JP2006153982A - 透過型スクリーンおよびそれを有する背面投射型プロジェクションテレビ - Google Patents

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宏巳 桜井
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Abstract

【課題】従来のレンチキュラーレンズシートを用いるものよりも視野角が広げることが可能な透過型スクリーンの提供。
【解決手段】光放射部材41を有する背面投射型プロジェクションテレビ用の透過型スクリーンにおいて、光放射部材41は液晶マイクロレンズアレイであることを特徴とする透過型スクリーン。光放射部材41として液晶マイクロレンズアレイを用いることにより、従来のレンチキュラーレンズシートを用いるよりも、視野角を広げることが可能となる。また、光放射部材に印加する電圧を調整することにより視野角を任意に制御できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、背面投射型(リア型)プロジェクションテレビに使用される透過型スクリーンに関する。
背面投射型(リア型)プロジェクションテレビ(以下、RPTVという。)用のスクリーンは、光学エンジンで合成されたRGBの画像情報光を、拡大投影光学系によりパネル面に結像し、観察者に高品位の画像情報を提供する役割がある。近年、RPTVは従来のCRTを投影するタイプから、LCD(リキッド・クリスタル・ディスプレィ)素子・LCOS(リキッド・クリスタル・オン・シリコン)素子またはDMD(ディジタル・マイクロミラー・デバイス)などのマイクロデバイス(以下、MDという。)を用いた方式に変わりつつある。近年では、MDにより発生される映像情報光を投影光学系により拡大結像することが可能となり、高品位画質の大型TVシステムとして実用化が進んでいる。
しかし、MDを用いた場合であっても、消費電力の面での制約やテレビ筐体の内部温度の上昇を避けるために表示用光源出力の制約があることから、使用できる光源からの光量は限られている。よってこれらの限られた光量を画像として有効に表示する必要がある。このため、スクリーンパネルではレンチキュラーレンズシートと拡散部材とを積層して視野角を広げ、画像として有効に表示する工夫がなされている(例えば、特許文献1参照。)が、必ずしも十分とはいえなかった。
特開平6−308615号公報
本発明は、従来のレンチキュラーレンズシートを用いるよりも視野角を広げることが可能な透過型スクリーンの提供を目的とする。
本発明は、光放射部材を有する背面投射型プロジェクションテレビ用の透過型スクリーンにおいて、光放射部材は液晶マイクロレンズアレイ(以下、液晶MLAという。)であることを特徴とする透過型スクリーンを提供する。また、本発明は、前記光放射部材は、電圧印加により鉛直方向に長手方向を有するアレイ状の平凸シリンドリカルレンズが水平方向に間隔をあけて形成されてなる、または電圧印加によりアレイ状の凸レンズが水平方向および鉛直方向に間隔をあけて形成されてなる前記透過型スクリーンを提供する。なお、平凸シリンドリカルレンズとは、略かまぼこ状の形状を有するレンズを意味する。
また、本発明は、前記光放射部材は、2枚の挟持基板により挟まれた液晶層を有し、一方の前記挟持基板には導電膜が形成され、他方の前記挟持基板には電極が形成されてなる前記透過型スクリーンを提供する。また、本発明は、前記透過型スクリーンを有するPRTVを提供する。
本発明は、光放射部材として液晶MLAを用いることにより、従来のレンチキュラーレンズシートを用いるよりも、視野角を広げることができる。また、光放射部材に印加する電圧を調整することにより視野角を任意に制御することができ、PRTVの使用条件やその目標となるスペックに応じた視野角を容易に達成することができる。また、視野角は、水平方向および/または鉛直方向に任意に制御が可能である。また、液晶MLAは、それ自身を平坦な形状とすることができるため、拡散部材や前面パネル等への積層も容易で、実装上の利点が大きい。
以下、本発明の透過型スクリーンの構成について詳説する。
図1は、本発明のRPTVの一態様を示す概略横断面図である。RPTV101は、光源ランプユニット、映像信号を発生させるMDとその信号処理回路ユニット、空冷ファン、拡大投影用レンズおよび種々のフィルタなどで構成される投影光学系エンジン103、反射ミラー104、透過型スクリーン10および筐体102からなる。投影光学系エンジン103から出射された映像情報を持った光106は反射ミラー104で折り返した後、透過型スクリーン10に入射し、入射した光とは反対側から観察者がスクリーン上の画面を観察する。なお、本明細書において、「前面」とは透過型スクリーンにおいて観察側の面のことを意味し、「背面」とは透過型スクリーンにおいて観察側と反対側の面(プロジェクタ(光源)側の面)を意味する。
図2は従来の透過型スクリーン10の一態様を示す概略横断面図である。透過型スクリーン10はフレネルレンズシート1、平面側にブラックストライプ3が塗布されたレンチキュラーレンズシート2、拡散部材4が積層された背面パネル7、および反射防止処理層6を基板5の表面に積層した前面パネル8より構成されている。
これに対し、図3は、本発明の透過型スクリーンの一態様を示す概略横断面図である。透過型スクリーン10はフレネルレンズシート1、背面側にブラックストライプ3が塗布された光放射部材41および拡散部材4からなる背面パネル7、および反射防止処理層6を基板5の表面に積層した前面パネル8から構成されている。本発明においては、光放射部材41が液晶MLAであることを特徴としている。光放射部材とは、平行な投影光を一旦集光し散乱させるような機能を有する部材をいう。
光源より発せられた拡大投影光はフレネルレンズシート1に入射することで、拡散光から平行光に変換される。平行光は、光放射部材41に入射した後、光放射部材41の作用により集光され、ブラックストライプ3−ブラックストライプ3間のスリットから広がりながら散乱される。さらに拡散部材4の作用により散乱され、前面パネル8を透過して観察者に映像として認識される。この場合、スクリーンに映し出される映像の視野角は光放射部材41および拡散部材4の散乱特性によって主として決定される。光放射部材41として液晶MLAを用いることにより、従来から使用しているレンチキュラーレンズシートを用いるよりも視野角を広げることが可能となる。また、印加電圧を調整することにより視野角を任意に制御することが可能となる。
以下、各部材について詳細に説明する。
<光放射部材>
本発明においては、光放射部材41が液晶MLAであることを特徴としている。なお液晶MLAとは、一対の電極とそれに挟まれた液晶層からなり、前記電極間に電圧を印加していないときは単に光を透過するのみだが、電圧を印加していくと、電圧が印加されていない部分(つまり電極が形成されていない部分)にアレイ状の平凸シリンドリカルレンズまたは凸レンズが液晶MLA中に形成される結果、水平方向および/または鉛直方向にレンズ焦点距離が可変となり、光の広がり角度、すなわちレンズ開口(NA)を所定の範囲で任意に制御できる部材をいう。
図4は、光放射部材41である液晶MLAの一態様を示す詳細横断面図である。光放射部材41は、2枚の挟持基板43により挟まれた液晶層42を有している。一方の挟持基板43には導電膜44が形成され、他方の挟持基板43には電極45が形成されている。挟持基板43の材質としては、樹脂フィルムまたはガラスが使用可能である。また、背面側の挟持基板43には、低抵抗の導電膜44と配向処理が施されたポリイミド膜47が、背面側から挟持基板43/導電膜44/ポリイミド膜47の順に形成されている。一方、前面側の挟持基板43には、ブラックストライプ46がパターニングされ、さらにブラックストライプ46の上に電極45がパターニングされている。また、配向処理されたポリイミド膜47が形成されており、ポリイミド膜47はパターニングされたブラックストライプ46および電極45を覆う形態で形成されている。なお、導電膜44としては、その低抵抗性と透明性から、通常ITO膜が使用される。一方、電極45は、光放射部材41に電圧を印加した際に、電極がない部分に光を集光させるような構成とする場合においては、特に透明である必要はないため、AlやAg等の金属膜をパターニングした電極が使用可能である。または、電極45としてITO膜をパターニングした電極も使用できる。液晶層42としては、複屈折率Δnが0.1〜0.5であることが好ましい。また、液晶層42は、室温において液晶性を示す低分子液晶であれば特に限定されず、具体的には5−シアノビフェニル液晶などが例示される。また、液晶層42の厚さは、レンズ形状の制御がしやすい点、薄くすれば電圧の応答性が速くなる点で、5〜20μmであることが好ましい。
図5は、パターニングされた電極45と導電膜44との間に電圧印加装置62により電圧を印加した場合、液晶層42がどのように変化するのかを示す液晶MLAの一態様を示す拡大横断面図である。電極が存在している部分では印加電圧によって液晶の配向は乱され、電極が存在していない部分では液晶配向状態が保持されるため、その結果、液晶層42内にはアレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60が形成される。レンズの焦点距離はそのレンズの屈折率と形状で決定される。よって、電極45と導電膜44との間の印加電圧を上昇させていくと、それに伴い平凸シリンドリカルレンズの曲率が大きくなり焦点距離は短くなる。そして、ある電圧を印加したところでレンズの曲率は最大値、すなわち最短の焦点距離をとり、その時に最大のNAとなる。よって、アレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60を透過した光は最も大きな角度で広がって出射され、ブラックストライプ46とブラックストライプ46との間を通過し、観察者の目に届くこととなる。さらに印加電圧を上げると、図5の液晶層42内に破線で示すように、曲率の小さなレンズ形状を有するアレイ状の平凸シリンドリカルレンズ61となるため、NAは小さくなって出射光の広がりは小さくなる。さらに印加電圧を上げると、やがて液晶層42内の配向保持部分は完全に消滅しレンズ機能は消失する。以上、光放射部材41に入射した平行光64は、電圧印加により形成されたアレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60により集光拡散され、ブラックストライプ46とブラックストライプ46との間を通過し、観察者の目に届くこととなる。アレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60は、パターニングされた電極45−電極45間に形成されることが好ましい。すなわち、アレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60は、隣り合う電極45−電極45間の中心に光軸中心を有するように形成されることが好ましい。よって、ブラックストライプ46とブラックストライプ46の中心を隣り合う電極45−電極45間の中心と合致させることが好ましい。図6は、光放射部材41に電圧を印加する場合の液晶層42内の等電位分布を示す図である。電圧印加によって形成されるアレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60は、電圧の上昇とともに凸レンズの凸状部分の大きさが大きくなる。
パターニングされた電極45の形状は、透過型スクリーンの様式によって、適宜変更することが可能である。例えば、図7のように、鉛直方向(観察者からスクリーンをみた場合の鉛直方向)に適当な幅を有する直線形状が所定の間隔で打ち抜かれた電極パターンを構成することも可能である。このような構成とすることで、電圧印加により鉛直方向に長手方向を有するアレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60が水平方向に間隔をあけて形成される。よって、水平方向の広がり角は印加電圧によって調整可能になり、これを図3の光放射部材41として使用することで、視野角が水平方向に可変の透過型スクリーンとして利用できる。
なお、上記のように鉛直方向に長手方向を有する電極パターンを形成する場合、電極の幅(図7における鉛直方向に形成された斜線部分の幅)は、10〜100μmであることが光利用率の点で好ましい。電極の幅を100μm超とすると、液晶層内のレンズ機能を持たない領域が大きくなり、透過光の一部を電極で遮蔽する可能性があるため好ましくない。また、電極は各々平行に形成されることが好ましい。また、隣り合う電極45−電極45間(図7における白く打ち抜かれた部分)の距離は、液晶層の厚さの1.5〜5倍であることが好ましく、例えば、液晶層の厚さが12μmの場合、隣り合う電極−電極間の距離は18〜60μmであることがレンズ形状の制御性の点で好ましい。また、アレイ状の平凸シリンドリカルレンズ60は、できるだけ等間隔で形成されることが視認上好ましいことから、電極45も等間隔で形成されることが好ましい。なお、電極45の形状は、所定の間隔で打ち抜かれたもののみならず、所定の間隔で形成されていてもよい。また、隣り合うブラックストライプ46とブラックストライプ46との間に焦点を結ぶ必要性から、隣り合うブラックストライプ46とブラックストライプ46の中心を隣り合う電極45−電極45間の中心と合致させることが好ましく、また、ブラックストライプ46と電極45とは、投影光の入射側から見て同じ位置に形成されていることが好ましい。なお、図7では、鉛直方向に長手方向を有する電極パターンを形成しているが、水平方向に長手方向を有する電極パターンを形成してもよい。後者の場合は、鉛直方向の広がり角が印加電圧によって調整可能となる。
電極45の他の例として、例えば、図8のように、エッチング処理などにより楕円形状に穴あけ加工されて、楕円形状が打ち抜かれた電極パターンとすることも可能である。このような電極を形成すれば、電圧印加により特定の形状を有するアレイ状の凸レンズ60が水平方向および鉛直方向に間隔をあけて形成される。よって、水平方向および鉛直方向の広がり角は印加電圧によって調整可能になる。楕円形状が打ち抜かれた電極パターンを有する液晶MLAを図3の光放射部材41として透過型スクリーン10に使用することで、視野角を水平方向および鉛直方向に可変の透過型スクリーンとして利用できる。視野角が水平方向および鉛直方向に可変とすることで表示輝度を任意に調整させることができるため好ましい。なお、電極の形状は、本発明の効果を奏する形状であれば特に限定されず、楕円のみならず、円、四角、三角等であってもよい。
特に、図8のように、鉛直方向に長径を有する楕円形状が打ち抜かれた電極パターン(すなわち、無電極部分が楕円形状)を形成することにより、鉛直方向の広がり角が水平方向の広がり角によりもやや狭い液晶MLAを構成できる。このような構成とすることで、水平方向の視野角が鉛直方向の視野角よりも若干大きくなる結果、実用上、観察者が横方向に複数人で並んでスクリーンを見る場合であっても表示が良好となる点で好ましい。
なお、打ち抜かれた形状が楕円形状の場合、この楕円の鉛直方向および水平方向の長さ(すなわち、長径および短径)は、ともに10〜100μmであることが光利用率の点で好ましい。また、電極−電極間の距離(図9におけるLおよびL)は、鉛直方向および水平方向ともに、液晶層の厚さの1.5〜5倍であることが好ましく、液晶層の厚さが12μmの場合、鉛直方向、水平方向ともに18〜60μmであることがレンズ形状制御の点で好ましい。また、電圧印加時に形成されるアレイ状の凸レンズ60は、できるだけ等間隔で形成されることが好ましい。また、隣り合うブラックストライプ46とブラックストライプ46との間に焦点を結ぶ必要性から、隣り合うブラックストライプ46とブラックストライプ46の中心を隣り合う電極45−電極45間の中心と合致させることが好ましく、また、ブラックストライプ46と電極45とは、投影光の入射側から見て同じ位置に形成されていることが好ましい。
従来光放射部材41として使用されていたレンチキュラーレンズは、通常、樹脂からなる凸レンズの集合体であり、単体では水平方向の広がり角を30°程度までしか広げることができない。しかし、電極を図7に示す構造とすることにより、光放射部材41である液晶MLAに印加する電圧を変化させることで、水平方向の広がり角を0〜45°、好ましくは0〜38°の範囲で任意に調整することが可能となる。また、拡散部材4を取り付けることにより、透過型スクリーンの視野角を10〜50°程度まで広げることが可能となる。PRTVは、50インチ(127cm)以上といった大型スクリーンを用いることが多く、多くの観察者が見ることができるように構成されていることが求められる。本発明における光放射部材41は広がり角が大きいため、特に水平方向に視野角が広がり、多くの観察者がPRTVを見ることができる点で優れている。また、視野角を任意に調整が可能となるため、PRTVの使用条件やその目標となるスペックに応じた視野角を容易に達成することができる。
従来光放射部材41として使用されていたレンチキュラーレンズシートは、単体では鉛直方向の広がり角を広げることは困難であった。しかし、電極を図8に示すような構造とすることにより、光放射部材41である液晶MLAに印加する電圧を変化させることで、水平方向の広がり角を0〜40°、好ましくは0〜35°の範囲で任意に調整することが可能となり、鉛直方向の広がり角を0〜20°、好ましくは0〜16°の範囲で任意に調整することが可能となる。また、拡散部材4を取り付けることにより、透過型スクリーンの視野角を、水平方向に10〜45°、鉛直方向に10〜30°程度まで広げることが可能となる。また、電極の形状を調整することにより、水平方向のみならず鉛直方向も同時に広がり角を広げることが可能となり、光利用効率の点で好ましい。また、視野角を水平方向のみならず鉛直方向も任意に調整が可能となるため、PRTVの使用条件やその目標となるスペックに応じた視野角を、鉛直方向にも容易に達成でき好ましい。
また、従来の射出成形や押出し成形で作られるレンチキュラーレンズシートはある特定の突起を有しているのに対し、光放射部材41である液晶MLAの形状は平坦であるため、拡散部材や前面パネル等へ直接の積層が容易にでき、実装上の利点が大きい。また、ブラックストライプ3を形成していることにより、ブラックストライプ3を形成していない場合と比較して、本発明の効果である視野角調整による表示輝度制御性がより強く発揮されるため好ましい。
また、例えば、光放射部材41に印加する電圧を観察者が任意に制御できるスイッチをPRTVに取り付けることで、観察者が任意に電圧を制御することが可能となる。このような制御が可能となることで、一人でPRTVを見ているときは視野角を小さくし明るい画面とすることができ、多くの観察者がいる場合は視野角を広げ全員が画面を見ることが可能となる。
2枚の挟持基板43のうちの1枚を拡散部材4の基板として利用することにより、光放射部材41と拡散部材4とを一体化することができるため、層構成の簡略化や生産効率の向上を図ることができ好ましい。
<基板>
本発明における基板としては、プラスチック基板やガラス基板が例示される。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂等の透明または半透明の熱可塑性樹脂が使用できる。なかでも、表面耐擦傷性、耐候性、透明性等の点から、アクリル系樹脂が望ましい。また、強度の点ではガラス基板が好ましい。
ガラス基板は、特に限定されないが、ソーダライムガラスを基本組成としたガラスが、コストの点で好ましい。ガラス中の鉄分を通常より減らした高光透過ガラスや、光吸収剤を添加した着色ガラスも、その光学設計に応じて使用できる。ガラス基板は高い剛性を有しているので、該ガラス基板上に反射防止処理層および拡散部材を密着して接着でき、高剛性の透過型スクリーンとすることができる。該透過型スクリーンに、さらに、レンチキュラーレンズシートおよびフレネルレンズシートを密着して積層し、高剛性の一体型透過型スクリーンとすることもできる。また、高剛性とすることにより、テレビ筐体への取り付けも容易になる。また、プラスチック基板のように、気圧の変化や外部からの衝撃等により、反りが発生するという問題が生じにくく、またレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートが擦れて、レンズが削られるという問題が発生しにくい。
ガラス基板として強化ガラスを用いることにより、スクリーンの強度を向上し、破損しにくいスクリーンを提供できる点で好ましい。また、ガラス基板として、曲面を形成したガラス基板も使用可能である。ガラス自体の剛性が高いので、曲面をそのまま維持したスクリーンを提供できる。
本発明における基板は、可視光透過率が65〜95%であることが好ましい。可視光透過率がこの範囲になるように、用途に応じた基板の厚さを用いることができ、多様な要求特性に応じて基板の厚さを調整する。可視光透過率が65%未満では、映像が暗くなりすぎ、95%超ではコストが高くなる。なお、本明細書において可視光透過率の測定は、JIS R3106(1998年)に準拠して行う。
本発明におけるガラス基板の厚さは、1.5〜6mmが好ましい。この範囲であれば適度な可視光透過率で、十分な強度を備えた透過型スクリーンが得られる。これらの特性がより優れる点で、ガラス基板の厚さは、2〜5mmがより好ましく、2.5〜4mmが特に好ましい。また、本発明におけるプラスチック基板の厚さは、1.5〜3.5mmであることが好ましい。
また、大面積の基板の場合には、ガラス基板はプラスチック基板と比較して平坦性が高いので、基板上に形成した偏光分離板へ光が正しい角度で入射されるため、本発明の効果がより大きく発揮される。
<拡散部材>
本発明における拡散部材は、拡散剤を含むコーティングからなっていてもよく、拡散剤を樹脂中に含む樹脂フィルムからなっていてもよい。ここで、拡散剤を含むコーティングとは、例えば有機粒子としての拡散剤が分散された有機化合物溶液を塗布し加熱して形成される膜、無機粒子としての拡散剤が分散された有機化合物溶液を塗布し加熱して形成される膜、無機粒子としての拡散剤が分散された無機化合物溶液を塗布し加熱して形成される膜、および無機粒子としての拡散剤が分散された無機反応液に浸漬して、または該無機反応液を塗布して、加熱しながら反応膜を成膜する方法(ゾルゲル法)により形成される膜を含む。また、拡散剤を樹脂中に含む樹脂フィルムからなる拡散部材が、ガラス基板の背面に接着剤等で密着して接着されていることにより、ガラス基板が外部からの衝撃を受けて割れた場合にガラス飛散防止フィルムとしても働く。また、本発明においては、透過型スクリーンの明るさの必要性から、拡散部材の可視光透過率が高いことが好ましい。なお、拡散部材の厚さは、可視光透過率の点で薄い方が好ましいが、本発明の課題を解決するためには、厚さは特に限定されない。
<フレネルレンズシート>
本発明において用いられるフレネルレンズシートは、その形状は特に限定されず、従来より知られているような断面がかまぼこ形の形状をした複数の同心円状のレンズから構成されるシートが使用できる。
<反射防止処理層>
本発明における光反射防止処理層は、外部環境の光の反射を低減できるものであれば特に限定されず、低反射層であってもよく、樹脂フィルム上に1層以上の低反射層を有する光反射防止フィルムであってもよい。該光反射防止フィルムの低反射層がない側を、接着剤等を用いてガラス基板の前面に貼り合わせることが好ましい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されない。
(例1)
挟持基板43であるポリカーボネート製のシートに、ブラックストライプ46をパターニングする。その後、一方のシート上には、ライン・アンド・スペースを15μm/35μm(電極の幅:15μm、電極−電極間の距離:35μm)とするITO膜からなる図7に示すような電極45を形成し、その上にポリイミド膜47を形成して配向処理を施す。他方のシート上には、全面にITO膜からなる導電膜44を形成し、その上にポリイミド膜47を形成して配向処理を施す。電極45を形成したシートに直径12μmのスペーサである樹脂ビーズを散布し(これにより、液晶層42の厚さは12μmとなる。)、複屈折率Δnが0.23、室温において液晶性を示す5−シアノビフェニル液晶を注入し、他方の挟持基板43を積層し、図4に示すような光放射部材41である液晶MLAを形成する。
導電膜44と電極45との間に100kHzの交流電圧を印加し、0Vから約3Vまで少しずつ電圧を変化させながら、電極45側(背面側)から映像光を入射し、広がり角を測定する。
広がり角の測定方法を図10を用いて説明する。図10は、光源からの光が光放射部材41である液晶MLAに入射する場合に、光が拡散していく様子を示す模式図である。上方の広がり角とは、光源70からの映像光80が光放射部材41に対してほぼ垂直に入射するとき、光放射部材41の画面中央から垂直方向に2メートル離れた位置における映像光84の輝度を1とする場合、その位置から上方へ上がっていき、映像光82の輝度が0.5となる位置における画面中央からの垂線に対する角度θを意味する。下方や左右方向の広がり角についても同様に測定ができる。なお、映像光の輝度は分光放射輝度計によって測定する。
水平方向の広がり角は、印加電圧が0.5Vを超えるころから拡大し始め、38°まで増大する。さらに印加電圧を35Vまで上昇させると、液晶層42内の液晶配向領域が小さくなり、広がり角は逆に減少する。印加電圧を3Vから降下させると、広がり角は減少し、0.5V以下ではレンズ効果をほとんど示さなくなる。結局、この液晶MLAの水平方向の広がり角は0〜38°の範囲で任意に制御できることが確認される。すなわち、この光放射部材41は、電圧により焦点距離、すなわちNAの調整可能なレンチキュラーレンズシートの機能を有することがわかる。なお、鉛直方向の広がり角は0°であり、電圧印加により変化はない。
次に、得られる液晶MLAを光放射部材41として組み込み、図3に示すような透過型スクリーンを作成する。拡散部材4として光拡散性微粒子を練りこんだポリカーボネートを成形した拡散板を用いる場合、形成される透過型スクリーンの水平方向の視野角は、0Vから約3Vまで少しずつ印加電圧を変化させる場合、12〜43°まで任意に調整できる。なお、視野角の測定は、光放射部材41を用いる代わりに透過型スクリーンを用いる以外は広がり角の測定と同様に行い、例2および3も同様である。
(例2)
例1におけるライン・アンド・スペースを15μm/35μmとする電極45に代わりに、図8のような鉛直方向が50μm、水平方向が35μmの大きさを有する楕円形状の無電極部分が、鉛直方向にL=65μm、水平方向にL=50μmの周期で形成されている電極45を用いる以外は例1と同様にして、図4に示すような光放射部材41である液晶MLAを形成する。例1と同様に広がり角を測定する。
広がり角は、印加電圧が0.5Vを超えるころから拡大し始め、水平方向には38°、鉛直方向には20°まで増大する。さらに印加電圧を3Vまで上昇させると、液晶層42内の液晶配向領域が小さくなり、広がり角は逆に減少する。印加電圧を3Vから降下させると、広がり角は減少し、0.5V以下ではレンズ効果をほとんど示さなくなる。結局、この液晶MLAの広がり角は水平方向には0〜38°、鉛直方向には0〜20°の範囲で任意に調整できることが確認される。すなわち、この光放射部材41は、水平方向と鉛直方向で異なる焦点距離、すなわち異なるNAを持つアナモルフィックレンズの機能を示す。
次に、得られる液晶MLAを光放射部材41として組み込み図3に示すような透過型スクリーンを作成する。拡散部材として光拡散性微粒子を練りこんだポリカーボネートを成形した拡散板を用いる場合のこの透過型スクリーンの視野角は、0Vから約3Vまで少しずつ印加電圧を変化させる場合、水平方向に12〜42°、鉛直方向に12〜25°まで任意に調整できる。
(例3)(比較例)
例1における光放射部材41である液晶MLAの代わりに、半円筒状の突起が水平方向に連続的に形成されているレンチキュラーレンズシート(該円筒の直径は155μm)を用いる以外は例1と同様にして透過型スクリーンを作成する。拡散部材4として光拡散性微粒子を練りこんだポリカーボネートを成形した拡散板を用いる場合のこの透過型スクリーンの視野角は、水平方向に30°、鉛直方向に10°である。
例1および2で作成した透過型スクリーンは、PRTV用の透過型スクリーンに有用な、従来よりも大きい視野角を有することが確認される。また、電圧印加を調整することで、任意に視野角を制御することも確認される。
本発明の透過型スクリーンは、レンチキュラーレンズシートよりも視野角を広げることが可能であるため、PRTVに特に有用である。
本発明のRPTVの一態様を示す概略横断面図である。 従来の透過型スクリーンの一態様を示す概略横断面図である。 本発明の透過型スクリーンの一態様を示す概略横断面図である。 光放射部材41である液晶MLAの一態様を示す詳細横断面図である。 パターニングされた電極45と導電膜44との間に電圧印加装置62により電圧を印加する場合、液晶層42がどのように変化するのかを示す液晶MLAの一態様を示す拡大横断面図である。 光放射部材41に電圧を印加した場合の液晶層42内の等電位分布を示す図である。 パターニングされた電極の形状を示す平面図である。 別のパターニングされた電極の形状を示す平面図である。 図8に示す電極の形状の要部拡大図である。 光源からの光が光放射部材41に入射した場合に、光が拡散していく様子を示す模式図である。
符号の説明
1:フレネルレンズシート
2:レンチキュラーレンズシート
3:ブラックストライプ
4:拡散部材
5:基板
6:反射防止処理層
7:背面パネル
8:前面パネル
10:透過型スクリーン
41:光放射部材
42:液晶層
43:挟持基板
44:導電膜
45:電極
46:ブラックストライプ
47:ポリイミド膜
60、61:アレイ状の凸レンズ(平凸シリンドリカルレンズ)
62:電圧印加装置
64:平行光
70:光源
80、82、84:映像光
101:RPTV
102:筐体
103:投影光学系エンジン
104:反射ミラー
106:映像情報を持った光
θ:広がり角
:水平方向の電極−電極間の距離
:鉛直方向の電極−電極間の距離

Claims (4)

  1. 光放射部材を有する背面投射型プロジェクションテレビ用の透過型スクリーンにおいて、光放射部材は液晶マイクロレンズアレイであることを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記光放射部材は、電圧印加により鉛直方向に長手方向を有するアレイ状の平凸シリンドリカルレンズが水平方向に間隔をあけて形成されてなる、または電圧印加によりアレイ状の凸レンズが水平方向および鉛直方向に間隔をあけて形成されてなる請求項1に記載の透過型スクリーン。
  3. 前記光放射部材は、2枚の挟持基板により挟まれた液晶層を有し、一方の前記挟持基板には導電膜が形成され、他方の前記挟持基板には電極が形成されてなる請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
  4. 請求項1、2または3に記載の透過型スクリーンを有する背面投射型プロジェクションテレビ。
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