WO2007026765A1

WO2007026765A1 - 多層情報記録媒体およびその製造方法、並びに多層情報記録媒体の製造装置とこの製造装置を構成する多層情報記録媒体製造用スクリーン

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Publication number: WO2007026765A1
Application number: PCT/JP2006/317112
Authority: WO
Inventors: Yuuko Tomekawa; Morio Tomiyama; Keiji Nishikiori
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-08-30
Filing date: 2006-08-30
Publication date: 2007-03-08
Also published as: DE602006011185D1; KR20080039905A; CN101243507B; TW200741693A; EP1926098A1; CN101243507A; EP1926098B1; EP1926098A4; US8007867B2; JPWO2007026765A1; TWI385658B; US20100151177A1; JP4827848B2

Abstract

　２以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された樹脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された多層情報記録媒体の製造方法であって、前記信号基板の一方の主面側に所定の情報記録部を形成する第１工程と、複数の第１孔を有する塗布領域と、複数の第２孔を有する除去領域とを有するスクリーン上に供給された樹脂含有塗料の一部を、前記スクリーン上にスキージを摺動させることにより前記複数の第１孔内を通過させて、前記所定の情報記録部上に塗料層を形成し、前記塗料層に含まれる樹脂を硬化して、前記樹脂層を形成する第２工程とを含み、前記第１工程と前記第２工程とをそれぞれ所定回数行い、各第２工程において、前記所定の情報記録部に塗布されなかった前記スクリーン上の残余の樹脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第２孔内を通過させることにより、前記スクリーン上から除去することを特徴とする。

Description

明細書

多層情報記録媒体およびその製造方法、並びに多層情報記録媒体の製造装置とこの製造装置を構成する多層情報記録媒体製造用スクリーン

技術分野

[0001] 本発明は、情報の記録、または情報の再生を目的とした多層情報記録媒体およびその製造方法に関するものである。

背景技術

[0002] 近年、情報機器または映像音響機器等で処理される情報量の拡大化に伴!ヽ、データアクセスが容易で、大容量データを蓄積可能で、かつ機器の小型化に対応可能な光ディスクなどの、情報記録媒体が注目されている。また、情報記録媒体について情報の高密度記録化が検討されており、高密度記録可能な情報記録媒体として、波長が約 400nmのレーザ光源と開口数（NA)が 0. 85の集光レンズとを含む光ヘッドを備えた記録再生装置を用いて、情報が記録再生される情報記録媒体が提案されている（例えば、特許文献 1参照)。この情報記録媒体では、例えば、単一の記録層につ!/、て 25GB程度、 2層の記録層につ!/、て 50GB程度の容量のデータを蓄積可能である。

[0003] 次に、特許文献 1に記載された従来の多層情報記録媒体の構造及び製造方法を、図 13A〜図 15Jを用いて説明する。

[0004] 図 13A〜図 13Fには、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型 (スタンパ）の製造方法を示している。まず、ガラス板 201上にフォトレジスト等の感光材料を塗布して感光膜 202を形成する（図 13A参照)。次いで、レーザ光 2 03を用いて、ピットや案内溝等のパターンを感光膜 202に転写するための露光を行う（図 13B参照）。図 9Bにおいて、 202aは、レーザ光 203が照射された部分 (露光部 )である。露光部の感光材料は現像工程を経ることにより除去され、ピットや案内溝等のパターン 204がガラス板 201上に形成された光記録原盤 205が得られる（図 13C 参照)。次に、スパッタリングや蒸着等の方法によってパターン 204上に導電膜 206 を形成する。すると、パターン 204の形状が導電膜 206に転写される（図 13Cおよび図 13D参照)。次に、導電膜 206上にめっき膜 207を形成して、導電膜 206の剛性を高め、かつ導電膜 206に厚みを持たせる（図 13E参照)。次に、めっき膜 207と導電膜 206とからなる積層体を、光記録原盤 205から剥離して、スタンパ 208を得る（図 13F参照)。

[0005] 図 14は、従来の多層情報記録媒体の断面図を示している。この多層情報記録媒体は、第 1信号基板 301を含んでいる。第 1信号基板 301上には、第 1情報記録部 3 02が配置され、第 1情報記録部 302上には、第 2信号基板 303が配置されている。第 2信号基板 303上には、第 2情報記録部 304と、透明層 305と、透明基板 306とがこの順に配置されている。透明層 305は、透明基板 306を第 2情報記録部 304に貼りつけるために設けられて、る。

[0006] 第 1信号基板 301は、ピットや案内溝を有する面を、凹凸形状の情報面として有している。この情報面は、図 13Fに示したスタンパ 208を用いて、第 1信号基板 301を射出圧縮成型法により成形する際に形成される。第 1信号基板 301の平均厚みは 1 . 1mm程度である。第 1情報記録部 302および第 2情報記録部 304は、それぞれ記録膜ゃ反射膜等を含んでおり、スパッタリングや蒸着等の方法により形成される。

[0007] 第 2信号基板 303は、スピンコート法によって塗布された光硬化性榭脂に、凹凸面を有する信号転写用基板を貼りつけ、光硬化性榭脂の硬化後に、光硬化性榭脂から信号転写用基板を剥離することによって形成される。信号転写用基板は、図 13F に示したスタンパ 208と同様に、凹凸面を有している。

[0008] 透明基板 306は、記録再生光に対して十分に透明な材料力もなる。透明層 305は、光硬化性榭脂や、感圧接着剤等の接着剤から形成されている。透明基板 306と透明層 305とを足した平均厚みは 0. 075mm程度である。このようにして作製された多層情報記録媒体の記録再生は、透明基板 306側から記録再生レーザ光を入射することによって行なわれる。

[0009] 次に、図 15A〜図 15Jを用いて従来の多層情報記録媒体の製造方法についてより詳細に説明する。

[0010] まず、第 1信号基板 401の情報面上に、スパッタリングや蒸着等の方法により第 1情報記録部 402を形成する。第 1信号基板 401は吸引器等の手段によって回転テープル 403に固定された状態にしておく（図 15A参照)。次に、第 1情報記録部 402に、ディスペンサーを用いて光硬化性榭脂を含む塗料 404を所望の半径を有する円を描くように塗布する（図 15B参照)。次に、回転テーブル 403を回転して、塗料 404を延伸する。延伸の際には、遠心力によって余分な榭脂と気泡とが除去される。延伸後の塗料 404の厚みは、塗料 404の粘度、回転テーブルの回転数、回転時間、雰囲気条件 (温度や湿度など)を任意に設定することにより、所望の値に制御できる。回転停止後、塗料 404を、光照射機 405を用いた光照射により硬化して、光硬化性榭脂層 404'とする（図 15C参照)。

[0011] 一方で、回転テーブル 407上に信号転写用基板 406を固定する。信号転写用基板 406は、図 13Fに示したスタンパ 208と同様の凹凸面を有している（図 15D参照）。信号転写用基板 406上に、ディスペンサーを用いて光硬化性榭脂を含む塗料 408 を所望の半径を有する円を描くように塗布する。次に、回転テーブル 407を回転して、塗料 408を延伸する。延伸後の塗料 408の厚みは、塗料 404の場合と同様の方法により制御できる（図 15E参照)。回転テーブル 407の回転を停止した後、塗料 408 を、光照射機 409を用いた光照射により硬化して、光硬化性榭脂層 408'とする（図 1 5F参照)。

[0012] 次に、基板 410と基板 411とを、回転テーブル 403上で、光硬化性榭脂層 408'と 4 04'とが向い合うように、光硬化性榭脂を含む塗料 412を介して重ね合わせ、この状態で、回転テーブル 403を回転させる（図 15G参照)。回転テーブル 403の回転により、塗料 412は所望の厚みに制御 (延伸）される。その後、塗料 412を、光照射機 40 5を用いた光照射により硬化して、光硬化性榭脂層 412'とする（図 15H参照)。次に、光硬化性榭脂層 408'から信号転写用基板 406を剥離する。

[0013] なお、塗料 404に含まれる光硬化性榭脂には、第 1情報記録部 402および光硬化性榭脂層 412'と接着性が良好なものが選択される。塗料 408に含まれる光硬化性榭脂には、信号転写用基板 406との剥離性が良ぐ且つ光硬化性榭脂層 412' (図 1 5H参照）との接着性が良好なものが選択される。塗料 404, 412, 408の粘度は、薄 Vヽ光硬化性榭脂層の形成を可能とするために、 V、ずれも約 150mPa' s程度に調整されている。なお、光硬化性榭脂層 404'、 408'、 412'からなる一体ィ匕物 (榭脂層ともいう）は、図 14における第 2信号基板 303に相当する。上記一体化物の厚みは、説明の都合上、図 14における第 2信号基板 303の厚みよりも厚く記載している。

[0014] 次に、光硬化性榭脂層 408^ の第 1信号基板 401側の面の反対面上、すなわち、第 2情報面上に、スパッタリングや蒸着等の方法により第 2の情報記録部 413を形成し、第 2情報記録部 413上に、透明層 415形成用の、光硬化性榭脂を含む塗料を塗布する。次いで、塗布された塗料に透明基板 414を貼りつけた後、回転テーブル 40 3を回転させることにより、塗料に混入した気泡を除去しながら、かつ塗料を延伸する。その後、透明基板 414越しに、塗料に所定の波長の光を照射して光硬化性榭脂を硬化させ、塗料を透明層 415とする（図 151参照)。

特許文献 1 :特開 2002— 092969号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0015] しかし、スピンコート法によって光硬化性榭脂層等を形成すると、周方向の細かな膜厚変動や、半径方向の大きな膜厚変動が生じる。特に、多数の情報記録部を備えた多層情報記録媒体では、隣り合う情報記録部間に配置された信号基板 (榭脂層）の膜厚変動の足し合わせにより、多層情報記録媒体全体の厚さ変動が大きくなる。

[0016] また、スピンコート法では、被塗布面の縁部にまで塗料が行きわたる。そのため、光照射によって光硬化性榭脂を硬化させる時に、縁部上に配置された光硬化性榭脂が表面張力により盛り上がり、その結果、被塗布面の縁部上における光硬化性榭脂層 404'の厚み力被塗布面の他の部分上におけるそれより顕著に大きくなつてしまう (図 15J参照)。この厚さ変動は、光硬化性榭脂層 404'、 408'、 412'からなる一体ィ匕物 (榭脂層）の厚さ変動をもたらす。榭脂層の厚さ変動は、レーザ光を用いて情報の記録、または情報の再生を行う際に、球面収差の増大により光スポットのサイズの変動を引き起こす。さらに、上記厚さ変動は、情報面上へ光スポットの焦点を維持するフォーカス制御や、信号列に光スポットを追従させるトラッキング制御にも悪影響を与えてしまう。これらの結果、多層情報記録媒体について、情報の記録、または情報の再生が良好に行えな、と、う問題が生じる。

[0017] また、スピンコート法において上記厚さ変動を抑制するためには、回転テーブルの回転速度や回転数などを制御するための複雑なプログラムを作製しなければならない。よって、スピンコート法において上記厚さ変動を抑制しょうとすると、タクト時間が増大するという問題が生じる。

[0018] そこで、本発明者らは、榭脂層の形成にスピンコートではなぐスクリーン印刷技術の応用を試みた。次に、図 16A〜図 16Dを用いて、スクリーン印刷技術を用いた榭脂層の形成について説明する。

[0019] 図 12Aに示すように、まず、表面に第 1情報記録部 502が形成された第 1信号基板 501を、バキューム等の手段によってテーブル（図示せず）に固定する。次に、第 1情報記録部 502の上に、所定の間隔をあけて、例えば、スクリーン 504等の孔版を配置する。スクリーン 504は、スクリーン枠 506に固定されている。次〖こスクリーン 504上の網目が開いていない部分に紫外線硬化榭脂等を含む塗料を供給し、図 16Bに示すように、スクレッパー 507を摺動することにより、スクリーン 504の網目内に塗料を充填する。次に、スクリーン 504に所定の圧力をカ卩えるようにスキージ 508を摺動させ、スクリーン 504の網目内に充填された榭脂含有塗料を、網目力も押し出して、第 1情報記録部 502上へ塗布する（図 16C、図 16D参照)。第 1信号基板 501を入れ替え、図 16Aから図 16Dまでの作業を行うことによって、表面に塗料が塗布された第 1信号基板 501を複数得ることができる。なお、スムーズかつ確実な塗布を行うために、図 16 Aにおいて、スクリーン 504上に供給される塗料の量は、一層の塗料層の形成に必要な量より多い。そのため、余った塗料のみによって別の塗料層が形成されるカゝ、または、上記余った塗料に新たな塗料が追加されて、別の塗料層が形成される。

[0020] このようなスクリーン印刷では、信号基板を設置する時間と、スクレッパー 507及びスキージ 508がスクリーン上を摺動する時間の和力塗料塗布のタクト時間に相当するため、スピンコート法よりもタクト時間の短縮ィ匕を比較的容易に実現できる。

[0021] しかし、この製造方法では、スクリーン 504上に供給された塗料力スクレッパー 50 7及びスキージ 508の摺動に伴い変質してしまう。変質の原因としては、スクレッパー 507及びスキージ 508の摺動に伴い塗料が空気を巻き込みながら移動するので、粘度が変わることや、スクレッパー 507及びスキージ 508が摺動する際に生じる摩擦等によって、塗料の温度が変化すること等が考えられる。塗料の粘度が変化すると、塗料層の厚みが、塗料層毎に異なってしまう恐れがある。塗料層の厚みが、塗料層毎に異なると、複数の多層上表記録媒体の品質にバラツキが生じる。また、一つの塗料層または榭脂層につ、ても厚みむらが生じる恐れもある。

[0022] 本発明は、上記課題を解決するものであり、厚みの均一性が高い榭脂層を形成可能とすることにより、情報の再生、または情報の記録再生が良好に行われる多層情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0023] 本発明の多層情報記録媒体の製造方法は、 2以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された榭脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された多層情報記録媒体の製造方法であって、前記信号基板の一方の主面側に所定の情報記録部を形成する第 1工程と、複数の第 1孔を有する塗布領域と、複数の第 2孔を有する除去領域とを有するスクリーン上に供給された榭脂含有塗料の一部を、前記スクリーン上にスキージを摺動させることにより前記複数の第 1孔内を通過させて、前記所定の情報記録部上に塗料層を形成し、前記塗料層に含まれる榭脂を硬化して、前記榭脂層を形成する第 2工程とを含み、前記第 1工程と前記第 2工程とをそれぞれ所定回数行い、各第 2工程において、前記所定の情報記録部に塗布されなかった前記スクリーン上の残余の榭脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第 2孔内を通過させることにより、前記スクリーン上力も除去することを特徴とする。

[0024] 本発明の多層情報記録媒体は、本発明の多層情報記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。

[0025] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置は、 2以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された榭脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された多層情報記録媒体を製造するための製造装置であって、前記情報記録部を形成する情報記録部形成部と、前記榭脂層を形成する榭脂層形成部とを含み、前記榭脂層形成部は、複数の第 1孔を有する塗布領域と、複数の第 2孔を除去領域とを有するスクリーンと、前記スクリーン上に前記榭脂含有塗料を供給可能とする榭脂供給部と、前記スクリーン上を摺動可能とし、前記スクリーン上を摺動することによって、前記塗料供給手段によって前記スクリーン上に供給される前記榭脂含有塗料を、前記複数の第 1孔を通過させて前記情報記録部上に塗料層を形成可能とするスキージと、を含む印刷部と、前記塗料層に含まれる榭脂を硬化可能とする榭脂硬化実施部とを含み、前記除去領域は、前記情報記録部に塗布されずに前記スクリーン上に残る榭脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第 2孔内を通過させることにより、前記スクリーン上力除去可能とすることを特徴とする。

[0026] 本発明の多層情報記録媒体製造用スクリーンは、本発明の多層情報記録媒体の製造装置を構成するスクリーンであって、複数の第 1孔を有し、前記スクリーン上に供給される前記榭脂含有塗料の一部を、前記複数の第 1孔を通過させて前記情報記録部へ塗布可能とする塗布領域と、複数の第 2孔を有し、前記情報記録部に塗布されないで前記スクリーン上に残る榭脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第 2 孔内を通過させることにより前記スクリーン上力除去可能とする除去領域とを含むことを特徴とする。

[0027] 本発明の複数の多層情報記録媒体を連続製造する製造方法は、 2以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された榭脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された、多層情報記録媒体を複数個連続製造する製造方法であって、前記信号基板の一方の主面側に所定の情報記録部を形成する情報記録部形成工程と、複数の第 1孔を有する塗布領域と、複数の第 2孔を有する除去領域とを有するスクリーン上に供給される榭脂含有塗料の一部を、前記スクリーン上にスキージを摺動させることにより、前記複数の第 1孔内を通過させて、所定の情報記録部上に塗料層を形成し、前記塗料層に含まれる榭脂を硬化して、前記榭脂層を形成する榭脂層形成工程とを含み、各多層情報記録媒体を製造するために、情報記録部形成工程と榭脂層形成工程とをそれぞれ所定回数行い、各情報記録部に塗布されなカゝつた残余の榭脂含有塗料の少なくとも一部は、 1以上の塗料層を形成する毎に、または、他の塗料層を形成している最中に、複数の第 2孔内を通過させて、前記スクリーン上から除去することを特徴とする。

発明の効果

[0028] 本発明によれば、厚みの均一性がよい榭脂層を形成可能とすることにより、情報の記録、または情報の再生が良好に行える多層情報記録媒体を提供できる。また、複数の多層情報記録媒体にっ、て、品質のノツキが生じることを抑制できる。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、本発明の多層情報記録媒体の一例の断面図である。

[図 2]図 2は、図 1に示した多層情報記録媒体を構成する第 1情報記録部の一例の断面図である。

[図 3A]図 3Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明するーェ程断面図であり、榭脂含有塗料を塗布する直前の様子を示した図である。

[図 3B]図 3Bは、図 3Aに示されたスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

[図 4A]図 4Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明するーェ程の断面図であり、榭脂含有塗料を塗布した直後の様子を示した図である。

[図 4B]図 4Bは、図 4Aに示されたスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

[図 5A]図 5Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明するーェ程断面図である。

[図 5B]図 5Bは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明するーェ程断面図である。

[図 5C]図 5Cは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明するーェ程断面図である。

[図 5D]図 5Dは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明するーェ程断面図である。

[図 6A]図 6Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の他の例を説明する一工程断面図であり、榭脂含有塗料を塗布する直前の様子を示した図である。

[図 6B]図 6Bは、図 6Aに示されたスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

[図 7A]図 7Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の他の例を説明する一工程の断面図であり、榭脂含有塗料を塗布した直後の様子を示した図である。

[図 7B]図 7Bは、図 7Aに示されたスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

圆 8]図 8は、スクリーンから除去された榭脂含有塗料を収容するための容器の一例の平面図である。

[図 9A]図 9Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法のさらに別の例を説明する一工程の断面図であり、榭脂含有塗料を塗布する直前の様子を示した図である

[図 9B]図 9Bは、図 9Aに示されたスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

圆 10A]図 10Aは、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法のさらに別の例を説明する一工程の断面図であり、榭脂含有塗料を塗布した直後の様子を示した図である。

[図 10B]図 10Bは、図 10Aに示されたスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

[図 11]図 11は、本発明の多層情報記録媒体の製造装置の一例を示した構成概念図である。

圆 12]図 12は、図 11に示した多層情報記録媒体の製造装置を構成する榭脂層形成部の一例を示した構成概念図である。

圆 13A]図 13Aは、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 13B]図 13Bは、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 13C]図 13Cは、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 13D]図 13Dは、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 13E]図 13Eは、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 13F]図 13Fは、従来の多層情報記録媒体の作製の際に用いられる基板作製用金型の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

[図 14]図 14は、従来の多層情報記録媒体の一例を示す断面図である。

圆 15A]図 15Aは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15B]図 15Bは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15C]図 15Cは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15D]図 15Dは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15E]図 15Eは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15F]図 15Fは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15G]図 15Gは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 15H]図 15Hは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

圆 151]図 151は、従来の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程断面図である。

[図 15J]図 15Jは、図 15Cの一部の拡大図である。

圆 16A]図 16Aは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の他の一例を説明する一工程断面図である。

圆 16B]図 16Bは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の他の一例を説明する一工程断面図である。

圆 16C]図 16Cは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の他の一例を説明する一工程断面図である。

圆 16D]図 16Dは、従来の多層情報記録媒体の製造方法の他の一例を説明する一工程断面図である。

符号の説明

101、 901、 1001、 701e スキージ

102、 902、 1002 スクリーン枠

103、 903、 1003、 701c 樹脂含有塗料

104、 904、 1004、 701b スクリーン

106、 906、 1006 塗布領域

107、 907、 1007 除去領域

108、 908、 1008、 701f 容器

109、 909、 1009、 708 テーブル

110、 910、 1010 塗料層

914 除去補助領域

601 第 1信号基板

602 第 1情報記録部

603 第 2信号基板 (樹脂層)

604 第 2情報記録部

605 第 3信号基板 (樹脂層)

606 第 3情報記録部

607 第 4信号基板 (樹脂層)

608 第 4情報記録部

609 透明層

801 減圧槽

802 1§ 転写用基板

803 減圧ポンプ

804 加圧プレート

805、 712 光照射装置

701 印刷部

702 信号転写部 703 榭脂硬化実施部

704 剥離処理部

705 情報記録部形成部

706 透明層形成部

707 榭脂層形成部

発明を実施するための最良の形態

[0031] 本発明の多層情報記録媒体の製造方法の好ましい一例では、スクリーン上から除去された榭脂含有塗料はリサイクル処理されて、再度スクリーン上に供給される。

[0032] 本発明の多層情報記録媒体の製造方法の好ましい一例では、スクリーンが、塗布領域の周囲において、スキージの進行方向に沿って設けられ、複数の第 3孔を有した除去補助領域をさらに有している。あるいは、スクリーンが、塗布領域を挟むように配置された 1対の除去補助領域をさらに有し、各除去補助領域が複数の第 3孔を有している。このように、スクリーンが除去補助領域を有している場合、除去領域と除去補助領域とが繋がって、ると好まし、。

[0033] 本発明の多層情報記録媒体の製造方法の好ましい一例では、第 2工程において、塗布領域よりも除去領域の方が低くなるように、スクリーンを水平面に対して傾斜させる。そして、スクリーンに対応して所定の情報記録部も傾斜させる。この状態で、所定の情報記録部に榭脂含有塗料を塗布する。

[0034] 本発明の多層情報記録媒体の製造方法の好ま、一例では、榭脂含有塗料に含まれる榭脂が、例えば光硬化性榭脂である。光硬化性榭脂は、紫外線硬化性榭脂であると好ましい。榭脂含有塗料は、界面活性剤および脱泡剤のうちの少なくとも 1 種を含んでいると好ましい。

[0035] 本発明の多層情報記録媒体の製造方法の好ましい一例では、第 2工程において、塗料層を介して、凹凸表面を有する信号転写用基板と信号基板とを貼り合わせ、次いで、塗料層に含まれる榭脂を硬化して榭脂層を形成する。塗料層に含まれる榭脂の硬化後に、榭脂層から信号転写用基板を剥離する。この場合、信号転写用基板と信号基板とを、大気圧よりも低い気圧下で貼り合わせると好ましい。信号転写基板は、ポリオレフイン榭脂を含んでいると好ましい。 [0036] 本発明の多層情報記録媒体の一例は、本発明の製造方法の一例によって製造されているので、榭脂の厚みの均一性が優れている。そのため、多層情報記録媒体の光 (記録光、再生光)の入射側の表面から各情報記録部の記録までの距離、すなわち、光路長の変動が少ない。よって、本発明の多層情報記録媒体の一例では、球面収差の増大による光スポットのサイズの変動が抑制されており、フォーカス制御およびトラッキング制御も安定して行われる。

[0037] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、多層情報記録媒体の製造装置を構成する印刷部が、スクリーン上力も除去される榭脂含有塗料を収容可能とする容器を備えて、る。

[0038] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、榭脂層形成部が、信号転写用基板を含む信号転写部と、榭脂層から信号転写用基板を剥離する剥離処理部をさらに含む。信号転写用基板は、情報面として凹凸面を有し、塗料層に貼付けられることにより、塗料層に情報面を転写可能とする。

[0039] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、榭脂層形成部が、信号基板を着脱自在に固定可能とするテーブルを備える。

[0040] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、スクリーンが、塗布領域よりも除去領域の方が低くなるように、水平面に対して傾斜しており、かつ、スクリーンに対応してテーブルも傾斜して、る。

[0041] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、榭脂硬化実施部が

、光照射装置を備えている。この光照射装置は、例えば、紫外線を照射可能とする。

[0042] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ましい一例では、スクリーン上から除去されて容器に溜まる榭脂含有塗料に対してリサイクル処理をし、リサイクル処理された榭脂含有塗料を塗料供給手段に供給可能とするリサイクル機構を備えている。

[0043] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、スクリーンが、塗布領域の周囲において、スキージの進行方向に沿って設けられ、複数の第 3孔を有した除去補助領域を有して、る。

[0044] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、スクリーンが、塗布領域を挟むように配置された 1対の除去補助領域を有し、各除去補助領域が複数の第 3孔を有している。

[0045] 本発明の多層情報記録媒体の製造装置の好ま、一例では、除去領域と除去補助領域とが繋がっている。

[0046] 本発明の複数の多層情報記録媒体を連続製造する製造方法の好ましい一例では、 1層の塗料層を形成する毎に、スクリーン上に榭脂含有塗料を補充する。

[0047] 本発明の複数の多層情報記録媒体を連続製造する製造方法の好ましい一例では、スキージの摺動距離を、周期的に変化させる。

[0048] 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態は、多層情報記録媒体として、ディスク状の情報記録媒体を例に挙げて説明するが、本発明における多層情報記録媒体はこれに限定されず、例えば、メモリーカード等の情報記録媒体であってもよ、。

[0049] (実施形態 1)

実施形態 1では、本発明の多層情報記録媒体の製造方法の一例および、この方法により製造される多層情報記録媒体の一例について図 1〜図 5Dを用いて説明する。

[0050] 図 1は本発明の多層情報記録媒体の一例の断面図である。図 1に示すように、多層情報記録媒体は、第 1信号基板 601と、第 1信号基板 601の情報面上に配置された第 1情報記録部 602とを備えている。第 1信号基板 601は、ピットや案内溝を有する面を、凹凸形状の情報面として有している。また、多層情報記録媒体は、第 1情報記録部 602上に配置された第 2信号基板 603を備えている。第 2信号基板 603は、ピットや案内溝を有する面を、凹凸形状の情報面 (第 1信号基板 601側の面の反対面)として有している。多層情報記録媒体は、この情報面上に配置された第 2情報記録部 604を備えている。多層情報記録媒体は、第 2情報記録部 604上に配置された第 3信号基板 605を備えている。第 3信号基板 605は、ピットや案内溝を有する面を、凹凸形状の情報面 (第 2信号基板 603側の面の反対面)として有している。多層情報記録媒体は、この情報面上に配置された第 3情報記録部 606を備えている。多層情報記録媒体は、第 3情報記録部 606上に配置された第 4信号基板 607を備えて、る。第 4信号基板 607は、ピットや案内溝を有する面を、凹凸形状の情報面 (第 3信号基板 605側の面の反対面）として有している。多層情報記録媒体は、この情報面上に配置された第 4情報記録部 608と、第 4情報記録部 608上に配置された透明層 609とを備えて!/ヽる。

[0051] なお、本願 ίこおヽて、第 2〜4信号基板 603、 605、 607ίま、樹月旨層 603, 605, 60 7と呼び、第 1信号基板 601は単に信号基板 601と呼ぶ場合もある。

[0052] 第 1信号基板 601は、情報記録媒体の反りを抑制するため、情報記録媒体の剛性を高めるため、および他の光ディスク（CD、 DVDなど）との互換性を確保するために、外径 φ 120mm、厚さ 1. 0〜1. 1mm程度の円板力も形成されている。第 1信号基板 601の材料としては、例えば、ポリカーボネイトやアクリル系榭脂などが挙げられる。図 1に示した多層情報記録媒体では、第 1信号基板 601の材料としてポリカーボネイトを用いている。

[0053] 凹凸形状の情報面は、例えば、図 13Fに示したスタンパ 208を用いて、第 1信号基板 601の成型する際に同時に形成される。第 1信号基板 601は、例えば、射出圧縮成型法等の成形法により形成できる。第 1信号基板 601はその中心部に、直径 φ 15 mmの中心孔 610を有している。この中心孔 610によって、プレーヤによる情報の記録再生の際に、多層情報記録媒体はプレーヤの所定の位置に回転可能に保持される。

[0054] 第 1信号基板 601上に形成される榭脂層 603、 605、 607や透明層 609が光硬化性榭脂を含む場合、これらの層の形成の際には、光硬化収縮が生じる。この光硬化収縮は第 1信号基板 601に反りをもたらしてしまう。従って、榭脂層 603、 605、 607 および透明層 609の形成後において、多層情報記録媒体に反りが生じないよう、第 1 信号基板 601は、予め、上記光硬化収縮による反りと反対の反りを有するように形成されていると好ましい。

[0055] 本実施形態の多層情報記録媒体が再生専用の多層情報記録媒体 (ROM)である場合、第 1情報記録部 602は、例えば、 Al、 Ag、 Au、 Si、 SiOなどの金属や半導体

2

、誘電体を材料として、スパッタリングや蒸着等の方法により形成されている。

[0056] 次に、本実施形態の多層情報記録媒体が Write Once型の多層情報記録媒体である場合の第 1情報記録部 602の構成について図 2を用いて説明する。

[0057] 第 1情報記録部 602は、例えば、 AlCrからなる反射膜 503、 ZnSからなる第 1誘電体膜 504、 TeOPdからなる記録膜 505、 ZnSからなる第 2誘電体膜 506が、第 1信号基板 601 (図 1参照)側力もこの順で配置された構造をしている。これらの層は、いずれも、例えば、スパッタリングや蒸着等の方法により形成される。反射膜 503の材料には、 AlCrに代えて、再生専用の多層情報記録媒体と同様に、 Agや Au等の金属を主成分とする材料を用いてもょヽ。

[0058] 第 2情報記録部 604、第 3情報記録部 606、および第 4情報記録部 608につ、ても、第 1情報記録部 602と同様の構造をしている。反射膜 503の厚みを調整したり、反射膜 503を除去したり、および Zまたは第 1誘電体膜 504や記録膜 505の厚みを調整することにより、多層情報記録媒体の光学特性を調整できる。また、第 1〜4情報記録部は色素膜 (図示せず)等をさらに備えた構造をしていてもよい。

[0059] 榭脂層 603、 605、 607は、記録再生光に対してほぼ透明である。榭脂層 603は、例えば、アクリル榭脂を主成分とする紫外線硬化樹脂から形成されて!ヽると好まヽ。紫外線硬化榭脂は、紫外線域の波長の光に対してのみ高感度に反応して硬化するカゝらである。

[0060] 次に、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の一例について、図 3A〜図 5D を用いて説明する。

[0061] 図 3Aおよび図 4Aは、本実施形態の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程の断面図であり、図 3Aは塗布直前の様子を示した図、図 4Aは塗布直後の様子を示した図である。図 3Bは、塗布直前のスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図であり、図 4Bは、塗布直後のスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

[0062] これらの図において、 101はスキージ、 102はスクリーン枠、 103は紫外線硬化榭脂を含んだ榭脂含有塗料、 104はスクリーン、 601は第 1信号基板、 106は塗布領域、 107は余剰の榭脂含有塗料を除去するための除去領域、 111は塗料一時保持領域、 108はスクリーン 104上から除去された余剰の榭脂含有塗料を収容するための容器、 109はテーブル、 110は榭脂含有塗料が塗布されることにより形成された塗料層、 602は第 1情報記録部を表す。榭脂含有塗料 103は、紫外線硬化榭脂等の榭脂の他に、粘度調整のための溶媒、硬化開始剤等を含んでいてもよい。粘度調整のための溶媒には、例えば、トルエン、メチルェチルケトン (MEK)などが用いられる。

[0063] 本実施形態の多層情報記録媒体の製造方法では、まず、第 1信号基板 601の情報面上に、記録膜や反射膜などを含む第 1情報記録部 602を形成する (第 1工程)。第 1情報記録部 602を構成する記録膜 505 (図 2参照)や反射膜 503 (図 2参照)などは、いずれも、スパッタリングや蒸着等の方法により形成する。第 1信号基板 601は、必要に応じて、バキューム等の手段によってテーブル 109に固定されている。

[0064] 次に、第 1情報記録部 602上に榭脂層 603を形成する（第 2工程)。第 2工程では、下記の処理がなされる。

[0065] まず、第 1情報記録部 602が形成された第 1信号基板 601上に、所定の間隔をあけて、所定寸法の網目を有するスクリーン 104を配置する。上記間隔は、榭脂含有塗料の塗布が良好に行なわれれば特に制限はない。上記間隔は榭脂含有塗料の粘度等によって異なる力通常 lmn！〜 5mmが適当である。

[0066] スクリーン 104は、塗料一時保持領域 111と、塗布領域 106と、除去領域 107とを有している。これらの領域は、スキージ 101の進行方向 Xに沿ってこの順に存在している。ここで、スキージ 101の進行方向 Xとは、榭脂含有塗料を情報記録部に塗布する時のスキージ 101の移動方向のことである。

[0067] 塗料一時保持領域 111は、榭脂含有塗料 103を一時的に保持するための領域である。塗布領域 106は、スクリーン 104の厚み方向に貫通した複数の第 1孔を有している。複数の第 1孔は例えば網目であり、この網目内を通過した榭脂含有塗料は被印刷物 (情報記録部）に塗布される。各第 1孔の大きさや数等を調整することにより、塗布量を適切な量に調整できる。除去領域 107は、スクリーン 104の厚み方向に貫通した複数の第 2孔を有している。複数の第 2孔も例えば網目であり、情報記録部に塗布されなかった残余の榭脂含有塗料は複数の第 2孔内を通過して、スクリーン 104 上から除去される。

[0068] スクリーン枠 102にスクリーン 104が固定されたスクリーン部材 114は、例えば、下記のようにして作製される。

[0069] まず、スクリーン枠 102に、例えば、網目等の複数の孔を有する多孔質材料等を張り、この多孔質材料に感光乳剤をコーティングする。次いで、コーティングされた多孔質材料のうちの塗布領域 106となる箇所および除去領域 107となる箇所以外を遮光マスクによりマスクする。次いで、露光装置を用いて多孔質材料に紫外線を一定時間照射する。紫外線照射によって露光された部分を水噴射などによって水洗することにより現像すれば、塗布領域 106と除去領域 107とを有するスクリーン 104がスクリーン枠 102に固定されたスクリーン部材 114を得ることができる。

[0070] なお、スクリーン枠 102の材料には、例えば、木材、アルミニウム、ステンレス、プラスチックなどを用いることができる。なかでも、軽量かつ剛性の高いアルミニウムが好ましい。多孔質材料の原料には、例えば、シルク、ナイロン (登録商標）、ポリエステル、ポリアリレート、ステンレスなどを用いることができる力なかでも、摩擦等による被印刷物への負荷が小さくできる点においてポリエステルが好ましい。また、外圧に対する復元性がょ、点では、ポリアリレートが好ま U、。

[0071] 感光乳剤には、例えば、ジァゾ二ゥム塩または重クロム酸塩を、 PVAまたは酢酸ビ -ルェマルジヨンに混合し溶解させたものなどを用いることができる。スクリーン 104 の塗布領域 106および除去領域 107におけるメッシュ数（1インチ当たりの線材の本数）は、 100〜600であると好ましい。線材の線幅は 20 μ m〜100 μ mであると好ましい。メッシュ数および線材の線幅がこの範囲内にあれば、榭脂含有塗料の通過不良や塗布ムラを生じさせることなぐ榭脂含有塗料を塗布できる。なお、複数の第 1孔および複数の第 2孔は網目に限定されない。

[0072] 以下に、スクリーン枠 102としてアルミを使用し、スクリーンの材料としてポリエステルカゝらなる多孔質材料を使用した例について、より具体的に、第 2工程を説明する。しかし、スクリーン枠 102やスクリーン 104に他の材料を用いた場合も、この例と同様の効果を奏する。

[0073] まず、図 3Aおよび図 3Bに示すように、スクリーン 104のうちの塗料一時保持領域 1 11上に榭脂含有塗料 103を滴下する。滴下は例えばディスペンサー等により行う。榭脂含有塗料 103の滴下量については、一層の塗料層（硬化後に榭脂層となる）の形成に必要な量であれば特に制限はな、が、スムーズかつ確実な塗布を行うためには、一層の塗料層の形成に必要な量よりも多いと好ましい。また、一層の塗料層の形成に必要な量よりも多、榭脂含有塗料を一度に供給しておけば、一層の塗料層の形成後に榭脂含有塗料を補充しなくても、スキージ 101に付着した榭脂含有塗料によつて、別の塗料層を 1層以上形成できる。

[0074] 図 3Aおよび図 3Bに示した例では、塗料一時保持領域 111が、スクリーン 104のスキージ 101の進行方向両端部のうちの、進行開始端部の近傍に有る。スキージ 101 は、スクリーン 104上の塗料一時保持領域 111に供給された榭脂含有塗料 103よりも、より進行開始側に配置しておく。

[0075] 次に、スキージ 101を、スクリーン 104に荷重をカ卩えながら、スクリーン 104上を摺動させ、スクリーン 104の塗布領域 106を通過させる。スキージ 101の摺動に伴い、榭脂含有塗料の一部は、塗布領域 106の複数の第 1孔内を通過して、第 1情報記録部 602に塗布される。第 1情報記録部 602に塗布されなカゝつた残余の榭脂含有塗料 1 03については、塗布領域 106と除去領域 107の間の領域 113に溜められる力または、除去領域 107の複数の第 2孔内を通過してスクリーン 104上から除去される。図 4Aおよび図 4Bに示した例では、残余の榭脂含有塗料は領域 113に溜められている。領域 113に溜められた榭脂含有塗料 103は、例えば、下記（1)および Zまたは（2) のようにしてスクリーン 104上から除去される。

[0076] (1)榭脂含有塗料 103自信の流動性により徐々に除去領域 107内に移動して、スクリーン 104上から除去される。

[0077] (2)別の多層情報媒体の製造過程において上記と同様にして塗料層を形成する。

この塗料層の形成の際に残った余剰の榭脂含有塗料によって、領域 113に既に溜まっていた榭脂含有塗料 103が領域 113から押し出されて除去領域 107内に入り、スクリーン 104上から除去される。

[0078] スクリーン 104に供給される榭脂含有塗料 103の粘度については、低すぎると塗布された榭脂含有塗料の流動が高くなりすぎる。榭脂含有塗料 103の流動が高すぎると、第 1信号基板 601から榭脂含有塗料 103がはみ出たり、硬化後に第 1信号基板 1 05の周縁端部で樹脂の盛り上りが生じたりする。一方、榭脂含有塗料 103の粘度が高すぎると、榭脂含有塗料 103が塗布領域 106の第 1孔内を通過し難くなる。そのため、榭脂含有塗料 103の第 1情報記録部 602への塗布が行い難くなる。温度変化及び Z又は湿度変化に起因する榭脂含有塗料 103の粘度への影響等を考慮すると、スクリーン 104に供給される榭脂含有塗料 103の粘度は、 25°Cの雰囲気下で、 30c ps〜： LOOOOcps (30mPa ' s〜： LOOOOmPa ' s)であると好ましく、 1000cps〜5000c ps ( lOOOmPa - s〜5000mPa · s)であるとより好ましヽ。

[0079] なお、本願にお!、て、粘度は、回転粘度計を用いて測定した値である。回転粘度計を用いた粘度の測定方法は、回転子の回転トルクが粘度に比例することを利用している。回転子には、例えば、円筒形のローターや羽等が用いられる。回転トルクとは、試料 (榭脂含有塗料）中に入れられた回転子を、棒状の軸を介して連結されたモ一ター等によって一定速度で回転させ続けるのに必要な力のことである。

[0080] 本実施形態では、製造される多層情報記録媒体について、開口数が 0. 85の対物レンズと、波長 405nmのレーザ光源とを備えた記録再生ヘッドを用いて、情報の再生が可能となるよう、榭脂層 603、 605、 607 (図 1参照）の平均厚みは、例えば、 5 μ m〜25 μ mとされる。

[0081] 榭脂含有塗料 103の塗布範囲は、スクリーン 104における塗布領域 106の面積や、形状等を選択することにより制限できる。本実施形態において、第 1信号基板 601 の外径 φは、例えば 120mmである。第 1信号基板 601は、例えば直径 φ 15mmの中心孔 610 (図 1参照）を有している。このような第 1信号基板 601に対して、例えば、第 1信号基板 601の内径よりも外側の領域であって (例えば、中心から 10mm以上離れた領域)、かつ、第 1信号基板 601の外径よりも内側の領域 (例えば、中心から 59. 5mm以内の領域）にのみ、榭脂含有塗料 103を塗布可能な塗布領域 106を有するスクリーン 104を用いる。このようなスクリーン 104を用いれば、第 1信号基板 601の外周縁部 601a (図 1参照）および内周縁部 601b (図 1参照）を除く第 1信号基板 601 上、すなわち、直径 119mmの円内であって、直径 20mmの円外に、榭脂含有塗料 105を塗布できる（図 4A参照)。

[0082] 第 1信号基板 601の外周縁部 601a (図 1参照)や内周縁部 601b (図 1参照）にも榭脂含有塗料 103を塗布した場合に、榭脂含有塗料 103に含まれる榭脂を硬化させると、各縁部に塗布された榭脂が表面張力により盛り上がる。その結果、各縁部上における樹月旨層 603, 605, 607 (図 1参照）の厚み力 S、樹月旨層 603, 605, 607の他の咅分の厚みよりも顕著に大きくなる。よって、榭脂層 603, 605, 607の厚みの均一性が悪くなる。榭脂層 603, 605, 607の厚さ変動は、レーザ光を用いて情報の記録、または情報の再生を行う際に、球面収差の増大により光スポットのサイズの変動を引き起こす。さらに、上記厚さ変動は、情報面上へ光スポットの焦点を維持するフォーカス制御や、信号列に光スポットを追従させるトラッキング制御にも悪影響を与えてしまう。これらの結果、多層情報記録媒体に対して情報の記録または情報の再生が良好に行えないという問題が生じる。また、第 1信号基板 601から榭脂含有塗料がはみ出すことにより、多層情報記録媒体の内外径各々の寸法精度が悪化し、美観も損なうなどの問題が発生する。

[0083] しかし、上記のとおり、スクリーン 104における塗布領域 106の面積や形状等を、スクリーン 104に対向する第 1信号基板 601の平面内に納まるように設定すれば、榭脂層 603, 605, 607 (図 1参照）の厚さ変動、および光路長の変動が抑制される。その結果として、球面収差の増大による光スポットのサイズの変動を抑制でき、フォーカス制御およびトラッキング制御も安定して行われる多層情報記録媒体を提供できる。また、寸法精度がよぐ外観の良好な多層情報記録媒体を提供できる。

[0084] スクリーン 104における除去領域 107の面積や形状等については、余剰の榭脂含有塗料を十分除去できれば特に制限はないが、図 3Bに示すように、スキージ 101の幅 W1よりも、スキージ 101の進行方向 Xと直交する除去領域 107の幅 W2の方が大きいと好ましい。幅 W2が幅 W1よりも大きいと、図 4Bに示すように、スキージ 101の両端 101a, 101bからはみ出た榭脂含有塗料 103についても効率よく除去できるからである。また、除去領域 107の面積が大きければ大きいほど、より効率的に榭脂含有塗料を除去できる。

[0085] スクリーン 104における除去領域 107の配置位置については、スキージ 101の進行方向に沿って、塗布領域 106よりも、進行方向終了側に配置されており、塗布領域 1 06と繋がっていなければ特に制限はない。しかし、余剰の榭脂含有塗料 103が逆流して塗布領域 106内に浸入しな程度に、塗布領域 106と除去領域 107とが離れていると好ましヽ。

[0086] 榭脂含有塗料 103には、塗布時の空気混入を抑制するために、界面活性剤が含まれていると好ましい。空気が混入した榭脂含有塗料 103を用いると、榭脂層の厚みの均一性が損なわれるとともに、多層情報記録媒体の記録特性または再生特性が劣化してしまうからである。

[0087] 界面活性剤としては、例えば、ァニオン性の界面活性剤、またはノニオン性の界面活性剤等が挙げら得るが、なかでも、塗料層 110のレべリング (表面凹凸の平滑化）力り良好に行える、ノ-オン性の界面活性剤が好ましい。

[0088] また、本実施形態の多層情報記録媒体の製法方法では、榭脂含有塗料 103中に混入した気泡を除去する方法として、下記（1)〜（3)の方法を採用することが好ましい。

[0089] (1)榭脂含有塗料 103の塗布後には、塗料層 110に信号転写が行なわれ、次いで、塗料層 110に含まれる榭脂の硬化が行なわれる。榭脂含有塗料を塗布して塗料層を形成した後、塗料層を所定時間放置した後に信号転写を行う。信号転写は、例えば、凹凸表面を情報面として有する信号転写用基板 802 (図 5A参照）を用いて行う。放置環境は、大気圧下でもよいが減圧下 (例えば、 lPa〜： LOOPa)であると好まし Vヽ。好ま Uヽ放置時間は榭脂含有塗料 103の粘度や放置環境等により左右されるが、榭脂含有塗料 103の粘度が高ければ高いほど長い時間が必要となる。通常は 1〜 5分間程度である。所定時間放置することにより、榭脂含有塗料 103に含まれる気泡が除去されるとともに、塗料層 110のレべリングも行なわれるので好ましい。なお、「平滑」の程度は、第 1信号基板 601と、信号転写用基板 802 (図 5A参照）との貼り合わせが良好に行える程度であれば充分である。

[0090] (2)榭脂含有塗料に消泡剤を混入する。消泡剤には、例えば、シリコン系消泡剤、非シリコン系消泡剤等を用いることができる。なかでも、榭脂層 603, 605, 607 (01 参照）の光透過性を良好に確保する観点からは、非シリコン系消泡剤が好ましい。非シリコン系消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、 2—ェチルへキサノール、ポリプロピレン誘電体、ォレイン酸などが挙げられる。

[0091] (3)予め脱泡された榭脂含有塗料を用いる。脱泡は、ロータリーポンプなどにより減圧された金属製のドラム容器内等で行える。

[0092] (1)〜 (3)を採用することによる気泡除去効果は、榭脂含有塗料の材料や粘度等によって異なるが、これらを組み合わせて採用することにより、榭脂含有塗料中の泡を大幅に低減できる。

[0093] 以上のようにして、高精度、且つ厚みの均一性が良好な塗料層 110を形成できる（図 4A参照)。

[0094] 次に、テーブル 109から、塗料層 110がー方の主面の上方に形成された第 1信号基板 601を取り出し、別の、第 1情報記録部 602が形成された第 1信号基板 601をテ一ブル 109に固定する。第 1情報記録部 602が形成された第 1信号基板 601の入れ替えとスキージ 101の進行方向 Xへの摺動とを繰り返して行って、榭脂含有塗料 103 の塗布を複数の第 1情報記録部に対して行えば、塗料層を連続的に形成できる。

[0095] より具体的説明すると、例えば、図 3A〜図 4Bを用いて説明した処理を、異なる、第 1情報記録部 602が形成が形成された第 1信号基板 601に対して行う。スクリーン 10 4への榭脂含有塗料 103の供給は、 1層の塗料層 110を形成する毎に行ってもょヽし、または、複数の塗料層 110を形成する毎に行ってもよい。

[0096] 各塗料層 110の形成後、図 4Aに示したスキージ 101については、進行方向 Xとは逆方向に摺動される。この逆方向へのスキージ 101の摺動と、第 1情報記録部 602 が形成された第 1信号基板 601の入れ替えとを同時進行させれば、別の榭脂層形成にかかるタクト時間を短縮できる。

[0097] 次に、第 2工程における、榭脂含有塗料 103の塗布後の処理について説明する。

[0098] 図 5Aに示すように、塗料層 110がー方の主面の上方に形成された第 1信号基板 6 01を、減圧槽 801の中に配置する。第 1信号基板 601の中心部に形成された中心孔 610にセンターボス 806を通すことによって、第 1信号基板 601を所定の位置に固定する。信号転写用基板 802についても減圧槽 801中に配置する。信号転写用基板 802は、例えば、紫外線硬化樹脂との剥離性が良好な、ポリオレフインを含んでいると好ましい。また、ポリオレフインは成形性が良好であり、ピットや案内溝を含む凹凸形状を有する情報面を例えば射出圧縮成形等の榭脂成形法により容易に成形できるので、信号転写用基板 802の材料として好適である。

[0099] さらに、ポリオレフインは紫外線を透過させることが可能であるので、信号転写用基板 802越しに、塗料層 110に紫外線を照射すれば、塗料層 110に含まれる紫外線硬化榭脂を効率良く硬化できる。ポリオレフインとしては、例えば、シクロペンタジェンを原料とするシクロォレフインが挙げられる。

[0100] 第 1信号基板 601の平均厚みが、例えば、 1. 1mmである場合、信号転写用基板 8 02の平均厚みは、例えば、 0. 6mmであると好ましい。第 1信号基板 601よりも薄い信号転写用基板 802を用いれば、厚さの相違による剛性差により、榭脂硬化後の信号転写用基板 802の剥離が容易に行える。

[0101] 減圧槽 801内は、ロータリーポンプやメカ-カルブースターポンプなどの減圧ポンプ 803によって排気可能であり、短時間で所定の気圧にまで減圧可能である。本実施形態においては、減圧槽 801内力例えば、 lOOPa以下の真空度に達したときに、図 5Bに示すように、信号転写用基板 802と第 1信号基板 601とを塗料層 110および第 1情報記録部 602を介して貼り合わせる。このとき、加圧プレート 804によって、信号転写用基板 802を加圧して、塗料層 110に信号転写用基板 802の凹凸面を情報面として転写する。減圧槽 801内が減圧されていることから、塗料層 110と信号転写用基板 802との間に気泡を混入させることなぐ信号転写用基板 802と第 1信号基板 601と貼り合せることができる。また、榭脂含有塗料の第 1情報記録部 602への塗布時に、塗料層内に混入した気泡も取り除くことができる。

[0102] 次に、貼り合わされた第 1信号基板 601と信号転写用基板 802とを、減圧槽 801から取り出す。次いで、図 5Cに示すように、信号転写用基板 802の上方に配置された紫外線照射装置 805によって、信号転写用基板 802越しに、塗料層 110に紫外線を照射して、榭脂含有塗料に含まれる紫外線硬化榭脂を硬化し、塗料層 110を榭脂層とする。

[0103] 次いで、榭脂層 603から信号転写用基板 802を剥離する（図 5D参照)。この際、信号転写用基板 802と榭脂層 603との間に圧縮エアーを吹き込むと好ましい。このようにして、情報面を有する榭脂層 603を形成する。

[0104] なお、紫外線の照射、および Zまたは、信号転写用基板 802の剥離についても、信号転写用基板 802と第 1信号基板 601との貼り合せ時と同様に、減圧雰囲気下で行なってもよい。

[0105] 次に、第 1工程として、第 2情報記録部 604を、第 1情報記録部 602と同様に、スパッタリング等の方法により形成する。さらに、第 3〜4情報記録部 606, 608についても、同様にして形成する。また、第 2工程として、榭脂層 605, 607についても、同様にして形成する。すなわち、第 1情報記録部 602と榭脂層 603とを形成した後、さらに、第 1工程と第 2工程とをこの順で、各々必要回数行う（図 1参照)。

[0106] 最後に、第 4情報記録部 608上に、透明層 609を形成する。透明層 609は、例えば、記録再生光に対してほぼ透明な (透過性を有する）アクリル榭脂を主成分とした紫外線硬化榭脂を用いて形成する。透明層 609についても、例えば、榭脂層 603、 60

5, 607と同様に、透明層 609形成用の塗料をスクリーンを通して第 4情報記録部 60 8等に塗布することにより形成する（図 1参照)。

[0107] 第 4情報記録部 608の直上における透明層 609の平均厚みは、透明層 609の表面力も第 1情報記録部 602までの距離が、 100 m程度となるように、透明層 609と第 1情報記録部 602との間に配置された榭脂層 603、 605、 607の厚みに応じて決定される。上記 100 /z mは、今回用いた記録再生ヘッドによる球面収差の補正可能限界である。

[0108] 例えば、榭脂層 603、 605、 607の平均厚さ力 9. 5 m、 13. 5 m、 17. 5 m である場合は、透明層 609の平均厚さは、 59. 5 m (100 m— 9. — 13. 5 μ ηι- ΙΊ. 5 m)とする。樹月旨層 603、 605、 607の平均厚さ力いずれも 10 mである場合は、透明層 609の平均厚さは、 70 m (100 m— 10 m X 3層）とする。なお、第 1〜4情報記録部の各厚みは、榭脂層 603、 605、 607や透明層 609のそれと比較して桁違いに薄!、ので無視できる。

[0109] 本実施形態の多層情報記録媒体の製造方法では、榭脂層 603、 605、 607および第 1〜第 4情報記録部 602, 604, 606, 608がいずれも、第 1信号基板 601の外周縁部 601aおよび内周縁部 601bを除く第 1信号基板 601上に形成されている（図 1 参照)。そのため、透明層 609は、第 1信号基板 601の外周縁部 601aおよび内周縁部 60 lbと接合するように形成できる。したがって、第 1〜4情報記録部 602, 604, 6

06, 608と樹月旨層 603、 605、 607とを、透明層 609と第 1信号基板 601によって囲うことができる。ポリカーボネイトは硬化前の紫外線硬化榭脂および硬化後の紫外線硬化榭脂と接着性が高い。したがって、第 1信号基板 601の材料として、ポリカーボネィトを用い、透明層 609の材料として紫外線硬化榭脂を用いれば、湿気などが原因で各榭脂層とそれに接する情報記録部とが剥離することを抑制できる。

[0110] 上記では、第 1信号基板の上方に塗料層を形成した後に信号転写基板を重ね合わせることで塗料層に信号を転写する場合について説明した。しかし、例えば、榭脂含有塗料の粘度が比較的低いために、所望の厚みの榭脂層を形成することが困難な場合は、下記ようにして塗料層を形成してもよヽ。

[0111] 信号転写用基板 802上に、第 1榭脂含有塗料を第 1スクリーンの孔を通して塗布する。一方、第 1信号基板の上方に、第 2榭脂含有塗料を第 2スクリーンを通して塗布する。第 1スクリーンと第 2スクリーンは、それぞれ、図 3A〜図 4Bを用いて説明したスクリーン 104と同様のものを用いればよい。第 1榭脂含有塗料および第 2榭脂含有塗料には、図 3 A〜図 4Bを用ヽて説明した例と同様のものを用、ればよ!/、。

[0112] 次いで、第 1榭脂含有塗料および第 2榭脂含有塗料を介して、第 1信号基板 601と信号転写用基板 802とを、大気圧よりも低い気圧下で貼り合わせる。第 1榭脂含有塗料と第 2榭脂含有塗料とを密着させた後に、これらの榭脂含有塗料に信号転写基板を介して紫外線を照射し、榭脂を硬化させる。このようにすれば、榭脂含有塗料の粘度が比較的低、場合であっても、所望の厚みの榭脂層を形成できる。

[0113] 次ぎに、複数の塗料層を榭脂含有塗料を途中で補充することなく形成する場合について検討する。

[0114] 下記の条件下で、榭脂含有塗料を途中で補充することなく 20層の塗料層 110 (図 4A参照）を形成した。そして、このようにして形成された各塗料層 110に含まれる榭脂を硬化して得られる各榭脂層 603 (図 1参照）について厚みを測定した。表 1には、各榭脂層 603の平均厚み、最小厚み、最大厚み、厚み斑を示している。なお、各榭脂層の平均厚みの目標値は 25 μ mとした。

[0115] 塗料層の形成前の雰囲気温度 25°C

第 1信号基板 601の形状：外径 120mm、内径 15mm

第 1情報記録部 602の形状：外径 117mm、内径 46mm

スクリーンの材料:塗布領域 106および除去領域 107 (図 3B等参照）以外の領域に乳化剤（ジァゾ感光乳剤）がコーティングされたポリアリレート製メッシュ

塗布領域 106におけるメッシュ数： 160 (線幅： 45 m) 除去領域におけるメッシュ数： 100 (線幅： 70 m)

榭脂含有塗料の供給量： 5ml

塗布前の榭脂含有塗料 103の粘度： 2000mPa' s (雰囲気温度 25°C) 塗布前におけるスクリーン 104と第 1情報記録部 602との最短距離： 3. 5mm

[0116] (榭脂層の厚みの測定箇所）

各榭脂層の厚みは、第 1信号基板 601の中心を中心とする半径 22mm、 28mm, 33mm、 58mm、 43mm、 48mm、 5 5mm、 58mm, 58. 5mm、 58. ommの円周上を、それぞれ、 6度間隔で測定した。すなわち、互いに測定箇所が重複しないように 600箇所について、各榭脂層の厚みを測定した。表 1における平均厚みは 600箇所における厚みの平均値である。

[0117] (榭脂層の厚みの測定方法）

榭脂層の厚みは、光の干渉効果を利用した方法 (PV法）にて測定した。この測定方法は、榭脂層の表面で反射した光とその裏面で反射した光が互いに干渉を起こし、これらの反射光の位相が一致すると強度が高まり、ずれると弱まるという性質を利用している。波長の変化に伴い反射光強度が変化する干渉パターンが観測され、このノ《ターンにおけるピーク波長 λ 1およびバレー波長 λ 2が、光路差 2nd (η=榭脂層の屈折率、 d=榭脂層の厚さ）の整数倍であるという関係から、榭脂層の厚み dを得る

[0118] 榭脂層の厚みの測定には、多層情報記録媒体の記録再生に用いるレーザ光よりも、長波長のレーザ光を用いた。多層情報記録媒体に記録された情報を再生するレーザ光と同等の波長の光を出射する光源を、榭脂層の厚みを測定するための装置に用いた場合、情報記録部に記録されている情報によって光回折が発生し、この光回折が、榭脂層の厚みの測定に悪影響を与えてしまうからである。本例では、記録再生用のレーザ光として、波長が約 400nm程度の青色レーザを使用するので、波長 650 nmの程度の赤色レーザ光を用いて榭脂層の厚みを測定した。

[0119] 表 1中の厚み斑とは、「平均厚み 25 m」を榭脂層の厚みの目標値として榭脂層を形成した場合の、 Peak to Peak value (PP値）のことである。例えば、 PP値が 1. 5 μ mである場合、表 1にお!/、て 1. 5 μ mと記載して!/、る。 [0120] [表 1]

[0121] 多層情報記録媒体が、波長 405nmの光を用いて記録再生される多層情報記録媒体であり、榭脂層の平均厚みの目標値が 25 μ mである場合、榭脂層に関して許容される PP値は 2. 5 μ mである。

[0122] 表 1に示すように、 1〜： L 1層目の塗料層の厚み斑は 2. 5 以下となっている。このこと力ゝら、 11層目の塗料層を形成し終わる前に樹脂含有塗料を補充しなくても、厚み斑について実用上許容される 11層の榭脂層を形成できることが確認できた。

[0123] 表 1に示すように、後に形成された榭脂層ほど厚み斑が大きくなつているが、これは、榭脂含有塗料の粘度と温度が変化し榭脂含有塗料が変質したためと考えられる。榭脂含有塗料が変質する主要因は、榭脂含有塗料の移動中の空気の巻き込みと、移動による摩擦熱の発生であると考えられる。

[0124] なお、表 1に示した例では、雰囲気温度 25°Cにおける粘度が 2000mPa' sの榭脂含有塗料を用いた場合の結果である力 25°Cの雰囲気下における粘度が 1000〜4 OOOmPa . sの榭脂含有塗料を用いた場合も、同様の結果か得られる。

[0125] 次に、 10層の塗料層を形成する毎に、榭脂含有塗料を 30ml追加して、連続して 5 000層の塗料層を形成する場合につ、て検討する。

[0126] 5000層の榭脂層のうちの幾つかの榭脂層について厚みを測定し、表 2に、それらの榭脂層の平均厚み、最小厚み、最大厚み、厚み斑を示した。初回の榭脂含有塗料の供給量も 30mlとした。 5000層の塗料層の形成最中、スクリーンの温度とスクリーン上の榭脂含有塗料の温度がほぼ一定に保たれるように、水冷式クーラーを用いて 22°Cの風を 10m³Zmin、雰囲気中に供給し続けた。榭脂層の厚みの測定方法は表 1に示した例と同様の方法で行った。その他の条件は、表 1に示した例と同様にした。

[0127] [表 2]

平均厚み ( m) 最小値 m) 最大値（^ m) 厚み斑（ m)

1枚目 24.8 24.0 25.5 1.5

2枚目 25.1 24.1 25.4 1.3

3枚目 25.0 24.2 25.8 1.6

4枚目 25.2 24.3 25,8 1.5

-

10枚目 25.4 24.9 26.1 1.2

100枚目 25.1 24.7 26.0 1.3

200枚目 25.3 24.4 26,0 1.6

500枚目 25.5 24.9 26.1 1.2

1000枚目 24.7 23.8 25.2 1.4

2000枚目 24.8 24.0 25.4 1.4

5000枚目 25.4 25.0 26.4 1.4

[0128] 表 2に示すように、測定した全ての榭脂層について、厚み斑は 2. 5 m以下であり、ほぼ一定であった。榭脂層の平均厚みについてもほぼ一定であった。

[0129] 表 2に示した例では、 10層の塗料層を形成する毎に、樹脂含有塗料を 30ml追加した。ところで、例えば、第 1信号基板 601の外径が 120mm、内径が 15mmであり、第 1情報記録部 602の外径が 117mm、内径力 6mmである場合、榭脂層 603の形成に必要な樹脂含有塗料の量は約 0. 25mlである。よって、 10層の榭脂層の形成に消費される樹脂含有塗料の量は 2. 5mlにしか満たない。よって、計算上では、 10 層の塗料層を形成する毎に、スクリーン 104上の、除去領域 107と塗布領域 106との間の領域 113 (図 4B参照）に 27. 5ml (= 30ml- 2. 5ml)の榭脂含有塗料 103が積載される。このように、榭脂層の形成に必要な榭脂含有塗料の量よりも、遥かに多い量の榭脂含有塗料を供給するのは、スムーズかつ確実に、厚み斑の小さい塗料層を形成するためである。

[0130] 図 4Bに示すように、領域 113に溜まった榭脂含有塗料は、追加される余剰の榭脂含有塗料によって領域 113から押出され、除去領域 107内に入る。除去領域 107内に押し込まれた榭脂含有塗料は、その自重により除去領域 107の複数の第 2孔 (例えば、網目）内を通過し、徐々にスクリーン 104上から除去される。

[0131] また、除去領域 107の下方には、スクリーン 104上から除去された榭脂含有塗料を貯留する容器 108が設けられている。そのため、スクリーン 104上から落下した榭脂含有塗料は順次この容器 108内に蓄積される。よって、スクリーン 104上には、 10層の塗料層を形成する毎に、計算上では、 27. 5mlの余剰の榭脂含有塗料が積載されることになるが、除去領域 107から徐々に余剰の榭脂含有塗料が除去されるため、スクリーン 104上力も榭脂含有塗料があふれ出る心配はない。

[0132] 容器 108の形状や開口面積等については、スクリーン 104上から除去された榭脂含有塗料を収容できる限り特に制限はない。

[0133] 容器 108内に貯留された榭脂含有塗料は、リサイクル処理されて再利用されることが望ましい。余剰の榭脂含有塗料は、大気に長時間さらされ、および Zまたは、スクリーン 104に擦り付けられているので、気泡や異物が混入している可能性が高い。気泡や異物が混入した榭脂含有塗料を榭脂層の形成に用いると、良好な記録または再生が行えなくなる。よって、再使用前に、榭脂含有塗料中の気泡や異物は取り除 V、ておかなければならな!/、。

[0134] リサイクル処理は例えば、下記の方法（1)〜（4)により行える。

[0135] (1)フィルターに通して、榭脂含有塗料中の異物を除去する。

(2)榭脂含有塗料を減圧槽内にしばらくの間入れて、榭脂含有塗料中の気泡を除去する。

(3)遠心力を利用して、榭脂含有塗料中の気泡を除去する。 (4)超音波を利用して、榭脂含有塗料中から気泡を浮き上がらせ、または、破泡させる。

[0136] これらの方法は、 2種以上組み合わせて採用すると好ましい。例えば、直径 10 m 以上の不純物の透過を阻止可能な程度の網目を有するカートリッジフィルターに通して、リサイクル対象の榭脂含有塗料から不純物を除去した後、遠心脱泡機を用いて、不純物除去後の榭脂含有塗料から気泡を除去すると好ましい。このようなリサイクル処理を経た榭脂含有塗料を再度スクリーン 104上に供給すれば、榭脂含有塗料の有効使用率を高めることができる。

[0137] 以上のとおり、本実施形態では、複数層（例えば 10層）の塗料層を形成する毎に、榭脂含有塗料を供給しても、榭脂層の厚みと厚み斑をほぼ一定に保つことができるので、大量生産に適している。また、スクリーン 104に、余剰の榭脂含有塗料を除去するための除去領域 107を設けているので、余剰の榭脂含有塗料をスクリーン 104 上から除去できる。そのため、スクリーンのメンテナンス頻度を減らすことができる。さらに、スクリーン 104上から除去された余剰の榭脂含有塗料については、リサイクル処理をすることによって再度スクリーン 104上に供給できるので、榭脂含有塗料の有効使用率が高くなる。

[0138] (実施形態 2)

実施形態 2では、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の他の例について、図 6A〜図 8を用いて説明する。

[0139] 図 6Aおよび図 7Aは、本実施形態の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程の断面図であり、図 6Aは塗布直前の様子を示した図、図 7Aは塗布直後の様子を示した図である。図 6Bは、塗布直前のスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図であり、図 7Bは、塗布直後のスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。榭脂含有塗料 903については、実施形態 1で用いた榭脂含有塗料 103 と同様のものを用いればょ、。

[0140] これらの図において、 901はスキージ、 902はスクリーン枠、 903は紫外線硬化榭脂を含んだ榭脂含有塗料、 904はスクリーン、 601は第 1信号基板、 602は第 1情報記録部、 906は塗布領域、 907は余剰の榭脂含有塗料 903を除去するための除去領域、 911は塗料一時保持領域、 908はスクリーン 904から除去された余剰の榭脂含有塗料 903を収容するための容器、 909はテーブル、 910は榭脂含有塗料 903が塗布されることにより第 1信号基板 601上に形成された塗料層を表す。

[0141] 本実施形態では、第 2工程において、（1)塗布領域 106を挟むように配置され、塗布領域 106と離間した 1対の除去補助領域 914を有するスクリーン 904を用いたこと、および（2)この 1対の除去補助領域 914を設けたことに対応して、スクリーン 904から除去された余剰の榭脂含有塗料を収容するための容器 908の形状を変えたこと以外は、実施形態 1と同様である。よって、第 1信号基板 601の保持や、スキージ 901の摺動等については、実施形態 1と同様に行なわれる。

[0142] 本実施形態では、スクリーン 904が除去補助領域 914を有しているので、余剰の榭脂含有塗料 903を効率よくスクリーン 904上から除去できる。図 8に示すように、本実施形態における容器 908の平面形状は、例えば、コの字状である。

[0143] なお、除去補助領域 914に関しても、除去領域 907と同様に面積が大きければ大きいほど、効率良く余剰の榭脂含有塗料を除去できる。しかし、本発明の目的が達成される限りにおいては、その面積や形状等については特に制限はない。容器 908の形状や開口面積等についても同様である。

[0144] 図 6Bおよび図 7Bに示した例では、除去補助領域 914は除去領域 907と繋がっており、除去補助領域 914と除去領域 907とが連続した一つの領域を構成しているので、余剰の榭脂含有塗料を効率的に除去でき好ましい。しかし、除去補助領域 914 は、必ずしもは除去領域 907と繋がって、なくてもょ、。

[0145] 除去補助領域 914を構成する複数の第 3の孔が網目である場合、除去補助領域 9 14におけるメッシュ数は、 100〜600であると好ましく、線材の線幅は 20 m〜 100 mであると好ましい。

[0146] 本実施形態では、多層情報記録媒体を量産する場合にお!、て、各多層情報記録媒体が有する榭脂層 603, 605, 607 (図 1参照）間の厚みのばらつきを極力小さくするため、 1層の塗料層を形成する毎に、スキージ 901ど塗布領域 906の間、すなわち、塗料一時保持領域 911に、榭脂含有塗料 903を供給する。

[0147] 榭脂含有塗料 903の供給量は、ディスペンサー等の塗料供給部（図示せず）によつて行なわれる。榭脂含有塗料 903は、例えば、第 1信号基板 601の外径が 120mm、内径が 15mmであり、第 1情報記録部 602の外径が 117mm、内径が 46mmである場合、 1層の塗料層を形成する毎に 10ml補充した。また初回供給量も 10mlとした。

[0148] 本実施形態でも実施形態 1と同様に、榭脂層の平均厚みの目標値を 25 μ mとした。 1層の榭脂層 603の形成に必要な榭脂含有塗料 903の量は 0. 25mlである。よつて、 1層の塗料層を形成する毎に 9. 75mlの榭脂含有塗料がスクリーン 904上に余る。余剰の榭脂含有塗料の積算量は、実施形態 1における場合よりも多い。そのため、スクリーン 904が、除去領域 907にカ卩えて除去補助領域 914を有していても、複数の塗料層の形成を連続的に行うと、場合によっては、余剰の榭脂含有塗料が塗布領域 906内に浸入して、塗料層の形成が妨げられる恐れがある。

[0149] このような場合、周期的に、スキージ 901のストローク長（進行方向 Xへの摺動距離 )を変化させると好ましい。例えば、 1層目〜20層目の塗料層を形成する際のスト口ーク長よりも、 21層目の塗料層を形成する際のストローク長をより長くして、塗布領域 906と除去領域 907との間の領域 913に蓄積された余剰の榭脂含有塗料を、除去領域 907内に押し込むと好ましい。各塗料層の形成の際に、除去領域 907に達するまでスキージ 901を摺動させてもよいが、上記のとおり、周期的（例えば、 2以上の塗料層を形成する毎）〖こスキージ 901のストローク長を変化させれば、余剰の榭脂含有塗料も効率的に除去でき、よって、効率的に榭脂層を形成できる。

[0150] また、本実施形態では、容器 908に収容された榭脂含有塗料に対して、下記のようなリサイクル処理を行った。

[0151] まず、上記榭脂含有塗料を、直径 5 μ m以上の不純物の透過を阻止可能な程度の網目を有するカートリッジフィルターを透過させて不純物を取り除いた。次いで、榭脂含有塗料を容器 908内にもどし、ロータリーポンプを用いた排気によって、容器 908 内を 90kPa以下に減圧した。この状態を 1時間保持することによって、脱泡処理をした。

[0152] 第 1信号基板 601のテーブル 909への固定と、榭脂含有塗料 903の供給やスキージ 901の位置補正等とを並行して行うことにより、タクト時間をさらに短縮することができる。 [0153] 榭脂層 605、 607についても、榭脂層 603と同様に形成する。第 1〜4情報記録部 602、 604, 606, 608、透明層 609につ!/、ては実施形態 1と同様に形成して、図 1に示した多層情報記録媒体を得る。すなわち、第 1情報記録部 602と榭脂層 603とを形成した後、さらに、第 1工程と第 2工程とをこの順で、各々必要回数行う。最後に、第 4情報記録部 608上に、透明層 609を形成する（図 1参照)。

[0154] 次に、 1層の塗料層を形成する毎に、榭脂含有塗料を 10ml追加しながら、 5000層の榭脂層を連続形成する場合にっ、て検討する。

[0155] 5000層の榭脂層のうちの幾つかの榭脂層について厚みを測定し、表 3に、それらの榭脂層の平均厚み、最小厚み、最大厚み、厚み斑を示した。初回供給量も 10ml とした。榭脂層の厚みの測定方法は表 1に示した例と同様の方法で行った。その他の条件は、表 2に示した例と同様にした。

[0156] [表 3]

平均厚み (jum) 最小値（； Um) 最大値（/·ίιη) 厚み斑（Aim)

1枚目 25.2 24.4 25.7 1.3

2枚目 25.1 24.1 25.4 1.3

3枚目 25.2 24.3 25.7 1.4

4枚目 25.2 24.3 25.8 1.5

10枚目 25.2 24.4 26.0 1.6

-

100枚目 25.1 24.7 25.8 1.1

•

200枚目 25.3 24.4 26.0 1.6

-

500枚目 25.0 24.0 25.5 1.5

•

1000枚目 24.9 24.0 25.5 1.5

2000枚目 25.1 24.4 25.4 1.0

5000枚目 25.1 24.4 26.1 1.7

表 3に示された結果と表 2に示された結果とを比較する。表 2中、最も薄い榭脂層の厚みは 23.8 IX mであり、最も厚い樹脂層の厚みは 26.4μ mであり、個体ばらつきも含めた厚み斑は 2, 6^πι( = 26.4μπι-23. である。一方、表 3中、最も薄い榭脂層の厚みは 24.0 μπιであり、最も厚い榭脂層の厚みは 26. であり、個体ばらつきも含めた厚み斑は 2. l/xm( = 26. l/zm— 24. である。以上のことから、 10層の塗料層を形成する毎に榭脂含有塗料を補充する場合よりも、 1層の塗料層を形成する毎に榭脂含有塗料を補充する場合の方が、平均厚みがより目標値に近い榭脂層を形成でき、かつ、各榭脂層について厚み斑を小さくすることができることが確認できた。

[0158] (実施形態 3)

実施形態 3では、図 1に示した多層情報記録媒体の製造方法の他の例について図 9 A〜図 10Bを用いて説明する。

[0159] 図 9Aおよび図 10Aは、本実施形態の多層情報記録媒体の製造方法の一例を説明する一工程の断面図であり、図 9Aは塗布直前の様子を示した図、図 10Aは塗布直後の様子を示した図である。図 9Bは、塗布直前のスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図であり、図 10Bは、塗布直後のスクリーンおよびスキージの様子を示した平面図である。

[0160] これらの図において、 1001はスキージ、 1002はスクリーン枠、 1003は紫外線硬化榭脂を含んだ榭脂含有塗料、 1004はスクリーン、 601は第 1信号基板、 602は第 1 情報記録部、 1006は塗布領域、 1007は余剰の榭脂含有塗料 1003を除去するための除去領域、 1011は塗料一時保持領域、 1013は塗布領域 1006と除去領域 10 07との間の領域、 1008はスクリーン 1004から除去された余剰の榭脂含有塗料 100 3を収容するための容器、 1009はテーブル、 1010は榭脂含有塗料 903が塗布されることにより第 1信号基板 601の上方に形成された塗料層を表す。榭脂含有塗料 10 03については、実施形態 1で用いた榭脂含有塗料 103と同様のものを用いればよい

[0161] 本実施形態では、第 2工程において、塗布領域 1006よりも除去領域 1007の方が低くなるように、スクリーン 1004を水平面に対して傾斜させる。かつ、スクリーン 1004 に対応して第 1の情報記録部 602およびテーブル 1009も同角度傾斜させる。このような状態で、第 1情報記録部 602に榭脂含有塗料 1003を塗布する。本実施形態の多層情報記録媒体の製造方法は、以上のこと以外は実施形態 1と同様である。よつて、第 1信号基板 601の保持や、スキージ 1001の摺動等については、実施形態 1と同様に行なわれる。傾斜角度については、 5度〜 30度が好ましい。本実施形態の一例では、傾斜角度を 10度とした。

[0162] 本実施形態では、上記のとおり塗布領域 1006よりも除去領域 1007の方が低くなるように、スクリーン 1004を水平面に対して傾斜させた状態で榭脂含有塗料の塗布を行なう。そのため、実施形態 2のように、スキージ 1001のストローク長を長くしたり、スクリーン 1004に除去補助領域を設ける等しなくても、余剰の榭脂含有塗料 1003をより確実にスクリーン 1004上から除去できる。

[0163] 榭脂層 605、 607についても、榭脂層 603と同様に形成する。第 1〜4情報記録部 602、 604, 606, 608、透明層 609につ!/、ては実施形態 1と同様に形成して、図 1に示した多層情報記録媒体を得る。すなわち、第 1情報記録部 602と榭脂層 603とを形成した後、さらに、第 1工程と第 2工程とをこの順で、各々必要回数行う。最後に、第 4情報記録部 608上に、透明層 609を形成する（図 1参照)。

[0164] 以上のことから、本実施形態においても、実施形態 1〜2と同様に、所望の厚みを有し且つ厚みの均一性が良好な榭脂層を形成できる。よって、情報の記録、または情報の再生が良好に行える多層情報記録媒体を提供できる。

[0165] (実施形態 4)

実施形態 4では、本発明の多層情報記録媒体の製造装置の一例について、図 11 および図 12を用いて説明する。

[0166] 図 11は、本発明の多層情報記録媒体の製造装置の全体を示した構成概念図であり、図 12は、上記製造装置を構成する榭脂層形成部 (多層情報記録媒体の製造過程で用いられる印刷装置）の構成概念図である。本実施形態においても、図 1に示した多層情報記録媒体を形成する場合を例にあげて、本実施形態の製造装置の構成および動作にっ、て説明する。

[0167] 図 11に示すように、本実施形態の多層情報記録媒体の製造装置は、情報記録部形成部 705と、榭脂層形成部 707と、透明層形成部 706とを備えている。榭脂層形成部 707は、印刷部 701と、信号転写部 702と、榭脂硬化実施部 703と、剥離処理部 704とから構成されている。この製造装置では、後述のとおり、複数の多層情報記録媒体を連続的に製造できる。

[0168] 情報記録部形成部 705は、例えば、従来から良くしられた、スパッタリング装置、または蒸着装置などの薄膜形成装置で構成されて!ヽる。情報記録部形成部 705では、まず、複数の第 1信号基板 601に対して、第 1情報記録部 602が順次形成される（情報記録部形成工程)。

[0169] 図 12に示すように、榭脂層形成部 707を構成する印刷部 701は、例えば、スクリーン 701bと、塗料供給部 701dと、スキージ 701eと、余剰の榭脂含有塗料を収容するための容器 701fとを有して、る。

[0170] スクリーン 701bは、実施形態 1において説明したスクリーン 104 (図 3Bまたは図 4B 等参照）と同様に、榭脂含有塗料を一時的に保持するための塗料一時保持領域 11 1と、塗布領域 106と、除去領域 107とを有する。塗料供給部 701dは、スクリーン 70 lb上にペースト状の榭脂含有塗料 701cを供給可能とする、例えばディスペンサーである。なお、スクリーン 701bは、実施形態 2で説明したスクリーン 904 (図 6Bおよび図 7B等参照）と同様に、除去補助領域 914を有していてもよい。

[0171] スキージ 701eは、スクリーン 701bに荷重をかけながらスクリーン 701b上を摺動可能である。スキージ 701eをスクリーン 701bに対して摺動させると、例えば、塗料供給部 701dによってスクリーン 104上に供給された榭脂含有塗料 701cの一部を、塗布領域を通して第 1情報記録部 602 (図 1等参照）に塗布できる。

[0172] 図 12に示すように、第 1情報記録部が形成された第 1信号基板 601は、印刷部 70 1内に配置されたテーブル 708に搬送され、上記印刷部 701では、第 1信号基板 60 1上の第 1情報記録部に、榭脂含有塗料 701cが塗布される。このようにして、第 1情報記録部上に未硬化状態の紫外線硬化榭脂を含む塗料層が形成される。

[0173] スクリーン 701bは、塗料層の形成後に残った榭脂含有塗料をスクリーン 701b上から除去可能とする除去領域を有しているので、除去領域から除去される。余剰榭脂含有塗料の除去は、第 1情報記録部が形成された第 1信号基板 601の入れ替えが行なわれている再最中、および Zまたは、入れ替えられた、第 1情報記録部が形成された第 1信号基板 601に塗料層が形成されている最中に、除去領域から除去される

[0174] なお、本実施形態の製造装置は、第 1信号基板 601をテーブル 708に一時的に吸着固定可能とする吸引手段を備えていると好ましい。吸引手段としては、例えばバキユーム等が挙げられる。

[0175] 図 12に示す様に信号転写部 702は、信号転写用基板 702aを複数備えている。各信号転写用基板 702aは、情報面として凹凸面を有している。搬送部 713によって信号転写部 702内に搬送された各塗料層に対して、上記情報面が接するように、塗料層と信号転写用基板 712とを張り合わせられる。これにより、信号転写用基板の情報面が塗料層に転写される。搬送部 713による搬送は、図中の矢印の方向に行われる

[0176] 図 12に示す様に榭脂硬化実施部 703は、紫外線を照射可能な光照射装置 712から構成されている。榭脂硬化実施部 703内に搬送された各塗料層に対して信号転写用基板 712越しに紫外線を照射すれば、各塗料層に含まれる紫外線硬化樹脂が硬化して、榭脂層 603 (図 1参照）が形成される。

[0177] 榭脂層形成部 707を構成する剥離処理部 704内では、剥離処理部 704内に搬送された、第 1信号基板と第 1情報記録部と榭脂層と信号転写用基板力なる構造物について、榭脂層と信号転写用基板との界面で 2つに分離する剥離処理がなされる。剥離処理部 704は、例えば、信号転写用基板 709と情報面が形成された榭脂層を含む構造体 710を保持可能とする 1対の吸着パッド、信号転写用基板 709と上記構造体 710との界面に挿入されてこれらを剥がす金属板等から構成されて!ヽる。なお、図 12において、 709は榭脂層から剥離された信号転写用基板であり、 710は情報面が形成された榭脂層を含む構造体である。

[0178] 本実施形態では、榭脂層形成部における一連の処理 (榭脂層形成工程）は、減圧ポンプ 711を用いて榭脂層形成部 707全体を減圧雰囲気に保ちながら行う。図 12において、 713は圧力検出装置であり、圧力検出装置 713は、榭脂層形成部 707内の圧力を一定に保持可能とするために圧力制御装置（図示せず。 )に接続されている。このように、榭脂含有塗料の塗布、信号の転写、榭脂の硬化および剥離処理の全てを、減圧雰囲気中で行えば、コンタミを低減でき、榭脂層中への気泡の混入を低減でき、かつ印刷中の榭脂含有塗料への気泡混入も低減できる。

[0179] このようにして得られた、複数の構造体 710は、順次、情報記録部形成部および榭脂層形成部に所定回数搬送されて、構造体 710の各々に、第 2〜4情報記録部 604 , 606、 608、および榭脂層 605, 607 (図 1参照）が形成される。すなわち、第 1情報記録部 602と榭脂層 603とを形成した後、さらに、情報記録部形成工程と榭脂層形成工程とをこの順で、各々必要回数行う（図 1参照)。

[0180] 第 4情報記録部 608 (図 1参照）の形成後は、図 11に示すように透明層形成部 706 で透明層 609 (図 1参照）が形成される。透明層が、例えば、紫外線硬化榭脂を含む塗料から形成される場合、透明層形成部 706は、透明層形成用の印刷部と、透明層形成用の榭脂硬化実施部とを備える。透明層形成用の印刷部の構成は、例えば、榭脂層形成部の印刷部と同様であってもよぐスクリーンについてだけ、透明層の形成専用のものを用いればよい。透明層形成用の榭脂硬化実施部は、榭脂層形成部の榭脂硬化実施部と同様に紫外線を放射する光照射装置から構成されていればよい

[0181] 実施形態 1〜4では、 V、ずれも、 4つの情報記録部を備えた多層情報記録媒体を例に挙げて説明した。しかし、本発明の多層情報記録媒体およびその製造方法この例に制限されない。製造装置についても、 4つの情報記録部を備えた多層情報記録媒体を製造するものに限定されない。情報記録部の数は、第 1信号基板、各榭脂層、透明層等の厚みを調整することにより、 2つまたは 3つとしてもよいし、 5つ以上としてもよい。複数の情報記録部を備えた情報記録媒体は、大容量の情報を記録再生可能である。

[0182] 実施形態 1〜4では、第 1〜第 4情報記録部は、いずれも、反射膜 503、第 1誘電体膜 504、記録膜 505、第 2誘電体膜 506が、第 1信号基板側カゝらこの順で配置された構造をしているが（図 2参照）、第 1〜第 4情報記録部はこの形態に制限されない。各情報記録部は、少なくとも記録膜を含んでいればよぐその他の膜のうちの少なくとも 1つがなくてもよいし、これらの膜以外の膜が含まれていてもよい。反射膜 503、第 1 誘電体膜 504、記録膜 505、および第 2誘電体膜 506の材料についても、実施形態 1で説明した材料に制限されず、それぞれ、公知の材料のいずれであってもよい。

[0183] 実施形態 1〜4では、円盤状のいわゆる光ディスクを例に挙げて説明したが、本発明の多層情報記録媒体およびその製造方法はこの例に限定されない。例えば、メモリーカードなどにも、本発明は適用できる。 [0184] 実施形態 1〜4では、榭脂層は、信号転写用基板によって転写された情報面を有していが、例えば、ホログラムメモリ等のような多層情報記録媒体にあっては、榭脂層は上記情報面を備えて!/、なくても良!ヽ。

産業上の利用可能性

[0185] 本発明の多層情報記録媒体の製法方法および製造装置によれば、厚みの均一性が高い榭脂層を形成できるので、情報の再生、または情報の記録再生が良好に行われる多層情報記録媒体を、生産性良く提供できる。本発明は、中心孔を有する円盤形の Blu— ray Discのみならず、メモリーカード、 CD、 DVD,ホログラムメモリ等にち適用でさる。

Claims

請求の範囲

[1] 2以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された榭脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された多層情報記録媒体の製造方法であって、

前記信号基板の一方の主面側に所定の情報記録部を形成する第 1工程と、複数の第 1孔を有する塗布領域と、複数の第 2孔を有する除去領域とを有するスクリーン上に供給された榭脂含有塗料の一部を、前記スクリーン上にスキージを摺動させることにより前記複数の第 1孔内を通過させて、前記所定の情報記録部上に塗料層を形成し、前記塗料層に含まれる榭脂を硬化して、前記榭脂層を形成する第 2ェ程とを含み、

前記第 1工程と前記第 2工程とをそれぞれ所定回数行い、

各第 2工程において、前記所定の情報記録部に塗布されなかった前記スクリーン上の残余の榭脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第 2孔内を通過させることにより、前記スクリーン上から除去することを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。

[2] 前記スクリーン上力も除去された前記榭脂含有塗料はリサイクル処理されて、再度前記スクリーン上に供給される請求項 1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。

[3] 前記スクリーンは、前記塗布領域の周囲において、前記スキージの進行方向に沿つて設けられ、複数の第 3孔を有した除去補助領域をさらに有する請求項 1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。

[4] 前記スクリーンは、前記塗布領域を挟むように配置された、 1対の除去補助領域をさらに有し、各除去補助領域は複数の第 3孔を有している請求項 1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。

[5] 前記第 2工程にお、て、前記塗布領域よりも前記除去領域の方が低くなるように、前記スクリーンを水平面に対して傾斜させ、かつ、前記スクリーンに対応して前記所定の情報記録部も傾斜させ、この状態で、前記所定の情報記録部に前記榭脂含有塗料を塗布して前記塗料層を形成する請求項 1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。

[6] 前記第 2工程において、前記塗料層を介して、凹凸表面を有する信号転写用基板と前記信号基板とを貼り合わせ、前記塗料層に含まれる榭脂の硬化後に、前記榭脂層から前記信号転写用基板を剥離する請求項 1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。

[7] 前記信号転写用基板と前記信号基板とを、大気圧よりも低!、気圧下で貼り合わせる請求項 6に記載の多層情報記録媒体の製造方法。

[8] 請求項 1に記載の多層情報記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする多層情報記録媒体。

[9] 2以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された榭脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された多層情報記録媒体を製造するための製造装置であって、前記情報記録部を形成する情報記録部形成部と、

前記榭脂層を形成する榭脂層形成部とを含み、

前記榭脂層形成部は、

複数の第 1孔を有する塗布領域と、複数の第 2孔を除去領域とを有するスクリーンと前記スクリーン上に前記榭脂含有塗料を供給可能とする榭脂供給部と、前記スクリーン上を摺動可能とし、前記スクリーン上を摺動することによって、前記塗料供給手段によって前記スクリーン上に供給される前記榭脂含有塗料を、前記複数の第 1孔を通過させて前記情報記録部上に塗料層を形成可能とするスキージと、を含む印刷部と、

前記塗料層に含まれる榭脂を硬化可能とする榭脂硬化実施部とを含み、前記除去領域は、前記情報記録部に塗布されずに前記スクリーン上に残る榭脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第 2孔内を通過させることにより、前記スクリーン上から除去可能とすることを特徴とする多層情報記録媒体の製造装置。

[10] 前記印刷部は、前記スクリーン上から除去されうる榭脂含有塗料を収容可能とする容器をさらに含む請求項 9に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[11] 前記榭脂層形成部は、

情報面として凹凸面を有し、前記塗料層に貼付けられることにより、前記塗料層に情報面を転写可能とする信号転写用基板を含む信号転写部と、前記榭脂層から前記信号転写用基板を剥離する剥離処理部とをさらに含む請求項 9に記載の多層情報記録媒体の製造装置

[12] 前記榭脂層形成部は、前記信号基板を着脱自在に固定可能とするテーブルをさらに備える請求項 9に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[13] 前記スクリーンは、前記塗布領域よりも前記除去領域の方が低くなるように、水平面に対して傾斜しており、かつ、前記スクリーンに対応して前記テーブルも傾斜している請求項 12に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[14] 前記容器に収容されうる前記榭脂含有塗料をリサイクルし、リサイクルされた前記榭脂含有塗料を前記塗料供給手段に供給可能とするリサイクル機構をさらに備えた請求項 10に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[15] 前記スクリーンは、前記塗布領域の周囲において、前記スキージの進行方向に沿つて設けられ、複数の第 3孔を有した除去補助領域をさらに有する請求項 9に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[16] 前記スクリーンは、前記塗布領域を挟むように配置された 1対の除去補助領域をさらに有し、各除去補助領域は複数の第 3孔を有している請求項 9に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[17] 前記除去領域と前記除去補助領域とが繋がっている請求項 15または 16に記載の多層情報記録媒体の製造装置。

[18] 請求項 9に記載の多層情報記録媒体の製造装置を構成するスクリーンであって、複数の第 1孔を有し、前記スクリーン上に供給される前記榭脂含有塗料の一部を、前記複数の第 1孔を通過させて前記情報記録部へ塗布可能とする塗布領域と、複数の第 2孔を有し、前記情報記録部に塗布されないで残る榭脂含有塗料の少なくとも一部を、前記複数の第 2孔内を通過させることにより前記スクリーン上力も除去可能とする除去領域とを含むことを特徴とする多層情報記録媒体製造用スクリーン。

[19] 2以上の情報記録部と、前記情報記録部間に配置された榭脂層とを含み、これらが信号基板上に配置された、多層情報記録媒体を複数個連続製造する製造方法であつて、

前記信号基板の一方の主面側に所定の情報記録部を形成する情報記録部形成工程と、

複数の第 1孔を有する塗布領域と、複数の第 2孔を有する除去領域とを有するスクリーン上に供給される榭脂含有塗料の一部を、前記スクリーン上にスキージを摺動させることにより、前記複数の第 1孔内を通過させて、所定の情報記録部上に塗料層を形成し、前記塗料層に含まれる榭脂を硬化して、前記榭脂層を形成する榭脂層形成工程とを含み、

各多層情報記録媒体を製造するために、情報記録部形成工程と榭脂層形成工程とをそれぞれ所定回数行い、

各情報記録部に塗布されなカゝつた残余の榭脂含有塗料の少なくとも一部は、 1以上の塗料層を形成する毎に、または、他の塗料層を形成している最中に、複数の第 2孔内を通過させて、前記スクリーン上から除去することを特徴とする、複数の多層情報記録媒体を連続製造する製造方法。

1層の塗料層を形成する毎に、前記スクリーン上に榭脂含有塗料を補充する請求項 19に記載の複数の多層情報記録媒体を連続製造する製造方法。