JP2016145956A - 光学装置並びにそれを備えた頭部装着型画像表示装置及び撮像装置 - Google Patents

光学装置並びにそれを備えた頭部装着型画像表示装置及び撮像装置 Download PDF

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Hiroko Kitsu
裕子 岐津
木崎 幸男
Yukio Kizaki
幸男 木崎
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鎬楠 権
伊藤 真知子
Machiko Ito
真知子 伊藤
梨紗子 上野
Risako Ueno
梨紗子 上野
光吉 小林
Mitsuyoshi Kobayashi
光吉 小林
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Koichi Ishii
浩一 石井
高山 暁
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暁 高山
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【課題】遮光膜の開口に対する集光位置の整合がされたマイクロレンズアレイを有する光学装置及びそれを備えた頭部装着型画像表示装置、撮像装置を提供する。【解決手段】本実施形態の表示装置は、複数の開口502が形成された遮光膜500と、複数の開口502のそれぞれに対応した複数のマイクロレンズに分けられており、それぞれのマイクロレンズに入射した光を対応する開口502に集光するように屈折率を変化させるマイクロレンズアレイ400とを備える。マイクロレンズによる光の集光位置と開口502の中心位置とは一致している。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、光学装置並びにそれを備えた頭部装着型画像表示装置及び撮像装置に関する。
車両のルームミラーやサイドミラーの裏面に液晶ディスプレイ等のディスプレイを設置し、前面にハーフミラーを設けるようにした表示装置が知られている(特許文献1、2)。この種の表示装置は、ディスプレイに映像が表示されていない間は鏡像を映す鏡として機能し、ディスプレイに映像が表示されている間はハーフミラーを介してディスプレイに表示されている映像を見ることができる表示装置として機能する。
一方で、金属反射膜等の遮光膜に複数の微細な窓が形成された構造を有するミラーと、ミラーの背面に位置する映像パネルと、映像パネルからミラー側に放たれる光を遮光膜の開口に集光する位置に配置されたマイクロレンズアレイとを備えた表示装置が提案されている。このような表示装置は、マイクロレンズアレイと映像パネルとの貼り合わせ方によって集光性能が変動しやすく、迷光制御も難しい。
特開2014−26058号公報 特開2014−41274号公報
本実施形態は、遮光膜の開口に対する集光位置の整合がされたマイクロレンズアレイを有する光学装置並びにそれを備えた頭部装着型画像表示装置及び撮像装置を提供するものである。
本実施形態による光学装置は、複数の開口が形成された遮光膜と、複数の開口のそれぞれに対応した複数のマイクロレンズに分けられており、それぞれのマイクロレンズに入射した光を対応する開口に集光するように屈折率を変化させるマイクロレンズアレイとを具備する。マイクロレンズによる光の集光位置と開口の中心位置とは一致している。
図1(a)は第1実施形態に係る表示装置の平面図であり、図1(b)は第1実施形態に係る表示装置の断面図である。 第1実施形態に係る表示装置の製造方法を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る表示装置の映像パネルに映像を表示させない状態の動作を示す図である。 第1実施形態に係る表示装置の映像パネルに映像を表示させた状態の動作を示す図である。 第2実施形態に係る表示装置の製造方法を模式的に示す図である。 第3実施形態に係る表示装置の製造方法を模式的に示す図である。 第3実施形態の変形例に係る表示装置の製造方法を模式的に示す図である。 第4実施形態に係る表示装置の製造方法を模式的に示す図である。 開口のパターン例を表す模式図である。 図10(a)は平行配向方式を示す図であり、図10(b)はHAN方式を示す図である。 制御電極と液晶配向軸との関係を示す図である。 平行配列において液晶層に電圧を印加した場合の液晶分子の配列と屈折率分布との関係を示す図である。 第8実施形態に係る光学装置の適用例としての表示装置を模式的に示す図である。 図14(a)は第8実施形態に係る第1の積層構成を有した表示装置100の断面図であり、図14(b)は第8実施形態に係る第2の積層構成を有した表示装置100の断面図である。 第8実施形態に係る表示装置の正面方位と最高輝度方位との関係を示す模式図である。 層間距離及び開口中心間隔を説明するための図である。 第8実施形態に係る表示装置の映像パネルに映像を表示させない状態の動作を示す図である。 第8実施形態に係る第1の積層構成の表示装置の映像パネルに映像を表示させた状態の動作を示す図である。 第8実施形態に係る第2の積層構成の表示装置の映像パネルに映像を表示させた状態の動作を示す図である。 第8実施形態に係る表示装置の適用例を示す図である。 第9実施形態に係る表示装置の例を示す図である。 第10実施形態に係る表示装置の第1の例を示す図である。 第10実施形態に係る表示装置の第2の例を示す図である。 第10実施形態に係る表示装置の第3の例を示す図である。 第11実施形態に係る表示装置の例を示す図である。 第12実施形態に係る表示装置の例を示す図である。 第13実施形態に係る表示装置の第1の例を示す図である。 第13実施形態に係る表示装置の第2の例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る光学装置の適用例としての表示装置の平面図である。図1(b)は、第1実施形態に係る表示装置の断面図である。図1(a)に示すように、第1実施形態の表示装置100は、映像パネル200と、偏光板300と、マイクロレンズアレイ400と、遮光膜500とを有している。映像パネル200と、偏光板300と、マイクロレンズアレイ400と、遮光膜500とは、この順で積層されている。遮光膜500の上に保護材、例えば保護膜や保護基板が設けられてもよい。また、以下の説明においては、適宜、偏光板300と、マイクロレンズアレイ400と、遮光膜500とをまとめて光学装置600と記す。
映像パネル200は、複数の画素202を有している。画素202は、パネル駆動回路204に接続されている。このような映像パネル200は、画素202において、パネル駆動回路204から送られた映像データに基づく映像を表示する。例えば、映像パネル200は、液晶ディスプレイパネルである。液晶ディスプレイの場合、画素202は、液晶画素であって、画素電極と、画素電極に対向するように配置された対向電極と、画素電極と対向電極との間に挟持された液晶層とによって形成され、液晶層に印加された電圧の大きさに応じて、例えばバックライトから入射した光の透過状態を変化させる。なお、映像パネル200がカラー表示可能に構成されている場合、1つの画素202は、例えば1つの色成分に対応している。そして、複数の画素202によって任意のカラー映像を表示することが可能である。パネル駆動回路204は、映像データに応じて各画素に印加する電圧を制御することにより、映像パネル200の表示状態を制御する。
偏光板300は、映像パネル200の各画素202から射出される光を偏光させる。なお、映像パネル200が液晶ディスプレイパネルである場合、偏光板300は、映像パネル200の射出側偏光板としても機能する。なお、偏光板300には、映像パネル200からの出射光の偏光透過軸を調整するために、さらに位相差板を映像パネル200側に設けてもよい。映像パネル200からの出射光と光学装置600への入射光とで偏光透過軸をずらす装置設計を採用した場合などに有効である。
遮光膜500とともに光学装置として機能するマイクロレンズアレイ400は、例えば液晶GRIN(Gradient Index)レンズであり、遮光膜側基板402と、パネル側基板404と、制御電極406と、対向電極408と、液晶層410と、配向膜412及び414とを有する。なお、マイクロレンズアレイ400としては、図2で示した液晶レンズ方式以外の、液体レンズ方式、膜レンズ方式、エレクトロウェッティングレンズ方式といった種々の可変レンズ方式が知られている。このうち、液晶レンズ方式は、駆動電圧水準の低さや、微細なレンズアレイ形成が可能な点から、好適である。液晶レンズ方式は、レンズ型枠方式(少なくとも片面に凹凸形成した電極基板間に液晶層を設ける方式)と液晶GRINレンズ方式(少なくとも片面にパターン形成した平坦な電極基板間に液晶層を設ける方式)とに大別され、このうち、液晶GRINレンズ方式は、電圧無印加時の透明性に優れる点、大面積での製造が容易な点から、好適である。以下、マイクロレンズアレイ400は、液晶GRINレンズ方式によるものとして説明を続ける。
遮光膜側基板402は、遮光膜500が貼り付けられる基板であって、例えばガラス基板である。パネル側基板404は、液晶層410を挟んで遮光膜側基板402と対向するように配置され、映像パネル200が貼り付けられる基板である。パネル側基板404も、例えばガラス基板である。
制御電極406は、遮光膜500に形成される個々の開口502に対応した遮光膜側基板402の位置に配置され、かつ、開口502に対応した開口を有する形状を有している。制御電極406により、マイクロレンズアレイ400は、各開口502に一対一に対応するマイクロレンズに区分けされている。対向電極408は、各制御電極406と対向するようにパネル側基板404に形成された面電極である。制御電極406と対向電極408とはレンズ駆動回路416に接続されている。レンズ駆動回路416は、制御電極406と対向電極408との間に介在された液晶層410に電圧を印加する。
液晶層410は、遮光膜側基板402とパネル側基板404との間に形成されている。この液晶層410は、遮光膜500に形成された個々の開口502に一対一に対応するように形成された制御電極406と対応したマイクロレンズによって区分けされている。各マイクロレンズは、レンズ駆動回路416からの電圧の印加によって屈折率分布を生じさせ、偏光板300から射出された光の集光状態を変化させる。配向膜412は、遮光膜側基板402及び制御電極406の上に形成され、液晶層410内の液晶分子を初期配向させる。配向膜414は、パネル側基板404及び対向電極408の上に形成され、配向膜412とともに液晶層410内の液晶分子を初期配向させる。ここで、本実施形態の例では、配向膜412及び配向膜414は、液晶層410の配向軸を偏光板300の偏光透過軸と平行にするように設定されている。
遮光膜500は、例えばアルミ反射膜である。遮光膜500には、映像パネル200の1つの画素202につき、1つ以上の開口502が形成されている。各マイクロレンズから射出された光は、対応する開口502から表示装置100の外部に射出される。また、表示装置100の外部から入射した光は、遮光膜500で反射するか又は開口502を通過してマイクロレンズアレイ400に入射する。
以下、表示装置100についてさらに説明する。図2は、第1実施形態に係る表示装置100の製造方法を模式的に示す図である。
まず、図2(a)に示すように、遮光膜側基板402としてのガラス等の基板を用意する。基板402の光学厚み(=実厚み×屈折率)は、マイクロレンズアレイ400の各液晶マイクロレンズからの光の集光位置(レンズ機能を発現させたときの焦点位置)が、対応する開口502によって形成される開口502の中心位置になるように設計されているものとする。レンズ機能(光学収差)の発現状態により、光の集光位置と、結像の得られる焦点位置とが異なった場合、両位置間で調整するものとする。
次に、図2(b)に示すように、基板402の一方の主面(図2(b)では上面)にアルミ反射膜等の遮光膜500を成膜する。そして、遮光膜500に、開口502をパターニングする。なお、開口502の有効径(円形の場合は径、他形状の場合は面積換算した円の径)と中心間隔との長さ比は、表示装置100の反射率設計値と、金属反射膜の反射率と、開口の配置とに応じて決める。例えば、表示装置100の反射率設計値が65%で金属反射膜の反射率が93%の場合、開口の開口率は30%とする。ここで、有効径と中心間隔との比は、例えば開口が六方配列していれば60:35であり、また例えば開口が正方配列していれば、60:37である。ここで、金属反射膜の反射率Rは、以下の式1に基づいて算出される。
次に、図2(c)に示すように、基板402の他方の主面(図2(c)では下面)に制御電極406としてのITO等の電極を成膜する。その後、電極406にポジ型のレジスト602を塗布する。続いて、開口502が形成された遮光膜500をマスクとして例えばUV光を照射することにより電極406を露光する。
次に、図2(d)に示すように、遮光膜500を保護膜604で被覆する。その後、レジスト現像により、レジスト602の開口502と対応する部分に開口を形成する。さらに、レジスト602をマスクとして電極406をエッチングする。エッチングの際のエッチング量は、過少又は過多に設定されてもよい。エッチング量を適宜設定することにより、レジスト602及び電極406に形成される開口は、開口502よりも小さく又は大きくなる。
次に、図2(e)に示すように、レジスト602及び保護膜604を剥離させる。これによって、開口502の開口形状と実質的に同じ開口形状を有する、制御電極406が形成される。このような制御電極406を含む基板面に配向膜412を塗布する。なお、配向膜412の液晶配向処理方法には、ラビング法や光配向法等が用いられる。
以上のような遮光膜側基板402の形成に続いて又は遮光膜側基板402の形成と並行して、図2(f)に示すように、パネル側基板404としてのガラス等の基板を用意する。そして、基板404の一方の主面(図2(f)では上面)の全面に対向電極408としてのITO等の電極を形成する。その後、対向電極408の上に配向膜414を塗布する。基板404の厚みは、ガスバリア特性、表示装置としての操作性といった要求仕様を満たす範囲内で、できるだけ薄くされることが望ましい。
次に、図2(g)に示すように、遮光膜側基板402の配向膜412の塗布面とパネル側基板404の配向膜414の塗布面とを対向させ(図示しないシール剤を両基板の周辺に枠状に塗布後)、両基板を貼り合わせる。その後、遮光膜側基板402とパネル側基板404との間に液晶層410となる液晶材料を封入して液晶GRINレンズセルを形成する。
次に、図2(h)に示すように、映像パネル200を用意する。映像パネル200には、必要に応じて偏光板300を貼り付ける。なお、偏光板300の偏光透過軸は、液晶層410の初期配向軸と平行にすることが望ましい。偏光板300の偏光透過軸と液晶層410の初期配向軸とを交差させる配置も可能であるが、交差角は45°以内とすることが望ましい。このように軸を配置することにより、マイクロレンズアレイ400をレンズとして駆動させたときの屈折率変調量を最大化させることが可能である。
最後に、図2(i)に示すように、液晶GRINレンズセルのパネル側基板404側に映像パネル200を貼り付ける。その後、マイクロレンズアレイ400にレンズ駆動回路416を接続するとともに、映像パネル200に図示しないパネル駆動回路204を接続することにより、表示装置100が完成する。
次に、本実施形態の表示装置100の動作を説明する。図3は、第1実施形態に係る表示装置100の映像パネル200に映像を表示させない状態の動作を示す図である。図3(a)に示すように、表示装置100の外部からの大部分の光線l1は遮光膜500の表面で反射され、開口502を通過した僅かな光線l2のみが表示装置100の内部へ入射する。
本実施形態において、映像パネル200に映像を表示させない場合には、液晶層410に電圧を印加しない。図3(b)は、電圧無印加時の液晶層410の断面の模式図を示し、図3(c)は、開口502の近傍の液晶配向方位を面上に射影して示した液晶分子の模式的分布図である。ここで、図3(b)及び図3(c)の例では、液晶層410内の液晶分子の初期配向は基板に対して水平の方向であるとしている。
図3(b)及び図3(c)に示すように、電圧無印加時の液晶層410は一方向に配向している。したがって、液晶層410内の屈折率分布は一様である。この状態で液晶層410に入射した光線l2は、図3(b)に示すように直進する。すなわち、映像パネル200に映像が表示されていない状態では、開口502を通過した光線l2は、液晶層410を直進して偏光板300で吸収されるか又は表示装置100の内部に閉じ込められて多重反射を繰り返しながら減衰される。したがって、開口502は微小の黒領域となって観察者には認識されない。人間の視覚における空間分解能は1/16mm(62.5μm)と言われている。開口502の典型寸法が空間分解能の値以下であれば確実に認識されない。また、電圧無印加時の黒領域の場合は周囲との明暗コントラストが低いため、この寸法を超えても認識されない。ここで、映像パネル200の表示面には反射防止膜を形成しておくことにより、表示装置100の装置内からの光の射出量をさらに低減することが可能である。
このように、映像パネル200に映像を表示させていない状態では、表示装置100の内部から表示装置100の外部に射出される光はなく、表示装置100の外部からの光は遮光膜500によって反射される。したがって、映像パネル200に映像を表示させていない状態では、表示装置100は通常の鏡として機能する。このとき、表示装置100の遮光膜500には色ずれ等のない鏡像が映し出される。
図4は、第1実施形態に係る表示装置100の映像パネル200に映像を表示させた状態の動作を示す図である。図4(a)に示すように、表示装置100の外部からの光線l1は遮光膜500の表面で反射される。なお、図3の例と同様に図4の例においても開口502を通過する光線l2は存在しているが、光線l2は他の光線に比べて僅かであって表示装置100の表示状態に影響を与えないので図示を省略している。
本実施形態において、映像パネル200に映像を表示させる場合には、液晶層410に電圧を印加する。図4(b)は、電圧印加時の液晶層410の断面の模式図を示し、図4(c)は、開口502の近傍の液晶配向方位を面上に射影して示した液晶分子の模式的分布図である。以下の説明において、液晶材料の誘電異方性は正であるとする。
図4(b)に示すように、開口502の直下には、制御電極406が形成されていないので、周辺に比べて縦電場強度が弱くなっている。そのため、開口502の直下の液晶分子は、ほぼ水平配向を維持する。一方で、開口502の周辺の液晶分子は、制御電極406と対向電極408との間に形成された電場の影響を受けて配向する(液晶材料の誘電異方性が正である場合、液晶分子の長軸を電場の傾斜方向に合わせるように配向する)。
一方、汎用液晶材料の複屈折性(屈折率の異方性)については、誘電異方性の正負によらず、液晶分子の長軸方向の屈折率が相対的に高く、短軸方向の屈折率が相対的に低い。つまり、液晶層410の下方から水平な偏光透過軸をもつ光線が入射する想定下では、液晶分子が水平配向している場合に屈折率が相対的に高く、垂直配向している場合に屈折率が相対的に低くなる。このようにして開口502の直下の屈折率は開口502の周辺の屈折率に対して相対的に高くなる。このような液晶層410の屈折率分布により、液晶層410に入射した光線l3は、液晶層410の中で開口502に向けて収束されるように屈折する。前述したようにして基板402の光学厚みが設計されているものとすると、液晶層410の各液晶マイクロレンズから射出された光線l3は、図4(a)に示すように、対応する開口502の位置で集光され、開口502から射出される。映像パネル200の映像表示輝度を調整することによって、遮光膜500に形成される鏡像の照度より、開口502に形成される映像の照度が高くなり、観察者には、映像のほうが優先して視認される。
このように、映像パネル200に映像を表示させている状態では、遮光膜500で反射される光よりも十分な照度の光が開口502から射出される。したがって、映像パネル200に映像を表示させている状態では、表示装置100は鏡ではなく映像の表示装置として機能する。
以上説明したように本実施形態においては、液晶GRINレンズのような可変レンズによってマイクロレンズアレイを形成しているので、マイクロレンズアレイに入射した光の集光位置を容易に制御することが可能である。さらに、映像パネル200から射出される光の集光位置を開口502の中心位置に設定することにより、開口502の壁面における光のけられがない。これにより、映像表示時の開口から射出される映像の照度を最大化することができる。このようにしてミラー表示の質と映像表示の質の両方を向上させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係る表示装置100の製造方法を模式的に示す図である。以下において、図2と同一の工程については適宜説明を省略する。
遮光膜側基板402の製造工程は、図2(a)〜図2(e)の工程と同一である。また、パネル側基板404の製造工程は、図2(f)の工程と同一である。第2実施形態においては、第1実施形態と同様にして製造された遮光膜側基板402の配向膜412の塗布面とパネル側基板404の配向膜414の塗布面とを対向させ(図示しないシール剤を両基板の周辺に枠状に塗布後)、両基板を貼り合わせる。その後、図5(a)に示すように、遮光膜側基板402とパネル側基板404との間に液晶層410aとなるUV硬化型液晶材料を封入して液晶GRINレンズセルを形成する。
次に、図5(b)に示すように、液晶層410aに電圧印加して屈折率分布を形成した状態でUV光線を照射して液晶層410a内の液晶分子を配向させたまま固定化させる。その後、図2(h)及び図2(i)で示したのと同様にして液晶GRINレンズセルを映像パネル200に貼り付ける。その後、マイクロレンズアレイ400にレンズ駆動回路416を接続するとともに、映像パネル200に図示しないパネル駆動回路204を接続することにより、表示装置100が完成する。
次に、本実施形態の表示装置100の動作を説明する。基本的な動作は図3で説明したものと同様である。ただし、本実施形態では液晶層410a内の液晶分子の配向が固定化されているため、液晶層410aに電圧を印加していなくとも液晶マイクロレンズアレイは、レンズ機能を発現している。したがって、表示装置100の映像パネル200に映像を表示させない状態であっても、開口502を通過した光線l2の軌跡は液晶層410aの内部で変化する。しかしながら、前述したように、開口の開口率は低く、かつ、光線l2の光量は僅かであるため、鏡像表示への影響は些少であると考えられる。
以上説明したように本実施形態によれば、液晶マイクロレンズアレイを形成するための液晶材料としてUV硬化型液晶を用いることにより、第1実施形態で説明した効果に加えてレンズ駆動回路416を不要とすることが可能である。
なお、本実施形態に示すように表示装置100を製造するに際し、UV光の照射の際にUV光の透過率を高めるには、ガラス基板ではなく石英基板を用いることが望ましい。しかしながら、パネル側基板404は要求仕様範囲内で極力薄くすることができる。また、遮光膜側基板402も、開口502を微細に形成することにより、マイクロレンズアレイ400のレンズ機能発現時の短焦点化を図ることができる。この場合、基板を薄くすることができ、結果としてガラス基板を用いた場合でもUV光の透過率も高めることが可能である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図6は、第3実施形態に係る表示装置100の製造方法を模式的に示す図である。
第3実施形態においては、まず、図6(a)に示すように、遮光膜側基板の一部として機能するガラス等の基板402aを用意する。基板402aの厚みは、例えば基板402の半分の厚みである。次に、図6(a)に示すように、基板402aの一方の主面(図6(a)では上面)にアルミ反射膜等の遮光膜500を成膜する。そして、遮光膜500に、開口502をパターニングする。
基板402aの形成に続いて又は基板402aの形成と並行して、図6(b)に示すように、遮光膜側基板の別の一部として機能するガラス等の基板402bを用意する。基板402bの厚みは、例えば基板402の半分の厚みである。次に、図6(b)に示すように、基板402bの一方の主面(図6(b)では下面)に制御電極406としてのITO等の電極を成膜する。その後、電極406にマスクをし、電極406をエッチングする。
次に、図6(c)に示すように基板402aの他方の主面(下面)と基板402bの他方の主面(上面)とを位置合わせしつつ、貼り合わせる。位置合わせは、例えば開口502の中心位置と制御電極406の中心位置とを合わせるようにして行われる。次に、図6(d)に示すように、制御電極406を含む基板面に配向膜412を塗布する。次に、第1実施形態と同様にして、図6(e)に示すように、パネル側基板404を貼り合わせる。その後、液晶材料を封入して液晶層410を形成する。なお、第2実施形態と同様にUV硬化型液晶材料を用いるようにしてもよい。この場合、基板を貼り合わせた後にUV光の照射が行われる。
本実施形態では、開口502と制御電極406とを別々に形成するため、形状設計の自由度が高くなる。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の変形例を説明する。図7は、第3実施形態の変形例に係る光学装置の適用例としての表示装置100の製造方法を模式的に示す図である。
まず、遮光膜側基板として機能するガラス等の基板402を用意する。次に、図7(a)に示すように、基板402の一方の主面(図7(a)では下面)に制御電極406としてのITO等の電極を成膜する。その後、電極406にマスクをし、電極406をエッチングする。次に、図7(b)に示すように、制御電極406を含む基板面に配向膜412を塗布する。
次に、図7(c)に示すように、パネル側基板404を製造する。パネル側基板404の製造方法は、図2(f)と同様である。
次に、図7(d)に示すように、遮光膜側基板402の配向膜412の塗布面とパネル側基板404の配向膜414の塗布面とを対向させ(図示しないシール剤を両基板の周辺に枠状に塗布後)、両基板を貼り合わせる。その後、遮光膜側基板402とパネル側基板404との間に液晶層410となる液晶材料を封入して液晶GRINレンズセルを形成する。なお、第2実施形態と同様にUV硬化型液晶材料を用いるようにしてもよい。この場合、基板を貼り合わせた後にUV光の照射が行われる。
以上のような工程の後、又は、以上のような工程と並行して、ガラス等の基板504を用意する。次に、図7(e)に示すように、基板504の一方の主面(図7(e)では下面)にアルミ反射膜等の遮光膜500を成膜する。そして、遮光膜500に、開口502をパターニングする。
次に、図7(f)に示すように液晶GRINレンズセルの基板402の他方の主面(上面)と基板504の一方の主面(下面)とを位置合わせしつつ、貼り合わせる。位置合わせは、例えば開口502の中心位置と制御電極406の中心位置とを合わせるようにして行われる。
本変形例では、液晶GRINレンズセルの組み立ての後で、遮光膜500が形成された基板504の貼り合わせが行われる。このような製造方法は、液晶GRINレンズセルの焦点距離を短くするために基板402の光学厚みを薄くする必要があり、この結果、基板402に制御電極406と遮光膜500とを同時に形成することが困難になる場合に有効である。さらに、遮光膜500が基板504で保護されており、基板界面部が鏡面として作用するため、基板処理により反射特性の制御が行いやすく、劣化を抑制できる。
なお、本変形例では、遮光膜500付きの基板504の貼り合わせの前に、液晶GRINレンズセルが製造されている。この液晶GRINレンズセルに映像パネル200を貼り合わせてから、基板504の貼り合わせを行うようにすれば、映像パネル200に表示される映像を確認しながら基板504を貼り合わせることも可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を説明する。図8は、第4実施形態に係る光学装置の適用例としての表示装置100の製造方法を模式的に示す図である。
第4実施形態においては、まず、図8(a)に示すように、遮光膜側基板としてのガラス等の基板402を用意する。次に、図8(a)に示すように、基板402の一方の主面(図8(a)では上面)にアルミ反射膜等の遮光膜500を成膜する。また、基板402の他方の主面(図8(a)では下面)に制御電極406としてのITO等の電極を成膜する。
次に、図8(b)に示すように、電極406を感光材料による保護膜606で被覆する。そして、フォトマスクを用いて遮光膜500に開口502をパターニングする。次に、図8(c)に示すように、遮光膜500をマスクとせずにフォトマスクをマスクとして保護膜606をパターニングする。
次に、図8(d)に示すように、遮光膜500を保護膜608で被覆する。その後、図8(e)に示すように、保護膜606をマスクとして電極406をエッチングする。次に、図8(f)に示すように、保護膜606及び保護膜608を剥離させる。その後の工程は、例えば図2(e)〜図2(i)の工程が適用される。
以上説明したように本実施形態では、単一基板の両面露光により金属反射膜及び制御電極のパターニングが行われる。この実施形態でも基板402の厚みを薄くすることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、光学装置における開口と制御電極のパターンを変更する例である。図9は、制御電極406のパターン例を表す模式図である。なお、図9では示していないが、開口502は、制御電極406に対応する開口を有するように形成されるが、必ずしも同一形状である必要はなく、図9に示したような形状を選んで変更しても良い。いずれの組合せにおいても、制御電極406は、マイクロレンズアレイ400のレンズ機能を発現させた際に、集光位置を開口502の中心位置に一致させるように形成される。
開口は、例えば図9(a)に示す円形状である。通常、映像パネルの画素配置は平方配列が一般的であり、開口も平方配列とすると、干渉(モアレ)が発生する可能性がある。干渉の発生を抑制するために、映像パネルの画素配列に対して開口の配列を10°程度、傾けて配置してもよい。また、干渉の発生を抑制するために、図9(b)に示すように、開口は、六方配列(千鳥配列)とされてもよい。これら平方配列又は六方配列であれば、製造が容易である。
また、開口の形状も円形状に限るものではない。例えば図9(c)に示すような楕円形状でもよい。円形状、楕円形状の他に、開口の配列軸に対して軸対称な形状が採用され得る。例えば、平方配列であれば、開口の形状として図9(d)に示すような四角形状を採用することができる。例えば、六方配列であれば、開口の形状として図9(e)に示すような六角形状を採用することができる。
さらに、制御電極406の形状として、液晶分子の配向によっては、図9(f)のような、開口の配列の対称軸に対して非対称な形状も採用可能である。図9(f)では、開口の配列の対称軸のひとつである垂直方位軸に対して、左右で扁平率の異なる楕円形状を例示している。すなわち、詳細は後で説明するが、マイクロレンズアレイ400のレンズ機能を発現させた際に、集光位置が開口502の中心位置からずれているような場合には、図9(f)のような、配列の対称軸に対して非対称な形状の開口を形成したほうがよい場合がある。
以上説明したように本実施形態によれば、開口及び制御電極のパターンを適宜に設定することで前述した各実施形態の効果に加えて、開口及び制御電極のパターンに応じた種々の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、光学装置における制御電極の開口形状に合わせて液晶層410の液晶配向を合わせる例である。
前述した各実施形態においては、屈折率変調量を最大化するため、レンズ機能の発現時において一定の方位軸に沿って液晶分子が配列している領域が液晶層410内に発生する液晶配向方式を採用することが望ましい。このような液晶配向方式としては、例えば図10(a)に示す平行配向方式や図10(b)に示すHAN方式が知られている。平行配向方式は、遮光膜側基板402の側の液晶分子の初期配向とパネル側基板404の側の液晶分子の初期配向とをともに水平配向とした方式である。また、HAN方式は、遮光膜側基板402の側の液晶分子の初期配向とパネル側基板404の側の液晶分子の初期配向との一方(図10(b)ではパネル側基板404)を水平配向とし、他方(図10(b)では遮光膜側基板)を垂直配向とした方式である。なお、HAN方式が用いられる場合、制御電極406のある側を垂直配向させることにより、駆動時の配向欠陥(ディスクリネーション)発生を抑制できることができ、これによって屈折率分布における面内方位対称性を向上できることが知られている。ただし、屈折率変調量は、同じ液晶層厚の平行配向方式の場合のほぼ半分となる。
ここで、前述したように、液晶配向軸は、偏光板300の偏光透過軸と揃えることが望ましい。さらに、図11(a)〜(g)に、開口502の近傍の液晶配向方位を面上に射影して示した液晶分子の模式的分布図を重ねて示すように、制御電極406の開口形状に方位性がある場合には、液晶配向軸は制御電極406の開口の方位軸とも合わせることが望ましい。
例えば、制御電極406の開口形状が楕円形状である場合には、後述する液晶GRINレンズにおける屈折率分布の方位特性に合わせて、図11(e)に示すように、液晶配向軸を楕円短軸に合わせる。また、制御電極406の開口形状に方位性があり、かつ、中心軸(垂直方位軸)に対して左右非対称な形状を採用し、液晶配向処理に(ラビング処理のように)プレチルトを生じる方法を採用する場合には、後述する液晶GRINレンズにおける屈折率分布の方位特性に合わせて、図11(a)や図11(b)に示すように、非対称形状のより扁平な(ここでは、水平方向の開口幅が狭い)部分を、(液晶分子の起き上がる向きに相当する)配向処理の進行方位に向けることが望ましい。
また、制御電極406の開口形状が多角形状の場合には、制御電極406の開口形状が楕円形状である場合と同様の思想により、図11(c)や図11(d)に示すように、液晶配向軸を制御電極406の辺に対して直交させる。また、制御電極406の開口形状が多角形状の場合には、初期配向欠陥及びレンズ機能の発現時の配向欠陥は、制御電極406に形成された開口の頂点部に集まりやすい傾向がある。この傾向を利用して、図11(f)や図11(g)に示すように、液晶配向軸を制御電極406の対角線上に配置することもできる。
以上説明したように本実施形態によれば液晶配向方式と制御電極の形状との関係を適宜に設定することにより、屈折率分布の対称性を向上させたりするなどの液晶GRINレンズとしての特性向上を図ることが可能である。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、光学装置の液晶層410内に発生する屈折率分布の非対称性に応じて開口502と制御電極406の位置関係を変更する例である。
例えば、ラビング法を用いて平行配向の配列を形成する場合、ラビング処理の方向は遮光膜側基板402とパネル側基板404とで逆向きにする。このようなラビング処理が行われている場合、液晶層410に電圧を印加していなくとも、ラビング処理の進行方位に沿って液晶分子が起き上がる、プレチルトが発生する。
平行配列において液晶層410に電圧を印加した場合の液晶分子の配列と屈折率分布との関係を図12に示す。図12に示すように、プレチルト方向と平行な方向の断面、すなわち図12のA−A´断面においては、プレチルトの向き(液晶分子が起き上がる際の傾斜の向き)は右上がりである。一方、同断面における制御電極406の端部に生じる電場の傾斜の向きは、左側の端部では右下がりであり、右側の端部では右上がりである。すなわち、電場の傾斜の向きとプレチルトの向きとが一致する制御電極406の端部(A−A´断面で見た場合の右側の端部。順チルト側の端部という)と、電場の傾斜の向きとプレチルトの向きとが逆向きになる端部(A−A´’断面で見た場合の左側の端部。逆チルト側の端部という)とが生じる。なお、図12は、平行配列方式の例であるが、HAN方式でも図12に示すような順チルト側の端部と逆チルト側の端部が発生する。ただし、HAN方式では端部近傍の液晶初期配向は垂直配向であるため、傾斜角度の変化は平行配列方式よりも緩やかである。
ここで、順チルト側の端部付近の液晶分子は電場の傾斜方向に配向しやすく、逆チルト側の端部付近の液晶分子は水平配向を経てから電場に沿う必要があるため、電場の傾斜方向に配向しにくい。このように、順チルト側の端部付近の液晶分子と逆チルト側の端部付近とで液晶分子の配向のしやすさに差があるので、レンズ機能の発現時において液晶層410における屈折率分布が非対称になる。すなわち、液晶層410において屈折率が最大となる位置は、制御電極406の開口中心から逆チルト側に向かってずれる。このため、マイクロレンズアレイ400のレンズ機能を発現させたときの焦点位置も制御電極406の開口中心からずれることになる。
このような現象は、制御電極406の開口径が長くなるほどに、また、液晶層410の厚みが厚くなるほどに顕在化する。マイクロレンズアレイ400のレンズ機能を発現させたときの光の集光位置(すなわち焦点位置)と開口502の中心位置とが一致していないと、マイクロレンズアレイ400から射出された光が開口502の壁面などでけられてしまう可能性が生じる。このようなけられを抑制するため、制御電極406と開口502との位置関係は、屈折率分布の非対称性を考慮して設定することが望ましい。すなわち、屈折率分布の非対称性による焦点位置のずれの量が許容誤差を超えるような場合には、開口502の中心位置と液晶GRINレンズとしての集光位置とを一致させるように開口502の位置をずらすことが望ましい。なお、開口502の位置を固定して制御電極406の位置をずらすようにしてもよい。
以上説明したように本実施形態においては、屈折率の非対称性に応じて制御電極406と開口502との位置関係を設定することにより、マイクロレンズアレイ400から射出された光を無駄なく開口502から射出させることが可能である。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。図13は、第8実施形態に係る光学装置の適用例としての表示装置を模式的に示す図である。第8実施形態の表示装置100は、第1〜第7実施形態と同様に、映像パネル200と、偏光板300と、マイクロレンズアレイ400と、遮光膜500とを有している。また、映像パネル200と、偏光板300と、マイクロレンズアレイ400と、遮光膜500とは、この順で積層されている。そして、映像パネル200は、パネル駆動回路204によって駆動される。マイクロレンズアレイ400は、レンズ駆動回路416によって駆動される。さらに、本実施形態では、傾斜センサ506が設けられている。傾斜センサ506は、表示装置100の正面方位からの傾斜を検出する。正面方位は、例えば表示装置100を正面向きに配置したときの映像パネル200の表示面の法線方位であり、光学装置600の主面の法線方位にも対応している。
図14(a)は、第8実施形態に係る第1の積層構成を有した表示装置100の断面図である。図14(a)に示す第1の積層構成では、制御電極406は、制御電極406aと制御電極406bとに分けられている。制御電極406aと制御電極406bとは、絶縁膜406cを介して積層され、別個に電圧が印加される。また、図14(a)において、制御電極406a及び制御電極406bは、開口502の開口形状と実質的に同じ開口形状を有している。そして、制御電極406a及び制御電極406bの開口中心は、開口502の開口中心に対してずれている。また、制御電極406a及び制御電極406bの開口中心は互いにずれている。その他の構成は、図2と同様である。したがって説明を省略する。
図14(b)は、第8実施形態に係る第2の積層構成を有した表示装置100の断面図である。図14(b)に示す第2の積層構成では、対向電極408aは、面電極でなく、制御電極406と同様の開口を有するパターン電極である。また、図14(b)において、制御電極406及び対向電極408aは、開口502の開口形状と実質的に同じ開口形状を有している。そして、制御電極406及び対向電極408aの開口中心は、開口502の開口中心に対してずれている。また、制御電極406及び対向電極408aの開口中心は互いにずれている。その他の構成は、図2と同様である。したがって説明を省略する。
図15は、第8実施形態に係る表示装置100の正面方位と最高輝度方位との関係を示す模式図である。ここで、図15(a)は図14(a)に示す第1の積層構成における模式図に対応し、図15(b)は図14(b)に示す第2の積層構成における模式図に対応している。図15(a)に示すように、第1の積層構成では、制御電極406a、制御電極406b、開口502の開口パターンの中心は、概略1直線上にならんでおり、この直線の方位dは、正面方位(映像パネル200の表示面の法線方向)から傾いている。同様に、図15(b)に示すように、第2の積層構成では、対向電極408、制御電極406、開口502の開口パターンの中心は、概略1直線上にならんでおり、この直線の方位dは、正面方位から傾いている。
図15(a)及び図15(b)に示す積層構成では、液晶層410への電圧の印加時における光線の射出強度は方位dに沿った方向で最も高くなる。ここで、正面方位と映像出射光の最高輝度方位dとのなす角度をθとすると、θは以下の式2に基づいて算出される。
θ=arctan(L/D) 式2
式2のDは、第2の積層構成に対応させた模式図である図16に示すように、500の形成位置と対向電極408a(第1の積層構成では制御電極406a)の形成位置との距離である層間距離である。Lは、開口502の開口中心と、前記パターン電極(第1の積層構成では制御電極406a、第2の積層構成では対向電極408a)の開口中心との間隔である開口中心間隔である。
図17は、第8実施形態に係る表示装置100の映像パネル200に映像を表示させない状態の動作を示す図である。ここで、図17は第1の積層構成における動作の例であるが、第2の積層構成であっても同様の動作が行われる。
図17(a)に示すように、表示装置100の外部からの大部分の光線l1は遮光膜500の表面で反射され、開口502を通過した僅かな光線l2のみが表示装置100の内部へ入射する。
本実施形態においても、映像パネル200に映像を表示させない場合には、液晶層410に電圧を印加しない。図17(b)は、電圧無印加時の液晶層410の断面の模式図を示し、図17(c)は、液晶層410の内部の屈折率分布を示す図である。図17(b)に示すように、電圧の無印加時の液晶層410は一方向に配向している。したがって、図17(c)に示すように、液晶層410内の屈折率分布は一様である。この状態で液晶層410に入射した光線l2は、図17(a)に示すように直進する。すなわち、映像パネル200に映像が表示されていない状態では、開口502を通過した光線l2は、液晶層410を直進して偏光板300で吸収されるか又は表示装置100の内部に閉じ込められて多重反射を繰り返しながら減衰される。したがって、開口502は微小の黒領域となって観察者には認識されない。
図18は、第8実施形態に係る第1の積層構成の表示装置100の映像パネル200に映像を表示させた状態の動作を示す図である。図19は、第8実施形態に係る第2の積層構成の表示装置100の映像パネル200に映像を表示させた状態の動作を示す図である。本実施形態において、映像パネル200に映像を表示させる場合には、映像パネル200の表示面から射出される光線のできるだけ多くが開口に導かれるように液晶層410へ電圧を印加する。図18(a)及び図19(a)は、電圧印加時の液晶層410の断面の模式図を示し、図18(b)及び図19(b)は、液晶層410の内部の屈折率分布を示す図である。
液晶層410の誘電率異方性が正の場合、図18(a)及び図19(a)に示すように、制御電極406、406a、406bの開口の直下には、制御電極が形成されていないので、周辺に比べて縦電場強度が弱くなっている。そのため、前記開口の直下の液晶分子は、ほぼ水平配向を維持する。一方で、制御電極に被覆された領域の周辺の液晶分子は、制御電極と対向電極との間に形成された電場の影響を受けて配向する。
ここで、第8実施形態では、開口パターン中心が傾斜直線上に並んで配置されているので、図18(b)及び図19(b)に示すように屈折率分布は、中心軸(開口502の開口中心を通る正面方位を向いた軸)に対してずれる。これにより、図18(a)及び図19(b)に示すように、開口502から射出される光線l3は、中心軸に対して傾きを持つことになる。この傾きは、液晶層410に印加される電圧の大きさ、すなわち液晶層410によって形成される屈折率分布に応じて変化する。このような液晶層410の屈折率分布により、液晶層410に入射した光線l3は、液晶層410の中で偏って屈折し、傾いた出射光線の延長線上に中心が位置するように配置された開口502に向けて収束する。
図20は、第8実施形態に係る表示装置100の適用例を示す図である。ここで、図20(a)は、表示装置100を車両に搭載されるルームミラーに対して適用した例を示す図である。図20(b)は、表示装置100を車両に搭載されるサイドミラーに対して適用した例を示す図である。なお、図20(a)及び図20の例では、ルームミラーの全体又はサイドミラーの全体が表示装置100である例が示されている。これに対して、ルームミラーの一部又はサイドミラーの一部に情報表示領域が設けられても良い。
ルームミラーやサイドミラーの場合、観察者(通常はドライバー)の眼に映像光線を入射させる必要があるが、通常、観察者の眼は表示装置100の正面にはない。このため、ルームミラーやサイドミラーの場合、通常、映像光線の射出方位と表示面の法線方位とを異ならせる必要がある。
本実施形態の表示装置100では、映像光線の射出方位を表示面の法線方位に対して傾けることができる。このため、高輝度の映像光線を観察者の眼Eに入射させることが可能である。さらに、傾斜センサ506によって検出された傾斜に応じて液晶層410に印加する電圧の大きさ、すなわち液晶層410に形成される屈折率分布を制御することにより、表示装置100の向きが変わっても、高輝度の映像光線を観察者の眼Eに入射させることが可能である。なお、防眩目的等で、遮光膜面を偏光ミラーとする構成の場合は、出射光の偏光軸調整のため遮光膜下に位相差板を設けることが有効である。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。図21は、第1〜第8実施形態に係る光学装置をヘッドアップディスプレイに適用した例を示す図である。
表示装置700は、映像装置702と、反射透過装置704とを有し、観察者の片眼Eに情報を与える。すなわち、図21(a)に示すように、映像装置702から射出された光線l3を反射透過装置704によって反射させることで、観察者の片眼Eに入射させる。一方、観察者は反射透過装置704越しに、正面方位の視認が可能である。これにより、正面視認像に重畳して、所望の情報を与えることができる。
映像装置702は、映像パネル200と、光学装置600とを有する。図21(b)は、第9実施形態に係る映像パネル200と光学装置600とを示す断面図である。
光学装置600は、第1〜第8実施形態で示した光学装置(図の例は第8実施形態の光学装置)である。
映像パネル200は、画素202と、レンズアレイ素子206と、バックライト212とを有している。画素202は、例えば液晶画素であり、画素電極と、画素電極に対向するように配置された対向電極と、画素電極と対向電極との間に挟持された液晶層とによって形成される。レンズアレイ素子206は、コリメータレンズ208と、遮光層210とを有している。コリメータレンズ208は、1つの画素202について1つ以上配置され、遮光層210によって形成された開口から射出される傾斜光線を、正面方位の平行光線に変換する。コリメータレンズ208により、バックライト212からの光線が無駄なく画素202に入射する。このため、表示品位が向上する。バックライト212は、画素202の裏面から例えば白色光を照射するLED等の光源である。
反射透過装置704は、表面に反射透過面が形成されており、入射光を反射させる。なお、反射透過装置704は、例えば外光の影響を制御することができるように構成されていても良い。このために、反射透過装置704は、例えばフォトクロミック材料やエレクトロクロミック材料の層を有しているか、ニュートラルグレイフィルタを有している。さらに、反射透過装置704は、入射光の反射率を高める又は映像装置702から射出された光線の反射率だけを高めるように構成されていても良い。このために、反射透過装置704は、映像装置702から射出される光線のスペクトルに応じた選択的反射膜、例えば半透過型の金属膜や誘電体半導体膜を有していても良い。
図21で示した表示装置700では、映像パネル200から射出された射出光l1は、光学装置600によって偏向かつ集光される。光学装置600からの射出光線l3は、反射透過装置704で反射され、この反射光線l4は、観察者の片眼Eに入射して結像する。光学装置600の電圧変調により、提示像の調整が可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、複雑な光学系を用いずに光学装置600を用いるだけで、映像パネル200からの光を観察者の片眼だけに入射させることができる。なお、時分割切替等により観察者の両眼に視差映像を提示し、提示像に距離情報を付加した構成とすることもできる。このとき、光学装置600は、視差映像に対応した眼へ入射するように、変調状態を切り替えて駆動する。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。図22A〜図22Cは、第1〜第8実施形態に係る光学装置をライトフィールドディスプレイの1種である複眼光学系を有する表示装置に適用した例を示す図である。図22Aは第1の例を示し、図22Bは第2の例を示し、図22Cは第3の例を示している。
第1の例の表示装置800は、映像パネル(図では画素202のみを示している)と、光学装置600と、パネル駆動回路204と、レンズ駆動回路416と、視線検出回路802と、視線センサ804と、映像変換回路806とを有している。
画素202は、例えば液晶画素であり、画素電極と、画素電極に対向するように配置された対向電極と、画素電極と対向電極との間に挟持された液晶層とによって形成される。前述と同様に、画素202は、パネル駆動回路204によって駆動される。なお、図22Aには図示していないが、画素202が液晶画素である場合、画素202の裏面にバックライトが配置される。また、第9実施形態で説明したようなレンズアレイ素子が配置されても良い。
光学装置600は、第1〜第8実施形態で示した光学装置である。なお、図22Aの例では、光学装置600の遮光膜の側を映像パネルと対向させて配置した例が示されている。前述と同様に、光学装置600は、レンズ駆動回路416によって駆動される。
視線検出回路802は、視線センサ804の検出結果に基づいて観察者の視線を検出する。視線センサ804は、例えば撮像素子であり、観察者の眼Eの画像を取得する。視線検出回路802は、視線センサ804で得られた眼Eの画像における例えば瞳の位置から観察者の視線を検出する。
映像変換回路806は、観察者に提示すべき提示画像を、光学装置600の中心配列に対応させて縮小して配置した個眼像に変換する。
図22Aで示した表示装置800では、映像変換回路806において提示画像から個眼像が生成される。複数の個眼像が配置された画像が画素202に表示される。画素202に表示された複数の個眼像に基づく光線は、光学装置600の遮光膜によって形成される開口を通過することにより、開口の単位の映像光線に分割される。分割された個々の映像光線の方位は、視線検出回路802で検出された観察者の視線に応じて制御される。例えば、個眼像を重ねるように映像光線の射出方位を制御すれば、観察者の眼Eには、提示画像と同様の虚像が入射する。また、個眼像の間に視差を持たせるように映像光線の射出方位を制御すれば、観察者の両眼Eには、それぞれ、別の個眼像が入射する。これにより、観察者は、提示画像の奥行き情報を認識する。
このように本実施形態における表示装置は、虚像を観察者に対して提示する状態と虚像を観察者に対して提示しない状態とを切り替えることができる。このような表示装置を例えばメガネ等のウェアラブル端末に適用すれば、必要な場合のみに観察者に対して虚像を提供できる。
なお、観察者に対して提示される提示画像の周辺領域の画質を改善するために、図22Bに示すように、光学装置600の光線射出面側に拡大投射光学系808が配置されても良い。
また、図22Cに示すように、光学装置600の光線射出面側に固定マイクロレンズアレイ810が配置されてもよい。この構成では、固定マイクロレンズアレイ810と光学装置600に設けられたマイクロレンズアレイ400との合成レンズアレイが接眼レンズ系となる。固定マイクロレンズアレイ810とマイクロレンズアレイ400とのパターン整合関係については、各々の結像中心が概略一致するようにレンズピッチを調整することが望ましい。この構成によれば、画素202と固定マイクロレンズアレイ810とにより提示される虚像表示に対し、マイクロレンズアレイ400に印加する電圧を制御することで、結像位置等の調整が可能となる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。図23は、第1〜第8実施形態で示した光学装置をライトフィールドディスプレイの1種であるテンソル3Dディスプレイに適用した例である。
表示装置900は、画素202aと、光学装置600と、画素202bと、レンズアレイ素子206と、バックライト212とを有している。図23の例では、画素202aと画素202bとからなる2層の画素に、複数の視差光線情報を含む映像を分割配置して表示させる。画素202aから射出される映像光線は、光学装置600に形成された開口毎に制御される。個々の映像光線の方位は、光学装置600の液晶層410によって制御される。複数の視差毎に映像光線の射出方位を制御すれば、観察者の両眼Eには、それぞれ、別の視差映像が重畳入射する。これにより、観察者には、複数視差光線から構成された立体映像が提示される。
以上説明したように本実施形態では2層の画素に視差映像を分割して表示させつつ、一方の層の画素から射出される映像光線の方位を制御することにより、3D表示の際の表示品位を向上させることができる。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。図24は、第1〜第8実施形態で示した光学装置をレーザ走査型ディスプレイに適用した例を示す図である。
表示装置1000は、レーザ走査機構902と、画素202と、光学装置600と、スクリーン904とを有している。
レーザ走査機構902は、レーザ光源と、回転ミラー等の機械的な機構とを有し、典型的には1kHz程度の周波数で走査しながら光線を射出する。画素202は、例えば液晶画素である。光学装置600は、第1〜第8実施形態の光学装置であって、レーザ走査機構902と、スクリーン904との間に配置される。光学装置600は、スクリーン904上での画素202から射出される映像光線を合成し、レーザ光線特有のスペックルによる輝度変化を平均化してチラツキを抑制するために用いられる。光学装置600が第1〜7実施形態に係る光学装置である場合には、映像光線の焦点位置を調整することによって合成の程度が調整される。光学装置600が第8実施形態に係る光学装置である場合には、スクリーン904の面内位置の微調整も可能である。
以上説明したように本実施形態ではレーザ光線特有のスペックルによるチラツキのない表示が可能となる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。図25Aは、第1〜第8実施形態で示した光学装置を頭部装着型画像表示装置に適用した例を示す図である。図25Bは、変形例の頭部装着型画像表示装置を示す図である。
図25Aに示す表示装置1100は、支持部1102と、表示部1104と、視線センサ1106と、制御部1108とを有している。
支持部1102は、表示部1104を支持するための部材である。支持部1102には、例えばつるが形成されおり、このつるにより、表示装置1100は観視者の頭部に装着されるように構成されている。また、支持部1102は、表示装置1100が観視者の頭部に装着されたときに、表示部1104を観視者の眼Eの近傍に位置させるように表示部1104を支持している。このような構造により、観視者は、表示部1104を覗き込むようにして見ることが可能である。
表示部1104は、支持部1102によって支持されており、映像パネル200と光学装置600とを有している。これらの映像パネル200と光学装置600とは積層構造になっており、観視を妨げない位置に設けられた制御部1108に接続されている。映像パネル200は、例えば第1〜第8実施形態で示した映像パネルである。光学装置600は、第1〜第8実施形態で説明した光学装置(図25Aの例は第8実施形態で示した光学装置)である。
視線センサ1106は、例えば図22A及び図22Cで示したような視線センサ804であり、観視者の視線を検出するセンサである。視線センサ1106は、例えば撮像部により得られた映像から観視者の視線を検出する。
制御部1108は、図22A及び図22Cで示したような、パネル駆動回路204と、レンズ駆動回路416と、視線検出回路802と、映像変換回路806とを備え、映像パネル200、光学装置600、視線センサ1106の動作を制御する。
このような構成において、表示装置1100は、図示しない電池からの電源供給により駆動され、観視者の前方に虚像を提示する。観視者の左右の眼EL及びERが見込む画像に視差を設けることにより3D表示が行われる。この場合、虚像の提示位置は、映像パネル200の両眼用の表示内容及び光学装置600による結像距離を連動させることによって調節される。例えば、観視者から見て表示部1104を左右に区切り、区切られた各々によって左眼ELと右眼のERとに連続表示するようにしてもよい。または、パネル全面や左右視域の重なる中央区間を一定期間、交互に左眼ELと右眼ERの表示に用い、これを切り替えるようにしてもよい。
図25Bに示す表示装置1100は、右眼ERと左眼ELの各々に対して個別の表示部1104a、1104bを割り当てた例である。表示部1104aは、映像パネル200aと、光学装置600aと有し、表示部1104bは、映像パネル200bと、光学装置600bと有している。映像パネル200aと光学装置600aは、制御部1108aに接続されている。映像パネル200bと光学装置600bは、制御部1108bに接続されている。ここで、映像パネル200aと映像パネル200bとは同一の構造を有していてよく、また、光学装置600aと光学装置600bも同一の構造を有していてよい。また、図25Bに示す表示装置1100は、右眼ER用の視線センサ1106aと左眼EL用の視線センサ1106bとを有している。
表示部1104a及び1104bの駆動方法は、図25Aの構成において表示部1104を左右に区切った場合と同等である。また、図25Bにおいて、片眼用のいずれかのみの表示部を用いて、単眼方式の表示装置を構成することもできる。
なお、光学装置600に設けられているマイクロレンズアレイ400は、可変マイクロレンズアレイとして機能するものである。すなわち、マイクロレンズアレイ400の焦点距離は、電圧制御によって変えることができる。このため、例えば、視線センサ1106(又は視線センサ1106a及び1106b)によって検出される左右両眼の視線方向に連動して、映像パネル200に表示されている映像とともに焦点距離を変えることによって視度の微調整が行われる。例えば、光学装置600の制御電極パターンを図14乃至16で示したように設計することで、電圧制御により偏心率を変えることができる。左右両眼の視線方向に連動して、表示画像とともに偏心率を変えることで、眼間距離の個人差に合わせた微調整が行われる。例えば、左右両眼の視線方向に連動して、映像パネル200に表示されている映像とともに電圧制御によって焦点距離と偏心率の双方を協調的に変えることで、輻輳と調節の差異低減が行える。例えば、特開2006−057738公報に記載のパターンを参照して、レンズ部の制御電極パターンを収差補正用に設計することで、電圧制御により屈折率の面内分布形状を微調整して乱視矯正を行うことができる。
(その他の変形例)
以下、前述した各実施形態のその他の変形例について説明する。各実施形態においては、光学装置600は、表示装置に適用されるものとしている。実際には、光学装置600は、必ずしも表示装置に適用されるものではない。例えば、光学装置600は、映像パネル200の代わりに撮像センサと組み合わせられることにより、撮像装置にも適用され得る。前述したように、表示装置は、映像パネル200から射出される光線を光学装置600で偏向するように構成される。一方、撮像装置は、光学装置600による結像を撮像センサで受光するように構成される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100,700,800,900,1000,1100 表示装置、200 映像パネル、202,202a,202b 画素、204 パネル駆動回路、206 レンズアレイ素子、208 コリメータレンズ、210 遮光層、212 バックライト、300 偏光板、400 液晶マイクロレンズアレイ、402 遮光膜側基板、404 パネル側基板、406 制御電極、408 対向電極、410 液晶層、412 配向膜、414 配向膜、416 レンズ駆動回路、500 遮光膜、502 開口、506 傾斜センサ、600 光学装置、1102 支持部、1104,1104a,1104b 表示部、1106,1106a,1106b 視線センサ、1108,1108a,1108b 制御部

Claims (12)

  1. 複数の開口が形成された遮光膜と、
    前記複数の開口のそれぞれに対応した複数のマイクロレンズに分けられており、それぞれの前記マイクロレンズに入射した光を対応する前記開口に集光するように屈折率を変化させるマイクロレンズアレイと、
    を具備し、
    前記マイクロレンズによる光の集光位置と前記開口の中心位置とが一致している光学装置。
  2. 前記マイクロレンズからの前記光の射出位置と前記開口の中心位置がずれており、
    前記マイクロレンズによる前記光は、前記開口に対して斜め入射する請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記マイクロレンズアレイは、前記マイクロレンズ毎の屈折率を変化させることによって前記マイクロレンズに入射した光を対応する前記開口に集光する請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 前記光学装置の傾斜を検出する傾斜センサをさらに具備し、
    前記マイクロレンズアレイは、前記傾斜センサによって検出された傾斜に応じて前記マイクロレンズ毎の屈折率を変化させる請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記マイクロレンズアレイは、
    前記マイクロレンズ毎に前記開口と対応するように形成された制御電極と、
    前記制御電極と対向するように配置された対向電極と、
    前記制御電極と前記対向電極との間に封入された液晶層と、
    を有し、
    前記制御電極と前記対向電極とによる電圧の印加に応じて前記液晶層の屈折率を変化させる請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学装置。
  6. 前記液晶層は、紫外線硬化型の液晶層であり、紫外線の照射によって配向が制御される請求項5に記載の光学装置。
  7. 前記開口の形状は、円形状、楕円形状、又は前記開口の配列に対して対称な形状である請求項5又は6に記載の光学装置。
  8. 前記開口は、楕円形状であり、
    前記制御電極は、前記開口と対応した形状の開口を有し、
    前記液晶層の液晶分子の配向軸は、前記制御電極の開口の楕円短軸と一致している請求項7に記載の光学装置。
  9. 前記開口は、平方配列又は六方配列されている請求項1乃至8の何れか1項に記載の光学装置。
  10. 前記マイクロレンズアレイは、屈折率分布型マイクロレンズアレイである請求項1乃至9の何れか1項に記載の光学装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の光学装置と、
    前記マイクロレンズアレイの背面に形成され、前記光学装置に対して映像光線を入射させる映像パネルと、
    を具備する頭部装着型画像表示装置。
  12. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の光学装置と、
    前記光学装置から射出された光線を受光する撮像センサと、
    を具備する撮像装置。
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