンタンク７から穀粒を排出しないときには、穀粒排出コンベヤ８の送出終端側の開口を簡単に閉塞できるようにしたコンバインを提供するものである。エンジン２０を搭載した走行機体１と、刈取装置３及び脱穀装置４と、脱穀装置４からの穀粒を溜めるグレンタンク７と、グレンタンク７内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤ８とを備えるコンバインにおいて、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部に筒体支点軸６８を介して回動可能に支持する穀粒排出筒体６９と、穀粒排出筒体６９を穀粒排出姿勢と穀粒非排出姿勢とに移動させる穀粒排出操作体７０とを備え、穀粒排出筒体６９の一部によって排出口シャッタ６９ａを形成し、穀粒非排出姿勢に穀粒排出筒体６９が支持されているときに、前記排出口シャッタ６９ａによって、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部の排出口を閉塞可能に構成している。

Description

コンバイン

　本発明は、刈取装置によって圃場の未刈り穀稈を刈取りながら、脱穀装置によってその刈取り穀稈を脱穀して、グレンタンクに穀粒を収穫するコンバインに係り、より詳しくは、トラック荷台又はコンテナ等にグレンタンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤを備えるコンバインに関するものである。

　従来のコンバインは、走行機体の前側に昇降可能に配設した刈取装置によって、圃場の未刈り穀稈を刈取り、刈取った穀稈を脱穀装置によって脱穀して、グレンタンク内に穀粒を収集するように構成している。穀粒排出コンベヤの先端側に穀粒投出口筒を設ける構造において、穀粒排出コンベヤの先端側に穀粒投出口筒を投げ出し方向変更可能に配置し、穀粒排出コンベヤと平行に穀粒投出口筒を折畳み自在に構成している（特許文献１参照）。穀粒排出コンベヤの軸支線回りに穀粒投出口筒を回動させる技術も公知である（特許文献２参照）。

特開２００１－７８５５７号公報特開２００６－１４号公報

　従来のコンバインでは、穀粒投出口筒によって穀粒排出コンベヤの送出終端側を穀粒送出方向に簡単に延長できるが、グレンタンクから穀粒を排出しないときにも、穀粒排出コンベヤの先端側の開口が穀粒投出口筒を介して外部に連通されているから、穀粒排出コンベヤの排出口から穀粒が漏れ出るのを防止できない等の問題がある。また、長期間格納状態で、ネズミ等が穀粒投出口筒から穀粒排出コンベヤ内に入り込むのを防止できない等の問題がある。したがって、穀粒排出コンベヤの送出終端側の開口を閉塞するには、特別に閉塞部材を設ける必要があり、穀粒排出コンベヤ又は穀粒投出口筒の構造が複雑になる等の問題がある。また、穀粒投出口筒を移動させるための電動モータを備える構造で、穀粒排出筒体の開閉位置を検出するリミットスイッチ等を設けた場合、前記電動モータの制御構造を簡単に構成できない等の問題がある。

　また、穀粒排出コンベヤ先端の排出筒が支軸回りに回動操作可能に構成した場合、排出筒が予定角度以上に大きく回動することによって、予測していない方向に穀粒が排出され、穀粒を受取るためのトラック荷台の外側方やコンテナの外側方に穀粒が飛散する等の問題がある。

　また、穀粒排出作業において、可及的に最後まで穀粒の排出姿勢（下方回動状態）に穀粒排出筒体を支持することが望まれる。すなわち、排出オーガから穀粒排出筒体を介して必要な量の穀粒を全て排出させるためには、穀粒排出筒体を最後まで穀粒排出状態に支持して、排出オーガが収納位置（機体天井部）に移動したときに、穀粒排出筒体を水平な収納状態（出口側を上方に回動した閉塞状態）に支持することが望まれる。更には、穀粒排出筒体を穀粒排出作業終了後に、前記収納状態に戻す場合、排出オーガ先端が機体の外側方に位置しているため、穀粒排出筒体を収納する際に、近辺に存在する障害物等に当接して損傷する等の問題がある。

　さらに、操作盤等に手動制御操作用のスイッチを設けて、そのスイッチを操作することによって、手動操作により作業者の所望の角度に、排出オーガ及び穀粒排出筒体を回動操作できる。しかし、手動操作による穀粒排出筒体の回動速度が、俊敏な動作が望まれる自動操作による回動速度と同等に早い場合、人為的な操作遅れや操作タイミングのずれなどの操作ミスが生じたとき、特に穀粒の排出作業中に前記操作ミスが生じたとき、作業者の操作感覚よりも回動速度が早すぎることによって、操作ミスの修正が適確に行えないと共に、高度な操作技術を要する等の問題がある。

　一方、排出オーガの先端に支軸回りに回動可能に穀粒排出筒体を設け、穀粒排出筒体によって排出オーガの先端を開閉可能に構成した場合、穀粒排出筒体からの穀粒排出作業中に不用意に穀粒排出筒体が周辺の障害物等に当接し、または、排出オーガ或は穀粒排出筒体の収納時に不用意に機体の一部に接触して、穀粒排出筒体に強制回動負荷がかかることによって、穀粒排出筒体の支軸部や回動するための連動機構に負荷がかかり損傷する等の問題がある。

　本発明の目的は、穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側を穀粒送出方向に簡単に延長できるものでありながら、グレンタンクから穀粒を排出しないときには、穀粒排出コンベヤの送出終端側の開口を簡単に閉塞できるようにしたコンバインを提供するものである。

　前記目的を達成するため、請求項１に係る発明のコンバインは、エンジンを搭載した走行機体と、刈取装置及び脱穀装置と、前記脱穀装置からの穀粒を溜めるグレンタンクと、前記グレンタンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤとを備えるコンバインにおいて、前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して回動可能に支持する穀粒排出筒体と、前記穀粒排出筒体を穀粒排出姿勢と穀粒非排出姿勢とに移動させる穀粒排出操作体とを備え、前記穀粒排出筒体の一部によって排出口シャッタを形成し、穀粒非排出姿勢に前記穀粒排出筒体が支持されているときに、前記排出口シャッタによって、前記穀粒排出コンベヤの送出終端部の排出口を閉塞可能に構成したものである。

　請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のコンバインにおいて、前記穀粒排出コンベヤの排出口縁のうち穀粒排出上手側の排出口縁に前記筒体支点軸を配置し、前記穀粒排出筒体の穀粒受入れ側開口縁のうち前記排出口シャッタ近傍の穀粒受入れ側開口縁を前記筒体支点軸にて回動可能に軸支するように構成したものである。

　請求項３に記載の発明は、請求項１に記載のコンバインにおいて、前記穀粒排出操作体を穀粒排出電動モータによって形成し、前記穀粒排出電動モータの作動時間によって前記穀粒排出筒体の開閉動作位置を設定し、前記穀粒排出電動モータによって前記穀粒排出操作体を開閉可能に構成したものである。

　請求項４に記載の発明は、請求項１に記載のコンバインにおいて、スイッチのオンオフ操作によって前記穀粒排出コンベヤが作動するオーガクラッチを具備した構造であって、前記穀粒排出コンベヤを形成する排出オーガ筒の穀粒送出終端側に、筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体を下方に回動することによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部が開放されて穀粒を排出するように構成し、前記穀粒排出筒体が前記排出オーガ筒と軸線を略同じくする収納位置に支持されたときに、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部が前記穀粒排出筒体によって閉塞されるように構成する一方、前記穀粒排出筒体が下向きの所定角度以外に支持されているとき、前記穀粒排出コンベヤを作動させる前記スイッチの操作によって、前記オーガクラッチが作動しないように構成したものである。

　請求項５に記載の発明は、請求項１に記載のコンバインにおいて、前記走行機体の上方に前記穀粒排出コンベヤを回動及び昇降自在に設け、穀粒を排出する前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側の開口部を移動可能に構成し、不使用時の前記穀粒排出コンベヤは機体上方側の穀粒非排出位置に収納可能に構成した構造であって、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出コンベヤが前記穀粒非排出位置で上昇した箇所に支持されたときに、穀粒排出筒体の出口側が上方回動する収納動作を開始するように構成したものである。

　請求項６に記載の発明は、請求項１に記載のコンバインにおいて、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体の出口側を上下方に回動させることによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部を開閉するように構成する一方、前記穀粒排出筒体の上下方の回動操作を自動制御操作にて行う自動操作手段と、前記穀粒排出筒体の上下方の回動操作を手動制御操作にて行う手動操作手段とを設け、前記自動操作手段による前記穀粒排出筒体の回動速度に比べ、前記手動操作手段による前記穀粒排出筒体の回動速度を遅くするように構成したものである。

　請求項７に記載の発明は、請求項１に記載のコンバインにおいて、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体を回動させる前記穀粒排出操作体としての穀粒排出電動モータを備え、前記穀粒排出電動モータの出力軸と前記穀粒排出筒体との間に連動機構を介設し、前記連動機構を介して前記穀粒排出筒体を上下方に回動することによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部を開閉するように構成する一方、前記連動機構の回動箇所に摩擦機構を設けて、前記穀粒排出筒体にかかる外部からの負荷が前記摩擦機構に吸収されるように構成したものである。

　請求項１に記載の発明によれば、エンジンを搭載した走行機体と、刈取装置及び脱穀装置と、前記脱穀装置からの穀粒を溜めるグレンタンクと、前記グレンタンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤとを備えるコンバインにおいて、前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して回動可能に支持する穀粒排出筒体と、前記穀粒排出筒体を穀粒排出姿勢と穀粒非排出姿勢とに移動させる穀粒排出操作体とを備え、前記穀粒排出筒体の一部によって排出口シャッタを形成し、穀粒非排出姿勢に前記穀粒排出筒体が支持されているときに、前記排出口シャッタによって、前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側の排出口を閉塞可能に構成したものであるから、前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側を穀粒送出方向に簡単に延長できる。また、前記グレンタンクから穀粒を排出しないときには、穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側の開口を簡単に閉塞できる。例えば、収穫作業中（穀粒非排出時）、下向きに開口した前記穀粒排出コンベヤの排出口が前記排出口シャッタにて閉塞されることによって、前記穀粒排出コンベヤの排出口側から残留穀粒が漏れ出るのを防止できる。また、長期間格納状態で、ネズミ等が前記穀粒排出コンベヤの排出口側から前記穀粒排出コンベヤ内に入り込むのを防止できる。

　請求項２に記載の発明によれば、前記穀粒排出コンベヤの排出口縁のうち穀粒排出上手側の排出口縁に前記筒体支点軸を配置し、前記穀粒排出筒体の穀粒受入れ側開口縁のうち前記排出口シャッタ近傍の穀粒受入れ側開口縁を前記筒体支点軸にて回動可能に軸支するように構成したものであるから、前記穀粒排出コンベヤの軸心線の延長方向（穀粒送出方向）に前記穀粒排出筒体の排出側開口が回動する前記穀粒排出筒体の回動範囲を、９０度以上に簡単に設定できる。即ち、下向きの穀粒の放出方向を中心に、前記穀粒排出筒体の前向き放出角度と、前記穀粒排出筒体の後向き放出角度を大きな放出角度にそれぞれ設定できる。トラックの荷台やコンテナ等への穀粒排出作業性を向上できる。

　請求項３に記載の発明によれば、前記穀粒排出操作体を穀粒排出電動モータによって形成し、前記穀粒排出電動モータの作動時間によって前記穀粒排出筒体の開閉動作位置を設定し、前記穀粒排出電動モータによって前記穀粒排出操作体を開閉可能に構成したものであるから、前記穀粒排出筒体の開閉位置を検出する必要がなく、前記穀粒排出筒体の開閉位置を検出するリミットスイッチやハーネス等が不要になり、前記穀粒排出電動モータの制御構造を簡単に構成できる。ハーネス等の設置数を低減して前記穀粒排出電動モータ等の組立作業性やメンテナンス作業性を向上できる。

　請求項４に記載の発明によれば、スイッチのオンオフ操作によって前記穀粒排出コンベヤが作動するオーガクラッチを具備した構造であって、前記穀粒排出コンベヤを形成する排出オーガ筒の穀粒送出終端側に、筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体を下方に回動することによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部が開放されて穀粒を排出するように構成し、前記穀粒排出筒体が前記排出オーガ筒と軸線を略同じくする収納位置に支持されたときに、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部が前記穀粒排出筒体によって閉塞されるように構成する一方、前記穀粒排出筒体が下向きの所定角度以外に支持されているとき、前記穀粒排出コンベヤを作動させる前記スイッチの操作によって、前記オーガクラッチが作動しないように構成したものであるから、前記穀粒排出筒体が下向きに回動して、前記穀粒排出コンベヤから前記穀粒排出筒体を介して穀粒を排出する場合、前記穀粒排出筒体が所定角度以上に回動操作されることによって、前記穀粒排出コンベヤが停止状態に維持される。即ち、前記オーガクラッチの作動を停止することによって、前記穀粒排出コンベヤの穀粒排出動作を停止するから、前記穀粒排出筒体からの排出穀粒が想定外の方向に飛散するのを阻止できる。例えば、コンテナ等の穀粒受取り箇所以外の場所に穀粒が漏洩するのを防止できる。

　請求項５に記載の発明によれば、前記走行機体の上方に前記穀粒排出コンベヤを回動及び昇降自在に設け、穀粒を排出する前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側の開口部を移動可能に構成し、不使用時の前記穀粒排出コンベヤは機体上方側の穀粒非排出位置に収納可能に構成した構造であって、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出コンベヤが前記穀粒非排出位置で上昇した箇所に支持されたときに、穀粒排出筒体の出口側が上方回動する収納動作を開始するように構成したものであるから、穀粒排出作業位置での前記穀粒排出筒体の収納動作を禁止できる。穀粒排出作業位置の作業者等に、前記穀粒排出筒体が収納動作して接触するのを防止できる。前記穀粒非排出位置で上昇した箇所に支持された前記穀粒排出筒体を収納動作させるから、前記穀粒排出筒体が機体に当接するのを防止できる。前記穀粒排出筒体を収納するときに、前記穀粒排出筒体又は機体等が損傷するのを簡単に回避できる。

　請求項６に記載の発明によれば、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体の出口側を上下方に回動させることによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部を開閉するように構成する一方、前記穀粒排出筒体の上下方の回動操作を自動制御操作にて行う自動操作手段と、前記穀粒排出筒体の上下方の回動操作を手動制御操作にて行う手動操作手段とを設け、前記自動操作手段による前記穀粒排出筒体の回動速度に比べ、前記手動操作手段による前記穀粒排出筒体の回動速度を遅くするように構成したものであるから、手動制御操作による穀粒排出操作中にアクシデントが生じても、前記穀粒排出筒体の回動速度が手動制御操作に適した遅い速度のため、作業者の操作感覚などに適応させて前記穀粒排出筒体を回動させることができる。即ち、前記穀粒排出筒体の姿勢を正常な排出方向に簡単に修正でき、作業者が希望する場所に穀粒を適確に排出できる。なお、前記自動操作手段を操作したときには、前記手動操作手段の操作に比べ、前記穀粒排出筒体を機敏に回動でき、前記穀粒排出筒体の自動制御操作の応答性を向上できる。

　請求項７に記載の発明によれば、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体を回動させる前記穀粒排出操作体としての穀粒排出電動モータを備え、前記穀粒排出電動モータの出力軸と前記穀粒排出筒体との間に連動機構を介設し、前記連動機構を介して前記穀粒排出筒体を上下方に回動することによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部を開閉するように構成する一方、前記連動機構の回動箇所に摩擦機構を設けて、前記穀粒排出筒体にかかる外部からの負荷が前記摩擦機構に吸収されるように構成したものであるから、例えば前記穀粒排出筒体を無理に回動させる方向の外力（外部からの負荷）が前記穀粒排出筒体にかかった場合、前記穀粒排出筒体又は前記連動機構が損傷する前に、前記摩擦機構の摩擦ブレーキ力に抗して前記穀粒排出筒体が変位する。即ち、前記連動機構における回動箇所において、前記穀粒排出筒体を回動させる外力（外部からの負荷）を前記摩擦機構によって吸収でき、前記穀粒排出筒体や、前記穀粒排出筒体に連結した前記連動機構の損傷を防止できる。なお、前記穀粒排出筒体に障害物が衝突した場合は、その障害物の損傷なども低減できる。

本発明の４条刈り用のコンバインの左側面図である。コンバインの右側面図である。コンバインの平面図である。穀粒排出コンベヤと穀粒排出筒体の拡大断面図である。投出口体と穀粒排出筒体の拡大断面図である。穀粒排出筒体の作動説明図である。摩擦機構の構造を示す平面図である。オーガクラッチの構造を示す平面図である。図８のＸ-Ｘ線における断面構造を示す断面図である。操作盤における各種操作スイッチの配置を示す図である。穀粒排出の第１関連制御のフローチャートである。穀粒排出の第２関連制御のフローチャートである。穀粒排出の第３関連制御のフローチャートである。穀粒排出の回路構成を示すブロック図である。穀粒排出制御のフローチャートである。

　以下、本発明に係るコンバインを具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体１の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図１乃至図３を参照して、本実施形態のコンバインを説明する。図１乃至図３に示す如く、左右一対の走行クローラ２（走行部）にて支持された走行機体１を備えている。走行機体１の前部には、穀稈を刈取る４条刈り用の刈取装置３が、単動式の昇降用油圧シリンダ４によって刈取回動支点軸４ａ回りに昇降調節可能に装着されている。走行機体１には、フィードチェン６を有する脱穀装置５と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク７とが横並び状に搭載されている。なお、脱穀装置５が走行機体１の前進方向に向かって左側に配置され、グレンタンク７が走行機体１の前進方向に向かって右側に配置されている（図３参照）。

　グレンタンク７の後方から上方にかけてグレンタンク７内の穀粒を機体外部に排出する穀粒排出コンベヤ８が配設されている。後述する穀粒排出コンベヤ８の縦送りオーガ１２を中心として、グレンタンク７の前部を機体側方へ回動できるように構成されている。グレンタンク７の前方で走行機体１の右側前部には、運転部１０が設けられている。運転部１０には、オペレータが搭乗するステップ１０ａ、運転座席１０ｂ、操向ハンドル１０ｃや各種の操作レバーやスイッチ等を備えた操作装置を配置している。運転座席１０ｂの下方の走行機体１には、動力源としてのエンジン２０が配置されている。

　図１及び図２に示す如く、走行機体１の下面側に左右のトラックフレーム２１を配置している。トラックフレーム２１には、走行クローラ２にエンジン２０の動力を伝える駆動スプロケット２２と、走行クローラ２のテンションを維持するテンションローラ２３と、走行クローラ２の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ２４とを設けている。駆動スプロケット２２によって走行クローラ２の前側を支持し、テンションローラ２３によって走行クローラ２の後側を支持し、トラックローラ２４によって走行クローラ２の接地側を支持する。

　図１乃至図３に示す如く、刈取装置３には、圃場の未刈り穀稈を引起す４条分の穀稈引起装置３１と、圃場の未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置３２と、穀稈引起装置３１からフィードチェン６の前端部（送り始端側）に刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置３３とが備えられている。穀稈引起装置３１によって圃場の未刈り穀稈が引起され、刈刃装置３２によって未刈り穀稈の株元が切断され、穀稈引起装置３１によってフィードチェン６の前端部に刈取り穀稈が搬送される。

　脱穀装置５には、穀稈脱穀用の扱胴５１と、扱胴５１の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別機構としての揺動選別盤５２と、揺動選別盤５２に選別風を供給する唐箕ファン５３と、扱胴５１の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴５４と、揺動選別盤５２の後部の排塵を機外に排出する排塵ファン６１とを備えている。

　図１及び図２に示す如く、フィードチェン６の後端側（送り終端側）には、排藁チェン６２が配置されている。フィードチェン６の後端側から排藁チェン６２に受け継がれた排藁（穀粒が脱粒された稈）は、長い状態で走行機体１の後方に排出されるか、又は脱穀装置５の後方側に設けた排藁カッタ６３にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体１の後方下方に排出される。また、揺動選別盤５２の下方側には、揺動選別盤５２にて選別された穀粒（一番選別物）を取出す一番コンベヤ５５と、穀粒や藁屑や枝梗付き穀粒等が混合した二番選別物を取出す二番コンベヤ５６とが設けられている。なお、走行機体１の進行方向前側から一番コンベヤ５５、二番コンベヤ５６の順で、側面視において走行クローラ２の後部上方の走行機体１の上面側に横設されている。

　揺動選別盤５２は、扱胴５１の下方に落下した脱穀物を、揺動選別（比重選別）するように構成している。揺動選別盤５２から落下した穀粒（一番選別物）は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン５３からの選別風によって除去され、一番コンベヤ５５に落下する。一番コンベヤ５５のうち脱穀装置５におけるグレンタンク７寄りの一側壁（実施形態では右側壁）から外向きに突出した終端部には、上下方向に延びる一番揚穀筒５７が連通接続されている。一番コンベヤ５５から取出された穀粒は、一番揚穀筒５７に内設された一番揚穀コンベヤ（図示省略）によってグレンタンク７に搬入され、グレンタンク７の内部に収集される。

　揺動選別盤５２は、揺動選別（比重選別）によって、枝梗付き穀粒等の二番選別物（穀粒と藁屑等が混在した再選別用の還元再処理物）を二番コンベヤ５６に落下させるように構成されている。二番コンベヤ５６によって取出された二番選別物は、二番還元筒５８及び二番処理部５９を介して揺動選別盤５２の上面側に戻されて再選別される。また、扱胴５１からの脱粒物中の藁屑及び粉塵等は、唐箕ファン５３からの選別風と排塵ファン６１の吸排塵作用とによって、走行機体１の後部から圃場に向けて排出される。

　図２に示す如く、穀粒排出コンベヤ８は、グレンタンク７内の底部に配置する横送りオーガ１１と、グレンタンク７の後部の外側に立設する縦送りオーガ１２及び縦送りオーガ筒１３と、縦送りオーガ１２の上端側に連結する排出オーガ１４及び排出オーガ筒１５とを有する。縦送りオーガ１２の略垂直なオーガ軸心線（縦軸）回りに排出オーガ筒１５の先端側を旋回させるオーガ旋回用電動モータ１６と、排出オーガ筒１５の基端側を支点に排出オーガ筒１５の先端側を昇降させるオーガ昇降用油圧シリンダ１７とを備える。オーガ旋回用電動モータ１６又はオーガ昇降用油圧シリンダ１７を作動させて、排出オーガ筒１５の先端側を任意位置に旋回又は昇降させる。

　図１乃至図３に示す如く、グレンタンク７内の前後方向に横送りオーガ１１を延長し、グレンタンク７の前部から後部に横送りオーガ１１によってグレンタンク７内の穀粒を移動させる。走行機体１の上面側に縦送りオーガ１２を直立させ、グレンタンク７の後部の横送りオーガ１１の送り終端側から縦送りオーガ１２の下端側の送り始端に、グレンタンク７内の穀粒を移動させる。刈取装置３及び脱穀装置５の上面側で前後方向に排出オーガ１４を横架させ、縦送りオーガ１２の上端側の送り終端側から排出オーガ１４の後端側の送り始端に穀粒を移動させる。なお、横送りオーガ１１から縦送りオーガ１２を介して排出オーガ１４にエンジン２０の回転力が伝達される。

　図１乃至図３に示す如く、脱穀装置５の上面側にオーガスタンド１８を設け、オーガスタンド１８を介して収納位置（非排出位置）に排出オーガ筒１５を支持する。排出オーガ１４及び排出オーガ筒１５は、前側排出オーガ１４ａ及び前側排出オーガ筒１５ａと、後側排出オーガ１４ｂ及び後側排出オーガ筒１５ｂとを有する。収穫作業中、後側排出オーガ筒１５ｂにロックレバー１９を介して前側排出オーガ筒１５ａが連結されて、コンバイン機体の右側後部から左側前部に向けて排出オーガ筒１５が延長された姿勢で支持される。一方、トラックでのコンバインの運搬や納屋へのコンバインの格納等、非収穫作業のときに、ロックレバー１９の連結を解除して、後側排出オーガ筒１５ｂの左側方に前側排出オーガ筒１５ａを二つ折り状に折畳み、脱穀装置５の上面側に前側排出オーガ筒１５ａをコンパクトに収納させる。

　次に、図４乃至図６を参照して、穀粒排出コンベヤ８の穀粒排出構造を説明する。図４乃至図６に示す如く、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部である前側排出オーガ筒１５ａの先端部に投出口体６６を配置する。前側排出オーガ筒１５ａの先端部に投出口体６６の一端側の入口開口６６ａが一体的に固着されている。投出口体６６の他端側の投出口６６ｂは下向きに開口した形状に形成されている。投出口体６６の投出口前側壁６６ｃにベアリング軸受６７を介して前側排出オーガ１４ａのオーガ軸先端が回転自在に軸支されている。なお、投出口体６６は、四角筒をＬ形に折り曲げた形状に形成され、入口開口６６ａと投出口６６ｂとがＬ形通路６６ｄによって連通されている。

　図４乃至図６に示す如く、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部に筒体支点軸６８を介して回動可能に支持する四角筒形状の穀粒排出筒体６９と、穀粒排出筒体６９を穀粒排出姿勢と穀粒非排出姿勢とに移動させる穀粒排出操作体としての穀粒排出電動モータ７０とを備える。投出口体６６の投出口後側壁６６ｅの外側に、入口開口６６ａ縁の下端側の延長部分によって軸受フック６６ｆを形成する。投出口後側壁６６ｅにボルト７１にて抜止めアーム７２を締結し、抜止めアーム７２を介して軸受フック６６ｆに筒体支点軸６８を回動可能に支持させている。

　図４乃至図６に示す如く、穀粒排出筒体６９の一部によって排出口シャッタ６９ａを形成する。穀粒非排出姿勢に穀粒排出筒体６９が支持されているときに、排出口シャッタ６９ａによって、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部の排出口である投出口６６ｂを閉塞可能に構成している。即ち、穀粒排出筒体６９の四角筒形の四面の側壁のうち、閉塞姿勢で下側に位置し且つ穀粒排出姿勢で穀粒排出上手側に位置する穀粒排出筒体６９の後面側の側壁によって、排出口シャッタ６９ａが形成されている。

　図４乃至図６に示す如く、穀粒排出コンベヤ８の排出口縁のうち、投出口体６６の穀粒排出上手側の排出口縁（投出口６６ｂ縁）に、筒体支点軸６８が配置される。穀粒排出筒体６９の穀粒受入れ側開口６９ｂ縁のうち、排出口シャッタ６９ａ近傍の穀粒受入れ側開口６９ｂ縁が、投出口体６６に筒体支点軸６８を介して回動可能に軸支されるように構成している。また、排出口シャッタ６９ａによって投出口６６ｂを閉塞しているときに、穀粒排出コンベヤ８の穀粒排出方向に投出口体６６から穀粒排出筒体６９の穀粒放出側開口６９ｃ縁が突出するように構成している。穀粒放出側開口６９ｃ縁に締結バンド７３を介して軟質樹脂製筒状体７４が連結されている。

　図５に示す如く、筒体支点軸６８を中心にした円周方向に延長する形状に、投出口体６６の側壁のうち筒体支点軸６８が設置された投出口後側壁６６ｅに対向した投出口前側壁６６ｃの上部角隅部６６ｇを形成している。その結果、投出口体６６の側壁のうち投出口上側壁６６ｈと穀粒排出筒体６９の側壁との間隔を縮小できる。また、筒体支点軸６８を中心にした円周方向に延長する形状に、穀粒排出筒体６９の側壁のうち、投出口前側壁６６ｃに対向した穀粒排出筒体６９の前側壁６９ｄを形成している。その結果、穀粒排出筒体６９の穀粒受入れ側開口６９ｂ縁と、前側排出オーガ筒１５ａの上面又は投出口前側壁６６ｃとの間隔を縮小できる。

　図４及び図６に示す如く、投出口体６６の一部又は全部が被嵌された状態で、投出口体６６を配置した穀粒排出コンベヤ８の延長方向に、穀粒排出筒体６９の穀粒放出側開口６９ｃを移動可能に構成している。即ち、穀粒非排出姿勢に穀粒排出筒体６９が支持されているとき、換言すると、排出口シャッタ６９ａによって投出口６６ｂが閉塞されているときに、投出口体６６の全部が穀粒排出筒体６９に内包される（図４参照）。その結果、穀粒非排出姿勢に穀粒排出筒体６９が支持されているときは、穀粒排出コンベヤ８の延長方向に突出する穀粒排出筒体６９の長さを短く形成できる。

　一方、穀粒排出筒体６９が穀粒排出姿勢に支持されているとき、換言すると、排出口シャッタ６９ａが投出口６６ｂ閉塞位置から後方に移動して、投出口６６ｂが開放されているときに、投出口体６６の一部（投出口６６ｂ縁）に穀粒排出筒体６９の穀粒受入れ側開口６９ｂ縁が被嵌される（図６参照）。その結果、穀粒排出筒体６９が穀粒排出姿勢に支持されているときは、投出口体６６の下方に突出する穀粒排出筒体６９の長さを長く形成できる。

　図１乃至図６に示す如く、エンジン２０を搭載した走行機体１と、刈取装置３及び脱穀装置４と、脱穀装置４からの穀粒を溜めるグレンタンク７と、グレンタンク７内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤ８とを備えるコンバインにおいて、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部に筒体支点軸６８を介して回動可能に支持する穀粒排出筒体６９と、穀粒排出筒体６９を穀粒排出姿勢と穀粒非排出姿勢とに移動させる穀粒排出操作体としての穀粒排出電動モータ７０とを備え、穀粒排出筒体６９の一部によって排出口シャッタ６９ａを形成し、穀粒非排出姿勢に穀粒排出筒体６９が支持されているときに、前記排出口シャッタ６９ａによって、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部の排出口を閉塞可能に構成している。したがって、穀粒排出コンベヤ８の送出終端側を穀粒送出方向に簡単に延長できる。また、グレンタンク７から穀粒を排出しないときには、穀粒排出コンベヤ８の送出終端側の開口を簡単に閉塞できる。例えば、収穫作業中（穀粒非排出時）、下向きに開口した穀粒排出コンベヤ８の排出口が前記排出口シャッタ６９ａにて閉塞されることによって、穀粒排出コンベヤ８の排出口側から残留穀粒が漏れ出るのを防止できる。また、長期間格納状態で、ネズミ等が穀粒排出コンベヤ８の排出口側から穀粒排出コンベヤ８内に入り込むのを防止できる。

　図４乃至図６に示す如く、穀粒排出コンベヤ８の排出口縁のうち穀粒排出上手側の排出口縁に筒体支点軸６８を配置し、穀粒排出筒体６９の穀粒受入れ側開口縁のうち排出口シャッタ６９ａ近傍の穀粒受入れ側開口縁を筒体支点軸６８にて回動可能に軸支するように構成している。したがって、穀粒排出コンベヤ８の軸心線の延長方向（穀粒送出方向）に穀粒排出筒体６９の排出側開口が回動する穀粒排出筒体６９の回動範囲を、９０度以上に簡単に設定できる。即ち、下向きの穀粒の放出方向を中心に、穀粒排出筒体６９の前向き放出角度と、穀粒排出筒体６９の後向き放出角度を大きな放出角度にそれぞれ設定できる。トラックの荷台やコンテナ等への穀粒排出作業性を向上できる。

　図４乃至図６に示す如く、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部に投出口体６６を設け、筒体支点軸６８を中心にした円周方向に延長する形状（多角形、円弧形）に、投出口体６６の側壁のうち筒体支点軸６８が設置された投出口後側壁６６ｅに対向した投出口前側壁６６ｃの上部角隅部６６ｇを形成し、筒体支点軸６８を中心にした円周方向に延長する形状（多角形又は円弧形）に、投出口前側壁６６ｃに対向した穀粒排出筒体６９の排出筒前側壁６９ｄを形成している。したがって、穀粒排出コンベヤ８の延長方向に穀粒排出筒体６９を収納したときに、穀粒排出筒体６９内に穀粒排出コンベヤ８の排出口部（投出口体６６）をコンパクトに内包できる。穀粒排出コンベヤ８の上下方向や左右方向に大きく張出すことなく、穀粒排出コンベヤ８の延長方向に穀粒排出筒体６９を収納できる。

　図４乃至図６に示す如く、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部に投出口体６６を設け、投出口体６６の排出口縁のうち穀粒排出上手側の排出口縁に筒体支点軸６８を配置し、穀粒排出筒体６９の穀粒受入れ側開口縁６９ｂのうち排出口シャッタ６９ａ近傍の穀粒受入れ側開口縁６９ｂを筒体支点軸６８にて回動可能に軸支し、投出口体６６の一部又は全部が被嵌された状態で、投出口体６６を配置した穀粒排出コンベヤ８の延長方向に、穀粒排出筒体６９の穀粒放出側開口６９ｃを移動可能に構成している。したがって、穀粒排出コンベヤ８の延長方向（穀粒送出方向）に穀粒排出筒体６９をコンパクトに収納できる。穀粒排出筒体６９の折畳み上下幅寸法、即ち穀粒排出筒体６９の収納状態で、穀粒排出コンベヤ８の下面側に穀粒排出筒体６９の下面側が突出する寸法を小さく形成でき、脱穀装置５の上面側カバー等に穀粒排出筒体６９の下面側が接触するのを防止できる。脱穀装置５の上面側カバー等に穀粒排出コンベヤ８を接近させて収納できる。コンバイン機体の上下幅寸法をコンパクトに形成できるから、運搬作業性や格納作業性を向上できる。

　次に、図４～図６を参照して、穀粒排出筒体６９が筒体支点軸６８を中心に回動して排出オーガ１４の先端の開閉を行う開閉構造について説明する。すなわち、図４に示すように、穀粒排出電動モータ７０は、前側排出オーガ筒１５ａの右外側面にボルト８１にて締結されており、前側排出オーガ筒１５ａの右外側面には、扇形の開閉ギヤ８２がギヤ支軸８３を介して回動可能に軸支されており、穀粒排出電動モータ７０の出力軸８４に出力ギヤ８５を介して開閉ギヤ８２を歯合させている。開閉ギヤ８２には、長さ調節可能なターンバックル付ロッド８６の一端側がピン軸８７にて連結されている。筒体支点軸６８に設けた開閉リンク８８にターンバックル付ロッド８６の他端側を連結している。穀粒排出電動モータ７０の正逆転操作によって穀粒排出筒体６９が開閉作動するように構成している。このように、穀粒排出筒体６９と穀粒排出電動モータ７０との間には出力軸８４や出力ギヤ８５や開閉ギヤ８２やターンバックル付ロッド８６や開閉リンク８８などの各種構成部材からなる連動機構Ｒが介設されている。

　図１０、図１４に示すように、排出オーガ１４や穀粒排出筒体６９の操作を行うための機器としては、運転部１０に設ける運転側開閉スイッチ９１及びタイマ設定器９２及びモード切換スイッチ９３と、穀粒排出コンベヤ８の送出終端部に設ける先端側開閉スイッチ９４と、コンピュータによって形成した穀粒排出コントローラ９５とを備える。穀粒排出コントローラ９５には、運転側開閉スイッチ９１及びタイマ設定器９２及びモード切換スイッチ９３と、先端側開閉スイッチ９４とを入力接続させている。また、穀粒排出コントローラ９５には穀粒排出電動モータ７０を出力接続させている。運転側開閉スイッチ９１の操作又は先端側開閉スイッチ９４の操作によって穀粒排出電動モータ７０を正転又は逆転作動させる。すなわち、タイマ設定器９２によって設定された時間だけ排出筒駆動用電動モータ７０を正転又は逆転作動させる。このように、モード切換スイッチ９３の操作によって、穀粒排出電動モータ７０が正転又は逆転作動して穀粒排出筒体６９が所定位置に所定姿勢で停止したり、穀粒排出電動モータ７０が繰返し正転又は逆転作動して穀粒排出筒体６９が所定範囲内（穀粒排出範囲内）で往復（首振り）揺動するように構成している。

　穀粒排出筒体６９は、上記のように構成されているので、穀粒排出コンベヤ８の延長方向（穀粒送出方向）に穀粒排出筒体６９をコンパクトに収納でき、しかも穀粒排出筒体６９の折畳み上下幅寸法、即ち穀粒排出筒体６９の収納状態で、穀粒排出コンベヤ８を構成する排出オーガ１４の下面側から突出する穀粒排出筒体６９の下面側の寸法を小さく形成できる。また、脱穀装置５の上面側カバー等に穀粒排出筒体６９の下面側が接触するのを防止できる。脱穀装置５の上面側カバー等に穀粒排出コンベヤ８の排出オーガ１４を接近させて収納できる。コンバイン１００の上下幅寸法をコンパクトに形成できることから、コンバイン１００の運搬作業性や格納作業性を向上できる。

　次に、図７を参照して、連動機構Ｒにおける摩擦機構Ｆについて説明する。穀粒排出筒体６９と穀粒排出電動モータ７０との間には各種構成部材からなる連動機構Ｒが介設されている。連動機構Ｒは、穀粒排出電動モータ７０から出力ギヤ８５、開閉ギヤ８２、ターンバックル付きロッド８６、開閉リンク８８、筒体支点軸６８を介して穀粒排出筒体６９に開閉動力を伝達するように構成されている。

　開閉ギヤ８２とターンバックル付きロッド８６との連結に関する連動機構Ｒを以下に説明する。連動機構Ｒの動力伝達過程において、図７に示すように、開閉ギヤ８２とターンバックル付きロッド８６との間に、摩擦機構Ｆを介設しており、摩擦機構Ｆは多板クラッチより構成している。具体的には、該ロッド８６の基端にピン軸８７を介して、長板状の連動リンク８２ａの先端を連設する。連動リンク８２ａの後端を開閉ギヤ８２のギヤ支軸８３に枢支することにより、ピン軸８７とギヤ支軸８３との間に連動リンク８２ａを介設している。

　また、開閉ギヤ８２は、ギヤ支軸８３を中心に回動可能に構成している。連動リンク８２ａのギヤ支軸８３周辺の支軸部分と開閉ギヤ８２のギヤ支軸８３周辺の支軸部分との間に、摩擦機構Ｆが介設されている。摩擦機構Ｆは、ギヤ支軸８３を支軸機構として開閉ギヤ８２に２枚の摩擦板８０１を当接し、２枚の摩擦板８０１の間に連動リンク８２ａを挾持し、連動リンク８２ａに当接した摩擦板８０１の外側には２枚の押え板８０２を配設し、２枚の押え板８０２の間に２枚の皿バネ８０３を介設し、最外側の押え板８０２の外側においては、ギヤ支軸８３端部にナット８０４を螺合させるように構成している。

　上記の構成により、ナット８０４を螺進することによって、皿バネ８０３の付勢力によって摩擦板８０１を介して開閉ギヤ８２と連動リンク８２ａが圧着される。従って、穀粒排出電動モータ７０の出力軸８４から回転動力を受けた開閉ギヤ８２は、圧着状態の摩擦板８０１の摩擦抵抗に抗して連動リンク８２ａに回転力を伝達し、連動リンク８２ａから連動機構Ｒを介して穀粒排出筒体６９へ回動力を伝達する。特に、穀粒排出電動モータ７０からの出力軸８４に設けた出力ギヤ８５の径を、これに噛合した開閉ギヤ８２の径よりも小さくしているので、小径の出力ギヤ８５からの回転力の伝達が減速される。また、大径の開閉ギヤ８２からの回転力の伝達が増速される。すなわち、穀粒排出電動モータ７０からの出力ギヤ８５は小さな回転伝達力ｆ１で開閉ギヤ８２を回転でき、小さな回転伝達力ｆ１で出力ギヤ８５の回転を摩擦機構Ｆを介して連動リンク８２ａに伝達できる。

　これに対し、反対方向からの動力伝達、すなわち、大径の開閉ギヤ８２からの回転力の伝達は増速される。その結果、連動リンク８２ａから摩擦機構Ｆを介して開閉ギヤ８２に伝達され、開閉ギヤ８２から出力ギヤ８５に伝達される動力は、小径の出力ギヤ８５からの回転力の伝達に比べ、前記大きな回転伝達力ｆ２を要する。すなわち、摩擦機構Ｆの摩擦応力ｆを前記小さな回転伝達力ｆ１よりも大とし、前記大きな回転伝達力ｆ２よりも小に調整しておくことによって、出力ギヤ８５から開閉ギヤ８２、摩擦機構Ｆ、連動リンク８２ａへの動力は小さな回転力でも充分に伝達される。他方、前記大きな回転伝達力ｆ２以上の衝撃応力が穀粒排出筒体６９から連動リンク８２ａにかかった場合は、摩擦機構Ｆは、摩擦応力ｆが前記大きな回転伝達力ｆ２よりも小のため、摩擦板８０１は滑動して連動リンク８２ａと開閉ギヤ８２との動力伝達は切断される。

　従って、穀粒排出筒体６９に物や作穀が当接して穀粒排出筒体６９に不用意な負荷がかかってもこの負荷は、連動機構Ｒの中途に介設した摩擦機構Ｆによって吸収されて、出力ギヤ８５、出力軸８４から穀粒排出電動モータ７０に伝達されることはなく、穀粒排出電動モータ７０への異常な負荷伝達を防止し、連動機構の安全性を向上することができる。なお、穀粒排出筒体６９が衝撃により一旦変形回動した場合は、上記のようにその回動動力は摩擦機構Ｆにより吸収されるが変形回動した穀粒排出筒体６９は、作業員が手動で元の位置に復元することにより、その後の自動操作制御、手動操作制御に支障とならないようにする。

　次に、図１０を参照して、穀粒排出コンベヤ８の移動操作又は駆動制御操作のスイッチ類を設ける操作盤Ｙについて説明する。操作盤Ｙは、運転部１０や穀粒排出コンベヤ８の終端近傍位置に設けた支持ホルダ（図示省略）に配設したり、作業者が携帯可能に構成している。図１０に示すように、操作盤Ｙには、上段部・中段部・下段部の三段に分けてスイッチ類を適宜配設している。操作盤Ｙの上段部に、排出オーガ１４のオートセット及びオートリターン、すなわちオート運転操作に関する各操作スイッチを設ける。自動収納スイッチＹ１１（「前」表示ボタン）は、上段部の上位に配設される。自動右旋回スイッチＹ１２（「右」表示ボタン）は、上段部の中位に配設される。自動後旋回スイッチＹ１３（「後」表示ボタン）は、上段部の下位に配設される。また、最下位には、オーガクラッチ２５の断続を操作するオーガクラッチスイッチＹ１４（「クラッチ」表示ボタン）が配設される。

　操作盤Ｙの中段部に、排出オーガ１４の手動操作による旋回又は昇降に関する各操作スイッチを設ける。図１０に示すように、中段部の略中央には、上位には上昇スイッチＹ２１（「上」表示ボタン）、中位には左旋回スイッチＹ２２（「左」表示ボタン）と右旋回スイッチＹ２３（「右」表示ボタン）、下位には降下スイッチＹ２４（「下」表示ボタン）が配設される。また、操作盤Ｙの下段部に、穀粒排出筒体６９の開閉作動するための各操作スイッチを有する。図１０に示すように、下段部の略中央には、左側に開スイッチＹ３１（「セット」表示ボタン）、右側に閉スイッチＹ３２（「リターン」表示ボタン）がそれぞれ配設される。

　以下に、手動操作による排出オーガ１４及び穀粒排出筒体６９の作動に関して説明する。まず、手動操作による排出オーガ１４及び穀粒排出筒体６９の穀粒排出位置までの変位について説明する。上昇スイッチＹ２１を押すことによって、排出オーガ１４は、機体上側方のオーガスタンド１８から仰角４５度の角度まで上昇する。次に、例えば、コンバインのグレンタンク７から排出する穀粒を受け止めるために、トラック荷台やコンテナなどが走行機体１の右側に配置されている場合、右旋回スイッチＹ２３を押すことによって、仰角４５度の角度まで上昇した排出オーガ１４は、右旋回することとなり、走行機体１の右側まで変位する。即ち、走行機体１の右側に配置されたトラック荷台やコンテナなどの穀粒排出位置の上方に、排出オーガ１４を変位させる。

　そして、穀粒排出位置の上方に排出オーガ１４が変位したことを作業者が確認した後、穀粒排出筒体６９の回動を操作する開スイッチＹ３１を押すことによって、真横を向いた姿勢（傾斜角度０度）の穀粒排出筒体６９が回動して、真下方向を向いた姿勢（傾斜角度が９０度の位置まで）に変位する。なお、穀粒排出筒体６９が傾斜角度０度から９０度の間を回動中に、穀粒排出筒体６９の回動を操作する閉スイッチＹ３２を押すことにより、穀粒排出筒体６９を傾斜角度０度から９０度の間での所望の位置で停止させることができる。

　また、穀粒排出筒体６９の変位位置を更に調整したい場合には、再度、開スイッチＹ３１を押すか、閉スイッチＹ３２を押すことによって穀粒排出筒体６９を更に回動させて所望の傾斜角度に変位できる。例えば、穀粒排出筒体６９が傾斜角度９０度の位置に支持されたときに、開スイッチＹ３１を押すことによって、穀粒排出筒体６９は傾斜角度９０度から１２５度までの間に変位させることができる。逆に、穀粒排出筒体６９が傾斜角度９０度の位置に支持されたときに、閉スイッチＹ３２を押すことによって、穀粒排出筒体６９は傾斜角度６５度から９０度の間の所望の位置に変位させることができる。

　なお、穀粒排出筒体６９が傾斜角度０度から６５度の間、或いは傾斜角度１２５度を越える位置に支持されている場合、作業者がオーガクラッチスイッチＹ１４をＯＮ操作しても、オーガクラッチスイッチＹ１４からＯＮ出力されないから、オーガクラッチ２５をＯＮにすることができない。即ち、穀粒排出筒体６９の傾斜角度が、初期設定された所定傾斜角度以外のときには、オーガクラッチスイッチＹ１４のＯＮ操作によって、オーガクラッチ２５は接続作動しないから、エンジン２０に排出オーガ１４が連動連結されず、排出オーガ１４が停止状態に維持される。

　また、穀粒排出筒体６９が傾斜角度６５度から１２５度の位置にある場合には、オーガクラッチスイッチＹ１４をＯＮにすることができる。オーガクラッチスイッチＹ１４を押すことによって、オーガクラッチ２５が入り、穀粒排出コンベヤ８が作動し、グレンタンク７に貯留された穀粒を機体外のトラックの荷台やコンテナ等に排出する。グレンタンク７内の穀粒が排出されたとき、オーガクラッチスイッチＹ１４を再度押すことにより、オーガクラッチ２５が切れ、穀粒排出コンベヤ８の作動が停止する。

　次に、手動操作によって排出オーガ１４及び穀粒排出筒体６９が収納位置に戻るまでの変位について説明する。例えば、排出オーガ１４が走行機体１の右側に位置している場合、左旋回スイッチＹ２２を押すことによって、排出オーガ１４が左旋回して、脱穀装置５の上側方に設けられたオーガスタンド１８（収納位置）の上方に排出オーガ１４が移動する。なお、オーガスタンド１８位置に向けて変位させる排出オーガ１４の移動に際し、排出オーガ１４の仰角の角度及び穀粒排出筒体６９の傾斜角度は、穀粒排出作業時の傾斜角度に維持される。

　また、作業者が、オーガスタンド１８の上方位置（収納位置）に排出オーガ１４が変位したことを確認して、閉スイッチＹ３２を押すことによって、穀粒排出筒体６９の傾斜角度が６５度から１２５度の間のいずれかの位置に変位しているときに、排出オーガ１４と軸線を同一とする水平状態（傾斜角度０度の位置）に穀粒排出筒体６９を戻す。即ち、排出オーガ１４の延長線上に穀粒排出筒体６９が収納される。さらに、降下スイッチＹ２４を押すことによって、排出オーガ１４が下降してオーガスタンド１８に収納される。

　次に、オートセット及びオートリターン、すなわちオート運転操作による排出オーガ１４及び穀粒排出筒体６９の作動に関して説明する。まず、オートセットについて説明する。例えば、自動右旋回スイッチＹ１２を押すことによって、オーガスタンド１８から自動的に仰角４５度の角度まで排出オーガ１４が上昇する。次いで、排出オーガ１４が右旋回して走行機体１の右側の穀粒排出位置に移動する。なお、自動後旋回スイッチＹ１３を押した場合には、走行機体１の後側穀粒排出位置に排出オーガ１４が移動する。

　そして、穀粒排出筒体６９は傾斜角度が９０度まで自動的に回動して、真下方向を向いた姿勢に移行する。なお、閉スイッチＹ３２を押すことによって、傾斜角度が６５度から９０度の間における所望の位置で、穀粒排出筒体６９の自動回動を中止できる。また、オーガクラッチスイッチＹ１４を押すことによって、オーガクラッチ２５が入って穀粒排出コンベヤ８が作動し、グレンタンク７内の穀粒がトラックの荷台やコンテナ等に排出される。グレンタンク７内の穀粒が排出された後、オーガクラッチスイッチＹ１４を再度押すことにより、オーガクラッチ２５が切れ、穀粒排出コンベヤ８の作動が停止する。

　次に、オートリターンについて説明する。グレンタンク７内の穀粒の排出が終了した後、操作盤Ｙの上段部に設けられた自動収納スイッチＹ１１を押すことによって、排出オーガ１４は、上下方向に自動的に変位して、仰角４５度の姿勢に移行する。排出オーガ１４が、走行機体１の右側又は後側の穀粒排出位置から、オーガスタンド１８（収納位置）の上方域に向けて自動的に旋回する。なお、オーガスタンド１８に向けて排出オーガ１４が移動するとき、穀粒排出筒体６９の傾斜角度は、穀粒排出作業時の傾斜角度に維持される。

　また、オーガクラッチスイッチＹ１４を再度押すことなく自動収納スイッチＹ１１を押した場合、換言すると、オーガクラッチ２５が接続作動している状態で自動収納スイッチＹ１１を押した場合、オーガクラッチ２５が自動的に切れてから、仰角４５度の位置まで排出オーガ１４が自動的に変位して、走行機体１の右側又は後側の変位位置から、オーガスタンド１８の収納域まで自動的に移動する。オーガスタンド１８の収納域に排出オーガ１４が戻ったとき、排出オーガ１４と軸線を同一とする水平状態（傾斜角度０度）に穀粒排出筒体６９が自動的に回動する。そして、穀粒排出筒体６９が水平状態に復動したときに、排出オーガ１４が下降してオーガスタンド１８に収納される。

　次に、穀粒排出筒体６９の回動と、オーガクラッチ２５の入り切りとの関係を説明する。穀粒排出電動モータ７０の正転（逆転）作動によって、筒体支点軸６８を中心に、水平状態乃至下向き状態に穀粒排出筒体６９を回動させる用に構成している。所定回動角度（傾斜角度）以外の姿勢に穀粒排出筒体６９が支持されているとき、オーガクラッチ２５が入り操作されても、オーガクラッチ２５が接続作動しないように制御される。即ち、排出オーガ１４が穀粒排出作動しないように、オーガクラッチ２５の動力切断動作が維持される。

　穀粒排出筒体６９は、排出オーガ１４と軸線を同一とする水平状態では傾斜角度を０度とし、筒体支点軸６８を中心に下方へ回動して真下方向を向いた状態では傾斜角度を９０度とし、この９０度を中心に通常の穀粒排出の許容傾斜角度を６５度から１２５度としている。すなわち、穀粒排出筒体６９は、グレンタンク７内の穀粒を排出オーガ１４からトラック荷台やコンテナ等に受渡すときに、６５度から１２５度の傾斜角度（以下、この傾斜角度範囲を「許容傾斜角度α」という）の範囲で穀粒排出筒体６９を回動させ、受渡し状況に応じて穀粒排出筒体６９の穀粒排出方向を調節するように構成されている。

　例えば、６５度乃至１２５度の許容傾斜角度αの範囲内に穀粒排出筒体６９が回動するように、タイマ設定器９２の初期設定値を設定して、この許容傾斜角度α以外の範囲に穀粒排出筒体６９が回動したときには、接続作動中のオーガクラッチ２５が切り作動するように構成している。排出オーガ１４から想定外の方向に穀粒が排出されるのを防止できる。なお、許容傾斜角度α以外の傾斜角度としては、６５度以下、１２５度以上に設定したが、必ずしもこの角度に限定されるものではない。また、許容傾斜角度α以外の傾斜角度に穀粒排出筒体６９が支持されていても、クラッチ手動操作手段（例えば操作盤Ｙの開スイッチＹ３１）によってオーガクラッチ２５を強制的にオンにして、排出オーガ１４から穀粒を強制的に排出して、排出オーガ１４のメンテナンス作業などを実行できる。

　さらに、前記操作盤Ｙ上の各種スイッチによって、自動操作手段と手動操作手段とに区分し、排出オーガ１４又は穀粒排出筒体６９を操作するように構成している。手動操作手段による排出オーガ１４又は穀粒排出筒体６９の回動速度は、自動操作手段による排出オーガ１４又は穀粒排出筒体６９の回動速度よりも遅く設定されている。手動操作手段による回動速度は、作業者の操作感覚に追従して、排出オーガ１４又は穀粒排出筒体６９が回動するように設定されるのが望ましい。一方、自動操作手段による回動速度は、排出オーガ１４又は穀粒排出筒体６９を俊敏に回動させて、排出オーガ１４又は穀粒排出筒体６９を回動させるための自動制御動作の応答性を向上させるのが望ましい。

　自動操作手段としては、操作盤Ｙの上段部に自動右旋回スイッチＹ１２と自動後旋回スイッチＹ１３と自動収納スイッチＹ１１が設けられている。自動右旋回スイッチＹ１２を押すことによって、オーガスタンド１８から自動的に仰角４５度の角度まで排出オーガ１４が上昇した後、右旋回して走行機体１の右側まで移動する。また、自動後旋回スイッチＹ１３を押すことによって、排出オーガ１４は走行機体１の後側まで移動する。そして、走行機体１の右側又は後側まで排出オーガ１４が移動することによって、穀粒排出筒体６９が自動的に回動して、９０度の真下方向を向く姿勢に穀粒排出筒体６９が支持される。なお、閉スイッチＹ３２を手動操作することによって、傾斜角度を６５度から９０度の間の所望の位置で穀粒排出筒体６９を止めることができる。

　また、グレンタンク７内の穀粒の排出が終了したとき、自動収納スイッチＹ１１を押すことによって、排出オーガ１４は、上下動して仰角４５度に支持され、走行機体１の右側又は後側の穀粒排出位置からオーガスタンド１８の収納位置の上方に向けて自動的に旋回する。排出オーガ１４が収納位置の上方に戻った後、穀粒排出筒体６９は水平姿勢（収納状態）に自動的に回動し、次いで排出オーガ１４が下降してオーガスタンド１８に収納される。

　手動操作手段としては、操作盤Ｙの中段部に排出オーガ１４を上昇するための上昇スイッチＹ２１、左右旋回スイッチＹ２２、Ｙ２３、降下スイッチＹ２４とをそれぞれ設け、操作盤Ｙの下段部に開スイッチＹ３１と閉スイッチＹ３２とをそれぞれ設けている。手動操作手段の上昇スイッチＹ２１を押すと、排出オーガ１４が上昇する。右旋回スイッチＹ２３を押すと、排出オーガ１４が右旋回する。閉スイッチＹ３２を押すと、穀粒排出筒体６９は９０度の真下を向いた姿勢に移行する。そして、閉スイッチＹ３２を押すと、穀粒排出筒体６９が傾斜０度から９０度の間の所望位置で停止する。再度、開スイッチＹ３１を押すか、閉スイッチＹ３２を押した場合、穀粒排出筒体６９が更に回動して所定の傾斜角度に移行する。

　前記手動操作手段の各種スイッチを操作することにより、オーガ旋回用電動モータ１６や穀粒排出電動モータ７０を駆動するが、手動操作手段によるかかるモータ関係を駆動する際に、インバータ（オーガ旋回用インバータ７１ａ及び排出筒駆動用インバータ７２ａ）を介して、オーガ旋回用電動モータ１６や穀粒排出電動モータ７０の回転数を制御して自動操作手段によるモータ関係の回転速度を遅くしている。

　なお、図１４に示す如く、オーガ旋回用電動モータ１６の回転速度を制御するオーガ旋回用インバータ７１ａと、穀粒排出電動モータ７０の回転速度を制御する排出筒駆動用インバータ７２ａを設ける。コンバインの所定箇所（例えば運転部１０の後方）に設けられた穀粒排出コントローラ９５によって、オーガ旋回用インバータ７１ａ及び前記排出筒駆動用インバータ７２ａが制御される。

　そして、オートリターン（自動操作）が選択された場合、穀粒排出コントローラ９５は、オーガ旋回用インバータ７１ａを介して、オーガ旋回用電動モータ１６を回転速度Ｖ１で回転させ、排出オーガ１４を走行機体１の右側まで自動的に変位させる。排出オーガ１４の変位後、穀粒排出コントローラ９５は、排出筒駆動用インバータ７２ａを介して穀粒排出電動モータ７０を回転速度Ｖ２で回転させ、穀粒排出筒体６９を６５度以上１２５度未満の傾斜角度の範囲内に自動的に回動させる。

　一方、手動操作が選択された場合、前記手動操作ボタンの選択時（ボタンの長押し時）において、穀粒排出コントローラ９５は、オーガ旋回用インバータ７１ａを介して、オーガ旋回用電動モータ１６を回転速度Ｖ３で回転させ、排出オーガ１４を走行機体１の排出箇所まで変位させる。排出オーガ１４の変位後、穀粒排出コントローラ９５は、手動操作の選択時において、排出筒駆動用インバータ７２ａを介して回転速度Ｖ４で回転させ、穀粒排出筒体６９を所望の角度に回動させる。

　そして、前記したオーガ旋回用電動モータ１６は、手動操作時での回転速度Ｖ３を自動操作時での回転速度Ｖ１よりも遅くしている。また、穀粒排出筒体６９の穀粒排出電動モータ７０は、手動操作時での回転速度Ｖ４を自動操作時での回転速度Ｖ２よりも遅くしている。

　このようにして、自動操作手段による操作を選択することで、排出オーガ１４を速やかに排出箇所まで回転速度Ｖ１で回転駆動させ、穀粒排出筒体６９も自動的に回転速度Ｖ２で回転駆動させて、グレンタンク７内の穀粒を排出できる。また、穀粒の排出箇所を任意に設定する場合には、手動操作手段による操作を行い、排出オーガ１４の回転速度Ｖ３を自動操作手段による操作時の回転速度Ｖ１よりも遅くすることで、作業者が望む排出箇所に排出オーガ１４を容易に移動できる。なお、手動制御操作による排出操作中に何らかのアクシデントが生じても穀粒排出筒体６９の回動速度が遅いため正常な排出方向に修正でき、穀粒の排出を適確に行うことができる。

　次に、穀粒排出コンベヤ８と穀粒排出筒体６９との収納制御を説明する。穀粒排出コンベヤ８は、穀粒排出時はその基端の枢支部ｍにおいて、オーガ昇降用油圧シリンダ１７を作動させて先端を斜め上方に上昇させた後、オーガ旋回用電動モータ１６を作動させて回動し、先端に連設した穀粒排出筒体６９を機体外のトラック荷台等の上方まで移動させる。その後、穀粒排出筒体６９を下方に回動して下方を向いた所定の角度にし、穀粒を排出する。

　穀粒排出が終了して、穀粒排出コンベヤ８をオーガスタンド１８の上方に載置収納するに際しては、まず、穀粒排出筒体６９を穀粒排出状態（下方回動状態）に支持しながら、オーガ旋回用電動モータ１６を作動させて、穀粒排出コンベヤ８を回動して、オーガスタンド１８の上方の収納位置に移動させる。このとき、穀粒排出コンベヤ８の先端の穀粒排出筒体６９は、下方回動状態から上方回動させて収納できる。なお、オート操作においては、排出オーガ１４が収納位置の上方に復動したときに、穀粒排出筒体６９が上方回動して収納される。

　以上のように、排出オーガ１４の変位動作と穀粒排出筒体６９の収納動作との関連制御を行う。すなわち、穀粒排出筒体６９が収納動作をする場合には、基本的に排出オーガ１４が、オーガスタンド１８を設けた機体上面のオーガ収納範囲内に位置していることを条件とし、穀粒排出筒体６９は水平状態に収納回動するものであり、このように制御することにより、オーガスタンド１８を設けた機体上面のオーガ収納範囲外にある物や作業員に穀粒排出筒体６９が当接しないようにして物や作業員に損傷を与えるのを防止したり、穀粒排出筒体６９自体の故障や損傷を低減できる。

　以下、図１１～図１３に示すフローチャートに基づいて、排出オーガ１４の変位動作と穀粒排出筒体６９の収納動作について説明する。排出オーガ１４が機体上面のオーガ収納範囲内において、しかも上昇した位置状態にある場合に、穀粒排出筒体６９が上方回動の収納動作を開始する。すなわち、穀粒排出筒体６９が収納動作を開始する条件として排出オーガ１４が機体上面のオーガ収納範囲内に位置していることを条件としている。従って、穀粒排出を終了して穀粒排出筒体６９を収納する場合には、通常は、運転側開閉スイッチ９１のオン操作、すなわち操作盤Ｙの下段部の閉スイッチＹ３２を操作することにより、穀粒排出電動モータ７０を逆回転して穀粒排出筒体６９を閉位置、すなわち収納位置に変位する。

　しかし、この関連制御においては、まず排出オーガ１４を操作する。すなわち、運転部１０の操作盤Ｙにおいて、操作盤Ｙの中段部に配設した各操作スイッチのうちの左旋回スイッチＹ２２を操作する（Ｓ１）。左旋回スイッチＹ２２を操作することにより、オーガ旋回用電動モータ１６が作動して、機体上面のオーガ収納範囲外において穀粒排出作業をしていた排出オーガ１４を左旋回させて機体上面のオーガ収納範囲内に変位する（Ｓ２）。

　そして、オーガ旋回用電動モータ１６に連設したポテンショメータ９６により、該モータ１６の回転量を検知し、排出オーガ１４の変位状態を検知した検知信号を穀粒排出筒体６９を回動作動させる穀粒排出電動モータ７０の閉スイッチＹ３２に伝達する（Ｓ３）。すなわち、穀粒排出筒体６９回動用の穀粒排出電動モータ７０を逆転させるための閉スイッチＹ３２に排出オーガ１４の変位状態を検知した検知信号を送り、閉スイッチＹ３２が有効に作動する。

　閉スイッチＹ３２を操作すると穀粒排出筒体６９が収納作動し（Ｓ４）、その後は、降下スイッチＹ２４の操作をすることにより（Ｓ５）、排出オーガ１４はオーガスタンド１８上に降下して収納されることになる（Ｓ６）。このように、穀粒排出筒体６９を回動するための操作盤Ｙ上の閉スイッチＹ３２は、機体上面のオーガ収納範囲内での穀粒排出筒体６９の変位状態を検知しない限り作動しない。換言すれば、機体上面のオーガ収納範囲内での穀粒排出筒体６９の変位状態を検知しない限り、操作盤Ｙ上の閉スイッチＹ３２は穀粒排出電動モータ７０の閉駆動をしないように構成している。

　排出オーガ１４がオーガ旋回用電動モータ１６により機体上面のオーガ収納範囲内で、不使用時の収納位置に変位し、しかもオーガ昇降用油圧シリンダ１７によって不使用時の収納位置から上昇した位置状態にある場合に、穀粒排出筒体６９が収納動作を開始する。前項では、排出オーガ１４が機体上面のオーガ収納範囲内のどこの位置に変位しても穀粒排出筒体６９の収納動作が開始できるようにしたが、本項では、図１２に示すように、排出オーガ１４が更に、不使用時の収納位置にあって、かつ、上昇した位置にある場合（Ｓ１２）、穀粒排出筒体６９の収納動作を開始する（Ｓ１４）。

　従って、排出オーガ１４の左旋回スイッチＹ２２を操作し（Ｓ１１）、オーガ旋回用電動モータ１６の回転量をポテンショメータ９６により計測し、排出オーガ１４がオーガスタンド１８（不使用時収納位置）に変位したことを検知した場合に（Ｓ１２）、その検知信号を穀粒排出筒体６９回動用の穀粒排出電動モータ７０、すなわち穀粒排出電動モータ７０を閉駆動操作するための閉スイッチＹ３２に伝達する。閉スイッチＹ３２に排出オーガ１４の変位状態を検知した信号を送信すると閉スイッチＹ３２は有効に操作可能となり、閉スイッチＹ３２の操作により（Ｓ１３）、穀粒排出筒体６９は水平回動して収納状態（Ｓ１４）となり、その後、排出オーガ１４の降下スイッチＹ２４の操作をし（Ｓ１５）、排出オーガ１４の降下収納がなされる（Ｓ１６）。

　穀粒排出筒体６９の操作開始と同時に、排出オーガ１４は、自動的に不使用時の収納位置に戻り、その時点で穀粒排出筒体６９が収納動作を行い、その後排出オーガ１４は降下するように制御する。穀粒排出筒体６９を穀粒排出電動モータ７０を介して水平状態、すなわち収納位置状態に回動するように操作盤Ｙ上の閉スイッチＹ３２の操作を開始する（Ｓ２１）と、かかる収納操作と同時に排出オーガ１４はオーガ旋回用電動モータ１６によって不使用時の収納位置に旋回を開始して（Ｓ２２）、不使用時の収納位置に達する（２３）。この時点では、穀粒排出筒体６９は、収納動作を開始し水平に回動して収納動作を完了する（Ｓ２４）。その後オーガ昇降用油圧シリンダ１７により、降下動作を行い、オーガスタンド１８に収納される（Ｓ２５）。

　すなわち、閉スイッチＹ３２を操作する（Ｓ２１）と、スイッチ操作開始の信号がオーガ旋回用電動モータ１６の左旋回スイッチＹ２２及びオーガ昇降用油圧シリンダ１７の降下スイッチＹ２４に送信され、スイッチＯＮして排出オーガ１４は機体上面のオーガ収納範囲上方でオーガスタンド１８の収納位置上方にまで旋回を開始し（Ｓ２２）、かつ降下作動して収納状態となる（Ｓ２５）。

　穀粒排出筒体６９の収納動作開始操作（Ｓ２１）と同時に、排出オーガ１４が旋回して（Ｓ２２）降下作動する（Ｓ２５）ものであるため、少なくとも穀粒排出筒体６９は、排出オーガ１４の旋回後に収納動作を開始し、排出オーガ１４が収納位置上方に来たとき（Ｓ２３）には、穀粒排出筒体６９の収納を開始して収納を完了（Ｓ２４）する。なお、緊急事態発生として作業者に警告するための報知手段を設けている。報知手段７５としては、図１４に示すように、運転席２９の操作盤Ｙ上で警報ランプ７７の点灯させたり、運転席２９に設けたブザー７８を鳴らす。また、点検作業員が緊急事態の原因の究明と補修のための各種作業が行える緊急回避操作機構７６を設けている。点検作業員は手動で穀粒排出筒体６９や排出オーガ１４のケース部分を手動で開蓋して内部点検をし、緊急事態の原因究明を行い可能な補修作業を行う。

　図１５に示すように、穀粒排出電動モータ７０の穀粒排出制御は次のように実行される。即ち、タイマ設定器９２のタイマ設定値が読込まれ（Ｓ４１）、運転部１０のオペレータによって操作盤Ｙの運転側開閉スイッチ９１がオン操作され（Ｓ４２）、穀粒排出電動モータ７０が正回転したときに、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０が正回転動作し、その結果、図６に示すように、穀粒排出筒体６９が閉位置Ａから斜め前方位置Ｂに移行し、穀粒排出コンベヤ８の穀粒送り方向で斜め前方に向けて穀粒排出筒体６９から穀粒が排出される。なお、穀粒排出電動モータ７０の穀粒排出制御は、図示しないトラックの荷台又はコンテナの上方に穀粒排出筒体６９を支持している状態で実行される。

　また、運転側開閉スイッチ９１のオン操作によって、穀粒排出電動モータ７０が再び正回転したとき（Ｓ４３）に、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０がさらに正回転動作し、穀粒排出筒体６９が斜め前方位置Ｂから下向き位置Ｃに移行し、穀粒排出コンベヤ８の穀粒送り方向と直交する下向き方向に穀粒排出筒体６９から穀粒が排出される。

　さらに、運転側開閉スイッチ９１のオン操作によって、穀粒排出電動モータ７０が再び正回転したとき（Ｓ４３）に、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０がさらに正回転動作し、穀粒排出筒体６９が下向き位置Ｃから斜め後方位置Ｄに移行し、穀粒排出コンベヤ８の穀粒送り方向で斜め後方に向けて穀粒排出筒体６９から穀粒が排出される。

　即ち、穀粒排出電動モータ７０が開動する運転側開閉スイッチ９１のオン操作回数によって、穀粒排出筒体６９が、閉位置Ａから斜め前方位置Ｂに移行し、斜め前方位置Ｂから下向き位置Ｃに移行し、下向き位置Ｃから斜め後方位置Ｄに移行することによって、穀粒排出筒体６９から穀粒が広範囲にばら撒かれるように排出される。

　一方、運転側開閉スイッチ９１のオン操作によって、穀粒排出電動モータ７０が逆回転したとき（Ｓ４５）に、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０が逆回転動作し、穀粒排出筒体６９が斜め後方位置Ｄから下向き位置Ｃに移行する。また、運転側開閉スイッチ９１のオン操作によって、穀粒排出電動モータ７０が再び逆回転したときに、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０がさらに逆回転動作し、穀粒排出筒体６９が下向き位置Ｃから斜め前方位置Ｂに移行する。さらに、運転側開閉スイッチ９１のオン操作によって、穀粒排出電動モータ７０が再び逆回転したときに、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０が再び逆回転動作し（Ｓ４６）、穀粒排出筒体６９が斜め前方位置Ｂから閉位置Ａに移行し、穀粒の排出作業を終了する。

　他方、運転側開閉スイッチ９１のオン操作と同様に、先端側開閉スイッチ９４のオン操作（Ｓ４９）によって、穀粒排出電動モータ７０が正回転し（Ｓ５０）、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０が正回転動作した場合（Ｓ５１）、穀粒排出筒体６９が、閉位置Ａから斜め前方位置Ｂに移行したり、斜め前方位置Ｂから下向き位置Ｃに移行したり、下向き位置Ｃから斜め後方位置Ｄに移行し、穀粒排出筒体６９から穀粒が広範囲にばら撒かれるように排出される。また、穀粒排出電動モータ７０が逆回転し（Ｓ５２）、タイマ設定器９２のタイマ設定値に基づき設定時間だけ穀粒排出電動モータ７０が逆回転動作した場合（Ｓ５３）、穀粒排出筒体６９が、斜め後方位置Ｄから下向き位置Ｃに移行したり、下向き位置Ｃから斜め前方位Ｂに移行したり、斜め前方位置Ｂから閉位置Ａに移行し、穀粒の排出作業を終了する。

　また、運転側開閉スイッチ９１とモード切換スイッチ９３がオン操作された場合（Ｓ４７）、穀粒排出電動モータ７０の正回転と逆回転の各動作が連続的に繰返し行われる（Ｓ４８）。即ち、穀粒排出筒体６９が、斜め前方位置Ｂと斜め後方位置Ｄとの間を往復するように揺動し、図示しないトラックの荷台又はコンテナ等の内部に穀粒排出筒体６９から穀粒が広範囲にばら撒かれるように排出される。

　そして、穀粒排出筒コントローラ９５は、穀粒排出筒体６９の回動による傾斜角度が許容傾斜角度α以外にあるか否かを検出する（Ｓ５４）。穀粒排出筒体６９の回動による傾斜角度が許容傾斜角度α以外にあるときは、オーガクラッチスイッチＹ１４を操作してもオーガクラッチ２５が接続作動しないようにしている（Ｓ５５）。このようにして、穀粒の排出穀粒が予定外の方向に飛散することを防止している。

　図４～図６に示すように、穀粒排出操作体を穀粒排出電動モータ７０によって形成し、穀粒排出電動モータ７０の作動時間によって穀粒排出筒体６９の開閉動作位置を設定し、穀粒排出電動モータ７０によって穀粒排出筒体６９を開閉可能に構成している。このようにタイマ設定値による穀粒排出筒体６９の開閉角度の制御を行うことにより、穀粒排出筒体６９の開閉位置を検知して穀粒排出筒体６９の回動角度を検出する必要がなく、前記穀粒排出筒体６９の開閉位置検出のためのリミットスイッチやスイッチ配線設備としてのハーネス等が不要になり、穀粒排出筒体６９の回動位置を制御するための穀粒排出電動モータ７０の制御構造を簡単に構成でき、またハーネス等の設置数を低減して穀粒排出電動モータ７０等の組立作業性やメンテナンス作業性を向上できる。

１走行機体
３刈取装置
５脱穀装置
７グレンタンク
８穀粒排出コンベヤ
２０エンジン
６６投出口体
６８筒体支点軸
６９穀粒排出筒体
６９ａ排出口シャッタ
７０穀粒排出電動モータ（穀粒排出操作体）

Claims

　エンジンを搭載した走行機体と、刈取装置及び脱穀装置と、前記脱穀装置からの穀粒を溜めるグレンタンクと、前記グレンタンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤとを備えるコンバインにおいて、
　前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して回動可能に支持する穀粒排出筒体と、前記穀粒排出筒体を穀粒排出姿勢と穀粒非排出姿勢とに移動させる穀粒排出操作体とを備え、
　前記穀粒排出筒体の一部によって排出口シャッタを形成し、穀粒非排出姿勢に前記穀粒排出筒体が支持されているときに、前記排出口シャッタによって、前記穀粒排出コンベヤの送出終端部の排出口を閉塞可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
　前記穀粒排出コンベヤの排出口縁のうち穀粒排出上手側の排出口縁に前記筒体支点軸を配置し、前記穀粒排出筒体の穀粒受入れ側開口縁のうち前記排出口シャッタ近傍の穀粒受入れ側開口縁を前記筒体支点軸にて回動可能に軸支するように構成したことを特徴とする請求項１に記載のコンバイン。
　前記穀粒排出操作体を穀粒排出電動モータによって形成し、前記穀粒排出電動モータの作動時間によって前記穀粒排出筒体の開閉動作位置を設定し、前記穀粒排出電動モータによって前記穀粒排出操作体を開閉可能に構成したことを特徴とする請求項１に記載のコンバイン。
　スイッチのオンオフ操作によって前記穀粒排出コンベヤが作動するオーガクラッチを具備した構造であって、前記穀粒排出コンベヤを形成する排出オーガ筒の穀粒送出終端側に、筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体を下方に回動することによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部が開放されて穀粒を排出するように構成し、前記穀粒排出筒体が前記排出オーガ筒と軸線を略同じくする収納位置に支持されたときに、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部が前記穀粒排出筒体によって閉塞されるように構成する一方、前記穀粒排出筒体が下向きの所定角度以外に支持されているとき、前記穀粒排出コンベヤを作動させる前記スイッチの操作によって、前記オーガクラッチが作動しないように構成した請求項１に記載のコンバイン。
　前記走行機体の上方に前記穀粒排出コンベヤを回動及び昇降自在に設け、穀粒を排出する前記穀粒排出コンベヤの穀粒送出終端側の開口部を移動可能に構成し、不使用時の前記穀粒排出コンベヤは機体上方側の穀粒非排出位置に収納可能に構成した構造であって、前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出コンベヤが前記穀粒非排出位置で上昇した箇所に支持されたときに、穀粒排出筒体の出口側が上方回動する収納動作を開始するように構成したことを特徴とする請求項１に記載のコンバイン。
　前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体の出口側を上下方に回動させることによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部を開閉するように構成する一方、前記穀粒排出筒体の上下方の回動操作を自動制御操作にて行う自動操作手段と、前記穀粒排出筒体の上下方の回動操作を手動制御操作にて行う手動操作手段とを設け、前記自動操作手段による前記穀粒排出筒体の回動速度に比べ、前記手動操作手段による前記穀粒排出筒体の回動速度を遅くするように構成したことを特徴とする請求項１に記載のコンバイン。
　前記穀粒排出コンベヤの排出オーガ筒の穀粒送出終端側に筒体支点軸を介して穀粒排出筒体を回動自在に連設し、前記穀粒排出筒体を回動させる前記穀粒排出操作体としての穀粒排出電動モータを備え、前記穀粒排出電動モータの出力軸と前記穀粒排出筒体との間に連動機構を介設し、前記連動機構を介して前記穀粒排出筒体を上下方に回動することによって、前記排出オーガ筒の穀粒送出終端側の開口部を開閉するように構成する一方、前記連動機構の回動箇所に摩擦機構を設けて、前記穀粒排出筒体にかかる外部からの負荷が前記摩擦機構に吸収されるように構成したことを特徴とする請求項１に記載のコンバイン。