JP2007052041A - マルチプル視野型の表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を安定させると共に、従来よりも広い視野角を有するマルチプル視野型の表示装置を提供する。
【解決手段】 マルチプル視野型の表示装置は、所定パターンの遮光層である視差バリア7が形成されている対向基板22と、視差バリア7に対向するように配置されているTFTアレイ基板23と、対向基板22とTFTアレイ基板23との間に液晶層12とを備えている。対向基板22におけるTFTアレイ基板23との対向面側に、視差バリア7を覆うように透明膜26が設けられていると共に、TFTアレイ基板23における対向基板22との対向面側にカラーフィルター9が設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の表示方向に対してそれぞれ異なる画像を表示可能なマルチプル視野型の表示装置に関するものである。
これまで長年にわたり、従来の表示装置は、複数のユーザ(観察者)によって同時に同じ画像が観察されるように設計されてきた。すなわち、表示装置の表示特性は、観察者が表示装置に対して異なる角度から同程度に良好な画質の同じ画像を見ることができるように設計されてきた。しかしながら、個々のユーザが異なる情報を同じ表示装置から見ることができることが望ましい用途も多い。
例えば、自動車において、運転者は衛星ナビゲーションデータを見ることを望み、助手席に座る同乗者は映画を見ることを望む場合がある。この場合、2つの表示装置を設置することにより解決することが可能であるが、運転手は衛星ナビゲーションデータだけでなく、同乗者が見る表示装置に表示される映画を見てしまう可能性がある。これにより、運転者の意識が注意散漫になるおそれがある。また、車内に2つの表示装置を設けることは、余分なスペースを必要とすると共に、コストを増大させることになる。
他の例として、複数のプレーヤー用のコンピュータゲームにおいて、各プレーヤーは、自身の視点からゲームの画面を見ることを望む場合がある。この場合、各プレーヤーは個別に表示装置を用いることにより、ゲームの画面を独自の視野で見ることができる。しかしながら、大きなスペースを必要とすることになり、携帯用ゲームにおいては非実用的である。
上記の例において、複数の観察者がそれぞれ異なる画像を1つの表示装置から観察することが可能であれば、かなりのスペースおよびコストを節約することができる。
例えば、各乗客に個別にビデオ画面を提供する飛行機において、個別に映画を選択することができるようにしたまま、1つの中央画面を2人以上の乗客に対して提供することが可能であれば、かなりのコスト、スペースおよび重量の節約となる。
さらに、ユーザが互いの画面(視野)を見ることを防止することが可能となる。これにより、上記のコンピュータゲームの例だけでなく、現金自動預入支払機(ATM)を利用した銀行取引(バンキング)または販売取引などのセキュリティを必要とする用途においても効果的となる。
一方、通常の視覚において、人間の両眼は互いに離れているため、脳内では異なる視点によって外界の視野を認知している。すなわち、これらの2つの視点を用いて、脳は、情景における様々な物体への距離を判断している。
ここで、特許文献1では、複数の観察者が単一の表示装置から異なる情報を見ることができるマルチプル視野ディスプレイが提案されている。上記特許文献1では、TFT基板のピクセル構造とカウンター基板の視差バリアアパーチャアレイのピッチとを規則的に変化させ、異なる表示位置において、少なくとも2つの独立したイメージを提供するような構成の表示装置が提示されている。
特許文献1に記載のマルチプル視野ディスプレイの構造および表示原理について図11を参照しながら説明する。図11に示すように、上記マルチプル視野ディスプレイは、液晶デバイス(LCD:liquid crystal device)と視差バリアとを備えている。
液晶デバイスは空間光変調器(SLM)としての機能を有するものである。液晶デバイスはアクティブマトリクス薄膜トランジスタ基板(以下、TFT基板という)101およびカウンター基板102を備えている。さらに、TFT基板101とカウンター基板102との間には、図示しない電極、アラインメント層、および液晶層が配置されている。なお、ここでは液晶層のカウンター基板102側の表面をLCDピクセル面103という。また、視角向上膜104および偏光子105が、TFT基板101およびカウンター基板102の外面上に設けられている。照明106はバックライト(図示せず)から液晶デバイスに供給される。
視差バリアは、視差バリア基板107と視差バリアアパーチャアレイ108とを備えている。視差バリアアパーチャアレイ108は視差バリア基板107における液晶デバイスに隣接する表面上に形成されている。反射防止(AR)コーティング109は視差バリア基板107における他方の表面上に形成されている。
液晶デバイスのピクセルは、行方向(図11において紙面に垂直な方向)または水平方向のピクセルピッチがpである複数行および複数列として構成される。視差バリアアパーチャアレイ108には透過スリットが設けられている。該透過スリットはスリット幅が2wであり、かつ、透過スリット同士の水平ピッチがbである。また、視差バリアアパーチャアレイ108とLCDピクセル面103との距離はsである。
ディスプレイの使用時には、ディスプレイから所望の表示距離にあるウィンドウ面において左表示ウィンドウ110および右表示ウィンドウ111が形成される。ウィンドウ面は、視差バリアアパーチャアレイ108から距離γだけ離れている。左表示ウィンドウ110および右表示ウィンドウ111は、ウィンドウ面において隣接し、人間の両眼の平均的な間隔に相当する幅すなわちピッチeを有している。また、ディスプレイの垂線と左表示ウィンドウ110および右表示ウィンドウ111の中心との各角度(半角)すなわち視野角(表示角)はαで示される。
ここで、視差バリアアパーチャアレイ108の機能は、画素を透過する光の出射角を制御することにある。すなわち、各画素列の視野角αを、視差バリアアパーチャアレイ108の透過スリットで制御する。各画素の視野角αは、カウンター基板102の屈折率n、ピクセルピッチp、およびLCDピクセル面103と視差バリアアパーチャアレイ108の面との間隔sによって、以下の式(1)により決定される。
sinα=n・sin(arctan(p/2s))・・・(1)
通常、例えば、2つの異なる画像を同じ表示装置で見る場合、比較的大きな視野角、例えば、60度程度が必要とされる。
そこで、表示ウィンドウの間の角度、すなわち視野角を広くするためには、上記式(1)より、ピクセルピッチpを広くするか、LCDピクセル面103と視差バリアアパーチャアレイ108の面との間隔sを狭くするか、またはカウンター基板102のガラスの屈折率nを増大させればよいことがわかる。
しかしながら、ピクセルピッチは所望の表示パネルの解像度の仕様によって設計されるため、容易に変更することはできない。また、ピクセルピッチを広くすることができたとしても、従来の構成では視差バリアのピッチを広くする必要が生じる。視差バリアのピッチが広くなると、視差バリアによって遮蔽されていた画像が見えやすくなり、複数の画像が表示されるビューポイントにおける最終的に得られる画像の品質が低下することになる。
一方、間隔sを狭くするためには、カウンター基板102の厚さを薄くすることが考えられる。しかしながら、(1) 薄型化されたカウンター基板にカラーフィルターを形成することは困難である。また、薄型化されたカウンター基板とTFT基板とを張り合わせることは困難である。(2) カウンター基板とTFT基板とを貼り合わせた状態で薄型加工を行なうことで、外部からの応力により内部のセルギャップやTFTがダメージを受け、パネルが設計通りに機能しなくなるおそれがある。さらに、(1) ,(2) 共通の問題点として薄型ガラスを用いた液晶注入、封止作業が通常よりも困難である、なによりもマルチプル視野型の光学的な条件を満たすためにミクロンオーダーで均一なガラス厚を持つように薄型加工する必要性がある。したがって、高度な技術が必要となり製造上の問題が生じる。
さらに、カウンター基板102を構成するガラスは、カウンター基板として使用に耐えうる強度を有している必要があり、使用できるガラスは制限され、その結果、屈折率nが制限されてしまう。
そこで、特許文献2では、視野角を広くするため、液晶デバイス内に視差バリアが設けられているマルチプルビュー方向性ディスプレイが提案されている。具体的には、先ずは、図12(a)に示すように、カラーフィルター基板201は、ガラス等からなるベース基板202、不透明ストリップ209及び不透明ストリップ209間の透過スリット210を規定することによって形成される視差バリアアパーチャアレイ203、光透過樹脂からなるスペーサー層205、およびカラーフィルター204を備えている。ベース基板202上に、視差バリアアパーチャアレイ203、スペーサー層205、およびカラーフィルター204が、この順で積層されている。マルチプルビュー方向性ディスプレイ207は、図12(b)に示すように、上記カラーフィルター基板201とTFT基板206とが対向配置され、カラーフィルター基板201とTFT基板206との間に、液晶層208および視差バリアアパーチャアレイ203等が配置されている構成となっている。これにより、間隔sを小さくすることができるため、視野角を広くすることができる。
特開2004−206089号公報(公開日:2004年7月22日) 特開2005−78094号広報(公開日:2005年3月24日)
しかしながら、上記従来の構成では、以下の問題点を有している。
すなわち、特許文献2に記載のマルチプルビュー方向性ディスプレイ207では、スペーサー層205上にカラーフィルター204を設ける場合、スペーサー層205に熱収縮が生じて、スペーサー層205に膜厚ムラが生じることがある。これにより、所望の間隔sを得ることができず、所望の視野角を得ることができないという問題を生じる。
また、上述のとおり、ピクセルピッチを広くすることができたとしても、従来の構成では視差バリアのピッチを広くする必要が生じるため、視差バリアによって遮蔽されていた画像が見えやすくなり、複数の画像が表示されるビューポイントにおける最終的に得られる画像の品質が低下することになる。さらに、間隔sを狭くするために、カウンター基板102の厚さを薄くすることは、高度な技術を必要とすることにより製造上の問題が生じる。また、カウンター基板102を構成するガラスの屈折率nを変更することは装置の構成上困難である。
したがって、上記従来の構成では、標準的な視差バリアを用いて、広い視野角(表示角)を有するマルチプル視野型表示装置を作製することは困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を安定させると共に、従来よりも広い視野角を有するマルチプル視野型の表示装置を提供することにある。
本発明のマルチプル視野型の表示装置は、上記課題を解決するために、視差バリアが形成されている第一基板と、上記視差バリアに対向するように配置されている第二基板と、上記第一基板と上記第二基板との間に設けられた表示層とを備え、上記視差バリアにより特定の方向に進む光のみを透過させ、同一の表示装置で異なる方向に対し異なる画像を提供し得るマルチプル視野型の表示装置において、上記第一基板における第二基板との対向面側に、視差バリアを覆うように透明膜が設けられていると共に、上記第二基板における第一基板との対向面側にカラーフィルターが設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、カラーフィルターと透明膜とは異なる基板上に設けられている。また、透明膜とカラーフィルターとの間に例えば液晶層からなる表示層が配置されている。これにより、透明膜とカラーフィルターとが隣り合うことはなく、カラーフィルターの形成時に、高温の熱処理、例えば焼成を施しても、透明膜に熱収縮が起こることがない。したがって、透明膜に膜厚ムラが生じることを防止することができる。また、膜厚ムラを防止することができるので、透明膜を所望の厚さに調整することが容易になり、透明膜の膜厚によってカラーフィルターと視差バリアとの光学距離を調整することができる。その結果、複数の画像が表示されるビューポイントにおける最終的に得られる画像の品質が低下することを防止することができる。
さらに、第一基板と第二基板との間に視差バリアおよびカラーフィルターが配置されているので、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を小さくすることができる。
ここで、視野角αは、第一基板の屈折率n、画素のピクセルピッチp、およびカラーフィルターと視差バリアとの光学距離sによって、以下の式(1)により決定される。
sinα=n・sin(arctan(p/2s))・・・(1)
すなわち、本発明の構成によれば、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離sを小さくすることができるので、視野角を増大させることができる。
その結果、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を安定させると共に、従来よりも広い視野角を有するマルチプル視野型の表示装置を提供することができる。
本発明のマルチプル視野型の表示装置では、前記カラーフィルターと前記視差バリアとの光学距離が、前記透明膜の膜厚によって設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、透明膜の膜厚によってカラーフィルターと視差バリアとの光学距離を調整することができるので、視野角を所望の角度に調整することができる。
本発明のマルチプル視野型の表示装置では、前記透明膜は高分子樹脂膜からなっていることが好ましい。
上記の構成によれば、透明膜の厚さを均一にしやすく、かつ該厚さを所望の厚さに形成しやすい。したがって、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を調整しやすくなる。
本発明のマルチプル視野型の表示装置では、前記透明膜は導電性金属膜からなっていることが好ましい。
上記の構成によれば、透明膜から例えば液晶層からなる表示層に直接電圧を印加することができる。したがって、別途、表示層に電圧を印加するための共通対向電極を設ける必要がなく、構造をシンプルなものとすることができると共に、製造工程が複雑なものとなることを防止することができる。
本発明のマルチプル視野型の表示装置では、共通対向電極が前記透明膜よりも前記第二基板に近い側に設けられていることが好ましい。
共通対向電極が透明膜よりも第二基板に遠い側に設けられている構成では、例えば液晶層からなる表示層に直接電圧を印加することができない。そのため、表示層に電圧を印加するためには、例えば、透明膜にコンタクトホール等を形成して電荷を導通させる必要が生じる。さらに、表示層と共通対向電極との間に透明膜が存在することにより、液晶を駆動させるために、より大きな電位が必要になる。
一方、本発明の構成によれば、液晶分子の駆動において、共通対向電極から例えば液晶層からなる表示層に直接電圧を印加することができる。したがって、別途、コンタクトホール等を透明膜に形成する必要がなく、液晶への電圧負荷が簡単なものになる。その結果、低消費電力化が可能となる。
本発明のマルチプル視野型の表示装置は、以上のように、上記第一基板における第二基板との対向面側に、視差バリアを覆うように透明膜が設けられていると共に、上記第二基板における第一基板との対向面側にカラーフィルターが設けられているものである。
それゆえ、透明膜とカラーフィルターとが隣り合うことはなく、カラーフィルターの形成時に、高温の熱処理、例えば焼成を施しても、透明膜に熱収縮が起こることがない。したがって、透明膜に膜厚ムラが生じることを防止することができる。また、第一基板と第二基板との間に視差バリアおよびカラーフィルターが配置されているので、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を小さくすることができる。これにより、視野角を増大させることができる。その結果、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を安定させると共に、従来よりも広い視野角を有するマルチプル視野型の表示装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図10に基づいて説明すると以下の通りである。
なお、本実施形態では、マルチプル視野型の表示装置として、例えば半透過型の液晶表示装置について説明するが、表示装置は必ずしもこれに限らず、例えば、透過型の液晶表示装置、反射型の液晶表示装置、EL素子を用いた表示装置、LED(Light Emitting Diode)等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ等についても適用が可能である。
図1は本実施の形態における液晶表示装置の平面図である。図2は上記液晶表示装置のA−B線の断面図である。図3は上記液晶表示装置の対向基板の断面図である。なお、図1では、上記液晶表示装置の一画素分を示していると共に、図の煩雑さを避けるため、対向基板22(後述する)について、その記載を省略している。
本実施の形態の液晶表示装置30は、図2に示すように、互いに対向して配置されたTFT(Thin Film Transistor)アレイ基板(第二基板)23と対向基板(第一基板)22との間に電気光学特性を有するネマチック液晶材料からなる液晶層12が挟持されてなるTFT駆動型の半透過型の液晶表示装置である。
TFTアレイ基板23は、図1に示すように、例えば無アルカリガラスからなるガラス基板11上に、互いに平行な複数のゲート線17と、各ゲート線にそれぞれ交差する複数のソース線18と、補助容量電極19と、ゲート線17及びソース線18の各交差部分に設けられたTFT24と、反射板13と、カラーフィルター9と、透明電極8と、層間絶縁膜14とを備えている。
ゲート線17は、例えばチタン等からなる配線である。また、各ゲート線17の間を相互に平行に延びるように補助容量電極19が配設されている。
補助容量電極19は、ゲート線17と同じ材料からなり、後述のTFT24のドレイン電極5に接続されて補助容量を構成するために設けられている。通常、電荷を保持する画素容量が、液晶容量のみである場合、画像の保持動作が不十分になることや、寄生容量の影響を受けることがある。そのため、補助容量を配置することにより、表示データを保持して、画像の動作をより安定したものとなっている。
さらに、ゲート線17及び補助容量電極19の上を覆うように、窒化シリコン等からなるゲート絶縁膜2が設けられている。
ソース線18は、例えば、チタン等からなる配線であり、ゲート絶縁膜2上に配設されている。
TFT24は、ゲート線17から側方に突出した突出部からなるゲート電極1と、半導体膜3と、該半導体膜3上にソース線18から側方に突出した突出部からなるソース電極4と、半導体膜3上においてソース電極4と対向するように設けられたドレイン電極5とから構成されている。さらに、TFT24を覆うように、窒化シリコン等からなる保護膜6が設けられている。
半導体膜3は、n+アモルファスシリコン層3aおよび真性アモルファスシリコン層3bから構成されている。半導体膜3はゲート電極1上にゲート絶縁膜2を介して設けられている。
反射板13は、例えば、アルミニウム等から構成され、保護膜6を介してTFT24を覆うように設けられている。反射板13は、TFT24や透明電極8等、何れにも電気的に接続されておらず、フローティング構造となっている。また、反射板13はTFT24へ光が入射することを防止する遮光膜としての機能を有している。
カラーフィルター9は、赤(R)、緑(G)及び青(B)の顔料のうちの何れかが分散された感光性レジスト材料からなる各色のフィルターから構成されている。カラーフィルター9は反射板13の上を覆い一対のゲート線17及びソース線18で囲まれる画素領域のほぼ全面に設けられている。そして、各画素には、赤、緑及び青のうちの1色のフィルターが配設されている。
層間絶縁膜14は、例えば感光性アクリル樹脂等から構成され、光の透過領域と光の反射領域とに位相差が生じることを防止するためにカラーフィルター9上に設けられている。そのため、層間絶縁膜14の膜厚だけ、透過領域の液晶層12の厚さdtは、反射領域の液晶層12の厚さdrよりも薄くなる。したがって、透光領域における光の入射から出射までの光路長と反射領域における光の入射から出射までの光路長とを等しくすることができる。
透明電極8は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等から構成され、液晶層12に電圧を印加するものである。透明電極8は、カラーフィルター9および層間絶縁膜14を覆うように設けられていると共に、カラーフィルター9に形成されたコンタクトホール21を介してTFT24のドレイン電極5に接続されている。
対向基板22は、図3に示すように、例えば無水アルカリガラスからなるガラス基板25、視差バリア7、透明膜26および共通対向電極10を備えている。ガラス基板25上に形成された視差バリア7を覆うように透明膜26が設けられている。
視差バリア7はガラス基板25上に金属層または樹脂層をパターニングすることによって形成された遮光層、いわゆるブラックマトリックスである。
透明膜26は、対向基板22上の視差バリア7におけるカラーフィルター9に対向する側の面(以下、視差バリア面という)と、カラーフィルター9における視差バリア7に対向する側の面(以下、カラーフィルター面という)との光学距離(光路差)sを調整するためのものである。
共通対向電極10は、液晶層12に電圧を印加するものであり、透明膜26上に設けられている。さらに、共通対向電極10上には、液晶層12を所定の方向に配向させるために、配向膜(図示せず)が設けられている。
本実施の形態の液晶表示装置30では、各画素において、ゲート線17を介してTFT24のゲート電極1に所定電圧が印加されることにより、TFT24がオフ状態からオン状態となる。これにより、ソース線18を介して、ソース電極4に信号電圧が印加されることになる。そして、ドレイン電極5を介して、透明電極8と共通対向電極10との間に形成される液晶容量及び補助容量に電荷が流れ込むことになる。したがって、当該液晶容量及び補助容量で電荷を保持することになる。液晶表示装置30では、当該電荷の量に応じて液晶層12の液晶分子の配向状態が変わることを利用して、光透過度を調整し、画像表示を行なうようにしている。
上記構成の液晶表示装置30によれば、TFT24が搭載されたTFTアレイ基板23上に、カラーフィルター9と透明電極8とが形成されている。これにより、透明電極8とカラーフィルター9とのずれが小さくなる。また、従来必要であった対向基板22側のカラーフィルター9が不要となり、対向基板22は基板上に共通対向電極10が設けられたシンプルなものになる。そのため、対向基板22は基板上の構成要素によって区切られていなく、貼り合わせマージンをほとんど考慮する必要がない。
さらに、カラーフィルター9の各色のフィルターを光学的に分離するブラックマトリクスが不要となり、高精細で且つ高開口率な液晶表示装置が実現できる。また、反射板13がTFT24上に設けられているので、TFT24への入射光に対する遮光膜として働くことになる。そのため、TFT24周辺の遮光性が保たれ、TFT24のオフ特性の低下を抑制することができる。
また、反射板13が電気的にどことも接続しないフローティング構造をとることにより、寄生容量が小さくなる。したがって、TFT24の駆動に悪影響を与えることがなく、半透過型の液晶表示装置であってもシンプルなカラーフィルターオンアレイ構造をとることができる。
次に、本実施の形態の液晶表示装置30のカラーフィルター9、視差バリア7および透明膜26について図5を参照しながら詳細に説明する。図5は本実施の形態の液晶表示装置30の光学距離を説明するための断面図である。
カラーフィルター9は、赤(R)・緑(G)・青(B)の各色のフィルター(絵素)が各画素に対応するように各画素上に配置されている。各画素は、互いに異なる第一画像(右表示ウィンドウに表示される画像)及び第二画像(左表示ウィンドウに表示される画像)を生成するように、例えば、ストライプ状の列をなすように配置されている。換言すれば、各画素は第一画像および第二画像を生成するように、第一画像および第二画像用の各画素がストライプ状の列をなすように配置されている。各画素のパターン形状は特に限定されるものではなく、ストライプ形状以外に千鳥形状あるいはデルタ形状のものであっても良い。なお、図5では、例えば、右Rは第一画像用の赤(R)色のフィルターを意味し、左Rは第二画像用の赤(R)色のフィルターを意味する。右G・右B・左G・左Bについても第一画像および第二画像に対応する緑(G)色のフィルター、青(B)のフィルターを意味する。
視差バリア7は、第一の画素および第二の画素からなる画素列の延在方向に対して平行な方向に、例えばストライプ状の列をなすように配置されている。すなわち、視差バリア7の配置は、いわゆるバリアアパーチャアレイとなっている。但し、視差バリア7のパターン形状は特に限定されるものではなく、ストライプ形状以外に千鳥形状あるいはデルタ形状のものであっても良い。視差バリア7の材質は特に限定されるものではないが、例えば、遮光性が高いクロム、クロム/酸化クロムなどの金属クロム、チタンブラック系からなる金属薄膜をパターニングして形成したり、ポリイミドなどの高分子系、または黒色顔料を分散させたりした感光性樹脂を用いて形成しても良い。
また、視差バリア7の各列は、第一画像用および第二画像用の各画素列に対応するように設けられている。つまり、視差バリア7の各列は、各画素列から出射される光の一部を、各画素列の表示方向以外の方向から観察されないように遮光するように設けられている。
視差バリア7の幅aは、例えば80〜110μmであり、厚さdは1〜3μmである。また、視差バリア7同士のスリット幅wは20〜50μmであることが望ましい。視差バリア7同士のスリット幅wが50μm以上では、光の透過率が1〜3%大きくなるかわりに、視野角が10度程度減少してしまう。そのため、複数の観察者により観察することが困難になる。一方、視差バリア7同士のスリット幅wが20μm未満では、スリット幅が狭まるにつれ透過率が上がるものの、一画素からの光が所定よりも広範囲に広がるため、マルチプルディスプレイとして機能する視野角が減少してしまう。なお、「視野角」とは、画面が正常に見える範囲の角度を意味する。つまり、液晶表示装置の観察者領域において、正面を0度と規定した場合、画像を観察し得る角度を意味する。例えば、CRTディスプレイでは、視野角は180°である。
透明膜26は、上述のとおり、視差バリア面とカラーフィルター面との光学距離(光路差)sを調整するために設けられている。
透明膜26は、例えば、アリル系樹脂およびアクリル系樹脂などのUV硬化性樹脂、ノルボルネン系透明性樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂材料からなる高分子樹脂膜である。なお、透明膜26の材料としては、上記樹脂材料に限定されるものではなく、例えば、紫外線(UV)硬化処理および熱硬化処理を施しても発色せず、高い透過率を示す透明な物質であり、かつ、対向基板22を構成するガラスとの密着性が高く、紫外線(UV)硬化処理および熱硬化処理を施してもハガレが発生しない物質であるならば使用することができる。例えば、透明膜26の材質として、高分子樹脂膜の代わりに、金属薄膜を用いてもよい。上記金属膜がITO、IZO等の導電性の材料から形成されている場合、別途、共通対向電極を設ける必要がないので、製造工程を省略することができる。
さらに、透明膜26は、光学距離sを調整する機能に加え、接着剤としての機能を有していることが好ましい。
ここで、視野角をα、対向基板22の屈折率をn、各画素におけるピクセルピッチをpとすると、以下の式(2)が成立する。
sinα=n・sin(arctan(p/2s))・・・(2)
これにより、対向基板22の屈折率n及びピクセルピッチpを一定とすると、視差バリア面とカラーフィルター面との光学距離sを小さくすることにより、視野角αを増大させることが可能であることがわかる。また、透明膜26の膜厚dを調整することにより、光学距離sを変化させることができ、その結果、視野角αを制御することができる。なお、透明膜26の膜厚dは、対向基板22における対向面からの厚さ(高さ)を意味する。
また、透明膜26の膜厚dは、例えば20μm〜100μmが好ましい。より好ましくは、30μm〜60μmである。膜厚dは薄い方が、画像表示領域(観察者領域)における視野角αを例えば0°〜50°広くすることができる。但し、透明膜26の膜厚dが20μm以下では、透過する光量が減少するため、液晶表示装置としての透過率が減少するという問題が生じる。一方、透明膜26の膜厚dが100μm以上では、視野角が狭くなり、複数の観察者により観察することが困難になる。
なお、本実施の形態で液晶表示装置において使用し得る視野角αは、例えば10°〜85°が好ましい。より好ましくは30°である。また、液晶表示装置30から観察者までの距離γは、500mm〜1000mmが好ましい。より好ましくは、700mmである。距離γが500mm以下または、距離γが1000mm以上では、画像を正しく視認することができない。上記の構成により、複数のユーザが、各々、単一の画像(正像)のみを観察することができる。
ここで、本実施の形態の液晶表示装置30における表示原理について図4を参照しながら説明する。図4は液晶表示装置の表示原理を説明するための断面図であり、(a)は視差バリア7による視野角の付与効果を示し、(b)は表示画面の観察領域を示している。図4(a)に示すように、TFTアレイ基板23側から入射する光線(図4(a)において矢印)は、対向基板22の対向面側に設けられたアパーチャーアレイ方式の視差バリア7によって、所定の入射角度の光線のみが対向基板22を透過することになる。すなわち、対向基板22の対向面側に設けられた視差バリア7よって特定の視野角が与えられ、特定の画素からの光線のみが限られた領域に到達することになる。この状態では、ある到達領域では、第一画像および第二画像がそれぞれ列状に観察されることになる。さらに、図4(b)に示すように、TFTアレイ基板23および視差バリア7の透過スリットであるアパーチャスリットを透過した光線は、画像表示領域において、交差することになり、結像する領域が二つ存在することになる。これにより、観察位置が異なる複数の観察者に対して異なる画像、すなわち、第一画像および第二画像を表示することができる。つまり、複数の画像を一つの表示装置で観察することができる。
本実施の形態の液晶表示装置30の各視差バリア7のスリット間、すなわち、アパーチャスリット部には透明膜26が設けられている。透明膜26は透過性の樹脂からなるので、従来のパララックス(視差)バリア方式と同様に、例えば、バックライトなどの光源から照射される光を十分に透過させることができる。よって、視差バリア7は、原理的に3D画像において用いられているアパーチャーアレイ方式と同様の視覚的効果を得ることが可能である。すなわち、右方向観察者と左方向観察者それぞれに異なる画像を表示する場合に、視差バリアによって特定の視野角を与え、上記異なる画像の出射光角度をより狭くすることにより、つまり、人間の両目の間隔(幅)となるように出射光角度を調整することにより、右目用画像および左目用画像を、それぞれ右目および左目にのみ到達させることが可能となる。これにより、空間上の特定の観察領域からであれば、各々の目に対応する像のみが観察され、観察者において3D画像が認識される。
本実施の形態の液晶表示装置30は、以上のように、対向基板22とTFTアレイ基板23との間に、視差バリア7が配置されている。これにより、特許文献1に記載のマルチプル視野ディスプレイのような、対向基板22またはTFTアレイ基板23の互いに対向する面における反対の面側に視差バリア7が配置されている構成に比べて、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離を小さくすることができる。したがって、上記式(2)より視野角αを広くすることができる。その結果、表示品位が向上して、より広範囲に明確に、それぞれ異なる画像を1つの表示装置において観察することが可能となる。
また、本実施の形態の液晶表示装置30では、視差バリア7とカラーフィルター9との間に透明膜26が配置されている。これにより、視差バリア7とカラーフィルター9との光学距離sを調整することができる。すなわち、カラーフィルター9と視差バリア7との光学距離sは、透明膜26の膜厚によって設定されている。例えば、視差バリア7とカラーフィルター9との間に、透明膜26が配置されていない場合、共通対応電極等の厚さを考慮しても、視差バリア7とカラーフィルター9との光学距離は、例えば、10μm程度となる。このような光学距離では、理想的な表示品位を示すことができない。
さらに、透明膜26とカラーフィルター9との間に、液晶層12が配置されている。これにより、特許文献2に記載の従来の構成に比べて、透明膜26とカラーフィルター9とが接していないため、カラーフィルター9を形成する時に必要とされる高温の熱処理を施しても、透明膜26に熱収縮が生じるおそれがなく、つまり該厚さが不均一になるおそれがない。したがって、光学距離sを一定にすることができる。その結果、複数の画像が表示されるビューポイントにおける最終的に得られる画像の品質が低下することを防止することができる。
また、本実施の形態の液晶表示装置30では、共通対向電極10が透明膜26よりも前TFTアレイ基板23に近い側に設けられている。通常、共通対向電極が透明膜よりも第二基板に遠い側に設けられている構成では、例えば液晶層に直接電圧を印加することができない。そのため、液晶層に電圧を印加するためには、例えば、透明膜にコンタクトホール等を形成して電荷を導通させる必要が生じる。さらに、液晶層と共通対向電極との間に透明膜が存在することにより、液晶を駆動させるために、より大きな電位が必要になる。
一方、本実施の形態の液晶表示装置30の構成によれば、液晶分子の駆動において、共通対向電極10から液晶層12に直接電圧を印加することができる。したがって、別途、コンタクトホール等を透明膜26に形成する必要がなく、液晶への電圧負荷が簡単なものになる。その結果、低消費電力化が可能となる。
次に、本実施の形態の液晶表示装置の製造方法を説明する。
<TFTアレイ基板作製工程>
TFTアレイ基板23は公知の製造方法を用いて製造すればよく、例えば、以下の製造方法が挙げられる。
まず、無アルカリガラスからなるガラス基板11上にチタン等からなる金属膜をスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィー技術(Photo Engraving Process、以下、「PEP技術」と称する)によりパターン形成して、ゲート線17、ゲート電極1及び補助容量電極19を形成する。
次いで、ゲート線17、ゲート電極1及び補助容量電極19上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により窒化シリコン等を成膜し、ゲート絶縁膜2を形成する。
次いで、ゲート絶縁膜2上に、CVD法により真性アモルファスシリコン膜と、リンがドープされたn+アモルファスシリコン膜とを連続して成膜し、その後、PEP技術により島状にパターン形成して、真性アモルファスシリコン層3bとn+アモルファスシリコン層3aからなる半導体膜3を形成する。
次いで、半導体膜3が形成されたゲート絶縁膜2上に、チタン等からなる金属膜をスパッタリング法により成膜し、その後、PEP技術によりパターン形成して、ソース線18、ソース電極4及びドレイン電極5を形成する。
次いで、ソース電極4及びドレイン電極5をマスクとしてn+アモルファスシリコン層3aをエッチング除去することにより、チャネル部を形成する。
次いで、ソース電極4及びドレイン電極5上に、CVD法を用いて窒化シリコン等を成膜し、保護膜6を形成する。
次いで、保護膜6上にアルミニウム等からなる金属膜をスパッタリング法により成膜した後、PEP技術により、TFT24と重なるようにパターン形成して、反射板13を形成する。
次いで、保護膜6及び反射板13上に、赤、緑及び青の顔料のうちの何れかが分散された感光性レジスト材料等を塗布し、その後、PEP技術によりパターン形成して、選択した色のフィルターを形成する。さらに、他の2色についても同様な工程を繰り返して、各画素に1色のフィルターが配設したカラーフィルター9を形成する。
次いで、カラーフィルター9及び保護膜6の積層膜のドレイン電極5上に位置する部分にPEP技術を用いてコンタクトホール21を形成する。
次いで、カラーフィルター9上に、ITO等からなる透明導電膜をスパッタリング法により成膜した後、PEP技術によりパターン形成して、透明電極8を形成する。
上述のようにしてTFTアレイ基板23が完成する。
<対向基板作製工程>
先ずは、図6(a)に示すように、洗浄されたガラス基板25を準備する。
次に、図6(b)に示すように、ガラス基板25上に、遮光性が高いクロム、クロム/酸化クロムなどの金属クロム、チタンブラック系、またはポリイミドなどの高分子系のブラックマトリックス(BM)材料を成膜する。次に、成膜されたBM材料上に、フォトレジストを塗布した後、パターン露光・現像することにより、BM材料を所望のパターンにエッチングする。その後、BM材料上のフォトレジストを剥離する。これにより、所望のスリット幅b1を有するBM、すなわち視差バリア7を形成することができる。
次に、図6(c)に示すように、視差バリア7が形成されたガラス基板25を洗浄した後、視差バリア7を覆うようにガラス基板25上に感光性アクリル樹脂を、スパッタリング法、あるいは塗布法を用いて成膜する。その後、加熱処理または紫外線照射処理などを施して感光性アクリル樹脂膜からなる薄膜を硬化させ、透明膜26を形成する。このとき、透明膜26の膜厚dは、上記式(2)を用いて算出されるカラーフィルター面(ピクセル)と視差バリア面(視差光学機器面)との間の光学距離sを満足するように設定する。これにより、光学距離sを所望の距離に聴視することが可能となる。
次に、図6(d)に示すように、スパッタリング法を用いて、透明膜26上に、例えばITO等からなる導電性薄膜を成膜する。これにより、透明膜26上に、共通対向電極10を形成することができる。その後、共通対向電極10上に配向膜(図示しない)を形成する。
上記の製造方法により、図3に示す対向基板22を製造することができる。
なお、図6(c)において、高分子樹脂膜からなる透明膜26の代わりに、スパッタリング法を用いて、視差バリア7を覆うようにガラス基板25上に金属薄膜からなる透明膜を形成しても良い。この場合、ITO、IZOなどの導電性を有する材料を用いて金属薄膜を形成すれば、別途、共通対向電極を設ける必要はなく、図6(d)に示す工程を省略することができる。一方、非導電性の材料からなる金属薄膜の場合、高分子樹脂膜と同様に、図6(d)に示す工程を行なえば良い。なお、金属薄膜の膜厚は、高分子樹脂膜からなる透明膜26と同様に、光学距離sを満足するように設定すれば良い。
<液晶表示装置作製工程>
上記<TFTアレイ基板作製工程>の項、および上記<対向基板作製工程>の項に記載の製造方法によって製造された、TFTアレイ基板23及び対向基板22を用いて、液晶表示装置30を製造する方法について説明する。
先ず、TFTアレイ基板23及び対向基板22上に、フレキソ印刷により、例えばポリイミド樹脂等を塗布した後、両基板を焼成して成膜する。その後、ポリイミド樹脂膜の表面を、ラビング法を用いて一定方向に擦って配向処理を行なうことにより配向膜を形成する。
次いで、TFTアレイ基板23及び対向基板22うちの一方に、スクリーン印刷により、例えば熱硬化性エポキシ樹脂等からなるシール材料を液晶注入口の部分を欠いた枠状パターンとなるように塗布する。次に、他方の基板に、例えばポリスチレン系等のポリマーからなる球状のプラスチックビーズを散布する(図示せず)。なお、上記プラスチックビーズは、液晶層12の厚さに相当する直径を有し、液晶層12の厚さムラを抑制するスペーサーとなる。
次いで、TFTアレイ基板23と対向基板22とを貼り合わせ、シール材料を硬化させ、空セルを形成する。ここにおいて、TFTアレイ基板23上にカラーフィルター9と透明電極8とが形成されているため、カラーフィルター9と透明電極8との位置ずれが小さく、また、従来必要であった対向基板22側のカラーフィルター9が不要となり対向基板22は基板上に共通対向電極10が設けられたシンプルなものになる。そのため、TFTアレイ基板23と対向基板22とを貼り合わせる際にアライメントずれが発生しても、そのことによってカラーフィルター9と透明電極8との位置ずれが発生することがない。そのため、この液晶表示装置30は、基板どうしの貼り合わせを高精度に行なう必要がなく、生産性に優れている。
次いで、空セルのTFTアレイ基板23及び対向基板22の両基板間に、減圧法により液晶材料を注入して液晶層12を形成する。次に、液晶注入口にUV硬化樹脂を塗布した後、UV照射処理を施しUV硬化樹脂を硬化させて注入口を封止する。
以上のようにして、本実施の形態の液晶表示装置30を製造することができる。
次に、図7に上記構成の液晶表示装置の対向基板の変形例を示す。
通常、ガラス基板上に、カラーフィルターを形成する場合、高温の熱処理(焼成)が行われる。この処理を高分子樹脂等からなる膜上に行えば、樹脂膜は熱収縮を引き起こしたり、膜ハガレを発生したりするおそれがあり、結果として、カラーフィルターと視差バリアとの光学距離が変化するおそれがある。しかしながら、耐熱性をもった物質で作製した膜上にカラーフィルター36を作製すれば膜の熱収縮や膜ハガレが発生するおそれがない。したがって、液晶表示装置の表示品質が低下することを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態の液晶表示装置30では、例えばカラーフィルターを定着させるための熱処理に対して耐性をもつ金属からなる透明膜をカラーフィルターと視差バリアの間に設けることで、上記カラーフィルターと上記視差バリアとの光学距離に変化を与えない構成であってもよい。
次に、上記の構成の対向基板は以下の製造方法により製造することができる。図8及び図9は上記対向基板の変形例の製造工程を示す断面図である。
図8(a)(b)に示すように、上記<対向基板作製工程>の項において説明した、図6(a)(b)の工程と同様にして、ガラス基板25上に視差バリア7を形成する。
次に、図8(c)に示すように、視差バリア7が形成されたガラス基板25を洗浄した後、視差バリア7を覆うようにガラス基板25上に金属膜をスパッタリング法によって成膜して透明膜33を形成する。ここで、透明膜33は、150℃〜200℃において熱収縮を起こし得ない耐熱性を有する金属膜から形成されることが好ましい。
次に、図8(d)に示すように、透明膜33上に、遮光性が高いクロム、クロム/酸化クロムなどの金属クロム、チタンブラック系、またはポリイミドなどの高分子系のブラックマトリックス(BM)材料を成膜する。次に、成膜されたBM材料上に、フォトレジストを塗布した後、パターン露光・現像することにより、BM材料を所望のパターンにエッチングする。その後、BM材料上のフォトレジストを剥離する。これにより、所望のスリット幅を有するブラックマトリックス35が形成される。
次に、図9(a)に示すように、基板全面に、例えば、赤(R)色の顔料が分散された感光性着色フォトレジスト34を塗布する。
次に、図9(b)に示すように、感光性着色フォトレジスト34にマスク38を被せて紫外線照射処理を行なう。
次に、図9(c)に示すように、感光性着色フォトレジスト34に、現像液により現像を行なう。これにより任意の箇所にのみ顔料分散により着色されたレジストが残ることになる。引き続き、全面露光および焼成を行なう。これにより、赤色のカラーフィルター36が形成される。
次に、図9(d)に示すように、上記図9(a)〜(c)に示す工程を、緑(G)色・青(B)色についても行なう。これにより、各色のカラーフィルター36を形成することができる。
次に、図9(e)に示すように、赤(R)・緑(G)・青(B)の各色のカラーフィルター36上に、例えば、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などからなるオーバーコート膜37を成膜する。なお、オーバーコート膜37は、着色パターン保護膜としての機能を有しており、カラーフィルター36の平坦性を向上することができる。さらに、必要に応じて、オーバーコート膜上に共通対向電極を形成する。
以上の製造方法により、図7に示すカラーフィルターが設けられた対向基板31を製造することができる。なお、上記製造方法は、顔料分散法により上記対向基板上にカラーフィルターを形成する方法である。しかしながら、上記製造方法は、顔料分散法に限定されるものではなく、例えば、染色法、印刷法、電着法の何れの方法を用いても上記対向基板上にカラーフィルターを形成することができる。
このとき、TFTアレイ基板として、a−Si型のTFTアレイ基板を用いた場合、図7に示す対向基板31と張り合わせた後、液晶層12を注入することにより、図10に示す液晶表示装置を製造することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複数の表示方向に対してそれぞれ異なる画像を表示可能なマルチプル視野型の表示装置に適用できる。具体的には、表示装置として、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に用いることができると共に、電気泳動型ディスプレイ、ツイストボール型ディスプレイ、微細なプリズムフィルムを用いた反射型ディスプレイ、デジタルミラーデバイス等の光変調素子を用いたディスプレイの他、発光素子として、有機EL発光素子、無機EL発光素子、LED(Light Emitting Diode)等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイにも利用することができる。
本発明における液晶表示装置の実施の一形態を示す平面図である。 上記液晶表示装置のA−B線の断面図である。 上記液晶表示装置の対向基板の断面図である。 上記液晶表示装置の表示原理を説明するための断面図である。 上記液晶表示装置の光学距離を説明するための断面図である。 上記液晶表示装置の対向基板の製造工程を示す断面図である。 上記液晶表示装置の対向基板の変形例を示す断面図である。 上記液晶表示装置の対向基板の変形例の製造工程を示す断面図である。 上記液晶表示装置の対向基板の変形例の製造工程を示す断面図である。 上記液晶表示装置の変形例を示す断面図である。 従来のマルチプルディスプレイの断面図である。 従来の他のマルチプルディスプレイの断面図である。
符号の説明
7 視差バリア
9 カラーフィルター
10 共通対向電極
11 ガラス基板
12 液晶層
22 対向基板(第一基板)
23 TFTアレイ基板(第二基板)
24 薄膜トランジスタ(TFT)
25 ガラス基板
26 透明膜
30 液晶表示装置(マルチプル視野型の表示装置)

Claims (5)

  1. 視差バリアが形成されている第一基板と、
    上記視差バリアに対向するように配置されている第二基板と、
    上記第一基板と上記第二基板との間に設けられた表示層とを備え、
    上記視差バリアにより特定の方向に進む光のみを透過させ、同一の表示装置で異なる方向に対し異なる画像を提供し得るマルチプル視野型の表示装置において、
    上記第一基板における第二基板との対向面側に、視差バリアを覆うように透明膜が設けられていると共に、上記第二基板における第一基板との対向面側にカラーフィルターが設けられていることを特徴とするマルチプル視野型の表示装置。
  2. 前記カラーフィルターと前記視差バリアとの光学距離が、前記透明膜の膜厚によって設定されていることを特徴とする請求項1記載のマルチプル視野型の表示装置。
  3. 前記透明膜は高分子樹脂膜からなっていることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチプル視野型の表示装置。
  4. 前記透明膜は導電性金属膜からなっていることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチプル視野型の表示装置。
  5. 共通対向電極が前記透明膜よりも前記第二基板に近い側に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のマルチプル視野型の表示装置。
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