明 細 書
画像表示装置、電子機器およびパララックスバリア素子
技術分野
[0001] 本発明は、画像表示装置に関し、特に、パララックスバリア素子を備えた画像表示 装置に関する。
背景技術
[0002] 2次元画像を表示する画像表示装置を用いて立体映像を表示する代表的な方法 の 1つは、ノ ララックスバリア方式である。パララックスバリア方式とは、画像表示装置 の前面または後面に、遮光部と透光部とを交互に配置した帯 (バリア)を設け、このバ リアを通して表示面を観察することにより、立体視を実現する方式である。
[0003] 特許文献 1は、液晶表示パネルの観察者側にパララックスバリア素子を備えた立体 画像表示装置を開示して!/、る。
[0004] 図 35に、特許文献 1に開示されている画像表示装置 400を模式的に示す。画像表 示装置 400は、図 35に示すように、観察者側から、ノ ララックスバリア素子 410、液晶 表示パネル 420およびバックライト 430を備えている。液晶表示パネル 420は、駆動 用の電極や配線、薄膜トランジスタ (TFT)やカラーフィルタ等を備える一対のガラス 基板 421および 422によって、液晶層 423が挟み込まれた構成を有している。液晶 表示パネル 420の光入射面および光出射面にはそれぞれ偏光板(図示せず)が配 置されている。液晶表示パネル 420は、複数の画素を有し、各画素の液晶層 423に 電圧を印加することにより光の偏光状態を変化させて表示を行う。
[0005] 液晶表示パネル 420は、図 35において『左』の文字を付した画素に左眼用の映像 を、『右』の文字を付した画素に右眼用の映像を表示する。ノ ララックスバリア素子 41 0は、その遮光部で液晶表示パネル 420からの光を遮るため、液晶表示パネル 420 力もの画像は、パララックスバリア素子 410の透光部を通してのみ観察者によって観 察される。このとき、ノ ララックスバリア素子 410のパターンおよび配置を適切に設定 することにより、観察者の右眼は『右』画素によって表示される映像のみ、左眼は『左』 画素によって表示される映像のみを見ることができる。『左』画素および『右』画素によ
つてそれぞれ表示される映像には視差が与えられて!/、るので、観測者は立体視を行 うこと力 Sでさる。
[0006] また、近年、ノ ララックスバリア素子を用いて複数の観察者にそれぞれ異なった画 像を視認させる画像表示装置が提案されている。このような画像表示装置は、「デュ アルビユー表示装置」と呼ばれることもある。立体画像表示装置が、一人の観察者の 右眼と左眼とに異なった画像を視認させるのに対し、デュアルビュー表示装置は、複 数の観察者のそれぞれに異なった画像を視認させる。つまり、デュアルビュー表示装 置は、立体画像装置よりも離れた位置に (つまり大きな角度で)画像を分離する。デュ アルビユー表示装置は、非常に単純に言うと、立体画像表示装置におけるパララック スバリア素子と画素との距離を短くすることにより得られる。
[0007] デュアルビュー表示装置の例を図 36に示す。図 36に示すデュアルビュー表示装 置 500は、パララックスバリア素子 510、液晶表示パネル 520およびバックライト 530 を備えている。
[0008] 液晶表示パネル 520は、アクティブマトリクス基板 521と、カラーフィルタ基板 522と 、これらの間に設けられた液晶層 523とを有している。アクティブマトリクス基板 521に は、画素電極や TFT (不図示)が設けられている。また、カラーフィルタ基板 522には 、カラーフィルタ 524やブラックマトリクス 525が設けられている。
[0009] パララックスバリア素子 510は、ガラス基板 503上に交互に配置された複数の遮光 部 501および複数の透光部 502を有している。パララックスバリア素子 510は、樹脂 層 505を介して液晶表示パネル 520のカラーフィルタ基板 522に直接貼り付けられ ており、そのことによってパララックスバリア素子 510と画素(カラーフィルタ 524)との 距離が短くなつている。
[0010] アクティブマトリクス基板 521のバックライト 530側およびパララックスバリア素子 510 のガラス基板 503の観察者側に、一対の偏光板 541および 542が設けられている。
[0011] 液晶表示パネル 520は、第 1の画像を表示する第 1画素群と、第 2の画像を表示す る第 2画素群とを有しており、第 1画素群から出射する表示光と第 2画素群から出射 する表示光とがパララックスバリア素子 510によって分離されることにより、複数の観 察者に異なる画像を視認させることができる。
特許文献 1 :特開平 10— 268230号広報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0012] しかしながら、ノ ララックスバリア素子を備えた画像表示装置では、明るぐ且つ、視 認範囲の広!/、表示を行うことが難し!/、と!/、う問題がある。
[0013] 図 37 (a)および (b)に示すように、パララックスノ リア素子 510を備えた画像表示装 置では、第 1画素群に属する画素 P1からの表示光のみが届く領域 Aと、第 2画素群 に属する画素 P2からの表示光のみが届く領域 Bと、画素 P1からの表示光および画 素 P2からの表示光の両方が届く領域 Cが存在する。領域 Cでは、第 1画素群に属す る画素 P1からの表示光と第 2画素群に属する画素 P2からの表示光とが混ざり合うた め、正常な視認が難しぐこの領域 Cはクロストーク領域とも呼ばれる。
[0014] クロストーク領域 Cを狭くするためには、図 37 (a)と図 37 (b)との比較からもわ力、るよ うに、パララックスバリア素子 510の透光部 502の幅を狭くすればよい。図 37 (a)に示 すように、透光部 502の幅を狭くすることによって、クロストーク領域 Cを狭くし、正常 な視認が可能な領域 (以下では単に「正視領域」と呼ぶ。)A、 Bを広くすることができ
[0015] ところ力 透光部 502の幅を狭くすることは、遮光部 501の幅を広くすることにほか ならないので、透光部 502の幅を狭くして正視領域 A、 Bを広くすると、表示輝度が低 下して喑ぃ表示となってしまう。一方、図 37 (b)に示すように、透光部 502の幅を広く すると、表示輝度は高くなるものの、クロストーク領域 Cが広くなつて正視領域 A、 Bは 狭くなつてしまう。このように、視認範囲と輝度とはトレードオフの関係にあり、両方を 高くすることはできなかった。
[0016] 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パララックスバリア 素子を備えた画像表示装置において、明るぐ且つ、視認範囲の広い表示を実現す るこどにめる。
課題を解決するための手段
[0017] 本発明による画像表示装置は、第 1の画像を表示するための第 1画素群および第 2 の画像を表示するための第 2画素群を有する表示パネルと、同一平面内で交互に配
置された複数の遮光部および複数の透光部を含み、前記第 1画素群から出射した表 示光と前記第 2画素群力も出射した表示光とを分離するパララックスバリア素子とを備 え、前記パララックスバリア素子は、前記複数の透光部のそれぞれに設けられた集光 素子を有する。
[0018] ある好適な実施形態において、前記集光素子は、レンズである。
[0019] ある好適な実施形態において、本発明による画像表示装置は、前記レンズの前記 表示パネル側の表面に接する樹脂層を有し、前記レンズの屈折率と、前記樹脂層の 屈折率とは異なる。
[0020] ある好適な実施形態にお!/、て、前記レンズの屈折率は、前記樹脂層の屈折率より も高い。
[0021] ある好適な実施形態において、前記樹脂層の厚さは、前記レンズの厚さよりも大き い。
[0022] ある好適な実施形態にお!/、て、前記樹脂層は、紫外線硬化型接着剤、可視光硬 化型接着剤または熱硬化型接着剤から形成されている。
[0023] ある好適な実施形態において、本発明による画像表示装置は、前記レンズの前記 表示パネル側の表面に接する空気層を有する。
[0024] ある好適な実施形態において、前記レンズは、曲面形状を有するレンズまたはプリ スムである。
[0025] ある好適な実施形態において、前記レンズは、所定の曲率半径を有する凸レンズ である。
[0026] ある好適な実施形態において、前記凸レンズは、レンチキユラレンズである。
[0027] ある好適な実施形態において、前記複数の遮光部および複数の透光部は、ストラ イブ状に配列されている。
[0028] ある好適な実施形態において、前記複数の遮光部および複数の透光部は、千鳥 状に配列されている。
[0029] ある好適な実施形態にお!/、て、前記表示パネルは、液晶層を含む液晶表示パネル である。
[0030] 本発明による電子機器は、上記構成を有する画像表示装置を備える。
[0031] 本発明による電子機器は、カーナビゲーシヨンシステムであってもよい。
[0032] 本発明によるパララックスバリア素子は、同一平面内で交互に配置された複数の遮 光部および複数の透光部を含むパララックスバリア素子であって、前記複数の透光 部のそれぞれに設けられた集光素子を有する。
[0033] ある好適な実施形態において、前記集光素子は、レンズである。
発明の効果
[0034] 本発明による画像表示装置のパララックスバリア素子は、複数の透光部のそれぞれ に設けられた集光素子を有しているので、表示パネルの第 1画素群から出射した表 示光および第 2画素群から出射した表示光の輝度分布をそれぞれ狭くすることがで きる。従って、表示光が混ざり合うクロストーク領域を狭くして正視領域を広くすること ができるので、透光部の幅を広くして輝度を向上しても十分な視認範囲を確保するこ とができ、そのため、明るぐ且つ、視認範囲の広い表示を実現することができる。 図面の簡単な説明
[0035] [図 1]本発明の好適な実施形態における画像表示装置 100を模式的に示す断面図 である。
[図 2]パララックスバリア素子によって画像 (表示光)が分離される様子を模式的に示 す図である。
[図 3] (a)および (b)は、比較例の画像表示装置における分離された表示光の輝度分
[図 4]画像表示装置 100における分離された表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 5]本発明の好適な実施形態における他の画像表示装置 100Aを模式的に示す 断面図である。
[図 6]本発明の好適な実施形態におけるさらに他の画像表示装置 100Bを模式的に 示す断面図である。
[図 7]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δ η力 SO. 05であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 8]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δ η力 SO. 10であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 9]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 15であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 10]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 20であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 11]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 25であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 12]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 30であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 13]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 35であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 14]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δηが 0. 40であるときの表示光
R
の輝度分布を示すグラフである。
[図 15]レンズの屈折率 ηと樹脂層の屈折率 ηとの差 Δη力 SO. 15で、透光部の幅が 7
R
0 H mであるときの表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 16]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 20で、透光部の幅が 7
R
7 H mであるときの表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 17]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 25で、透光部の幅が 8
R
4 H mであるときの表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 18]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 30で、透光部の幅が 9
L R
1 11 mであるときの表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 19]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 35で、透光部の幅が 9
R
7 H mであるときの表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 20]レンズの屈折率 nと樹脂層の屈折率 nとの差 Δηが 0. 40で、透光部の幅が 1
L R
05 μ mであるときの表示光の輝度分布を示すグラフである。
[図 21]レンズの屈折率 nと空気層の屈折率 nとの差 Δη力 SO. 50であるときの表示光
L A
の輝度分布を示すグラフである。
[図 22]レンズの屈折率 nと空気層の屈折率 nとの差 Δη力 60であるときの表示光
L A
の輝度分布を示すグラフである。
[図 23]レンズの屈折率 nと空気層の屈折率 nとの差 Δ η力 70であるときの表示光
[図 24]レンズの屈折率 ηと空気層の屈折率 ηとの差 Δ η力 80であるときの表示光
[図 25] (a)〜(g)は、レンズを有するパララックスバリア素子の製造工程を模式的に示 す工程断面図である。
[図 26] (a)および (b)は、レンズを有するパララックスバリア素子の製造工程の一部を 模式的に示す工程断面図である。
[図 27] (a)および (b)は、レンズを有するパララックスバリア素子の製造工程の一部を 模式的に示す工程断面図である。
[図 28] (a)〜(f)は、ノ ララックスバリア素子と液晶表示パネルとの貼り合わせ工程を 模式的に示す工程断面図である。
[図 29] (a)〜(f)は、ノ ララックスバリア素子と液晶表示パネルとの貼り合わせ工程を 模式的に示す工程断面図である。
[図 30] (a)〜(e)は、ノ ララックスバリア素子と液晶表示パネルとの貼り合わせ工程を 模式的に示す工程断面図である。
[図 31] (a)は液晶表示パネルの画素の配列(カラーフィルタの配歹 IJ)の一例を示す図 であり、(b)はパララックスバリア素子の遮光部、透光部およびレンズの配列の一例を 示す図であり、(c)は(a)に示す配列と (b)に示す配列とを重ね合わせたものを示す 図である。
[図 32] (a)は液晶表示パネルの画素の配列(カラーフィルタの配歹 IJ)の一例を示す図 であり、(b)はパララックスバリア素子の遮光部、透光部およびレンズの配列の一例を 示す図であり、(c)は(a)に示す配列と (b)に示す配列とを重ね合わせたものを示す 図である。
園 33]図 32に示す配列を採用した場合に発生する現象を説明するための図である。
[図 34]本発明の好適な実施形態における画像表示装置 100を模式的に示す断面図 である。
[図 35]立体画像表示装置 400を模式的に示す断面図である。
[図 36]デュアルビュー表示装置 500を模式的に示す断面図である。
[図 37] (a)および (b)は、ノ ララックスバリア素子によって画像 (表示光)が分離される 様子を模式的に示す図である。
符号の説明
[0036] 1 遮光部
2 透光部
3 透明基板
4 レンズ (集光素子)
4A プリズム (集光素子)
5
6
7 シール部材
8 両面テープ
10 パララックスバリア素子
20 液晶表示パネノレ
21
22 カラーフィルタ基板
23
24 カラーフィノレタ
25
30 バックライト(照明素子)
41、 42 偏光板
発明を実施するための最良の形態
[0037] 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の 実施形態に限定されるものではない。
[0038] 図 1に、本実施形態における画像表示装置 100を示す。画像表示装置 100は、複 数の観察者のそれぞれに異なる画像を視認させ得るデュアルビュー表示装置である
[0039] 画像表示素子 100は、図 1に示すように、観察者側から順に、ノ ララックスバリア素 子 10、液晶表示パネル 20およびバックライト(照明素子) 30を備えている。
[0040] ノ ックライト 30は、光源を含んでおり、液晶表示パネル 20に向けて光を出射する。
ノ ックライト 30は、直下型のバックライトであってもよいし、導光板を有するエッジライト 型のバックライトであってもよい。バックライト 30の光源としては、冷陰極管(CCFL)や 発光ダイオード (LED)などの様々な光源を用いることができる。
[0041] 液晶表示パネル 20は、アクティブマトリクス基板 21およびカラーフィルタ基板 22と、 これらの間に設けられた液晶層 23とを有する。アクティブマトリクス基板 21上には、画 素電極や薄膜トランジスタ (TFT)などが形成されている(不図示)。また、カラーフィ ルタ基板 22上には、カラーフィルタ 24やブラックマトリクス 25、対向電極(不図示)が 形成されている。液晶表示パネル 20の表示モードとしては、 TN (Twisted Nematic) モート、 S ΓΝ (Super Twisted Nematicリモート、 IPS (In-Plane Switcmng)モード、 VA (Vertical Alignment)モードなど種々の表示モードを用いることができる。
[0042] 液晶表示パネル 20は、第 1の画像を表示するための第 1画素群および第 2の画像 を表示するための第 2画素群を有する。第 1の画像および第 2の画像は、異なる観察 者に視認させるための異なる画像である。例えば画像表示装置 100がカーナビグー シヨンシステムに用いられる場合には、第 1の画像は運転者用の画像であり、第 2の 画像は助手席に座る者用の画像である。
[0043] ノ ララックスバリア素子 10は、同一平面内で交互に配置された複数の遮光部 1およ び複数の透光部 2を含み、第 1画素群から出射した表示光と第 2の画素群から出射し た表示光とを分離する。遮光部 1および透光部 2は、透明基板 (例えばガラス基板や プラスチック基板) 3の液晶表示パネル 20側の表面に、パターユングされた遮光層を 設けることによって形成されている。
[0044] アクティブマトリクス基板 21のバックライト 30側およびパララックスバリア素子 10の透 明基板 3の観察者側に、一対の偏光板 41および 42が設けられている。なお、偏光板 41および 42は、液晶層 23よりもバックライト 30側および液晶層 23よりも観察者側に 一枚ずつ設けられていればよぐ偏光板 41および 42の配置はここで例示したものに 限定されない。
[0045] 本実施形態におけるパララックスノ リア素子 10は、図 1に示すように、複数の透光 部 2のそれぞれに集光素子として設けられたレンズ 4を有する。レンズ 4は、具体的に は、所定の曲率半径を有する凸レンズであり、例えばかまぼこ状のレンチキユラレン ズ ある。
[0046] パララックスバリア素子 10は、レンズ 4を覆うように設けられた樹脂層 5によってカラ 一フィルタ基板 22の観察者側の表面に接合されている。樹脂層 5は、例えば、紫外 線硬化型接着剤、可視光硬化型接着剤または熱硬化型接着剤から形成されており 、パララックスバリア素子 10を液晶表示パネル 20に接合するべぐその厚さがレンズ 4の厚さよりも大きくなるように設けられている。
[0047] 本実施形態における画像表示装置 100のパララックスバリア素子 10は、透光部 2に 設けられたレンズ (集光素子) 4を有しているので、図 2に示すように、カラーフィルタ 2 4を通過した光を正面方向に集光することができ、第 1画素群に属する画素 P1から出 射した表示光および第 2画素群に属する画素 P2から出射した表示光の輝度分布を それぞれ狭くすることができる。従って、表示光が混ざり合うクロストーク領域を狭くし て正視領域を広くすることができるので、透光部 2の幅を広くして輝度を向上しても十 分な視認範囲を確保することができる。そのため、明るぐ且つ、視認範囲の広い表 示を実現すること力できる。また、レンズ (集光素子) 4は、透光部 2に設けられている ので、遮光部 1および透光部 2から形成されるバリアパターンと実質的に同一平面内 に位置している。そのため、集光された光がバリアパターンを通過する前に他の部材 によって散乱されることもなぐクロストーク領域を効果的に低減することができる。
[0048] 以下、集光素子を設けることによる効果を具体例に基づいて説明する。
[0049] まず、集光素子を備えていない比較例の画像表示装置における表示光の輝度分 布を図 3 (a)および (b)に示す。図 3 (a)および (b)は、視角(Viewing Angle)と輝度(B rightness)との関係を示すグラフであり、図 3 (a)は、図 37 (a)に示した透光部の幅が 狭い構成(比較例 1)に対応し、図 3 (b)は、図 37 (b)に示した透光部の幅が広い構 成(比較例 2)に対応する。なお、図 3 (a)および (b)においては、第 1画素群に属する 画素 P1からの表示光の輝度分布を実線で示し、第 2画素群に属する画素 P2からの 表示光の輝度分布を点線で示している。また、比較例 1および比較例 2の画像表示
装置の仕様は、それぞれ表 1および表 2に示す通りである。
[0050] [表 1]
[0051] [表 2]
[0052] 表 1および表 2に示すように、比較例 1と比較例 2とでは、透光部および遮光部の幅 のみが異なっている。クロストーク領域を狭くして視認範囲を広くするために比較例 1 のように透光部の幅を 40 mと狭くすると、図 3 (a)に示すように、 10° 〜55° 程度 の視認範囲を確保できるものの、ピーク輝度は 350cd/m2程度と低くなつてしまう。
[0053] 一方、輝度を向上させるために比較例 2のように透光部の幅を 65 まで広げると 、図 3 (b)に示すように、クロストーク領域が広くなつて視認範囲が 25° 〜45° 程度と 狭くなつてしまう。また、輝度に関しては、ピーク輝度が 480cd/m2と高くなつている ものの、輝度のピーク(視角 20° 〜25° 付近)はクロストーク領域内に位置している ので、実際にはこのような高い輝度で画像を観察することはできず、正視領域内での 輝度は、透光部の幅が狭い場合と実質上ほとんど変わらない。
[0054] 上述したように、パララックスバリア素子の透光部に集光素子が設けられていない画
像表示装置では、高!、輝度と広レ、視認範囲とを両立することができなレ、。
[0055] 次に、集光素子としてレンズ 4を備えた画像表示装置 100における表示光の輝度 分布を図 4に示す。図 4においても、第 1画素群に属する画素 P1からの表示光の輝 度分布を実線で示し、第 2画素群に属する画素 P2からの表示光の輝度分布を点線 で示している。また、用いた画像表示装置 100の仕様は、表 3に示す通りである。
[0056] [表 3]
[0057] 表 3に示すように、画像表示装置 100は比較例 2と透光部および遮光部の幅は同じ である。それにも関わらず、画像表示装置 100では、図 4に示すように、比較例 2に比 ベてクロストーク領域の幅が狭くなつており、 10° 〜60° 程度の広い視認範囲が確 保されている。また、ピーク輝度も 600cd/m2と高くなつている。このように、透光部 2 に集光素子を設けることにより、明るぐ且つ、視認範囲の広い表示を実現することが できる。
[0058] なお、集光素子であるレンズ 4とレンズ 4の液晶表示パネル 20側の表面に接する樹 脂層 5との界面で光を屈折させるために、表 3にも示しているように、レンズ 4の屈折 率と樹脂層 5の屈折率とは異なっており、レンズ 4の屈折率は、樹脂層 5の屈折率より も高い。
[0059] レンズ 4と樹脂層 5との界面で光を十分に屈折させるためには、レンズ 4と樹脂層 5と の屈折率の差は少なくとも 0. 05以上あることが好ましい。また、屈折率差が大きいほ どレンズ 4の集光作用が強くなるので、レンズ 4の屈折率と樹脂層 5の屈折率との差は 大きいほど好ましい。
[0060] 樹脂層 5の材料として例えば紫外線硬化型のアタリレート系材料を用いた場合、屈 折率は一般には 1. 5程度である力 フッ素系の置換基を導入することによって屈折 率をより低くすること力 Sできる。樹脂層 5の接着性も考慮すると、屈折率はおおよそ 1. 35程度まで低くすることができる。
[0061] 一方、レンズ 4を後述するようにフォトリソグラフィープロセスにより形成する場合には 、レンズ 4の材料としてやはり紫外線硬化型のアタリレート系材料を用いることができ る。アタリレート系材料の一般的な屈折率は、既に述べたように 1. 5程度である力 屈 折率の高い成分 (例えば硫黄系の置換基)を導入することにより、屈折率を 1. 60程 度まで高くすることができる。また、屈折率の高い金属ナノ粒子(例えばジルコユア) をレンズ材料中に分散させることにより、屈折率をさらに 1. 80程度まで高くすることが できる。
[0062] 上述した低屈折率の樹脂層材料と高屈折率のレンズ材料とを用いることにより、レ ンズ 4と樹脂層 5との屈折率差を 0. 45程度まで高くすること力 Sできる。また、図 5およ び図 6に示す画像表示装置 100Aおよび 100Bのように、レンズ 4の液晶表示パネル 20側の表面に接するような空気層 6を設けると、より大きな屈折率差を実現できる。空 気層 6の屈折率はほぼ 1. 0であるので、空気層 6を設けることにより、レンズ 4とそれ に接する空気層 6との屈折率差を 0. 8程度まで大きくすることが可能になり、より強い 集光作用を得ることができる。
[0063] なお、空気層 6を設ける場合、図 5に示すように、カラーフィルタ基板 22の外周近傍 に設けた枠状のシール部材 7によってパララックスバリア素子 10を液晶表示パネル 2 0に接合してもよいし、あるいは、図 6に示すように、カラーフィルタ基板 22上に設けた 両面テープ 8によってパララックスノ リア素子 10を液晶表示パネル 20に接合してもよ い。
[0064] 続いて、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差やレンズ 4と空気層 6との屈折率差を大きく することによる効果を具体例に基づいて説明する。
[0065] 図 7〜図 14に、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差を変化させたときの表示光の輝度 分布を示す。ここでは、樹脂層 5の屈折率を約 1. 40に固定し、レンズ 4の屈折率を 約 1. 45から約 1. 80まで変化させた。用いた画像表示装置の仕様は、表 4に示す通
りであり、図 7〜図 14中には、レンズ 4の屈折率 n、樹脂層 5の屈折率 nおよびこれら
L R
の差 Δ ηのィ直ぁ示して!/ヽる。
[0066] [表 4]
[0067] 図 7〜図 14に示すように、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差が大きくなるにつれて、 ピーク輝度(30° 付近の輝度)はほとんど変化することなぐ視認範囲が広く(つまりク ロストーク領域が狭く)なっている。これは、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差が大きくな るほど、レンズ 4の集光作用が強くなるためである。
[0068] なお、図 7〜図 14には、明るさをほとんど変化させずに視認範囲を広くする例を示 したが、これとは逆に、視認範囲をほとんど変化させずに明るさを向上させることもで きる。
[0069] 図 15〜図 20に、このような例を示す。図 15〜図 20も、図 7〜図 14と同様にレンズ 4 と樹脂層 5との屈折率差を変化させたときの表示光の輝度分布を示しているが、表 5 に示すように視認範囲を一定に保ったままで透光部 2の幅を変化させている点にお いて、図 7〜図 14と異なっている。
[0070] [表 5]
7型 WV G A ( 8 0 0 X 4 8 0 )
透光部の幅 7 0〜 1 0 5
遮光部の幅 6 5 μ πι
カラーフィルタのピッチ 6 5 li ra
榭脂層の厚さ 4 0 r
カラーフィルタ基板のガラス基板の厚さ 4 0 /i m
レンズの厚さ 3 5 /i m
ガラス基板の屈折率 約 1 . 5 1
樹脂層の屈折率 約 1 . 4 0
レンズの屈折率 約 1 . 5 5〜約 1 . 8 0
[0071] 図 15〜図 20に示すように、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差が大きくなるにつれて、 視認範囲はほとんど変化することなぐピーク輝度(30° 付近の輝度)が高くなり、明 るさが向上している。これは、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差が大きくなるほど、レン ズ 4の集光作用が強くなるためである。
[0072] また、図 21〜図 24に、レンズ 4と空気層 6との屈折率差を変化させたときの表示光 の輝度分布を示す。ここでは、空気層 6の屈折率を約 1. 00に固定し、レンズ 4の屈 折率を約 1. 45から約 1. 80まで変化させた。用いた画像表示装置の仕様は、表 6に 示す通りであり、図 21から図 24中には、レンズ 4の屈折率 n、空気層 6の屈折率 nお
L A
よびこれらの差 Δ nあ示して!/、る。
[0073] [表 6]
図 21〜図 24に示すように、レンズ 4と空気層 6との屈折率差が大きくなるにつれて、 視認範囲が広く(つまりクロストーク領域が狭く)なっている。これは、レンズ 4と空気層 6との屈折率差が大きくなるほど、レンズ 4の集光作用が強くなるためである。なお、レ
ンズ 4と空気層 6との屈折率差が大きくなるにつれて、ピーク輝度(30° 付近の輝度) がやや低下しているのは、レンズ 4と空気層 6との屈折率差が大きくなることによって、 レンズ 4と空気層 6との界面での光反射率が高くなつたためである。
[0075] 上述したように、レンズ 4と樹脂層 5との屈折率差あるいはレンズ 4と空気層 6との屈 折率差を大きくしてレンズ 4の集光作用を強くすることによって、明るさの向上および /または視認範囲の拡大を図ることができる。
[0076] 次に、レンズ (集光素子) 4を有するパララックスバリア素子 10の製造方法を図 25 (a )〜(g)を参照しながら説明する。図 25 (a)〜(g)は、ノ ララックスバリア素子 10の製 造工程を模式的に示す工程断面図である。
[0077] まず、図 25 (a)に示すように、透明基板 (例えばガラス基板) 3上に感光性を有する 黒色フィルム 1 'をローラーを用いて熱転写する。黒色フィルム 1 'としては、例えば、 厚さが 4 πι程度で OD (光学濃度)値力 程度のものを用いることができる。なお、こ こでは透明基板 3上に黒色フィルム 1 'を熱転写する方法を例示している力 これに限 定されず、黒色のワニスをスピンコートやスリットコート、インクジェットなどで塗布して あよい。
[0078] 次に、図 25 (b)に示すように、黒色フィルム 1 'にフォトマスク 50を介して紫外線を照 射し、露光を行う。黒色フィルム 1 'は、ネガ型の材料から形成されていてもよいし、ポ ジ型の材料から形成されて!/、てもよ!/、。
[0079] 続いて、現像を行って黒色フィルム 1 'をパターユングすることにより、図 25 (c)に示 すように、遮光部 1と透光部 2とが交互に配置されたノ リアパターンが形成される。こ のとき、ノ リアパターンを形成するのと同時に、レンズ形成用のァライメントパターンや 、貝占り合せ (パララックスバリア素子 10と液晶表示パネル 20との貼り合わせ)用のァラ ィメントパターンなどを同時に形成しておくことが好ましい。
[0080] その後、図 25 (d)に示すように、ノ リアパターンを形成した透明基板 3上にレンズ形 成用の感光性を有する透明フィルム 4 'を熱転写する。透明フィルム 4 'としては、例え ば、厚さ力 0 m程度のものを用いること力 Sできる。なお、バリアパターンを形成する ための材料層(黒色フィルム 1, )について説明したのと同様に、レンズを形成するた めの材料層は、ここで例示した方法に限定されず、種々の方法を用いて形成すること
ができる。
[0081] 次に、図 25 (e)に示すように、透明フィルム 4 'にグレーマスク 51を介して紫外線を 照射して階調露光を行い、続いて現像を行うことによって、図 25 (f)に示すように、透 明フィルム 4 'を大まかなレンズ形状に成形する。
[0082] 最後に、現像後の透明フィルム 4 'を高温に加熱してリフローさせることにより、透光 部 2にレンズ 4が形成される。このようにして、集光素子としてのレンズ 4を有するパラ ラックスノ リア素子 10が得られる。
[0083] なお、図 25 (e)および(f)に示した工程に変えて、図 26 (a)および (b)に示す工程 を採用してもよい。具体的には、図 26 (a)に示すように、通常のフォトマスク 52を用い て露光を行った後に、図 26 (b)に示すように現像を行い、その後、図 25 (g)に示した ようにリフロー工程を実行してもよい。図 25 (e)や図 26 (a)に示したようにフォトマスク (グレーマスク 51や通常のフォトマスク 52)を用いて露光を行う場合には、あらかじめ (具体的にはバリアパターンを形成する際に)形成しておいたァライメントマーカーで フォトマスクをァライメントすることにより、所望の位置にパターユングを施すことができ
[0084] あるいは、図 25 (e)および(f)に示した工程に変えて、図 27 (a)および (b)に示す 工程を採用してもよい。具体的には、図 27 (a)および (b)に示すように、透明基板 3の 裏面 (バリアパターンが形成されて!/、な!/、方の面)から紫外線を照射してバリアパター ンをマスクとして露光 '現像し、その後、図 25 (g)に示したリフロー工程を実行すること によって、遮光部 1間の透光部 2に自己整合的にレンズ 4を形成してもよい。
[0085] 続いて、パララックスバリア素子 10と液晶表示パネル 20との貼り合わせ方法を図 28
(a)〜(f)を参照しながら説明する。図 28 (a)〜(f)は、ノ ララックスバリア素子 10と液 晶表示パネル 20との貼り合わせ工程を模式的に示す工程断面図である。
[0086] まず、図 28 (a)に示すような液晶表示パネル 20を用意し、続いて、図 28 (b)に示す ように、この液晶表示パネル 20のカラーフィルタ基板 22をケミカルエッチングや研削 により薄くする。なお、ここでは、完成した液晶表示パネル 20に対してカラーフィルタ 基板 22の薄板化処理を行って!/、るが、液晶表示パネル 20の製造工程のある段階で カラーフィルタ基板 22を薄板化してもよ!/、。
[0087] 次に、図 28 (c)に示すように、カラーフィルタ基板 22上に樹脂材料を塗布すること によって樹脂層 5を形成する。樹脂材料は、スピンコート、スリットコート、インクジェット など種々の方法を用いて塗布することができる。また、樹脂材料から形成されたフィ ルムを貼り付けることによって樹脂層 5を形成してもよい。
[0088] 続いて、図 28 (d)に示すように、液晶表示パネル 20とパララックスバリア素子 10とを 樹脂層 5を介して貼り合わせる。このとき、貼り合わせを減圧下(略真空中)で行うこと により、樹脂層 5への気泡の混入が防止される。勿論、大気中で貼り合わせを行って もよいが、その場合でも、気泡の混入が防止されるような方法や材料を用いることが 好ましい。
[0089] 次に、図 28 (e)に示すように、パララックスバリア素子 10のバリアパターンと、液晶 表示パネル 20の画素パターンとのァライメントを行う。このァライメントは、例えば、ノ ララックスバリア素子 10の透明基板 3と液晶表示パネル 20とにそれぞれあらかじめ形 成しておいたァライメントマーカーをカメラで認識することにより行うことができる。
[0090] その後、樹脂層 5を所定の方法で硬化させることによって貼り合わせが完了する。
樹脂層 5の材料として紫外線硬化型接着剤を用いる場合には、図 28 (f)に示すよう に、紫外線を照射することによって硬化を行えばよい。樹脂層 5の材料として、可視 光硬化型接着剤を用いる場合には可視光を照射すればよいし、熱硬化型接着剤を 用いる場合には加熱処理を行えばょレ、。
[0091] 図 28 (a)〜(f)には、レンズ 4に接するように樹脂層 5が設けられる場合の貼り合わ せ方法を示したが、樹脂層 5に代えて空気層 6を設ける場合には、例えば図 29 (a)〜 (f)に示す工程により貼り合わせを行うことができる。
[0092] まず、図 29 (a)に示すような液晶表示パネル 20を用意し、続いて、図 29 (b)に示す ように、この液晶表示パネル 20のカラーフィルタ基板 22をケミカルエッチングや研削 により薄くする。
[0093] 次に、図 29 (c)に示すように、カラーフィルタ基板 22上に枠状のシール部材 7を形 成する。シール部材 7の材料としては、紫外線硬化型接着剤や可視光硬化型接着剤 、熱硬化型接着剤などを用いることができる。なお、ここでは液晶表示パネル 20の力 ラーフィルタ基板 22上にシール部材 7を形成した力 パララックスバリア素子 10の透
明基板 3上にシール部材 7を形成してもよい。
[0094] 続いて、図 29 (d)に示すように、液晶表示パネル 20とパララックスバリア素子 10とを 樹脂層 5を介して貼り合わせる。この貼り合わせは、真空中で行ってもよいし、大気中 や減圧下で行ってもよい。
[0095] 次に、図 29 (e)に示すように、パララックスバリア素子 10のバリアパターンと、液晶 表示パネル 20の画素パターンとのァライメントを行い、その後、シール部材 7を所定 の方法で硬化させることによって貼り合わせが完了する。例えばシール部材 7の材料 として紫外線硬化型接着剤を用いる場合には、図 29 (f)に示すように、紫外線を照 射することによって硬化を行えばよい。
[0096] あるいは、図 30 (a)〜(e)に示す工程により貼り合わせを行ってもよい。
[0097] まず、図 30 (a)に示すような液晶表示パネル 20を用意し、続いて、図 30 (b)に示す ように、この液晶表示パネル 20のカラーフィルタ基板 22をケミカルエッチングや研削 により薄くする。
[0098] 次に、図 30 (c)に示すように、カラーフィルタ基板 22上に両面テープ 8を貼り付ける 。両面テープ 8は、粘着型のものであってもよいし、接着型のものであってもよい。
[0099] 続いて、図 30 (d)に示すように、液晶表示パネル 20とパララックスバリア素子 10とを 樹脂層 5を介して貼り合わせる。この貼り合わせは、真空中で行ってもよいし、大気中 や減圧下で行ってもよい。なお、両面テープ 8を用いる場合には、貼り合わせ後にァ ライメントを行うことができないため、貼り合わせを行う前にバリアパターンと画素パタ ーンとのァライメントを行っておくことが好まし!/、。
[0100] その後、必要に応じて両面テープ 8を硬化させることによって貼り合わせが完了す る。紫外線硬化型の両面テープ 8を用いる場合には、図 30 (e)に示すように、紫外線 を照射することによって硬化を行えばよい。熱硬化型の両面テープ 8を用いる場合に は、加熱処理を行えばよいし、粘着型の両面テープ 8を用いる場合には、硬化処理 そのものが不要である。
[0101] 次に、液晶表示パネル 20の画素の配列やパララックスバリア素子 10のバリアパタ ーンの配列の例を説明する。図 31 (a)、(b)および (c)に、好ましい配列の一例を示 す。図 31 (a)は、液晶表示パネル 20の画素の配列(カラーフィルタの酉己列)を示し、
図 31 (b)は、パララックスバリア素子 10の遮光部 1、透光部 2およびレンズ 4の配列を 示し、図 31 (c)は、これらを重ね合わせたものを示している。
[0102] 図 31 (a)に示す例では、第 1画素群に属する複数の画素 P1および第 2画素群に属 する複数の画素 P2は、それぞれ列方向に延びるストライプ状に配置されており、画 素 P1と画素 P2とが行方向に沿って交互に配置されている。これに対応するように、 パララックスバリア素子 10の複数の遮光部 1および透光部 2とレンズ 4は、図 31 (b)お よび (c)に示すように、ストライプ状に配列されている。
[0103] 図 32 (a)、(b)および (c)に、好ましい配列の他の一例を示す。図 32 (a)に示す例 では、第 1画素群に属する画素 P1と第 2画素群に属する画素 P2とは、行方向に沿つ ても交互に配置されているし、列方向に沿っても交互に配置されている。つまり、画 素 P1および画素 P2は、それぞれ千鳥状に配置されている。これに対応するように、 パララックスバリア素子 10の複数の遮光部 1および透光部 2とレンズ 4は、図 32 (b)お よび )に示すように、千鳥状に配列されている。
[0104] 図 31に示すストライプ配列および図 32に示す千鳥配列のいずれを用いてもよい。
図 32に示す千鳥配列を用いると、画素の配置がデルタ状になるので、よりきめ細や 力、な画像の表示が可能になる。ただし、千鳥配列を用いると、水平方向だけでなく垂 直方向(図 32 (c)中に矢印で示す方向)についても遮光部 1および透光部 2が交互 に配置されるので、水平方向だけでなく垂直方向にも画像が分離されてしまう。その ため、例えば、図 33に示すように、正面方向から第 1の画像を観察している観察者が 垂直方向に頭を動かすと、第 2の画像が観察されてしまう。つまり、千鳥配列を用いる と、垂直方向の視認範囲が制限されてしまう。図 31に示すストライプ配列を用いると、 このような現象は発生せず、垂直方向における視認範囲が制限されることはない。
[0105] なお、本実施形態では、集光素子として、曲面形状を有するレンズ 4を例示した力 集光素子はこれに限定されるわけではない。集光機能を有する素子を透光部 2に設 けることによって同様の効果を得ることができる。集光素子として用いられる「レンズ」 は、広義のレンズであればよぐ図 1に示したような曲面形状を有するレンズ 4 (つまり 狭義のレンズ)の他、図 34に示すようなプリズム 4Aを用いてもよい。曲面形状を有す るレンズ 4は、複数の平面から構成されるプリズム 4Aに比べ、集光作用が強いので、
広レ、視認範囲を維持しながら高輝度化を実現しやすレ、。
[0106] また、本実施形態では、表示パネルとして液晶表示パネル 20を例示した力 表示 パネルは液晶表示パネルに限定されるわけではない。表示パネルとしては、種々の 表示パネルを用いることができ、有機 EL表示パネルのような、バックライトを必要とし なレ、自発光型の表示パネルを用いてもょレ、。
[0107] また、本発明は、例示したようなデュアルビュー表示装置だけでなぐ立体画像表 示装置にも好適に用いられる。パララックスバリア素子を備えた立体画像表示装置に おいても、透光部に集光素子を設けることにより、明るぐ且つ、視認範囲の広い表示 を実現することができる。立体画像表示装置においては、第 1画素群が表示する第 1 の画像は右眼用の画像であり、第 2画素群が表示する第 2の画像は左眼用の画像で ある。
産業上の利用可能性
[0108] 本発明によると、ノ ララックスノ リア素子を備えた画像表示装置において、明るぐ 且つ、視認範囲の広い表示を実現することができる。本発明による画像表示装置は 、カーナビゲーシヨンシステムをはじめとする種々の電子機器に好適に用いられる。