JP2019000056A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に掲載された従来の伝動機構は、図12(上面図)に示すように、エンジン12の補助出力軸12bに装着された主プーリー13と、底スクリュー7のベベルギヤ17の回転入力軸に装着された従プーリー14と、2つのプーリーを連動させるベルト15と、ベルト15に張りを与えるために配置され、回動レバーによって入り切り可能なテンションクラッチ18とを備えている。
したがって、グレンタンクの移動を妨げないように、グレンタンクに装着されている各部材のサイズを極力小さくし、グレンタンク側の軽量化を図り、グレンタンクの移動に要する人力を軽減したいという要請がある。
また、第1の伝動部材には第1のテンションクラッチが設けられるとともに、第2の伝動部材には第2のテンションクラッチが設けられ、第1および第2のテンションクラッチはともに支持台に支持されている構成であれば、グレンタンクを取外したり旋回揺動させたりする場合、テンションクラッチを切ってグレンタンクの底スクリューの駆動を切断することができる。その場合であっても第1のプーリーを設けているので、主プーリーから第1の伝動部材を介して伝動される第1のプーリーの回転を維持するようにすれば、回転駆動力を与えたい他の機械部品があれば、第1のプーリーと当該機械部品とを連動させることによって、常時、回転駆動力を与えることができる。
本実施の形態に係るコンバイン1は、図1から図3に外観を示すように、コンバイン1の機台2と、機台2の下部に連結され機台2を支える左右一対の走行クローラ100と、機台2に搭載され、コンバイン1が備える各部に動力を供給するエンジン30と、機台2の前部右側上方に載置された搭乗運転部40と、機台2の前方に昇降自在に連結された刈取部90と、機台2の左側上部に配置され刈取部90によって刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置70と、脱穀装置70によって脱穀された穀粒を選別する選別装置80と、機台2の右側上部であって脱穀装置70の右側方、かつ、搭乗運転部40の後方に配置され、選別された穀粒を貯留するグレンタンク50とを備えている。さらにグレンタンク50の後方からコンバイン1の左側前方部にわたる範囲で脱穀装置70の上部に横たわっている排出筒55を備えている。なお、エンジン30、脱穀装置70、選別装置80、グレンタンク50等はコンバイン1の内部に設置されており、普段は機体カバーで囲われている。よって図1〜図3に直接図示することはせず、おおよその位置を破線の引出線で示している。
エンジン30は、機台2の前部で、かつ搭乗運転部40の下方に配置されている。エンジン30の向きは、エンジン30の出力軸が機体幅方向と平行になるように配備されており、出力軸の両端側から駆動力を取り出せるようになっている。機体幅方向の他方側(機体内方側)から取り出す出力軸を「主出力軸」といい、機体幅方向の一方側(機体外方側)から取り出す(主出力軸の反対側の)出力軸を「補助出力軸」と言うことにする。主出力軸と補助出力軸とは、同じクランク軸につながっているので、同じ回転数で出力を取り出せる。
グレンタンク50の後部かつ、底スクリューコンベア51の排出端には底スクリューコンベア51の動力が伝動される縦送りスクリューコンベア52が、ほぼ垂直方向に配置されている。さらに縦送りスクューコンベア52からの穀粒を排出するコンベア式排出筒55がコンバイン1の機体上部に配されており、この排出筒55を油圧シリンダにより上下左右に揺動させることにより、穀粒を排出筒55から運搬車に積み込めるようにしてある。
エンジン30の一方側、すなわち補助出力軸32のある側には、エンジン30を冷却するラジエータファン35(図6参照)が設置されているとともに、補助出力軸32の回転を底スクリューコンベア51に伝動するための伝動機構20が配置されている。
なお、本実施の形態では、回収された穀粒を送る底スクリューコンベア51を機台2の前後向きに設けているが、底スクリューコンベアが機台2の走行方向の左右向きに付いているコンベアに対しても本発明は適用できる。この場合、回転入力軸の方向が補助出力軸32の方向と同一方向(平行)になるので、底スクリューコンベア51の回転入力軸にベベルギヤが装着されない構成となるが、伝動機構20自体の構成は変わりない。
伝動機構20は、エンジン30の補助出力軸32と底スクリューコンベア51の回転入力軸54との間に中間軸24を有し、さらに補助出力軸32に装着された主プーリー21と、中間軸24に装着され、互いに一体回転する第1、第2の中間プーリー25,26と、ベベルギヤ53の回転入力軸54に装着された従プーリー27と、を有する。そして、主プーリー21と第1の中間プーリー25との間に第1の伝動部材としての第1のベルト22が掛けられ、第2の中間プーリー26と従プーリー27との間に第2の伝動部材としての第2のベルト23が掛けられている。
底スクリューコンベア51の回転出力軸の後端部は、ベベルギヤ56を介して、ほぼ垂直方向に配置された縦送りスクリューコンベア52の回転出力軸の下端部に連動連結されている。縦送りスクリューコンベア52の回転出力軸の上端部には、第1のプーリー対57a,57bおよびベベルギヤ58が連結されている。ベベルギヤ58の出力軸には、さらに第2のプーリー対59a,59bおよびベベルギヤ60が連結され、このベベルギヤ60の出力軸に、コンベア式排出筒55を構成する排出スクリューコンベア81の回転軸が連動連結される。このように縦送りスクリューコンベア52と排出スクリューコンベア81との間に、プーリー対およびベベルギヤを介在させたのは、縦送りスクリューコンベア52の回転軸と排出スクリューコンベア81の回転軸との間を、所定の距離だけ離間(オフセット)させるためである。オフセットさせた構造とすることにより、縦送りスクリューコンベア52および排出スクリューコンベア81の配置、設計の自由度を高めることができる。
図5は、機台2の前部で、かつ機体幅方向の一方側の部分、すなわち搭乗運転部40の下方を見た要部平面図である。図6は、図5に示される同じ部分を機体幅方向の一方側から見た要部側面図である。図7は、搭乗運転部40と伝動機構20とを示す要部斜視図である。図8および図9は、伝動機構20の要部を取り出して示す斜視図であり、特に図8は伝動機構の要部を機体外方側から見た図、図9は伝動機構の要部を機体内方側から見た図である。
より詳説すれば、支持台66は、機台2に固定された第1テンションプーリー28を支持する第1支持部66aと、第1支持部66aに支持されて上方に突出して設けられて第1の中間プーリー25及び第2の中間プーリー26を支持する第2支持部66bとから構成される。
支軸65には、第1のアーム63が、第1支持部材66aの外側方で、支軸65を中心にして回動可能に取付けられている。第1のアーム63は機台2の前方に向かって伸びて形成されており、第1のテンションプーリー28は、第1のアーム63の先端部に回転自在に支承されている。この第1のアーム63の先端部は、コイルばね61の一端に接続され、コイルばね61の他端にはネジ溝の切られたロッド72が接続されている。
当該構成において、第1のベルト22が主プーリー21と第1の中間プーリー25との間に巻きまわされることで、補助出力軸32の動力(回転力)が中間軸24に伝達され、中間軸24の回転に伴って第2の中間プーリー26が回転する。上述したように第1のテンションプーリー28は、常時、第1のベルト22に対して張力を与えるように接触しており、補助出力軸32が回転しているときには、必ずその動力が中間軸24に伝達される。
ここで第2のテンションプーリー29は後述するように、第2のベルト23に対して張力を与えるように接触する状態と、張力を与えないように離間する状態とに切り替え可能であり、前者の状態において中間軸24が回転しているときはその動力を回転入力軸54に伝達する一方、後者の状態においては中間軸24が回転していてもその動力は回転入力軸54に伝達されない。
グレンタンク50を回動するにあたって、第2のテンションプーリー29がグレンタンク50と干渉しないように中間軸24に近い位置に設けることが望ましい一方、当該構成において第2のベルト23を長尺とすると張力に緩みが生じてしまうおそれがあることから前述したように支持部材66を従プーリー27に近い位置に配置している。これに伴い、第1のベルト22は第2のベルト23に比べて長尺となってしまうが、第1のアーム23を前方に伸ばして第1のテンションプーリー28を支承することで、第1のベルト22において第1のテンションプーリー28が接触する位置を第1のベルト22の略中間位置(機台2の前後方向の中間位置)とすることができ、適切に張力を付与することが可能である。
本実施の形態では、第2のアーム64の先端部に設けられた支軸67に、コイルばね62の一端が巻回されて取付けられている。コイルばね62の他端には、図10に示すようにワイヤー75が接続されている。このワイヤー75は曲げるのが容易で、かつ大きな引っ張り強度を持つ材料、例えば金属線、より具体的には鉄線で構成されている。
以上に述べたようなエンジン30の回転出力伝動装置の構成であるから、運転者が操作レバー42を操作してワイヤー75を押し下げることによって、第2のベルト23に加えられる張力を緩めることができ、エンジン30を止めた状態で、第2のベルト23を従プーリー27から取り外すことができる。第2のベルト23を従プーリー27から取り外すと、従プーリー27は第1、第2の中間プーリー25,26に対して自由に動けるようになり(連動連結状態が解除され)、グレンタンク50を機体幅方向の一方側に引き出したり、あるいは所定の垂直軸を中心に左右旋回揺動(回動)させたりして、グレンタンク50を開放した状態で、広い空間で脱穀装置70の横側部のメンテナンスが行える。前記「所定の垂直軸」とは、例えばグレンタンク50の後部に底スクリューコンベアに連動連結した縦送りスクリューコンベア52が設けられている場合、縦送りスクリューコンベア52の縦軸芯であってもよい。
また、縦オーガ筒を含め、縦オーガ筒に連結されている排出筒55も機台2によって支持されていて、グレンタンク50と共に回動せず機台2に残っており、これら構成によるグレンタンク50の重量の増加もない。
また、グレンタンク50を軽量化するために、従プーリー27を、より小径化することもできる。小径化した場合、グレンタンク50の移動操作をするに際して、従プーリー27がグレンタンクの移動の邪魔をするおそれのある周りの部材と衝突する可能性が減り、前記「周りの部材」を特に小型化しなくても、グレンタンクの移動空間を確保できるようになる。なお従プーリー27を小径化した場合、前記第1、第2の中間プーリー25,26の直径比D1/D2を所望の値に設定することにより、従プーリー27の回転数を調整することができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、摩擦力により回転力を伝動するのに(歯のない)プーリーと、ベルト(Vベルト、平ベルトなど)との組み合わせを用いていたが、歯付きプーリーと歯付きベルトとの組み合わせとしてもよい。また歯付きベルトに代えて、ローラーチェーンなど、他の伝動部材で置き換えても本発明は実施できる。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
2 機台
20 伝動機構
21 主プーリー
22 第1の伝動部材
23 第2の伝動部材
24 中間軸
25 第1の中間プーリー
26 第2の中間プーリー
27 従プーリー
28 第1のテンションプーリー
29 第2のテンションプーリー
30 エンジン
40 搭乗運転部
41 運転席
43 側面カバー
44 操作レバー
50 グレンタンク
51 底スクリューコンベア
53 ベベルギヤ
61,62 コイルばね
Claims (3)
- エンジンと、底スクリューコンベアを内設したグレンタンクと、前記エンジンの動力を前記底スクリューコンベアに伝動する伝動機構とを備え、
前記グレンタンクは機台に対して取外し操作もしくは旋回揺動操作可能に設けられ、
前記伝動機構は、
前記エンジンの出力軸に装着された主プーリーと、
前記底スクリューコンベアの回転入力軸に装着された従プーリーと、
機台に支持された支持台に互いに連動して回転する第1のプーリーおよび第2のプーリーと、
前記主プーリーと前記第1のプーリーを連動させる第1の伝動部材と、
前記第2のプーリーと前記従プーリーとを連動させる第2の伝動部材と、
を有するコンバイン。 - 前記出力軸は前記エンジンから前記機体外方に向けて突出しており、前記第2の伝動部材は、前記第1の伝動部材よりも機体外方に配置されている、請求項1に記載のコンバイン。
- 前記第1の伝動部材には第1のテンションクラッチが設けられるとともに、前記第2の伝動部材には第2のテンションクラッチが設けられ、前記第1および第2のテンションクラッチは前記支持台に支持される、請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
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