JP3292665B2 - 脱穀装置 - Google Patents

脱穀装置

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JP3292665B2
JP3292665B2 JP31745896A JP31745896A JP3292665B2 JP 3292665 B2 JP3292665 B2 JP 3292665B2 JP 31745896 A JP31745896 A JP 31745896A JP 31745896 A JP31745896 A JP 31745896A JP 3292665 B2 JP3292665 B2 JP 3292665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱穀装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、脱穀装置の前側板には、扱胴を支
持する支持力を備えさせる等の目的で複数の補強部材を
装着してあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のように、補強のために前側板に複数の補強部材
を装着するようにした場合には、部品点数や製造工数が
増加するとともに、製造コストが嵩む不都合が生じるよ
うになっていた。
【0004】本発明の目的は、部品点数・製造工数・製
造コストの削減を図りながらも、前側板を、扱胴を支持
し得る強度に補強することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕請求項1にかかる発明の特徴構成は、前側板に
形成した唐箕装着用の開口部の上辺と、穀稈供給口の穂
先側内奥部に対応する左右一方側の前記開口部の側辺と
にわたって沿うほぼ逆L字状の前側板部分に、その周部
を残した状態で前外方側に突出する膨出部を形成し、前
記開口部の側辺に沿う膨出部の内面に横側板の前端部を
連結してあることにある。
【0006】請求項2にかかる発明の特徴構成は、請求
項1にかかる発明において、扱胴に動力を入力伝達する
入力ケースを、前記開口部の側辺に沿う膨出部の直上の
前側板上端側に設けてあることにある。
【0007】請求項3にかかる発明の特徴構成は、請求
項1又は2にかかる発明において、扱胴を支承した上部
ケースを、扱胴軸芯と平行な軸芯周りに揺動開閉自在に
下部ケースに支持させ、前記下部ケースにおける前側板
に前記ほぼ逆L字状の膨出部を形成してあることにあ
る。
【0008】請求項4にかかる発明の特徴構成は、請求
項1又は2,3のいずれか一つにかかる発明において、
前記開口部を覆うように前記前側板に装着する唐箕ケー
スを樹脂材で形成してあることにある。
【0009】〔作用〕上記請求項1記載の構成によれ
ば、ほぼ逆L字状の前側板部分に、その周部を残した状
態で前外方側に突出する膨出部を形成することにより、
膨出部を形成しない場合に比較して、その断面係数を大
きくすることができるので、補強部材を装着しなくても
前側板の強度を高めることができる。また、膨出部の形
成はプレス成形によって簡単かつ安価に行えて、補強に
要する部品点数・製造工数・製造コストの削減を図れる
ようになる。しかも、膨出部を外方に向けて膨出形成す
るようにしていることから、部品点数の増加や部材の大
型化を招くことなく、選別室の容量を大きくできる利点
をも有するようになる。
【0010】そして前記開口部の側辺に沿う膨出部とい
った強度の高い部分の内面に横側板の前端部を連結して
あるから、横側板と前側板との連結部の強度を高めるこ
とができる。
【0011】請求項2の構成によれば、上記請求項1の
構成による作用と同様の作用を奏することができるのに
加え、膨出部の直上の前側板上端側に入力ケースを設け
てあるから、入力ケースの重量が縦姿勢の膨出部に直上
から加わることになり、このような支持構造は、例えば
前記重量が膨出部以外の縦姿勢の偏平部分に直上から加
わる場合や、前記重量が膨出部の斜め上方から加わる場
合よりも曲げ力に対して強く、前記重量で前側板に撓み
が生じる等の不具合を回避できる。
【0012】請求項3の構成によれば、下部ケースの前
側板に前記膨出部を形成することによって、膨出部を形
成しない場合に比較して、その断面係数を大きくするこ
とができるので、補強部材を装着しなくても前側板の強
度を高めることができる等、前記請求項1又は2に記載
の作用と同様の作用を奏することができる。つまり、扱
胴を支承した上部ケースを、扱胴軸芯と平行な軸芯周り
に揺動開閉自在に下部ケースに支持させた場合は、例え
ば揺動開放時に、上部ケース側の重量が下部ケースの一
部分(前記扱胴軸芯と平行な軸芯側)に偏って加わるな
ど、下部ケースへの重量の加わり具合が、非揺動開放型
のものとは異なってくるが、下部ケースの前側板は、前
記前側板部分に前記膨出部を形成してあるので、上部ケ
ースの揺動開放型のものにも、強度的に十分対応するこ
とができる。
【0013】請求項4の構成によれば、上記請求項1又
は2,3のいずれか一つの構成による作用と同様の作用
を奏することができるのに加え、前側板に装着される唐
箕ケースは樹脂材で形成されることから、唐箕ケースが
軽量かつ安価なものとなる。なお、金属製の唐箕ケース
を前側板に装着すると前側板の強度が高まるが、請求項
4の構成では前述のように前記前側板部分に前記膨出部
を形成して前側板の強度をもともと高めてあるので、唐
箕ケースが樹脂材からなっていても、強度が弱くなる等
の問題が生じることはない。
【0014】〔効果〕従って、請求項1の構成によれ
ば、部品点数・製造工数・製造コストの削減、ならび
に、選別室容量の拡大を図りながらも、前側板を、扱胴
を支持し得る強度に補強できるに至った。
【0015】請求項2の構成によれば、上記請求項1の
構成による効果と同様の効果を奏することができるのに
加え、前側板を、入力ケースを支持し得る強度に補強で
きるに至った。
【0016】請求項3の構成によれば、上記請求項1又
は2の構成による効果と同様の効果を奏することができ
るのに加え、部品点数・製造工数・製造コストの削減、
ならびに、選別室容量の拡大を図りながらも、下部ケー
スの前側板を、扱胴を支承した上部ケースを扱胴軸芯と
平行な軸芯周りに揺動開閉自在に支持し得る強度に補強
できた。
【0017】請求項4の構成によれば、上記請求項1又
は2,3のいずれか一つの構成による効果と同様の効果
を奏することができるのに加え、脱穀装置全体としての
軽量化、および、製造コストの削減を図れるようになっ
た。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明に係わる脱穀装
置1を装備した自脱型コンバインの全体側面が示されて
おり、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装
置2が装備された走行機体3、走行機体3の前進走行に
伴って植立穀稈を刈り取るとともに脱穀装置1へ向けて
搬送する刈取搬送装置4、刈取搬送装置4からの刈取穀
稈に対して脱穀選別処理を施す脱穀装置1、脱穀装置1
からの穀粒を貯留するホッパー5、脱穀装置1からの排
ワラを細かく切断して廃棄する排ワラカッター装置6、
脱穀装置1からの排ワラを結束して排出する排ワラ結束
装置7、および、脱穀装置1からの排ワラを排ワラカッ
ター装置6あるいは排ワラ結束装置7に向けて挾持搬送
する排ワラ搬送装置8などによって構成されている。
【0019】図1〜3に示すように、脱穀装置1は、刈
取搬送装置4から刈取穀稈を受け取って後方に向けて挾
持搬送するフィードチェーン9、フィードチェーン9に
より搬送される刈取穀稈に対して脱穀処理を施す扱胴1
0、扱胴10により脱穀処理が施された処理物を漏下さ
せる受網11、受網11から漏下した処理物を篩い選別
する揺動選別装置12、脱穀装置1の前下部から揺動選
別装置12に向けて選別風を供給する唐箕13、揺動選
別装置12により選別された一番物(脱穀粒)を回収し
て脱穀装置1の右側方に搬送する第一スクリューコンベ
ヤ14、揺動選別装置12により選別された二番物(脱
穀粒や切れワラなどの混合物)を回収して脱穀装置1の
右側方に搬送する第二スクリューコンベヤ15、揺動選
別装置12により選別された三番物(切れワラやワラ屑
などの塵埃)を機外へ廃棄する排塵ファン16、第一ス
クリューコンベヤ14からの一番物を揚送してホッパー
5に対して上部から供給する縦スクリューコンベヤ(図
示せず)、第二スクリューコンベヤ15からの二番物を
揚送して揺動選別装置12上に還元する二番還元スクリ
ューコンベヤ18、および、扱室や選別室などを形成す
る脱穀ケース19などによって構成されている。
【0020】脱穀ケース19は、扱胴10を前後軸芯X
1周りに回転自在に支持する上部ケース19Aと、受網
11や揺動選別装置12などを支持する下部ケース19
Bとによって構成されている。上部ケース19Aは、扱
胴10の前後に配設された前側板19aと後側板19
b、および、扱胴10の上方に前側板19aと後側板1
9bとに渡るように配設された天板19cによって、扱
胴10を上方から覆う状態に形成されている。下部ケー
ス19Bは、揺動選別装置12の前方に配設された前側
板19d、揺動選別装置12の下方に配設された底板1
9e、および、揺動選別装置12の左右に配設された左
側板19fと右側板19g(横側板に相当)によって、
扱胴10を下方から覆うとともに揺動選別装置12など
を外囲する状態に形成されている。扱胴10は、揺動選
別装置12よりも左右方向で幅広に構成されていること
から、下部ケース19Bの左側板19fと右側板19g
は、それらの下部側が上部側よりも脱穀装置1の左右中
心側に位置する状態に屈曲形成されている。下部ケース
19Bの右側板19gは、その上端部が左側板19fの
上端部よりも高くなるように上方に向けて延出されてお
り、その上端部には、扱胴10に動力を入力伝達する入
力ケース20などを介して伝動軸22が前後向き水平姿
勢でその軸芯X2周りに回転自在に支持され、この伝動
軸22には、支持ブラケット21を介して上部ケース1
9Aが前後軸芯X2周りに開閉揺動自在に枢支連結され
ている。つまり、下部ケース19Bは、扱胴軸芯と平行
な前後軸芯X2周りに上部ケース19Aを開閉揺動自在
に支持するようになっている。
【0021】上部ケース19Aにおける後側板19bの
上部には、排ワラ搬送装置8を支持する支持フレーム
(図示せず)が後側板19bから後方に向けて延設され
ており、排ワラ搬送装置8は、上部ケース19Aの前後
軸芯X2周りでの開閉揺動に伴って前後軸芯X2周りで
上下揺動するようになっている。つまり、排ワラ搬送装
置8は、上部ケース19Aと一体で前後軸芯X2周りに
揺動自在となるように下部ケース19Bの右側板19g
に支持されており、下部ケース19Bの右側板19gに
は、上部ケース19A、扱胴10、および、排ワラ搬送
装置8などの荷重が掛かるようになっている。
【0022】脱穀装置1の前後には、夫々、下部ケース
19Bに補強用の連結プレート24aを介して前後向き
姿勢に固着された係止ピン24bと上部ケース19Aに
前後軸芯X3周りに上下揺動自在に枢着されたフック金
具24cによって構成された上部ケース19Aを閉塞姿
勢で保持するロック機構24、および、上部ケース19
Aを開放姿勢で保持する伸縮式のガススプリング25が
装備されている。前後のフック金具24cは、それらの
操作側端部同士が連結杆26によって一体揺動操作可能
に連結されるとともに、復帰バネ27によって係止ピン
24bと係合する方向に付勢されている。つまり、復帰
バネ27の付勢に抗した連結杆26の上昇操作によっ
て、係止ピン24bとフック金具24cとの係合による
閉塞姿勢でのロックを解除できるとともに、その解除に
伴うガススプリング25の付勢により、上部ケース19
Aを閉塞姿勢から開放姿勢に切り換えられるようになっ
ている。また、ガススプリング25の付勢に抗した上部
ケース19Aの下降操作により、上部ケース19Aを開
放姿勢から閉塞姿勢に切り換えられるとともに、係止ピ
ン24bとフック金具24cとの係合により、上部ケー
ス19Aを閉塞姿勢に保持できるようになっている。
【0023】図2〜6に示すように、下部ケース19B
の前側板19dにおける下部中央には、唐箕13装着用
の四角形の開口部aが形成されており、この開口部aに
は、補強のためにバーリング加工が施されるとともに、
唐箕13の前部側を覆う唐箕ケース28が装着されるよ
うになっている。唐箕ケース28は、略半割り円筒形状
に膨出形成された樹脂材によって構成されており、軽量
化および製造コストの削減が図られている。また、前側
板19dには、開口部aの上辺と、穀稈供給口23の穂
先側内奥部に対応する前記開口部aの右側辺とにわたっ
て沿うほぼ逆L字状の前側板部分に、その周部bを残し
た状態で前外方側に突出する膨出部cを形成してある。
前記入力ケース20は、開口部aの右側辺に沿う縦姿勢
の膨出部cの直上の前側板上端側に設けてある。
【0024】図5に示すように、膨出部cには、受網1
1を受け止め支持するように部分円弧状に形成された前
後一対の受網取付けフレーム29のうちの前側の受網取
付けフレーム29がボルト・ナットにより固定されてい
る。図6に示すように、前側板19dと右側板19gと
の連結は、前記開口部aの側辺に沿う膨出部cの内面に
右側板19gの折り返し前端部を重合しボルト・ナット
により固定して行われ、前側板19dと左側板19fと
の連結は、前側板19dの折り返し前端側面に左側板1
9fの前端部を重合しボルト・ナットにより固定して行
われている。
【0025】以上の構成から、新たに補強部材を設けな
くても、前側板19dの断面係数を大きくすることがで
き、前側板19dの強度を高められるようになってい
る。また、膨出部cの形成はプレス成形によって行える
ことから、前側板19dの形成を簡単かつ安価にできる
利点を有するようになる。つまり、補強に要する部品点
数・製造工数・製造コストの削減を図ることができる。
しかも、膨出部cを前外方に向けて膨出形成するように
していることから、部品点数の増加や部材の大型化を招
くことなく、選別室の容量を大きくできる利点をも有す
るようになる。
【0026】従って、部品点数・製造工数・製造コスト
の削減・選別室容量の拡大を図りながらも、下部ケース
19Bの前側板19dを、扱胴10を装備した上部ケー
ス19Aを前後軸芯X2周りで開閉揺動自在に支持し得
る強度に補強できるのである。
【0027】図2および図3に示すように、上部ケース
19Aの前側板19aは、扱胴10の前面に面する部分
が外方に向けて膨出形成されており、これによって、前
側板19aの補強が図られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】自脱型コンバインの全体側面図
【図2】脱穀装置の構成を示す縦断側面図
【図3】脱穀装置の構成を示す正面図
【図4】下部ケースの前側板の構成を示す斜視図
【図5】下部ケースの前側板と受網取付けフレームとの
連結を示す部分縦断側面図
【図6】下部ケースの前側板と左右側板との連結を示す
部分横断平面図
【符号の説明】
10 扱胴 19A 上部ケース 19B 下部ケース 19d 前側板 19g 横側板 20 入力ケース 23 穀稈供給口 28 唐箕ケース a 開口部 c 膨出部 X2 扱胴軸芯と平行な軸芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01F 12/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前側板に形成した唐箕装着用の開口部の
    上辺と、穀稈供給口の穂先側内奥部に対応する左右一方
    側の前記開口部の側辺とにわたって沿うほぼ逆L字状の
    前側板部分に、その周部を残した状態で前外方側に突出
    する膨出部を形成し、前記開口部の側辺に沿う膨出部の
    内面に横側板の前端部を連結してある脱穀装置。
  2. 【請求項2】 扱胴に動力を入力伝達する入力ケース
    を、前記開口部の側辺に沿う膨出部の直上の前側板上端
    側に設けてある請求項1記載の脱穀装置。
  3. 【請求項3】 扱胴を支承した上部ケースを、扱胴軸芯
    と平行な軸芯周りに揺動開閉自在に下部ケースに支持さ
    せ、前記下部ケースにおける前側板に前記ほぼ逆L字状
    の膨出部を形成してある請求項1又は2記載の脱穀装
    置。
  4. 【請求項4】 前記開口部を覆うように前記前側板に装
    着する唐箕ケースを樹脂材で形成してある請求項1,2
    又は3のいずれか一つに記載の脱穀装置。
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