JP5822580B2 - コンバインの穀粒回収部構造 - Google Patents
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Description
伝動機構は、例えば、駆動系からの駆動力を受ける入力プーリや、ベベルギヤを介して前記底スクリューに駆動力を伝達する出力プーリや、入力プーリと出力プーリとにわたって巻回された伝動ベルトや、伝動ベルトを緊張状態と緩和状態とに切り替えるテンションプーリや、テンションプーリの切り替えを人力で操作するクラッチレバー等を備えて構成してある。
また、伝動機構の入切りを操作は、人力で操作するクラッチレバーを使用しているから、比較的、省スペース化が実現している。
しかし、入切りの操作にはある程度の力が必要で、操作が繁雑になることから、よりスムースに伝動機構の入切り操作を実現(操作性の向上)するのに、例えば、電動モータ等のクラッチ切替用アクチュエータを設けることが必要となる。その為には、クラッチ切替用アクチュエータやその連動機構等の設置スペースを新たに確保する必要がある。
コンバイン全体としての大型化は、機動性やコスト面等、様々な要因から必ずしも好ましくはないから、全体の大きさは変えずに、クラッチ切替用アクチュエータを設置するための範囲を新たに設けることになる。
その結果、例えば、穀粒回収タンクの前後長さを縮小して、穀粒回収タンクと駆動系との間の隙間の拡大を図り、拡大されたその隙間にクラッチ切替用アクチュエータを設置する等の対策を講じることになる。
よって、伝動機構の操作性は向上するものの、穀粒回収タンクの容量が減少するといった問題が生じる。
前記穀粒回収タンクに、その前端部の下部を切り欠くことで前方に張り出すオーバーハング部を備え、前記オーバーハング部の下方に前記伝動機構を備え、前記伝動機構は、前記底スクリューの前端に設けられたギヤボックスと、前記ギヤボックスの側方に備えた入力プーリと前方の前記駆動系とに亘って配設された伝動ベルトと、前記入力プーリの前方に配置され、前記伝動ベルトを介した前記駆動系からの駆動力の伝達を入切り可能なベルトテンション式のクラッチ機構と、前記クラッチ機構の上方に配置され、前記クラッチ機構を上下揺動させて入切り操作可能なクラッチ切替用アクチュエータと、前記クラッチ切替用アクチュエータを覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、その上縁部を前記オーバーハング部の底板部に固定してあると共に、その下端部を前記ギヤボックスの前壁に固定してあり、前記クラッチ切替用アクチュエータは、前記カバー部材に固定してあるところにある。
また、クラッチ機構とクラッチ切替用アクチュエータとの上方に張り出すオーバーハング部が、穀粒回収タンクを前端部に膨出させて形成してあるから、クラッチ機構とクラッチ切替用アクチュエータとの設置スペースを確保できながら、その設置スペースの上方空間に張り出す状態に設けられたオーバーハング部によって穀粒回収タンクの容量を確保できる。
従って、穀粒回収タンクの容量減少を緩和しながら、伝動機構の操作性の向上を図ることができる。
更には、カバー部材は、クラッチ切替用アクチュエータの支持部材を兼用しているため、部品点数の減小化によって、コストダウンを叶えることができる。
また、カバー部材を取り付けるフレーム等の専用部材を用意しなくてもよいから、コストダウンを叶えることができる。
穀粒回収タンク9における下窄まり部9aは、貯留した穀粒を残すことなく底スクリュー10に導くよう、穀粒の流下安息角以上の傾斜角度が与えられている。
このオーバーハング部9bの下方空間に、後述する伝動機構Tの一部が設けられている。従って、伝動機構Tを設置するスペースを確保できながら、穀粒回収タンク9の容量減少を緩和できている。
図4、図8に示すように、穀粒回収タンク9の下部前後面には板材からなる支持板15がそれぞれ備えられ、この支持板15の下端部のローラー部15aが機体フレーム2の上面に載置支持されて、穀粒回収タンク9の全重量が機体フレーム2に支持されるようになっている。
図6、図7に示すように、穀粒回収タンク9の前面下部に備えた支持板15に、底スクリュー10におけるスクリュー軸10aの前端部を軸受け支持するブラケット40を備えた入力ケース41が連結されている。ブラケット40と入力ケース41とでベベルギヤボックス(ギヤボックスに相当)Bが構成されている。
入力ケース41には、スクリュー軸10aに連結された出力ベベルギヤ42と、これに咬合された入力ベベルギヤ43が装備され、入力ベベルギヤ43に連結された入力軸44が機体外方に向けて突設されている。
入力軸44には、入力ベベルギヤ43の機体外方側に隣接させて、ベアリング61により揺動アーム62が上下揺動自在に外嵌され、入力プーリ63が外嵌固定されてあり、この入力プーリ63にエンジン動力が伝達されるようになっている。揺動アーム62は、ベアリング61に支持させる支持部分62aと、この支持部分62aから延出されたアーム部分62bとを備えて構成されており、機体外側に膨出する形状に形成された支持部分62aが入力プーリ63の機体内側に形成された凹部63aに入り込んだ状態でベアリング61に支持されている。
リンクロッド66bの下端部には、第1スプリング66cの上端が連結してある。
第1スプリング66cの下端部は、前記揺動アーム62に連結してある。
因みに、揺動アーム62には、前記第1スプリング66cより弱い張力の第2スプリング66dを下方に取り付けてあり、クラッチオフの時に、速やかに揺動アーム62が下方へ移動するように構成してある。
揺動子66aの揺動によってリンクロッド66bから第1スプリング66cを介して揺動アーム62が上方へ引き上げられて揺動し、伝動ベルト59に所定の張力が作用させて回転駆動力が伝達できる状態(クラッチオンの状態)となる。
一方、図3(b)に示すように、クラッチ切替用モータ65を、クラッチ切り状態に対応した揺動終点まで回転させると、連係部材66の連係によって、揺動アーム62を下方へ揺動させて伝動ベルト59に所定の張力が作用しない状態(クラッチオフの状態)となる。
カバー部材20は、金属板によって構成してあり、図に示すように、クラッチ切替用モータ65の前方、左右両横方、上方及び下方を覆う箱形形状の第1カバー部材20Aと、クラッチ切替用モータ65から延出した連係部材66を覆う第2カバー部材20Bとを備えて構成してあり、第2カバー部材20Bを、第1カバー部材20Aに対してボルト固定して一体化を図ってある。
クラッチ切替用モータ65は、第1カバー部材20Aの右側面部20aの内面に、変換部65aをボルト固定する形で取り付けられている。そして、右側面部20aには、クラッチ切替用モータ65の円筒形外周面の一部が干渉するのを避けるための切欠き部20bが形成してある。
第2カバー部材20Bは、前面部20cと右側面部20dと上面部20eとで構成してあり、前面部20cの端縁部と上面部20eの端縁部とを、前記第2カバー部材20Bに重ねてボルト固定されている。
また、カバー部材20は、クラッチ切替用モータ65の保護機能と、支持部材としての機能とを果たすことができ、しかも、カバー部材20は、穀粒回収タンク9とベベルギヤボックスBとにわたって取り付けてあるから、取付強度の向上と共に、部品点数の減小化によってコストダウンを叶えることができる。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉駆動系は、先の実施形態で説明したエンジン4を備えた原動部5に限るものではなく、例えば、モータ等で構成されたものであってもよい。
また、カバー部材20は、一端を穀粒回収タンク9に取り付け、他端をベベルギヤボックスBに取り付けることに限らず、両端とも穀粒回収タンク9に取り付けるものであってもよい。
また、カバー部材20そのものを、省略するものであってもよい。
〈4〉伝動機構は、先の実施形態説明した構成に限るものではなく、その配置や構造の変更は可能であり、例えば、ベベルギヤの使用に変えて、他のギヤ機構を使用したり、入力プーリ63をスクリュー軸10aに直接に外嵌固定し、入力プーリ63に巻回される伝動ベルト59を支持板15に沿った機体左右向きに配置した伝動機構を採用するものであってもよい。
5 原動部(駆動系に相当)
7 脱穀装置
9 穀粒回収タンク
9b オーバーハング部
10 底スクリュー
13 穀粒搬出装置
20 カバー部材
60 穀粒搬出クラッチ機構(クラッチ機構に相当)
65 クラッチ切替用モータ(クラッチ切替用アクチュエータに相当)
B ベベルギヤボックス(ギヤボックスに相当)
T 伝動機構
Claims (1)
- 機体フレーム上に左右に並列状態で搭載支持された脱穀装置と、穀粒回収タンクと、
前記穀粒回収タンクの底部に沿って前後向きに配備された底スクリューと、
前記底スクリューによってタンク後方に送出された貯留穀粒を機外に排出する穀粒排出装置と、
駆動系から前記底スクリューへ駆動力を伝達可能な伝動機構とを備えたコンバインの穀粒回収部構造であって、
前記穀粒回収タンクに、その前端部の下部を切り欠くことで前方に張り出すオーバーハング部を備え、
前記オーバーハング部の下方に前記伝動機構を備え、
前記伝動機構は、
前記底スクリューの前端に設けられたギヤボックスと、
前記ギヤボックスの側方に備えた入力プーリと前方の前記駆動系とに亘って配設された伝動ベルトと、
前記入力プーリの前方に配置され、前記伝動ベルトを介した前記駆動系からの駆動力の伝達を入切り可能なベルトテンション式のクラッチ機構と、
前記クラッチ機構の上方に配置され、前記クラッチ機構を上下揺動させて入切り操作可能なクラッチ切替用アクチュエータと、
前記クラッチ切替用アクチュエータを覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、その上縁部を前記オーバーハング部の底板部に固定してあると共に、その下端部を前記ギヤボックスの前壁に固定してあり、
前記クラッチ切替用アクチュエータは、前記カバー部材に固定してあるコンバインの穀粒回収部構造。
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