WO2024080170A1 - 光学システムおよび虚像方式映像表示装置 - Google Patents

光学システムおよび虚像方式映像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2024080170A1
WO2024080170A1 PCT/JP2023/035768 JP2023035768W WO2024080170A1 WO 2024080170 A1 WO2024080170 A1 WO 2024080170A1 JP 2023035768 W JP2023035768 W JP 2023035768W WO 2024080170 A1 WO2024080170 A1 WO 2024080170A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
image
optical system
light
display panel
light source
Prior art date
Application number
PCT/JP2023/035768
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
浩二 平田
寿紀 杉山
哲樹 西村
Original Assignee
マクセル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マクセル株式会社 filed Critical マクセル株式会社
Publication of WO2024080170A1 publication Critical patent/WO2024080170A1/ja

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S2/00Systems of lighting devices, not provided for in main groups F21S4/00 - F21S10/00 or F21S19/00, e.g. of modular construction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V7/00Reflectors for light sources
    • F21V7/04Optical design
    • F21V7/06Optical design with parabolic curvature
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V7/00Reflectors for light sources
    • F21V7/22Reflectors for light sources characterised by materials, surface treatments or coatings, e.g. dichroic reflectors
    • F21V7/24Reflectors for light sources characterised by materials, surface treatments or coatings, e.g. dichroic reflectors characterised by the material
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/16Optical objectives specially designed for the purposes specified below for use in conjunction with image converters or intensifiers, or for use with projectors, e.g. objectives for projection TV
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B17/00Systems with reflecting surfaces, with or without refracting elements
    • G02B17/08Catadioptric systems
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays

Abstract

小型の光学系で十分な明るさと解像度が高い拡大映像を表示すること。本発明によれば、持続可能な開発目標の「3すべての人に健康と福祉を」、「9産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献する。光学システムは、映像を表示する表示パネルと、表示パネルに光を供給する光源装置と、表示パネルからの映像光の発散角度を前記光源装置により調整し、前記映像光の発散角を考慮して設計した光学系と、を備え、表示パネルの映像表示面に表示された映像からの映像光を取り込み、光学系により拡大投写像を形成する。

Description

光学システムおよび虚像方式映像表示装置
 本発明は、狭角な発散特性を有する映像源に最適な光学システムの一例としてコンバイナー型ヘッドアップディスプレイに関する。
 映像源に映し出された映像を投写レンズで拡大し実像としての拡大像を得る光学システムや凹面ミラーで拡大し虚像を得る光学システムが知られている。これらの光学システムにおいて従来は映像源に映し出された映像を拡大する手段としての投写レンズや凹面ミラーの設計において、拡大映像の明るさを十分に確保するためには広範囲に発散映像光束捕捉するために特許文献1に開示された投写レンズや特許文献2に開示された大型の凹面ミラーが必要となっている。
特開2019-035871号公報 特許第6540988号公報
 映像源に映し出された映像を投写レンズで拡大し実像としての拡大像を得る光学システムや凹面ミラーで拡大し虚像を得る光学システムにおいて、従来の映像源として例えば有機EL(Electric Luminescent)の場合は、有機ELから出射する映像光は完全拡散となるため映像光をすべて取り込むためには大口径な投写レンズが必要となる。同様に映像光が完全拡散特性を有する映像源からの映像光束をすべて取り込もうとすると大型の凹面ミラーが必要になる。更に投写レンズの大口径化と良好なフォーカス性能を両立しようとすればレンズ枚数増が必要となる。同様に凹面ミラーによる虚像光学系においてもミラーを分割して複数枚として光学系を形成するなどの対応が必要となる。
 しかしながら、上述した従来技術の投写レンズを用いて実像の拡大像を得る光学系や凹面ミラーを用いて虚像の拡大像を得る光学系の設計において映像源からの映像光の拡散特性を含めた最適な光学系の構成や実現技術についての設計手法に関しては考慮されていない。
 本発明の目的は、投写レンズを用いて実像の拡大像を得る光学系や凹面ミラーを用いて虚像の拡大像を得る光学系において映像源からの映像光の拡散特性を含めて最適設計を行うことで光学系の大口径化やレンズ枚数の増加、ミラー枚数の増加を低減する光学系構成や実現技術を提供することにある。
 上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例として、光学システムは、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに光を供給する光源装置と、前記表示パネルからの映像光の発散角度を前記光源装置により調整し、前記映像光の発散角を考慮して設計した光学系と、を備え、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像からの映像光を取り込み、前記光学系により拡大投写像を形成する。
 本発明によれば、投写レンズを用いて実像の拡大像を得る光学系や凹面ミラーを用いて虚像の拡大像を得る光学系において映像源からの映像光の拡散特性を考慮して最適設計を行うことで光学系の大口径化やレンズ枚数の増加、ミラー枚数の増加を抑えたコストパフォーマンスが高い光学系構成を実現できる。以下、拡大虚像の光学系について基本構成、設計の考え方、効果について以下の実施形態を基に説明する。
本発明の一実施例に係る映像源としての液晶パネルの視覚特性を説明する座標系を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る映像源としての液晶パネルの視覚特性を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る光学系の構成と投写レンズまたは凹面ミラーを含む光学系の設計環境を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る光学系を構成する投写レンズまたは凹面ミラーを含む光学系により発生する収差量が映像光の拡散特性で変化することを説明する説明図である。 本発明の一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の原理を説明する説明図である。 本発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す垂直断面図および水平断面図である。 本発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す垂直断面図である。 本発明の一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の設計時に着目する映像表示装置の映像表示面の物点を示す図である。 本発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系において凹面ミラー上の映像光束の大きさを示す図である。 本発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系を構成するレンズ面上の映像光束の大きさを示す図である。 本発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系のレンズデータを示す図である(物点を虚像形成面とした逆追跡データとして表示)。 本発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系のレンズデータのうち自由曲面形状を形成する係数示す図である(物点を虚像形成面とした逆追跡データとして表示)。 本発明の第二実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す垂直断面図および水平断面図である。 本発明の第二実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す垂直断面図である。 本発明の第二実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系において凹面ミラー上の映像光束の大きさを示す図である。 本発明の第二実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系を構成するレンズ面上の映像光束の大きさを示す図である。 本発明の第二実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系のレンズデータを示す図である(物点を虚像形成面とした逆追跡データとして表示)。 本発明の第二実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系のレンズデータのうち自由曲面形状を形成する係数示す図である(物点を虚像形成面とした逆追跡データとして表示)。 本発明の第三実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す垂直断面図および水平断面図である。 本発明の第三実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す垂直断面図である。 本発明の第三実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系において凹面ミラー上の映像光束の大きさを示す図である。 本発明の第三実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系を構成するレンズ面上の映像光束の大きさを示す図である。 本発明の第三実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系のレンズデータを示す図である(物点を虚像形成面とした逆追跡データとして表示)。 本発明の第三実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系のレンズデータのうち自由曲面形状を形成する係数示す図である(物点を虚像形成面とした逆追跡データとして表示)。 本発明の第一実施例に係る光学系により得られる結像点でのスポット形状を示す図である。 本発明の第二実施例に係る光学系により得られる結像点でのスポット形状を示す図である。 本発明の第三実施例に係る光学系により得られる結像点でのスポット形状を示す図である。 本発明の一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系の具体的な構成の例を示す構造図である。 本発明の一実施例に係る液晶パネルと光源装置の配置を示す上面図である。 本発明の一実施例に係る光源装置と液晶パネルの配置を示す構造図である。 光源装置の具体的な構成の例を示す斜視、上面および断面図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す構造図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例の一部を抜粋した図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例の一部を抜粋した図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例の一部を抜粋した図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す構造図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す図である。 光源装置に備えた拡散板の具体的な構成の例を示す断面図である。 映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 液晶パネルの視覚特性を測定する座標系を示す図である。 一般的な液晶パネルの輝度角度特性(長手方向)を示す図である。 一般的な液晶パネルの輝度角度特性(短手方向)を示す図である。 一般的な液晶パネルのコントラストの角度特性(長手方向)を示す図である。 一般的な液晶パネルのコントラストの角度特性(短手方向)を示す図である。 従来方式の設計手法による投写レンズの設計例を示す横断面図である。 光学系の設計データに用いた座標系を示す図である。 本発明の一実施例に係る光学系を用いた拡大虚像が得られる光学システムの具体的な応用例を示す図である。 本発明の車両用情報表示装置の第一の情報表示装置の周辺機器構成を示す概略構成図である。
 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態(以下、「本開示」ともいう)の内容に限定されるものではない。本発明は、発明の精神ないし特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲またはその均等範囲物にも及ぶ。また、以下に説明する実施形態(実施例)の構成は、あくまで例示に過ぎないのであって、本明細書に開示される技術的思想の範囲において、当業者による様々な変更および修正が可能である。
 また、本発明を説明するための図面において、同一または類似の機能を有するものには、同一の符号を付与し、適宜、異なる名称を使用する一方で、機能等の繰り返しの説明を省略する場合がある。
 なお、以下の実施形態の説明において、凹面ミラーを用いた光学系によって空間に結像する虚像の映像を「虚像の拡大映像」という用語で表現している。また正の屈折力を持つレンズ群または凸レンズを使用した光学系によって空間に結像する実像の映像を「実像の拡大映像」という用語で表現している。この用語の代わりに、「拡大像」、「虚像」、「実像」、などと表現してもかまわない。実施形態の説明で主として用いる「虚像の拡大像」の用語は、これらの用語の代表例として用いている。
 本開示は、狭角な発散角の映像光束を発生させる小型映像発光源からの映像光による映像を、虚像または実像の拡大映像として表示する光学系の最適設計方法とその結果得られた虚像光学系の事例とそれを用いた光学システムに関する。本発明によれば、投写レンズを用いて実像の拡大像を得る光学系や凹面ミラーを用いて虚像の拡大像を得る光学系において映像源からの映像光の拡散特性を考慮して最適設計を行うことで光学系の大口径化やレンズ枚数の増加、ミラー枚数の増加を抑えたコストパフォーマンスが高い光学系構成を実現できる。特に、虚像による拡大像は光源の明るさがそのまま拡大像の明るさと等しくなるため光エネルギー変換効率に優れている。
 以下の実施形態によれば、例えば、図3に示すようにコンバイナーの後方に高解像度な拡大映像BB’を表示可能となる。この時、出射する映像光の発散角を小さく、即ち鋭角とし、更に特定の偏波に揃えることで、コンバイナーに対して正規の反射光だけを効率良く反射させることができる。他方、偏光サングラス対応としてコンバイナーにP波、S波ともに同等の反射率を持つ反射膜を設けても良い。
 更に、特定偏波の映像光を得る映像表示装置として液晶表示パネル(液晶パネルまたは表示パネル)を使用した場合には映像光の一部を光学的に他方の偏波に変換して疑似的に自然光に変換する偏光解消素子を液晶パネルの観視者側つまり光学系側の面に設けても良い。この結果、観視者が偏光サングラスを使用していても良好な虚像または実像の拡大映像を観視することができる。
 偏光解消素子の市販品としては、コスモシャインSRF(東洋紡社製)、偏光解消粘着剤(長瀬産業社製)が挙げられる。コスモシャインSRF(東洋紡社製)の場合、画像表示装置上に粘着剤を貼合することにより、界面の反射を低減して輝度を向上させることができる。また、偏光解消粘着剤の場合、無色透明板と映像表示装置としての液晶パネルとを、偏光解消粘着剤を介して貼合することで使用される。本実施例の光学システムおよび虚像方式映像表示装置は、液晶表示パネル11と挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13と、を備えている。このため、光の利用効率が高く、従来の虚像方式では実現できなかった屋外での拡大虚像の観視が可能な携帯可能な小型で低消費電力な映像表示装置が実現できる光学システムを得ることができる。
 また、本開示の光源を含む装置と光学系により、消費電力を大幅に低減することが可能で、新規で小型の映像表示装置(液晶表示パネル)と組み合わせれば低消費電力で携帯しての利用が可能な拡大虚像映像表示システムを提供することができる。また、本開示の技術によれば、例えば、車両のフロントガラスやリアガラスやサイドガラスを含むシールドガラスを介して、車両外部または内部の特定方向から視認可能である、いわゆる、一方向性の拡大虚像の映像表示が可能な映像表示装置を提供することができる。
 次いで、本願発明で開示する実施例として拡大虚像を得る光学系の作用と具体的な光学システムの実施例について説明する。拡大虚像を得る光学系の基本構成を図3に示す。物体(AA’)を凹面ミラー1’の焦点Fよりミラー面側に配置する。
 この時、PB”/AA’=PF/AF=f/(f-a)
であり、PB”=BB’であるから、(1)式に代入して
  BB’/AA’=f/(f-a)            ……(1)
  △PA”Fと△BB’Fは相似であるから
  BB’/PA”=BF/PF=(b+f)/f      ……(2)
であり、PA”=AA’であるから
  BB’/AA’=(b+f)/f
 (1)式と(2)式は左辺が共通であるから
  f/(f-a)=(b+f)/f
  f2=(b+f)(f-a)
  f2=bf+f2-ab-af
  0=bf-ab-af
  ab=bf-af   両辺をabfで割って
  (bf/abf)-(af/abf)=ab/abf
  (1/a)-(1/b)=(1/f)            ……(3)
 光学系の座標の定義から(3)式は(1/a)+(1/(―b))=1/f
 この時虚像の倍率mはm=b/a
であるから物体と凹面ミラーの距離a(物点距離)を短くし凹面ミラーから虚像までの距離b、即ち像距離を長くすることで高倍率な虚像を得ることができる。
 以上述べた虚像光学系を用いた光学システムにおいて物体AA’から凹面ミラー1’までの距離を短くするためには焦点距離fの短縮が必須となるが焦点距離を短くするためには凹面ミラーの屈折力を大きくする必要があり、通常の光学設計手法で拡大虚像に発生する収差が大きくなり拡大虚像にいわゆるボケが発生する。
 小型で高輝度かつ高解像度な虚像拡大光学系を設計する新たな設計手法を以下、図面を基に説明する。図1A、図1Bは、液晶パネル11の表示画面中央から発する映像光の拡散特性を説明するための図であり、映像表示装置の表示素子として液晶パネル11を用いた場合の発散特性を説明するための図である。図1Aは液晶パネル11の光出射面を上向きにして配置した斜視図である。以降の説明の都合上、図1Bの座標軸と合わせるため画面長手方向をX軸と定め、画面短手方向をY軸と定め、XY平面に直交する方向をZ軸と定める。映像光の発散角の説明ではZ軸は相対輝度を示す軸として説明する。
 図2Aは光学系の設計時に使用される基本的な設計環境を示す図である。液晶パネルを物面として画面中央と光学系の入射瞳の中心を結ぶ線分をZ軸として定義し、液晶パネルはこのZ軸に対して垂直な平面(XY平面)として設定する。光学系の設計時には例えば画面中心の物点Paから仮想面である入射瞳の相対瞳高さ(Y軸の-1.0から+1.0、X軸の-1.0から+1.0)の着目座標に向かって光線を飛ばし物点と入射瞳の中心(相対瞳高さ(0.0,0.0))に向かう主光線の像面での到達点からのXY平面上にずれ量を収差量として定義し、この収差をゼロとするように光学系の設計を行う。
 従来の光学系の設計におけるパラメータは物点である液晶パネルと像面である拡大虚像の間に配置する光学素子の配置と形状、屈折率であり、凹面ミラーを用いた虚像光学系では凹面ミラーの位置と形状が主要設計パラメータとなる。
 本願発明では、映像表示装置として液晶パネルを使用し光源装置の拡散特性を狭角とすることで映像光の広がりを光源の反射型導光体の形状と面粗さで調整して新たな光学系の設計パラメータとした。以下に述べる本願発明の実施例では画面水平の(長手方向)の拡散特性は相対輝度50%で±9度、相対輝度0%で±16度、画面垂直の(短手方向)拡散特性は相対輝度50%で±7.5度、相対輝度0%で±13度として設計した値である。画面中央の物点Paからの映像光束により光学系で発生する収差は図2Aに示した相対瞳高さに対応した座標と発生する収差を図2B(1)に示す。狭発散角の拡散特性を持つ本願発明の映像光源からの映像光束による収差発生領域はB範囲となるため、従来の設計で同じ明るさを得るために必要であった光学系に取り込む光束の発散角に対応するA範囲に比べて主光線に近い部分となるため収差の発生量そのものが大幅に軽減される。
 更に、図2B(2)に示すように画面周辺の物点Pbからの映像光束についても図2B(2)の上図に示す子午的断面方向の収差と下図に示す球欠的断面方向の収差についても同様に狭発散角の拡散特性を持つ本願発明の映像光源からの映像光束による収差発生領域はB範囲となるため、従来の設計で同じ明るさを得るために必要であった光学系に取り込む光束の発散角に対応するA範囲に比べて主光線に近い部分となるため収差の発生量そのものが大幅に軽減される。
 具体的に、従来の光学系では図29に示すように収差補正能力が不足する場合に光学系を構成するレンズ素子を保持する鏡筒の保持径を最適化する。例えば画面中心の光束φ2が通過するレンズ群の配置によりレンズの有効径を決定し、収差の発生が大きい部分は遮光して良好なフォーカス性能を得る。同様に画面周辺部で結像する光束φ3についても通過するレンズ群の配置によりレンズの有効径を決定し、収差の発生が大きい部分は遮光して良好なフォーカス性能を得る。このため、画面中央に対して画面周辺の通過光束は少なくなるが更に物面と拡大投写像面の間に成立するCOSθ4則により周辺像面の相対明るさを中央部と同等にするのは難度が高い。
 これに対して本願発明の光学系の設計においては上述したように狭角な発散特性を持つ映像表示装置からの映像光束に対応した光学系の設計手法の一例として凹面ミラーを含む虚像光学系の実施例について以下説明する。
 図4Aは本願発明の第一の実施例としての凹面ミラーを用いた虚像光学系の構成を示す垂直断面図である。凹面ミラーは、図中ではCombinerと表記している。また、図中では凹面ミラーを用いているが、画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズを用いても良い。映像表示装置として液晶パネルを用い上述した狭発散角の光源装置(図示せず)を備えた構造となっている。液晶パネルは、図中ではLCDと表記している。
 液晶パネルと凹面ミラーの間にはレンズ素子L1を配置し、液晶パネルから出射する映像光が凹面ミラーに入射する位置と角度を調整しつつ、同時に画面垂直方向と水平方向の光路差を小さくして収差の発生を原理的に抑えながら、液晶パネルに正対した面(図7Aに示すレンズデータの5面に対応)と凹面ミラーに正対した面(図7Aに示すレンズデータの4面に対応)のレンズ面間隔を垂直方向で変化させ同時にレンズ形状により収差補正を行っている。つまり、表示パネルに表示された映像の映像光の光学系への取り込み量は、光源装置の光拡散特性により得られる表示パネルからの映像光発散角により決定される。
 また、光源装置により調整された液晶パネルからの映像光を光学素子、つまりL1レンズにより光学系、つまり凹面ミラーまたは凸レンズに取り込まれる映像光の角度を調整する。
 以降、図7、図10A、図10B、図13に示した実施例のレンズデータは虚像が形成される面を物面として定義し、この物面から図2Aに示した設計的に定義した入射瞳に向けて光線を飛ばしてそれぞれの物点から入射瞳の中央を通過する主光線の像面(レンズデータ中のLCD面)上の到達点(座標)を基準として、入射瞳のその他の領域を通過して像面(レンズデータ中のLCD面)に到達した光線の到達点(座標)との座差の絶対値を収差と定義して着目した物点と定義した光線により発生する収差を光学系で最小とするように設計した結果である。
 図7Aを基にレンズデータの説明を行う。このレンズデータは図30に示された座標系による。光線追跡の方向が逆追跡のため図中では物点と表記している拡大虚像面から1340mm離れた場所に仮想面を設定している。仮想面は、図7A中ではSTOPと表記している。このSTOP面から258.927mm戻った場所に非球面形状コンバイナー(凹面ミラー)を設け、更にコンバイナーの反射面から87.864mm戻ったところに厚さが5.09mmで屈折率が1.49091、分散が58.03の物質からなるL1レンズが配置されている。このL1レンズの入射面(LCD側面)から物面であるLCDの出射面までの距離は27.714mmでLCDの出射面ガラス厚さは0.122mmで屈折率1.52、分散が30.0である。更に屈折率1.52、分散が64.9の液晶が0.6mmの厚さで構成されている。
 コンバイナーの反射面S2およびレンズL1の両面S4とS5は自由曲面式で定義された形状を成し、それぞれの係数は図7Bに示している。また本発明の実施例では近軸光学系の影響を抑えるため凹面ミラーの反射面(図7Aの表中2面)とL1レンズの映像光入射面(図7Aの表中5面)および映像光出射面(図7Aの表中4面)も曲率半径は無限大(平面)として設計を進めた。更に本願発明ではそれぞれのレンズ面の偏心量や傾きを大きくとって近軸系の影響を受け難くした座標系を用いた。それぞれの反射面、レンズ面の偏心量や傾きをEye box基準に変換して図7Aの下段の表に示す。偏心量の単位は(mm)回転角度(度)で示している。Y軸方向の偏心量とYZ平面での回転角αが大きいのは実施例が斜投写光学系のためである。
 次いで本願発明の第二の実施例における近軸系のレンズデータを図10Aに自由曲面式の係数を図10Bに示す。更に第三の実施例における近軸系のレンズデータを図13Aに自由曲面式の係数を図13Bに示す。個別のデータの詳細は第一の実施例と同じであるためここでは省略する。
 <光学系の設計>
 上述した本願発明の第一実施例に係る凹面ミラーを用いた虚像光学系設計時に着目した映像表示装置の映像表示面における物点座標を図5に示す。画面中央Pa、画面右下コーナーPbの他に上端部、中央部、下端部にそれぞれ4等分する座標と上端部と中央部の中間点に4ポイント、下端部と中央部が辺の中間点に4ポイントの23ポイントを設計時の着目ポイントとして設計を行い、自由曲面形状が極点を持つような形状にならないように設計の途中段階では当初の23ポイントの着目点の座標を変更したり追加したりしながら光学系を構成する凹面ミラーの形状やレンズ形状も考慮しながら最適化を実施した。
 <光学系の構成>
 本願発明の第一の実施例の光学系構成を示す横断面図と上面図を図4Aに、光学系と観視者が拡大虚像を観察する位置と範囲を示すEye Boxと虚像の結像位置を並べて示した横断面図を図4Bに示す。凹面ミラーは、図中ではCombinerと表記している。また、図中では凹面ミラーを用いているが、画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズを用いても良い。
 本実施例では凹面ミラーであるコンバイナーに対して斜投写とすることで水平方向の距離D1を大幅に短縮し同時に基準面からコンバイナーまでの高さH1を高くすることで自動車のステアリング後方のコンソール、つまりステアリングとウインドシールドの間にコンバイナーHUDとして配置する場合にコンバイナー背面に拡大表示される虚像をドライバーが観視する場合にステアリングの陰にならないようにコンバイナーHUDを配置することができ、設置場所を選ばない小型のコンバイナーHUDが実現できる。これを実現する光学系としてはコンバイナーの下端よりL1レンズの上端部分が低い位置にありかつL1レンズの画面垂直方向の厚さが上端部と下端部で異なり上端部が下端部に比べ厚いことを特徴とする。
 本願発明の実施例のL1レンズは、図4Aの下の図に示すように発散作用を持つ。狭発散角でテレセントリックな映像光束をL1レンズの発散作用により凹面ミラーであるコンバイナーに入射する位置と角度を調整する。
 また、発生する収差を低減するために、図7Aに示すように近軸系では曲率半径は無限大(平面)として近軸光学系の影響を除いてレンズ面の各点(X、Y)で形状の最適化可能な自由曲面式により最適設計を行う。この時得られた自由曲面式の各係数を図7Bに示す。光学系の設計の初期においては入射瞳径を小さくし、所望の倍率の拡大像が得られかつ画面歪みを軽減しながら設計のベースデータを作成し、入射瞳径を少しずつ広げて収差の低減と歪み低減、所望の倍率の確保の設計目標として最適化を実施する。この時、本願発明の実施例では狭発散角の映像光束が得られるため必要な明るさを確保するのにも従来の光学系の設計に比べ入射瞳径を30%程度と小さくできるため設計難度を軽減することができる。このため補正レンズ1枚で収差補正と歪み補正および必要な倍率の確保が可能となる。
 つまり、表示パネルに表示された映像の映像光の光学系への取り込み量は、光源装置の光拡散特性により得られる表示パネルからの映像光発散角により決定される。また、光源装置により調整された液晶パネルからの映像光を光学素子、つまりL1レンズにより光学系、つまり凹面ミラーまたは凸レンズに取り込まれる映像光の角度を調整する。
 光学系と観視者が拡大虚像を観察する位置と範囲を示すEye Boxと虚像の結像位置を並べて示した横断面図を図4Bに示す。本願発明の実施例においてはEye Boxの位置が最も高く、次いでコンバイナーの位置が高く、最も低い位置に拡大虚像が結像する。また、コンバイナーの上端は虚像の上端より高い位置に配置され、コンバイナーの下端は拡大虚像の下端より高い位置になるように光学系を配置する。この結果、上述したように自動車のステアリング後方のコンソール、つまりステアリングとウインドシールドの間にコンバイナーHUDとして配置してもコンバイナー背面に拡大表示される虚像をドライバーが観視する場合にステアリングの陰になることが無い。
 本願発明の第二の実施例の光学系構成の上面図を図8Aに示す。光学系と観視者が拡大虚像を観察する位置と範囲を示すEye Boxと虚像の結像位置を並べて示した横断面図を図8Bに示す。凹面ミラーは、図中ではCombinerと表記している。
 また、図中では凹面ミラーを用いているが、画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズを用いても良い。本実施例でも第一の実施例と同様に凹面ミラーであるコンバイナーに対して斜投写とすることで水平方向の距離D1を大幅に短縮し同時に基準面からコンバイナーまでの高さH1を高くすることで自動車のステアリング後方のコンソール、つまりステアリングとウインドシールドの間にコンバイナーHUDとして配置する場合にコンバイナー背面に拡大表示される虚像をドライバーが観視する場合にステアリングの陰にならないようにコンバイナーHUDを配置することができ、設置場所を選ばない小型のコンバイナーHUDが実現できる。これを実現する光学系としてはコンバイナーの下端よりL1レンズの上端部分が低い位置にありかつL1レンズの画面垂直方向の厚さが上端部と下端部で異なり上端部が下端部に比べ厚いことを特徴とする。
 本願発明の第二の実施例においてもL1レンズは、図8Aの下の図に示すように発散作用を持つ。狭発散角でテレセントリックな映像光束をL1レンズの発散作用により凹面ミラーであるコンバイナーに入射する位置と角度を調整する。また発生する収差を低減するために、図10Aに示すように近軸系では曲率半径は無限大(平面)として近軸光学系の影響を除いてレンズ面の各点(X、Y)で形状の最適化可能な自由曲面式により最適設計を行う。この時得られた自由曲面式の各係数を図10Bに示す。
 光学系の設計の初期においては入射瞳径を小さくし所望の倍率の拡大像が得られかつ画面歪みを軽減しながら設計のベースデータを作成し、入射瞳径を少しずつ広げて収差の低減と歪み低減、所望の倍率の確保の設計目標として最適化を実施する。この時、本願発明の実施例では狭発散角の映像光束が得られるため必要な明るさを確保するのにも従来の光学系の設計に比べ入射瞳径を30%程度と小さくできるため設計の難度を軽減することができる。このため補正レンズ1枚で収差補正と歪み補正および必要な倍率の確保が可能となる。
 つまり、表示パネルに表示された映像の映像光の光学系への取り込み量は、光源装置の光拡散特性により得られる表示パネルからの映像光発散角により決定される。また、光源装置により調整された液晶パネルからの映像光を光学素子、つまりL1レンズにより光学系、つまり凹面ミラーまたは凸レンズに取り込まれる映像光の角度を調整する。
 光学系と観視者が拡大虚像を観察する位置と範囲を示すEye Boxと虚像の結像位置を並べて示した横断面図を図8Bに示す。本願発明の第二の実施例においてもEye Boxの位置が最も高く、次いでコンバイナーの位置が高く、最も低い位置に拡大虚像が結像する。
 また、コンバイナーの上端は虚像の上端より高い位置に配置されコンバイナーの下端より拡大虚像の下端の方が低い位置になるように光学系を配置することで自動車のステアリング後方のコンソール、つまりステアリングとウインドシールドの間にコンバイナーHUDとして配置してもコンバイナー背面に拡大表示される虚像をドライバーが観視する場合にステアリングの陰になることが無い。
 本願発明の第三の実施例の光学系構成の上面図を図11Aに示す。光学系と観視者が拡大虚像を観察する位置と範囲を示すEye Boxと虚像の結像位置を並べて示した横断面図を図11Bに示す。凹面ミラーは、図中ではCombinerと表記している。
 また、図中では凹面ミラーを用いているが、画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズを用いても良い。
 本実施例でも第一の実施例および第二の実施例と同様に凹面ミラーであるコンバイナーに対して斜投写とすることで水平方向の距離D1を大幅に短縮し同時に基準面からコンバイナーまでの高さH1を高くすることで自動車のステアリング後方のコンソール、つまりステアリングとウインドシールドの間にコンバイナーHUDとして配置する場合にコンバイナー背面に拡大表示される虚像をドライバーが観視する場合にステアリングの陰にならないようにコンバイナーHUDを配置することができ、設置場所を選ばない小型のコンバイナーHUDが実現できる。これを実現する光学系としては他の実施例と同様にコンバイナーの下端よりL1レンズの上端部分が低い位置にありかつL1レンズの画面垂直方向の厚さが上端部と下端部で異なり上端部が下端部に比べ厚いことを特徴とする。
 図15(1)は、本願発明の実施例を基に成形可能な形状としてコンバイナーとL1レンズの映像光が通過する有効領域に対してマージンを2mmとしてレンズ面を形成したレンズ素子を配置した状態を示している斜視図である。
 後述詳細に説明するが、面光源であるLEDからの発散光をリフレクタで略平行光に変換して偏光変換光学素子により特定偏波に変換され反射型導光体で反射させ対向面に配置したLCDにより映像信号に応じてLCDから出射する光強度を変調して映像を得る。この時、映像光の発散角は明るさがピークの50%となる角度でLCD(液晶表示パネル)の画面水平方向は9.5度、LCD(液晶表示パネル)の画面垂直方向は8.0度と狭角な特性を持つ。反射型導光体とLED、リフレクタ、偏光変換素子、液晶パネル(LCD)を同一筐体に組み込みコンバイナーと連結して拡大虚像光学系を形成する。コンバイナーは上下に可動または回転可能な構造として未使用時にはコンパクトな形態となるように構造設計すると良い。
 L1レンズの上端よりコンバイナーの下端が低い位置に配置されているが、観視者の視点位置が前述したように最も高いため拡大像がステアリング等で遮られることが無い。図15(2)は本願発明の実施例を示す上面図である。広画角の光学系のためコンバイナー周辺部の平均曲率半径が中央部より小さい。
 本願発明の第三の実施例においても他の実施例と同様にL1レンズは、図11Aの下の図に示すように発散作用を持つ。狭発散角でテレセントリックな映像光束をL1レンズの発散作用により凹面ミラーであるコンバイナーに入射する位置と角度を調整する。
 また、発生する収差を低減するために、図13Aに示すように近軸系では曲率半径は無限大(平面)として近軸光学系の影響を除いてレンズ面の各点(X、Y)で形状の最適化可能な自由曲面式により最適設計を行う。この時得られた自由曲面式の各係数を図13Bに示す。
 光学系の設計の初期においては入射瞳径を小さくし所望の倍率の拡大像が得られ、かつ画面歪を軽減しながら設計のベースデータを作成し、入射瞳径を少しずつ広げて収差の低減と歪み低減、所望の倍率の確保の設計目標として最適化を実施する。この時、本願発明の実施例では狭発散角の映像光束が得られるため必要な明るさを確保するのにも従来の光学系の設計に比べ入射瞳径を30%程度と小さくできるため設計難度を軽減することができる。このため補正レンズ1枚で収差補正と歪み補正および必要な倍率の確保が可能となる。つまり、表示パネルに表示された映像の映像光の光学系への取り込み量は、光源装置の光拡散特性により得られる表示パネルからの映像光発散角により決定される。
 光学系と観視者が拡大虚像を観察する位置と範囲を示すEye Boxと虚像の結像位置を並べて示した横断面図を図11Bに示す。本願発明の第三の実施例においてもEye Boxの位置が最も高く、次いでコンバイナーの位置が高く、最も低い位置に拡大虚像が結像する。また、コンバイナーの上端は虚像の上端より高い位置に配置されコンバイナーの下端は拡大虚像の下端より高い位置になる。
 このように光学系を配置することで上述したように自動車のステアリング後方のコンソール、つまりステアリングとウインドシールドの間にコンバーナーHUDとして配置してもコンバイナー背面に拡大表示される虚像をドライバーが観視する場合にステアリングの陰になることが無い。
 なお、図4A、図8A、図11Aの液晶表示パネルと凹面ミラー(コンバイナー、凸レンズ)までの距離D1について、第一実施例におけるD1>第二実施例におけるD1>第三実施例におけるD1の関係である。
 <映像光束の広がり評価>
 自由曲面を使用した光学系、特に凹面ミラーを使用した映像光を反射させて用いる光学部品では反射面の面形状の他に映像光が反射面で散乱しフォーカス性能に直接影響する面粗さの向上が大きな課題となる。この問題に関する設計的な解決策としては凹面ミラーで反射する映像光束のスポットサイズを大きくし、映像表示面の各物点間からの出射した光束サイズの差が小さい方が結像場所による拡大虚像のフォーカス性能ばらつきを抑えることができる。
 図6Aは本願発明の第一の実施に対応した凹面ミラー上の映像光束のスポットサイズを示したものである。凹面ミラーの上端部、中央部、下端部およびそれぞれの左右端部に入射する映像光束のサイズが場所により変化せずミラー外形に対して十分な面積があるため成型後の凹面ミラーの面粗さの影響でフォーカス性能が低下し難い設計となっている。スポット形状が横長な理由は映像源からの映像発散角が画面垂直方向と水平方向で異なるためである。
 同様の評価をL1レンズの映像光入射面と出射面についても行った。結果を図6B(1)(2)に示す。映像光源であるLCDに近いL1レンズの入射面では映像光束のスポットは小さく、特にLCDに最も近い入射面および出射面の上端部ではスポットサイズは小さくなるが現状の金型の面粗さ5(nm)に対して1(mm2)以上で十分な大きさであるため実用上問題が無い。
 次いで図9Aは本願発明の第二の実施例に対応した凹面ミラー上の映像光束のスポットサイズを示したものである。第一の実施例と同様に凹面ミラーの上端部、中央部、下端部およびそれぞれの左右端部に入射する映像光束のサイズが場所により変化せずミラー外形に対して十分な面積があるため成型後の凹面ミラーの面粗さの影響でフォーカス性能が低下し難い設計となっている。スポット形状が横長な理由も第一の実施例同様映像源からの映像発散角が画面垂直方向と水平方向で異なるためである。
 同様の評価をL1レンズの映像光入射面と出射面についても行った。結果を図9B(1)(2)に示す。映像光源であるLCDに近いL1レンズの入射面では映像光束のスポットは小さく、特にLCDに最も近い入射面および出射面の上端部ではスポットサイズは小さくなるが現状の金型の面粗さ5(nm)に対して1(mm2)以上で十分な大きさであるため実用上問題が無い。
 更に、図12Aは本願発明の第三の実施例に対応した凹面ミラー上の映像光束のスポットサイズを示したものである。第一および第二の実施例と同様に凹面ミラーの上端部、中央部、下端部およびそれぞれの左右端部に入射する映像光束のサイズが場所により変化せずミラー外形に対して十分な面積があるため成型後の凹面ミラーの面粗さの影響でフォーカス性能が低下し難い設計となっている。スポット形状が横長な理由も第一および第二の実施例同様映像源からの映像発散角が画面垂直方向と水平方向で異なるためである。
 同様の評価をL1レンズの映像光入射面と出射面についても行った。結果を図12B(1)(2)に示す。映像光源であるLCDに近いL1レンズの入射面では映像光束のスポットは小さく、特にLCDに最も近い入射面および出射面の上端部ではスポットサイズは小さくなるが現状の金型の面粗さ5(nm)に対して1(mm2)以上で十分な大きさであるため実用上問題が無い。
 <結像性能>
 以上述べた実施例の結像性能を逆追跡の像面である液晶パネルの有効寸法は画面水平方向が40.896mm、垂直方向が20.448mmで対角1.8”相当、画素寸法は85.2μmとして設計を行った。拡大虚像は対角で7.88”で拡大倍率は約4.37倍である。この条件で液晶パネル上(逆追跡)のスポットを評価した。第一の実施例に対応したスポット像を図14Aに示す。評価ポイントの座標(x,y)を左側に記載した。それぞれの評価点でのスポットサイズは0.2mmから0.3mmの間にあり、設計に用いた液晶パネルの画素サイズ85.2μm、投写倍率4.37倍から十分に収差補正された光学系が設計できた。
 同様の条件で設計した第二の実施例による液晶パネル上(逆追跡)のスポット像を図14Bに示す。図14Aと同様に、評価ポイントの座標(x,y)を左側に記載した。それぞれの評価点でのスポットサイズは0.2mmから0.3mmの間にあり、設計に用いた液晶パネルの画素サイズ85.2μmに投写倍率4.37倍を掛け合わした値037mmに対して同等であり、第一の実施例と同様に十分収差補正された光学系が設計できた。
 更に同様の条件で設計した第三の実施例による液晶パネル上(逆追跡)のスポット像を図14Cに示す。図14Aおよび図14Bと同様に、評価ポイントの座標(x,y)を左側に記載した。それぞれの評価点でのスポットサイズは0.2mmから0.4mmの間にあり、第一および第二の実施例同様に十分収差補正された光学系が設計できた。
 <小型化を実現するレイアウト>
 図16には、液晶パネル11とFPC(Flexible Printed Circuits)249と回路基板251を設けた構造を示している。液晶パネル11と回路基板251はFPC249により接続されている。図17に示すように液晶パネル11の短辺と平行な方向に一列に配置されている面光源であるLEDチップからの光は、リフレクタ300により略平行光に変換し、PBS(Polarizing Beam Splitter)21で偏光変換して特定偏波の光として反射型導光体311に入射し、この反射面307で反射して液晶パネル11の所望の位置に所望の角度で入射する。
 反射型導光体311は図4に示す光源ブロック312に対して傾斜勾配を有しており、反射型導光体311の下部に液晶パネル11のFPC249をまげて回路基板251を配置する。回路基板251は反射型導光体311の背面に沿って配置した方がより薄型にできる。この構成によって無駄なスペースが軽減されるためコンパクトに光源装置13と液晶パネル11を筐体へ収納可能となる。
 図17を用いて液晶パネル11の短辺方向に光源ブロック312を配置したレイアウトについて説明したが、液晶パネル11の長辺方向に光源ブロックを配置したレイアウトにおいても同様であり、また液晶パネル11の短辺または長辺の両側に光源ブロック312を対向して配置する場合も、液晶パネル11とFPC249と回路基板251は上記と同様に配置すると良い。この構成を実現することで無駄なスペースが軽減されるためコンパクトに光源装置13と液晶パネル11を筐体へ収納できる。
 <映像光制御シート>
 上述した映像表示装置において画面垂直方向と画面水平方向の拡散特性を異なるものとするために、液晶パネル11の映像光出射面に映像光制御シートを設ける。この映像光制御シートとして、例えば、信越ポリマー(株)の視野角制御フィルム(VCF)が適しており、その構造は透明シリコンと黒色シリコンを交互に配置し光入出射面に合成樹脂を配置してサンドウィッチ構造としているため、本実施例の外光制御フィルムと同様の効果が期待できる。この時、視野角制御フィルム(VCF)は、所定の方向に延伸する透明シリコンと黒色シリコンが交互に配列されているため、液晶パネル11の画素の配列方向の上下方向に対して映像光制御シートの透明シリコンと黒色シリコンの延伸方向を傾けることで、画素と外光制御フィルムのピッチで発生するモアレを軽減するように配置すると良い。
 (1)映像光制御シートの透過部と光吸収部により生じる縦縞と液晶パネル11の画素の配列により生じるモアレを低減するためには前述の縦縞と画素配列を傾けて配置すると良い。更に、(2)液晶パネル11の画素寸法をAとし、映像光制御シート12の縦縞のピッチをBとした場合、この比率(B/A)を整数倍から外して選択すると更にモアレ低減の効果がある。
 映像光制御シート250は図16に示すように液晶パネル11の映像光出射面に配置し粘着材により液晶パネル11の映像光出射面に粘着固定される。
 <液晶パネルの性能>
 ところで、一般的なTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルは、光の出射方向によって液晶と偏光板相互の特性により輝度、コントラスト性能が異なる。図24に示した測定環境での評価では、パネル短手(上下)方向での輝度と視野角の特性は図26に示すようにパネル面に垂直(出射角度0度)な出射角より少しずれた角度での特性(本実施例では+5度)が優れている。この理由は、液晶パネルの短手(上下)方向では、光をねじる特性が印加電圧最大の時に0度とならないためである。
 他方、パネル短手(上下)方向のコントラスト性能は、図28に示すように、-15度から+15度の範囲が優れており、図26に示した輝度特性と合わせると、5度を中心にして±10度の範囲での使用が最も優れた特性を得ることとなる。
 また、パネル長手(左右)方向での輝度と視野角の特性は、図25に示すように、パネル面に垂直(出射角度0度)な出射角での特性が優れている。この理由は、液晶パネルの長手(左右方向)では光をねじる特性が印加電圧最大の時に0度となるためである。
 同様に、パネル長手(左右)方向のコントラスト性能は図27に示すように、-5度から-10度の範囲が優れており、輝度特性と合わせると-5度を中心にして±5度の範囲での使用が最も優れた特性を得ることとなる。このため、液晶パネルから出射する映像光の出射角度は、前述した光源装置13の導光体に設けた光束方向変換手段により最も優れた特性が得られる方向から液晶パネルに光を入射させ、映像信号により光変調することが、映像表示装置の画質と性能を向上させることになる。
 映像表示素子としての液晶パネルの輝度、コントラスト特性を最大限に生かすためには、光源からの液晶パネルへの入射光を上述した範囲に設定することで、虚像または実像の拡大映像の映像品位を向上することができる。
 <光源光の調整方法>
 本実施例では、光源装置13からの出射光束の利用効率を向上させ、消費電力を大幅に低減するために、光源装置13と液晶表示パネル11を含んで構成される映像表示装置において、光源装置13からは液晶パネル11の特性が最大となるような入射角度で液晶パネル11に入射する。液晶パネル11は、映像信号に合わせて輝度変調された映像光線を出射する。この時、狭角発散特性を有する映像源に対応する光学システムのセット容積を小型化するために、液晶パネル11と投写レンズおよび/または凹面ミラーの配置の自由度を高めることが要望される。更に、虚像または実像の拡大映像を所望の位置に形成し最適な指向性を確保するため、以下の技術手段を用いる。
 液晶パネル11の映像表示面には、光方向変換パネルとして、リニアフレネルレンズ等の光学部品からなる透明シートを設け、高い指向性を付与したまま光学系への入射光束の出射方向を調整しても良い。この構成によれば、映像表示装置からの映像光は、レーザ光のように狭発散角で指向性を調整することで光学系に対して高い指向性(直進性)で効率良く届くこととなり、その結果、高品位な拡大映像が表示可能な実像の投写レンズや虚像の光学系が実現でき、光学系を構成する光学素子の構成枚数を低減しても高解像度で明るい拡大像が得られると共に、光源装置13を含む映像表示装置による消費電力を大幅に低減することが可能となる。
 <映像表示装置の例1>
 図20Aには、映像表示装置の具体的な構成の他の一例を示す。この光源装置13は、例えばプラスチックなどのケース内にLED、コリメータ、合成拡散ブロック、導光体等を収納して構成されており、その上面には液晶表示パネル11が取り付けられている。また、光源装置13のケースの1つの側面には、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)素子14や、その制御回路を実装したLED基板が取り付けられると共に、LED基板の外側面には、LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するための部材であるヒートシンクが取り付けられる(図示せず)。
 また、ケースの上面に取り付けられた液晶表示パネルフレームには、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル11と、更に、液晶表示パネル11に電気的に接続されたFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブル配線基板)(図示せず)などが取り付けられて構成されている。即ち、液晶表示素子である液晶表示パネル11は、固体光源であるLED素子14と共に、電子装置を構成する制御回路(ここでは図示せず)からの制御信号に基づいて、透過光の強度を変調することによって、表示映像を生成する。
 <映像表示装置の例1の光源装置の例1>
 続いて、ケース内に収納されている光源装置等の光学系の構成について、図20Aと共に図20Bを参照しながら、詳細に説明する。図20Aおよび図20Bには、光源13を構成するLED14、14bが示されており、これらはコリメータ18に対して所定の位置に取り付けられている。なお、このコリメータ18は、各々、例えばガラスあるいは耐熱性樹脂等の透光性の素材により形成されている。そして、このコリメータ18は、図20Bにも示すように、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面156を有すると共に、その頂部(LED基板に接する側)におけるその中央部に、凸部(即ち、凸レンズ面)157を形成した凹部153を有する。
 また、コリメータ18の平面部(上記の頂部とは逆の側)の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)154を有している。なお、コリメータ15の円錐形状の外周面を形成する放物面156は、LED14、14bから周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
 また、LED14、14bは、その回路基板である、基板102の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。この基板102は、コリメータ18に対して、その表面上のLED14または14bが、それぞれ、その凹部153の中央部に位置するように配置されて固定される。
 かかる構成によれば、上述したコリメータ18によって、LED14または14bから放射される光のうち、特に、その中央部分から上方(図面の右方向)に向かって放射される光は、コリメータ18の外形を形成する2つの凸レンズ面157、154により集光されて平行光となる。また、その他の部分から周辺方向に向かって出射される光は、コリメータ18の円錐形状の外周面を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したコリメータ18によれば、LED14または14bにより発生された光のほぼすべてを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
 なお、コリメータ18の光の出射側には、偏光変換素子21が設けられている。偏光変換素子21は、偏光変換部材と称しても良い。この偏光変換素子21は、図20Bからも明らかなように、断面が平行四辺形である柱状(以下、平行四辺形柱)の透光性部材と、断面が三角形である柱状(以下、三角形柱)の透光性部材とを組み合わせ、コリメータ18からの平行光の光軸に対して直交する面に平行に、複数、アレイ状に配列して構成されている。更に、これらアレイ状に配列された隣接する透光性部材間の界面には、交互に、偏光ビームスプリッタ(以下、「PBS膜」と省略する)と反射膜とが設けられており、また、偏光変換素子21へ入射してPBS膜を透過した光が出射する出射面には、λ/2位相板が備えられている。
 <液晶パネル出射光の指向特性>
 液晶表示パネル11からの出射光は、一般的なTV用途の装置では、例えば図23(A)中の「従来特性(X方向)」および図23(B)中の「従来特性(Y方向)」のプロット曲線に示すように、画面水平方向(図23(A)のグラフのX軸に対応した表示方向)と画面垂直方向(図23(B)のグラフのY軸に対応した表示方向)とで、互いに同様な拡散特性を有する。
 これに対して、本実施例の液晶表示パネルからの出射光束の拡散特性は、例えば図23(A)中の「例1(X方向)」および図23(B)中の「例1(Y方向)」のプロット曲線に示すような拡散特性となる。
 一具体例では、正面視(角度0度)の輝度に対して50%の輝度(約半分に低下する輝度)になる視野角が13度となるように設定した場合、一般的な家庭用のTV用途の装置の拡散特性(角度62度)に対して約1/5の角度となる。同様に、垂直方向の視野角を上側と下側とで不均等に設定する場合の一例では、上側の視野角を下側の視野角に対して1/3程度に抑える(狭くする)ように、反射型導光体の反射角度や反射面の面積等を最適化する。
 上記のような視野角等の設定が行われることにより、従来の液晶TVに比べ、ユーザの観視方向に向かう映像の光量が格段に増加(映像の明るさの点で大幅に向上)し、かかる映像の輝度は50倍以上となる。
 更に、図23の「例2」に示す視野角特性とした場合、正面視(角度0度)で得られる映像の輝度に対して50%の輝度(約半分に低下する輝度)になる視野角が5度となるように設定した場合、一般的な家庭用のTV用途の装置の拡散特性(角度62度)に対して約1/12の角度(狭い視野角)となる。同様に、垂直方向の視野角を上側と下側とで均等に設定する場合の一例では、かかる垂直方向の視野角を従来に対して1/12程度に抑える(狭くする)ように、反射型導光体の反射角度と反射面の面積等を最適化する。
 このような設定が行われることにより、従来の液晶TVに比べ、観視方向(ユーザの視線方向)に向かう映像の輝度(光量)が大幅に向上し、かかる映像の輝度は100倍以上となる。
 以上述べたように、視野角を挟角とすることで、光学系に向かう光束を集中できるので、上述した映像源を用いた光学系においては映像光の利用効率が大幅に向上するだけでなく、映像源上のそれぞれの物点から発散する映像光束は狭角な発散角でかつ高密度な光エネルギーを持つ。この結果、小口径の光学系でも拡大した実像や虚像も十分な明るさが得られ、小口径な光学系で発生する収差そのものが小さくなり補正の難度を低く抑えることが可能となる。この結果、少ないレンズ枚数や凹面ミラーの枚数でも明るく高精細な拡大映像が得られ、低消費電力で高輝度な拡大像が表示できる映像表示装置とすることができる。
 大型の液晶表示パネルを映像源として使用する場合には、画面周辺の光は画面中央を観視者が正対した場合に光学系の方向に向かうように内側に向けることで、画面明るさの全面性が向上すると良い。他方、映像表示装置のパネルサイズ(画面比16:10)が3インチ以下として本実施例に挙げているポートレートの場合(液晶表示パネルの画面を縦長(以下、「縦使い」とも称する)とする場合)には水平の指向特性を大幅に狭角として高輝度化または低消費電力化を実現した映像表示装置としても良い。
 以下、光源装置の別の例について複数の例を説明する。これらの光源装置の別の例は、いずれも上述した映像表示装置の例の光源装置に変えて採用しても良い。
 更に、システムの要求仕様によっては、水平と垂直の指向特性、拡散特性を得るために、前述した光源装置13の導光体の反射面の形状、面粗さ、傾きなどを最適設計する必要がある。
 <光源装置の例1>
 次に、図18を参照して、光源装置の別の例について説明する。図18(a)および(b)は、導光体311を説明するために、液晶表示パネル11と拡散板206の一部を省略した図である。
 図18は、光源を構成するLED14が基板102に備え付けられた状態を示している。これらLED14および基板102は、リフレクタ300に対して所定の位置に取り付けられている。
 図18に示すように、LED14は、リフレクタ300が配置される側の液晶表示パネル11の辺(この例では短辺)と平行な方向に、一列に配置される。図示の例では、かかるLEDの配置と対応して、リフレクタ300が配置されている。なお、リフレクタ300は複数配置されても良い。
 一具体例では、リフレクタ300は、各々、プラスチック材料により形成されている。他の例として、リフレクタ300は、金属材料やガラス材料で形成しても良いが、プラスチック材料の方が成型しやすいため、本実施例ではプラスチック材料のものを用いる。
 図18(b)に示すように、リフレクタ300の内側(同図中の右側)の面は、放物面を子午面で切り取った形状の反射面(以下は「放物面」と称する場合がある)305を備える。リフレクタ300は、LED14から出射される発散光を、上記の反射面305(放物面)で反射させることにより、略平行な光に変換し、変換された光を導光体311の端面に入射させる。リフレクタ300の反射面にはアルミ反射膜の他に増反射膜としてTi、SiOなどの金属膜を複数成膜して反射率を高めかつ入射角度の依存性も低減する設計とした。一具体例では、導光体311は、反射型導光体である。
 リフレクタ300の反射面は、LED14の出射光の光軸に対して非対称な形状である。また、リフレクタ300の反射面321は、上述のように放物面であり、かかる放物面の焦点にLEDを配置することで、反射後の光束を略平行光に変換する。
 LED14は面光源であるため放物面の焦点に配置してもLEDからの発散光を完全な平行光に変換することはできないが、本願発明の光源の性能を左右することはない。LED14とリフレクタ300は一対のペアである。また、LED14の基板102への取り付け精度±40μmにおいて所定の性能を確保するためには、LEDの基板の取り付けは最大10個以下とすべきであり、量産性を考慮すれば5個程度に抑えると良い。
 LED14とリフレクタ300は一部において近接されるがリフレクタ300の開口側の空間へ放熱できるためLEDの温度上昇が低減できる。このため、プラスチック成型品のリフレクタ300が使用可能となる。その結果、このリフレクタ300によれば、反射面の形状精度をガラス素材のリフレクタに比べ10倍以上向上できるので、光利用効率を向上させることができる。
 一方、図18に示すように、導光体311の底面303には反射面が設けられ、LED14からの光はリフレクタ300により平行光束に変換された後、当該反射面で反射し、導光体311に対向して配置された液晶表示パネル11に向け出射する。底面303に設けられた反射面には、図18に示したように、リフレクタ300からの平行光束の進行方向において、傾きの異なる複数の面で反射されそれぞれ対応した液晶パネル部分に向かう。傾きの異なる複数の面のそれぞれの面はリフレクタ300からの平行光束の進行方向に垂直な方向に延伸する形状を有しても良い。
 また、図18に示すように底面303に設けられた反射面の形状は平面形状でも良い。更に、液晶表示パネル11に対向した導光体311の底面303に設けた反射面で反射された光の拡散特性をより高精度に調整するため拡散板206を設けても良い。
 この拡散板は両面の面形状と面粗さにより、前述の反射光を一旦屈折させて液晶表示パネル11に向かう光束の光量と出射方向を高精度に調整できるので液晶表示パネル11への入射光および液晶表示パネル11からの出射光の光量および出射方向も同様に高精度に調整できる。このため、上述した構成の映像表示装置を用いた狭角発散特性を有する映像源に対応する光学システムにおいては、虚像または実像の拡大映像の映像光の拡散方向と拡散角を所望の値に設定できる。この時反射面に設けた反射膜もアルミ反射膜にTi、SiOの増反射膜を加えることで高い反射率を有する、かつ反射率の入射角度依存性を低減する設計とすると良い。以上述べたアルミ反射膜は500nm以下の青緑波長領域の反射率が緑赤領域の反射率に対して低いので増反射膜の設計においては反射率の入射角度依存性低減と色再現性の向上のために白の純度向上も重要な課題となる。
 図18に示すようにLED14は、金属性の基板102に半田付けする。このためLEDの発熱を、基板を介して空気中に放熱することができる。また、基板102にリフレクタ300が接していても良いが、空間を開けておいても良い。空間を開ける場合、リフレクタ300は筐体に接着させて配置される。空間を開けておくことで、LEDの発熱を空気中に放熱でき、冷却効果が上がる。この結果、LEDの動作温度が低減できるので、発光効率の維持と長寿命化を実現することができる。
 以上説明した光源装置においても偏光変換素子21を用いることで光利用効率を1.8倍向上することができる。以下にこの光源装置に関する光学系の構成について、図19A、図19B、図19Cおよび図19Dを参照しながら詳細に説明する。
 図19A、図19Bおよび図19Cは、光源を構成するLED14が基板102に備え付けられた状態を示しており、これらはリフレクタ300とLED14を一対のブロックとし、複数のブロックを有するユニット312で構成する。
 このうち、図19A(2)に示した基材320は、基板102の基材である。一般に、金属性の基板102は熱を持っているため、かかる基板102の熱を絶縁(断熱)するために、基材320は、プラスチック材料などを用いても良く、放熱性を高めるため金属部材としても良い。
 また、リフレクタ300の反射面321は、LED14の出射光の光軸に対して非対称な形状でも良い。この理由を、図19A(2)により説明する。本実施例では、リフレクタ300の反射面は放物面であり、放物面の焦点位置に面光源であるLEDの発光面の中心を配置する。
 また、放物面の特性上、発光面の4隅からの発光も略平行光束となり、出射方向が異なるだけである。そのため、発光部が面積を持っていても、後段に配置された偏光変換素子とリフレクタ300の間隔が短ければ、偏光変換素子21へ入射する光量と変換効率は、ほとんど影響を受けない。
 また、LED14の取り付け位置が、対応するリフレクタ300の焦点に対してXY平面内でずれても上述した理由により光変換効率の低下を軽減できる光学系が実現できる。更に、LED14の取り付け位置がZ軸方向にばらついた場合であっても、変換された平行光束がZX平面内で移動するだけであり、面光源であるLEDの取り付け精度を大幅に軽減できる。本実施例においても放物面の一部を子午的に切り欠いた反射面を有するリフレクタ300について記載したが、放物面全面を反射面として切り欠いた一部分にLEDを配置してもよい。
 一方、本実施例では、図19B(1)、図19Cに示したように、LED14からの発散光を放物面321で反射させ略平行な光に変換した後、後段の偏光変換素子21の端面に入射させ、偏光変換素子21により特定の偏波に揃えることを特徴的な構成としている。この特徴的な構成により、本実施例では、光の利用効率が前述した図18の例に対して1.8倍となり、高効率な光源が実現できる。
 なお、この時、LED14からの発散光を放物面321で反射させた略平行な光は、すべて均一というわけではない。よって、複数の傾きを持った反射面307により反射光の角度分布を調整することで、液晶表示パネル11に向けて、液晶表示パネル11に対して垂直方向に入射可能としている。
 ここで、本図の例では、LEDからリフレクタに入る光(主光線)の向きと液晶表示パネルに入る光の向きが略平行になるように配置している。この配置は、設計上配置がしやすく、また、熱源を光源装置の下に配置する方が、空気が上に抜けるので、LEDの温度上昇を低減できるので好適である。
 また、図19B(1)に示したように、LED14からの発散光の捕捉率を向上させるために、リフレクタ300で捕捉できない光束を、リフレクタ上部に配置した遮光板309に設けたサブリフレクタ308で反射させ、下部のサブリフレクタ310の斜面で反射させ、後段の偏光変換素子21の有効領域に入射させ、光の利用効率を更に向上させる。即ち、本実施例では、リフレクタ300で反射した光の一部をサブリフレクタ308で反射し、サブリフレクタ308で反射された光をサブリフレクタ310で導光体306に向かう方向に反射させる。
 偏光変換素子21により特定の偏波に揃えた略平行光束を、反射型導光体306の表面に設けた反射形状によって導光体306に対向して配置された液晶表示パネル11に向けて反射させる。この時、液晶表示パネル11に入射する光束の光量分布は、前述したリフレクタ300の形状と配置および反射型導光体の反射面形状(断面形状)と反射面の傾き、面粗さによって最適設計される。
 導光体306の表面に設けた反射面形状としては、偏光変換素子の出射面に対向して複数の反射面を配置し、偏光変換素子21からの距離に応じて、反射面の傾き、面積、高さ、ピッチを最適化することで、前述したように、液晶表示パネル11に入射する光束の光量分布を所望の値とする。
 反射型導光体306に設けた反射面307は、図19B(2)に示すように、1面に複数の傾きを持つような構成とすることで、より高精度に反射光の調整を実現できる。図19B(2)に示すようにリフレクタ300からの平行光束φ5(R7~R10)はその進行方向において、傾きの異なる複数の面(P7~P10)で反射されそれぞれ対応した液晶パネル部分に向かう。
 なお、反射面において、1面に複数の傾きを持つような構成としては、反射面として使用する領域が、複数面または多面または曲面でも良い。更に拡散板206の拡散作用により、より均一な光量分布を実現する。LEDに近い側の拡散板に入射する光は、反射面の傾きを変化させることで、均一な光量分布を実現する。この結果、液晶表示パネル11に向かう光束の光量と出射方向を高精度に調整できる。この結果、液晶表示パネル11への入射光および液晶表示パネル11からの出射光の光量および出射方向も同様に高精度に調整できるため、この映像表示装置を用いた狭角発散特性を有する映像源に対応する光学システムにおいては、虚像または実像の拡大映像の映像光の拡散方向と拡散角を所望の値に設定できる。
 本実施例では、反射面307の基材は、耐熱性ポリカーボネイトなどのプラスチック材料を用いる。また、λ/2板213の出射直後の反射面307の角度は、λ/2板と反射面の距離によって変化する。
 本実施例においても、LED14とリフレクタ300は、一部において近接されるが、リフレクタ300の開口側の空間へ放熱できLEDの温度上昇を低減できる。また、基板102とリフレクタ300を図19A、図19B、図19Cと上下逆に配置しても良い。
 ただし、基板102を上に配置すると基板102が液晶表示パネル11と近くなるので、レイアウトが困難になる場合がある。よって、図示した通り、基板102をリフレクタ300の下側(液晶表示パネル11から遠い側)に配置する方が、装置内の構成がより簡素になる。
 偏光変換素子21の光入射面には、後段の光学系に不要な光が入射しないように、遮光板410を設けると良い。このような構成とすることで、温度上昇を抑えた光源装置が実現できる。液晶表示パネル11の光入射面に設けた偏光板では、本願発明の偏光が揃った光束では吸収により温度上昇が低減されるが、反射型導光体で反射した際に偏光方向が回転し一部の光は入射側偏光板で吸収される。更に、液晶そのものでの吸収や電極パターンに入射した光による温度上昇で液晶表示パネル11の温度も上昇するが、反射型導光体306の反射面と液晶表示パネル11の間に十分な空間があり自然冷却が可能となる。
 図19Dは、図19B(1)および図19Cの光源装置の変形例である。図19D(1)は、図19B(1)の光源装置の一部を抜粋してその変形例を図示している。その他の構成については、図19B(1)で上述した光源装置と同じ構成であるため、図示および繰り返しの説明を省略する。
 まず、図19D(1)に示す例では、サブリフレクタ310の凹部319の高さは、蛍光体114から横向き(X軸方向)に出力される蛍光の主光線(図19D(1)中、X軸と平行な方向に伸びる直線を参照)が、サブリフレクタ310の凹部319から抜けるように、蛍光体114よりも低い位置となるように調整されている。更に、蛍光体114から横向きに出力される蛍光の主光線が遮光板410により遮られずに偏光変換素子21の有効領域に入射するように、蛍光体114の位置に対して、Z軸方向において遮光板410の高さが低くなるように調整されている。
 また、サブリフレクタ310の頂部の凹凸の凸部が有する反射面は、サブリフレクタ308で反射した光を導光体306に導くために、サブリフレクタ308で反射した光を反射する。よって、サブリフレクタ310の凸部318の高さは、サブリフレクタ308で反射した光を反射させ後段の偏光変換素子21の有効領域に入射するように調整されることで、光の利用効率を更に向上させることができる。
 なお、サブリフレクタ310は図19A(2)に示すように一方方向に延伸して配置され、凹凸形状となっている。更に、サブリフレクタ310の頂部には、1つ以上の凹部319と凸部318を有する凹凸が周期的に一方向に沿って並んでいる。このような凹凸形状とすることにより、蛍光体114から横向きに出力される蛍光の主光線が偏光変換素子21の有効領域に入射するように構成できる。
 また、サブリフレクタ310の凹凸形状は、LED14がある位置に凹部319がくるピッチで周期的に配置されている。即ち、蛍光体114のそれぞれは、サブリフレクタ310の凹凸の凹部の配置のピッチに対応して一方向に沿って周期的に配置される。なお、蛍光体114がLED14に備えられている場合は、蛍光体114を光源の発光部と表現しても良い。
 また、図19D(2)は、図19Cの光源装置の一部を抜粋してその変形例を図示している。その他の構成については、図19Cの光源装置と同じ構成であるため、図示および繰り返しの説明を省略する。図19D(2)に示すように、サブリフレクタ310はなくても良いが、図19D(1)と同様に、蛍光体114から横向きに出力される蛍光の主光線が遮光体410により遮られずに偏光変換素子21の有効領域に入射するように、蛍光体114の位置に対して、Z軸方向において遮光板410の高さが低くなるように調整されている。
 なお、図19A、図19B、図19C、図19Dの光源装置について、図19A(1)に示したように、反射型導光体306の反射面と液晶表示パネル11の間の空間へのごみ入り込み防止、光源装置外部への迷光発生防止、および光源装置外部からの迷光侵入防止のために、側壁400を設けても良い。側壁400を設ける場合は、導光体306と拡散板206との空間を挟むように配置される。
 当該偏光変換素子21によって偏光変換された光を出射する偏光変換素子21の光出射面は、側壁400と導光体306と拡散板206と偏光変換素子21とで囲まれた空間に面する。また、側壁400の内側の面のうち、偏光変換素子21の出射面から光が出力される空間(図19B(1)の偏光変換素子21の出射面から右側の空間)を側面から覆う部分の面は、反射膜などを有する反射面を用いる。即ち、上記空間に面する側壁400の面は、反射膜を有する反射領域を備える。側壁400の内側の面のうち当該部分を反射面とすることで、当該反射面で反射した光を光源光として再利用でき、光源装置の輝度を向上することができる。
 側壁400の内側の面のうち、偏光変換素子21を側面から覆う部分の面は、光反射率の低い面(反射膜のない黒色面など)とする。これは、偏光変換素子21の側面で反射光が生じると、想定外の偏光状態の光が生じ、迷光の原因となるためである。言い換えると、上記の面を光反射率の低い面とすることにより、映像の迷光および想定外の偏光状態の光の発生を防止ないし抑制することができる。また、側壁400の一部に空気が通る穴をあけておくことで冷却効果を向上させるように構成しても良い。
 なお、図19A、図19B、図19C、図19Dの光源装置は、偏光変換素子21を用いる構成を前提として説明した。しかしながら、これらの光源装置から偏光変換素子21を省略して構成しても良い。この場合、より安価に光源装置を提供することができる。
 <光源装置の別の例2>
 続いて、光源装置の例1に示した光源装置を基に反射型導光体304を用いた光源装置に関する光学系の構成について、図20A(1)、(2)、(3)、および図20Bを参照しながら詳細に説明する。
 図20Aは、光源を構成するLED14が基板102に備え付けられた状態を示しており、これらはコリメータ18とLED14が一対のブロックとし、複数のブロックを有するユニット328で構成する。本実施例のコリメータ18は、LED14と近接しているため、耐熱性を考慮してガラス材料を採用している。また、偏光変換素子21へ入射する前段に遮光板317を設けることにより、不要な光が後段の光学系に入射するのを防止ないし抑制し、当該不要な光による温度の上昇を軽減している。
 図20Aに示す光源のその他の構成および効果については、図19A、図19B、図19C、図19Dと同様であるため、繰り返しの説明を省略する。図19Aの光源装置は、図19A、図19B、図19Cで説明したのと同様に、側壁を設けても良い。側壁の構成および効果については、既に説明した通りであることから、繰り返しの説明を省略する。
 図20Bは、図20A(2)の断面図である。図20Bに示す光源の構成については、<映像表示装置の例1の光源装置の例1>にてすでに上述しているため繰り返しの説明を省略する。
 <拡散板の構造>
 図21は、拡散板206の形状の一例を示す断面図である。上述のように、LEDから出力された発散光は、リフレクタ300またはコリメータ18で略平行光に変換され、偏光変換素子21で特定偏波に変換された後に、導光体で反射させられる。そして、導光体で反射した光束は、拡散板206の入射面の平面部分を通過して、液晶表示パネル11に入射する(図21中の「導光体からの反射光」を示す2本の実線矢印を参照)。
 また、偏光変換素子21から出射した光のうち、発散光束は、拡散板206の入射面に設けた傾斜面を有する突起部の斜面で全反射して、液晶表示パネル11に入射する。偏光変換素子21から出射した光を拡散板206の突起部の斜面で全反射させるために、突起部の斜面の角度を、偏光変換素子21からの距離に基づいて変化させる。偏光変換素子21から遠い側またはLEDから遠い側の突起部の斜面の角度をαとし、偏光変換素子21から近い側またはLEDから近い側の突起部の斜面の角度をα’とする場合、αはα’より小さい(α<α’)。このような設定とすることにより、偏光変換された光束を有効利用することが可能となる。
 <映像表示装置の拡散特性調整技術>
 液晶表示パネル11からの映像光の拡散分布を調整する方法として、光源装置13と液晶表示パネル11との間、あるいは、液晶表示パネル11の表面に、レンチキュラーレンズを設け、当該レンズの形状を最適化することが挙げられる。即ち、レンチキュラーレンズ形状の最適化を行うことによって、液晶表示パネル11から一方向に出射される映像光(以下、「映像光束」とも称する)の出射特性を調整することができる。
 代替的または追加的に、液晶表示パネル11の表面(または光源装置13と液晶表示パネル11との間)に、マイクロレンズアレイをマトリックス状に配置し、当該配置の態様を調整しても良い。即ち、マイクロレンズアレイの配置を調整することによって、映像表示装置から出射される映像光束についての、X軸およびY軸方向への出射特性を調整することができ、この結果、所望の拡散特性を有する映像表示装置を得ることができる。
 更なる構成例として、映像表示装置から出射される映像光が通過する位置に、2枚のレンチキュラーレンズを組み合わせて配置する、または、マイクロレンズアレイをマトリックス状に配置して拡散特性を調整するシートを設けても良い。このような光学系の構成とすることにより、X軸およびY軸方向において、映像光の輝度(相対輝度)を、映像光の反射角度(垂直方向に反射した場合を基準(0度)とした反射角度)に応じて調整することができる。
 本実施例では、このようなレンチキュラーレンズを使用することにより、図22(b)中に「例1(Y方向)」および「例2(Y方向)」のグラフ(プロット曲線)に示すように、従来特性のグラフ(プロット曲線)とは明らかに異なった、優れた光学的特性を獲得することができる。具体的には、例1(Y方向)および例2(Y方向)のプロット曲線では、垂直方向の輝度特性を急峻にし、更に、上下方向(Y軸の正負方向)の指向特性のバランスを変化させることで、反射や拡散による光の輝度(相対輝度)を高めることができる。
 このため、本実施例によれば、面発光レーザ映像源からの映像光のように、拡散角度が狭く(高い直進性)かつ特定の偏波成分のみの映像光とし、従来技術による映像表示装置を用いた場合に比べ小口径の投写レンズや凹面ミラーでも十分に明るく高解像度な拡大像を得ることができる。
 また、上述した光源装置により、図23(A)、(B)に示した一般的な液晶表示パネルからの出射光拡散特性(図中では「従来特性」と表記)に対して、X軸方向およびY軸方向ともに大幅に挟角な指向特性を持たせることができる。本実施例では、このような狭角な指向特性を持たせることで、特定方向に向けて平行に近い映像光束を出射する、特定偏波の光を出射する映像表示装置を実現することができる。
 図22には、本実施例で採用するレンチキュラーレンズの特性の一例を示している。この例では、特に、Z軸を基準としたX方向(垂直方向)における特性を示しており、特性Oは、光の出射方向のピークが垂直方向(0度)から上方に30度付近の角度であり上下に対称な輝度特性を示している。また、図22のグラフに示す特性Aや特性Bのプロット曲線は、更に、30度付近においてピーク輝度の上方の映像光を集光して輝度(相対輝度)を高めた特性の例を示している。このため、これらの特性Aや特性Bでは、特性Oのプロット曲線と比較して分かるように、Z軸からX方向への傾き(角度θ)が30度を超えた角度(θ>30°)の領域において、急激に光の輝度(相対輝度)が低減する。
 即ち、上述したレンチキュラーレンズ等を含んだ光学系によれば、光源装置13で挟角に揃えられた映像光の出射角度や視野角を調整でき、投射レンズおよび/または凹面ミラーの設置の自由度を大幅に向上できる。その結果、狭角発散特性を有する映像源に対応する光学システムのセット容積を小型化することができる。また、拡散角度が狭く(高い直進性)かつ特定の偏波成分のみの光として効率良く室外または室内の観視者の眼に届くようにすることが可能となる。このことによれば、映像表示装置からの映像光の強度(輝度)が低減しても、観視者は映像光を正確に認識して情報を得ることができる。換言すれば、映像表示装置の出力を小さくすることにより、消費電力の低い表示システムを実現することが可能となる。
 <Combiner-HUDの実施例>
 上述した光学系を用いた拡大虚像が得られる光学システムの具体的な応用例として、コンバイナーHUDの実施例がある。コンバイナーHUDの実施例について図31A、図31Bを用いて説明する。本願発明の実施例としてのコンバイナーHUDは上述した光学系を備えた構成であり、映像表示装置は、狭角な発散角を持つ光源装置と液晶パネルにより構成されている。液晶パネルには映像信号により光の強度を変調した画像を表示し、LIレンズにより収差補正とコンバイナーへの入射位置を調整することで高輝度・高解像度な拡大虚像が得られる。
 本実施例では、液晶パネルの対角寸法が1.8インチ、拡大虚像は7.9インチと拡大倍率4.4倍で設計したレンズを用いている。水平方向の画角は100度、対角方向の画角は106度と広角であり、同時に図15に示すようにコンバイナーの垂直方向の中心と映像表示装置の垂直方向の中心を結んだ線分の仰角を略45度としているためコンバイナー下端部から映像表示装置の上端部を結んだ光学システムの奥行きDは100mm以下に抑えることができる。このため、コンパクトなコンバイナーHUDが実現できた。
 この結果、図31Aに示すように自動車のダッシュボード42上に配置してもウインドシールド44と干渉することが無い。更に、インスツルメントパネル46後方に配置してもコンバイナーの位置が高いためドライバーがコンバイナー越しに拡大虚像を見てものステアリング43に遮られることが無い。またコンバイナーと本体はヒンジ53で結合されており未使用時には折りたたんで更にコンパクトに纏めることができる。更に、コンバイナーは支持部材に対してヒンジ(図示せず)で固定してもまた、スライド構造としても更にコンパクトに纏めることができる。
 また上述したように狭発散角で高効率な光源装置を備えるためモバイルバッテリーでの駆動が可能であり、携帯して必要な時にダッシュボード42上に配置し、前述のヒンジを調整することでコンバイナーの向きと高さをドライバーの最適観視位置に調整することができる。
 入射角θ1でウインドシールド44に入射する太陽光60のうち、S偏波はウインドシールド44で反射されるため、車内に入射する太陽光60のほとんどがP偏光である。光学系を構成する光学部品の信頼性を向上するためにコンバイナーの反射特性をP偏波で50%以下とすれば液晶パネルに設けた偏光板の信頼性を大幅に向上できる。また上述した偏光解消素子を液晶パネル出射面に貼合することで映像光をP偏波とS偏波の混成光とすることができる。これに対応すべくコンバイナーの表面に製膜する反射膜の特性をP偏波、S偏波ともに30%から50%の範囲とすることでドライバーが偏光サングラスを使用しても十分な明るさの拡大虚像を得ることができる。
 <車両用情報表示システムの第一の情報表示装置>
 図31Bは本発明の車両用情報表示装置の第一の情報表示装置の周辺機器構成を示す概略構成図である。ここでは、その一例として、コンバイナーを介して拡大虚像を得るコンバイナーHUD装置について説明する。本発明の一実施例であるコンバイナーHUD装置は、運転者の視線(アイポイント)において自車両の前方に(コンバイナー前方)に拡大虚像を形成するため、被投影部材、つまり本実施例では、コンバイナーの内面にて反射された各種情報を拡大虚像(Virtual Image)として表示する装置(いわゆる、HUD(Head up Display)である。かかるHUD装置を構成する図31Bに示す制御装置40は、ナビゲーションシステム50から、自車両が走行している現在位置に対応する道路の制限速度や車線数、ナビゲーションシステム50に設定された自車両の移動予定経路などの各種の情報を、前景情報(即ち、上記虚像により自車両の前方に表示する情報)として取得する。
 また、図示の運転支援ECU51は、周辺観視装置52での観視の結果として検出された障害物に従って駆動系や制御系を制御することで、運転支援制御を実現するための制御装置である。かかる運転支援制御としては、例えば、クルーズコントロール、アダプティブクルーズコントロール、プリクラッシュセーフティ、レーンキーピングアシストなどの周知技術を含む。
 図示の周辺観視装置52は、自車両の周辺の状況を観視する装置であり、一例としては、自車両の周辺を撮影した画像に基づいて自車両の周辺に存在する物体を検出するカメラや、探査波を送受信した結果に基づいて自車両の周辺に存在する物体を検出する探査装置などである。
 上述したHUD装置の制御装置40は、このような運転支援ECU51からの情報、例えば先行車両までの距離および先行車両の方位、障害物や標識が存在する位置などを前景情報として取得する。更に、この制御装置40には、イグニッション(IG)信号、および、自車状態情報が入力される。これらの情報のうち、自車状態情報とは車両情報として取得される情報であり、解像度の高い表示を必要としない、例えば内燃機関の燃料の残量や冷却水の温度など、予め規定された異常状態となったことを表す警告情報を含んでいる。また、方向指示器の操作結果や、自車両の走行速度、更には、シフトポジション情報なども含まれている。以上述べた制御装置40は、イグニッション信号が入力されると起動する。以上が、本実施例の情報表示装置全体システムの説明である。
 なお、コンバイナーは、情報が投影される部材であれば良く、本実施例のコンバイナーHUDの光出射方向を前述したフロントガラスに向け反射させることでより大きな拡大虚像を得ることができる。この時、ドライバーの監視位置(Eye box)に向けるために前述したようにコンバイナーに設けたスライド機構やヒンジを用いて調整すると良い。
 以上、本発明を適用した種々の実施の形態ないし実施例(即ち具体例)について詳述した。一方で、本発明は、上述した実施形態(具体例)のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
 上記で説明した光源装置は、狭角発散特性を有する映像源に対応する光学システムおよび上記光学システムを備えた虚像方式映像表示装置に限られず、HUD、タブレット、デジタルサイネージ等のような表示装置に適用することも可能である。
 本実施の形態に係る技術では、上述したように車載用として安全運転支援が可能な映像表示装置を提供できる。更に映像表示装置は大型の液晶パネルを備えることで非エネルギー効率が高い高輝度な虚像映像表示装置が実現でき、非表示状態では透明な液晶パネルとなる。このような技術を提供する本発明によれば、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。
 また、上述した実施の形態に係る技術では、出射する映像光の発散角を小さくし、更に特定の偏波に揃えることで、拡散角度が狭く(高い直進性)かつ特定の偏波成分のみの光として効率良く室外または室内の観視者の眼に届くようにすることが可能であるため、光の利用効率が高く、明るく鮮明な虚像または実像の拡大映像を得ることが可能になる。本実施の形態に係る技術によれば、消費電力を大幅に低減することが可能な、利用性に優れた狭角発散特性を有する映像源に対応する光学システムを提供することができる。このような技術を提供する本発明によれば、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献する。
1…映像表示装置、13…光源装置、14…LED、18…コリメータ、250…光制御シート、251…回路基板、249…FPC、102…基板、11…液晶表示パネル、206…拡散板、21…偏光変換素子、114…蛍光体、300…リフレクタ、213…λ/2板、306…反射型導光体、308、310…サブリフレクタ、312…ユニット、321…反射面

Claims (31)

  1.  光学システムであって、
     映像を表示する表示パネルと、
     前記表示パネルに光を供給する光源装置と、
     前記表示パネルからの映像光の発散角度を前記光源装置により調整し、前記映像光の発散角を考慮して設計した光学系と、を備え、
     前記表示パネルの映像表示面に表示された映像からの映像光を取り込み、前記光学系により拡大投写像を形成する、光学システム。
  2.  請求項1に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は凹面ミラーを含み、前記表示パネルに表示された映像の映像光の前記光学系への取り込み量は、前記光源装置の光拡散特性により得られる前記表示パネルからの映像光発散角により決定される、光学システム。
  3.  請求項1に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズを含み、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を実像として拡大する、光学システム。
  4.  請求項1に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は凹面ミラーと、前記表示パネルからの映像光が前記光学系に取り込まれる角度を調整する光学素子と、を含み、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を虚像として拡大する、光学システム。
  5.  請求項1に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズと、前記表示パネルからの映像光が前記光学系に取り込まれる角度を調整する光学素子と、を含み、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を実像として拡大する、光学システム。
  6.  請求項1に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系と前記表示パネルの間に配置され、前記表示パネルの映像表示面に映像光の拡散特性を制御する映像光制御シートを備え、
     前記映像光制御シートは、前記表示パネルの視野角制御フィルムである、光学システム。
  7.  請求項6に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系により得られる拡大像から拡散される映像光束の拡散角と拡散方向は、前記映像光制御シートと前記光源装置の拡散特性により調整される、光学システム。
  8.  請求項1に記載の光学システムにおいて、
     前記光源装置は、
     点状または面状の光源と、
     前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
     前記リフレクタからの光を前記表示パネルに向けて導光する導光体と、を備え、
     前記リフレクタの反射面は、前記光源の出射光の光軸に対して非対称な形状である、光学システム。
  9.  請求項8に記載の光学システムにおいて、
     前記導光体は、反射型導光体である、光学システム。
  10.  請求項8に記載の光学システムにおいて、
     前記リフレクタは、プラスチック材料またはガラス材料または金属材料を用いる、光学システム。
  11.  光学システムであって、
     映像を表示する表示パネルと、
     前記表示パネルに光を供給する光源装置と、
     光学系と、を備え、
     前記表示パネルからの映像光の発散角度を前記光源装置により調整し、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像からの映像光を取り込み、前記光学系により拡大投写像を形成し、
     前記拡大投写像の画面中心で取り込む映像光束は前記光学系の構造物で遮られることが無い、光学システム。
  12.  請求項11に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は凹面ミラーを含み、
     前記映像表示面に表示された映像の映像光の前記光学系への取り込み量は前記光源装置の光拡散特性により得られる前記表示パネルからの映像光発散角により決定される、光学システム。
  13.  請求項11に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズを含み、
     前記映像表示面に表示された映像の映像光の前記光学系への取り込み量は前記光源装置の光拡散特性により得られる前記表示パネルからの映像光発散角で決定される、光学システム。
  14.  請求項11に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は凹面ミラーと前記表示パネルからの映像光が前記光学系に取り込まれる角度を調整する光学素子を含み、
     前記映像表示面に表示された映像の映像光の前記光学系への取り込み量は前記光源装置の光拡散特性により得られる前記表示パネルからの映像光発散角で決定される、光学システム。
  15.  請求項11に記載の光学システムにおいて、
     前記光学系は画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズと前記表示パネルからの映像光が前記光学系に取り込まれる角度を調整する光学素子を含み、
     前記表示パネルの映像表示面に表示された映像の映像光の前記光学系への取り込み量は前記光源装置により決定される前記表示パネルからの映像光発散角で決定される、光学システム。
  16.  虚像方式映像表示装置であって、
     前記虚像方式映像表示装置は光学システムを備え、
     前記光学システムは、
     映像を表示する表示パネルと、
     前記表示パネルに光を供給する光源装置と、
     前記表示パネルからの映像光を取り込む光学系と、
     前記光学系に取り込む映像光を調整する光学素子と、を備え、
     前記光学素子は、前記光学系に対向する前記表示パネルの映像表示面側に配置され、前記光学素子から出射され前記光学系へ入射する映像光の入射位置と入射角度を調整し、
     前記光学システムは、前記表示パネルの映像表示面からの映像光を取り込む前記光学系により拡大投写像を形成する、虚像方式映像表示装置。
  17.  請求項16に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系は凹面ミラーを含み、前記表示パネルの映像表示面からの映像光の前記光学系への取り込み量は前記光源装置の光拡散特性により決定される、虚像方式映像表示装置。
  18.  請求項16に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系は凹面ミラーを含み、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を虚像として拡大させ、
     前記映像表示面からの映像光の前記光学系への取り込み量は、前記光源装置の光拡散特性により得られる前記表示パネルからの映像光発散角で決定される、虚像方式映像表示装置。
  19.  請求項16に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系と前記表示パネルの間に配置され、前記表示パネルの映像表示面に映像光の拡散特性を制御する映像光制御シートを備え、
     前記映像光制御シートは、前記表示パネルの視野角制御フィルムである、虚像方式映像表示装置。
  20.  請求項19に記載の虚像方式映像表示装置であって、
     前記光学系により得られる拡大像から拡散される映像光束の拡散角と拡散方向は、前記映像光制御シートと前記光源装置の拡散特性により調整される、虚像方式映像表示装置。
  21.  請求項16に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光源装置は、
     点状または面状の光源と、
     前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
     前記リフレクタからの光を前記表示パネルに向けて導光する導光体と、を備え、
     前記リフレクタの反射面は、前記光源の出射光の光軸に対して非対称な形状である、虚像方式映像表示装置。
  22.  請求項21に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記導光体は、反射型導光体である、虚像方式映像表示装置。
  23.  請求項21に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記リフレクタは、プラスチック材料またはガラス材料または金属材料を用いる、虚像方式映像表示装置。
  24.  虚像方式映像表示装置であって、
     前記虚像方式映像表示装置は光学システムを備え、
     前記光学システムは、
     映像を表示する表示パネルと、
     前記表示パネルに光を供給する光源装置と、
     前記表示パネルからの映像光を取り込む光学系と、
     前記光学系に取り込む映像光を調整する光学素子と、を備え、
     前記表示パネルからの映像光の発散角度を前記光源装置により調整し、
     前記光学システムは、前記表示パネルの映像表示面からの映像光を取り込む前記光学系により拡大投写像を形成し、
     前記拡大投写像の画面中心で取り込む映像光束は前記光学系の構造物で遮られることが無い、虚像方式映像表示装置。
  25.  請求項24に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系は凹面ミラーを含み、前記表示パネルに対して仰角を持って配置される斜投写光学系であり、
     前記斜投写光学系は、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を虚像として拡大する光学系であり、
     前記光学素子は、前記光学素子から出射され前記光学系へ入射する映像光の入射位置と入射角度を調整する、虚像方式映像表示装置。
  26.  請求項24に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系は凹面ミラーを含み、前記凹面ミラーにP偏波またはS偏波において可視波長領域で反射率が20%以上である反射膜を成膜した、虚像方式映像表示装置。
  27.  請求項26に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記表示パネルの映像出射側面に特定偏波の映像光の偏光方向を混合する光学シートを貼合した、虚像方式映像表示装置。
  28.  請求項24に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系は凹面ミラーと前記表示パネルからの映像光が前記光学系に取り込まれる角度を調整する光学素子を含み、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を虚像として拡大する光学系であり、
     前記表示パネルの映像表示面から前記光学系への映像光の取り込み量は、前記光源装置の光拡散特性により得られる前記表示パネルからの映像光発散角で決定される、虚像方式映像表示装置。
  29.  請求項24に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記光学系は画面中央の明るさを決める正の屈折力を有する凸レンズと、前記表示パネルからの映像光が前記光学系に取り込まれる角度を調整する光学素子を含み、前記表示パネルの映像表示面に表示された映像を実像として拡大する光学系であり、
     前記表示パネルの映像表示面からの映像光の前記光学系への取り込み量は、前記光源装置により決定される前記表示パネルからの映像光発散角で決定される、虚像方式映像表示装置。
  30.  虚像方式映像表示装置であって、
     前記虚像方式映像表示装置は、光学システムを備え、
     前記光学システムは、
     映像を表示する表示パネルと、
     前記表示パネルに光を供給する光源装置と、
     前記表示パネルからの映像光を取り込む光学系と、
     前記表示パネルの光出射面に配置された光学素子と、を備え、
     前記表示パネルから発する映像光の発散特性は前記表示パネルの画面長手方向と画面短手方向とで異なる特性を有し、
     前記光学素子は、前記表示パネルから前記光学系に向けて出射する映像光の方向を調整する作用を有し、前記光学素子から前記光学系へ出射した映像光の入射位置と入射角度を調整する、虚像方式映像表示装置。
  31.  請求項30に記載の虚像方式映像表示装置において、
     前記表示パネルからの映像光の発散特性は、前記光源装置から前記表示パネルに入射する光束の発散特性で調整され、前記表示パネルの画面長手方向と画面短手方向とで異なる特性を有し、
     前記表示パネルからの映像光の拡散角は画面長手方向に比べ画面短手方向の方が小さい、虚像方式映像表示装置。
PCT/JP2023/035768 2022-10-12 2023-09-29 光学システムおよび虚像方式映像表示装置 WO2024080170A1 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022-163945 2022-10-12
JP2022163947 2022-10-12
JP2022163945 2022-10-12
JP2022-163947 2022-10-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2024080170A1 true WO2024080170A1 (ja) 2024-04-18

Family

ID=90669050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2023/035768 WO2024080170A1 (ja) 2022-10-12 2023-09-29 光学システムおよび虚像方式映像表示装置

Country Status (1)

Country Link
WO (1) WO2024080170A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010117714A (ja) * 2008-10-15 2010-05-27 Nitto Denko Corp 光学素子、指向性拡散フィルムおよび光学素子の製造方法
JP2012047893A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Toshiba Corp 表示装置及び表示方法
JP2017111432A (ja) * 2015-12-10 2017-06-22 日東電工株式会社 円偏光板およびそれを用いたフレキシブルな画像表示装置
WO2019163171A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 ヘッドアップディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体
JP2020034856A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 マクセル株式会社 ヘッドアップディスプレイ
WO2021079741A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 マクセル株式会社 光源装置、それを利用した情報表示システムおよびヘッドアップディスプレイ装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010117714A (ja) * 2008-10-15 2010-05-27 Nitto Denko Corp 光学素子、指向性拡散フィルムおよび光学素子の製造方法
JP2012047893A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Toshiba Corp 表示装置及び表示方法
JP2017111432A (ja) * 2015-12-10 2017-06-22 日東電工株式会社 円偏光板およびそれを用いたフレキシブルな画像表示装置
WO2019163171A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 ヘッドアップディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体
JP2020034856A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 マクセル株式会社 ヘッドアップディスプレイ
WO2021079741A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 マクセル株式会社 光源装置、それを利用した情報表示システムおよびヘッドアップディスプレイ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112946898B (zh) 汽车
EP3447561B1 (en) Head-up display device
JP6579212B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
CN110383833B (zh) 图像显示装置
JP5358451B2 (ja) 面状照明装置及び画像表示装置
US10859754B2 (en) LED light source device and electronic device using the same
US11397321B2 (en) Head-up display device and image projection unit
KR20140008425A (ko) 헤드업 디스플레이 장치
EP2490070B1 (en) Illuminating optical system and projector device
JP2018036360A (ja) 情報表示装置
JP6738543B2 (ja) 表示装置及びヘッドアップディスプレイ
JP4967247B2 (ja) 画像表示装置及びそれに用いるスクリーン
TWI778407B (zh) 頭戴式顯示裝置
WO2017188008A1 (ja) 表示装置
WO2024080170A1 (ja) 光学システムおよび虚像方式映像表示装置
JP2011175293A (ja) 画像表示装置、及び、それに用いるフレネルレンズシート並びにスクリーン
WO2024024275A1 (ja) 携帯可能な空間浮遊映像表示システム
WO2017145558A1 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
WO2022138036A1 (ja) 空間浮遊映像表示装置および光源装置
JP7021939B2 (ja) 情報表示装置
WO2022249800A1 (ja) 空間浮遊映像表示装置および光源装置
US20050180005A1 (en) Screen and projection system including the same
CN118011537A (en) Optical module for controlling divergence angle of illumination light source
CN118011685A (en) Light source device for information display device
CN118011643A (en) Image display device with virtual image mode